JP2002038469A - 既製杭の施工方法 - Google Patents
既製杭の施工方法Info
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Abstract
することのできる先端部が閉塞された大径の既製杭の施
工方法を提供すること。 【解決手段】 杭1を施工する地盤の硬い層を選択的に
杭1の外径より大きい範囲にわたりスラリー状固化材と
土砂とを攪拌混合して改良地盤31を形成する工程と、
この改良地盤31が未硬化のうちに先端部が閉塞された
杭31を設置する工程とからなる。
Description
例えば鋼管杭やコンクリート杭の如き既製杭の施工方法
に関すものである。
杭の如き既製杭(以下、杭体という)の施工方法には、
杭体の頭部に打撃を加えて地盤に貫入させる打撃工法、
杭体を設置する地盤にあらかじめ孔を掘削してその孔に
杭体を設置するプレボーリング法、あるいは、杭体の先
端部近傍に取付けた翼の木ねじとしての作用により杭体
を回転埋設する工法などある。また、地盤改良と組合わ
せた杭の施工方法には、杭体を設置する地盤全長を地盤
改良し、改良地盤が未硬化のうちに杭体を設置するソイ
ルセメント合成鋼管杭工法などがある。
等で打撃力を加え、その打撃力で杭先端部及び杭周面地
盤を構成する土砂を、深さ方向や側方へ排除しながら、
かつ締固めを行ない、杭体を地盤に貫入させて設置する
ようにしたものである(従来技術1)。
に先き立ってドリル等で地盤に孔をあけ、通常、セメン
トミルク等で空隙を満たして地質の崩壊を抑えながら、
この空隙に杭体を建て込むようにしたものである(従来
技術2)。
としての作用により、先端部を閉塞した杭体を回転埋設
する工法は、小径の鋼管杭を対象にいくつか実用化され
ている。特公平2−62648号公報に記載された鋼管
杭の埋設工法は、鋼管製の杭本体の下面に底板を固設
し、この底板に掘削刃を設けると共に、杭本体の下端部
外周面にこの杭本体の外径のほぼ2倍強の外径を有する
翼幅の大きいねじ込み用の螺旋翼をほぼ一巻にわたり突
設した鋼管杭を、軟弱地盤にねじ込むように回転させな
がら地中に押圧し、下端の掘削刃によって杭本体先端の
土砂を掘削軟化させ、杭側面の未掘削土砂中に螺旋翼を
食い込ませて、土の耐力を反力として杭体を回転掘進し
つつ掘削軟化した土砂を杭側面に押し出して圧縮し、無
排土で地中に杭体をねじ込んで設置するようにしたもの
である(従来技術3)。
された鋼管杭の埋設工法は、鋼管杭の下端部を掘削刃と
グラウト噴出口を有する底板で閉塞するとともに、鋼管
の外径のほぼ2倍の外径を有する螺旋翼を鋼管杭の下端
外周面にほぼ一巻きに固着した鋼管杭を、回転埋設中及
び埋設後にグラウト噴出口よりセメントミルクを噴出し
て周面地盤を強化するようにしたものである(従来技術
4)。
方法には、杭体を設置する地盤全長を地盤改良し、改良
地盤が未硬化のうちに杭体を設置するソイルセメント合
成鋼管工法があり、その代表例として、特開平4−18
5813合公報に記載された発明がある(従来工法
5)。
は、杭径が大きくなると周面地盤の貫入抵抗は杭径分の
増加であるが、杭体の先端部が閉塞されているため、先
端地盤の貫入抵抗は杭径の2乗に比例して増加する。こ
のため、外径が600mm以上の先端閉塞杭では、地盤の
所定の深さまでの貫入、特に硬い中間層の打ち抜きや先
端支持層への根入れは、実際上不可能である。
は、杭径が大きくなると先行掘削による土量が増え、か
つ、杭の設置に先立って孔内に満たされていたセメント
ミルク等が、先端閉塞の杭体の設置に伴い杭体の体積分
だけ排出されることになり、排出土やセメントミルクの
処理に多大なコストがかかることになる。
において、従来技術3に係る工法は、鋼管杭の外径が3
00mm未満の範囲で広く実用化されている。この埋設工
法は鋼管の先端部が底板で閉塞されているために、比較
的大きな先端支持力を確保することができるが、螺旋翼
が地盤から受ける反力が大きいために、回転貫入に要す
るトルクが非常に大きくなるばかりでなく、貫入能率が
