JP4656366B2 - 電極合剤、電極および二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極活物質と結着剤とを含む電極合剤,電極および二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リチウム金属、リチウム化合物、あるいはリチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な物質を負極活物質として用いたリチウムイオン二次電池が、その高い電圧と優れた可逆性とにより注目されている。中でも、正極活物質としてリチウム(Li)と遷移金属との複合酸化物を用い、負極活物質として炭素系材料を用いたリチウムイオン二次電池は、従来の鉛二次電池やニッケル−カドミウム二次電池などに比べ、軽量で放電容量も大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの電子機器に広く使用されている。
【0003】
そのような状況の中で、正極活物質に関しても様々な検討がなされてきている。例えば、正極活物質としては、従来より、リチウムコバルト複合酸化物が用いられているが、コストや資源問題の観点から、スピネル型結晶構造のリチウムマンガン系複合酸化物も検討されている。また、高温での充放電サイクル特性に優れるといわれる層状岩塩型結晶構造を有するリチウムニッケル系複合酸化物も注目されている。更に、産出量が多く安価な鉄(Fe)を含むオリビン型リチウム酸化物も、コスト、更には安定供給の面でも注目されている。
【0004】
これら正極活物質は、通常、電子伝導性が低いため、カーボンブラックやアセチレンブラックなどの導電性物質と共に正極に用いられる。正極は、主に、正極集電体に、正極活物質と導電性物質と結着剤とを溶媒を用いて混合した正極合剤を塗布することにより作製される(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−333558号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら導電性物質は嵩高いので、多量に用いると、正極合剤の流動性を低下させてしまう他、時間経過に伴い正極合剤の粘度を上昇させてしまい、正極合剤を正極集電体に塗布することが難しくなる。流動性を改善するには溶媒を多量に使用することが必要となるが、そうすると、乾燥工程において溶媒が一斉に揮発するため、正極に激しくひびが発生してしまう。このひびは、正極を脆弱にし、結果として充放電サイクル特性あるいは重負荷放電特性などの電池特性全般に大きな悪影響を及ぼす。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、流動性を向上させることができると共に、粘度の上昇を抑制することができる電極合剤を提供することにある。また、強度が高く、充放電サイクル特性あるいは重負荷放電特性などを向上させることができる電極およびそれを用いた二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による電極合剤は、電極活物質と共に結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含み、電極活物質がLiy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有するものである。
【0009】
本発明による電極は、電極活物質と共に結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含む電極合剤を用いて形成され、電極活物質がLiy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有するものである。
【0011】
本発明による二次電池は、正極および負極と共に電解質を備え、正極が電極活物質と共に結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含む電極合剤を用いて形成され、電極活物質がLiy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有するものである。
【0013】
本発明による電極合剤では、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有しているので、流動性が高く、かつ時間経過に伴う粘度の上昇が抑制される。
【0014】
本発明による電極では、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有し、それらを含有する電極合剤を用いて形成されているので、表面性状および強度が向上されている。
【0015】
本発明による二次電池では、正極において、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有し、それらを含有する電極合剤を用いて正極が形成され、表面性状および強度が向上されているので、優れた充放電サイクル特性および重負荷放電特性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る正極合剤は、粒子状の正極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電性物質および溶剤とを含んでいる。ここで、正極合剤が本発明における「電極合剤」の一具体例に対応し、正極活物質が本発明における「電極活物質」の一具体例に対応している。
【0018】
正極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上が用いられる。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 O5 )などのリチウムを含有しない金属硫化物あるいは金属酸化物など、またはリチウムを含有するリチウム複合酸化物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子材料が挙げられる。
【0019】
中でも、リチウム複合酸化物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム複合酸化物としては、例えば、化学式Lix MIO2 で表されるリチウム酸化物、あるいはLiy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物が挙げられる。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、特にコバルト(Co),ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。化学式Lix MIO2 で表されるリチウム酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNiz Co1-z O2 (0<z<1))、あるいはリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 O4 )などが挙げられる。また、Liy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物としては、例えば、LiFePO4 が挙げられる。
【0020】
