JPH11167917A - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

電池用電極の製造方法

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JPH11167917A
JPH11167917A JP9350031A JP35003197A JPH11167917A JP H11167917 A JPH11167917 A JP H11167917A JP 9350031 A JP9350031 A JP 9350031A JP 35003197 A JP35003197 A JP 35003197A JP H11167917 A JPH11167917 A JP H11167917A
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electrode
electrode current
acid
hot air
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JP9350031A
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Tetsuya Takahashi
哲哉 高橋
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Original Assignee
TDK Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極活物質層と電極集電体との接着性が極め
て優れ、電極集電体の両面における電極活物質層の剥離
が起こらない電池用電極の製造方法を提供する。 【解決手段】 電極活物質と、バインダーと、溶剤と、
酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の
面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両
面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造
方法において、当該製造方法が、前記電極集電体の一方
の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗
膜層を乾燥する際に、前記電極塗料中に含有される酸が
昇華もしくは蒸発して、前記電極塗料が塗布されていな
い電極集電体の他方の面に付着することを防止する手段
を備えてなるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用電極の製造
方法に関し、特に、非水電解質電池用電極の製造方法で
あって、電極活物質層を電極集電体の両面に強固に設け
ることができる電池用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】リチウムイオン二次電池の電極は、電極集
電体の両面に電極活物質を含む塗料をそれぞれ塗布し、
乾燥することによって形成されている。特に、負極形成
のための塗料は、負極活物質及びバインダーを含有し、
この負極活物質は、破壊されない範囲で適度に分散され
ている。負極形成のための塗料は、最初に金属箔の電極
集電体の片面に塗布され、乾燥された後、裏面(もう一
方の面)に同様に塗布され、乾燥される。これによっ
て、電極集電体の両面に電極活物質層が形成される。最
後に、得られた活物質層を両面に結合された電極集電体
は、切断されて、電極として使用される。
【0003】従来より、このようにして電極集電体とし
ての金属箔の上に、負極形成のための塗膜を形成した場
合、金属箔と電極活物質層との接着性が悪く、電極活物
質層が剥離することがあるという問題が生じていた。
【0004】このような問題を解決するために、電極塗
料中の樹脂分を多くする方法や、酸を添加するなどの方
法が提案されている。また、特開平2−68855号公
報には、塗料中に酸を添加することにより、電極集電体
と塗設された電極活物質層との密着性が向上する旨が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予め塗
料中に酸を添加して用いた場合、最初に電極活物質層を
形成した電極集電体の片面(以下、「A面」と記す)に
比べて、後から電極活物質層を形成する電極集電体の裏
面(以下、「B面」と記す)では、電極活物質層の電極
集電体に対する接着性が著しく低下してしまうという問
題が生じていた。従って、このようにして製造した電極
では、電極活物質層の剥離、特に、電極集電体の裏面
(B面)からの剥離が起こりやすいという問題があっ
た。電極活物質層の剥離が起こると、これを使用する電
池の容量が低下したり、剥離した電極活物質層がセパレ
ータと、例えば、負極電極との間に挟まり、セパレータ
を破って負極電極が正極電極と短絡するおそれがあり、
最悪の場合、爆発や炎上の危険性を有していた。
