JPH11176423A - 電池用電極の製造方法 - Google Patents

電池用電極の製造方法

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JPH11176423A
JPH11176423A JP9356141A JP35614197A JPH11176423A JP H11176423 A JPH11176423 A JP H11176423A JP 9356141 A JP9356141 A JP 9356141A JP 35614197 A JP35614197 A JP 35614197A JP H11176423 A JPH11176423 A JP H11176423A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極活物質層と電極集電体との密着性に優
れ、生産性に優れた電池用電極の製造方法を提供する。 【解決手段】 平板状の電極集電体と、この電極集電体
の両面に順次積層された結着層および電極活物質層とを
有する電池用電極の製造方法において、前記電極活物質
層は、前記結着層が湿潤状態にあるうちに塗設され、乾
燥されたものであり、前記結着層は、導電性物質とバイ
ンダーを含有し、当該バインダー含有量が、導電性物質
100重量部に対して、40〜100重量部の範囲に設
定されるよう構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用電極の製造方
法に関し、特に、電極活物質層を電極集電体の両面に強
固に設けることが出来る電池用電極の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、リチウムイオン二次電池に用いら
れている電極は、電極集電体の両面に電極活物質を含む
塗料をそれぞれ塗布し、乾燥することによって形成され
ている。特に、負極形成のための塗料は、負極活物質及
びバインダーを含有し、この負極活物質は、破壊されな
い範囲で適度に分散されている。
【0003】負極形成のための塗料は、通常、最初に金
属箔の電極集電体の片面に塗布され、乾燥された後、裏
面(もう一方の面)に同様に塗布され、乾燥される。こ
れによって、電極集電体の両面に電極活物質層が形成さ
れる。最後に、得られた電極活物質層と両面に結合され
た電極集電体は、切断されて、電極として使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、このようにして
電極集電体としての金属箔の上に塗膜を形成した場合、
金属箔と電極活物質層との接着が悪く、電極活物質層が
剥離することがあるという問題が生じていた。これは、
一般に使用されているバインダー成分がポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)であるために、炭素粉末同志は強く
結着できるものの、負極集電体とは強く結着しないため
と考えられている。このような接着の問題を解決するた
めに、従来より、電極塗料中の樹脂分を多くする方法
や、酸を添加する等の方法が提案されている。
【0005】例えば、『特開平2−68855』公報に
は、具体的に酸を用いることにより接着性が向上する旨
の報告がなされている。しかしながら、このように酸を
用いた場合、最初に電極活物質層を形成した電極集電体
の片面(以下、「A面」と言う)に比べて、後から電極
活物質層を形成する裏面(以下、「B面」と言う)で
は、電極活物質層の電極集電体に対する接着性が著しく
低下してしまうという問題が生じていた。従って、この
ように製造した電極では、電極活物質層の剥離、特に電
極集電体裏面(B面)からの剥離が起こりやすいという
問題があった。電極活物質層の剥離が起こると、これを
使用する電池の容量が低下したり、剥離した電極活物質
層がセパレーターと、例えば、負極電極の間に挟まりセ
パレーターを破って負極電極が正極電極と短絡するおそ
れがある。
【0006】また、『特開平9−35707』公報に
は、活物質層と負極集電体との間に、所定の組成からな
る結着層を設け、これにより、接着強度を向上させると
ともに、電池の容量および導電性の低下を防止できる旨
の提案がなされている。しかしながら、結着層のバイン
ダーにアクリル系共重合体を用いているために、結着層
と活物質層を別々に塗布する必要があり、製法としては
煩雑になる傾向にあると思われる。また、結着層のバイ
ンダー含有率も1〜4重量%と低い。
【0007】さらに、『特開平8−329928』公報
には、結着層と活物質層とのバインダーを同一のものと
