JPH10334888A - 非水電解質二次電池用負極および該負極を使用した非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極および該負極を使用した非水電解質二次電池

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JPH10334888A
JPH10334888A JP9155774A JP15577497A JPH10334888A JP H10334888 A JPH10334888 A JP H10334888A JP 9155774 A JP9155774 A JP 9155774A JP 15577497 A JP15577497 A JP 15577497A JP H10334888 A JPH10334888 A JP H10334888A
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JP
Japan
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negative electrode
secondary battery
electrolyte secondary
aqueous electrolyte
electrode
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JP9155774A
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Tomohiro Inoue
智博 井上
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容量、サイクル特性の低下なく、負極集電体
と活物質層との接着性が向上した非水電解質二次電池用
負極、および非水電解質二次電池の提供。 【解決手段】 C軸方向の面間隔(d 002)が、
3.40Å以下のリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を
溶剤に分散させ、必要に応じて結着剤を添加した塗布液
を電極集電体上に塗布して作製した非水電解質二次電池
用負極において、前記塗布液が下記一般式(1)で示さ
れるジカルボン酸を含有するものであることを特徴とす
る非水電解質二次電池用負極。 【化1】 HOOC(CH2)nCOOH (1) (式中、nは0≦n≦3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用負極および該負極を使用した非水電解質二次電池に
関する。
【0002】
【従来技術】近年の電子機器の小型化、薄型化、軽量化
の進歩は目覚ましいものがあり、とりわけOA分野にお
いては、ディスクトップ型からラップトップ型、ノート
ブック型へと小型軽量化している。加えて、電子手帳、
電子スチルカメラ等の新しい小型電子機器の分野も出現
し、さらには従来のハードディスク、フロッピーディス
クの小型化に加えて新しいメモリーメディアであるメモ
リーカードの開発も進められている。このような電子機
器の小型化、薄型化、軽量化の波の中で、これらの電力
を支える二次電池にも高性能化が要求されてきている。
このような要望の中、鉛蓄電池やニッカド電池に関わる
高エネルギー密度電池としてリチウム二次電池の開発が
急速に進められてきた。
【0003】リチウム二次電池の正極活物質としては、
TiS2、MoS2、Co26、V25、MnO2、Co
2などの遷移金属酸化物あるいは遷移金属カルコゲン
化合物、さらにLiCoO2、LiNiO2、LiMn2
4などのLi含有複合酸化物などの無機材料を活物質
とした例が数多く研究されてきた。さらに、導電性高分
子と無機活物質の複合体電極も提案されてきた(特開昭
63−102162)。
【0004】また、負極活物質としては、リチウム金属
を電極として用いると、高起電力が得られ、軽量で高密
度化しやすいが、充放電によって、デンドライトが生成
し、これが電解液を分解するなどの悪影響を与え、さら
に、このデンドライトが成長すると正極に達し、電池内
短絡を起こすという問題点があった。そこで、リチウム
合金を負極として用いると、このような問題は緩和され
るが、二次電池として満足できるような容量が得られな
かった。
【0005】このため、負極活物質として、リチウムを
吸蔵放出でき、安全性の高い炭素材料を用いることが提
案され、今日まで多くの研究がなされてきた。たとえ
ば、特開昭57−208079に、黒鉛の層間化合物を