悪くなる。発明者らの行った現場試験によると、支持層
貫入に必要なトルクは、軟弱地盤貫入時のトルクの3〜
5倍に増加する。
力のモータと、これを搭載するためのベースマシンが必
要になると共に、杭体のねじりモーメントが大きくなっ
て設計上必要な厚さよりも大きな厚さの鋼管が施工上必
要となる場合が多い。また、ねじりに弱いコンクリート
杭は適用することができない。さらに、鋼管の外径が6
00mmを超えると、施工に必要なトルクが大きくなりす
ぎて特殊な大型機械が必要になり、実用的でない。
先端部からセメントミルクを噴出して螺旋翼で土砂と攪
拌混合するため、螺旋翼による支持層地盤の乱れは多少
回復する。しかし、攪拌混合のための回転が螺旋翼だけ
の一方向であるため、土砂とセメントミルクとの十分な
攪拌は期待できない。特に、地盤が粘性土である場合、
攪拌混合は不均一になりやすい。また、セメントミルク
を噴出しない場合に比べて回転トルクは若干低減できる
ものの、閉塞された杭先端部近傍の土砂が移動しにくい
ため、回転トルクの大幅な低減は期待できない。さら
に、土砂の攪拌混合の範囲が螺旋翼部分のみであり、螺
旋翼の面積分の地盤支持力しか期待できない。
地盤全長をソイルセメント状に改良し、ソイルセメント
が未硬化のうちのその柱状部に中空の杭体を埋設するも
のであるが、この工法に先端部を閉塞した杭体を使用し
た場合は、少なくとも杭体の体積分のソイルセメントが
溢れ出ることになり、その処理に多大なコストがかかる
ことになる。
されたもので、次のような既製杭の施工方法を提供する
ことを目的としたものである。 (1)施工が容易で地盤本来の支持能力を十分発揮させ
ることのできる大径の先端閉塞杭の施工方法を得るこ
と。 (2)また、施工が容易で地盤本来の支持能力を十分発
揮させることのできる先端部が閉塞された大径の翼付き
ねじ込み杭の施工方法を得ること。
杭の施工方法は、杭を施工する地盤の硬い層を選択的
に、前記杭の外径より大きい範囲にわたりスラリ状固化
材と該層の土砂とを攪拌混合して改良地盤を形成する工
程と、この改良地盤が未硬化のうちに先端部が閉塞され
た杭を設置する工程とからなるものである。
砂とを攪拌混合する工程を、地盤中に建て込んだ注入ロ
ッドを回転させながらスラリー状固化材を噴出させて行
うようにしたものである。
を設置する工程を、杭を回転貫入させて行うようにした
ものである。 (4)また、上記(3)の回転貫入させる杭に、杭の先
端部又はその近傍に翼を設けた翼付きねじ込み杭を用い
たものである。
実施の形態1に係る既製杭の施工方法の工程説明図であ
る。なお、本実施の形態は、軟弱層と支持層からなる地
盤に打撃工法により杭体を設置するようにしたものであ
る。図において、1は鋼管2の先端部を底板3で閉塞し
た杭体、11はオーガー、21は図示しないプラントか
ら供給される圧縮空気、水、スラリ状固化材等の注入ロ
ッドで、先端部には複数の噴出孔が設けられている。以
下、本実施の形態の施工手順について説明する。
ースマシン(図示せず)に搭載されたオーガー11によ
り、地盤に支持層に達する孔をあけ、ついで、オーガー
11を反対方向に回転させながら引き抜き、ベースマシ
ンから取り外す。この孔は地盤改良のために注入ロッド
21を挿入するためのものであり、杭体1の外径より小
さく、例えば外径150mm程度のものでよい。
の孔の中にベースマシンに搭載した例えば外径90mm程
度の中空の注入ロッド21を建て込み、先端部を支持層
の位置にセットする。そして、注入ロッド21を回転さ
せながら噴射孔から例えばセメントミルクの如きスラリ
ー状固化材22を噴出させて支持層の土砂と攪拌混合
し、支持層地盤のみを選択的に改良する。地盤を改良す
る範囲は、地盤の状況やスラリー固化材の注入圧などに
よって調整されるが、例えば、杭体1の外径が600mm
の場合、その径を杭体1の外径の2〜2.5倍程度とす
る。
盤から注入ロッド21を引き抜く。このとき、支持層に
は支持層の地盤とスラリー状固化材22が攪拌混合され
た地盤31(以下、改良地盤という)が形成される。こ
の改良地盤31は時間の経過に伴って次第に固化する
