JP3868204B2 - アンカー施工用装置およびアンカーの施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤中にアンカーを造成するためのアンカー施工用装置およびアンカーの施工方法に関するものであり、特に、硬質地盤あるいは玉石や転石が混入する地盤等の地山法面等におけるアンカー造成に最適である。
【0002】
【従来の技術】
硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等の削孔を効率良く行うには、掘削ツールに回転や打撃のエネルギーを加えるだけでなく、掘削ずりをスムーズに排出することが要求される。
【0003】
従来一般のアンカーの造成方法には、図6(a) に示すように、ボーリングマシンに支持された中空の掘削ロッド50の先端にリング状等の掘削ビット51を設け、掘削ロッド50を回転させながら削孔し、この際、掘削ロッド50の先端からは水等の掘削液Wを噴出させ、発生した掘削ずりKを掘削液と共に周辺地盤Aと掘削ロッド50の間隙を通してマシン側の外部へと排出する削孔方法(正循環)が採用されている。
【0004】
図7に示すように、所定の深さまで掘進すると、セメントミルク等の固化材液Cを掘削ロッド50の先端から吐出しつつ掘削ロッド50・掘削ビット51を引き抜き、掘削孔B内が固化材液Cで満たされると、鋼線等のアンカー芯材52を挿入し、固化材液Cが硬化すると、アンカー芯材52を緊張し、そのマシン側の端部をアンカープレート(図示省略)に定着している。
【0005】
しかし、前記従来一般の削孔方法では、掘削ずりが掘削液と共に周辺地盤Aと掘削ロッド50の間隙を流路として排出されるため、その流路が不規則な形状となり、孔壁が崩壊したり、目詰まりしたりし、健全なアンカーを造成することができない問題がある。
【0006】
そのため、このような問題を解消するものとして、外周にケーシングを設けて施工を行う二重管方式が提案されている。この方法は、図6(b) に示すように、先端に掘削ビットをそれぞれ設けた内管61と外管62により二重管ロッド60を構成し、内管61と外管62の間隙を掘削ずり・掘削液の流路としている。
【0007】
また、二重管方式を用いたアンカー施工に関して、特開平8−35386号公報には、掘削時の戻り水によるアンカー孔の破損を二重管方式で防止することを目的とし、掘削液の吐出孔を中央部に有し掘削ずり・掘削液の排出孔を外周部に有する掘削ビットのマシン側の基部にインナーロッドとアウターケーシングの先端を嵌合し、所定深さまで掘進すると、インナーロッドを引き上げ、掘削ビットを残置したままアウターケーシング内にセメントミルクを注入し、次に、セメントミルクで満たされたアウターケーシング内にアンカー鋼線を挿入した後、アウターケーシングのみを回転させながら引き上げて回収し、固化材液が硬化すると、アンカー鋼線を緊張し、アンカープレートに定着する掘削方法が開示されている。
【0008】
また、二重管方式ではないが、特開平5−140932号公報には、地盤中に永久アンカー・仮設アンカーを打設する際、ケーシングパイプの先端にリングビットを取付け、このリングビットの先端縁面の受溝にインナービットを先端面側から嵌入し、このようなケーシングパイプを用いて所定深度まで削孔し、ケーシングパイプ内にアンカー線を挿通してインナービットを押し下げ、インナービットを孔底に残した状態でケーシングパイプを引き上げながらグラウトを1次注入してインナービットを核とするアンカー体を造成する打設方法が開示されている。リングビットとインナービットで削孔速度を大きく設定できるようにし、ケーシングパイプで孔壁の崩壊を防止しながらアンカー線を挿入できるようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような二重管方式としても、内管と外管の間の流路断面に限界があり、掘削ずりを効率よく排出することができず、削孔を効率良く行うことができないなどの問題がある。特に、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等の削孔を効率良く行うことができない。さらに、特開平8−35386号公報の二重管方式では、削孔前に内管と外管を組み立てる作業が必要となり、また、削孔後にも内管と外管を別々に引き上げるため、作業工数が多く、非効率的である。
【0010】
