JPH10266196A - 杭及び鋼管杭の施工方法並びに鋼管杭 - Google Patents

杭及び鋼管杭の施工方法並びに鋼管杭

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JPH10266196A
JPH10266196A JP7693197A JP7693197A JPH10266196A JP H10266196 A JPH10266196 A JP H10266196A JP 7693197 A JP7693197 A JP 7693197A JP 7693197 A JP7693197 A JP 7693197A JP H10266196 A JPH10266196 A JP H10266196A
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steel pipe
pipe pile
material liquid
pile
constructing
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JP7693197A
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Shigeru Yoshida
茂 吉田
Tamotsu Hishiyama
保 菱山
Setsu Horikiri
節 堀切
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Tenox Corp
Original Assignee
Tenox Corp
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  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が開放した鋼管杭を回転圧入する場合
に、杭の中空部内に浸入した土砂が圧密されることによ
る杭中空部の閉塞状態を防止し、大口径で、長尺の鋼管
杭の施工を可能にする。 【解決手段】 鋼管杭1の先端付近に、または先端まで
鋼管杭1の内部,もしくは外部から掘削・固化材液3を
供給し、鋼管杭1の中空部内に浸入した土砂と鋼管杭1
周面との間に掘削・固化材液3の層を形成する。鋼管杭
1の上端面を密閉する。鋼管杭1の中空部内に圧縮空気
を注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鋼管杭の回転圧入
によって完成する杭及びその施工方法、並びにその方法
に使用される鋼管杭に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】回転圧
入される鋼管杭は特開昭59−109616号のように先端支持
力を確保するために杭先端を閉塞すると共に、閉塞に伴
う貫入性の低下を補いながら、支持力を向上させるため
に杭外周面に杭径より大きいスパイラル状の翼を突設す
る形と、特開昭62−228518号,特開平2-243819号のよう
に先端が開放した形に大別される。
【0003】前者の鋼管杭では沈設される部分の体積に
見合う土砂を掘削し、周辺の土地に排除する必要がある
が、大口径になれば排除が不可能になるため、小径の鋼
管杭しか使用できず、戸建て住宅規模等の軽微な構造物
にしか適用できない。
【0004】後者の鋼管杭では排除する土砂の量が少な
くて済むため、大口径の杭の施工が可能であるが、長尺
になれば杭の中空部内に浸入した土砂が圧密され、杭の
中空部を閉塞する状態になり、施工不能に陥るため、現
状では実質的に長尺杭の施工は困難とされている。
【0005】またいずれの形も施工上は鋼管杭を強制的
に回転圧入するため、杭の周辺地盤を乱す結果になり、
杭の周面摩擦力が低下する分、杭の鉛直支持力が小さく
なる欠点を持つ。
【0006】この発明は上記背景より、土砂の圧密によ
る施工不能状態を回避し、長尺杭の施工を可能する、先
