JP6860401B2 - のり面安定化工法 - Google Patents

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Description

本開示は、盛土や軟弱地盤等の地山ののり面(斜面)を安定化させるのり面安定化工法に関し、より詳しくは、地山の抑止補強工と地下水の排水工とを同時に施工できるのり面安定化工法に関する。
地山の抑止補強工と地下水の排水工とを同時に施工できる斜面安定化工法として、先端側が地山中に定着され、頭部側が斜面表面に固定されるアンカーが、多数の貫通集水孔を有する中空管体と、中空管体の外周に設けられる不織布等の透水性を有する排水材とを備え、先端側が斜面側よりも上方に位置するように地山中に形成された削孔内に中空管体及び排水材を挿入、配置し、その後、中空管体内に配置した注入パイプを介して中空管体の先端側から地山に向けてグラウト材を注入、硬化させることで、アンカーの先端側を地山中に定着させるものが公知である(特許文献1)。この工法では、アンカーが地山の抑止補強工と地下水排水工とを兼ね合わせた機能を備えるため、地山に穿設する削孔が1つで済み、施工能率の向上と施工コストの削減が図られる。
特許第4296660号公報
しかしながら、従来の斜面安定化工法では、排水材を削孔内に挿入するためにはアンカーの直径(即ち排水材の直径)よりも大きな直径の削孔を地山に穿設しなければならない。また、アンカーの外周側には排水材が配置されているため、地山が排水材を押し潰すことで或いは排水材内に進入することで流動し得るため、地山が緩み易い。更に、削孔を穿設した後に中空管体を削孔内に挿入するため、作業工数が多いうえ、先行掘削から中空管体の挿入までの間にも孔壁の崩壊による地山の緩みを招き易い。
本発明は、このような背景に鑑み、作業工数が少なく、地山の緩みを抑制できるのり面安定化工法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある態様は、先端部が地山(2)に定着され、後端部が地山ののり面(2a)に固定される有孔管(4)によって地山を補強すると共に地山中の地下水を外部に排出するのり面安定化工法であって、ロッド(11)、前記ロッドの先端に設けられた掘削ヘッド(12)、及び前記ロッドの周りに土砂運搬可能に設けられたスクリュ(13)を有する掘削スクリュ(10)を概ね水平に配置された前記有孔管の内部に配置し、前記掘削スクリュを回転させながら前記掘削スクリュ及び前記有孔管を地山に挿入するステップ(図2(A))と、前記有孔管の先端部周辺の地山に前記掘削スクリュを介してグラウトを注入し、前記有孔管の先端を地山に定着するステップ(図2(B))と、前記有孔管から前記掘削スクリュを引き抜くステップ(図2(C))とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、掘削スクリュを回転させながら有孔管を地山に挿入するため、削孔作業と有孔管の挿入作業とを同時に行うことができ、作業工数を削減できる。また、必要以上に大きな孔を地山に穿設する必要がなく、孔の穿設後に有孔管を地山から引き抜く必要もないため、地山が緩み難い。更に、有孔管の外部に排水材を設ける必要もない。
また、上記構成において、前記有孔管(4)に形成された孔が当該有孔管の長手方向に延びるスリット(3)であるとよい。
この構成によれば、有孔管の地山への挿入抵抗が小さくなる。また、土砂の流入が少なく、地下水の流入面積が大きな貫通孔を少ない数のスリットにより形成できる。
また、上記構成において、前記掘削スクリュ(10)を引き抜いた後、前記有孔管(4)の内部に透水フィルタ(8)を挿入するステップ(図2(D))を更に含むとよい。
この構成によれば、孔から有孔管の内部に土砂が流入することが抑制され、有孔管の目詰まりが抑制される。
また、上記構成において、前記有孔管(4)の後端には外方に延出するフランジ(6)が設けられており、前記のり面(2a)と前記フランジとの間にコンクリートを打設することによって前記有孔管の前記後端部を前記のり面に固定するステップ(図2(D))を更に含むとよい。
