JP2010199022A - 二次電池用電極の製造方法、二次電池用電極および二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性が良好であって、かつ充放電特性が高い二次電池を与える電極を製造する、二次電池用電極の製造方法、前記製造方法を用いて製造された二次電池用電極、および前記二次電池用電極を具備する二次電池を提供する。
【解決手段】金属集電体3と、活物質およびバインダーを含有する活物質層2とを有する二次電池用電極を製造する二次電池用電極の製造方法であって、該バインダーを溶解可能な液体を、転写フィルム上1に設けられた該活物質層上にまたは集電体上に塗布する塗布工程および塗布された該液体を介して該金属集電体と該活物質層とを貼合する貼合工程を有することを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】金属集電体3と、活物質およびバインダーを含有する活物質層2とを有する二次電池用電極を製造する二次電池用電極の製造方法であって、該バインダーを溶解可能な液体を、転写フィルム上1に設けられた該活物質層上にまたは集電体上に塗布する塗布工程および塗布された該液体を介して該金属集電体と該活物質層とを貼合する貼合工程を有することを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、繰り返し充放電して使用する二次電池に用いられる電極の製造方法、それにより製造された電極およびその電極を用いた二次電池に関する。
従来、二次電池用電極の製造方法としては、正極・負極活物質を導電剤やバインダーと混合した活物質層ペーストを作製し、このペーストを薄膜の金属集電体上に直接塗布、乾燥した後、高い圧力で圧延することにより作製する方法が知られている。
しかし、この方法は乾燥時や圧延工程でしわが発生しやすく、活物質層と金属集電体との密着性や均一性を保ちつつ、繰り返し充放電特性が良好な二次電池用電極を作製するためには、塗布速度や圧延速度を高めることが難しく、十分な生産性が得られていない。
一方、高い生産性を得るための方法として、熱ロールで転写する方法(例えば特許文献1参照)や加圧転写する方法(例えば特許文献2参照)などの、予めフィルム上に活物質層を形成しこの活物質層を金属集電体上に転写させる方法が、知られている。
しかし、これらの方法でも十分な密着性を確保するには高い熱や圧力を与えることが必要であり、そのため金属集電体にしわが発生し、かえって密着性を損ねたり、均一性の妨げになり、繰り返し充放電特性と生産性の両立を満足させるには十分でなかった。
本発明は、上記問題、状況に鑑みてなされたものであり、その課題は、生産性が良好であって、かつ充放電特性が高い二次電池を与える電極を製造する、二次電池用電極の製造方法、前記製造方法を用いて製造された二次電池用電極、および前記二次電池用電極を具備する二次電池を提供することにある。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討する過程において、転写フィルム上に形成したバインダーを含有する活物質層を金属集電体上に貼り合わせる際に、バインダーを溶解する液体を塗布した後に貼り合わせることにより、活物質層と金属集電体の密着性が高く・均一で、繰り返し充放電耐性に優れた二次電池用電極を製造できることを見出した。
即ち、本発明の上記課題は、下記の手段により達成される。
1.金属集電体と、活物質およびバインダーを含有する活物質層とを有する二次電池用電極を製造する二次電池用電極の製造方法であって、該バインダーを溶解可能な液体を、転写フィルム上に設けられた該活物質層上にまたは集電体上に塗布する塗布工程および塗布された該液体を介して該金属集電体と該活物質層とを貼合する貼合工程を有することを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
2.前記バインダーを溶解可能な液体を前記活物質層に塗布することを特徴とする前記1に記載の二次電池用電極の製造方法。
3.前記バインダーを溶解可能な液体の温度が、35℃以上であることを特徴とする前記1又は2に記載の二次電池用電極の製造方法。
4.前記貼合の圧力が500kg/cm2以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
5.前記1から4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法により製造されたことを特徴とする二次電池用電極。
6.前記5に記載の二次電池用電極を具備することを特徴とする二次電池。
従来の方法で転写フィルム上に形成した活物質層を金属集電体に貼り合わせるときに熱ロールによる転写を用いる場合には、高い密着性を得るために活物質層のバインダーを溶解するための高い温度が必要になる。
しかし、均一かつ高温を維持したままで高速搬送を行うことは非常に難しい。
また加圧転写を用いる場合には高圧で転写することが必要であり、装置負荷が大きいだけでなく、高圧で高速搬送する場合には金属集電体にしわが発生し、かえって密着性を損ねてしまう。