結着剤は、正極活物質と後述の正極集電体などを接合させるものである。この結着剤としては、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂が挙げられる。結着剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
導電性物質は、正極の導電性を向上させるためのものである。導電性物質としては、例えば、カーボンブラックあるいはアセチレンブラックが挙げられる。導電性物質は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶剤は、正極合剤の調製に用いられるものである。溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
この正極合剤は、また、多価の有機酸を含んでいる。正極合剤の流動性を向上させることができる共に、時間経過に伴い正極合剤の粘度が上昇するのを抑制することができるからである。多価の有機酸としては、例えば、シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,フタル酸あるいはフマル酸が好ましい。多価の有機酸は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】
多価の有機酸の含有量は、正極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下であることが好ましい。正極合剤の流動性をより向上させることができると共に、正極合剤の粘度が上昇するのをより抑制することができるからである。
【0024】
この正極合剤は次のようにして用いられる。
【0025】
図1は、本実施の形態に係る正極合剤を用いて形成されたリチウムイオン二次電池を分解して表すものである。この二次電池は、正極リード線11および負極リード線12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入したものである。
【0026】
正極リード線11および負極リード線12は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード線11および負極リード線12は、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
【0027】
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード線11および負極リード線12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード線11および負極リード線12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極リード線11および負極リード線12が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
【0028】
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
【0029】
図2は、図1に示した電池素子20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。電池素子20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質層24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
【0030】
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極合剤層21Bとを有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極合剤層21Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に正極リード線11が取り付けられている。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0031】
正極合剤層21Bは、本実施の形態に係る正極合剤を用いて形成されており、粒子状の正極活物質,結着剤および導電性物質に加えて多価の有機酸を含んでいる。よって、表面性状および強度、具体的には、正極集電体21Aからの剥離強度が大きく改善されている。多価の有機酸の含有量は、その揮発性によって異なるが、揮発性が低いものの場合、例えば、正極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下とされていることが好ましい。
【0032】
負極22は、例えば、正極21と同様に、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極合剤層22Bとを有している。負極集電体22Aには、長手方向における一方の端部に負極合剤層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極リード線12が取り付けられている。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0033】
負極合剤層22Bは、例えば、負極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素材料としては、人造黒鉛,天然黒鉛,易黒鉛化性炭素あるいは難黒鉛化性炭素などが挙げられる。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウム,酸化モリブデンあるいは酸化タングステンなどが挙げられ、高分子材料としては、ポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
【0034】
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の単体,合金または化合物が挙げられる。なお、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0035】
リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ヒ素(As),アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらの合金あるいは化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t≧0である。
【0036】
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
【0037】
このような合金あるいは化合物について具体的に例を挙げれば、LiAl,AlSb,CuMgSb,SiB4 ,SiB6 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,Ni2 Si,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2 ,NiSi2 ,CaSi2 ,CrSi2 ,Cu5 Si,FeSi2 ,MnSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 ,VSi2 ,WSi2 ,ZnSi2 ,SiC,Si3 N4 ,Si2 N2 O,SiOv (0<v≦2),SnOw (0<w≦2),SnSiO3 ,LiSiOあるいはLiSnOなどがある。