この構成によれば、有孔管の後端部を容易に地山の斜面に固定することができ、固定によって地山をより安定化させることができる。
また、上記構成において、前記有孔管(4)の先端を地山に定着するステップ(図2(B))では、前記掘削ヘッド(12)が前記有孔管の先端よりも前方に位置するまで前記掘削スクリュ(10)を地山に挿入し、前記掘削ヘッドから地山に前記グラウトを注入し、注入された前記グラウトが固化する前に、前記掘削スクリュを前記スクリュ(13)によって土砂を前方へ押し込む向きに回転させながら後退させて前記掘削ヘッドを前記有孔管の内部に退避させるとよい。
この構成によれば、グラウトが有孔管の先端から空洞部に流入することが抑制され、有孔管の先端部が強固に地山に定着する。
或いは、上記構成において、前記有孔管(4)の先端部には、前記グラウトにより固められた地山(5)に係合する係合手段が設けられており、前記有孔管の先端を地山に定着するステップ(図2(B))では、前記係合手段の周辺の地山に前記グラウトが回るように前記掘削ヘッド(12)から前記グラウトを注入するとよい。
この構成によれば、係合手段と地山との係合によって有孔管の先端部が強固に地山に定着する。
また、上記構成において、前記係合手段は、前記有孔管(4)の先端部にて内側からのプレス加工によって外周面から突出するように形成された突出部(21)を含むとよい。
この構成によれば、有孔管に容易に係合手段を形成することができる。
また、上記構成において、前記係合手段は、前記有孔管(4)の先端部の外周面に取り付けられた外側掘削ビット(31)を含むとよい。
地山の状態によっては有孔管を地山に挿入するのが困難な場合があるが、この構成によれば、有孔管を回転させながら地山に挿入することで有孔管の地山への挿入を容易にできる。
また、上記構成において、前記係合手段は、前記有孔管(4)の先端部にて拡径するように形成された大径部(4B)と、大径部の内周面に取り付けられた内側掘削ビット(41)とを含むとよい。
この構成によれば、大径部によって有孔管の本体部よりも大きな孔が地山に穿設されるため、有孔管の地山への挿入が容易になるうえ、大径部及び内側掘削ビットによって有孔管の先端部が強固に地山に定着する。
また、上記構成において、前記有孔管(4)から前記掘削スクリュ(10)を引き抜くステップでは、前記掘削スクリュを回転させると共に先端より注水しながら引き抜くとよい。
この構成によれば、排水機能を持つ有孔管の定着体よりも後方の中空管部分が洗浄され、排水機能が向上する。
このように本発明によれば、作業工数が少なく、地山の緩みを抑制できるのり面安定化工法を提供することができる。
第1実施形態に係るのり面安定化構造の断面図 第1実施形態に係るのり面安定化工法の手順説明図 第2実施形態に係るのり面安定化構造の施工状態の断面図 第3実施形態に係るのり面安定化構造の施工状態の断面図 第4実施形態に係るのり面安定化構造の施工状態の断面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1及び図2を参照して第1実施形態に係るのり面安定化構造1及びその構築方法について説明する。図1は、第1実施形態に係るのり面安定化構造1の断面図である。図1に示されるように、盛土からなる地山2には、鋼管の壁に多数の貫通孔を穿設してなる複数の有孔管4が埋め込まれている。本実施形態では、有孔管4の貫通孔は、有孔管4の長手方向に延びるスリット3として形成され、長手方向及び周方向に所定の間隔をもって複数のスリット3が形成されている。
有孔管4は、地山2ののり面2aの主に下側に配置され、地盤の状態や有孔管4の径等に応じ、のり面2aの幅方向及び高さ方向に適宜の間隔(1m〜5m程度)をもって配置される。各有孔管4は8cm〜15cm程度の直径を有しており、地山2に概ね水平に埋め込まれている。また、各有孔管4は、先端がのり面2aから離れた位置にある安定地盤に所定の定着長さをもって進入し、且つ後端がのり面2aから突出する長さ(例えば、10m〜20m程度)を有している。