【0006】このような実状のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、電極活物質と、バインダ
ーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極
集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記
電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電
池用電極の製造方法において、得られた電極活物質層と
電極集電体との接着性が極めて優れ、電極集電体の両面
における電極活物質層の剥離が起こらない電池用電極の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明者ら
が、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、電
極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸を含有する電極
塗料を電極集電体の両面に順次塗布するにあたり、まず
最初に電極集電体の片面に前記電極塗料を塗布し乾燥さ
せる際、蒸発もしくは昇華した塗料中の酸が、電極集電
体の裏面に付着しないようにすることにより、上記課題
を有効に解決することができることを見出し、本発明に
到達したものである。
【0008】すなわち、本発明は、電極活物質と、バイ
ンダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の
電極集電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、
前記電極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成す
る電池用電極の製造方法において、当該製造方法が、前
記電極集電体の一方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜
層を形成し、この塗膜層を乾燥する際に、前記電極塗料
中に含有される酸が昇華もしくは蒸発して、前記電極塗
料が塗布されていない電極集電体の他方の面に付着する
ことを防止する手段を備えてなるように構成される。
【0009】また、本発明のより好ましい態様として、
前記電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止す
る手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、電極集電体の他
方の面に、酸付着防止シートを隙間なく接触させること
により行われる。
【0010】また、本発明のより好ましい態様として、
前記電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止す
る手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、電極集電体の他
方の面側から熱風を吹き出し、この吹き出された熱風に
より電極集電体の他方の面に流体被膜を形成して行われ
る。
【0011】また、本発明のより好ましい態様として、
前記電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止す
る手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、電極集電体の一
方の面および他方の面側から熱風をそれぞれ吹き出し、
電極集電体の他方の面側からの熱風量を一方の面側から
の熱風量よりも多くし、電極集電体の他方の面側から吹
き出された熱風により電極集電体の他方の面に流体被膜
を形成して行われる。
【0012】また、本発明のより好ましい態様として、
前記電極集電体の一方の面側に、さらに排気手段を設け
て、電極集電体の他方の面側から吹き出された熱風によ
り電極集電体の他方の面に流体被膜を形成させる。
【0013】また、本発明のより好ましい態様として、
前記電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止す
る手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、電極集電体の一
方の面および他方の面側から熱風をそれぞれ吹き出し、
電極集電体の他方の面側からの熱風量と一方の面側から
の熱風量と同等とするとともに前記電極集電体の一方の
面側にさらに排気手段を設け、電極集電体の他方の面側
から吹き出された熱風により電極集電体の他方の面に流
体被膜を形成して行われる。
【0014】本発明における電池用電極の製造方法によ
れば、電極活物質と、バインダーと、溶剤と、酸を含有
する電極塗料を電極集電体の両面に順次塗布するにあた
り、まず最初に電極集電体の片面に前記電極塗料を塗布
し乾燥させる際、蒸発もしくは昇華した塗料中の酸が、