して結着層に含まれる導電性物質の粒径差により導電性
を付与している。しかしながら、このものでは、結着層
に含まれる導電性物質が結着層の厚さから突出してはみ
出すような形態にしなければならず、結着層と活物質層
の同時重層塗布方式は、明細書中に開示はしてあるもの
のその技術の使用はほとんど不可能に近い。また、接着
性向上のために結着層中のバインダー含有量や、結着層
の厚さに関する検討も十分であるとは言えない。
【0008】このような実情のもとに本発明は創案され
たものであって、その目的は、電極活物質層と電極集電
体との密着性に優れ、生産性に優れた電池用電極の製造
方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本出願に係る発明者が、結着層および電極活物
質層の重層塗布手法、結着層のバインダー含有量、およ
び結着層の厚さ等について鋭意検討した結果、電極活物
質層と電極集電体との接着性に優れ、生産性に優れる本
発明の電池用電極の製造方法に想到することができたも
のである。
【0010】すなわち、本発明は、平板状の電極集電体
と、この電極集電体の両面にそれぞれ順次積層された結
着層および電極活物質層を有する電池用電極の製造方法
において、前記電極活物質層は、前記結着層が湿潤状態
にあるうちに塗設され、乾燥されたものであり、前記結
着層は、導電性物質とバインダーを含有し、当該バイン
ダー含有量が、導電性物質100重量部に対して、40
〜100重量部の範囲に設定されており、前記電極活物
質層は、活物質と導電性物質とバインダーを含有し、前
記結着層の厚さは、前記電極活物質層と結着層との総和
厚さに対して2〜10%の範囲内に設定されているよう
に構成される。
【0011】また、本発明の好ましい態様として、前記
結着層は、導電性物質とバインダーを含有し、当該バイ
ンダー含有量が、導電性物質100重量部に対して、5
0〜80重量部の範囲に設定されており、前記結着層の
厚さは、前記電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て3〜5%の範囲内に設定される。
【0012】また、本発明の好ましい態様として、前記
結着層および電極活物質層の塗設は、エクストルージョ
ンコートによる同時重層塗布方式により行われる。
【0013】また、本発明の好ましい態様として、前記
結着層および電極活物質層の塗設は、エクストルージョ
ンコートによる逐次重層塗布方式により行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。図1(a)は、結着層形成用塗料
を電極集電体2の一方の面2aに塗設し、この塗設され
た結着層31(結着層形成用塗料)が湿潤状態にあるう
ちに、この上に電極形成用塗料を塗布し、電極活物質層
51を形成した状態を示した図であり、図1(b)は、
結着層形成用塗料を電極集電体2の他方の面2bに塗設
し、この塗設された結着層35(結着層形成用塗料)が
湿潤状態にあるうちに、この上に電極形成用塗料を塗布
し、電極活物質層55を形成した状態を示した図であ
る。
【0015】本発明の電池用電極の製造方法において
は、電極集電体2の上に塗設された結着層が湿潤状態に
あるうちに、この結着層の上に電極活物質層が重層塗設
される。このような塗布方法を採用することにより、特
に、結着層と電極活物質層の間の接着が強固なものとな
りこれらの層間剥離が防止できる。生産性の向上も図ら
れる。なお、もし仮にこれらの間で層間剥離が発生する
と、結着層と電極活物質層の電気抵抗が高くなるため
に、電極集電体からの電位が得られにくくなり、電極の
特性が悪くなってしまう。
【0016】本発明における結着層とこの上に形成され
る電極活物質層の塗布は、いわゆる逐次重層塗布方式で
もよいが、作業性や生産性を考慮すれば、2層を同時に
重層塗布することが望ましく、エクストルージョンコー
トによる同時重層塗布方式により行うことが好ましい。
【0017】エクストルージョンコートによる塗布方法
では、結着層形成のための塗料および電極活物質層形成
のための塗料をそれぞれ用いて、各々のノズルのスリッ
トから電極集電体に順次あるいは同時に塗布すればよ
い。塗布時の膜厚は、それぞれの塗料の流量により設定
が可能であり、結着層、電極活物質層の厚さをそれぞれ
任意に設定することができる。上述のごとく本発明にお
いては、結着層がまだ湿潤状態にあるときに電極活物質
層が塗布されるので、結着層と電極活物質層との層間接
着強度は極めて大きくなる。本発明における好適な塗布
方法は、エクストルージョンコートであるが、その他、
グラビアコート、リバースロールコート、ディップコー