それに対して本願方法では、バインダーを溶解する液体を塗布することで、活物質層表面のバインダーをわずかに溶解させ、高温や大きな圧力をかけることなく、活物質層と金属集電体との十分な密着性を確保することが可能になり、高い生産性を維持したまま、充放電特性の良好な二次電池を与えることができる二次電池用電極の作製が可能になる。
即ち、生産性が良好であって、かつ充放電特性が高い二次電池を与える二次電池用電極を製造する、二次電池用電極の製造方法、前記製造方法を用いて製造された二次電池用電極、および前記二次電池用電極を具備する二次電池が提供できる。
以下、本発明とその構成要素、および本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
〔転写フィルム〕
本発明における転写フィルムは、後述する活物質層を担持可能なフィルムである。
本発明における転写フィルムは、後述する活物質層を担持可能なフィルムである。
本発明における転写フィルムとしては、活物質層を塗布することが出来れば特に限定されないが、樹脂フィルムなどが好適に挙げられる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などのフィルムが好適に用いられる。
また、転写フィルムの活物質層を有する表面は、活物質層を金属集電体上に転写し易くするために、例えばシリコーン等による離型性の処理が施されていても好ましい。
転写フィルムの厚みは、特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、特に好ましくは30〜100μmである。
〔二次電池用電極〕
本発明に係る二次電池用電極は、金属集電体と活物質層を含有している。本発明の二次電池用電極は、活物質層中のバインダーを溶解する液体を活性層上又は集電体上に塗布した後に、前記液体を介して貼合することにより製造されることを特徴としている。
本発明に係る二次電池用電極は、金属集電体と活物質層を含有している。本発明の二次電池用電極は、活物質層中のバインダーを溶解する液体を活性層上又は集電体上に塗布した後に、前記液体を介して貼合することにより製造されることを特徴としている。
(活物質層)
本発明に係る活物質層に含有される活物質は、電荷集積放出可能な物質であり、正電極活物質と負電極活物質がある。
本発明に係る活物質層に含有される活物質は、電荷集積放出可能な物質であり、正電極活物質と負電極活物質がある。
本発明に係る二次電池用電極としては、正電極と負電極があり各々が正電極活物質層および負電極活物質層を有し、各々正電極活物質および負電極活物質を含有する。
本発明に係る活物質層は、活物質およびバインダーを含有し、導電剤を含有することが好ましい。
(正極活物質層)
正極活物質層は、正極活物質およびバインダーを含有し、導電剤を含有することが好ましい。
正極活物質層は、正極活物質およびバインダーを含有し、導電剤を含有することが好ましい。
正極活物質の具体例としては、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn2O4またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCoyO2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnyCo1−yO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1−yMnyPO4、LixCoPO4など)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)などが挙げられる。
なお、これらの化学式中、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。
より好ましい正極活物質としては、電池電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn2O4)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1−yCoyO2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2−yNiyO4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1−yO2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。
なお、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。
これらの正極活物質は酸化性の雰囲気下での焼結により結晶性が向上し電池特性の向上が期待できる。
導電剤としては、インピーダンスを低下させることが出来れば特に限定されないが、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、気相成長炭素繊維等の炭素質微粒子、銅、銀、金、白金等の金属微粒子、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。
