JP2002146785A - アンカー施工用装置およびアンカーの施工方法 - Google Patents

アンカー施工用装置およびアンカーの施工方法

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JP2002146785A JP2000348538A JP2000348538A JP2002146785A JP 2002146785 A JP2002146785 A JP 2002146785A JP 2000348538 A JP2000348538 A JP 2000348538A JP 2000348538 A JP2000348538 A JP 2000348538A JP 2002146785 A JP2002146785 A JP 2002146785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーの施工に際し、一般的な削孔方法によ
る孔壁の崩壊等を防止でき、かつ、硬質地盤、玉石や転
石が混入する地盤等に対しても掘削ずりを効率よく排出
できて削孔を効率良く行うことができ、さらに、アンカ
ー芯材を削孔と同時に設置できて作業工数の低減を図れ
るようにする。 【解決手段】先端に掘削ビット3、外周にロッド軸方向
に沿う螺旋状の突起4を有する中空の掘削ロッド2にア
ンカー芯材5をビット・ロッドを貫通させて装着し、ア
ンカー芯材先端のストッパー12をビットの先端面に係
止めし、必要に応じてロッド・ビットの注入孔6,・8
を通して掘削液Wを注入しつつ掘ロッド2の回転または
回転打撃により地盤の削孔を行い、所定の位置まで掘進
すると、固化材液Cを前記注入孔を通して注入しつつ、
掘削ロッド2を回転、回転打撃、または打撃させなが
ら、あるいは無回転のまま、引抜き、アンカー芯材5を
そのまま残置してアンカーを造成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤中にアンカー
を造成するためのアンカー施工用装置およびアンカーの
施工方法に関するものであり、特に、硬質地盤あるいは
玉石や転石が混入する地盤等の地山法面等におけるアン
カー造成に最適である。
【0002】
【従来の技術】硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、
あるいは玉石や転石が混入する地盤等の削孔を効率良く
行うには、掘削ツールに回転や打撃のエネルギーを加え
るだけでなく、掘削ずりをスムーズに排出することが要
求される。
【0003】従来一般のアンカーの造成方法には、図6
(a) に示すように、ボーリングマシンに支持された中空
の掘削ロッド50の先端にリング状等の掘削ビット51
を設け、掘削ロッド50を回転させながら削孔し、この
際、掘削ロッド50の先端からは水等の掘削液Wを噴出
させ、発生した掘削ずりKを掘削液と共に周辺地盤Aと
掘削ロッド50の間隙を通してマシン側の外部へと排出
する削孔方法(正循環)が採用されている。
【0004】図7に示すように、所定の深さまで掘進す
ると、セメントミルク等の固化材液Cを掘削ロッド50
の先端から吐出しつつ掘削ロッド50・掘削ビット51
を引き抜き、掘削孔B内が固化材液Cで満たされると、
鋼線等のアンカー芯材52を挿入し、固化材液Cが硬化
すると、アンカー芯材52を緊張し、そのマシン側の端
部をアンカープレート(図示省略)に定着している。
【0005】しかし、前記従来一般の削孔方法では、掘
削ずりが掘削液と共に周辺地盤Aと掘削ロッド50の間
隙を流路として排出されるため、その流路が不規則な形
状となり、孔壁が崩壊したり、目詰まりしたりし、健全
なアンカーを造成することができない問題がある。
【0006】そのため、このような問題を解消するもの
として、外周にケーシングを設けて施工を行う二重管方
式が提案されている。この方法は、図6(b) に示すよう
に、先端に掘削ビットをそれぞれ設けた内管61と外管
62により二重管ロッド60を構成し、内管61と外管
62の間隙を掘削ずり・掘削液の流路としている。
【0007】また、二重管方式を用いたアンカー施工に
関して、特開平8−35386号公報には、掘削時の戻
り水によるアンカー孔の破損を二重管方式で防止するこ
とを目的とし、掘削液の吐出孔を中央部に有し掘削ずり
・掘削液の排出孔を外周部に有する掘削ビットのマシン
側の基部にインナーロッドとアウターケーシングの先端