電極集電体の裏面に付着しないように作用する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。
【0016】本発明の電池用電極の製造方法は、電極活
物質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有する電極塗
料を準備し、この電極塗料を平板状の電極集電体の一方
の面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の
両面に電極活物質層をそれぞれ形成することを基本と
し、この中での本発明の要部は、最初に塗設して形成し
た塗膜層中の酸が、裏面側である電極集電体の他方の面
に付着しないようにすることにある。すなわち、前記電
極集電体の一方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を
形成し、この塗膜層を乾燥する際に、前記電極塗料中
(塗膜層中)に含有される酸が昇華もしくは蒸発して、
前記電極塗料が塗布されていない電極集電体の他方の面
に付着することを防止する手段を備えていることにあ
る。
【0017】まず、最初に、本発明で使用される電極塗
料の準備工程について説明する。
【0018】本発明で使用される電極塗料は、電極活物
質と、バインダーと、溶剤と、酸とを含有している。
【0019】電極活物質としては、従来より、電極活物
質として使用されるものであれば、特に制限なく、種々
の材料を使用することができる。電極活物質は、負極と
して使用するか、正極として使用するかによって材料が
異なる。
【0020】負極形成のための電極活物質としては、通
常、炭素質材料が使用される。炭素質材料としては、従
来より使用されている炭素質材料であれば、特に制限な
く使用することができ、例えば、無定形炭素、アセチレ
ンブラック、石油コークス、人造黒鉛、天然黒鉛、グラ
ファイト系炭素繊維、難黒鉛化炭素等を用いることがで
きる。
【0021】一方、正極形成のための電極活物質として
は従来より使用されているものであれば、特に制限な
く、各種の正極活物質が使用できる。例えば、コバルト
酸リチウムや、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウ
ムなどの各種の正極活物質を使用することができる。
【0022】バインダーとしては従来より使用されてい
るバインダーであれば、特に制限なく、各種のバインダ
ーを使用することができる。例えば、バインダーとし
て、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リフッ化ビニルなどを用いることができる。
【0023】バインダーは、電極活物質100重量部に
対して、通常、1〜40重量部、好ましくは、2〜25
重量部の割合で使用される。
【0024】溶剤としては、電極塗料を調製する場合に
従来より使用されている溶剤であれば、特に制限なく、
各種の溶剤を使用することができる。このような溶剤と
しては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ピ
ロリドン、N−メチルチオピロリドン、ジメチルフォル
ムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメ
チルホスホアミド等を単独あるいは混合して用いること
ができる。
【0025】溶剤は、通常、電極塗料中の固形分(不揮
発分)が、10〜60重量%、好ましくは30〜50重
量%の割合となるように使用される。
【0026】電極塗料中に含有される酸としては、有機
酸でも無機酸でも良い。これらの酸の中では、弱酸が好
ましく、特に有機酸の弱酸が好ましい。このような有機
酸の弱酸としては、例えば、シュウ酸や、蟻酸、マレイ
ン酸、これらの酸の水和物を好ましいものとして挙げる
ことができる。
【0027】酸は、電極活物質100重量部に対して、
通常、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3
重量部の割合で使用される。
【0028】なお、電極活物質の電気伝導度が悪い場合
には、必要に応じて、導電剤を加えても良い。このよう
な導電剤としては、前述した炭素質材料や、各種の金属
微粉末を使用することができる。導電剤を加える場合、
導電剤の含有量は、活物質100重要部に対して、通
常、1〜25重量部、好ましくは3〜15重量部の割合
で使用される。
【0029】本発明で使用される電極集電体としては、
平板状のもの、特に金属箔が好適に使用される。電極集
電体の金属材料としては、従来より電極集電体に使用さ
れているものであれば、特に制限なく、各種の金属材料
を使用することができる。このような金属材料として
は、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケ
ル、鉄等が挙げられる。
【0030】本発明で使用される電極塗料は、上記各成
分を混合することにより調整され、スラリー状の混合物
である。電極塗料中では、電極活物質が破壊されない範
