JP4872561B2 - 既製杭の施工方法 - Google Patents

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本発明は、先堀り工法を用いて既製杭を施工する方法に関する。なお、本発明において既製杭とは、中空の、鋼管杭やコンクリート杭(鉄筋コンクリート杭(RC杭)、プレストレストコンクリート(PC)杭、高強度プレストレストコンクリート(PHC)杭、外殻鋼管付きコンクリート(SC)杭、高強度コンクリート拡径杭(ST)杭、鉄筋または平鋼を入れたコンクリート(PRC)杭等を含む)等を示す。
市街地等における既製杭の施工方法としては、低振動、低騒音で、かつ狭いスペースで施工できる埋込み杭工法が、一般的に採用されている。この埋込み杭工法には、さらに先掘り工法、中掘り工法等がある。
この内、先掘り工法は、スパイラルオーガーあるいは先端に掘削ヘッドを設けた掘削ロッド等の掘削装置で、地盤中に穴を先に掘削し、その後、当該穴に既製杭を建て込む工法である。通常、掘削ヘッド部分等からセメントミルク等の固化材を、既製杭を建て込む穴に注入し、土砂と攪拌・混合したソイルセメント等の中へ既製杭を沈設していくもので、ソイルセメント等の固化により既製杭を掘削穴中に固定し、支持力を得る。支持層における先端支持力を増すため、既製杭の下端に、富配合のセメントミルクもしくはモルタル等を充填し、先端根固め部を形成することも多い。
しかしこの工法の場合、ソイルセメント等が中空既製杭の中空部分(以降、既製杭の内部と呼ぶ)にも充填され、固化材の使用量が増大しコストが上昇するという問題がある。既製杭の内部に充填されたソイルセメントは、杭の剛性と杭の支持力には影響しないので、既製杭の内部にソイルセメントを充填しなくても、杭の性能は全く変わらない。そして、この問題は、杭径が大きくなればなる程、中空部分が増加する為に大きくなる。
そこで、この問題を克服する為、特許文献1、特許文献2および特許文献3の発明がなされている。特許文献1には、中空部を貫通する掘削装置の回転軸に杭の中空部を閉じるシャッタアを設け、杭の内部に混合してなるソイルセメントの流入を阻止する技術が開示されている。また、特許文献2には、中空部を貫通する掘削装置の回転軸に逆流装置を設け、杭の内部に混合してなるソイルセメントの流入を阻止する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、スラリー状の固化材を鋼管外周面に限定して吐出できる掘削装置の技術が開示されている。
特開昭63−277318号公報 特開昭63−233190号公報 特開2001−064970号公報
特許文献1、特許文献2および特許文献3の何れの技術も、掘削装置の攪拌軸や攪拌翼に特殊な装置を付加したり、特殊な構造とする必要があり、掘削装置の製作に膨大なコストがかかる。さらに、特許文献1の技術では、地中深くの圧力に耐えるシャッタアの構造は、かなり剛性の大きなものが必要となり、装置が大がかりになる。一方、特許文献2の技術では、施工において逆流スパイラルと管内面にはある程度の隙間が必要であり、その隙間を通してソイルセメントが上昇し、杭内部にも充填されてしまうおそれがある。
あるいは、特許文献3の技術では、固化材(セメントミルク)が地中深くで吐出されるため、既製杭の外周面にソイルセメントが適切に配置される可能性は低い。特に、ソイルセメントの流動性が低い場合、既製杭の外周部にソイルセメントが配置されるように施工するのは難しくなる。
本発明は、上記問題を解決する為になされたものであって、掘削装置や施工のために膨大なコストをかけずに、改良体(ソイルセメント等)を、既製杭の内部には充填せずに既製杭の外周部に確実かつ容易に充填することができる既製杭の施工方法を提供する。