を嵌合し、所定深さまで掘進すると、インナーロッドを
引き上げ、掘削ビットを残置したままアウターケーシン
グ内にセメントミルクを注入し、次に、セメントミルク
で満たされたアウターケーシング内にアンカー鋼線を挿
入した後、アウターケーシングのみを回転させながら引
き上げて回収し、固化材液が硬化すると、アンカー鋼線
を緊張し、アンカープレートに定着する掘削方法が開示
されている。
【0008】また、二重管方式ではないが、特開平5−
140932号公報には、地盤中に永久アンカー・仮設
アンカーを打設する際、ケーシングパイプの先端にリン
グビットを取付け、このリングビットの先端縁面の受溝
にインナービットを先端面側から嵌入し、このようなケ
ーシングパイプを用いて所定深度まで削孔し、ケーシン
グパイプ内にアンカー線を挿通してインナービットを押
し下げ、インナービットを孔底に残した状態でケーシン
グパイプを引き上げながらグラウトを1次注入してイン
ナービットを核とするアンカー体を造成する打設方法が
開示されている。リングビットとインナービットで削孔
速度を大きく設定できるようにし、ケーシングパイプで
孔壁の崩壊を防止しながらアンカー線を挿入できるよう
にしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述したような二重管
方式としても、内管と外管の間の流路断面に限界があ
り、掘削ずりを効率よく排出することができず、削孔を
効率良く行うことができないなどの問題がある。特に、
硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉石や
転石が混入する地盤等の削孔を効率良く行うことができ
ない。さらに、特開平8−35386号公報の二重管方
式では、削孔前に内管と外管を組み立てる作業が必要と
なり、また、削孔後にも内管と外管を別々に引き上げる
ため、作業工数が多く、非効率的である。
【0010】また、一般的なアンカーの造成は、削孔を
先に行い、固化材液を注入した後、アンカー芯材を入れ
る後入れ方式で行われているため(特開平8−3538
6号公報参照)、作業工数が増え、コストが増加するな
どの問題がある。特開平5−140932号公報では、
削孔後にケーシングパイプ内にアンカー線を挿通した
後、グラウトを注入しているが、この場合も同様に後入
れ方式であり、作業工数が増え、コストが増加するなど
の問題がある。
【0011】本発明は、このような問題点を解消すべく
なされたもので、その目的は、アンカーの施工に際し、
一般的な削孔方法による孔壁の崩壊等を防止することが
できると共に、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、
あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても、掘削
ずりを効率よく排出することができ、削孔を効率良く行
うことができ、さらに、アンカー芯材を削孔と同時に設
置することができ、作業工数の低減を図ることのできる
アンカー施工用装置およびアンカーの施工方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、地
盤中にアンカーを造成するアンカー施工用装置であり、
中空の掘削ロッドの先端に、掘削ロッドの外径よりも大
径で外周部に掘削ずり排出用の切欠きが形成された掘削
ビットが設けられ、掘削ロッドの外周面に、掘削ビット
の外径とほぼ等しい外径を有する螺旋状の突起がロッド
軸方向に沿って設けられていることを特徴とするアンカ
ー施工用装置である。螺旋状の突起は、スクリュー羽根
であり、ロッド軸方向に連続したものでもよいし、断続
的なものでもよい。
【0013】本発明の請求項2は、請求項1に記載のア
ンカー施工用装置において、掘削ロッドおよび掘削ビッ
トを貫通してアンカー芯材が設けられ、このアンカー芯
材の先端に、掘削ビットの先端面に係止めされ、アンカ
ー芯材の反掘進方向の移動を阻止する芯材ストッパーが
設けられていることを特徴とするアンカー施工用装置で
ある。芯材ストッパーは、掘削ビットのアンカー芯材の
貫通孔より大きく、掘削ビットの掘削径より小さいもの
であれば、どのような形状のものでもよいが、例えばア
ンカー芯材の先端に側面視で直交するように固定された
棒材等を用いることができる。この棒状の場合は、正面
視で一字状や十字状等とすることができる。