有孔管4の先端部分には、グラウト(グラウト材)の注入によって造成された定着体5が一体形成されている。定着体5は、有孔管4の先端よりも前方(地中側)から有孔管4の先端よりも後方(のり面2a側)に亘って有孔管4の周囲及び有孔管4の内部に形成されている。有孔管4の定着体5が形成された部分にもスリット3が形成されており、定着体5がスリット3を貫通して有孔管4の内外に一体形成されていることにより、定着体5と有孔管4とが強固に結合している。
有孔管4の後端には、外方に延出するフランジ6が溶接により固定されている。のり面2aとフランジ6との間にはコンクリート製の台座7が構築されている。これにより、フランジ6が支圧板となり、有孔管4ののり面2aから突出する後端部分(頭部)がのり面2aに固定される。即ち、有孔管4は、安定地盤に定着する定着体5を含む先端部分がアンカー体として機能し、後端の頭部とアンカー体との間の部分が頭部からの引張力をアンカー体に伝達する引張材として機能するグラウンドアンカーを形成する。
また、上記のように、有孔管4は概ね水平に設けられていることから、スリット3から地下水を集めて後端から外部に排出する排水管としても機能する。排水性能を考慮して、有孔管4は先端が後端よりも高くなる向きに傾斜して設けられてもよい。一方、そのような向きに有孔管4を傾斜させると、有孔管4の長さ(アンカー長)が長くなる。そのため、本実施形態では有孔管4が概ね水平に設けられている。有孔管4は、排水が可能な角度範囲であれば、先端が後端よりも低くなる向きに傾斜して設けられてもよい。
有孔管4の内部には、合成樹脂製の透水フィルタ8が配置されている。透水フィルタ8は、有孔管4の内径と略同一の直径を有する樹脂フィラメントからなるヘチマ状構造体(例えば、ヘチマロン(登録商標))であってよく、定着体5とフランジ6との間の略全長に亘って有孔管4内に設けられている。有孔管4の後端は、排水のために開放されているが、透水性のある金網等により塞がれてもよい。
のり面2aにおける台座7の下方には、有孔管4により集められた地下水を排出するためにコンクリート製の排水溝9が形成されるとよい。のり面2aにモルタルやコンクリート等の吹付工が施される場合には排水溝9は設けられなくてもよい。
このように構成されたのり面安定化構造1は、地山2の抑止補強機能と地下水の排水機能とを備え、盛土や軟弱地盤等の地山2ののり面2aを安定化させる。
次に、のり面安定化構造1の構築方法であるのり面安定化工法について説明する。
図2は、第1実施形態に係るのり面安定化工法の手順の説明図である。図2(A)に示されるように、ロッド11、ロッド11の先端に設けられた掘削ヘッド12、及びロッド11の周りに土砂運搬可能に設けられたスクリュ13を有する掘削スクリュ10を概ね水平に配置された有孔管4の内部に配置し、スクリュ13が土砂を後方へ排出する向き(正転方向)に掘削スクリュ10を回転させながら掘削スクリュ10及び有孔管4を地山2に挿入する。即ち、掘削スクリュ10によって地山2に削孔する際のケーシングとして有孔管4を利用する。掘削スクリュ10の回転及び挿入並びに有孔管4の挿入の作業は、これらを回転可能且つ進退可能に保持する図示しない建設機械によって行う。なお、有孔管4も建設機械によって回転駆動されてもよい。
有孔管4を所定の深さまで地山2に挿入した後、図2(B)に示されるように、有孔管4の先端部周辺の地山2に掘削スクリュ10のロッド11及び掘削ヘッド12を介してグラウトを注入し、定着体5を形成することで有孔管4の先端を地山2に定着する。具体的には、掘削ヘッド12が有孔管4の先端よりも前方に位置するまで掘削スクリュ10を地山2に挿入し、掘削ヘッド12の先端に設けられた注入孔から地山2にグラウトを高圧で噴出しながらスクリュ13で土砂とグラウトを混合攪拌することにより地山と密着した均質な定着体5を造成する。この際、地山2の状態の応じ、有孔管4の先端部に形成されたスリット3の周辺の地山2にグラウトが回るように掘削スクリュ10を操作しながらグラウトを注入する。その後、注入されたグラウトが固化する前に、スクリュ13が土砂を前方へ押し込む向き(逆転方向)に掘削スクリュ10を回転させながら掘削スクリュ10を後退させて掘削ヘッド12を有孔管4の内部に退避させる。