端が開放した鋼管杭の施工方法と鋼管杭を提案するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では鋼管杭の中空
部内に浸入した土砂と鋼管杭周面との間に掘削・固化材
液の層を形成することにより、鋼管杭の貫入に伴う中空
部内の土砂の圧密による杭中空部の閉塞を防止し、大口
径で、長尺の鋼管杭の施工を可能にする。
【0008】杭は請求項1に記載のように地盤中に形成
された円筒状の空隙に充填される固化材,もしくはソイ
ルセメントと、固化材,もしくはソイルセメント中に配
置される鋼管杭から構成され、鋼管杭の内周と外周に掘
削・固化材液の層が形成される。施工的には請求項3に
記載のように鋼管杭の先端付近に、または先端まで掘削
・固化材液を供給し、鋼管杭を回転させながら地盤中に
沈設することにより完成する。
【0009】掘削・固化材液は請求項7に記載のように
鋼管杭の内部から、または請求項11に記載のように鋼管
杭の外部から鋼管杭の先端部分へ供給される。
【0010】鋼管杭の内部から供給する場合は鋼管杭の
外周面への掘削・固化材液の層の形成を補い、沈降時の
摩擦力をより低減するために、必要により請求項8に記
載のように外部からの供給も行われる。
【0011】掘削・固化材液は鋼管杭の先端部分へ供給
されることで、鋼管杭の回転圧入に伴い、掘削爪が掘削
した地盤の空隙に浸入し、地中に貫入した部分の鋼管杭
周面と土砂との間に層を形成する。この掘削・固化材液
の層によって土砂と鋼管杭周面が絶縁され、鋼管杭が沈
降するときの両者間の摩擦力が無視し得る程度まで低減
される。
【0012】掘削・固化材液は鋼管杭の内部から供給さ
れる場合には内周面から掘削爪のない部分を通じて鋼管
杭の外周面に回り込み、外部から供給される場合には同
様に鋼管杭の内周面に回り込むため、いずれの場合も鋼
管杭の両面に行き渡り、両面の摩擦力を低減する。
【0013】鋼管杭の沈降と共に鋼管杭の中空部内に掘
削されない原地盤の土砂が浸入し、中空部内で圧密され
たとしても、鋼管杭の内周に存在する掘削・固化材液に
よって鋼管杭内周面と原地盤の土砂との間の摩擦力は実
質的にゼロに保たれるため、鋼管杭の中空部が土砂によ
って閉塞状態になることはなく、長尺杭の場合にも施工
が不能に陥る事態はなくなる。
【0014】請求項7,8の場合に、請求項9に記載の
ように鋼管杭の上端面を密閉した状態で鋼管杭を沈設す
れば、鋼管杭の沈降と共に中空部の体積の減少により内
圧が上昇するため、掘削・固化材液が圧力に押されて鋼
管杭先端の掘削爪が掘削した部分に押し込まれることに
なり、鋼管杭の内周面と外周面への回り込みが確実にな
る。
【0015】請求項7〜請求項9の場合に、更に請求項
10に記載のように鋼管杭の中空部内に圧縮空気を注入す
れば、内圧が一層上昇するため、鋼管杭先端の内周面と
外周面への、掘削・固化材液の回り込みがより確実にな
り、それに要する時間も短縮される。
【0016】請求項3〜請求項11のいずれの方法でも鋼
管杭の沈設完了後には、掘削・固化材液や、掘削爪が掘
削した掘削土と掘削・固化材液の攪拌・混合物であるソ
イルセメントが鋼管杭の内周面及び外周面と原地盤との
間の空隙を埋めながら固結するため、杭の周辺地盤を緩
めることがない上、掘削・固化材液やソイルセメントの
付着による杭の周面摩擦力が期待できることで鉛直支持
力が向上する。
【0017】特に請求項5に記載のように鋼管杭の外周
面にスパイラル状に連続した突起を少なくとも1本形成
した場合には、掘削・固化材液やソイルセメントと鋼管
杭との付着力が増すため、杭の支持力がより向上する。
【0018】掘削・固化材液には通常、セメントミルク
が使用されるが、掘削部分の孔壁崩壊の防止を図るには
請求項12に記載のように土砂に粘性を持たせる増粘材が
添加される。増粘材には通常、ベントナイトが用いられ
るが、ベントナイトは掘削・固化材液の強度を低下させ
る作用があることから、強度低下が問題になる場合には