【0014】本発明の請求項3は、請求項2に記載のア
ンカー施工用装置において、掘削ビットの先端面に芯材
ストッパーが挿入される係止溝が形成されていることを
特徴とするアンカー施工用装置である。
【0015】本発明の請求項4は、地盤中にアンカーを
造成するアンカーの施工方法であり、先端に掘削ビット
を有し外周にロッド軸方向に沿う螺旋状の突起を有する
中空の掘削ロッドにアンカー芯材を掘削ビットおよび掘
削ロッドを貫通させて装着すると共にアンカー芯材先端
のストッパーを掘削ビットの先端面に係止めし、必要に
応じて掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して掘
削液を注入しつつ掘削ロッドの回転または回転打撃によ
り地盤の削孔を行い、所定の位置まで掘進すると、固化
材液を掘削ロッドおよび掘削ビットの注入孔を通して注
入しつつ、掘削ロッドを回転、回転打撃、または打撃さ
せながら、あるいは無回転のまま、引抜き、アンカー芯
材をそのまま残置してアンカーを造成することを特徴と
するアンカーの施工方法である。掘削ロッドの中空部
と、掘削ビットの中心部に形成した貫通孔を、アンカー
芯材の挿通孔と掘削液や固化材液の注入孔を兼ねるよう
にするのが好ましい。
【0016】以上のような構成において、掘削ビットの
掘進によって発生する掘削ずりは、掘削ビットの外周部
の掘削ずり排出用の切欠きを通り、掘削ロッドと共に回
転する螺旋状の突起のコンベア作用により、効率良く外
部に排出される。また、螺旋状の突起により、掘削ロッ
ドと周辺地盤との間に掘削ずりや掘削液の排出通路が大
きく確保される。以上により、従来の二重管方式の欠点
を解消することができる。この結果、硬質地盤、地中障
害物が混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地
盤等に対しても掘削ずりをスムーズに排出することが可
能となり、また掘削液の使用量も少なくすることができ
る。さらに、螺旋状の突起の回転速度を制御することに
より、あるいは螺旋状のスクリュー羽根の断続長さを変
えることなどにより、掘進量とも合わせて掘削ずりの排
出量も制御することができるため、孔壁の崩壊も防止で
きる。
【0017】また、予めアンカー芯材をセットしたまま
削孔し、掘削ロッドを引き抜く際にアンカー芯材を残置
させることができるため、従来の後入れ方式における作
業工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解
消することができる。
【0018】また、掘進時には、アンカー芯材先端の芯
材ストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターある
いは係止溝に係止され、掘削ビットに確実に保持される
ため、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは
玉石や転石が混入する地盤等を回転打撃しながら掘進す
る場合でも、削孔とアンカー芯材の同時埋設を行うこと
ができる。
【0019】さらに、掘削ビットは、円形断面に切欠き
を設けた形状であるため、掘削エネルギーが集中し、削
孔を効率良く行うことができる。また、芯材ストッパー
は、アンカー底部の定着具として利用することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態に基づいて説明する。図1は本発明のアンカー施工用
装置の1例を示したものである。図2はアンカー施工用
装置の先端の掘削ビット部分の具体例を示したものであ
る。図3はその変形例を示したものである。図4は本発
明のアンカー施工方法の掘進時の状況を示したものであ
る。図5は引抜時と引抜後の状況を示したものである。
【0021】図1に示すように、本発明のアンカー施工
用装置1は、主に、中空の掘削ロッド2と、この掘削ロ
ッド2の先端に設けられた掘削ビット3と、掘削ロッド
2の外周面に設けられた螺旋状の突起4と、掘削ロッド
2と掘削ビット3を貫通して取付けられるアンカー芯材
5から構成されている。
【0022】掘削ロッド2は、中心部に中空部6が形成
されたロッドであり、図示しないロータリーパーカッシ
ョン機等のボーリング機械に装着され、回転または回転
打撃が与えられる。中空部6は、アンカー芯材5の挿通
孔と、掘削液や固化材液の注入孔を兼ね、アンカー芯材