また、一般的なアンカーの造成は、削孔を先に行い、固化材液を注入した後、アンカー芯材を入れる後入れ方式で行われているため(特開平8−35386号公報参照)、作業工数が増え、コストが増加するなどの問題がある。特開平5−140932号公報では、削孔後にケーシングパイプ内にアンカー線を挿通した後、グラウトを注入しているが、この場合も同様に後入れ方式であり、作業工数が増え、コストが増加するなどの問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、アンカーの施工に際し、一般的な削孔方法による孔壁の崩壊等を防止することができると共に、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても、掘削ずりを効率よく排出することができ、削孔を効率良く行うことができ、さらに、アンカー芯材を削孔と同時に設置することができ、作業工数の低減を図ることのできるアンカー施工用装置およびアンカーの施工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、地盤中にアンカーを造成する単管方式のアンカー施工用装置であり、中空の掘削ロッドの先端に、掘削ロッドの外径よりも大径で外周部に掘削ずり排出用の切欠きが形成された掘削ビットが設けられ、掘削ロッドの外周面に、掘削ビットの外径とほぼ等しい外径を有する螺旋状の突起がロッド軸方向に沿って設けられていると共に、掘削ビットの先端側の表面に、掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通して設けられるアンカー芯材に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーを収めることができる係止溝が設けられていることを特徴とするアンカー施工用装置である。螺旋状の突起は、スクリュー羽根であり、ロッド軸方向に連続したものでもよいし、断続的なものでもよい。
【0013】
また、請求項1に記載のアンカー施工用装置は、掘削ビットの先端側の表面に、掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通して設けられるアンカー芯材に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーを収めることができる係止溝が設けられていることを特徴とするアンカー施工用装置であり、掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通してアンカー芯材が設けられ、このアンカー芯材の先端に、掘削ビットの先端面に係止めされ、アンカー芯材の反掘進方向の移動を阻止する芯材ストッパーが設けられているアンカー施工用装置とすることができる。芯材ストッパーは、掘削ビットのアンカー芯材の貫通孔より大きく、掘削ビットの掘削径より小さいものであれば、どのような形状のものでもよいが、例えばアンカー芯材の先端に側面視で直交するように固定された棒材等を用いることができる。この棒状の場合は、正面視で一字状や十字状等とすることができる。
【0015】
本発明の請求項2は、地盤中にアンカーを造成するアンカーの施工方法であり、先端に掘削ビットを有し外周にロッド軸方向に沿う螺旋状の突起を有する単管方式の中空の掘削ロッドにアンカー芯材を掘削ビットおよび掘削ロッドを貫通させて装着すると共に、アンカー芯材の先端に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターより突出しないようにアンカー芯材先端のストッパーを掘削ビットの先端側の表面に係止めし、必要に応じて掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して掘削液を注入しつつ掘削ロッドの回転または回転打撃により地盤の削孔を行い、所定の位置まで掘進すると、固化材液を掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して注入しつつ、掘削ロッドを回転、回転打撃、または打撃させながら、あるいは無回転のまま、引抜き、アンカー芯材をそのまま残置してアンカーを造成することを特徴とするアンカーの施工方法である。掘削ロッドの中空部と、掘削ビットの中心部に形成した貫通孔を、アンカー芯材の挿通孔と掘削液や固化材液の注入孔を兼ねるようにするのが好ましい。
【0016】
以上のような構成において、掘削ビットの掘進によって発生する掘削ずりは、掘削ビットの外周部の掘削ずり排出用の切欠きを通り、掘削ロッドと共に回転する螺旋状の突起のコンベア作用により、効率良く外部に排出される。また、螺旋状の突起により、掘削ロッドと周辺地盤との間に掘削ずりや掘削液の排出通路が大きく確保される。以上により、従来の二重管方式の欠点を解消することができる。この結果、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても掘削ずりをスムーズに排出することが可能となり、また掘削液の使用量も少なくすることができる。さらに、螺旋状の突起の回転速度を制御することにより、あるいは螺旋状のスクリュー羽根の断続長さを変えることなどにより、掘進量とも合わせて掘削ずりの排出量も制御することができるため、孔壁の崩壊も防止できる。
【0017】
また、予めアンカー芯材をセットしたまま削孔し、掘削ロッドを引き抜く際にアンカー芯材を残置させることができるため、従来の後入れ方式における作業工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解消することができる。
【0018】