請求項14に記載のように強度低下を招かずに増粘作用を
発揮する炭酸マグネシウムが添加される。
【0019】杭が長尺の場合には鋼管杭同士の継手の溶
接等の接続に時間を要し、中間層が硬質地盤である場合
には沈設に時間を要するため、施工途中で掘削・固化材
液が凝結を始める結果、凝結部分の抵抗が大きくなり、
あるいは先端部分であれば閉塞状態になり、施工を継続
できなくなる可能性があるが、これらの場合には請求項
13に記載のように掘削・固化材液にセメント硬化遅延剤
を添加しておくことで、掘削・固化材液の凝結による施
工不能の事態が防止される。
【0020】請求項7乃至請求項10のいずれかの方法で
使用される鋼管杭の上端には請求項15に記載のように施
工機からの回転力と押し込み力を伝達されるキャップが
接続され、キャップには鋼管杭の中空部内に掘削・固化
材液を供給し、または圧縮空気を注入するロッドが接続
されるが、請求項16に記載のように鋼管杭の上端とキャ
ップとの間に気密材を介在させることにより、気密性が
向上するため密閉の効果が高まり、請求項10の場合には
圧縮空気の漏れがなくなり、内圧を高める効果が上が
る。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1の発明は地盤中に円筒状
に充填される固化材,もしくは固化材と掘削土の攪拌・
混合物であるソイルセメントと、その中に配置される鋼
管杭1から構成される杭である。
【0022】固化材,もしくはソイルセメントは地盤中
に形成された円筒状の空隙に充填され、図1,図3,図
5の各(e) に示すように固化材等が充填される円筒状部
分の肉厚は鋼管杭1の肉厚より大きく、鋼管杭1はその
内周と外周から固化材等に包囲される形で固化材等中に
配置される。図6は硬化した固化材やソイルセメントと
鋼管杭1との付着力を増す目的で、鋼管杭1の外周面に
突起11を形成した場合を示す。
【0023】請求項3〜請求項14の発明は請求項1の杭
を完成させる具体的な施工方法であり、先端が開放し、
その先端に掘削爪2が固着された鋼管杭1の先端付近
に、または先端まで掘削・固化材液3を供給し、鋼管杭
1を回転圧入させながら地盤中に沈設する方法である。
【0024】掘削爪2には地盤を掘削するのに十分な硬
度と靱性を有する材質の鋼材が使用され、コストを無視
すれば超硬チップの使用もある。
【0025】掘削爪2が掘削する地盤の体積は掘削爪2
の幅で決まることから、掘削爪2の幅を大きくする程、
鋼管杭1の貫入施工性が向上するが、コスト高になるた
め、掘削爪2の幅は鋼管杭1の肉厚の2倍乃至3倍程度
以上に設定される。考えられる最大幅は20〜30cm程度で
あるが、経済性から10〜15cm程度が適当である。
【0026】掘削爪2は鋼管杭1の先端に少なくとも2
個固着されるが、掘削性と鉛直精度確保の面から3個以
上、周方向に均等に固着される。固着個数は鋼管径の増
大に伴って増やす必要があるが、鋼管杭1の内周面と外
周面間の掘削・固化材液3の回り込みを考えれば多くと
も8個、基本的には4〜6個が適当である。
【0027】掘削爪2の先端は図6に示すように、掘削
・固化材液3が鋼管杭1の先端を経て鋼管杭1の内周面
から外周面へ、あるいは外周面から内周面へ回り込むよ
う、鋼管杭1の先端より下に位置する。
【0028】鋼管杭1の外周面には図6−(a) ,(b) に
示すように回転を伴う圧入を容易にするためと、沈設が
完了した後の、硬化した掘削・固化材液3との付着力を
増すために、スパイラル状に連続した突起11を1本以上
形成する場合もある。(a) は1本の連続した突起を形成
した場合、(b) は複数本の連続した突起を形成した場合
である。
【0029】鋼管杭1の上端には建て込み時の吊り下げ
のためと、図示しない施工機からの回転力と押し込み力
を受けるためのキャップ4が接続される。図面では鋼管
杭1を継ぎ足しながら沈設していることから、キャップ
4を鋼管杭1に着脱自在に接続するために、図2に示す