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1. 先堀り工法を用いた既成杭の施工方法であって、前記既成杭は鋼管杭の内部に配置された掘削ロッドにより下端部が開閉可能で、前記既製杭を建て込む地盤を掘削した後、掘削された地盤中に固化材を注入し、前記注入された固化材と土砂とを攪拌して改良体を造成し、さらに、前記造成された改良体に、鋼管杭の内部に配置された掘削ロッドにより下端部が閉塞した既製杭を所定の深さまで建て込んだ後、鋼管杭の下端部の閉塞を解くと共に、鋼管杭の下端部に富配合の固化材を注入し、その後、掘削ロッドを回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合の固化材と前記改良体とを攪拌混合して、先端根固め部を造成することを特徴とする既製杭の施工方法。
2.注入した富配合の固化材と改良体とを攪拌混合する際、掘削ロッドと同時に鋼管杭を上下動や回転させることを特徴とする1記載の既製杭の施工方法。
本発明によれば、固化材と土砂とを混合した改良体(例えば、セメントミルクと土砂から造成されるソイルセメント)を掘削穴下部で造成した後に、下端部が閉塞した既製杭を建て込むという簡略な方法で、既製杭の外周面における支持力性能を向上させると共に、杭剛性もしくは荷重支持には関与しない余分な改良体を既製杭内部に充填せずに施工することができる。この為、固化材の余分な注入を防ぐことができ、施工コストを大きく下げることができる。さらに、固化材の注入量を少なくできることから、改良体を含む土砂等の排出が減るので、産業廃棄物の処理が減り環境への負荷を少なくすることができる。
本発明について、図を参照しつつ詳細に説明する。
(a)施工方法の例:第1の実施の形態
先ず、本発明に係る既製杭の施工方法の一例を、第1の実施の形態として説明する。図1は、本実施の形態に係る施工手順を、模式的に示す断面図である。図1(1)から図1(7)までの番号順が、施工の順番を示しており、この番号に沿って、第1の実施の形態を説明する。
この第1の実施の形態においては、中空の鋼管杭8を掘削ロッド11、12を用いて地盤3に、先堀り工法で埋設する。鋼管杭8の外周部はソイルセメント5で改良し、鋼管杭8の先端根固め部は富配合ソイルセメント6で形成する。掘削ロッド12の先端部には、鋼管杭8の下端部を閉塞する機構が設けられており、この機構により鋼管杭8の下端部を閉塞することが可能となっている。また、掘削ロッド11、12の先端部には、従来と同様に、掘削液や固化材を噴出可能な噴出孔が設けられていて、地盤中や泥土中に注入可能となっている。なお、固化材としては、実際の杭の施工においてはセメントミルクの使用頻度が最も高いので、セメントミルクを用いた場合で説明する。また、掘削液としては、ソイルセメント5および富配合ソイルセメント6の強度へ影響の少ない水を用いた場合で説明する。固化材と攪拌する土砂としては、排土を発生させない為に、地盤3が掘削されて発生する土砂を用いた場合で説明する。その為、セメントミルクと地盤3の土砂と水とを攪拌して造成されるソイルセメント5が改良体となる。さらに、施工装置は、通常の先堀り工法で用いられる3点式杭打ち機を用いる。
(1)先ず、掘削ロッド11のみを地盤3に回転貫入させ、予め地盤3を泥土化させる。回転貫入した地盤3に、掘削ロッド11の先端部の噴出孔から水を注入しながら掘削を行う。この時、排土は殆ど行わないように施工する。その為、掘削後の掘削穴2は、地盤3の土砂と水が混合されてできた泥土4で満たされる。
(2)次に、支持層まで掘削を行ったら、掘削ロッド11の貫入を停止する。
(3)そして、掘削ロッド11の先端の噴出孔から、掘削穴2の底部にセメントミルクを注入する。そして、掘削ロッド11を回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入したセメントミルクと泥土4とを攪拌混合してソイルセメント5にする。