【0038】
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0039】
電解質層24は、高分子材料に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンおよびポリフッ化ビニリデンの共重合体が挙げられ、その共重合体モノマーとしてはヘキサフルオロプロピレンあるいはテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。これらポリフッ化ビニリデンおよびその共重合体は高い電池特性を得ることができるので好ましく、中でも、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体は特に好ましい。
【0040】
高分子材料としては、他にも、例えばポリアクリロニトリルおよびポリアクリロニトリルの共重合体を用いることができ、その共重合体モノマー、例えばビニル系モノマーとしては酢酸ビニル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチル,アクリル酸ブチル,イタコン酸,水素化メチルアクリレート,水素化エチルアクリレート,アクリルアミド,塩化ビニル,フッ化ビニリデンあるいは塩化ビニリデンなどが挙げられる。また他にも、アクリロニトリルブタジエンゴム,アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ポリエチレンプロピレンジエンスチレン樹脂,アクリロニトリル塩化ビニル樹脂,アクリロニトリルメタアクリレート樹脂あるいはアクリロニトリルアクリレート樹脂などを用いてもよい。
【0041】
高分子材料としては、更に、例えばポリエチレンオキサイドおよびポリエチレンオキサイドの共重合体を用いてもよく、その共重合モノマーとしては、ポリプロピレンオキサイド,メタクリル酸メチル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチルあるいはアクリル酸ブチルなどが挙げられる。また他にも、ポリエーテル変性シロキサンおよびその共重合体を用いてもよい。
【0042】
電解液は、溶媒と、溶媒に溶解された電解質塩とを含んでおり、必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,γ−ブチロラクトン,スルホラン,2−メチルテトラヒドロフランあるいはジメトキシエタンが挙げられる。
溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0043】
電解質塩は、溶媒に溶解してイオンを生ずるものであればいずれを用いてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。例えばリチウム塩であれば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 ),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 CF3 )2 ),トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2 CF3 )3 ),四フッ化アルミン酸リチウム(LiAlCl4 )あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF6 )などが挙げられる。
【0044】
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極合剤層21Bからリチウムイオンが放出され、電解質層24を介して負極合剤層22Bに吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極合剤層22Bからリチウムイオンが放出され、電解質層24を介して正極合剤層21Bに吸蔵される。ここでは、正極合剤層21Bの表面性状および正極合剤層21Bの正極集電体21Aからの剥離強度が改善されているので、優れた充放電サイクル特性および重負荷放電特性が得られる。
【0045】
このような構成を有する二次電池は、本実施の形態の正極合剤を用いて、例えば次のようにして製造することができる。
【0046】
まず、正極活物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料と結着剤と導電性物質とを混合したのち、多価の有機酸を添加し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより本実施の形態に係る正極合剤を調製する。続いて、この正極合剤を正極集電体21Aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極合剤層21Bを形成し、正極21を作製する。
【0047】
また、例えば、負極活物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料と結着剤とを混合し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより負極合剤を調製する。続いて、この負極合剤を負極集電体22Aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極合剤層22Bを形成し、負極22を作製する。
【0048】
次いで、正極21および負極22のそれぞれに、電解質層24を形成する。そののち、正極集電体21Aの端部に正極リード線11を溶接により取り付けると共に、負極集電体22Aの端部に負極リード線12を溶接により取り付ける。
【0049】
次いで、電解質層24が形成された正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して電池素子20を形成する。
【0050】
最後に、例えば、外装部材30に電池素子20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード線11および負極リード線12と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。
これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
【0051】
このように本実施の形態に係る正極合剤では、多価の有機酸を含むようにしたので、流動性を向上させることができると共に、時間経過に伴う粘度の上昇を抑制することができる。よって、例えばリチウムリン酸化物などの嵩高い正極活物質、またはカーボンブラックあるいはアセチレンブラックなどの嵩高い導電性物質を用いると、流動性が低く、時間経過に伴う粘度の上昇が大きくなる傾向があるが、この場合にも、塗布精度を向上させることができ、正極合剤層21Bの表面性状を向上し、電極反応の均一性を高めることができる。また、正極合剤層21Bの正極集電体21Aからの剥離強度を向上させることができる。従って、電池の充放電サイクル特性および重負荷放電特性などの電池特性を向上させることができる。
【0052】