が、通常のセメントスラリーでは、固化開始までに10
〜20時間程度を要し、この間改良地盤31の強度は現
地盤の強度より小さい。
良地盤31が硬化しないうちに、杭体1を打撃により地
盤に貫入して設置する。この場合、改良地盤31は支持
層の地盤より貫入抵抗が小さいため、例えば外径が60
0mm程度さらにはそれ以上の大径の杭体1でも容易に所
定の深さ位置まで貫入し、設置することができる。
1(e)に示すように、杭体1の先端部が底板3によっ
て閉塞されているため、先端開放の杭に比べて支持層へ
の根入れが小さくても、十分な先端支持力を得ることが
できる。上記のような本実施の形態に係る施工方法によ
れば、大径の杭体1をきわめて少ない排土で設置するこ
とができる。また、施工が容易で速度が早いため工期を
短縮することができ、地盤改良のための材料が少なくて
すみ、その上大きな先端支持力を得ることができる。な
お、杭体1の改良地盤31に対応する部分の外周面に、
リブあるいは突起部などを設ければ、先端支持力をさら
に向上させることができる(以下の実施の形態において
も同様である)。
態2に係る既製杭の施工方法の工程説明図である。本実
施の形態は、軟弱層と中間層と支持層とからなる地盤
に、打撃工法により杭体を設置するようにしたもので、
実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説
明を省略する。
11により支持層に達するまで孔をあける作業は、実施
の形態1の場合と同様である。 (2)次に、図2(b)に示すように、この孔に注入ロ
ッド21を建て込んで先端部を支持層の位置にセット
し、回転させながらスラリー状固化材22を噴出させて
改良地盤31を形成する(これまでの作業も実施の形態
1の場合と同じである)。
げ、図2(c)に示すように、先端部が中間層に達した
ときはその位置で停止し、図2(b)の場合と同様に、
注入ロッドを回転させながらスラリー状固化材22を噴
出させて中間層の土砂と攪拌混合し、中間層に改良地盤
32を形成して注入ロッド21を引き抜く。これによ
り、支持層と中間層の両者に改良地盤31,32が形成
される。なお、先に中間層に改良地盤32を形成し、次
に支持層に改良地盤31を形成してもよい。
良地盤32,31が硬化する前に、杭体1を打撃により
地盤に貫入して設置する。この場合、改良地盤32,3
1は中間層、支持層の地盤より貫入抵抗が小さいため、
例えば外径が600mm程度さらにはそれ以上の大径の杭
体1でも容易に所定の深さ位置で貫入し、設置すること
ができる。
は、図2(e)に示すように、杭体1は実施の形態1の
場合と同様に十分な先端支持力を得ることができる。本
実施の形態によれば、中間層を有する地盤の場合におい
ても、実施の形態1の場合と同様の効果を得ることがで
きる。
態3に係る既製杭の施工方法の工程説明図である。な
お、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付
し、説明を省略する。図において、23は可幅攪拌翼2
7を備えた注入ロッドで、その一例を図4に示す。この
注入ロッド23は外管24とスラリー状固化材等を供給
する内管25との二重管構造となっており、内管25の
先端部には複数の噴出孔を有するほぼ逆台形状の掘削部
材26が設けられている。
の下部翼29とからなり、上部翼28の一端は外管24
の先端部にそれぞれ回動可能に軸支され、下部翼29の
一端は掘削部材26にそれぞれ回動可能に軸支されてお
り、上部翼28と下部翼29の他端は回動可能に一体的
に軸支されている。なお、30は掘削部材26、上部翼
28及び下部翼29の外面に設けられた掘削刃である。
この注入ロッド23は、内管29を固定して外管28を
引き上げると、図4(a)に示すように、可幅攪拌翼2
7は注入ロッド23の軸方向に沿って伸張して幅狭にな
り、外管28を引き下げると、図4(b)に示すように
横方向に展開して拡幅される。
明する。 (1)先ず、図3(a)に示すように、ベースマシンに
搭載された注入ロッド23の外管24を引き上げて可幅