セメントミルクの注入量は、従来技術のように掘削した全ての深さがソイルセメント5で満たされるような量とするのでは無く、図1(3)に例示するように、掘削穴2の底から途中の深さまでがソイルセメント5で満たされるように注入する。即ち、鋼管杭8の施工が完成した時に、鋼管杭8の内部にはソイルセメント5が殆ど無く、かつ鋼管杭8の外周部をソイルセメント5が充填するのに十分な量であれば良い。なお、セメントミルクの注入量は、埋設する鋼管杭8の長さや内径、もしくは施工仕様によって、適宜決定する。
(4)上記のように掘削とソイルセメント5の造成が完了したら、掘削ロッド11を引き抜く。ソイルセメント5の表面Aを境に、掘削穴2の下部はソイルセメント5、掘削穴2の上部は泥土4で満たされる。
(5)上記泥土4とソイルセメント5の中に、自重沈設および回転圧入によって、掘削ロッド12と共に鋼管杭8を建て込む。この時、掘削ロッド12の先端部に備えられた、鋼管杭8の下端部を閉塞する機構により、鋼管杭8の下端部は閉塞している。この鋼管杭8の閉塞した下端部により、鋼管杭8の沈設の際にソイルセメント5の表面Aに対し、鉛直方向下向きの圧力をかけることができる。その圧力により、掘削穴2の下部にあるソイルセメント5は、鋼管杭8の下端と掘削穴2の底との隙間から、鋼管杭8の外周部へ押し上げられる。さらに、鋼管杭8の外周部の上部にある泥土4を上方に押し上げ、鋼管杭8の外周部はそのほぼ全長がソイルセメント5で満たされる。
(6)鋼管杭8を所定の深さまで建て込めば、掘削穴2の下部にあったソイルセメント5により、鋼管杭8の外周部のほぼ全長をソイルセメント5で満たした状態となる。この状態で、鋼管杭8の先端部の閉塞を解くと共に、鋼管杭8の下端部に富配合のセメントミルクを注入する。そして、掘削ロッド12を回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合のセメントミルクとソイルセメント5とを攪拌混合して、先端根固め用の富配合ソイルセメント6を造成する。この時、掘削ロッド12と同時に鋼管杭8も上下動や回転させると、より良好な富配合ソイルセメント6が造成される。
(7)先端根固め用の富配合ソイルセメント6が造成できたら、掘削ロッド12を引き抜き、ソイルセメント5と富配合ソイルセメント6を固化させる。
なお、本実施の形態において、ソイルセメント5は、かけられた圧力により上昇しやすいように、流動性が高いものの方が好ましい。具体的には、セメントミルクの水セメント比W/Cを100〜200質量%程度として、調整する。
また、上記(5)で鋼管杭8を建て込む際には、鋼管杭8の下端からソイルセメント5が入り込まないように、杭内部には水76を注入して、圧力のバランスをとる等、の対応をとるのが望ましい。
本実施の形態によれば、先端根固め施工する前に、ソイルセメント5を掘削穴2の下部で造成し、そのソイルセメント5に対し下端部が閉塞した鋼管杭8を建て込むことにより、鋼管杭8の内部に充填することなく鋼管杭8の外周部へ押し上げるといった簡略な方法で、鋼管杭8の外周面支持力性能を向上させ、かつ鋼管杭8内部にあるソイルセメント5を減少させ、さらには無くすことができる。
本実施の形態の工程(5)における、掘削ロッド12の先端部に備えられた、鋼管杭8の下端部を閉塞する機構は、例えば、図2に模式的に示した機構が考えられる。ここで、図2(a)と(b)共に、工程(5)にて建て込み中の掘削ロッド12の先端部(即ち、鋼管杭8の下端部)の状態を、拡大した断面図にて示している。