続いて、図2(C)に示されるように、掘削スクリュ10を有孔管4から引き抜く。この際、掘削スクリュ10を正転方向又は逆転方向に回転させると共に先端より注水しながら引き抜く。これにより、排水機能を持つ有孔管4の定着体5よりも後方(のり面2a側)の中空管部分を洗浄して排水機能を高めることができる。
最後に、図2(D)に示されるように、有孔管4の内部に透水フィルタ8を挿入し、のり面2aとフランジ6との間にコンクリートを打設して有孔管4の後端部をのり面2aに固定する。また、必要に応じ、のり面2aにおける台座7の下方にコンクリート製の排水溝9を構築する。これにより、1本の有孔管4の地山2への固定が完了する。複数の有孔管4を順次地山2へ固定することにより、のり面安定化構造1が構築される。
次に、このようにしてのり面安定化構造1を構築するのり面安定化工法の効果を説明する。
図2(A)に示されるように、掘削スクリュ10を概ね水平に配置された有孔管4の内部に配置し、掘削スクリュ10を回転させながら掘削スクリュ10及び有孔管4を地山2に挿入するため、削孔作業と有孔管4の挿入作業とが同時に行われ、作業工数が削減される。また、必要以上に大きな孔を地山2に穿設する必要がなく、孔の穿設後に有孔管4を地山2から引き抜く必要もないため、地山2が緩み難い。更に、有孔管4の外部に排水材を設ける必要もない。
また、有孔管4に形成された貫通孔が有孔管4の長手方向に延びるスリット3であるため、有孔管4の地山2への挿入抵抗が小さい。これにより、小型の建設機械を用いて掘削スクリュ10を駆動できる。また、スリット3からは土砂の流入が少なく、地下水の流入面積が大きな貫通孔を少ない数のスリット3により形成できる。
図2(D)に示されるように、掘削スクリュ10を引き抜いた後、有孔管4の内部に透水フィルタ8を挿入するため、スリット3から有孔管4の内部に土砂が流入することが抑制され、有孔管4の目詰まりが抑制される。
また、有孔管4の後端部をのり面2aに固定する際には、のり面2aとフランジ6との間にコンクリートを打設することで、有孔管4の後端部を容易に地山2の斜面に固定することができ、この固定によって地山2がより安定化する。
図2(B)に示されるように、有孔管4の先端を地山2に定着する際には、掘削ヘッド12が有孔管4の先端よりも前方に位置するまで掘削スクリュ10を地山2に挿入し、掘削ヘッド12から地山2に注入したグラウトが固化する前に、掘削スクリュ10を後退させるため、グラウトが有孔管4の先端から空洞部に流入することが抑制され、有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。
また、この際にスリット3の周辺の地山2にグラウトが回るように掘削ヘッド12からグラウトを注入することにより、スリット3と地山2との係合によって有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。
図2(C)に示されるように、有孔管4から掘削スクリュ10を引き抜く際には、掘削スクリュ10を回転させると共に先端より注水することにより、排水機能を持つ有孔管4の定着体5よりも後方の中空管部分が洗浄され、排水機能が向上する。
≪第2実施形態≫
次に、図3を参照して第2実施形態に係るのり面安定化構造1及びその構築方法について説明する。なお、第1実施形態と形態又は機能が同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。以降の実施形態においても同様とする。
図3は、第2実施形態に係るのり面安定化構造1の施工状態の断面図である。本実施形態ののり面安定化構造1では、有孔管4の先端部に、内側からのプレス加工によって外周面から突出するように形成された突出部21が形成されている。突出部21は、打ち抜き加工(ブランキング)によりスリット3を形成する際に大きく残るようにしたバリであってもよく、半抜き加工(ハーフブランキング)により有孔管4に突出形成された突出片や、切込み加工(スリッティング)によって一部が開くように形成された切込み片であってもよい。