攪拌翼27を幅狭にし、注入ロッド23を回転させると
共に圧下して掘削刃30により地盤を掘削しながら推進
させる。 (2)注入ロッド23が推進して中間層に達するとその
位置で停止させ、図3(b)に示すように、外管24を
下降させて可幅攪拌翼27を拡幅し、注入ロッド23を
回転させながら内管25を介して掘削部材26に設けた
噴出孔からスラリー状固化材22を噴出させ、中間層の
土砂と攪拌混合して改良地盤32を形成する。
て注入ロッド23を回転し、軟弱層内を推進させる。そ
して注入ロッド23の先端部が支持層に達すると、図3
(c)に示すように可幅攪拌翼27を再び拡幅し、注入
ロッド23を回転させながら噴射孔からスラリー状固化
材22を噴射させ、支持層の土砂と攪拌混合して改良地
盤31を形成する。ついで、可幅攪拌翼27を幅狭に
し、注入ロッド23を反対方向に回転させながら引き上
げる。これにより、中間層及び支持層にそれぞれ改良地
盤32,31が形成される。なお、先に支持層に改良地
盤31を形成し、ついで注入ロッド23を引き上げて中
間層に改良地盤32を形成してもよい。
良地盤32,31が硬化する前に、杭体1を打撃により
地盤に貫入して設置する。この場合、改良地盤32,3
1は中間層、支持層の地盤より貫入抵抗が小さいため、
例えば外径が600mm程度さらにはこれ以上大径の杭体
1でも容易に所定の深さ位置まで貫入し、設置すること
ができる。
は、図3(e)に示すように、杭体1は実施の形態2の
場合と同様に、十分な先端支持力を得ることができる。
上記の説明では、軟弱層、中間層及び支持層からなる地
盤に本実施の形態を実施した場合を示したが、軟弱層と
支持層からなる地盤にも、同様にして本実施の形態を実
施することができる。本実施の形態によれば、実施の形
態2の場合と同様の効果が得られると共に、オーガー1
1を引き抜く工程及び注入ロッド21を建て込む工程を
省略できるので、工期をより短縮することができる。
態4に係る既製杭の施工方法の工程説明図である。本実
施の形態は、実施の形態1〜3の打撃工法に代えて、翼
付きねじ込み杭(以下、ねじ込み杭という)からなる杭
体を地盤に設置するようにしたものである。なお、実施
の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を
省略する。
を図6、図7に示す。図6の例は、鋼管2の先端部を底
板3で閉塞すると共に、先端部近傍の外周に扇形状の平
板からなる2枚の鋼製翼7a,7bを同じ高さ位置に交
差して取付けて翼6を構成したものである。また、図7
の例は、鋼管2の先端部に螺旋状の切り欠き部4を設
け、この切り欠き部4の下面に円形鋼板を螺旋状に曲げ
加工した螺旋翼8を取付けて、底板を兼ねた翼6を構成
したものである。なお、螺旋翼8の両端部に形成された
すき間は、閉塞板などによって閉塞してもよい。
いて説明したが、これに限定するものではなく、翼6の
形状は上述の平板状、螺旋状の外に多角形状あるいはこ
れを分割したものなど、適宜選択することができ、ま
た、その取付位置も適宜選択することができ、必要に応
じて軸方向に複数段設けてもよい。
順について説明する。 (1)図5(a),(b),(c)に示すオーガー11
による孔の掘削、この孔への注入ロッド21の建て込み
及びスラリー固化材22の噴出、支持層における改良地
盤31の形成までの作業は、実施の形態1の場合と同じ
である。
良地盤31が硬化しないうちに、ねじ込み杭5の上端部
(又は胴部)をベースマシンに搭載された駆動モータに
装着し、駆動モータによりねじ込み杭5を回転して翼6
の木ねじ作用により地盤に貫入する。このとき、ねじ込
み杭5の周囲及び先端部の土砂はねじ込み杭5の周囲に
移動し、地表面に排出されることなく周囲に圧縮され、
ねじ込み杭5内にも侵入しない。また、この場合、改良
地盤31は支持層の地盤より貫入抵抗が小さいため、例
えば外径600mm以上のねじ込み杭5でも容易に所定の
深さ位置まで貫入し、設置することができる。
5(e)に示すように、ねじ込み杭5の先端部が閉塞さ
れており、かつ翼6を有するため、先端開放の杭に比べ