図2(a)は、掘削ロッド12の先端部で、掘削ビット12aの少し上方に、蓋12bを取り付けた例である。この蓋12bは、鋼管杭8の内径とほぼ同じ直径の円板で、中心部が掘削ロッド12に取り付けられ、その中心部は掘削ロッド12が上下移動および回転が可能な機構となっている。また、縁にはゴムパッキン12cを備えている。蓋12bの円板部分で鋼管杭8の下端部からソイルセメント5が内部へ進入するのを防ぐ。また、このゴムパッキン12cは、油圧式や回転すると鋼管杭8からはずれる等の構造とし、先端根固め部を形成する時には、鋼管杭8の下端部の閉塞が解ける構造とするのが、より好ましい。掘削ロッド12を鋼管杭8の内部に配置すると、図2(a)に示すように、蓋12bは鋼管杭8の下端部を閉塞する構造となる。
図2(b)は、掘削ロッド12の先端部で、掘削ビット12aの少し上方に、ゴム風船12dを取り付けた例である。この例の場合は、ゴム風船12dの少し上方の鋼管杭の内周面に、突起81も設けておく。ゴム風船12dは、鋼管杭8の内径とほぼ同じ外径のドーナツ状であり、中心の中空部が掘削ロッド12dに固定されている。このゴム風船12dで、鋼管杭8の先端部からソイルセメント5が内部へ進入するのを防ぐと共に、掘削ロッド12の上下方向の移動を可能とする。一方、鋼管杭8の内周の突起81は、鋭角な部位を下方、つまりゴム風船12dの方向、に向くよう配置されており、ゴム風船12dが強く押しつけられれば、ゴム風船12dを割ることができる。よって、先端根固め部を形成する時や掘削ロッド12を引き抜く時には、掘削ロッド12を上方移動させ、突起81でゴム風船12dを割れば良い。掘削ロッド12を鋼管杭8の内部に配置すると、図2(b)に示すように、ゴム風船12dは鋼管杭8の下端部を閉塞する構造となる。
この他、図2(b)に示した機構の他の例として、突起81を設けずに、掘削ロッド12を介して空気を送ったり抜いたりして、施工状況に応じ膨張収縮させるとしても良い。
(b)施工方法の例:第2の実施の形態
第1の実施の形態の別の例を、第2の実施の形態として説明する。第2の実施の形態では、上記(a)の工程(2)において支持層の手前までの掘削とし、上記(a)の工程(6)にて支持層まで掘削を行う。図3は、本実施の形態に係る施工手順を、模式的に示す断面図である。図3(1)から図3(7)までの番号順が、施工の順番を示しており、この番号に沿って、第2の実施の形態を説明する。また、第1の実施の形態と同じものについては、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、掘削ロッド12の鋼管杭8の先端を閉塞させる機構は、第1の実施の形態と同様である。さらに、本実施の形態で使用する掘削ロッド12は、掘削ビット12aに、鋼管杭8の外径よりも大きい直径の掘削穴2を作れかつ鋼管杭8の内部が通過できるように、拡翼機能を備えている。
(1)から(5)までは、上記(a)の工程(1)から工程(5)までと、同一内容の施工を行う。但し、(a)の工程(2)における「支持層まで」は、「支持層手前まで」に読み替える。
(6)鋼管杭8を支持層の手前まで建て込めば、掘削穴2の下部にあったソイルセメント5により、鋼管杭8の外周部のほぼ全長をソイルセメント5で満たした状態となる。この状態で、鋼管杭8の先端部の閉塞を解くと共に、掘削ビット12aを拡翼して富配合のセメントミルクを注入しながら掘削を開始する。所定深度まで掘削を行ったら、掘削ロッド12を回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合のセメントミルクと新たに掘削した土砂とを攪拌混合して、先端根固め用の富配合ソイルセメント6を造成する。この時、掘削ロッド12と同時に鋼管杭8も上下動や回転させてもよい。また、支持層掘削を拡翼せずに行い、所定深度まで掘削した後、掘削ビット12aを拡翼して先端根固め用の富配合ソイルセメント6を造成してもよい。