負極活物質として用いたり、特開平2−66856に
は、フルフリル樹脂を1100℃で燃焼した導電性炭素
材料を負極活物質として用いることが提案されている。
また、特開昭61−277515には、芳香族ポリイミ
ドを不活性雰囲気下で2000℃以上の温度で熱処理し
て得られる導電性炭素材料を負極活物質に用いることが
開示され、さらに、特開平4−115457には易黒鉛
性球状炭素を黒鉛化したものを負極活物質に用いること
が開示されている。さらに、特開昭61−77275で
はフェノール系高分子を熱処理したポリアセン構造の絶
縁性、あるいる半導体性の炭素材料を電極に用いた二次
電池が開示されている。
【0006】これらの炭素材料を用いた負極は、結着剤
を用いて塗布成型するのが一般的である。しかし、塗布
型電極では、これまで、集電体との接着性に難点があ
り、電池製造中や使用中にクラックが入ったり、剥離し
たりするという問題点があった。このため特開平2−6
8855などで開示されているように、接着性を向上す
る試みが行われてきたが、その効果は、活物質である炭
素材料に大きく依存したり、接着性が向上しても電極特
性との両立が、いまだ達成されていないのが現状であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、容量、サイクル特性の低下なく、負極集電体と活物
質層との接着性が向上した非水電解質二次電池用負極、
および非水電解質二次電池を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を達
成するために種々検討した結果、C軸方向の面間隔(d
002)が、3.40Å以下のリチウムを吸蔵放出可
能な炭素材料を溶剤に分散させた塗布液を電極集電体上
に塗布して作製した非水電解質二次電池用負極として、
前記塗布液中に下記一般式(1)で示されるジカルボン
酸を含有させることによって、接着性と電極特性共に優
れた非水電解質二次電池用負極が作製可能であることを
見出し本発明に到達することができた。
【0009】
【化2】 HOOC(CH2)nCOOH (1) (式中、nは前記に同じ)
【0010】本発明の前記非水電解質二次電池用負極
が、前記のような優れた効果を奏するのは、負極活物質
中に前記一般式(1)で示したジカルボン酸を含有させ
ることによって、該ジカルボン酸が電極集電体に何らか
の作用をして、活物質層と電極集電体との接着性を向上
させるものと推測される。本発明の非水電解質二次電池
用負極は、例えばリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を
溶剤に分散して、該分散液中に前記一般式(1)で示さ
れるジカルボン酸を含有させ必要に応じて結着剤を添加
して塗布液を調製し、該塗布液を電極集電体上に塗布す
ることによって作製することができる。前記ジカルボン
酸は塗布後の加熱乾燥時に一部分解してガスとして電極
系外に放出されるが、加熱条件を調整することによって
負極中に残留するジカルボン酸の量を決定できる。
【0011】ただ負極中に残留するジカルボン酸は、電
極特性に悪影響を与えると考えられるが、驚くべきこと
にC軸方向の面間隔(d 002)が3.40Å以下の
炭素材料の場合には、そのような悪影響がほとんど見ら
れないことを見出した。前記のような現象は、負極活物
質がホウ素を含有した炭素材料を用いる場合、2種類以
上の炭素材料、特に平均粒子径が異なるものを混合した
系の炭素材料を用いる場合塗布乾燥後のできあがった負
極中に、N−メチルピロリドン(以下NMPとも言う)
を50〜500ppm(電極全重量に対するNMPの重
量)含有させる場合、さらには、結着剤がポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)である場合に顕著である。そし
て、このような負極を前記一般的な通常用いるられてい
る正極、および非水電解質と組み合わせて、非水電解質
二次電池を作製すると、良好な電池特性を示し、この
際、電解質層がゲル状高分子固体電解質である場合に、
非常に効果的である。
【0012】以下、本発明で用いる電池の構成について
説明する。本発明の電池に用いられるジカルボン酸が含
有される負極材料としては、C軸方向の面間隔d 00
2が、3.40Å以下の黒鉛系炭素体が用いられる。こ
れらは、コークス、ピッチ、合成高分子、天然高分子を
2000℃以上の温度で還元雰囲気下焼成することによ
り得られるもの、および天然黒鉛などの黒鉛系炭素体が
用いられるが、C軸方向の面間隔d 002が、3.4
0Å以下であれば、特に制限はないが、好ましくは3.