て支持層への根入れが小さくても、大きな先端支持力と
周面摩擦力を得ることができる。本実施の形態によれ
ば、実施の形態1の効果に加えて、低騒音、低振動でね
じ込み杭を施工することができる。
態5に係る既製杭の施工方法の工程説明図である。本実
施の形態は、軟弱層、中間層及び支持層からなる地盤に
ねじ込み杭5からなる杭体1を設置するようにしたもの
である。なお、実施の形態2及び4と同じ部分にはこれ
と同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形態にお
いて、図8(a)〜(c)の工程は実施の形態2の場合
と同様であり、オーガー11で掘削した孔に注入ロッド
21を建て込み、中間層に改良地盤32を、また、支持
層に改良地盤31をそれぞれ形成する。
うちに、実施の形態4の場合に準じて、ベースマシンに
搭載された駆動モータによりねじ込み杭5を回転して、
翼6の木ねじ作用により地盤に貫入する。このとき、改
良地盤32,31は中間層及び支持層の地盤より貫入抵
抗が小さいため、例えば外径600mm以上のねじ込み杭
でも容易に所定の深さまで貫入し、設置することができ
る。
8(e)に示すように、先端開放の杭に比べて支持層へ
の根入れが小さくても、大きな先端支持力と大きな周面
摩擦力を得ることができる。本実施の形態によれば、実
施の形態4の場合と同様の効果を奏することができる。
態6に係る既製杭の施工方法の工程説明図である。本実
施の形態は、実施の形態5のオーガー11及び注入ロッ
ド21に代えて、可幅攪拌翼27を有する注入ロッド2
3を用いたものである。なお、実施の形態3及び5と同
じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。本
実施の形態における図9(a)〜(c)の工程は、実施
の形態3の場合と同様であり、可幅攪拌翼27により注
入ロッド23を地盤中に推進させ、中間層に改良地盤3
2を、また、支持層に改良地盤31を形成する。
うちに、図9(d),(e)に示すように、実施の形態
5の場合と同様に、翼6の木ねじ作用によりねじ込み杭
5を地盤に設置する。なお、上記の説明では、軟弱層、
中間層及び支持層からなる地盤に本実施の形態を実施し
た場合について説明したが、軟弱層と支持層からる地盤
にも、同様にして本実施の形態を実施することができ
る。本実施の形態によれば、実施の形態3と5の効果を
併せもつ効果を奏することができる。
施工方法の実施例について説明する。杭体1を構成する
鋼管2は、外径600mm、板厚12mm、長さ31mで、
底板3の板厚を20mmとした。また、オーガー11の外
径は150mm、長さ37m、注入ロッド21の外径は9
0mm、長さ36mで、先端部に径20mmの噴出孔を2個
設けた。試験場所の地盤は、地表から23mまでは平均
N値3の軟弱層、それ以深32mまでは平均N値4の軟
弱層、それ以深は平均N値50の支持層であった。
た駆動モータにオーガー11を取付けてオーガー11を
回転し、支持層の35m深さまで孔をあけ、ついで、オ
ーガー11を反対方向に回転させて引き抜いた。次に、
注入ロッド21を駆動モータに取付けてこの孔に建て込
み、別に設けたプラントからスラリー状固化材を供給し
ながら注入ロッド21を回転させ、その噴出孔から概ね
深さ31〜35mの範囲にスラリー状固化材を噴出させ
た。そして、支持層の土砂とスラリ状固化材を攪拌混合
して改良状盤31を形成したのち、注入ロッド21を引
き抜いた。
たのち杭体1を打撃し、支持層、すなわち、改良地盤3
1に達するまで貫入して設置した。この間、支持層にお
いても軟弱層とほとんど変わらない打撃力により杭体1
を貫入することができた。なお、杭体1の先端部の支持
層への根入れ深さは1mであった。杭体1を設置した1
か月経過したのちは、改良地盤31の硬化により大きな
先端支持力を得られたことが確認された。
に係る既製杭の施工方法の実施例について説明する。杭
体5は、外径600mm、板厚12mm、長さ25mの鋼管
2の先端部に板厚20mmの底板を溶接により取付け、先