(7)先端根固め用の富配合ソイルセメント6が造成できたら、掘削ロッド12を引き抜き、さらに、鋼管杭8を、自重沈設および回転圧入によって、富配合ソイルセメント6の中まで建て込む。この時、鋼管杭8の上端部は、地面よりも下面に配置される場合があっても構わない。その後、ソイルセメント5と富配合ソイルセメント6を固化させる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果の他に、富配合ソイルセメント6が、地盤3の土砂と富配合のセメントミルクとを攪拌して造成されるので、ソイルセメント5との混合が発生せず、富配合ソイルセメント6の品質を、より厳密に管理することが可能となる。この為、鋼管杭8の支持力に大きな影響を与える先端根固め部の品質を重要視する場合は、本実施の形態は有用である。
(c)施工方法の例:第3の実施の形態
第1の実施の形態の別の例を、第3の実施の形態として説明する。第3の実施の形態では、上記(a)の工程(4)で先端根固め用の富配合ソイルセメント6まで造成する。図4は、本実施の形態に係る施工手順を、模式的に示す断面図である。図4(1)から図4(6)までの番号順が、施工の順番を示しており、この番号に沿って、第3の実施の形態を説明する。また、第1の実施の形態と同じものについては、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。また、掘削ロッド12の鋼管杭8の先端を閉塞させる機構は、第1の実施の形態と同様である
(1)から(3)までは、上記(a)の工程(1)から工程(3)までと、同一内容の施工を行う。
(4)掘削とソイルセメント5の造成が完了したら、掘削穴2の下端部に富配合のセメントミルクを注入する。そして、掘削ロッド11を回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合のセメントミルクとソイルセメント5とを攪拌混合して、先端根固め用の富配合ソイルセメント6を造成する。富配合ソイルセメント6の造成が完了したら、掘削ロッド11を引き抜く。ソイルセメント5の表面Aを境に、掘削穴2の上部は泥土4、掘削穴2の下部はソイルセメント5で満たされると共に、富配合ソイルセメント6の表面Bより掘削穴2の下端部は富配合ソイルセメント6で満たされる。
(5)上記泥土4とソイルセメント5の中に、自重沈設および回転圧入によって、掘削ロッド12と共に鋼管杭8を富配合ソイルセメントの表面Bの深さまで建て込む。この時、掘削ロッド12の先端部に備えられた、鋼管杭8の下端部を閉塞する機構により、鋼管杭8の下端部は閉塞している。この鋼管杭8の閉塞した下端部により、鋼管杭8の沈設の際にソイルセメント5の表面Aに対し、鉛直方向下向きの圧力をかけることができる。その圧力により、掘削穴2の下部にあるソイルセメント5は、鋼管杭8の下端と富配合ソイルセメント6の表面Bとの隙間から、鋼管杭8の外周部へ押し上げられる。さらに、鋼管杭8の外周部の上部にある泥土4を上方に押し上げ、鋼管杭8の外周部はそのほぼ全長がソイルセメント5で満たされる。
(6)鋼管杭8の外周部はそのほぼ全長がソイルセメント5で満たされた状態で、鋼管杭8の先端部の閉塞を解くと共に、掘削ロッド12を引き抜く。引き抜いた後、鋼管杭8を所定の深さまで建て込む。すると、鋼管杭8の下端部の内部に、富配合ソイルセメント6のみが入り込む。このまま、ソイルセメント5と富配合ソイルセメント6を固化させる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果の他に、セメントミルクと富配合セメントミルクの注入工程を掘削ロッド11を引き抜かずに行えるので、施工速度を上げることができる。また、掘削ロッド12は鋼管杭8の下端部を閉塞する機構のみで、掘削機構や拡翼機能を必要としないため、蓋12b等の鋼管杭8の下端部閉塞機構の取り付けが容易となる。
(d)施工方法の例:第4の実施の形態