354〜3.38Åである。中でもメゾフェーズピッ
チ、コークスを2500℃以上の還元雰囲気下焼成して
なる炭素体および天然黒鉛が好ましい電極特性を有す
る。前記負極材料としては、さらに、ホウ素を含有した
炭素材料を用いる場合、また、2種類以上の炭素材料を
混合した炭素材料を用いる場合には、接着性の向上、電
極特性の向上に大きな効果が見られる。炭素材料にホウ
素を含有させるには、焼成する際に、ホウ素を含んだ化
合物を混合して焼成する方法が好ましく、ホウ素の含有
量は、1〜15重量%が好ましい。また、炭素材料を混
合する場合、混合する2種類以上の炭素の平均粒子径が
異なると、よりち密な塗布膜が得られる。負極活物質に
用いる炭素材料の平均粒子径は、1〜50μm程度が好
ましいが、特に限定されるものではない。
【0013】炭素体のシート化は、前述のように、炭素
材料に適当な結着剤を混合した塗料から塗布法により作
製される。結着剤としては、テフロン、ポリエチレン、
ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチルゴム、ポリスチ
レン、スチレン/ブタジエンゴム、ニトロセルロース、
シアノエチルセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリ
フッ化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリクロロプレン、ポリビニルピリジンなどが挙げ
られ、これらは、単独で用いられたり、または混合、さ
らに、共重合などによって、耐電解液性を強化して用い
られる。従って、電解液に溶解、または反応しなければ
これらに限定されるものではないが、本発明では、ポリ
フッ化ビニルデンが特に好ましい。これらの結着剤の含
有量は、1〜20重量%が好ましい。
【0014】また、塗料を調製する際の溶剤としては、
N−メチルピロリドンを単独、もしくは、他の溶媒、た
とえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、エチレングリコール、メチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ピロリドン、ジメチルホル
ムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、キシレンなどと混合して用いることができる。ただ
し、混合の場合は、前記一般式(1)で示したジカルボ
ン酸を溶解できなければならない。塗料の調製方法は特
に限定されるものではなく、ホモジナイザー、ロールミ
ル、ボールミルなどの通常の混合分散方法で調製し、こ
れを、各種ブレード、アプリケータなどを用いて塗布
し、材料に応じて適当な乾燥条件で乾燥して負極を得る
ことができる。
【0015】NMPは、前述のように電池用電極の塗工
溶媒として、最も一般的に用いられており、結着剤を溶
解し、さらに負極活物質である炭素材料を良好に分散す
る溶媒である。電極中に含有するNMP量が、50pp
mより少ないと効果は薄く、500ppmよりも多い
と、電極塗膜の強度が逆に弱くなったり、NMPが電解
液中に多量に混入して、容量の低下等の現象が起こる。
電極中に上記所定量のNMPを含有させるには、塗工の
際に、NMPを単独、および他の溶媒と混合して用い
て、乾燥方法、乾燥時間などの条件を検討することよっ
て達成できる。これら乾燥条件については、使用する材
料によっても異なり、特に限定されるものではない。電
極中のNMP量の測定は、ガスクロマトグラフ等によっ
て可能であり、特に、熱分解ガスクロマトグラフでは、
電極試料をそのまま分析でき、非常に便利である。
【0016】負極用塗布液に含有させる前記一般式
(1)で示したジカルボン酸とは、しゅう酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸であり、特にしゅう酸が好ま
しく、含有量は0.01〜5重量%が好ましく、さらに
0.1〜1重量%が好ましい。
【0017】本発明に使用する負極集電体としては、例
えば、銅、ステンレス鋼、金、白金、ニッケル、アルミ
ニウム、モリブデン、チタン等の金属シート、金属箔、
金属網、パンチングメタル、エキスパンドメタル、ある
いは金属メッキ繊維、金属蒸着線、金属含有合成繊維等
からなる網や不織布があげられる。中でも、本発明では
銅を用いる際に特に効果的である。
【0018】本発明の電池において用いられる正極活物
質は、TiS2、MoS2、Co26、V25、Mn
2、CoO2等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン
化合物及びこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物;
LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMn2
4、また、Co、Ni、Fe、Mnの一部を他の元素X
で置き換えたLiCoXO2、LiNiXO2、LiFe
XO2、LiMn2XO4等)などの無機活物質が挙げら
れる。無機活物質以外には、有機物の熱重合物である一
次元グラファイト化物、フッ化カーボン、グラファイ
ト、あるいは10-2S/cm以上の電気伝導度を有する
導電性高分子、具体的にはポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリアズレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、
ポリアセン、ポリフタロシアニン、ポリ−3−メチルチ
オフェン、ポリピリジン、ポリジフェニルベンジジン等
の高分子及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは、
無機活物質に比べて、成型、加工性の点で有利ではある
が、活物質の密度が低いため体積エネルギー密度が低
く、また、電解液中に電極反応に充分足りるだけの電解
質が必要であり、且つ充放電反応に伴い電解液濃度の変
化が大きいため、液抵抗等の変化が大きく、スムーズな
充放電反応を行なうには、過剰な電解液が必要となると
いう問題点がある。このことはエネルギー密度を向上さ
せる点で不利となる。
【0019】このような不具合を解決するため、有機お