バインダーは、活物質および活物質層に含まれるその他の成分を担持しうるものである。
バインダーとしては、活物質や導電剤が集電体に結着されれば特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂バインダーが挙げられる。
正電極層の厚みとしては、例えば、0.01〜0.4mmであることが好ましい。
(負極活物質層)
負極活物質層は、負極活物質およびバインダーを含有し、導電剤を含有することが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質およびバインダーを含有し、導電剤を含有することが好ましい。
負極活物質としてはリチウム金属やリチウム合金を用いることができる。リチウム合金としては、リチウム金属に、Al,Pb,Sn,In,Bi,Ag,Ba,Ca,Hg,Pd,Pt,Sr,Te等を混合して2元又は3元以上に合金化したもの、或いはさらにSi,Cd,Zn,La等を添加したものなどが挙げられる。
リチウム合金中のリチウム含有量としては30質量%以上であることが好ましい。動作電圧やエネルギー密度の観点からは、リチウム金属を用いることが好ましい。
これらの形状としては特に限定されず、例えばリチウム金属では薄膜状のものに限らず、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のもの等であっても良い。
また、これらのリチウム金属およびリチウム合金はそれぞれ単独の形状、もしくは複数の形状を組み合わせて使用できる。
また、導電剤とバインダーは正極活物質層に用いることのできる材料と同一のものを使用することができる。
負電極層の厚みとしては、例えば、0.01〜0.4mmであることが好ましい。
活物質層は、転写フィルム上に、上記の活物質、バインダーなどの活物質層の成分を含有する活物質層塗布液(活物質層ぺースト)を転写フィルム上に塗布、乾燥することで形成される。
活物質層塗布液に用いられる溶剤としては、活物質、導電剤、を懸濁又は溶解できれば特に制限されずに従来知られている溶剤、特にリチウムイオン電池で使用される溶剤が好ましく用いられる。
例えば、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルホルミルピペリジン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどが用いられる。
〔金属集電体〕
本発明おける金属集電体とは金属または合金の薄膜である。薄膜の形態としては、箔状、板状、メッシュ状などの形態が挙げられる。
本発明おける金属集電体とは金属または合金の薄膜である。薄膜の形態としては、箔状、板状、メッシュ状などの形態が挙げられる。
集電体としては、正極の二次電池用電極に用いられる正極集電体および負極の二次電池用電極に用いられる負極集電体がある。
金属集電体の材料としてはニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等が挙げられる。
金属集電体の厚みには特に制限は無いが、好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmである。
〔バインダーを溶解する液体および塗布工程〕
本発明におけるバインダーを溶解する液体とは、液体100gに対して、バインダーを25℃において0.001g以上溶解する液体である。
本発明におけるバインダーを溶解する液体とは、液体100gに対して、バインダーを25℃において0.001g以上溶解する液体である。
当該液体としては、前記の活物質層ペーストを作製するときに使用する溶剤が好ましく用いられる。
例えばバインダーとしてPVDFを使用する場合には、N−メチルピロリドンを用いることが好ましい。
さらに、密着性を向上させる目的で液体を加熱して使用することが好ましい。加熱する温度としては、溶剤の種類によっても異なるが、35℃以上、用いる溶剤の沸点以下の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは50℃以上、用いる溶剤の沸点以下の範囲で使用することである。
即ち、塗布される液体の温度が、35℃以上であることが好ましく、特に50℃以上であることが好ましい。
バインダーを溶解する液体は活物質層と金属集電体とを貼合する前に塗布すれば、活物質層に塗布しても、金属集電体に塗布しても良いが、活物質層に塗布することがより好ましい。
液体の塗布方法としては、均一液膜を形成できれば特に限定されず、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などの塗布法や、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などの印刷法が挙げられる。
液体を塗布する際の塗布量としては、塗布性、貼合後の密着性、短絡防止性などの面から、膜厚にして、1〜20μmであり、より好ましくは2〜10μmである。
〔貼合工程〕