特に、多価の有機酸の含有量を、正極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【0053】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0054】
(実施例1〜15)
まず、リン酸リチウムとリン酸化鉄(II)・八水和物とをリチウムと鉄との元素比率が1:1になるよう混合し、この混合物にアセチレンブラック粉末を添加して混合試料とした。その際、アセチレンブラック粉末の添加量は混合試料全体の10質量%となるようにした。次いで、この混合試料をアルミナ製容器に投入し、アルミナボールを混合試料に対して50質量%の質量比率で用い、回転速度250rpm、運転時間10時間の条件で遊星型ボールミルによるミリングを行った。そののち、これをセラミックるつぼに投入し、窒素雰囲気中の電気炉にて600℃で5時間焼成を行い、LiFePO4 を得た。
【0055】
次いで、LiFePO4 を正極活物質とし、LiFePO4 85質量部と、導電性物質であるアセチレンブラック10質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン粉末5質量部とを混合し、更に多価の有機酸を添加したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤を作製した。その際、多価の有機酸の種類およびその含有量は実施例1〜15で表1に示したように変化させた。なお、表1において、多価の有機酸の含有量は、正極活物質1kgに対する割合で示している。
【0056】
【表1】
【0057】
この作製した正極合剤について、室温25℃で2時間保存したのち、室温においてB型粘度計にて粘度を測定した。その結果を表1および図3に示す。なお、粘度が15Pa・s以下の場合には、粘度上昇が殆ど見られないと判断し、表1には粘度上昇抑制効果が「 強い」 と記載し、16Pa・s〜25Pa・sの場合には、やや粘度上昇抑制効果があると判断し、表1には粘度上昇抑制効果が「 有り」 と記載し、26Pa・s以上の場合には、粘度上昇抑制効果がないものと判断し、表1には粘度上昇抑制効果が「 無し」 と記載した。
【0058】
また、作製した正極合剤を用いて、次のようにしてリチウムイオン二次電池を作製した。まず、作製した正極合剤を厚み20μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させたのち、ローラープレス機により圧縮成型し、正極合剤層21Bを形成した。そののち、適当な幅に裁断し、帯状の正極21を作製した。作製した実施例1〜15の正極21について、JISB 7721に規定される180°剥離強度測定法により正極合剤層21Bの正極集電体21Aからの剥離強度を測定した。その結果を表1および図3に示す。
【0059】
また、粉砕したピッチコークスを負極活物質とし、このピッチコークスと結着剤であるポリフッ化ビニリデン粉末とを90:10の質量比で混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤を作製した。次いで、この負極合剤を厚み10μmの帯状の銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させたのち、ローラープレス機により圧縮成型して負極合剤層22Bを形成した。そののち、適当な幅に裁断し、帯状の負極22を作製した。
【0060】
更に、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとを混合した溶媒に電解質塩であるLiPF6 を溶解させ電解液を作製した。そののち、この電解液と、高分子材料と、溶剤であるジメチルカーボネートとを混合攪拌し電解質を得た。続いて、正極集電体21Aに正極リード線11を取り付けると共に、正極合剤層21Bの上に電解質を塗布し、ジメチルカーボネートを揮発させ、電解質層24を形成した。また、負極集電体22Aに負極リード線12を取り付けると共に、負極合剤層22Bの上に電解質を塗布し、ジメチルカーボネートを揮発させ、電解質層24を形成した。続いて、厚み10μmの微孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、セパレータ23,正極21,セパレータ23,負極22の順に積層して巻回し、電池素子20とした。次いで、この電池素子20を、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材30の内部に真空パックした。以上の工程により図1および図2に示した二次電池を完成させた。
【0061】
作製した実施例1〜15の二次電池について、充電電流を100mAの定電流とし、電池電圧が3.6Vに達するまで充電を行ったのち、放電電流を100mAの定電流とし、電池電圧が2.0Vに達するまで放電を行うという充放電サイクル試験を行い、充放電容量が安定する10サイクル目の放電容量を測定した。表1および図4にその10サイクル目の放電容量を示す。また、充電電流を100mAの定電流とし、電池電圧が3.6Vに達するまで充電を行ったのち、放電電流を1000mAの定電流とし電池電圧が2.0Vに達するまで放電を行うという重負荷充放電試験を行い、放電容量を測定した。表1および図4にその重負荷放電容量を示す。
【0062】
また、実施例1〜15に対する比較例1として、多価の有機酸を添加しないことを除き、他は実施例1〜15と同様にして正極合剤を作製すると共に、この正極合剤を用いて二次電池を作製した。更に、実施例1〜15に対する比較例2として、多価の有機酸の代わりに1価の有機酸である酢酸を正極活物質1kgに対して2.0×10-2molの割合で用いたことを除き、他は実施例1〜15と同様にして正極合剤を作製すると共に、この正極合剤を用いて二次電池を作製した。比較例1,2についても、実施例1〜15と同様にして、正極合剤の粘度、正極合剤層の正極集電体からの剥離強度、10サイクル目の放電容量および重負荷放電容量を調べた。表1,図3および図4にそれらの結果を合わせて示す。
【0063】
表1,図3および図4に示したように、多価の有機酸を用いた実施例1〜15によれば、比較例1に比べて正極合剤の粘度を低くすることができた。また、比較例1に比べて、正極合剤層21Bの正極集電体21からの剥離強度および重負荷放電容量を向上させることができ、10サイクル目の放電容量についても比較例1と同等あるいはそれよりも大きくすることができた。これに対して、1価の有機酸である酢酸を用いた比較例2では、正極合剤層の正極集電体からの剥離強度、10サイクル目の放電容量および重負荷放電容量のいずれも大きく劣化してしまった。また、正極合剤作製時、塗布時および乾燥時に不快な刺激臭を伴うなどの不具合が生じた。すなわち、正極合剤に多価の有機酸を含むようにすれば、正極合剤の粘度を低下させることができ、正極合剤層21Bの正極集電体21からの剥離強度、充放電サイクル特性および重負荷放電特性を向上させることができると共に、プロセス的にも好ましいことが分かった。
【0064】
また、正極合剤の粘度はシュウ酸またはコハク酸の含有量を増加させると低下し、極大値を示したのち増大する傾向が見られ、正極合剤層21Bの正極集電体21からの剥離強度、10サイクル目放電容量および重負荷放電容量はシュウ酸またはコハク酸の含有量を増加させると増大し、極大値を示したのち低下する傾向が見られた。すなわち、多価の有機酸の含有量は、正極活物質1kgに対して3.5×10-2mol以下とすることが好ましいことが分かった。また、シュウ酸の含有量は2.0×10-3mol以上とすることが好ましく、コハク酸の含有量は1.0×10-2mol以上とすることが好ましいことも分かった。
