JP4197074B2 - 埋込み杭施工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、市街地等での杭基礎工事に多用される埋込み杭を施工するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
杭の施工方法としては、大きく分けて、打撃工法、場所打ちコンクリート杭工法、埋込み杭工法等があるが、市街地等では低振動、低騒音で、かつ狭いスペースで施工できる工法として、埋込み杭工法を適用さぜるを得ない場合が多い。
【0003】
埋込み杭工法には、さらに先掘り工法、中掘り工法、回転圧入工法等があり、このような埋込み杭工法によって形成される埋込み杭の代表的な形態としてソイルセメント合成鋼管杭等がある。
【0004】
先掘り工法は、既成杭を建て込むための孔をスパイラルオーガーあるいは先端に掘削ヘッドを設けた掘削ロッド等の掘削装置で先掘りし、通常、掘削ヘッド部分等からセメントミルク等の固化材を注入し、土砂と攪拌・混合したソイルセメント等の中へ既成杭を沈設して行くものであり、ソイルセメント等の固化により既成杭を掘削孔中に固定し、支持力を得る。
【0005】
なお、下端については、支持層における先端支持力を増すため、オーガーあるいは掘削ロッドの掘削ヘッドを拡径して拡大掘削し、富配合のセメントミルクあるいはモルタル等を充填して既成杭を建て込み、根固め部を形成することも多い。
【0006】
また、中掘り工法は、鋼管杭あるいは中空コンクリート杭、鋼コンクリート複合パイル等の中空の既成杭を用い、中空部に通したオーガーあるいは掘削ロッド先端の掘削ヘッドの回転により掘削を行いつつ、中空の既成杭を建て込んで行くものである。
【0007】
掘削ロッドに取り付けられる掘削ヘッドには、通常、掘削ビットや拡縮可能な攪拌翼、共回り防止翼等が設けられ、水等の掘削液やセメントミルク等の固化材を注入しながら掘削、攪拌・混合を行なえるようになっている。
【0008】
中掘り工法の場合も、必要に応じて、先端根固め部を形成し、先端支持力を高めることができる。
また、回転圧入工法は、杭自体をドリル形状にして杭を回転させながら地盤中にねじ込むものであり、支持力を発揮させるためにセメントミルク等で先端根固めを行っている。
【0009】
なお、排土量、残土処理量を減らすためには、先掘り工法や回転圧入工法の場合も、埋込み杭用の既成杭として鋼管杭等の先端が開放された中空杭を用いるのが有利であり、鋼管杭を用いた埋込み杭やその施工方法としては、例えば特開昭63−97711号公報や特開昭64−75715号公報に記載されたものがある。
【0010】
特開昭63−97711号公報に記載されたものは、先掘り工法によって形成されたソイルセメント柱に鋼管杭を建て込む場合において、鋼管杭の外周面のほぼ全長および鋼管杭の先端部や頭部の内面に突起を設け、ソイルセメントとの付着力を高め、杭先端部の閉塞効果、水平抵抗増大効果、摩擦耐力の向上を図ったものである。
【0011】
また、特開昭64−75715号公報に記載されたものは、先掘り工法によってセメントミルク等の固化材の注入、攪拌・混合を行いながら、鋼管杭や中空コンクリート杭を埋込み杭として建て込んで行く際、先端部手前で固化材をより高い圧縮強度が得られる固化材に切り替え、先端根固め部における先端支持力の増大を図り、また建て込まれる既成杭の外周面にスパイラル翼を設けることで、ソイルセメント中への既成杭の回転圧入が容易となるようにしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
鋼管杭等の先端が開放された中空既成杭の場合、掘削土砂が既成杭の中空部に残ることで排土量、掘削残土の処理が少なくなるという利点があるが、従来の施工方法、施工装置では、先端の根固めや杭周面の固定(周面摩擦力の向上)のために用いる固化材を攪拌・混合してなるソイルセメント等が中空既成杭の中空部内にも充填された状態となるため、その分、固化材の使用量、排土量およびコストが増すことになる。
