JP3868176B2 - 地盤安定化用打ち込み鋼管とこの鋼管による地盤安定化工法 - Google Patents

地盤安定化用打ち込み鋼管とこの鋼管による地盤安定化工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地山に存在する緩み地盤に硬化性材料を注入して地盤の安定化を図るための鋼管と、この鋼管による地盤安定化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から例えば山岳トンネル工事においては、地盤が軟弱な場合に切羽の安定を図りながら掘削を行う必要があり、そのため、トンネル先受け工法の一種である鋼管注入式フォアイリングが採用されている。このトンネル先受け工法は、図12に示すように所定長のトンネルTを掘削したのち、その掘削壁面にリング支保工Bを施工すると共にコンクリートを吹付けて所定厚みのコンクリート覆工層Cを形成し、しかるのち、穿孔機(図示せず)を用いて長尺の鋼管Aを切羽前方地盤に向かって複数本、放射状に打設し、次いで、掘削壁面から突出している鋼管Aの基端部を通じて該鋼管A内にウレタン樹脂液などの硬化性材料を充填して鋼管Aの管壁に穿設している多数の注入孔aから地盤中に硬化性材料を注入、硬化させることにより地盤の安定化を図っている。
【0003】
地盤に打設した上記鋼管A内を通じて地盤中に硬性材料を注入する場合、該鋼管A内に図13に示すように、予め、外周面に複数本の注入管Dを添設している塩ビ管よりなるインサート管Eを挿入しておくと共に鋼管Aの基端部にキャップFを螺合させて該キャップF内に設けているパッキン材Gにより鋼管Aを密封し、このパッキン材G及びキャップFを貫通して上記注入管Dをトンネル内に突出させた構造としてあり、これらの注入管Dを通じて硬性材料を鋼管A内に充填し、充満した硬質性材料を鋼管Aの管壁に設けている多数の注入孔aを通じて地盤中に注入するように構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記鋼管Aを穿孔機を用いて地盤に打設する際に、先端に掘削ビットを固着しているロッドを該鋼管Aに挿通すると共にロッドの基端部を穿孔機に配設している回転駆動機構に連結させ、さらに、ロッドと共に鋼管Aの基端面を穿孔機に配設しているドリフタによって叩打して地盤に打ち込むものであるから、鋼管Aの基端部がドリフタの打撃力により圧縮変形してその外周面に形成している螺子部Hが潰れ、その結果、硬性材料の注入作業時には上記キャップFを螺合させることができなくなるという問題点が生じる。
【0005】
また、ロッドは回転しながら地盤に打ち込むことによりその先端の掘削ビットにより穿孔していくが、このロッドに被嵌している上記鋼管Aは回転することなく単にドリフタによる打撃力でロッドにより穿孔された掘削孔内に進入していくものであるから、その外周面の一部が孔壁に集中的に圧着しながら打ち込まれる事態が発生して掘進中の長尺のロッドが湾曲し、打ち込みに対する抵抗力が増大して地盤に対する鋼管Aの打設作業が困難となり、正確で且つ精度のよい打ち込みができなくなるという問題点があった。
【0006】
さらに、鋼管Aの打設後、ロッドを引き抜いて掘削孔内に残した該鋼管A内を通じて上述したように硬性材料を注入する際に、鋼管Aの基端部外周面に設けている螺子部Hに対するキャップFの螺合に手間を要するばかりでなく、螺子部Hが上述したように潰れているとキャップFを装着しても鋼管A内に注入、充満する硬性材料の圧力によってキャップFが外れたり硬性材料が外部に漏出したりする虞れがあり、その上、硬性材料の上記圧力によってインサート管Eが圧潰してキャップFを破壊しながら外部に飛び出したりする虞れがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、地盤に対する鋼管の打設作業が正確且つ能率よく行えると共に打設後の鋼管の基端部に対するキャップの取付けがワンタッチでしかも強固に行え、さらに、鋼管内を通じての地盤に対する硬性材料の注入作業を円滑に行える地盤安定化用打ち込み鋼管とこの鋼管による地盤安定化工法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の地盤安定化用打ち込み鋼管は、請求項1に記載したように、地盤に打設したのち、硬化性材料を内部を通じてその管壁に設けている多数の注入孔から地盤に注入することにより地盤の安定化を図る鋼管であって、その基端部外周面に、打設時には穿孔機の回転伝達部材側に設けているL字状の係合孔に係止して回転伝達部材からの回転を鋼管に伝達する平面矩形状の突起を一体に設けた構造としている。