定着体5を形成することで有孔管4の先端を地山2に定着する際には、突出部21の周辺の地山2にグラウトが回るように掘削スクリュ10を操作しながらグラウトを注入する。これにより、突出部21が、グラウトにより固められた地山2(定着体5)に係合する係合手段として機能し、突出部21と地山2との係合によって有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。
また、グラウトにより固められた地山2に係合する係合手段として、有孔管4の先端部にて内側からのプレス加工によって外周面から突出するように形成された突出部21が形成されているため、有孔管4に容易に係合手段を形成することができる。
≪第3実施形態≫
次に、図4を参照して第2実施形態に係るのり面安定化構造1及びその構築方法について説明する。
図4は、第3実施形態に係るのり面安定化構造1の施工状態の断面図である。本実施形態ののり面安定化構造1では、有孔管4の先端部の外周面に外側掘削ビット31が取り付けられている。即ち、先端部の外周面に取り付けられた外側掘削ビット31が係合手段として有孔管4に形成されている。
定着体5を形成することで有孔管4の先端を地山2に定着する際には、外側掘削ビット31の周辺の地山2にグラウトが回るように掘削スクリュ10を操作しながらグラウトを注入する。これにより、外側掘削ビット31が、グラウトにより固められた地山2(定着体5)に係合する係合手段として機能し、外側掘削ビット31と地山2との係合によって有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。また、地山2の状態によっては有孔管4を地山2に挿入するのが困難な場合があるが、外側掘削ビット31が設けられたことにより、有孔管4を回転させながら地山2に挿入することで有孔管4の地山2への挿入が容易になる。
≪第4実施形態≫
次に、図5を参照して第2実施形態に係るのり面安定化構造1及びその構築方法について説明する。
図5は、第4実施形態に係るのり面安定化構造1の施工状態の断面図である。本実施形態ののり面安定化構造1では、有孔管4は、本体部4Aと、先端部にて拡径するように本体部4Aに一体形成された大径部4Bと有している。有孔管4の大径部4Bの内周面には、内側掘削ビット41が取り付けられている。即ち、先端部にて拡径するように形成された大径部4Bと、大径部4Bの内周面に取り付けられた内側掘削ビット41とが、有孔管4に係合手段として形成されている。最前列に設けられた内側掘削ビット41以外の内側掘削ビット41は、有孔管4の大径部4Bの内周面から内側に向けて後方へ傾斜する向きに設けられている。
定着体5を形成することで有孔管4の先端を地山2に定着する際には、大径部4Bの周辺及び内側(即ち、内側掘削ビット41の周辺)の地山2にグラウトが回るように掘削スクリュ10を操作しながらグラウトを注入する。これにより、大径部4B及び内側掘削ビット41が、グラウトにより固められた地山2(定着体5)に係合する係合手段として機能し、大径部4B及び内側掘削ビット41と地山2との係合によって有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。また、大径部4Bによって有孔管4の本体部4Aよりも大きな孔が地山2に穿設されるため、有孔管4の地山2への挿入が容易になるうえ、大径部4B及び内側掘削ビット41によって有孔管4の先端部が強固に地山2に定着する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として盛土からなる地山2にのり面安定化構造1を構築する工法について説明を行ったが、軟弱地盤等の地山2に広く適用することができる。また、上記実施形態では、のり面2aの幅方向及び高さ方向に複数列に設けられた有孔管4によりのり面安定化構造1が構成されているが、1本の有孔管4によりのり面安定化構造1が構成されてもよい。更に、上記実施形態では、のり面2aが、露出する地山2によって画定される傾斜面であるが、地山2を覆う擁壁によって画定される鉛直に近い面であってもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 のり面安定化構造