5が挿入された状態でセメントミルク等の固化材液Cを
供給可能な内径とされている。
【0023】掘削ビット3は、その外径が掘削ロッド2
の外径よりも大径とされ、掘削ロッド2の先端にねじや
溶接等で固定されている。また、中心部に掘削ロッド2
の中空部6と略同径で中空部6に連続する貫通孔8が形
成され、外周部に切欠きによる掘削ずり排出通路9が形
成されている。貫通孔8は、中空部6と同様に、アンカ
ー芯材5の挿通孔と掘削液や固化材液の注入孔を兼ね
る。また、切欠き部9を設けることで、地盤に対する掘
削エネルギーを集中させることもできる。
【0024】具体的には、図2に示すように、掘削ビッ
ト3は、正面視で略Y型や略十字型とされ、通路9が円
周方向に等間隔をおいて3つあるいは4つ形成されてい
る。なお、通路9は、3つあるいは4つに限らず、複数
設けられていることが好ましい。掘削ビット3の先端面
には、チップまたはカッター10が突設されている。排
出通路9の底面は掘削ロッド2の外径と一致させるのが
好ましい。
【0025】螺旋状の突起4は、図1に示すように、掘
削ビット3の外径とほぼ等しい外径を有するスクリュー
羽根であり、掘削ロッド2と周辺地盤Aとの間に掘削ず
り排出通路11を形成すると共に、掘削ずりKを強制的
に排出する。この螺旋状の突起4のピッチは、土質など
に応じて適宜決定され、また回転削孔時に突起が反掘進
方向に後退移動するように回転方向が決められる。な
お、この螺旋状の突起4はロッド軸方向に連続したもの
でもよいし、断続的なものでもよい。
【0026】アンカー芯材5の先端には、図1,図2に
示すように、掘削ビット3の先端面に係止めされ、アン
カー芯材5の反掘進方向の移動を阻止する芯材ストッパ
ー12が設けられている。この芯材ストッパー12は、
掘削ビット3の回転半径内に納まるものでよく、アンカ
ー芯材5の先端に棒状等のものを側面視でアンカー芯材
5と直角に溶接等で取付けて構成することができる。ま
た、アンカー芯材5の正面視の形状は一字状に限らず、
十字状等でもよい。十字状等であれば、アンカー芯材5
をアンカー体中心に維持するための役目もする。
【0027】このような芯材ストッパー12付きのアン
カー芯材5であれば、掘削ビット3および掘削ロッド2
内にその先端側から容易に装着することができ、また削
孔時にはアンカー芯材5を掘削ビット3および掘削ロッ
ド2に対して一体化することができ、さらに掘削ロッド
引抜時にはアンカー芯材5を掘削孔内に残置することが
できる。
【0028】さらに、硬質地盤、あるいは玉石や転石が
混入する地盤等を掘削するには、掘削ビット3に回転あ
るいは打撃等の大きなエネルギーの供給が必要であり、
それに耐え得る掘進時のアンカー芯材5の保持が必要に
なるが、掘削ビット3先端面のチップまたはカッター1
0で芯材ストッパー12が係止されることにより、アン
カー芯材5が保持される。
【0029】アンカー芯材5の保持の更なる安全を図る
ために、図3に示すように、掘削ビット3の先端面に係
止溝13を設け、この係止溝13に芯材ストッパー12
を納めることもできる。この係止溝13は、チップまた
はカッター10を避け、掘削ビット中心を通る直線上に
形成し、また例えば断面U字状とし、棒状の芯材ストッ
パー12が嵌合あるいは遊嵌し、完全に埋没するように
する。
【0030】以上のような構成のアンカー施工用装置1
を使用して次のような手順でアンカーを施工する。 (1) 削孔を行う前に、アンカー芯材5を掘削ビット3の
貫通孔8および掘削ロッド2の中空部6に先端側から挿
入し、芯材ストッパー12を掘削ビット3の先端面に係
止し、あるいは係止溝13に嵌合し、アンカー芯材5を
予め装着しておく。
【0031】(2) 図1(a) に示すように、アンカー芯材
5が装着された掘削ロッド2を回転させ、または掘削ロ
ッド2に回転と打撃を与えて、先端の掘削ビット3で地
盤Aを削孔しつつ掘進する。芯材ストッパー12は掘削
ビット3のチップまたはカッター10あるいは係止溝1
3に係止され、掘削ビット3に保持される。掘削ビット
3は、円形断面に切欠きを設けた形状であるため、掘削
エネルギーが集中し、削孔を効率良く行うことができ
る。
【0032】(3) 前記掘進工程において、必要に応じ
て、水等の掘削液Wが用いられる。この掘削液Wは、図
1(a) ,図4(a) に示すように、掘削ロッド2に外部か
ら供給され、中空部6を通り、掘削ビット3の貫通孔8