【0009】
さらに上記のように構成した地盤安定化用打ち込み鋼管において、請求項2に係る発明は、鋼管の基端部外周面に突設している平面矩形状の突起を、地盤に対する硬化性材料の注入時に鋼管基端部に被せるキャップに設けている係止孔に係止させるように構成している
【0010】
また、請求項3に係る発明は、この鋼管を用いた地盤安定化工法であって、基端部外周面に突起を設けている鋼管を穿孔機の回転伝達部材に設けている係合孔に係止させた状態で穿孔機による打込み力と回転力を鋼管に回転伝達部材を介して伝達しながら地盤に鋼管を打設したのち、地盤から突出している鋼管の基端部にパッキン材を介してキャップを被せてこのキャップの周壁部に設けているL字状の係止孔に上記突起を係止させることにより鋼管の開口端を密閉し、しかるのち、上記キャップの天壁部に挿通している注入管を通じて鋼管内に硬化性材料を充填して鋼管の管壁に設けている多数の注入孔から地盤に硬化性材料を注入することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
地盤に鋼管を打ち込む際に、まず、先端に掘削ビットを固着しているロッドを該鋼管に挿通した状態にしてこの鋼管の基端部を穿孔機の先端面から突出している作動軸に装着した回転伝達部材の先端部内に挿入し、該基端部外周面に突設している突起を回転伝達部材の先端部に形成している係合孔に係止させると共にこの鋼管の基端部から突出しているロッドの基端部を回転伝達部材に螺合等によって一体に連結する。しかるのち、ロッドの掘削ビットを穿孔すべき地盤に向け、穿孔機の上記作動軸を回転させながら該作動軸を穿孔機内に配設しているドリフタによって打撃すると、この打撃力が回転伝達部材を介してロッドと鋼管に伝達されると共に回転軸の回転によってロッドが回転し、地盤を穿孔しながら鋼管を打ち込んでいく。
【0012】
この時、鋼管はその基端部外周面に突設している突起を回転伝達部材の係合孔に係止させているから、鋼管もロッドと共に一体に回転し、ロッドによって穿孔された掘削孔壁にその外周面を均等に摺接させながらロッドと共に真っ直ぐに進行し、ロッドに不必要な打ち込み抵抗力を生じさせることなく円滑に穿孔していく。また、この穿孔時において、鋼管の先端面に切削ビットを突設しておくことにより、一層、円滑且つ正確に掘削孔を穿設することができる。こうして、地盤中に鋼管を所定深さまで打ち込んだのち、鋼管の基端外周面に突設している突起と回転伝達部材の係合孔との係止を解いてロッドを鋼管から引き抜く。
【0013】
次いで、地盤から突出している上記鋼管内に硬質性材料の注入管を挿入すると共に該鋼管の基端部にキャップを装着して鋼管の開口端を密閉する。このキャップにはパッキン材が内装されていると共にキャップの周壁部には、該キャップの開口端に連通するL字状の係止孔が設けられてあり、さらに、キャップの天壁部から上記パッキン材を貫通して注入管が挿着されている。この注入管を上記鋼管内に挿入すると共にパッキン材を鋼管の開口端部内に嵌着させた状態にしてキャップの上記係止孔を鋼管の基端部外周面に突設している突起に係止させることにより、鋼管の開口端を密閉する。
【0014】