ト、キスコート、ドクターコート、ナイフコート、カー
テンコート、スクリーン印刷等の塗布法を用いてもよ
い。
【0018】本発明における結着層(結着層形成用塗
料)は、導電性物質とバインダーを含有し、当該バイン
ダー含有量は、導電性物質100重量部に対して、40
〜100重量部の範囲、より好ましくは、50〜80重
量部の範囲に設定される。このバインダー含有量が40
重量部未満となると、電極集電体2との良好な接着性が
得られなくなる。この一方で、バインダー含有量が10
0重量部を超えると結着層の電気抵抗が大きくなり、電
極の特性が悪くなる傾向が生じる。
【0019】さらに、本発明において、結着層の厚さ
は、前記電極活物質層と結着層との総和厚さに対して2
〜10%の範囲内、より好ましくは3〜5%の範囲内に
設定される。この値が10%を超えると、電極の体積当
たりの活物質量が少なくなってしまい、リチウムイオン
のドープ、アンドープの量が少なくなり、結果として電
極としての容量が少なくなってしまう。また、結着層が
厚くなるために結着層自体の密着性が悪くなり、電極集
電体から剥離しやすくなる。一方、この値が2%未満と
なると、結着層が薄くなりすぎてしまい、電極集電体と
電極活物質層との密着が得られにくくなり、電極活物質
層が電極集電体から剥離し容量の低下や、剥離した電極
活物質層がセパレータを破り正極の電極活物質層と接
触、短絡するおそれがある。
【0020】つまり本発明においては、結着層の厚さを
電極活物質層と結着層との総和厚さに対して2〜10%
の範囲内に設定することにより、本来の接着性を高める
結着層としての効果が得られ電極の容量の損失を抑える
ことが可能となる。特に、3〜5%であればその効果は
さらに強固なものとなり、より特性の良好な電極が得ら
れるのである。本発明における結着層の厚さは、電極活
物質層との厚さとの関係で設定されるが、一般的には、
2〜6μm程度の厚さに設定される。
【0021】上述したごとく結着層の上には電極活物質
層が形成され、以下に、本発明で使用される電極塗料
(電極活物質層形成用塗料)について説明する。
【0022】本発明で使用される電極塗料は、電極活物
質と、バインダーと、溶剤とを含有している。
【0023】電極活物質としては、従来より、電極活物
質として使用されるものであれば、特に制限なく、種々
の材料を使用することができる。電極活物質は、負極と
して使用するか、正極として使用するかによって材料が
異なる。
【0024】負極形成のための電極活物質としては、通
常、炭素質材料が使用される。炭素質材料としては、従
来より使用されている炭素質材料であれば、特に制限な
く使用することができ、例えば、無定形炭素、アセチレ
ンブラック、石油コークス、人造黒鉛、天然黒鉛、グラ
ファイト系炭素繊維、難黒鉛化炭素等を用いることがで
きる。
【0025】一方、正極形成のための電極活物質として
は従来より使用されているものであれば、特に制限な
く、各種の正極活物質が使用できる。例えば、コバルト
酸リチウムや、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウ
ムなどの各種の正極活物質を使用することができる。
【0026】なお、電極活物質の電気伝導度が悪い場合
には、必要に応じて、導電性物質を加えても良い。この
ような導電性物質としては、前述した炭素質材料(ファ
ーネスブラック、アセチレンブラック、人造黒鉛、天然
黒鉛、炭素繊維等)や、各種の金属微粉末(酸化スズ
等)を使用することができる。導電性物質を加える場
合、導電性物質の含有量は、活物質100重要部に対し
て、通常、1〜25重量部、好ましくは3〜15重量部
の割合で使用される。
【0027】バインダーとしては従来より使用されてい
るバインダーであれば、特に制限なく、各種のバインダ
ーを使用することができる。例えば、バインダーとし
て、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リフッ化ビニル、フッ素ゴム、SBRなどを用いること
ができる。
【0028】バインダーは、電極活物質100重量部に
対して、通常、1〜40重量部、好ましくは、2〜25
重量部の割合で使用される。
【0029】溶剤としては、電極塗料を調製する場合に
従来より使用されている溶剤であれば、特に制限なく、
各種の溶剤を使用することができる。このような溶剤と
しては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ピ
ロリドン、N−メチルチオピロリドン、ジメチルフォル
ムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメ
チルホスホアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトン等を単独あるいは混合し
て用いることができる。
【0030】溶剤は、通常、電極塗料中の固形分(不揮
発分)が、10〜60重量%、好ましくは30〜50重
量%の割合となるように使用される。
【0031】次いで、本発明で使用される結着層形成の
ための結着層塗料について説明する。
【0032】本発明で使用される結着層塗料は、導電性
物質と、バインダーと、溶剤とを含有している。導電性
物質と、バインダーとの含有比率は、すでに上述した通
りである。結着層(塗料)に用いられるこれらの各成分
は、基本的には上記電極塗料のところで説明したものと
同様なものが用いられる。中でも、特に、導電性物質と
しては、アセチレンブラックや人造黒鉛が好適であり、
バインダーとしては、フッ素ゴムが好適であり、溶剤と
しては、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトン
等のケトン系溶剤が好適である。
【0033】本発明で使用される電極集電体2として
は、平板状のもの、特に金属箔が好適に使用される。電
極集電体の金属材料としては、従来より電極集電体に使
用されているものであれば、特に制限なく、各種の金属
材料を使用することができる。このような金属材料とし
ては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッ
ケル、鉄等が挙げられる。
【0034】本発明で使用される上記結着層塗料および
上記電極塗料は、上記各成分を所定の割合で混合するこ
とにより調整されたスラリー状の混合物である。電極塗
料中では、電極活物質が破壊されない範囲で適度に分散
されている必要があり、プラネタリーミキサーや、ボー
ルミル等を用いて混合分散される。
【0035】このようにして準備された上記結着層塗料
および上記電極塗料は、それぞれ、上記本発明の手法に
より、電極集電体の片面に塗布され、乾燥される(図1
(a))。その後、その裏面に上記結着層塗料および上
記電極塗料が同様に塗料、乾燥される(図1(b))。
【0036】このようにして電極集電体の両面に結着層
および電極活物質層が形成された後、必要に応じてロー
ラープレスがかけられ所定の厚みに圧縮成形されてか
ら、所定の幅、長さに切断される。なお、電極集電体と
外部との電気的な接触を取るために電極集電体の一部に
電極活物質層を形成しないようにして電極集電体を出す
ようにすることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに
詳細に説明する。
【0038】(実施例1)電極活物質層形成用塗料の作製 負極用塗料の組成を下記のように設定し、負極用塗料
(電極活物質層形成用塗料)を下記の要領で作製した。
【0039】 メソカーボンマイクロビーズ(負極活物質) … 100重量部 アセチレンブラック(導電性物質) … 4重量部 ポリフッ化ビニリデン(バインダー) … 12重量部 N−メチルピロリドン(溶剤) … 159重量部 負極用塗料は、具体的に以下のようにして調整した。
【0040】バインダー12重量部を溶剤108重量部
に溶解させ、ラッカーを作製した。メソカーボンマイク
ロビーズ100重量部とアセチレンブラック4重量部を
混合した。この混合物を上記ラッカーに加えて混合し、
粘性を調製するために溶剤を51重量部を加えてよく混
合し、負極用塗料(電極活物質層形成用塗料)を作製し
た。
【0041】結着層形成用塗料の作製 結着層形成用塗料の組成を下記のように設定し、結着層
形成用塗料を下記の要領で作製した。
【0042】 アセチレンブラック(導電性物質) … 100重量部 フッ素ゴム(バインダー) … 67重量部 N−メチルピロリドン(溶剤) … 625重量部 メチルイソブチルケトン(溶剤) … 625重量部 結着層形成用塗料は、具体的に以下のようにして調整し
た。
【0043】バインダー67重量部をメチルイソブチル
ケトン(溶剤)268重量部に溶解させ、ラッカーを作
製した。アセチレンブラック100重量部を上記ラッカ
ーに加えて混練した後、N−メチルピロリドン(溶剤)
625重量部とメチルイソブチルケトン(溶剤)357
重量部を加えて、結着層形成用塗料を作製した。
【0044】負極の作製 上記各塗料を、厚さ18μmの圧延銅箔(電極集電体)
の一方の面2a上に、エクストルージョン塗布方式に
て、各々の塗布ノズルのスリットより吐出させ、同時重
層塗布した後、110℃の乾燥炉で乾燥させ、結着層3