本発明の塗布された液体を介して金属集電体と活物質層とを貼合するとは、金属集電体に液体を塗布した場合には金属集電体の液体を塗布した側の面と、活物質層とを対面させて貼合することであり、活物質層に液体を塗布した場合には、活物質層の液体を塗布した側の面と集電体の一方の面とを対面させ貼合することである。
本発明の塗布された液体を介して金属集電体と活物質層とを貼合するとは、金属集電体に液体を塗布した場合には金属集電体の液体を塗布した側の面と、活物質層とを対面させて貼合することであり、活物質層に液体を塗布した場合には、活物質層の液体を塗布した側の面と集電体の一方の面とを対面させ貼合することである。
貼合する方法としては特に限定されないが、2本のロール間に活物質層を形成した転写フィルムと金属集電体を活物質層のバインダーを溶解する液体を介して挟んだ状態で、張り合わせることが生産性高くできるために好ましい。本発明では転写フィルム上の活物質層と金属集電体を貼合した後、剥がすことが好ましい。転写フィルムを剥がすタイミングに特に制限は無く、貼号した後すぐに剥がしても良いし、集電体などを形成した後に剥がしても良い。
密着するときの圧力としては、しわ発生防止性、塗布均一性、貼合後の密着性の面から、500kg/cm2以下が好ましく、10〜400kg/cm2がより好ましい。
図1は、本発明の二次電池用電極の製造方法を模式的に示した図である。
活物質層2は、転写フィルム1に設けられている。活物質層2は金属集電体3と、バインダーを溶解する液体4を介して、対面しており、転写ロールにより圧着活物質層2と金属集電体3は圧着され、貼合される。活物質層2から転写フィルム1が剥離され活物質層2と金属集電体3からなる電極が得られる。
〔二次電池〕
本発明の二次電池は、前記本発明の二次電池用電極の製造方法により製造された電極と電解質層とを有する。
本発明の二次電池は、前記本発明の二次電池用電極の製造方法により製造された電極と電解質層とを有する。
本発明においては、電解質層としては、固体電解質層が好ましく用いられる。
〔固体電解質層〕
固体電解質層は塗布可能なイオン導電性を有する固体電解質を用いて設けられた層のことである。
固体電解質層は塗布可能なイオン導電性を有する固体電解質を用いて設けられた層のことである。
固体電解質としては、1)非水電解液と、この非水電解液を保持する保持体となるマトリクスポリマーとを含み、いわゆるゲル状となっているゲルポリマー電解質、2)電解質塩とそれを溶解する高分子化合物とからなり、例えばポリエチレンオキサイドや同架橋体等のエーテル系高分子、ポリメタクリレートエステル系、アクリレート系等を単独もしくは分子中に共重合、または混合して用いられる高分子電解質、3)イオン導電性化合物を保持した無機酸化物微粒子を用いたゲル電解質のいずれかを用いればよく、イオン導電性、塗布性等を考慮すると、ゲル電解質を用いることがより好ましい。
固体電解質層内には、正極と負極の接触防止や短絡を防止するために、セパレーターを入れても良い。
また、本発明の方法で作製した正極・負極間に固体電解質を接着するときに、前記バインダーを溶解する液体又は固体電解質を溶解する液体を、活物質層と固体電解質の間に塗布した後に貼り合わせることで、金属集電体・活物質層・固体電解質層の全ての密着性が向上し、充放電特性の良好な二次電池を高い生産性で作製することが可能となるので、より好ましい。
〔固体電解質を溶解する液体〕
ここで固体電解質を溶解する液体とは、液体100gに対して、固体電解質を25℃において0.001g以上溶解する液体である。
ここで固体電解質を溶解する液体とは、液体100gに対して、固体電解質を25℃において0.001g以上溶解する液体である。
固体電解質を溶解する液体に制限は無いが、非プロトン性溶剤であることが好ましい。
固体電解質を溶解する液体の例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリジノン、N−メチルホルミルピペリジン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。
さらに、密着性を向上させる目的で液体を加熱して使用することが好ましい。加熱する温度としては、溶剤の種類によっても異なるが、35℃以上〜用いる液体の沸点、好ましくは50℃以上〜用いる液体沸点である。
即ち、塗布される液体の温度が、35℃以上であることが好ましく、特に50℃以上であることが好ましい。
固体電解質を溶解する液体を塗布する際の塗布量としては、塗布性、貼合後の密着性、短絡防止性などの面から、膜厚にして、1〜20μmであり、より好ましくは2〜10μmである。
〔二次電池用電極および二次電池の形状〕
本発明における二次電池用電極はバインダーを含有する活物質層を金属集電体上に転写させる際に、バインダーを溶解する液体を塗布した後に貼り合わせる工程を含んで製造されていれば特に限定は無く、公知の製造方法、形状を用いることができる。
本発明における二次電池用電極はバインダーを含有する活物質層を金属集電体上に転写させる際に、バインダーを溶解する液体を塗布した後に貼り合わせる工程を含んで製造されていれば特に限定は無く、公知の製造方法、形状を用いることができる。
また、本発明における二次電池は本発明の方法によって製造された二次電池用電極を、正極負極のいずれかに用いていれば特に限定は無いが、好ましくは正極、負極共に本発明の方法によって製造された二次電池用電極を用いる。