の先端の吐出口14から吐出され、掘削ビット3の排出
通路9・掘削ロッド2の排出通路11を通って外部に排
出される。
【0033】(4) 掘削によって発生する掘削ずりKは、
図4(a) に示すように、掘削ビット3の円周方向に複数
の排出通路9を通り、図4(b) に示すように、掘削ロッ
ド2と共に回転する螺旋状の突起4のコンベア作用によ
り、効率良く外部に排出される。また、螺旋状の突起4
により、掘削ロッド2と周辺地盤Aとの間に掘削ずりK
や掘削液Wの排出通路11が大きく確保される。以上に
より、従来の二重管方式の欠点を解消することができ
る。この結果、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、
あるいは玉石や転石が混入する地盤等に対しても掘削ず
りをスムーズに排出することが可能となり、また掘削液
Wの使用量も少なくすることができる。さらに、螺旋状
の突起4の回転速度を制御することにより、あるいは断
続的な突起4の配置間隔を変えることなどにより、掘進
量とも合わせて掘削ずりKの排出量も制御することがで
きるため、孔壁の崩壊も防止できる。なお、通常の地盤
掘削に使用されるアースオーガー(スクリュー)は垂直
方向に用いられることが多いが、ここでは水平に近い斜
め施工に用いることで、螺旋状の突起4のコンベア作用
が更に有効に発揮される。
【0034】(5) 所定の深度に達すると、掘進を停止
し、図1(b),図5に示すように、掘削ビット3の先端の
吐出口14から固化材液Cを注入しながら掘削ロッド2
を引き抜く。掘削ロッド2は、回転、回転打撃、または
打撃させながら、あるいは無回転のまま、引き抜く。ア
ンカー芯材5は、その芯材ストッパー12が固化材液C
に押圧される等して掘削孔B内に残置される。アンカー
芯材5と装置の切り離しには打撃を用いることもでき
る。また、残置された芯材ストッパー12は、アンカー
芯材5が掘削ロッド2と一緒に共抜けするのを防止す
る。以上のように、予めアンカー芯材5をセットしたま
ま削孔し、掘削ロッド2を引き抜く際にアンカー芯材5
を残置させることにより、従来の後入れ方式における作
業工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解
消することができる。
【0035】(6) 固化材液Cが硬化して所定の圧縮強度
に達すると、アンカー芯材5の端部をアンカープレート
等に定着させる。この際、芯材ストッパー12は、アン
カー底部の定着具として機能する。
【0036】なお、以上の図示例では、図1に示すよう
に、アンカー施工用装置1に予めアンカー芯材5を装着
しておき、掘削ロッド2を引抜くことでアンカー芯材5
を残置する例を示したが、これに限らず、アンカー施工
用装置1を用いて地盤を掘削した後に、アンカー施工用
装置の中空の掘削ロッド2内にアンカー芯材5を挿入し
て、固化材液を注入しつつ掘削ロッド2を引き抜いても
よい。また、本発明は、硬質地盤あるいは玉石や転石が
混入する地盤等に限らず、軟弱地盤にも適用できること
はいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成からなるの
で、次のような効果を奏することができる。
【0038】(1) 掘削ビットの掘進によって発生する掘
削ずりを、掘削ビットの外周部の排出用の切欠きを通
し、螺旋状の突起のコンベア作用により、効率良く外部
に排出することができ、また螺旋状の突起により、掘削
ロッドと周辺地盤との間に掘削ずりや掘削液の排出通路
を大きく確保することができ、硬質地盤、地中障害物が
混在する地盤、あるいは玉石や転石が混入する地盤等に
対しても掘削ずりをスムーズに排出することが可能とな
る。結果として、アンカー体の径を大きくすることがで
きる。また、掘削液の使用量を少なくすることができ、
コストの低減が可能となる。
【0039】(2) 螺旋状の突起の回転速度を制御するこ
とにより、あるいは螺旋状のスクリュー羽根の断続長さ
を変えることなどにより、掘進量とも合わせて掘削ずり
の排出量も制御することができるため、孔壁の崩壊も防
止でき、健全なアンカーを造成することができる。
【0040】(3) 予めアンカー芯材をセットしたまま削
孔し、掘削ロッドを引き抜く際にアンカー芯材を残置さ
せることができるため、従来の後入れ方式における作業
工数の増大を解消することができ、また孔壁崩壊も解消