【0013】
一方、杭の支持力の算定において重要な要素となるのは、先端支持力と周面摩擦力である。従って、中空部内のソイルセメント等については、固化材が無駄になっている。
【0014】
これを解決する手段としては、中空既成杭の杭外周部に限定して固化材を注入あるいは充填することができる機構が考えられるが、従来、そのような装置は開発されていない。
【0015】
また、従来、中掘り工法で使用されている拡径式の攪拌翼を有する掘削装置では、既成杭の中空部を通して引き上げる際、攪拌翼を縮径する必要がある。従来の縮径の手段としては、油圧等を利用して機械的に縮径するもの、掘削ロッドを掘進時と逆向きに回転させて土圧により縮径させるもの、既成杭下端とぶつかることで強制的に縮径させるものなどがある。
【0016】
油圧等を利用して機械的に縮径する形式は、通常、拡径時も機械的に拡径させることができるが、そのための配管あるいは配線が必要であり、またそれらが損傷すると作動しない恐れもある。
【0017】
既成杭下端との当接により縮径させる方式は、攪拌翼に無理な力が作用する可能性もあり、攪拌翼が変形したり損傷したりする恐れがある。
掘削時に土圧を利用して拡径し、引上げ時に逆回転させることで土圧により縮径させる方式は、掘削攪拌した土砂や固化材の状態によって十分縮径されないまま引上げらせ、既成杭の下端や内面とぶつかることで変形したり損傷する恐れがあり、その他、地盤内での縮径の状態が確認しにくいといった問題がある。
【0018】
また、攪拌翼の先端部に固化材の吐出口を設け、杭径より外側に固化材を吐出させるためには、拡径した状態で固化材を吐出する必要があるが、地盤中での拡径の状態が確認しにくいことから、十分拡径していない状態で固化材を吐出することで、地盤内の所定の位置に固化材が注入できず、杭の支持力等について所期の効果が得られない恐れがある。また、拡径が十分でないまま不必要な固化材が吐出されることで、固化材に無駄が生ずる可能性もある。
【0019】
本願発明は、埋込み杭の施工における上述のような課題の解決を図ったものであり、固化材の使用量などについて無駄が少なく、経済的な埋込み杭施工装置、さらには攪拌翼を縮径させて掘削ロッドを引き上げる際に、特別な動力を必要とせず、攪拌翼と既成杭の下端あるいは内側が直接接触せず、攪拌翼、既成杭双方の変形や損傷が防止できる埋込み杭施工装置を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に係る発明は、掘削ロッドの先端に1または複数段の拡径式の攪拌翼を設けるとともに、前記掘削ロッドに沿って固化材注入手段を設け、固化材を注入した掘削地盤内に中空の既成杭を建て込むための埋込み杭施工装置において、前記攪拌翼の先端に該攪拌翼を拡径させた状態で、前記掘削ロッド内を通して送り込んだ固化材を前記既成杭の径より外側に吐出するための翼部吐出口を設けてあり、該翼部吐出口の吐出方向が建て込まれる既成杭の径方向外向きに水平から45〜90度の仰角を有するようにしてあることを特徴とするものである。
【0021】
建込みの対象となる既成杭としては、鋼管杭、中空コンクリート杭、鋼コンクリート複合パイル等の先端が開放されたものが挙げられるが、埋込み杭として施工可能なものであれば材質等は特に限定されない。
【0022】
固化材としては、セメントミルクが一般的であり、その場合、掘削土砂と攪拌・混合することでソイルセメントとなるが、必ずしもセメントミルク等に限定する必要はない。
【0023】
また、拡径式の攪拌翼を複数段設ける場合や、同一平面内に攪拌翼を複数設ける場合において、上記翼部吐出口を必ずしも複数設ける必要はなく、少なくとも1つあれば良く、通常は1つである。
【0024】
上記の構成の埋込み杭施工装置を中掘り工法に用いる場合には、掘削ロッドを中空の既成杭の内側に通し、攪拌翼の先端部が既成杭の外径より外側となるように拡径させて、地盤の掘削および既成杭の沈設を行うに当り、拡径させた攪拌翼の先端部に設けた翼部吐出口より、固化材を既成杭の外径より外側に吐出しつつ攪拌し、実質的に固化材が既成杭の中空部内に入らないようにして既成杭の沈設を行うことができる。