この状態にして上記注入管を通じてウレタン樹脂液等の硬性材料を鋼管内に供給すると、硬性材料は鋼管内に充満したのち、供給圧によって該鋼管の管壁に設けている多数の注入孔から地盤に注入される。この際、鋼管内に充満している硬性材料の圧力がパッキン材を介してキャップに作用するが、上述したようにキャップはその周壁部に設けているL字状の係止孔を鋼管の基端部外周面に突設している突起に抜け止め状態に係止させているから、鋼管の基端部から外れる虞れはない。また、注入管は予め棒状の芯材の外周面に添設状態で取付けておくことにより、鋼管内に対する注入管の挿入が正確且つ容易に行えると共に硬性材料の注入圧によって芯材は圧潰されることはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1はトンネルTを所定長、掘進し且つ緩み地盤が存在する毎に、切羽10の近傍部におけるトンネル周壁面11から計画トンネル断面より外側上周部の前方地山に向かって複数本の鋼管1をトンネル長さ方向に対して所定のさし角度でもって放射状に打設してなる地盤先受け構造を示すもので、トンネル周壁面11は所定長のトンネルTを掘削する毎に順次施工された鋼製リング支保工12によって支持されていると共にトンネル周壁面11にはコンクリートの吹付けによる一次覆工層13と、この一次覆工層13に層着したコンクリートの吹付けによる二次覆工層14が設けられている。
【0016】
さらに、各鋼管1の周囲の緩み地盤15は、鋼管1内を通じて注入したウレタン樹脂よりなる硬化性材料16の硬化によって塊状の地盤に改良されていると共に前後並びに周方向に隣接する鋼管1の周辺の改良地盤が互いに一体化して上方地盤の荷重を均等に受止した構造としている。
【0017】
このような構造を得るためのトンネル先受け工法に用いる上記鋼管1の構造を述べると、図2、図3に示すように、この鋼管1はその管壁に該管壁の内外周面に貫通する多数の注入孔2を周方向及び長さ方向に所望間隔毎に設けていると共に基端部外周面に平面矩形状の突起3を一体に設けてあり、さらに、先端面に複数個の切削ビット4を突設している。
【0018】
この鋼管1をトンネル周壁面11から緩み地盤15に打ち込むための穿孔機5は、図4に示すように、移動台車17の前面側に上下左右並びに屈折が可能なブーム18を設け、このブーム18に上下方向に角度調整可能に支持されたガイド台19を取付けて該ガイド台19上に打設機であるドリフタ21を前後方向に移動可能に配設してなるもので、このドリフタ21にはこのドリフタ21の前端面から突出している作動軸7の後端面を打撃する打撃機構(図示せず)と該作動軸7を回転させる回転機構(図示せず)とを内装してあり、この作動軸7に回転伝達部材8を介して図5、図6に示すように、鋼管1及び先端に掘削ビット6aを突設している穿孔用ロッド6を着脱自在に連結させるように構成している。
【0019】
上記回転伝達部材8は図7、図8に示すように、一定長さを有する円筒形状に形成されていて、その基端部中央に基端面に開口している螺子孔22を設けていると共にこの螺子孔22の前端に通水孔23を介して上記穿孔用ロッド6の基端螺子部6bを螺合させる螺子孔部24を設けている。また、上記通水孔23は図5に示すように、外部からの注水ホース29と連通している。なお、通水孔23は上記ロッド6の中心部に全長に亘って貫通させている通水路6cに連通するように構成している。さらに、この螺子孔部24よりも大径で上記ロッド6の基端部を挿入させる大径孔25を前端面中央から螺子孔部24に連通させて設けていると共にこの大径孔25の基端部から回転伝達部材8の外周面間に切削土砂排出口30を設けてあり、また、上記大径孔25の開口前端部に上記鋼管1の基端部を挿入係止させるための短筒体26を着脱自在に連結させている。
【0020】
この短筒体26の内径は鋼管1の基端部を挿嵌させることができる寸法に形成されていると共に長さ方向の中央部における内部に鋼管1の基端面を受止する受止板27が固着されてあり、さらに、短筒体26の周壁一部にL字状の係合孔28を切欠、形成している。この係合孔28は短筒体26の前端に開口している前側孔部28a の開口幅を上記鋼管1の基端部に突設している突起3を挿入可能な幅に形成していると共にこの前側孔部28a に連通した後側孔部28b を前側孔部28a に対して短筒体26の一側方に幅広くなるようにしてこれらの前後孔部28a 、28b の連設部に短筒体26の周方向に指向した係止端面28c を形成してなるものである。
【0021】