囲で適度に分散されている必要があり、プラネタリーミ
キサーや、ボールミル等を用いて混合分散される。
【0031】このようにして準備された電極塗料は、電
極集電体の一方の面に塗布され塗膜層が形成される。電
極塗料の塗布は、従来公知の方法によって実施すること
ができる。例えば、エクストルージョンコート、グラビ
アコート、リバースロールコート、ディップコート、キ
スコート、ドクターコート、ナイフコート、カーテンコ
ート、スクリーン印刷等の塗布法によって電極集電体に
塗布することができる。
【0032】このようにして電極集電体の一方の面に塗
布され塗膜層は、次工程の乾燥工程により乾燥される。
本発明においてはこの乾燥工程における操作が非常に重
要であり、塗膜層を乾燥させる際、電極塗料中(塗膜層
中)に含有される酸が昇華もしくは蒸発して、前記電極
塗料が塗布されていない電極集電体の他方の面(裏面
側)に付着しないようにしている。
【0033】乾燥時、電極集電体の他方の面(裏面側)
に酸を付着させない好適な手段として、以下に示される
(1)および(2)の手法を例示する。
【0034】(1)塗膜層を乾燥させる際に、電極集電
体の他方の面(裏面側)に、酸付着防止シートを密着さ
せる(図1および図2参照) 図1に示されるように、繰り出しロールより繰り出され
て連続搬送される電極集電体2の一方の面2aに塗布装
置10を用いて塗布された塗膜層5は、次工程の乾燥装
置20の中で熱風乾燥される。熱風乾燥される際、電極
集電体2の他方の面2b(裏面)は、乾燥装置20内に
固定されたガイド板7の上を摺動して移動するので、電
極集電体2の一方の面2aに形成された塗膜層(電極塗
料)5から蒸発もしくは昇華した酸を含む熱風が接する
ことがない。つまり、ガイド板7は、塗膜層5が乾燥す
るまで、電極集電体2の他方の面2b(裏面)と隙間な
く接触しており、酸付着防止シートとして機能してい
る。このようにして塗膜層を乾燥させた後、電極集電体
2は、例えば、一旦、巻き取りロールに巻き取られる。
ガイド板7としては、熱風によって変形あるいは溶融
しないこと、液体及び気体を容易に透過させるもので
ないこと、摩擦係数が小さいこと、等の条件を満たす
ものであれば、樹脂、金属を問わず使用することができ
る。より具体的には、例えば、摩擦係数の小さなステン
レス板、銅板、アルミニウム板、ポリテチラフルオロエ
チレン(PTFE)板等が好適に用いられる。
【0035】これと類似する手法が図2に示される。図
2に示される装置では、図1で説明したガイド板7に変
えて、電極集電体2の他方の面2b(裏面)に密着しな
がら電極集電体2とともに移動する保護フィルム8が設
けられている。この保護フィルム8は、第1ロール81
から連続的に繰り出され、第2ロール82により巻き取
られる。この間、保護フィルム8は電極集電体2の他方
の面2b(裏面)に密着した状態で、好ましくは、同じ
速度で搬送される。これにより、電極集電体2の他方の
面2b(裏面)は、塗膜層(電極塗料)5から蒸発もし
くは昇華した酸を含む熱風が接することがない。つま
り、保護フィルム8は、塗膜層5が乾燥するまで、電極
集電体2の他方の面2b(裏面)と隙間なく接触してお
り、酸付着防止シートとして機能している。保護フィル
ム8としては、上記およびの条件を満たすもの、例
えば、PETフィルム、PENフィルム、ポリイミドフ
ィルム(アラミドフィルム)等が好適に用いられる。
【0036】なお、図1および図2に示されるような実
施の態様では、乾燥のための熱風の吹きつけ方向に特に
制限はないが、通常、図面の上方から塗膜面に向けて熱
風が供給される。
【0037】(2)電極集電体の他方の面側(塗膜層が
形成されていない裏面側)から熱風を吹き出し、この吹
き出された熱風により電極集電体の他方の面に流体被膜
を形する 図3は、塗膜層5が形成された電極集電体2が、乾燥装
置20内を紙面の奥側から手前に搬送される状態を断面
で示した図面である。
【0038】図3に示される実施の態様では、電極集電
体2の一方の面2a(上側)および他方の面2b側(下
側)から熱風Q1,Q2をそれぞれ吹き出し、電極集電
体の他方の面2a側からの熱風Q1の量(電極集電体2
単位面積当たりの吹き付け量)を一方の面2b側からの
熱風Q2の量(電極集電体2単位面積当たりの吹き付け
量)よりも多くし、他方の面2b側から吹き出された熱
風により電極集電体の他方の面2bの表面に流体被膜G
を形成する。これにより、熱風Q1に同伴する塗膜層
(電極塗料)5から蒸発もしくは昇華した酸が電極集電
体2の他方の面2b(裏面)に付着することが防止でき
る。この際、通常、乾燥装置20内に設けられる排気手
段は、前記電極集電体の一方の面2a側、すなわち、図
3に示されるP点より上方の位置に設置することが好ま
しい。確実に電極集電体の他方の面2bに流体被膜Gを
形成するためである。
【0039】なお、排気手段を、前記電極集電体の一方
の面2a側、すなわち、図3に示されるP点より上の位
置に設置することを必須の要件とすれば、熱風Q1,Q