【0025】
また、先掘り工法に用いる場合にも、同様に攪拌翼の先端部が後から建て込まれる既成杭の外径より外側となるように拡径させて、地盤の掘削および既成杭の沈設を行うに当り、拡径させた攪拌翼の先端部に設けた翼部吐出口より、固化材を既成杭の外径より外側に吐出しつつ攪拌することで、固化材を既成杭の外側に限定することができる。ただし、中掘り工法に比べると既成杭の内部に混入する固化材が多くなる可能性がある。
【0026】
翼部吐出口の吐出方向について、45度以上としているのは、固化材の吐出圧を大きくした場合に仰角が小さいと不必要に地山を削ることになり、無駄な固化材の吐出量も多くなるためである。一方、不必要に地山を削らないように吐出圧を小さくすると既成杭外周の土砂との混合が不十分となる恐れがある。
【0027】
また、翼部吐出口が既成杭の外径と同程度より外側に位置する場合、仰角を大きくすることで、高い吐出圧でも不必要に地山を削る恐れが少なく、既成杭外周の土砂との混合効果が高くなる。
【0028】
なお、本願発明の施工装置を用い、中掘り工法で埋込み杭の施工を行う場合、仰角が90度より小さくても、吐出口が高いと吐出される固化材によって杭外周面に負圧が生じ、固化材と攪拌混合された土砂が入り込み、また中空既成杭の沈設を助ける働きもある。
【0029】
上記のような仰角の範囲において、望ましい固化材の吐出圧としては、10〜150kgf/cm2 程度である。仰角が比較的小さい場合、吐出圧を抑える必要があるが、10kgf/cm2 以下では、土砂への混合効果が不十分と考えられ、150kgf/cm2 となると、仰角が大きい場合でも不必要に地山を削る恐れがある。
【0030】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る埋込み杭施工装置において、前記翼部吐出口が前記既成杭の径方向外向きに水平から45〜90度の仰角を有する突出型のノズル形状を有していることを特徴とするものである。
【0031】
翼部吐出口を上記の仰角の突出型のノズル形状とすることで、特定方向への高圧での固化材の吐出が可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る埋込み杭施工装置において、翼部吐出口が埋込み型のノズル形状を有していることを特徴とするものである。
【0032】
請求項2の突出型のノズル形状の場合、突出長や地盤の硬さによっては、攪拌翼の回転時にノズル形状の吐出口に大きな抵抗力が生じ、損傷などの恐れがあるのに対し、埋込み型のノズル形状とすれば、そのような抵抗力を受けない利点がある。
【0033】
ただし、固化材の吐出方向を限定しにくいため、翼部吐出口に例えばガイド板などの補助部材を取り付け、固化材の吐出方向を制御することも考えられる。
請求項4は、請求項1、2または3に係る埋込み杭施工装置において、前記掘削ロッドの先端部に前記翼部吐出口とは別個に、掘削液または固化材を吐出できるようにした先端吐出口を設けてある場合を限定したものである。
【0034】
従来の埋込み杭施工用の掘削装置においても、掘削ロッドの先端部から固化材を吐出するようにしたものが多く見られるが、翼部吐出口とは別に先端吐出口を設け、先端吐出口からは掘削を容易にするための掘削液を吐出したり、先端根固め部を形成する場合には、富配合としたセメントミルクあるいはモルタル等、杭外周面の固化材に比べ、より高い強度の得られるものを吐出させることができる。ここで、掘削ロッドの先端部とは、ロッド自体の場合に限らず、ロッドに取り付けた掘削ビット部分等の場合も含む。
【0035】
なお、地盤条件などに応じて、掘削液にベントナイトあるいはセルロースなどを混合すれば、掘削土砂に流動性を与え、掘進を容易にすることができる。