本発明の電池の形状および外観については特に限定されるものではなく、従来公知のものを採用することができるが、積層型が好ましい。
〔積層型二次電池〕
本発明の二次電池用電極を用いた二次電池の好ましい形態の一つに積層型二次電池がある。
本発明の二次電池用電極を用いた二次電池の好ましい形態の一つに積層型二次電池がある。
積層型二次電池の構成としては、図2のように正極集電体層11、正極活物質層12、固体電解質層13、負極活物質層14、負極集電体15を順に積層したものに、正極リード線16、負極リード線17を取り付け、ラミネート等で封入されているものである。
ラミネートシートを構成する金属シートには、電池外の水分や酸素の電池内への侵入や電池内の固体電解質の電池外への漏れを防ぐことができるものであれば特に制限はなく、公知の金属材料、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅などが用いられる。
また、ラミネートシートを構成する金属シートを接着する手段としては、熱融着によりラミネートシート外装体を封止できるものであれば特に制限はなく、公知の絶縁熱融着性樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、アイオノマー樹脂などや、これらの共重合体が挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
〔正極活物質層ペーストの作製〕
コバルト酸リチウム90質量部、導電剤としてケッチェンブラックEC600JD(ライオン(株)製)6質量部、ポリフッ化ビニリデン3質量部をN−メチルピロリドンに分散させて正極活物質層ペーストを作製した。
〔負極活物質層ペーストの作製〕
チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)85質量部、導電材としてグラファイト粉10質量部、ポリフッ化ビニリデン5質量部をN−メチルピロリドンに加えて、混合し、負極活物質層ペーストを作製した。
〔固体電解質の作製〕
ポリエチレンオキシド19質量部、電解質塩としてリチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド)10質量部をアセトニトリル71質量部と混合して、固体電解質(ポリマー電解質)を作製した。
実施例1
転写フィルムである厚さ100μmのPETフィルムに前記正極活物質層ペーストを押出しコーターを用いて膜厚120μmで塗布、乾燥した後、圧延して正極活物質層を作製した。同様にして前記負極活物質層ペーストを膜厚65μmで塗布、乾燥、圧延して負極活物質層を作製した。
コバルト酸リチウム90質量部、導電剤としてケッチェンブラックEC600JD(ライオン(株)製)6質量部、ポリフッ化ビニリデン3質量部をN−メチルピロリドンに分散させて正極活物質層ペーストを作製した。
〔負極活物質層ペーストの作製〕
チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)85質量部、導電材としてグラファイト粉10質量部、ポリフッ化ビニリデン5質量部をN−メチルピロリドンに加えて、混合し、負極活物質層ペーストを作製した。
〔固体電解質の作製〕
ポリエチレンオキシド19質量部、電解質塩としてリチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド)10質量部をアセトニトリル71質量部と混合して、固体電解質(ポリマー電解質)を作製した。
実施例1
転写フィルムである厚さ100μmのPETフィルムに前記正極活物質層ペーストを押出しコーターを用いて膜厚120μmで塗布、乾燥した後、圧延して正極活物質層を作製した。同様にして前記負極活物質層ペーストを膜厚65μmで塗布、乾燥、圧延して負極活物質層を作製した。
正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔に100℃に加熱したN−メチルピロリドン(NMP)を厚さ5μmとなるように塗布した後、当該塗布した面と前記正極活物質層を対面させ圧力300kg/cm2で転写速度100m/minの速度で転写し、正極を作製した。次いで負極集電体として厚さ20μmの銅箔に前記負極活物質層を同様に転写し、負極を作製した。前記正極と負極の間に60℃に加熱したアセトニトリルを5g/cm2供給したのち、前記固体電解質を挟み込んで二次電池101を作製した。
実施例2
実施例1で活物質層を転写するときのN−メチルピロリドンの温度を室温(25℃)に変更した以外は同様にして、二次電池102を作製した。
実施例1で活物質層を転写するときのN−メチルピロリドンの温度を室温(25℃)に変更した以外は同様にして、二次電池102を作製した。
実施例3、4
実施例2で活物質層を転写するときの圧力を500kg/cm2、1000kg/cm2にした以外は同様にして、二次電池103、104を作製した。
実施例2で活物質層を転写するときの圧力を500kg/cm2、1000kg/cm2にした以外は同様にして、二次電池103、104を作製した。