よび無機の複合活物質を使用することが考えられる。こ
れらの高分子材料は、電気伝導度の高さが集電能を有
し、高分子としての結着能を持ち、更には活物質として
も機能する。このような複合正極に用いる無機活物質
は、電位平坦性に優れるものが好ましく、具体的には、
V、Co、Mn、Ni等の遷移金属の酸化物あるいは前
記遷移金属とアルカリ金属との複合酸化物を例示するこ
とができ、電解液に安定な電極電位、電圧平坦性、エネ
ルギー密度を考慮すると結晶性バナジウム酸化物が好ま
しく、特に、五酸化バナジウムが好ましい。その理由
は、結晶性五酸化バナジウムの放電曲線の電位平坦部
が、上記導電性高分子のアニオンの挿入、脱離にともな
う電極電位に比較的近いところにあることによる。導電
性高分子としては、ポリアセチレン、ポリピロール、ポ
リチオフェン、ポリアニリン、ポリジフェニルベンジジ
ンなどのレドックス活性材料をあげることができるが、
特に含窒素化合物において顕著な効果がみられる。これ
らの導電性高分子材料には、導電性もさることながらイ
オンの拡散性においても高いイオン導電性が要求され
る。これらのなかでも重量あたりの電気容量が比較的大
きく、しかも汎用非水電解液中で、比較的安定に充放電
を行うことのできる点でポリピロール、ポリアニリンあ
るいはこれらの共重合体がこのましい。さらに好ましく
はポリアニリンである。これら正極活物質は、上記導電
性高分子を含有しない場合には、負極の場合と同じく結
着剤を溶解した溶媒中で、必要に応じて導電剤を加え混
合分散して、集電体上に塗布乾燥して電極を作製する。
【0020】非水電解液については、まず、電解質塩と
しては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、Li
BF4、LiBr、LiCF3SO3、LiN(CF3SO
22、LiC(CF3SO23などが挙げられ、特にこ
れらのものに限定されるものではない。電解質濃度とし
ては、使用する電極、電解液によって異なるが、0.1
〜10mol/lが好ましい。そして、電解液を構成す
る溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、2−
メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメ
トキシエタンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニト
リル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ジメチルスル
ホキシスルホランなどの硫黄化合物、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、メチルイソプロピルカーボネートなどの鎖状炭酸エ
ステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類
などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
く、また、これらは単独でも、2種類以上を混合して用
いても良い。
【0021】また、本発明は、電解質として高分子固体
電解質を用いる場合にも大きな効果があり、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化
ビニリデン、ポリアクリロイルアミドなどのポリマーマ
トリックスとして、これらに電解質塩を溶解した複合
体、あるいは、さらに溶媒を含有するゲル架橋体、低分
子量ポリエチレンオキサイド、クラウンエーテルなどの
イオン解離基をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固
体電解質、高分子量重合体に前記電解液を含有させたゲ
ル状高分子固体電解質などが挙げられる。これらの中で
も、特にゲル状高分子固体電解質が有効である。
【0022】本発明の電池においてはセパレーターを使
用することもできる。セパレーターとしては、電解質溶
液のイオン移動に対して低抵抗であり、且つ溶液保持に
優れたものを使用するのがよい。そのようなセパレータ
ー例としては、ガラス繊維、フィルター、ポリエステ
ル、テフロン、ポリフロン、ポリプロピレン等の高分子
繊維からなる不織布フィルター、ガラス繊維とそれらの
高分子繊維を混用した不織布フィルターなどを挙げるこ
とができる。
【0023】
【実施例】
実施例1 ポリフッ化ビニルデンPVDF3重量部としゅう酸二水
和物0.6重量部を、N−メチルピロリドン(NMP)
61.4重量部に溶解して、天然黒鉛(d 002:
3.355Å)35重量部を加えて、ロールミル法に
て、不活性雰囲気下で混合分散して、負極用塗料を調製
した。これを、大気中にて、ワイヤーバーを用いて、2
0μm銅箔上に塗布し、125℃30分間乾燥させ、膜
厚60μmの電極を作製した。この電極中に含有される
NMP量を熱分解ガスクロマトグラフを用いて測定した
ところ、57ppmであった。以上のように作製した電
極について、塗布面にテープをはり、これを一定の力を
加えて剥がした場合の塗布面の剥がれの状況を判定し、
接着性の評価を行なった。さらに、対極はLi板とし
て、電解液には、LiN(CF3SO22のエチレンカ
ーボネート/ジメチルカーボネート(3/7、体積比)
溶液2.0mol/lを用いて、充放電試験を行なっ
た。充放電試験は北斗電工製HJ−201B充放電測定
装置を用いて、2.0mAの電流で、0Vまでの定電流
定電圧充電を行い、10分の休止後、2.0mAの電流
で、電池電圧が0.8Vまで定電流放電し、以下この充
放電を繰り返した。この際の、初期と100サイクル目
の放電容量密度を下表1に示した。
【0024】実施例2 実施例1において、塗布後の乾燥条件を120℃20分
とし、NMP含有量を151ppmとした以外は同様で
ある。その放電容量密度を下表1に示した。
【0025】実施例3 実施例1において、塗布後の乾燥条件を100℃10分
とし、NMP含有量を310ppmとした以外は同様で
ある。その放電容量密度を下表1に示した。
【0026】実施例4 実施例1において、塗布後の乾燥条件を90℃15分と
し、NMP含有量を450ppmとした以外は同様であ
る。その放電容量密度を下表1に示した。
【0027】実施例5 ポリフッ化ビニリデンPVDF3重量部とマロン酸0.