本願の請求項5に係る発明は、請求項1〜4に係る埋込み杭施工装置において、前記掘削ロッド内に形成された固化材の流路と前記翼部吐出口を連絡する流路が前記攪拌翼の拡径時に連通し、縮径時に閉塞されるようにしたことを特徴とするものである。
【0036】
固化材の流路を開閉する構造は特に限定されないが、例えば水道におけるレバー式の水栓のような構造が利用可能であり、その場合、攪拌翼の拡径部分がレバーに相当し、レバー部分に翼部吐出口が設けられたような構造となる。
【0037】
攪拌翼の拡径時のみ固化材が吐出され、縮径時には固化材の流路が閉塞されるため、固化材の無駄がなく、また、固化材が吐出できることが、攪拌翼が拡径していることの確認になるため、設計通りの埋込み杭の施工が可能となる。
【0038】
本願の請求項6に係る発明は、請求項1〜5に係る埋込み杭施工装置において、前記攪拌翼の上部に突出部を設け、前記掘削ロッドを掘削時の回転方向と逆方向に回転させながら引き上げる際に、前記突出部が前記既成杭の内側に設けた突出部と当接することで、攪拌翼を強制的に縮径させるようにしたことを特徴とするものである。
【0039】
それぞれの突出部形状は、板状のもの、ブロック状のものなど特に限定されない。
攪拌翼の上部に設けた突出部と既成杭の内側に設けた突出部とがぶつかることで攪拌翼が縮径する構成であるため、掘削ロッドを回転させる以外の動力を必要とせず、また攪拌翼と既成杭の下端あるいは内側が直接接触しないため、攪拌翼、既成杭双方の変形や損傷が防止できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明を中掘り工法に適用した場合の一実施形態において、施工装置を拡径部を有する既成杭の中空部内に挿通させた状態を示したものである。
【0041】
この例では、中空の既成杭として、鋼管21aの先端部に支圧リング板21bを介して拡径部21cを有する拡底鋼管杭21を用い、本願発明の施工装置1をこの拡底鋼管杭21に通して中掘り工法による埋込み杭としての施工を行っている。
【0042】
施工装置1は掘削ロッド2の先端に複数の掘削ビット3aを有する掘削ヘッド3が取り付けられ、その上方に3対の拡径式の攪拌翼4,5,6が3段に取り付けられている。
【0043】
下段の攪拌翼4は、下向きの掘削ビット4aを有し、主として掘削ヘッド3とともに掘削を行いながら、掘削した土砂と掘削ロッド2先端の先端吐出口12から吐出される掘削液またはセメントミルクなどのスラリー状の固化材などを攪拌混合する。
【0044】
なお、掘削液の場合、必要に応じ、ベントナイトあるいはセルロースなどを配合して掘削土砂に流動性を与える場合もある。
また、埋込み杭の下端に先端根固め部を形成する場合には、掘削液から富配合のセメントミルクあるいはモルタルなどの固化材に切り替え、これらを吐出する。掘削時において、後述する杭一般部外周に吐出される固化材に比べ貧配合の固化材をこの先端吐出口12から吐出し、拡底鋼管杭21の中空部内に比較的強度の低い硬化物を形成する場合もある。
【0045】
中段の攪拌翼5は、主として攪拌混合のためのものである。
上段の攪拌翼6の1つには、その先端部にセメントミルクなどの固化材を吐出するための翼部吐出口11が上向きに設けられており、上述した先端吐出口12の場合と同様、掘削ロッド2の中空部を通じて送られてくるスラリー状の固化材を拡底鋼管杭21の外周部に向けて所定の角度で吐出できるようになっている。
【0046】
図1の例では先端吐出口12が攪拌翼6の先端から斜め上方に突出する突出型のノズル形状を有しており、図4に示すような形で掘削ロッド2の中空部2aに連通している(図4ではノズル部分は省略している)。
【0047】
攪拌翼6は、基部6aに対し、拡径部6bが軸部6c回りに回動可能となっており、図4に示されるように軸部6cに形成された流路13と拡径部6bに形成された固化材の流路14が拡径状態で連通して固化材が吐出でき、縮径状態では拡径部6bの回転により軸部6cの流路13が閉塞されることで固化材の吐出ができないようになっている。
【0048】