また、掘進時には、アンカー芯材先端の芯材ストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターあるいは係止溝に係止され、掘削ビットに確実に保持されるため、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等を回転打撃しながら掘進する場合でも、削孔とアンカー芯材の同時埋設を行うことができる。
【0019】
さらに、掘削ビットは、円形断面に切欠きを設けた形状であるため、掘削エネルギーが集中し、削孔を効率良く行うことができる。また、芯材ストッパーは、アンカー底部の定着具として利用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明のアンカー施工用装置の1例を示したものである。図2はアンカー施工用装置の先端の掘削ビット部分の具体例を示したものである。図3はその変形例を示したものである。図4は本発明のアンカー施工方法の掘進時の状況を示したものである。図5は引抜時と引抜後の状況を示したものである。
【0021】
図1に示すように、本発明のアンカー施工用装置1は、主に、中空の掘削ロッド2と、この掘削ロッド2の先端に設けられた掘削ビット3と、掘削ロッド2の外周面に設けられた螺旋状の突起4と、掘削ロッド2と掘削ビット3を貫通して取付けられるアンカー芯材5から構成されている。
【0022】
掘削ロッド2は、中心部に中空部6が形成されたロッドであり、図示しないロータリーパーカッション機等のボーリング機械に装着され、回転または回転打撃が与えられる。中空部6は、アンカー芯材5の挿通孔と、掘削液や固化材液の注入孔を兼ね、アンカー芯材5が挿入された状態でセメントミルク等の固化材液Cを供給可能な内径とされている。
【0023】
掘削ビット3は、その外径が掘削ロッド2の外径よりも大径とされ、掘削ロッド2の先端にねじや溶接等で固定されている。また、中心部に掘削ロッド2の中空部6と略同径で中空部6に連続する貫通孔8が形成され、外周部に切欠きによる掘削ずり排出通路9が形成されている。貫通孔8は、中空部6と同様に、アンカー芯材5の挿通孔と掘削液や固化材液の注入孔を兼ねる。また、切欠き部9を設けることで、地盤に対する掘削エネルギーを集中させることもできる。
【0024】
具体的には、図2に示すように、掘削ビット3は、正面視で略Y型や略十字型とされ、通路9が円周方向に等間隔をおいて3つあるいは4つ形成されている。なお、通路9は、3つあるいは4つに限らず、複数設けられていることが好ましい。掘削ビット3の先端面には、チップまたはカッター10が突設されている。排出通路9の底面は掘削ロッド2の外径と一致させるのが好ましい。
【0025】
螺旋状の突起4は、図1に示すように、掘削ビット3の外径とほぼ等しい外径を有するスクリュー羽根であり、掘削ロッド2と周辺地盤Aとの間に掘削ずり排出通路11を形成すると共に、掘削ずりKを強制的に排出する。この螺旋状の突起4のピッチは、土質などに応じて適宜決定され、また回転削孔時に突起が反掘進方向に後退移動するように回転方向が決められる。なお、この螺旋状の突起4はロッド軸方向に連続したものでもよいし、断続的なものでもよい。
【0026】
アンカー芯材5の先端には、図1,図2に示すように、掘削ビット3の先端面に係止めされ、アンカー芯材5の反掘進方向の移動を阻止する芯材ストッパー12が設けられている。この芯材ストッパー12は、掘削ビット3の回転半径内に納まるものでよく、アンカー芯材5の先端に棒状等のものを側面視でアンカー芯材5と直角に溶接等で取付けて構成することができる。また、アンカー芯材5の正面視の形状は一字状に限らず、十字状等でもよい。十字状等であれば、アンカー芯材5をアンカー体中心に維持するための役目もする。
【0027】
このような芯材ストッパー12付きのアンカー芯材5であれば、掘削ビット3および掘削ロッド2内にその先端側から容易に装着することができ、また削孔時にはアンカー芯材5を掘削ビット3および掘削ロッド2に対して一体化することができ、さらに掘削ロッド引抜時にはアンカー芯材5を掘削孔内に残置することができる。
【0028】
さらに、硬質地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等を掘削するには、掘削ビット3に回転あるいは打撃等の大きなエネルギーの供給が必要であり、それに耐え得る掘進時のアンカー芯材5の保持が必要になるが、掘削ビット3先端面のチップまたはカッター10で芯材ストッパー12が係止されることにより、アンカー芯材5が保持される。
【0029】
アンカー芯材5の保持の更なる安全を図るために、図3に示すように、掘削ビット3の先端面に係止溝13を設け、この係止溝13に芯材ストッパー12を納めることもできる。この係止溝13は、チップまたはカッター10を避け、掘削ビット中心を通る直線上に形成し、また例えば断面U字状とし、棒状の芯材ストッパー12が嵌合あるいは遊嵌し、完全に埋没するようにする。
【0030】
以上のような構成のアンカー施工用装置1を使用して次のような手順でアンカーを施工する。
(1) 削孔を行う前に、アンカー芯材5を掘削ビット3の貫通孔8および掘削ロッド2の中空部6に先端側から挿入し、芯材ストッパー12を掘削ビット3の先端面に係止し、あるいは係止溝13に嵌合し、アンカー芯材5を予め装着しておく。