【0065】
なお、上記実施例では、多価の有機酸について具体的に例を挙げて説明したが、他の多価の有機酸を用いても同様の結果を得ることができる。
【0066】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、いわゆるゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、電解液、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどの無機固体電解質、あるいは電解液,ゲル状の電解質,無機固体電解質のいずれか1種または2種以上を混合したものが挙げられる。
【0067】
また、本発明は、正極合剤に限らず負極合剤などの電極合剤一般に適用することができる。
【0068】
更に、上記実施の形態および実施例では、巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、積層ラミネート型の二次電池についても同様に適用することができる。加えて、いわゆる円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの他の形状の二次電池についても適用することができる。
【0069】
加えてまた、上記実施の形態および実施例では、電解質塩としてリチウム塩を用いる場合について説明したが、ナトリウム塩あるいはカリウム塩などの長周期型周期表における他の1族元素の塩、またはマグネシウム塩あるいはカルシウム塩などの長周期型周期表における他の2族元素の塩、またはアルミニウム塩などの他の軽金属塩を用いる場合についても本発明を適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による電極合剤によれば、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有するようにしたので、流動性を向上させることができると共に、時間経過に伴う粘度の上昇を抑制することができる。よって、塗布精度を向上させることができる。
【0071】
また、本発明による電極によれば、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有し、それらを含有する電極合剤を用いて形成されたものであるので、電極の表面性状を向上させることができ、それにより電極反応の均一性を高めることができると共に、強度を向上させることができる。
【0072】
更に、本発明による二次電池によれば、電極活物質がリチウムリン酸化物を含有し、導電性物質がカーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、多価の有機酸がシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有し、それらを含有する電極合剤を用いて形成された正極を備えるようにしたので、充放電サイクル特性および重負荷放電特性などの電池特性を向上させることができる。
【0073】
特に、多価の有機酸の含有量を、電極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る二次電池を分解して表す斜視図である。
【図2】図1に示した電池素子のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施例1〜12に係る多価の有機酸の含有量と粘度および剥離強度との関係を示す特性図である。
【図4】本発明の実施例1〜12に係る多価の有機酸の含有量と10サイクル目の放電容量および重負荷放電容量との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
11…正極リード線、12…負極リード線、20…電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極合剤層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極合剤層、23…セパレータ、24…電解質層、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。
Claims (10)
- 電極活物質と共に、結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含み、
前記電極活物質は、Liy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、
前記導電性物質は、カーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、
前記多価の有機酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有する
電極合剤。 - 前記多価の有機酸の含有量が、前記電極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下である請求項1記載の電極合剤。
- 前記電極活物質は、LiFePO4 を含有する請求項1記載の電極合剤。
- 電極活物質と共に、結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含む電極合剤を用いて形成され、
前記電極活物質は、Liy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、
前記導電性物質は、カーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、
前記多価の有機酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有する
電極。 - 前記多価の有機酸の含有量が、前記電極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下である請求項4記載の電極。
- 前記電極活物質は、LiFePO4 を含有する請求項4記載の電極。
- 正極および負極と共に電解質を備え、
前記正極は、電極活物質と共に、結着剤、導電性物質および多価の有機酸を含む電極合剤を用いて形成され、
前記電極活物質は、Liy MPO4 (Mは1種類以上の遷移金属元素であり、0.05≦y≦1.10である。)で表されるリチウムリン酸化物を含有し、
前記導電性物質は、カーボンブラックおよびアセチレンブラックのうちの少なくとも一方を含有し、
前記多価の有機酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸およびフマル酸のうちの少なくとも1種を含有する
二次電池。 - 前記多価の有機酸の含有量が、前記電極活物質1kgに対して3.5mol×10-2mol以下である請求項7記載の二次電池。
- 前記電極活物質は、LiFePO4 を含有する請求項7記載の二次電池。
- 前記電解質は、溶媒および電解質塩を含有する電解液と、高分子材料とを含む請求項7記載の二次電池。
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