比較例1
実施例1で活物質層を金属集電体に転写するときに、活物質層のバインダーを溶解する液体を介することなく、その代わりに転写時に加圧ローラーの温度を200℃にした以外は同様にして、二次電池105を作製した。
実施例1で活物質層を金属集電体に転写するときに、活物質層のバインダーを溶解する液体を介することなく、その代わりに転写時に加圧ローラーの温度を200℃にした以外は同様にして、二次電池105を作製した。
比較例2
実施例4で活物質層を金属集電体に転写するときに、活物質層のバインダーを溶解する液体を介しない以外は同様にして、二次電池106を作製した。
実施例4で活物質層を金属集電体に転写するときに、活物質層のバインダーを溶解する液体を介しない以外は同様にして、二次電池106を作製した。
比較例3
実施例1で100℃に加熱したN−メチルピロリドンを80℃に加熱した水に変更した以外は同様にして、二次電池107を作製した。
実施例1で100℃に加熱したN−メチルピロリドンを80℃に加熱した水に変更した以外は同様にして、二次電池107を作製した。
[繰り返し充放電特性]
前記の二次電池101〜107をそれぞれ各10個作製し、それぞれの電池について、25℃環境下において、上限電圧4.2VまでC/2の定電流で充電した後、下限電圧2.5VまでC/2の定電流放電を行った。なお、ここで1Cとは、作製した電池の正極活物質量より算出した容量を1時間で充電するのに必要な電流量とする。この充放電サイクルを10回、100回繰り返し、1回目の放電量に対する割合(%)求めた。
前記の二次電池101〜107をそれぞれ各10個作製し、それぞれの電池について、25℃環境下において、上限電圧4.2VまでC/2の定電流で充電した後、下限電圧2.5VまでC/2の定電流放電を行った。なお、ここで1Cとは、作製した電池の正極活物質量より算出した容量を1時間で充電するのに必要な電流量とする。この充放電サイクルを10回、100回繰り返し、1回目の放電量に対する割合(%)求めた。
上記評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本願発明の方法で作製した電極を使用した二次電池101〜104は、活物質層と金属集電体の密着性が良いため、100回充放電を繰り返しても放電量の低下が少ない。特にバインダーを溶解させる液体を加熱したときにより効果があることがわかる。また、比較例3の水は活物質層のバインダーを溶解しないために密着性が低く、繰り返し充放電特性が良くないことがわかる。
1 転写フィルム
2 活物質層
3 金属集電体
4 バインダーを溶解する液体
5 転写ロール
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 固体電解質
14 負極活物質層
15 負極集電体
16 正極リード線
17 負極リード線
2 活物質層
3 金属集電体
4 バインダーを溶解する液体
5 転写ロール
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 固体電解質
14 負極活物質層
15 負極集電体
16 正極リード線
17 負極リード線
Claims (6)
- 金属集電体と、活物質およびバインダーを含有する活物質層とを有する二次電池用電極を製造する二次電池用電極の製造方法であって、該バインダーを溶解可能な液体を、転写フィルム上に設けられた該活物質層上にまたは集電体上に塗布する塗布工程および塗布された該液体を介して該金属集電体と該活物質層とを貼合する貼合工程を有することを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
- 前記バインダーを溶解可能な液体を前記活物質層に塗布することを特徴とする請求項1に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記バインダーを溶解可能な液体の温度が、35℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記貼合の圧力が500kg/cm2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法により製造されたことを特徴とする二次電池用電極。
- 請求項5に記載の二次電池用電極を具備することを特徴とする二次電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009045488A JP2010199022A (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 二次電池用電極の製造方法、二次電池用電極および二次電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2009
- 2009-02-27 JP JP2009045488A patent/JP2010199022A/ja active Pending
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