【0031】
(2) 図1(a) に示すように、アンカー芯材5が装着された掘削ロッド2を回転させ、または掘削ロッド2に回転と打撃を与えて、先端の掘削ビット3で地盤Aを削孔しつつ掘進する。芯材ストッパー12は掘削ビット3のチップまたはカッター10あるいは係止溝13に係止され、掘削ビット3に保持される。掘削ビット3は、円形断面に切欠きを設けた形状であるため、掘削エネルギーが集中し、削孔を効率良く行うことができる。
【0032】
(3) 前記掘進工程において、必要に応じて、水等の掘削液Wが用いられる。この掘削液Wは、図1(a) ,図4(a) に示すように、掘削ロッド2に外部から供給され、中空部6を通り、掘削ビット3の貫通孔8の先端の吐出口14から吐出され、掘削ビット3の排出通路9・掘削ロッド2の排出通路11を通って外部に排出される。
【0033】
(4) 掘削によって発生する掘削ずりKは、図4(a) に示すように、掘削ビット3の円周方向に複数の排出通路9を通り、図4(b) に示すように、掘削ロッド2と共に回転する螺旋状の突起4のコンベア作用により、効率良く外部に排出される。また、螺旋状の突起4により、掘削ロッド2と周辺地盤Aとの間に掘削ずりKや掘削液Wの排出通路11が大きく確保される。以上により、従来の二重管方式の欠点を解消することができる。この結果、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても掘削ずりをスムーズに排出することが可能となり、また掘削液Wの使用量も少なくすることができる。さらに、螺旋状の突起4の回転速度を制御することにより、あるいは断続的な突起4の配置間隔を変えることなどにより、掘進量とも合わせて掘削ずりKの排出量も制御することができるため、孔壁の崩壊も防止できる。なお、通常の地盤掘削に使用されるアースオーガー(スクリュー)は垂直方向に用いられることが多いが、ここでは水平に近い斜め施工に用いることで、螺旋状の突起4のコンベア作用が更に有効に発揮される。
【0034】
(5) 所定の深度に達すると、掘進を停止し、図1(b),図5に示すように、掘削ビット3の先端の吐出口14から固化材液Cを注入しながら掘削ロッド2を引き抜く。掘削ロッド2は、回転、回転打撃、または打撃させながら、あるいは無回転のまま、引き抜く。アンカー芯材5は、その芯材ストッパー12が固化材液Cに押圧される等して掘削孔B内に残置される。アンカー芯材5と装置の切り離しには打撃を用いることもできる。また、残置された芯材ストッパー12は、アンカー芯材5が掘削ロッド2と一緒に共抜けするのを防止する。以上のように、予めアンカー芯材5をセットしたまま削孔し、掘削ロッド2を引き抜く際にアンカー芯材5を残置させることにより、従来の後入れ方式における作業工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解消することができる。
【0035】
(6) 固化材液Cが硬化して所定の圧縮強度に達すると、アンカー芯材5の端部をアンカープレート等に定着させる。この際、芯材ストッパー12は、アンカー底部の定着具として機能する。
【0036】
本発明は、硬質地盤あるいは玉石や転石が混入する地盤等に限らず、軟弱地盤にも適用できることはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏することができる。
【0038】
(1) 掘削ロッドの外周側が孔壁に面しているにも拘わらず、掘削ビットの掘進によって発生する掘削ずりを、掘削ビットの外周部の排出用の切欠きを通し、螺旋状の突起のコンベア作用により、効率良く外部に排出することができ、また螺旋状の突起により、掘削ロッドと周辺地盤との間に掘削ずりや掘削液の排出通路を大きく確保することができ、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても掘削ずりをスムーズに排出することが可能となる。結果として、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても、アンカー体の径を大きくすることができる。また、掘削液の使用量を少なくすることができ、コストの低減が可能となる。
さらに、掘削ビットの先端側の表面に、掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通して設けられるアンカー芯材に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーを収めることができる係止溝が設けられているので、この係止溝にアンカー芯材の先端に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーを嵌めた状態で、アンカー芯材を掘削ビットおよび掘削ロッド内に貫入した状態で掘進することが可能になる。
【0039】
(2) 螺旋状の突起の回転速度を制御することにより、あるいは螺旋状のスクリュー羽根の断続長さを変えることなどにより、掘進量とも合わせて掘削ずりの排出量も制御することができるため、孔壁の崩壊も防止でき、健全なアンカーを造成することができる。