6重量部を、N−メチルピロリドン(NMP)61.4
重量部に溶解して、ホウ素を4.5%含有した石油ピッ
チコークスの2500℃焼成物(d 002:3.35
6Å)35重量部を加えて、ロールミル法にて、不活性
雰囲気下で混合分散して、負極用塗料を調製した。これ
を、大気中にて、ワイヤーバーを用いて、20μm銅箔
上に塗布し、120℃20分間乾燥させ、膜厚60μm
の電極を作製し、実施例1と同様にして評価し下表1に
示した。この電極中に含有されるNMP量を熱分解ガス
クロマトグラフを用いて測定したところ、96ppmで
あった。
【0028】実施例6 ポリフッ化ビニリデンPVDF2重量部としゅう酸二水
和物0.4重量部をN−メチルピロリドン(NMP)5
7.6重量部に溶解して、フリュードコークスの250
0℃焼成物(d 002:3.370Å 平均粒子径
7.0μm)20重量部と天然黒鉛(d 002:3.
355Å 平均粒子径20.5μm)20重量部を加え
て、ロールミル法にて、不活性雰囲気下で混合分散し
て、負極用塗料を調製した。これを、大気中にて、ワイ
ヤーバーを用いて、20μm銅箔上に塗布し、120℃
20分間乾燥させ、膜厚60μmの電極を作製した。こ
の電極を実施例1と同様にして評価し、その放電容量を
下表1に示した。この電極中に含有されるNMP量を熱
分解ガスクロマトグラフを用いて測定したところ、12
2ppmであった。
【0029】実施例7 ポリビニルピリジン−アクリレート系共重合体2重量
部、ヘキサメチレンジイソシアネート0.01重量部、
コハク酸0.5重量部を、N−メチルピロリドン60重
量部/トルエン8重量部に溶解して、メソカーボンマイ
クロビーズの2800℃焼成品(d 002:3.38
0Å 平均粒子径5.2μm)15重量部と天然黒鉛
(d 002:3.355Å 平均粒子径20.5μ
m)15重量部を加えて、ロールミル法にて、不活性雰
囲気下で混合分散して、負極用塗料を調製した。これ
を、大気中にて、ワイヤーバーを用いて、20μm銅箔
上に塗布し、120℃15分間乾燥させ、膜厚60μm
の電極を作製した。この電極を実施例1と同様にして評
価し、その放電容量を下表1に示した。この電極中に含
有されるNMP量を熱分解ガスクロマトグラフを用いて
測定したところ、222ppmであった。
【0030】実施例8 ポリフッ化ビニルデン(PVDF)4重量部をN−メチ
ルピロリドン40重量部に溶解して、LiCoO251
重量部、導電性黒鉛5重量部を加えて、ロールミル法に
て、不活性雰囲気下で混合分散して、正極用塗料を調製
した。これを、大気中にてドクターブレードを用いて、
20μmAl箔上に塗布し、130℃20分間乾燥さ
せ、ロールプレスして、膜厚50μmの正極を作製し
た。以上のように作製した正極と実施例5で作製した負
極をφ20mmに打ち抜き、セパレーターとしてポリプ
ロピレン多孔膜を、電解液にはLiPF6のエチレンカ
ーボネート/ジメチルカルボネート(5/5、体積比)
溶液2.0mol/lを用いて、コインセルを作製し、
充放電試験を行った。充放電試験は北斗電工製HJ−2
01B充放電測定装置を用いて、2.0mAの電流で電
池電圧が4.2Vになるまで充電し、10分の休止後、
2.0mAの電流で、電池電圧が3.0Vまで放電し、
以下、この充放電を繰り返して、初期と100サイクル
目の放電容量を測定し、表2に示した。
【0031】実施例9 LiPF620重量部、エチレンカーボネート/ジエチ
ルカーボネート(5/5)70重量部を混合し、電解液
を調製した。これに、ポリオキシエチレンアクリレート
12.8重量部、トリメチルロールプロパンアクリレー
ト0.2重量部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.
