JP5325326B2 - 集電体、電極、二次電池、および二次電池の製造方法 - Google Patents

集電体、電極、二次電池、および二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の電極に用いられる集電体、その集電体を用いた電極、その電極を用いた二次電池、および二次電池の製造方法に関する。
二次電池用電極の基材として用いられるアルミニウム箔や銅箔などの金属箔上に炭素系導電物質を塗布した集電体に関する研究は、これまでも様々な研究機関で行われている。また、特許出願も多数なされており、例えば、特許文献1〜特許文献4を挙げることができる。
特許文献1および特許文献2には、アルミニウム箔や銅箔などの基材の表面に導電物質である炭素微粒子と皮膜形成用化合物とからなる皮膜を形成した集電体が記載されている。また、特許文献3には、炭素粉末(導電物質)と結着剤とからなる導電層を活物質との間に設けた集電体が記載されている。また、特許文献4には、カーボンを導電剤(導電物質)とする導電性塗料層を表面に設けた集電体が記載されている。これらは、集電体とその上に形成される活物質層との間の接触抵抗を低減することで、これらの集電体を用いた電池の内部抵抗を低減し、電池の高速充放電特性、サイクル特性の向上を図ったものである。
特開2007−226969号公報 特開2010−135338号公報 特開平9−97625号公報 特開2001−351612号公報
ここで、図5を参照して、特許文献1〜特許文献4に記載された、従来技術における集電体の構成について、まとめて説明する。なお、図5は、従来技術における集電体の構成を説明するための模式的断面図である。図5に示すように、従来技術における集電体3は、金属箔からなる基材3aの表面に導電物質層3bが均一に形成される。すなわち、基材3aの表面全体が導電物質層3bによって被覆されている。
図5に示すように、基材3aの表面に導電物質層3bが均一に形成されると、集電体3を用いて電池を作製するために、集電体3と電池の端子とを電気的に接続するための金属製のタブ(不図示)などを集電体3の表面に溶接する際に、導電物質層3bが溶接の障害となって溶接性が悪化するという問題があった。
さらには、基材3aの表面に均一に形成された導電物質層3bは一定の厚みを有するため、このような導電物質層3bを形成された集電体3は全体が厚くなってしまう。このため、集電体3上に活物質層(不図示)を積層してなる電極を電池に用いる場合、同じ体積の電池に収納される集電体3上に形成される活物質層(不図示)の厚さが制限されるという問題があった。
本発明は前記した問題に鑑み創案されたものであり、タブ溶接性に優れ、電極材料(集電体)の薄膜化が可能であるとともに、活物質層との間の接触抵抗を下げることで電池の内部抵抗の低抵抗化を実現する集電体、その集電体を用いた電極、その電極を用いた二次電池、および二次電池の製造方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る集電体は、金属箔からなる基材と、この基材の少なくとも一方の表面に配置された導電物質と、を備える集電体であって、前記基材の表面は、平坦部と複数の窪みとから構成され、前記窪みの平均深さが0.3μm以上3.0μm以下であり、前記窪みには前記導電物質が配置され、前記平坦部は露出し、300μm四方の視野にて観察した際に、前記導電物質が前記基材の表面に島状に配置されているとともに、前記導電物質による前記基材の表面の被覆率が1〜80%であることを特徴とする。
また、本発明に係る集電体は、前記基材の表面の20%を超える部分は前記導電物質によって被覆されておらず、平坦部として露出していることが好ましい。
また、本発明に係る集電体は、前記導電物質が前記基材の平坦部に対し面一となるように配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、導電物質による金属箔からなる基材の表面の被覆率は80%以下であるため、基材表面の20%を超える部分は導電物質によって被覆されておらず、平坦な金属の素地が露出することとなる。このため、この集電体を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合であって、集電体と電池の端子と接続するための金属製のタブを溶接する際に、露出した金属の素地に金属製のタブが良好に溶接される。また、導電物質による基材の表面の被覆率を1%以上としたことにより、この集電体を、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として用いる場合、集電体と、集電体上に積層される活物質層との間の接触抵抗が低減される。
加えて、基材表面に形成された所定の平均深さの窪みに導電物質を配置することにより、基材と導電物質との接触面積が増大するため、基材に対する導電物質の密着性を向上させるとともに、接触抵抗をさらに低減させることができる。
さらに、基材表面に形成した窪みに導電物質を配置していることにより、導電物質を基材表面に層状に形成する場合と比較し、集電体を薄膜化することができる。
また、本発明に係る集電体は、前記金属箔が、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金からなることが好ましい。さらに、本発明に係る集電体は、前記導電物質が、炭素系材料を含んでいることが好ましい。