1および電極活物質層51を形成した。その後、同様に
して圧延銅箔(電極集電体)の裏面に(他方の面2b
側)結着層35および電極活物質層55を形成した。
【0045】しかる後、ローラープレスをかけて圧縮成
型し、所定の大きさに切断して本実施例1の負極サンプ
ルを作製した。なお、結着層の厚さは、前記電極活物質
層と結着層との総和厚さに対して4%であった。
【0046】(実施例2)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を40重量部に変えた。
それ以外は、上記実施例1と同様にして本実施例2の負
極サンプルを作製した。
【0047】(実施例3)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を100重量部に変え
た。それ以外は、上記実施例1と同様にして本実施例3
の負極サンプルを作製した。
【0048】(実施例4)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を50重量部に変えた。
それ以外は、上記実施例1と同様にして本実施例4の負
極サンプルを作製した。
【0049】(実施例5)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を80重量部に変えた。
それ以外は、上記実施例1と同様にして本実施例5の負
極サンプルを作製した。
【0050】(実施例6)上記実施例1において、結着
層の厚さを、電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て3%に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にし
て本実施例6の負極サンプルを作製した。
【0051】(実施例7)上記実施例1において、結着
層の厚さを、電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て9%に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様にし
て本実施例7の負極サンプルを作製した。
【0052】(実施例8)上記実施例1において、結着
層塗料中のアセチレンブラック(導電性物質)を、人造
黒鉛(導電性物質)に変えた。それ以外は、上記実施例
1と同様にして本実施例8の負極サンプルを作製した。
【0053】(実施例9)上記実施例1において、結着
層塗料中のアセチレンブラック(導電性物質)を、ファ
ーネスブラック(導電性物質)に変えた。それ以外は、
上記実施例1と同様にして本実施例9の負極サンプルを
作製した。
【0054】(実施例10)上記実施例1において、結
着層塗料中のフッ素ゴム(バインダー)を、ポリフッ化
ビニリデン(バインダー)に変えた。それ以外は、上記
実施例1と同様にして本実施例10の負極サンプルを作
製した。
【0055】(比較例1)上記実施例1において、エク
ストルージョン塗布方式による同時重層塗布を止め、ア
プリケータ塗布方式により、結着層を乾燥させた後に電
極活物質層を形成した。それ以外は、上記実施例1と同
様にして比較例1の負極サンプルを作製した。
【0056】(比較例2)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を33重量部に変えた。
それ以外は、上記実施例1と同様にして比較例2の負極
サンプルを作製した。
【0057】(比較例3)上記実施例1において、結着
層形成用塗料中のバインダー量を125重量部に変え
た。それ以外は、上記実施例1と同様にして比較例3の
負極サンプルを作製した。
【0058】(比較例4)上記実施例1において、結着
層の厚さを、電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て1.5%に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様
にして比較例4の負極サンプルを作製した。
【0059】(比較例5)上記実施例1において、結着
層の厚さを、電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て12%に変えた。それ以外は、上記実施例1と同様に
して比較例5の負極サンプルを作製した。
【0060】(比較例6)上記実施例1において、結着
層を設けなかった。それ以外は、上記実施例1と同様に
して比較例6の負極サンプルを作製した。
【0061】これらのサンプルについて、下記の要領