次に、上記のように構成した穿孔機5を用いてトンネル周壁面11から緩み地盤15に鋼管1を打ち込む方法を説明すると、まず、先端に掘削ビット6aを突設しているロッド6を上記鋼管1内に挿通してその切削ビット6aを図5、図6に示すように鋼管1の先端から前方に突出させた状態にすると共に、鋼管1の基端から後方に突出した該ロッド6の基端部を図7、図8に示すように短筒体26から回転伝達部材8内に設けている大径孔25内に挿入してその螺子部6bを螺子孔部24に螺合することにより回転時伝達部材8に一体に連結すると共に、鋼管1の基端部を短筒体26内に挿入する。その際、突起3を短筒体26の周壁に設けているL字状の係合孔28における前側孔部28a に合わせて該突起3をこの前側孔部28a に挿入、通過させ、後側孔部28b 内に位置した時に鋼管1を短筒体26の一側方に向かって回動させることにより突起3の前端面を係止端面28c に係止させて抜け止め状態にする。
【0022】
この状態にして回転伝達部材8の基端螺子孔22をドリフタ21の作動軸7に螺合させて回転伝達部材8を介してドリフタ21に上記鋼管1とロッド6とを連結する。なお、ドリフタ21の作動軸7に回転伝達部材8を連結したのち、この回転伝達部材8に上記同様にして鋼管1とロッド6とを連結してもよい。
【0023】
次いで、ロッド6に被嵌させている上記鋼管1の先端部を穿孔機5のガイド台19の先端部上面に突設しているガイド31に前後摺動自在に支持させた状態にしてロッド6の掘削ビット6aを穿孔すべきトンネル周壁面11から緩み地盤15に向けると共に所定のさし角度に設定したのち、ドリフタ21の作動軸7に打撃力と回転力を与えながら該ドリフタ21を前進させると、作動軸7の回転は該作動軸7と一体に回転する回転伝達部材8を介してロッド6に伝達されると共に鋼管1はその突起3の側面を回転伝達部材8と一体の上記短筒体26の係合孔28の対向側端面に係止させた状態にしてロッド6と一体に同一方向に回転し、且つ打撃力は、ロッド6に対しては回転伝達部材8を介して伝達すると共に鋼管1に対しては上記短筒体26内に固着している受止板27からこの受止板27に当接している鋼管1に底面に伝達され、ロッド6の先端の掘削ビット6aと鋼管1の先端面に突設している切削ビット4とによって地盤15を穿孔しながらロッド6と共に鋼管1を図4に示すように地盤に所定深さまで打設する。
【0024】
この時、鋼管1はロッド6と一体に回転しながら地盤15に打ち込まれるものであるから、その先端部外周面に作用する孔壁面の接圧力が全周に亘って均一となってロッド6を常にドリフタ21による押し込み方向に真っ直ぐに進行させ、且つ掘削孔から受ける抵抗力も少なくて円滑に打設することができるものである。なお、鋼管1とロッド6との打設時には注水ホース29を通じて回転伝達部材8内の通水孔23に水を供給してこの通水孔23に連通したロッド6内に通水路6cを通じてロッド6の先端から掘削孔内に噴出させ、掘削した土砂を鋼管1の内周面とロッド6との間の隙間を通じて回転伝達部材8内の大径孔25内に送り込み、該大径孔25から排出口30を通じて外部に排出するものである。
【0025】
こうして、地盤中に鋼管1をロッド6と共に所定深さまで打ち込んだのち、回転伝達部材8を周方向に回動させることにより鋼管1の基端部に突設している突起3と回転伝達部材8側の係合孔28の係止端面28c との係合を解き、ドリフタ21を後退させることによってロッド6を鋼管1内から抜き取り、穿設した上記孔32内に鋼管1のみを残しておく。次いで、鋼管1を使用して緩み地盤15にウレタン樹脂液などの硬性材料33の注入作業に移る。
【0026】
この作業を行う際に、図9に示すように、トンネル周壁面11からトンネルT内に向かって開口している掘削孔32と鋼管1の基端部外周面との間の隙間にコーキング材20を充填してその隙間の開口部を密閉しておく。しかるのち、トンネル周壁面11からトンネルT内に突出している鋼管1の基端部に内径が鋼管1の基端部外周面を被嵌し得る寸法に形成されたキャップ9を装着して鋼管1の開口端を密閉する。
【0027】
このキャップ9の周壁一部には、上記回転伝達部材8における短筒体26と同様にL字状の係止孔33が切欠、形成されている。即ち、この係止孔33は、キャップ9の前端に開口している前側孔部33a の開口幅を上記鋼管1の基端部に突設している突起3を挿入可能な幅に形成していると共にこの前側孔部33a に連通した後側孔部33b を前側孔部33a に対してキャップ9の一側方に幅広くなるようにしてこれらの前後孔部33a 、33b の連設部にキャップ9の周方向に指向した係止端面33c を形成してなるものである。