2 地山
2a のり面
3 スリット(貫通孔、係合手段)
4 有孔管
4A 本体部
4B 大径部(係合手段)
5 定着体
6 フランジ
7 台座
8 透水フィルタ
9 排水溝
10 掘削スクリュ
11 ロッド
12 掘削ヘッド
13 スクリュ
21 突出部(係合手段)
31 外側掘削ビット(係合手段)
41 内側掘削ビット(係合手段)

Claims (8)

  1. 先端部が地山に定着され、後端部が地山ののり面に固定される有孔管によって地山を補強すると共に地山中の地下水を外部に排出するのり面安定化工法であって、
    ロッド、前記ロッドの先端に設けられた掘削ヘッド、及び前記ロッドの周りに土砂運搬可能に設けられたスクリュを有する掘削スクリュを概ね水平に配置された前記有孔管の内部に配置し、前記掘削スクリュを回転させながら前記掘削スクリュ及び前記有孔管を地山に挿入するステップと、
    前記有孔管の先端部周辺の地山に前記掘削スクリュを介してグラウトを注入し、前記有孔管の先端を地山に定着するステップと、
    前記有孔管から前記掘削スクリュを引き抜くステップとを含み、
    前記有孔管の先端部には、前記グラウトにより固められた地山に係合する係合手段が設けられており、
    前記有孔管の先端を地山に定着するステップでは、前記係合手段の周辺の地山に前記グラウトが回るように前記掘削ヘッドから前記グラウトを注入し、
    前記係合手段は、前記有孔管の先端部にて拡径するように形成された大径部と、前記大径部の内周面に取り付けられた内側掘削ビットとを含むことを特徴とするのり面安定化工法。
  2. 前記有孔管に形成された孔が当該有孔管の長手方向に延びるスリットであることを特徴とする請求項1に記載ののり面安定化工法。
  3. 前記掘削スクリュを引き抜いた後、前記有孔管の内部に透水フィルタを挿入するステップを更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載ののり面安定化工法。
  4. 前記有孔管の後端には外方に延出するフランジが設けられており、
    前記のり面と前記フランジとの間にコンクリートを打設することによって前記有孔管の前記後端部を前記のり面に固定するステップを更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載ののり面安定化工法。
  5. 前記有孔管の先端を地山に定着するステップでは、前記掘削ヘッドが前記有孔管の先端よりも前方に位置するまで前記掘削スクリュを地山に挿入し、前記掘削ヘッドから地山に前記グラウトを注入し、注入された前記グラウトが固化する前に、前記掘削スクリュを前記スクリュによって土砂を前方へ押し込む向きに回転させながら後退させて前記掘削ヘッドを前記有孔管の内部に退避させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載ののり面安定化工法。
  6. 前記係合手段は、前記有孔管の先端部にて内側からのプレス加工によって外周面から突出するように形成された突出部を含むことを特徴とする請求項に記載ののり面安定化工法。
  7. 前記係合手段は、前記有孔管の先端部の外周面に取り付けられた外側掘削ビットを含むことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載ののり面安定化工法。
  8. 前記有孔管から前記掘削スクリュを引き抜くステップでは、前記掘削スクリュを回転させると共に先端より注水しながら引き抜くことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載ののり面安定化工法。
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