また、この攪拌翼6は、掘削ロッド2を軸回りに回転させながら掘進を行う際、土圧により拡径部6bが拡径方向に開き、その状態でストッパーが働くようになっている。
【0049】
一方、拡底鋼管杭21を所定の深度まで建込み、掘削ロッド2を引き上げる際には、掘削ロッド2を逆回転させることにより縮径方向の土圧を受けるとともに、攪拌翼6の拡径部6bの上部に設けた突出部15が拡底鋼管杭21の内側に取り付けた突出部16に当接し、強制的に縮径する。このことで、攪拌翼6と拡底鋼管杭21の干渉が回避される。
【0050】
この拡径、縮径の機構については、下段および中段の攪拌翼4,5についても同様である。
この他、掘削ロッド2の上段の攪拌翼6の上方には拡底鋼管杭21の拡径部21cの内径とほぼ等しい径で付着防止ワイヤー17が取り付けられており、杭一般部を構成する鋼管21aと拡径部21cとをつなぐ支圧リング板21b部分の隅角部に掘削土砂等が付着し、後の先端根固め部の形成に支障が生じないようにしている。
【0051】
また、図中、18はこの種の施工において、従来から用いられているスタビライザーである。
図2は本願発明の施工装置によって施工される埋込み杭の一形態を示したもので、図中、Nは支持地盤、Aは先端根固め部を指す。
【0052】
杭一般部外周については、図1の構成により翼部吐出口11から杭周に限定してセメントミルクを吐出し、土砂と攪拌混合してなるソイルセメントaによって固定され、先端根固め部Aについては、掘削ロッド2の先端吐出口12から吐出した富配合のセメントミルクと掘削土砂を攪拌混合してなるソイルセメントbで根固めを行っている。
【0053】
さらにこの例では、拡底鋼管杭21の杭一般部の内側については、固化材が実質的に混入しないようにして掘削土砂cが充填された構成となっている。なお、この部分に杭外周のソイルセメントbと異なる配合のソイルセメントを形成することも可能である。
【0054】
図3は本願発明の施工装置1を用いた中掘り工法による埋込み杭の施工方法について、掘削ロッド2を吊り支持した形で回転させながら、リーダー30に沿って地盤中に貫入して行き、同時に鋼管杭21を建込んで行く様子を概念的に示したものである。
【0055】
図5は本願発明の他の実施形態として、杭径が大きい場合の例を示したもので、基本的な構成は図1の場合とほぼ同様である。図5(b) は図5(a) のB−B断面に相当し、図5(c) は図5(a) のC−C断面に相当する。
【0056】
【発明の効果】
▲1▼本願の請求項1〜3に係る埋込み杭施工装置によれば、攪拌翼の先端に該攪拌翼を拡径させた状態で、固化材を既成杭の径より外側に吐出するための翼部吐出口を設けてあるため、埋込み杭の杭一般部外周に限定して固化材を吐出し、攪拌混合することができ、既成杭の固定に必要とする固化材の使用量を抑え、経済的な施工が可能となる。
【0057】
▲2▼中空既成杭の内部については、実質的に固化材を含まない掘削土砂あるいは埋戻し土砂等が充填された状態とすることができ、最終的な排土量、残土処理量も少なくて済み、特に鋼管杭の場合には無排土に近い施工が可能である。
【0058】
▲3▼また、掘削翼の先端部の翼部吐出口から既成杭の径方向外向きに45〜90度の仰角で固化材を吐出できるため、吐出された固化材は実質的に既成杭の中空部に混入することがなく、杭性能の確保や経済性の向上の効果をより確実なものとすることができる。
【0059】
▲4▼本願の請求項4に係る埋込み杭施工装置によれば、翼部吐出口とは別に掘削ロッドの先端部に先端吐出口が設けられており、この先端吐出口から杭一般部外周に用いる固化材とは異なる配合の固化材または掘削液を吐出することができる。したがって、埋込み杭に要求される性能や地盤の状態に応じて、最適な埋込み杭を施工することができる。また、掘削液にベントナイトあるいはセルロース等を混合して吐出すれば、掘削液が混合された土砂に流動性を与え、埋込み杭の施工を効率良く行うことができる。
【0060】