2の各熱風量は同じであってもよい。
【0040】図4には、電極集電体2を乾燥装置20内
に搬送させるにあたり、ガイドロールを用いることなく
電極集電体2を熱風で浮かせた状態で支持させ搬送させ
る機構が示されている。この機構を用い、かつ本発明の
効果を発現させるには、図4に示される対向部分での熱
風Q1,Q2の量の関係において、下側の熱風Q1が大
きくなるように設定する必要がある。熱風Q1’は、下
側からのみなので電極集電体2を支持できる範囲で設定
すればよい。この場合、通常、乾燥装置20内に設けら
れる排気手段は、前記電極集電体の一方の面2a側、す
なわち、図3に示されるP点より上方の位置に設置する
ことが好ましい。
【0041】本発明においては、上述したように電極集
電体2の一方の面2aに電極塗料を塗布し、熱風乾燥を
行うにあたり、蒸発もしくは昇華した電極塗料中の酸を
含む熱風が、電極集電体の他方の面2b(裏面)に接触
しないようにすることが必要である。
【0042】この操作を行っておくことにより、次ぎに
行われる電極集電体の他方の面2b(裏面)に塗設され
る電極活物質層の接着性を大幅に改善することができ
る。他方の面2b(裏面)における接着性の劣化が、最
初に塗布される一方の面2aに比べて、なぜ顕著に生じ
るのかは明瞭に分からない。いくつかの理由は推測され
るが、その中でもっとも可能性の高い理由として、乾燥
中に蒸発もしくは昇華した塗料中の酸が、他方の面2b
(裏面)側の電極集電体に付着し、付着した酸と電極集
電体の金属との間で接着性を阻害する何らかの化合物が
形成されるためと考えられる。
【0043】なお、引き続き、電極集電体の他方の面2
b(裏面)へ電極塗料を塗布した後に行われる乾燥も熱
風乾燥を用いることができるが、特に上記の方法を用い
る必要はない。
【0044】乾燥に用いる熱風は、溶剤種及びバインダ
ー種に依存するが、例えば、30〜300℃、好ましく
は80〜250℃の温度に加熱した清浄な空気を使用す
ることが好適である。
【0045】このようにして得られた電極集電体の両面
に電極活物質層を有する電極は、必要に応じてローラー
プレス等により、厚みを調節してもよい。
【0046】次いで、得られた電極材料は、所定の幅、
長さに切断される。なお、電極集電体と、外部との電気
的な接触を得るために電極集電体の一部に電極活物質層
を形成しない部分を設けることが好ましい。例えば、こ
のような部分に電極活物質層を形成させない方法として
は、予め塗布作業の時に未塗布部分を形成する方法や、
電極活物質層を形成させた後、部分的に除去する方法等
が挙げられる。
【0047】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに
詳細に説明する。
【0048】(実施例1)負極用塗料の作製 負極用塗料の組成を下記のように設定し、負極用塗料を
下記の要領で作製した。
【0049】 グラファイト(負極活物質) … 100重量部 アセチレンブラック(導電剤) … 5重量部 ポリフッ化ビニリデン(バインダー) … 10重量部 N−メチルピロリドン(溶剤) … 115重量部 シュウ酸二水和物(酸) … 0.9重量部 負極用塗料は、具体的に以下のようにして調整した。
【0050】バインダー10重量部を溶剤50重量部に
溶解させ、ラッカー60重量部を作製した。アセチレン
ブラック5重量部にラッカー10重量部を加えて混練し
た。上記混練物に、残りのラッカー50重量部及び溶剤
65重量部を加えて充分混合した後、負極活物質100
重量部を混ぜ、さらに、シュウ酸二水和物1重量部を添
加して負極用塗料を作製した。
【0051】負極の作製 上記負極用塗料を、厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電
体)にノズル塗布方式にて塗布して塗膜層を形成した後
(一方の面2a側塗布)、裏面(他方の面2b)全体を
ステンレス板に接触させた状態で、110℃の乾燥炉で
塗膜層を乾燥した(片側の電極活物質層の形成)。乾燥
のための熱風は、塗膜層形成側(一方の面2a側)およ
び裏面(他方の面2b)側から放出した。
【0052】次いで、圧延銅箔(電極集電体)の裏面
(他方の面2b)側の塗布操作を、上記と同様な手法で
行ない、最終的に電極活物質層を圧延銅箔(電極集電
体)の両面にそれぞれ形成した。ただし、裏面側塗布に
際してステンレス板は必要ないので用いなかった。
【0053】このようにして得られた電極活物質層を両
面に備える電極集電体を、ローラープレスをかけて圧縮
成型し、しかる後、所定の大きさに切断して本実施例1
の負極サンプルを作製した。
【0054】(実施例2)上記実施例1において、塗膜
層乾燥時、ステンレス板の代わりに、電極集電体の他方
の面(裏面)に酸が付着しないように流体被膜を形成さ
せた。つまり、乾燥のための熱風は、塗膜層形成側と反
対側(他方の面2b側)からのみ放出した。排気は塗膜
層の真上90度の角度から行った。それ以外は、上記実
施例1と同様にして本実施例2の負極サンプルを作製し
た。