することができ、安価で良好なアンカーを造成できる。
【0041】(4) 掘進時には、アンカー芯材先端の芯材
ストッパーが掘削ビットのチップまたはカッターあるい
は係止溝に係止され、掘削ビットに確実に保持されるた
め、硬質地盤、地中障害物が混在する地盤、あるいは玉
石や転石が混入する地盤等を回転打撃しながら掘進する
場合でも、削孔とアンカー芯材の同時埋設を行うことが
できる。
【0042】(5) 掘削ビットは、円形断面に切欠きを設
けた形状であるため、掘削エネルギーが集中し、削孔を
効率良く行うことができる。(6) アンカー芯材先端の芯
材ストッパーは、アンカー底部の定着具として利用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンカー施工用装置の1例を示す側面
図であり、(a) は掘進時、(b)は引抜時の状態を示す。
【図2】本発明のアンカー施工用装置の先端の掘削ビッ
ト部分の具体例を示したものであり、(a) は正面図、
(b) は正面視形状の異なる斜視図、(c) はその側面図で
ある。
【図3】図2の掘削ビット部分の変形例であり、(a) は
斜視図、(b) は断面図、(c) は側面図である。
【図4】本発明のアンカー施工方法の掘進時の状況を示
す側面図である。
【図5】本発明のアンカー施工方法の引抜時と引抜後の
状況を示す側面図である。
【図6】(a) は従来一般の削孔方法を示す側面図、(b)
は従来の二重管方式による削孔方法を示す側面図であ
る。
【図7】従来一般の削孔方法によるアンカー施工方法を
工程順に示す側面図である。
【符号の説明】
A……周辺地盤 B……掘削孔 C……固化材液 K……掘削ずり W……掘削液 1……アンカー施工用装置 2……掘削ロッド 3……掘削ビット 4……螺旋状の突起 5……アンカー芯材 6……中空部 8……貫通孔 9……掘削ずり排出通路 10……チップまたはカッター 11……掘削ずり排出通路 12……芯材ストッパー 13……係止溝 14……吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 厚生 東京都港区赤坂6丁目13番7号 株式会社 テノックス内 Fターム(参考) 2D041 GA01 GB01 GC02 GD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤中にアンカーを造成するアンカー施
    工用装置であり、中空の掘削ロッドの先端に、掘削ロッ
    ドの外径よりも大径で外周部に掘削ずり排出用の切欠き
    が形成された掘削ビットが設けられ、掘削ロッドの外周
    面に、掘削ビットの外径とほぼ等しい外径を有する螺旋
    状の突起がロッド軸方向に沿って設けられていることを
    特徴とするアンカー施工用装置。
  2. 【請求項2】 掘削ロッドおよび掘削ビットを貫通して
    アンカー芯材が設けられ、このアンカー芯材の先端に、
    掘削ビットの先端面に係止めされ、アンカー芯材の反掘
    進方向の移動を阻止する芯材ストッパーが設けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のアンカー施工用装
    置。
  3. 【請求項3】 掘削ビットの先端面に芯材ストッパーが
    挿入される係止溝が形成されていることを特徴とする請
    求項2に記載のアンカー施工用装置。
  4. 【請求項4】 地盤中にアンカーを造成するアンカーの
    施工方法であり、先端に掘削ビットを有し外周にロッド
    軸方向に沿う螺旋状の突起を有する中空の掘削ロッドに
    アンカー芯材を掘削ビットおよび掘削ロッドを貫通させ
    て装着すると共にアンカー芯材先端のストッパーを掘削
    ビットの先端面に係止めし、必要に応じて掘削ロッドお
    よび掘削ビットの注入孔を通して掘削液を注入しつつ掘
    削ロッドの回転または回転打撃により地盤の削孔を行
    い、所定の位置まで掘進すると、固化材液を掘削ロッド
    および掘削ビットの注入孔を通して注入しつつ、掘削ロ
    ッドを回転、回転打撃、または打撃させながら、あるい
    は無回転のまま、引抜き、アンカー芯材をそのまま残置
    してアンカーを造成することを特徴とするアンカーの施
    工方法。
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