【0040】
(3) 予めアンカー芯材をセットしたまま削孔し、掘削ロッドを引き抜く際にアンカー芯材を残置させることができるため、従来の後入れ方式における作業工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解消することができ、安価で良好なアンカーを造成できる。
【0041】
(4) 掘進時には、アンカー芯材の先端に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターより突出しないように、アンカー芯材先端の芯材ストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターあるいは係止溝に係止され、好ましくは、掘削ビットの先端側の表面に設けられた係止溝に係止される。このようにアンカー芯材先端のストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターあるいは係止溝に係止され、アンカー芯材先端のストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターより突出しない状態で掘削ビットに確実に保持されるため、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等を回転打撃しながら掘進する場合でも、削孔とアンカー芯材の同時埋設を行うことができる。
【0042】
(5) 掘削ビットは、円形断面に切欠きを設けた形状であるため、掘削エネルギーが集中し、削孔を効率良く行うことができる。
(6) アンカー芯材先端の芯材ストッパーは、アンカー底部の定着具として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカー施工用装置の1例を示す側面図であり、(a) は掘進時、(b) は引抜時の状態を示す。
【図2】本発明のアンカー施工用装置の先端の掘削ビット部分の具体例を示したものであり、(a) は正面図、(b) は正面視形状の異なる斜視図、(c) はその側面図である。
【図3】図2の掘削ビット部分の変形例であり、(a) は斜視図、(b) は断面図、(c) は側面図である。
【図4】本発明のアンカー施工方法の掘進時の状況を示す側面図である。
【図5】本発明のアンカー施工方法の引抜時と引抜後の状況を示す側面図である。
【図6】 (a) は従来一般の削孔方法を示す側面図、(b) は従来の二重管方式による削孔方法を示す側面図である。
【図7】従来一般の削孔方法によるアンカー施工方法を工程順に示す側面図である。
【符号の説明】
A……周辺地盤
B……掘削孔
C……固化材液
K……掘削ずり
W……掘削液
1……アンカー施工用装置
2……掘削ロッド
3……掘削ビット
4……螺旋状の突起
5……アンカー芯材
6……中空部
8……貫通孔
9……掘削ずり排出通路
10……チップまたはカッター
11……掘削ずり排出通路
12……芯材ストッパー
13……係止溝
14……吐出口
Claims (2)
- 地盤中にアンカーを造成する単管方式のアンカー施工用装置であり、中空の掘削ロッドの先端に、掘削ロッドの外径よりも大径で外周部に掘削ずり排出用の切欠きが形成された掘削ビットが設けられ、掘削ロッドの外周面に、掘削ビットの外径とほぼ等しい外径を有する螺旋状の突起がロッド軸方向に沿って設けられていると共に、掘削ビットの先端側の表面に、掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通して設けられるアンカー芯材に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーを収めることができる係止溝が設けられていることを特徴とするアンカー施工用装置。
- 地盤中にアンカーを造成するアンカーの施工方法であり、先端に掘削ビットを有し外周にロッド軸方向に沿う螺旋状の突起を有する単管方式の中空の掘削ロッドにアンカー芯材を掘削ビットおよび掘削ロッドを貫通させて装着すると共に、アンカー芯材の先端に固定されたストッパーであるアンカー芯材先端のストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターより突出しないようにアンカー芯材先端のストッパーを掘削ビットの先端側の表面に係止めし、必要に応じて掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して掘削液を注入しつつ掘削ロッドの回転または回転打撃により地盤の削孔を行い、所定の位置まで掘進すると、固化材液を掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して注入しつつ、掘削ロッドを回転、回転打撃、または打撃させながら、あるいは無回転のまま、引抜き、アンカー芯材をそのまま残置してアンカーを造成することを特徴とするアンカーの施工方法。
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