▲5▼本願の請求項5に係る埋込み杭施工装置によれば、攪拌翼の拡径時のみ固化材が吐出され、縮径時には固化材の流路が閉塞されるため、固化材の無駄がなく経済的である。また、固化材が吐出できることが、攪拌翼が拡径していることの確認になるため、設計通りの埋込み杭の施工が可能となる。
【0061】
▲6▼本願の請求項6に係る埋込み杭施工装置によれば、攪拌翼の上部に設けた突出部と既成杭の内側に設けた突出部とがぶつかることで攪拌翼が縮径する構成であるため、掘削ロッドを回転させる以外の動力を必要とせず、また攪拌翼と既成杭の下端あるいは内側が直接接触しないため、攪拌翼、既成杭双方の変形や損傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明を中掘り工法に適用した場合の一実施形態において、施工装置を拡径部を有する既成杭の中空部内に挿通させた状態を示す鉛直断面図である。
【図2】本願発明の装置によって施工される埋込み杭の一形態を示す鉛直断面図である。
【図3】本願発明の装置を用いた中掘り工法による埋込み杭の施工方法の様子を示す鉛直断面図である。
【図4】請求項5に係る施工装置における固化材流路の開閉機構を示したもので、(a) は平面図、(b) はそのA−A断面図、(c) は底面図である。
【図5】本願発明の他の実施形態として、杭径が大きい場合の例を示したもので、(a) は施工装置を拡径部を有する既成杭の中空部内に挿通させた状態を示す鉛直断面図、(b) はそのB−B断面図、(c) はC−C断面図である。
【符号の説明】
N…支持地盤面、A…先端根固め部、
a…ソイルセメント、b…ソイルセメント(富配合)、c…土砂、
1…中掘り工法用施工装置、2…掘削ロッド、2a…中空部、3…掘削ヘッド、3a…掘削ビット、4…攪拌翼(下段)、4a…掘削ビット、5…攪拌翼(中段)、6…攪拌翼(上段)、6a…基部、6b…拡径部、6c…軸部、11…翼部吐出口、12…先端吐出口、13…流路、14…流路、15…突出部、16…突出部、17…付着防止ワイヤー、18…スタビライザー、21…拡底鋼管杭、21a…鋼管、21b…支圧リング板、21c…拡径部、30…リーダー
Claims (6)
- 掘削ロッドの先端に1または複数段の拡径式の攪拌翼を設けるとともに、前記掘削ロッドに沿って固化材注入手段を設け、固化材を注入した掘削地盤内に中空の既成杭を建て込むための埋込み杭施工装置において、前記攪拌翼の先端に該攪拌翼を拡径させた状態で、前記掘削ロッド内を通して送り込んだ固化材を前記既成杭の径より外側に吐出するための翼部吐出口を設けてあり、該翼部吐出口の吐出方向が建て込まれる既成杭の径方向外向きに水平から45〜90度の仰角を有するようにしてあることを特徴とする埋込み杭施工装置。
- 前記翼部吐出口が前記既成杭の径方向外向きに水平から45〜90度の仰角を有する突出型のノズル形状を有している請求項1記載の埋込み杭施工装置。
- 前記翼部吐出口が埋込み型のノズル形状を有している請求項1記載の埋込み杭施工装置。
- 前記掘削ロッドの先端部に前記翼部吐出口とは別個に、掘削液または固化材を吐出できるようにした先端吐出口を設けてある請求項1、2または3記載の埋込み杭施工装置。
- 前記掘削ロッド内に形成された固化材の流路と前記翼部吐出口を連絡する流路が前記攪拌翼の拡径時に連通し、縮径時に閉塞されるようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の埋込み杭施工装置。
- 前記攪拌翼の上部に突出部を設け、前記掘削ロッドを掘削時の回転方向と逆方向に回転させながら引き上げる際に、前記突出部が前記既成杭の内側に設けた突出部と当接することで、攪拌翼を強制的に縮径させるようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の埋込み杭施工装置。
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1999
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