【0028】
さらに、キャップ9の奥底部内には鋼管1の開口端部内に嵌入させてその開口端部を封止するゴム製パッキン材34が装着されていると共にこのパッキン材34の中央部には2本の短管35、35が貫通状態に取付けられてあり、キャップ9内に突出している前端部と、キャップ9の天壁面を貫通してキャップ9外に突出している後端部とに注入管接続金具36、37を取付けている。そして、キャップ9内に配設した所定長さを有する2本の注入管38、38の基端部をキャップ9内に突設している上記接続金具36、36に連結していると共にキャップ9外に設けている上記接続金具37、37に注入ホース39、39の先端部を連結させている。
【0029】
キャップ9内の注入管38、38は予め棒状の樹脂製芯材40の外周面に添接してこの芯材40に一体に設けられてあり、キャップ9を鋼管1に装着する前に、この芯材39の基端面をキャップ9内の上記パッキン材34の中央部上に当接させて注入管38、38を接続金具36、36に連結し、しかるのち、キャップ9を鋼管1に装着することによって注入管38、38を鋼管1内の中央部に鋼管1の長さ方向に並設した状態で正確に配設するように構成している。
【0030】
このように、キャップ9の取付時において、鋼管1内に注入管38、38を挿入、配設すると共にキャップ9内のパッキン材34を鋼管1の基端部内に充填してその基端部を密閉させ、さらに、鋼管1の基端部に突設している上記突起3にキャップ9の周壁に設けているL字状の係止孔33における前側孔部33a を合わせて突起3をこの前側孔部33a に挿入、通過させ、後側孔部33b 内に位置した時にキャップ9を僅かに回動することにより突起3の前端面を係止端面33c に係止させて図10、図11に示すように抜け止め状態にする。
【0031】
この状態にしてキャップ9から外部に引き出している上記注入ホース39、39にウレタン樹脂液等の硬性材料16を供給すると、硬性材料16は短管35から鋼管1内の注入管38内を通じて該注入管38の開口先端から鋼管1内に送り出され、該鋼管1内に充満したのち、鋼管1に穿設している多数の注入孔2から鋼管周囲の緩み地盤7中に注入される。この注入時において、鋼管1内に充満している硬性材料16の圧力によってパッキン材34が圧縮され、その周壁面を鋼管1の基端部内周面に強固に圧着して硬性材料16の漏れを確実に防止すると共にパッキン材34に作用する圧力がキャップ9を鋼管1から離脱させようとする方向に作用するが、キャップ9の周壁に設けているL字状の係止孔33がその係止端面33c を鋼管の基端部外周面に突設している突起3に係止させているから、鋼管1の基端部からキャップ9が外れる虞れはない。
【0032】
また、注入管38、38を並設状態に取付けている芯材40は中実の樹脂製棒状に形成されているので、鋼管1内の硬性材料16の圧力によっても変形したり、妄動したりすることなく、地盤に対する円滑な注入を行うことができる。なお、この芯材40は必ずしも設けておく必要はなく、鋼管1に対するキャップ9の装着時に注入管38、38をキャップ9から突出させた状態で鋼管1内に挿入するように構成しておいてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明の地盤安定化用打ち込み鋼管によれば、その基端部外周面に突起を一体に設けているので、打ち込み時においては該突起を穿孔機側の回転伝達部材に係止させた状態にして管軸線回りに回転させながら地盤に打設することができ、従って、鋼管を円滑且つ正確に打設し得るものである。さらに、打設時において鋼管の基端面はドリフタによって打撃されるが、外周面に突設している上記突起には打撃力によって何ら変形等が生じることはなく、硬性材料の注入時において鋼管の基端部に対するキャップの装着も簡単且つ確実に行えるものである。
【0034】
また、上記鋼管の先端面に切削ビットを突設しておくことによって、この鋼管を上述したように回転させながら地盤に打設するのと相まってその切削ビットにより鋼管の前方地盤を効率よく掘削しながら真っ直ぐに打ち込んでいくことができ、一層、円滑且つ正確に打設することができる。