端部外周に、図6に示すように、外径1200mm、厚さ
25mmのドーナツ状の鋼板を2分割した扇形状の鋼板7
a,7bを、同じ高さ位置に交差して溶接により接合
し、翼6を構成した。
までは平均N値3の軟弱層、それ以深15mの深さ範囲
は平均N値32の中間層、さらに、平均N値7の9mの
軟弱層を経て平均N値50の支持層であった。
11により地表から支持層の27m深さ位置まで孔を掘
削し、ついで、この孔に注入ロッド21を建て込んで先
端部からスラリー状固化材を噴出させて土砂と攪拌混合
し、支持層に深さ24〜27mの範囲で改良地盤31を
形成した。ついで、注入ロッド21をその先端部が中間
層に位置するまで引き上げ、中間層において再び注入ロ
ッド21を回転させながらスラリー状固化材を噴出さ
せ、土砂と攪拌混合して深さ12〜15mの範囲に改良
地盤32を形成し、注入ロッド21を引き上げた。
3時間後に、杭体5の杭頭部をベースマシンの駆動モー
タに取付けて回転させ、翼6の木ねじ作用により軟弱
層、中間層の改良地盤32、軟弱層と順次ねじ込み貫入
し、支持層の改良地盤31に1m貫入して停止した。こ
の間、中間層、支持層においても、軟弱層とあまり変わ
らない回転トルクにより、無騒音、無振動で杭体5を貫
入し、設置することができた。杭体5を設置して1か月
経過したのちは、改良地盤31,32の硬化により大き
な地盤支持力と、周面摩擦力を得られたこが確認され
た。
は、杭を施工する地盤の硬い層を選択的に、杭の外径よ
り大きい範囲にわたりスラリー状固化材とその層の土砂
とを攪拌混合して改良地盤を形成する工程と、この改良
地盤が未硬化のうちに先端部が閉塞された杭を設置する
工程とによって構成したので、きわめて少ない排土によ
り大径の杭を設置することができる。また、施工速度が
早く、地盤改良の材料が少なくてすむので、工期を短縮
できるばかりでなくコストを低減することができ、改良
地盤の硬化により大きな支持力を得ることができる。
ドを回転させながらスラリー状固化材を噴出させ、土砂
と攪拌混合して改良地盤を形成するようにしたので、所
望の範囲にスラリー状固化材と土砂が均一に混合された
改良地盤を形成することができる。
転させて地盤に設置し、また、上記の杭に翼付きねじ込
み杭を用いるようにしたので、上記の効果に併せて、無
騒音、無振動で杭を設置することができ、その上翼を有
するため、より大きな先端支持力を得ることができる。
の工程説明図である。
の工程説明図である。
の工程説明図である。
の説明図である。
の工程説明図である。
の工程説明図である。
の工程説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 杭を施工する地盤の硬い層を選択的に、
前記杭の外径より大きい範囲にわたりスラリー状固化材
と該層の土砂とを攪拌混合して改良地盤を形成する工程
と、 前記改良地盤が未硬化のうちに先端部が閉塞された杭を
設置する工程とからなることを特徴とする既製杭の施工
方法。 - 【請求項2】 スラリー状固化材と土砂とを攪拌混合す
る工程を、地盤中に建て込んだ注入ロッドを回転させな
がらスラリー状固化材を噴出させて行うことを特徴とす
る請求項1記載の既製杭の施工方法。 - 【請求項3】 先端部が閉塞された杭を設置する工程
を、杭を回転貫入させて行うことを特徴とする請求項1
記載の既製杭の施工方法。 - 【請求項4】 回転貫入させる杭に、杭の先端部又はそ
の近傍に翼を設けた翼付きねじ込み杭を用いたことを特
徴とする請求項3記載の既製杭の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000226325A JP4360745B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | 既製杭の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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