第1の実施の形態の別の例を、第4の実施の形態として説明する。第4の実施の形態では、上記(a)の工程(4)で先端根固め用の富配合ソイルセメント6まで造成すると共に、上記(a)の工程(5)で先端部を閉塞した鋼管杭8のみを建て込む。図5は、本実施の形態に係る施工手順を、模式的に示す断面図である。図5(1)から図5(6)までの番号順が、施工の順番を示しており、この番号に沿って、第4の実施の形態を説明する。また、第1の実施の形態と同じものについては、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
(1)から(3)までは、上記(a)の工程(1)から工程(3)までと、同一内容の施工を行う。
(4)掘削とソイルセメント5の造成が完了したら、掘削穴2の下端部に富配合のセメントミルクを注入する。そして、掘削ロッド11を回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合のセメントミルクとソイルセメント5とを攪拌混合して、先端根固め用の富配合ソイルセメント6を造成する。富配合ソイルセメント6の造成が完了したら、掘削ロッド11を引き抜く。ソイルセメント5の表面Aを境に、掘削穴2の上部は泥土4、掘削穴2の下部はソイルセメント5で満たされると共に、富配合ソイルセメント6の表面Bより掘削穴2の下端部は富配合ソイルセメント6で満たされる。
(5)上記泥土4とソイルセメント5の中に、自重沈設および回転圧入によって、下端部が閉塞した鋼管杭8を富配合ソイルセメントの表面Bの深さまで建て込む。この時、鋼管杭8の閉塞された下端部により、鋼管杭8の建て込みの際にソイルセメント5の表面Aに対し、鉛直方向下向きの圧力をかけることができる。その圧力により、掘削穴2の下部にあるソイルセメント5は、鋼管杭8の下端と富配合ソイルセメント6の表面Bとの隙間から、鋼管杭8の外周部へ押し上げられる。さらに、鋼管杭8の外周部の上部にある泥土4を上方に押し上げ、鋼管杭8の外周部はそのほぼ全長がソイルセメント5で満たされる。
(6)鋼管杭8の外周部はそのほぼ全長がソイルセメント5で満たされた状態で、さらに、鋼管杭8を所定の深さまで建て込む。すると、この鋼管杭8の閉塞された下端部により、鋼管杭8の建て込みの際に富配合ソイルセメント6の表面Bに対し、鉛直方向下向きの圧力をかけることができる。その圧力により、掘削穴2の下端部にある富配合ソイルセメント6は、鋼管杭8の下端部と掘削穴2の底との隙間から、鋼管杭8の外周部へ押し上げられる。さらに、鋼管杭8の外周部の上部にあるソイルセメント5を上方に押し上げ、鋼管杭8の外周部は、ほぼ全長がソイルセメント5と富配合ソイルセメント6で満たされる。その後、ソイルセメント5と富配合ソイルセメント6を固化させる。
なお、第4の実施の形態において、鋼管杭8の先端部を閉塞する構造は、特に制限はないが、例えば、鋼管杭8の先端に鋼板等を溶接し完全に覆う、鋼管杭8の先端部の内周面に、鋼板等を溶接して閉塞する、等が、ソイルセメント5、富配合ソイルセメント6もしくは水76から受ける圧力に耐えられる構造として考えられる。また、鋼管杭8の下端部を錐体状に形成して、ソイルセメント5等を当該錐体状下端部の側面に沿って移動させ、より沈設しやすくしても良い。また、浮力により鋼管杭8が浮いてこないように、鋼管杭8の内部に沈下調整用の水76等を入れておくのが好ましい。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果の他に、掘削ロッド12の引抜きの手間が省けるので、施工時間をさらに短くすることができる。浮力との関係を考慮すると、比較的短い鋼管杭に好適である。
なお、第1から第4の実施の形態においては、説明の簡略化の為、鋼管杭8が1本の場合で説明したが、鋼管杭8が複数本連結された場合でも同様の効果を奏する。