【0055】(実施例3)上記実施例1において、塗膜
層乾燥時、ステンレス板の代わりに、電極集電体の他方
の面(裏面)に酸が付着しないように流体被膜を形成さ
せた。つまり、乾燥のための上下の熱風の量を調整し、
他方の面(裏面:下)側からの熱風量を大きくした。排
気は塗膜層の上約45度の角度から行った。それ以外
は、上記実施例1と同様にして本実施例3の負極サンプ
ルを作製した。
【0056】(比較例1)上記実施例1において、塗膜
層乾燥時、酸付着防止シートとしてのステンレス板を用
いなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にして、
比較例1の負極サンプルを作製した。
【0057】(比較例2)上記実施例1において、塗膜
層乾燥時、酸付着防止シートとしてのステンレス板を圧
延銅箔(電極集電体)の裏面(他方の面2b)に接触さ
せず、裏面2bとの間隔を1cm空けた状態で乾燥させ
た。それ以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2
の負極サンプルを作製した。
【0058】(比較例3)上記実施例1において、塗膜
層乾燥時、酸付着防止シートとしてのステンレス板を圧
延銅箔(電極集電体)の裏面(他方の面2b)に接触さ
せず、裏面2bとの間隔を3cm空けた状態で乾燥させ
た。それ以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3
の負極サンプルを作製した。
【0059】これらのサンプルについて、以下の要領
で、接触角、接着性および耐溶剤性の評価を行った。
【0060】接触角の測定 協和界面化学(株)製、接触角計CA−D型を使用し
て、圧延銅箔(電極集電体)の裏面(他方の面2b)側
塗布前の銅箔表面の接触角を測定した。すなわち、測定
用の液体として純水を用いて1つのサンプルにつき、3
点の接触角を測定し、平均値をそのサンプルの接触角と
した。ここで、接触角が大きいほど疎水性である(シュ
ウ酸銅化合物ができていない)。
【0061】接着性 電極集電体を1cm×10cmの大きさに切断し、支持
板に両面テープを貼り、この両面テープに対して電極集
電体の被測定面(電極活物質層面)の一端部を3cm貼
り付けた後、電極集電体が折れない程度の曲率で曲げ
て、貼り付けていない他端を引っ張り試験器にて2cm
/secの一定速度で引っ張り、剥離試験を行った。銅
箔の露出の程度を以下の基準に従って評価した。
【0062】A:銅箔の露出が20%未満である。
【0063】B:銅箔の露出が20%以上80%未満で
ある。
【0064】C:銅箔の露出が80%を超える。
【0065】耐溶剤性 上記試験において、剥がして電極上に残った電極活物質
層をメチルエチルケトンを含ませた綿棒で5回擦り、耐
溶剤性を以下の基準に従って評価した。
【0066】A:電極活物質が全く剥げない。
【0067】B:電極活物質がわずかに剥げる。
【0068】C:5回までに電極活物質層の全てが剥げ
る。
【0069】D:2回までに電極活物質層の全てが剥げ
る。
【0070】上記の各測定結果を、以下の表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、電極活物質と、バインダー
と、溶剤と、酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集
電体の一方の面および他方の面に順次塗布して、前記電
極集電体の両面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池
用電極の製造方法において、当該製造方法が、前記電極
集電体の一方の面に前記電極塗料を塗布して塗膜層を形
成し、この塗膜層を乾燥する際に、前記電極塗料中に含
有される酸が昇華もしくは蒸発して、前記電極塗料が塗
布されていない電極集電体の他方の面に付着することを
防止する手段を備えてなるように構成されているので、
得られた電極活物質層と電極集電体との接着性が極めて
優れ、電極集電体の両面における電極活物質層の剥離が
起こらない電池用電極が提供できる。これにより、電池
容量の低下を防ぐことができ、また、電極活物質層の剥
離に起因する正負極の短絡を防ぎ、安全性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面に塗
布した後、塗膜を乾燥させる際、電極塗料が塗布されて
いない電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止
するための手段を備えた乾燥装置の概略側面図である。
【図2】電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面に塗
布した後、塗膜を乾燥させる際、電極塗料が塗布されて
いない電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止
するための手段を備えた乾燥装置の概略側面図である。