ように鋼管杭1本体の外周の4箇所に突起5を突設する
一方、キャップ4の、突起5に対応した位置にフランジ
41を形成し、フランジ41を突起5にボルト6で接合する
ことによりキャップ4を鋼管杭1に接続しているが、ク
ランプその他の把持具を用いる場合もある。
【0030】キャップ4にはキャップ4の下面に連通す
る中空のロッド7が接続され、ロッド7は施工機のオー
ガモータに着脱自在に連結される。図1,図3,図4に
示すように直接鋼管杭1の中空部内に掘削・固化材液3
を供給する場合には掘削・固化材液3はこのロッド7か
ら、もしくは図2−(b) ,図4に示すようにロッド7内
に挿入されるパイプ71から注入される。図2ではロッド
7をキャップ4に固定しているが、ロッド7は少なくと
もオーガモータからの回転力と押し込み力をキャップ4
に伝達できるようにキャップ4に接続されれば足りる。
【0031】ロッド7やパイプ71は図示するように吐出
孔42が穿設されたキャップ4の上面に突き当たることに
より、またはキャップ4を貫通することにより鋼管杭1
の中空部に連通する。
【0032】キャップ4は施工機からの押し込み力を受
けることで鋼管杭1の上端面に密着し、同時に鋼管杭1
の中空部は密閉された状態になる。図2−(b) ではキャ
ップ4の下面の、鋼管杭1の上端との突き合わせ部分に
弾性体の気密材8を取り付け、気密材8を鋼管杭1に密
着させることで鋼管杭1とキャッ4との間の気密性を高
めている。気密材8はキャップ4と鋼管杭1のいずれか
に、周方向に連続的に、もしくは断続的に取り付けられ
る。
【0033】キャップ4が回転させられながら押し込ま
れることで、鋼管杭1の沈降に伴って中空部の内圧が上
昇するため、図1−(b) ,(c) に示すように掘削・固化
材液3は鋼管杭1の内周面に沿って降下し、掘削爪2が
掘削した地盤の空隙に押し込まれていく。
【0034】掘削した部分に押し込まれた掘削・固化材
液3は更に鋼管杭1の外周面側へ回り込み、内圧の上昇
と共に鋼管杭1の外周面を伝って地表側へ上昇する。こ
のことから、掘削・固化材液3の供給量を管理すれば、
鋼管杭1の沈設された区間の全長に亘り、鋼管杭1の内
周面と外周面に掘削・固化材液3を行き渡らせることが
できる。図1−(d) は鋼管杭1を継ぎ足して沈設してい
る様子を、(e) は沈設が完了した様子を示す。
【0035】鋼管杭1の沈設完了後、掘削・固化材液3
はそのまま、あるいは掘削爪2が掘削した掘削土と攪拌
・混合された状態で固結する。
【0036】掘削・固化材液3の供給と共に、中空部に
圧縮空気を送り込めば内圧が上昇するため、掘削・固化
材液3を鋼管杭1の内外に行き渡らせる効果が上がり、
時間も早まる。この場合、圧縮空気はロッド7やパイプ
71から注入される。
【0037】図3は鋼管杭1の沈設対象地盤の表層部分
を鋼管杭1の断面積より大きい領域に亘って根切りして
ピット9を形成し、ピット9内に掘削・固化材液3を貯
留させた状態で鋼管杭1を沈設する場合の例を示す。こ
の場合は鋼管杭1の内部と外部から掘削・固化材液3が
鋼管杭1の先端に供給されるが、必要によりロッド7や
パイプ71から掘削・固化材液3や圧縮空気の注入が補わ
れる。
【0038】図4は鋼管杭1の脇を根切りして形成した
ピット9内に掘削・固化材液3を溜め、ピット9から掘
削・固化材液3を鋼管杭1の外部へ供給する一方、ロッ
ド7やパイプ71から鋼管杭1の内部へ掘削・固化材液3
を供給する場合の例を示す。
【0039】図3,図4の例では、図4−(b) に示すよ
うに鋼管杭1の内周の地盤に孔壁の崩壊が生じた場合、
あるいはロッド7やパイプ71から供給される掘削・固化
材液3が凝結し始めた場合にも鋼管杭1の外部から掘削
・固化材液3を供給し続けられるため、図4−(c) に示
すように鋼管杭1の下端を経て掘削・固化材液3を鋼管
杭1の内周面にまで行き渡らせることができ、常に鋼管
杭1の内周と外周に掘削・固化材液3の層を形成でき
る。
【0040】図3,図4では鋼管杭1の内部と外部から