02重量部を添加して混合溶解し、光重合性溶液を調製
した。実施例5で作製した負極、実施例7で作製した正
極を、95×45mmに打ち抜き、上記光重合性溶液を
浸透させ、高圧水銀灯を照射して、電解液を固体化し
た。これらを積層して、発電要素部に均一に圧力をかけ
つつ、三辺を熱封止した後、残りの一辺を減圧下、封止
して電池を作製し、電流値を25mAとした以外は、実
施例7と同様に電池特性を評価し、結果を表2に示し
た。
【0032】比較例1 実施例1において、塗布液中にしゅう酸を添加しなかっ
た以外は同様である。 比較例2 実施例5において、塗布液中にマロン酸を添加しなかっ
た以外は同様である。 比較例3 実施例5において、負極活物質として、ホウ素を4.5
%含有した石油ピッチコークスの1300℃焼成物(d
002:3.450Å)以外は同様である。 比較例4 実施例6において、塗布液中にしゅう酸を添加しなかっ
た以外は同様である。 比較例5 実施例6において、負極活物質として、フリュードコー
クスの1500℃焼成品(d 002:3.435Å
平均粒子径7.0μm)20重量部と天然黒鉛(d 0
02:3.355Å 平均粒子径20.5μm)20重
量部を用いた以外は同様である。 比較例6 実施例7において、比較例2で作製した負極を用いた以
外は同様である。 比較例7 実施例8において、比較例2で作製した負極を用いた以
外は同様である。
【0033】
【表1】 接着性評価基準 ○:活物質層中で炭素層間の剥がれが一部見られるだけ
で、集電体と活物質層との剥がれはなし △:集電体と活物質層間の剥がれが一部見られる ×:集電体と活物質層間の剥がれが顕著である
【0034】
【表2】
【0035】
【効果】
1.請求項1 集電体と活物質層間の接着性が優れ、高容量でサイクル
特性の優れた非水電解質二次電池用負極が得られた。 2.請求項2 より高容量でサイクル特性の優れた非水電解質二次電池
用負極が得られた。 3.請求項3 ち密で接着性の優れた活物質層ができ、高容量で、サイ
クル特性の優れた非水電解質二次電池用負極が得られ
た。 4.請求項4 集電体と活物質層間の接着性が優れた非水電解質二次電
池用負極が得られた。 5.請求項5 結着剤としてポリフッ化ビニルデンを使用することによ
り限定することで、より高容量でサイクル特性の優れた
非水電解質二次電池用負極が得られた。 6.請求項6 高容量で、サイクル特性の優れた非水電解質二次電池が
得られた。 7.請求項7 ゲル状高分子固体電解質と電極のマッチングも優れてお
り、これらを用いることによる容量の低下が見られなか
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01B 31/04 101 C01B 31/04 101B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C軸方向の面間隔(d 002)が、
    3.40Å以下のリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を
    溶剤に分散させた塗布液を電極集電体上に塗布して作製
    した非水電解質二次電池用負極において、前記塗布液が
    下記一般式(1)で示されるジカルボン酸を含有するも
    のであることを特徴とする非水電解質二次電池用負極。 【化1】 HOOC(CH2)nCOOH (1) (式中、nは0≦n≦3)
  2. 【請求項2】 炭素材料がホウ素を含有した炭素材料で
    ある請求項1記載の非水電解質二次電池用負極。
  3. 【請求項3】 炭素材料が平均粒子径の異なる少なくと
    も2種類以上のものからなる請求項1または2記載の非
    水電解質二次電池用負極。
  4. 【請求項4】 N−メチルピロリドン(NMP)を50
    〜500ppmを含有したものである請求項1、2また
    は3記載の非水電解質二次電池用負極。
  5. 【請求項5】 結着剤がポリフッ化ビニリデンである請
    求項1、2、3または4記載の非水電解質二次電池用負
    極。
  6. 【請求項6】 少なくとも正極、非水電解液を含有する
    電解質層、および請求項1、2、3、4または5記載の
    負極よりなることを特徴とする非水電解質二次電池。
  7. 【請求項7】 電解質層がゲル状高分子固体電解質層で
    ある請求項6記載の非水電解質二次電池。
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