で、接着性、巻取り試験、および電極特性の評価を行っ
た。
【0062】接着性 作製された電極を2×3cmの範囲で、電極塗膜部分を
スクレーパーで削り、銅箔が露出するかを確認した。評
価基準は次のとおり。
【0063】 ○:銅箔の露出が20%未満である △:銅箔の露出が20%以上80%以下である ×:銅箔の露出が80%を越える巻取り試験 作製された電極を、直径3mmの金属棒に一旦巻く。そ
の後、その電極を開いて集電体からの塗膜の脱落の有無
や、剥離の状態を確認した。評価基準は次のとおり。
【0064】 ○:塗膜が全く剥離、脱落しない △:塗膜がわずかに脱落する ×:塗膜の剥離、脱落が発生する電極特性 作製された電極を、コバルト酸化リチウムを活物質とし
てアルミニウム箔に形成された正極電極と、多孔質のセ
パレータにより捲き電解液を封入して、実際にに電池を
作製した。この電池を、0.5Cにて充放電を繰り返
し、負極活物質1g当たりの容量を測定し、比較例6の
負極電極を用いた電池と比較した。
【0065】 ○:比較例6を用いた電池に比べて良好 △:比較例6を用いた電池に比べて同等 ×:比較例6を用いた電池に比べて劣化 結果を、下記表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、平板状の電極集電体と、こ
の電極集電体の両面に順次積層された結着層および電極
活物質層とを有する電池用電極の製造方法において、前
記電極活物質層は、前記結着層が湿潤状態にあるうちに
塗設され、乾燥されたものであり、前記結着層は、導電
性物質とバインダーを含有し、当該バインダー含有量
が、導電性物質100重量部に対して、40〜100重
量部の範囲に設定されており、前記電極活物質層は、活
物質と導電性物質とバインダーを含有し、前記結着層の
厚さは、前記電極活物質層と結着層との総和厚さに対し
て2〜10%の範囲内に設定されているように構成して
いるので、極めて良好な接着性が得られる。
【0068】これにより、電池容量の低下を防ぐことが
でき、また、電極活物質層の剥離に起因する正負極の短
絡を防ぎ、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、結着層塗料および電極
塗料を電極集電体2の両面2a,2bにそれぞれ順次塗
設し、結着層31,電極活物質層51;結着層35,電
極活物質層55を形成する状態を経時的に示す図面であ
る。
【符号の説明】
2…電極集電体 2a…電極集電体の一方の面(最初に塗膜層が形成され
る側) 2b…電極集電体他方の面(裏面) 31,35…結着層 51,55…電極活物質層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の電極集電体と、この電極集電体
    の両面にそれぞれ順次積層された結着層および電極活物
    質層を有する電池用電極の製造方法において、 前記電極活物質層は、前記結着層が湿潤状態にあるうち
    に塗設され、乾燥されたものであり、 前記結着層は、導電性物質とバインダーを含有し、当該
    バインダー含有量が、導電性物質100重量部に対し
    て、40〜100重量部の範囲に設定されており、 前記電極活物質層は、活物質と導電性物質とバインダー
    を含有し、 前記結着層の厚さは、前記電極活物質層と結着層との総
    和厚さに対して2〜10%の範囲内に設定されているこ
    とを特徴とする電池用電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記結着層は、導電性物質とバインダー
    を含有し、当該バインダー含有量が、導電性物質100
    重量部に対して、50〜80重量部の範囲に設定されて
    おり、 前記結着層の厚さは、前記電極活物質層と結着層との総
    和厚さに対して3〜5%の範囲内に設定されている請求
    項1に記載の電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記結着層および電極活物質層の塗設
    は、エクストルージョンコートによる同時重層塗布方式
    により行われる請求項1または請求項2に記載の電池用
    電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記結着層および電極活物質層の塗設
    は、エクストルージョンコートによる逐次重層塗布方式
    により行われる請求項1または請求項2に記載の電池用
    電極の製造方法。
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