掘削・固化材液3が供給されるため、掘削・固化材液3
を鋼管杭1の内外に行き渡らせることが確実になり、そ
れに要する時間が短縮される。
【0041】孔壁の崩壊が予想される場合には掘削・固
化材液3に増粘材が添加される。増粘材にはベントナイ
トが用いられるが、掘削・固化材液3の強度を低下させ
るため、強度を低下させずに増粘作用を発揮させるため
にはベントナイトに代えて、もしくはベントナイトと共
に炭酸マグネシウムが添加される。
【0042】また掘削・固化材液3の凝結が予想される
場合には掘削・固化材液3にセメント硬化遅延剤が添加
される。
【0043】図5は掘削・固化材液3を鋼管杭1の外部
からパイプ10を通じて鋼管杭1の先端へ供給する場合の
例を示す。パイプ10はキャップ4に接続するロッド7か
ら鋼管杭1の外周の先端付近まで鋼管杭1に敷設され、
パイプ10の下端は鋼管杭1に固定される。鋼管杭1,1
を継ぎ足す場合には図5−(d) に示すようにパイプ10も
継ぎ足される。パイプ10は鋼管杭1の外周に1本,もし
くは周方向に均等に複数本配置される。パイプ10は鋼管
杭1の沈設と共に、埋め殺される。
【0044】
【発明の効果】鋼管杭の中空部内に浸入した土砂と鋼管
杭周面との間に掘削・固化材液の層を形成することで、
土砂と鋼管杭周面を絶縁し、鋼管杭沈降時の両者間の摩
擦力を低減するため、杭の貫入に伴う中空部内の土砂の
圧密による杭先端の閉塞を防止でき、大口径で、長尺の
鋼管杭の施工が可能になる。
【0045】請求項8では鋼管杭の内部からの供給に加
え、外部からの供給も行うため、鋼管杭の外周面への掘
削・固化材液の層の形成が確実になり、沈降時の摩擦力
がより低減される。
【0046】請求項9では鋼管杭の上端面を密閉した状
態で鋼管杭を沈設するため、鋼管杭の沈降と共に中空部
の内圧が上昇し、鋼管杭の外周面への掘削・固化材液の
回り込みが確実になる。
【0047】更に請求項10では鋼管杭の中空部内に圧縮
空気を注入するため、内圧が一層上昇し、掘削・固化材
液の回り込みがより確実になる。
【0048】また請求項3〜請求項11では鋼管杭の沈設
完了後に、掘削・固化材液や、掘削土と掘削・固化材液
が攪拌・混合されたソイルセメントが鋼管杭の内周面及
び外周面と原地盤との間の空隙を埋めながら固結するた
め、杭の周辺地盤を緩めることがなくなり、掘削・固化
材液やソイルセメントの付着による杭の周面摩擦力が付
加されることで鉛直支持力の大幅な向上が図られる。
【0049】特に請求項2,5では鋼管杭の外周面にス
パイラル状に連続した突起を少なくとも1本形成するた
め、掘削・固化材液やソイルセメントと鋼管杭との付着
力が増し、杭の支持力がより向上する。
【0050】請求項12では掘削・固化材液に増粘材を添
加するため、掘削部分の孔壁の崩壊を防止でき、請求項
14では炭酸マグネシウムを添加するため、掘削・固化材
液の強度低下を招くことなく増粘作用を発揮させること
ができる。
【0051】請求項13では掘削・固化材液にセメント硬
化遅延剤を添加するため、継手の接続に時間を要する長
尺杭の場合や、中間層が硬質地盤である場合で、施工に
時間を要する場合にも、掘削・固化材液の凝結による先
端閉塞や施工不能の事態を防止できる。
【0052】請求項16では鋼管杭の上端とキャップ間に
気密材を介在させることで気密性を高めるため、請求項
7乃至請求項10において圧縮空気の漏れがなくなり、内
圧を高める効果が上がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項7乃至請求項10のいずれかの施工要領を
示した断面図である。
【図2】(a) は鋼管杭とキャップの接続例を示した立面
図、(b) は(a) の縦断面図、(c) は(a) の平面図であ
る。
【図3】請求項8の施工要領を示した縦断面図である。
【図4】請求項8の他の施工要領を示した縦断面図であ
る。
【図5】請求項11の施工要領を示した縦断面図である。