なお、第1から第4の実施の形態においては、既製杭として鋼管杭8にて説明したが、本発明はこれに限定されない。既製杭は、通常用いられている既製杭であれば良く、鋼管製でもコンクリート製でも、もしくは鋼管とコンクリートのハイブリット製でも使用可能である。
なお、第1から第4の実施の形態においては、掘削穴2にセメントミルクを注入した際に泥土4が多少はあふれる為、必要に応じて、上記(1)の前に、先行掘削して、あふれる分の土砂を除いておいても良い。
なお、第1から第4の実施の形態においては、掘削液として水を用いたが、本発明はこれに限定されない。掘削液として、泥水やベントナイト泥水等、既製杭の施工に一般的に使用されるものを用いても良い。さらに、掘削液を用いて地盤を泥土化する代わりに、空気を吹き込んで地盤を軟化させても良い。施工仕様や使用する既製杭に合わせて、適宜選択すれば良いが、ソイルセメント5および富配合ソイルセメント6の性能を十分に引き出す為と排土量を減らす為には、掘削液を用いるのが望ましく、特に水を用いるのが最も望ましい。
なお、第1から第4の実施の形態において、先端根固め部を形成したが、本発明はこれに限定されない。支持層の状態、鋼管杭8の杭径もしくは鋼管杭8の長さによっては、先端根固め部を設けなくても良い。また、第1から第4の実施の形態において、先端根固め部における穴径を掘削穴2の中央部の穴径と同じとしたが、本発明はこれに限定されない。先端根固め部を拡翼可能な拡翼機能を有する掘削ビットで掘削し、先端根固め部の穴径を掘削穴2の中央部の穴径より大きくしても良い。具体的には、例えば、図1(6)、図3(6)、図4(4)および図5(4)に示した富配合ソイルセメント6からなる先端根固め部を形成する際に、この拡翼機能付きの掘削ビットを使用して施工する。勿論、掘削穴2の全長を、当該拡翼機能付きの掘削ビットを使用し、必要とする穴径に合わせて拡翼の要否を選択しながら掘削しても良い。
なお、第1から第4の実施の形態において、鋼管杭8の下端部の外周面には、先端根固め部における支持力を向上させる為の突起を複数段設けても良い。
本発明に係る既製杭の施工方法の第1の実施の形態を模式的に説明する断面図である。 掘削ロッド12の先端部に備えられた、鋼管杭8の下端部を閉塞する機構を、模式的に説明する断面図である。 本発明に係る既製杭の施工方法の第2の実施の形態を模式的に説明する断面図である。 本発明に係る既製杭の施工方法の第3の実施の形態を模式的に説明する断面図である。 本発明に係る既製杭の施工方法の第4の実施の形態を模式的に説明する断面図である。
符号の説明
11 掘削ロッド
12 掘削ロッド(鋼管杭8の先端部を閉塞する機構付)
12a 掘削ビット
12b 蓋
12c ゴムパッキン
12d ゴム風船
2 掘削穴
3 地盤
4 泥土
5 ソイルセメント
6 富配合ソイルセメント
76 水
8 鋼管杭
81 突起

Claims (2)

  1. 先堀り工法を用いた既成杭の施工方法であって、前記既成杭は鋼管杭の内部に配置された掘削ロッドにより下端部が開閉可能で、前記既製杭を建て込む地盤を掘削した後、掘削された地盤中に固化材を注入し、前記注入された固化材と土砂とを攪拌して改良体を造成し、さらに、前記造成された改良体に、鋼管杭の内部に配置された掘削ロッドにより下端部が閉塞した既製杭を所定の深さまで建て込んだ後、鋼管杭の下端部の閉塞を解くと共に、鋼管杭の下端部に富配合の固化材を注入し、その後、掘削ロッドを回転させながら所定ストロークだけ上下動させて、注入した富配合の固化材と前記改良体とを攪拌混合して、先端根固め部を造成することを特徴とする既製杭の施工方法。
  2. 注入した富配合の固化材と改良体とを攪拌混合する際、掘削ロッドと同時に鋼管杭を上下動や回転させることを特徴とする請求項1記載の既製杭の施工方法。
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