【図3】電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面に塗
布した後、塗膜を乾燥させる際、電極塗料が塗布されて
いない電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止
するための手段を備えた乾燥装置の概略正面断面図であ
る。
【図4】電極塗料を平板状の電極集電体の一方の面に塗
布した後、塗膜を乾燥させる際、電極塗料が塗布されて
いない電極集電体の他方の面に酸が付着することを防止
するための手段を備えた乾燥装置の概略側面図である。
【符号の説明】
2…電極集電体 2a…電極集電体の一方の面(最初に塗膜層が形成され
る側) 2b…電極集電体他方の面(裏面) 5…塗膜層(電極活物質層) 10…塗布装置 20…乾燥装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極活物質と、バインダーと、溶剤と、
    酸とを含有する電極塗料を平板状の電極集電体の一方の
    面および他方の面に順次塗布して、前記電極集電体の両
    面に電極活物質層をそれぞれ形成する電池用電極の製造
    方法において、 当該製造方法が、前記電極集電体の一方の面に前記電極
    塗料を塗布して塗膜層を形成し、この塗膜層を乾燥する
    際に、前記電極塗料中に含有される酸が昇華もしくは蒸
    発して、前記電極塗料が塗布されていない電極集電体の
    他方の面に付着することを防止する手段を備えてなるこ
    とを特徴とする電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電極集電体の他方の面に酸が付着す
    ることを防止する手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、
    電極集電体の他方の面に、酸付着防止シートを隙間なく
    接触させることにより行われる請求項1記載の電池用電
    極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極集電体の他方の面に酸が付着す
    ることを防止する手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、
    電極集電体の他方の面側から熱風を吹き出し、この吹き
    出された熱風により電極集電体の他方の面に流体被膜を
    形成して行われる請求項1に記載の電池用電極の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記電極集電体の他方の面に酸が付着す
    ることを防止する手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、
    電極集電体の一方の面および他方の面側から熱風をそれ
    ぞれ吹き出し、電極集電体の他方の面側からの熱風量を
    一方の面側からの熱風量よりも多くし、電極集電体の他
    方の面側から吹き出された熱風により電極集電体の他方
    の面に流体被膜を形成して行われる請求項1に記載の電
    池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電極集電体の一方の面側に、さらに
    排気手段を設け、電極集電体の他方の面側から吹き出さ
    れた熱風により電極集電体の他方の面に流体被膜を形成
    させてなる請求項3または請求項4に記載の電池用電極
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電極集電体の他方の面に酸が付着す
    ることを防止する手段は、前記塗膜層を乾燥する際に、
    電極集電体の一方の面および他方の面側から熱風をそれ
    ぞれ吹き出し、電極集電体の他方の面側からの熱風量と
    一方の面側からの熱風量と同等とするとともに前記電極
    集電体の一方の面側にさらに排気手段を設け、電極集電
    体の他方の面側から吹き出された熱風により電極集電体
    の他方の面に流体被膜を形成して行われる請求項1に記
    載の電池用電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005011594A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Sony Corp 電極合剤、電極および電池
JP2009266660A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Nec Tokin Corp リチウムイオン2次電池用電極板の製造方法
JP2014231949A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 株式会社デンソー スラリー乾燥装置

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