【0035】
上記鋼管による地盤安定化工法は、請求項3に記載したように、基端部外周面に突起を設けている鋼管を穿孔機の回転伝達部材に設けている係合孔に係止させた状態で穿孔機による打込み力と回転力を鋼管に回転伝達部材を介して伝達しながら地盤に鋼管を打設したのち、地盤から突出している鋼管の基端部にパッキン材を介してキャップを被せてこのキャップの周壁部に設けているL字状の係止孔に上記突起を係止させることにより鋼管の開口端を密閉し、しかるのち、上記キャップの天壁部に挿通している注入管を通じて鋼管内に硬化性材料を充填して鋼管の管壁に設けている多数の注入孔から地盤に硬化性材料を注入することを特徴とするものであるから、鋼管の基端部外周面に突設している突起と穿孔機の回転伝達部材に設けている係合孔との係止によって、上述したように地盤に鋼管を正確且つ能率よく打設し得ると共に、打設後において鋼管の基端部開口端をキャップによって密閉する際に、このキャップの周壁部に設けているL字状の係止孔に上記突起を係止させるものであるからキャップの装着作業がワンタッチで行え、しかも、抜け止め状態に強固に装着することができて硬性材料の注入時にキャップが外れたり、硬性材料が漏洩したりする虞れもなく能率よく注入作業を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 地盤先受け構造を示す簡略縦断側面図、
【図2】 鋼管の一部省略簡略平面図、
【図3】 その先端部と基端部との縦断側面図、
【図4】 鋼管を打設している状態の簡略縦断側面図、
【図5】 穿孔機のガイド台上に配設した鋼管の簡略側面図、
【図6】 その一部を断面した側面図、
【図7】 回転伝達部材の縦断側面図、
【図8】 鋼管に連結した状態の縦断側面図、
【図9】 鋼管にキャップを装着する状態の一部を断面した側面図、
【図10】 キャップを装着した状態の側面図、
【図11】 地盤に硬質性材料を注入する状態の簡略縦断側面、
【図12】 従来例を説明するための簡略縦断側面図、
【図13】 鋼管にキャップを装着した状態の拡大縦断側面図。
【符号の説明】
1 鋼管
2 注入孔
3 突起
4 切削ビット
5 穿孔機
6 ロッド
7 作動軸
8 回転伝達部材
9 キャップ
15 緩み地盤
16 硬質性材料
28 係合孔
38 注入管

Claims (3)

  1. 地盤に打設したのち、硬化性材料を内部を通じてその管壁に設けている多数の注入孔から地盤に注入することにより地盤の安定化を図る鋼管であって、この鋼管の基端部外周面に、該鋼管の打設時に穿孔機の回転伝達部材側に設けているL字状の係合孔に係止させて回転伝達部材からの回転を鋼管に伝達する平面矩形状の突起を一体に設けていることを特徴とする地盤安定化用打ち込み鋼管。
  2. 鋼管の基端部外周面に突設している平面矩形状の突起を、地盤に対する硬化性材料の注入時に鋼管基端部に被せるキャップに設けている係止孔に係止させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の地盤安定化用打ち込み鋼管。
  3. 基端部外周面に突起を設けている鋼管を穿孔機の回転伝達部材に設けている係合孔に係止させた状態で穿孔機による打込み力と回転力を鋼管に回転伝達部材を介して伝達しながら地盤に鋼管を打設したのち、地盤から突出している鋼管の基端部にパッキン材を介してキャップを被せてこのキャップの周壁部に設けているL字状の係止孔に上記突起を係止させることにより鋼管の開口端を密閉し、しかるのち、上記キャップの天壁部に挿通している注入管を通じて鋼管内に硬化性材料を充填して鋼管の管壁に設けている多数の注入孔から地盤に硬化性材料を注入することを特徴とする地盤安定化工法。
JP2000018213A 2000-01-27 2000-01-27 地盤安定化用打ち込み鋼管とこの鋼管による地盤安定化工法 Expired - Lifetime JP3868176B2 (ja)

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