【図6】(a) ,(b) 共、外周面に突起を形成した鋼管杭
を示した立面図である。
【符号の説明】
1……鋼管杭、11……突起、2……掘削爪、3……掘削
・固化材液、4……キャップ、41……フランジ、42……
吐出孔、5……突起、6……ボルト、7……ロッド、71
……パイプ、8……気密材、9……ピット、10……パイ
プ。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中に形成された円筒状の空隙に充填
    される固化材,もしくはソイルセメントと、固化材,も
    しくはソイルセメント中に配置される鋼管杭から構成さ
    れる杭。
  2. 【請求項2】 鋼管杭の外周面にスパイラル状に連続し
    た突起が少なくとも1本形成されている請求項1記載の
    杭。
  3. 【請求項3】 先端が開放し、その先端に掘削爪が固着
    された鋼管杭の先端付近に、または先端まで掘削・固化
    材液を供給し、鋼管杭を回転させながら地盤中に沈設す
    る鋼管杭の施工方法。
  4. 【請求項4】 掘削爪の先端は鋼管杭の先端より下に位
    置している請求項3記載の鋼管杭の施工方法。
  5. 【請求項5】 鋼管杭の外周面にスパイラル状に連続し
    た突起が少なくとも1本形成されている請求項3記載の
    鋼管杭の施工方法。
  6. 【請求項6】 掘削爪の幅は鋼管杭の肉厚の2倍以上で
    ある請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の鋼管杭の
    施工方法。
  7. 【請求項7】 掘削・固化材液を鋼管杭の内部から供給
    する請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の鋼管杭の
    施工方法。
  8. 【請求項8】 掘削・固化材液を鋼管杭の外部からも供
    給する請求項7記載の鋼管杭の施工方法。
  9. 【請求項9】 鋼管杭の上端面を密閉した状態で鋼管杭
    を沈設する請求項7,もしくは請求項8記載の鋼管杭の
    施工方法。
  10. 【請求項10】 鋼管杭の中空部内に圧縮空気を注入し
    ながら鋼管杭を沈設する請求項7乃至請求項9のいずれ
    かに記載の鋼管杭の施工方法。
  11. 【請求項11】 掘削・固化材液を鋼管杭の外部から供
    給する請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の鋼管杭
    の施工方法。
  12. 【請求項12】 掘削・固化材液はセメントと増粘材を
    含むスラリーである請求項3乃至請求項11のいずれかに
    記載の鋼管杭の施工方法。
  13. 【請求項13】 掘削・固化材液はセメントとセメント
    硬化遅延剤及び増粘材を含むスラリーである請求項3乃
    至請求項12のいずれかに記載の鋼管杭の施工方法。
  14. 【請求項14】 増粘材はベントナイトと炭酸マグネシ
    ウムの少なくともいずれか一方を含む請求項12,もしく
    は請求項13に記載の鋼管杭の施工方法。
  15. 【請求項15】 請求項7乃至請求項10のいずれかに記
    載の鋼管杭の施工方法で使用される鋼管杭であり、上端
    に施工機からの回転力と押し込み力を伝達されるキャッ
    プが接続され、キャップにはキャップの下面に連通し、
    掘削・固化材液を中空部に供給するロッドが接続されて
    いる鋼管杭。
  16. 【請求項16】 上端とキャップとの間に気密材が介在
    している請求項15記載の鋼管杭。
JP7693197A 1997-03-28 1997-03-28 杭及び鋼管杭の施工方法並びに鋼管杭 Withdrawn JPH10266196A (ja)

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