かかる構成によれば、集電体の金属箔および導電物質が所定の材質から構成されていることから、当該集電体をリチウムイオン二次電池の電極として好適に適用することができる。
また、本発明に係る電極は、前記集電体を備える電極であって、前記集電体の表面に活物質層が設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、基材表面の複数の窪みに配置された導電物質により、集電体である電極材料と活物質層との間の接触抵抗が低抵抗化される。また、タブ溶接性を向上させ、薄膜化することが可能となる。
また、本発明に係る二次電池は、正電極と負電極とを備える二次電池であって、前記正電極および前記負電極のうち少なくとも一方が、前記電極であることを特徴とする。
また、本発明に係る二次電池は、前記電極の前記集電体の表面にはタブが溶接されていることが好ましい。
かかる構成によれば、二次電池の電極は、集電体である電極材料と活物質層との間の接触抵抗が低抵抗化されているため、二次電池として、その内部抵抗が低抵抗化される。また、タブ溶接性を向上させ、薄膜化することが可能となる。
また、本発明に係る二次電池の製造方法は、前記基材の表面に複数の前記窪みを形成する窪み形成工程と、形成された前記窪みに前記導電物質を配置する導電物質配置工程と、前記平坦部に配置された前記導電物質を取り除く導電物質除去工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、窪み形成工程により、基材の表面に複数の窪みを形成させることができ、導電物質配置工程により、基材の表面に形成させた窪みに導電物質を配置することができる。その結果、前記のような二次電池を製造することができる。
また、本発明に係る二次電池の製造方法は、前記窪み形成工程が、複数の凸部を有する転写体を前記基材に押し当てることによって、前記基材の表面に複数の前記窪みを形成する工程であることが好ましい。
かかる製造方法によれば、複数の凸部を有する転写体を前記基材に押し当てることによって、前記基材の表面に複数の前記窪みを適切に形成し、当該窪みに導電物質を配置させることにより、前記のような二次電池を製造することができる。
また、本発明に係る二次電池の製造方法は、前記導電物質除去工程の後に、前記窪みに前記導電物質が配置された前記基材をプレスすることにより、前記導電物質を前記窪みに圧着させる圧着工程を、さらに含むことが好ましい。
かかる製造方法によれば、導電物質除去工程の後に、導電物質を窪みに圧着させる圧着工程を施すことにより、基材に対する導電物質の密着性をさらに向上させるとともに、接触抵抗をさらに低減させることができる。
また、本発明に係る二次電池の製造方法は、記基材の表面を粗面化することによって、前記基材の表面に前記平坦部を形成せずに複数の前記窪みを形成する窪み形成工程と、形成された前記窪みに前記導電物質を配置する導電物質配置工程と、前記導電物質配置工程の後に、前記窪みに前記導電物質が配置された前記基材を圧延することにより前記平坦部を形成する圧延工程と、を含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、基材の表面を粗面化することによって、基材の表面に複数の窪みを形成させ、当該窪みに導電物質を配置させる。その後、圧延工程を施すことにより、基材表面に、導電物質の付着していない平坦部を形成することで、タブ溶接性を向上させることができるとともに、基材に対する導電物質の密着性を向上させ、接触抵抗を低減させることができる。
本発明に係る集電体によれば、導電物質を基材である金属箔の表面に島状に配置し、導電物質の被覆率を制限して金属箔の素地を集電体の表面に一部露出させたことにより、タブ溶接性の確保、集電体の接触抵抗の低減を図ることができる。
加えて、基材表面に形成した窪みに導電物質を配置していることにより、基材と導電物質との接触面積の増大を図ることができ、その結果、基材に対する導電物質の密着性を向上させるとともに集電体の接触抵抗をさらに低減させることができる。
さらに、基材表面に形成した窪みに導電物質を配置していることにより、導電物質を基材表面に層状に形成する場合と比較し、集電体の薄膜化を図ることができ、その結果、単位体積あたりの活物質層の量が大きく制限されず、電池の容量の低下を回避することができる。
本発明に係る電極および二次電池によれば、所定の集電体を備えることにより、集電体と活物質層との間の接触抵抗を低減、電池の内部抵抗を低減することができるとともに、タブ溶接性を向上させ、薄膜化することが可能となる。
本発明に係る二次電池の製造方法によれば、基材表面に複数の窪みを形成し、当該窪みに導電物質を配置することで、基材表面に導電物質を島状に配置することができ、接触抵抗が低減するとともに、タブ溶接性に優れた二次電池を製造することができる。
本発明に係る二次電池の製造方法によれば、基材表面に形成された複数の窪みに導電物質を配置することより、基材と導電物質との密着性が向上するため、接触抵抗がさらに低減するとともに薄膜化が可能な二次電池を製造することができる。
本発明に係る二次電池の製造方法によれば、導電物質配置工程の後に基材を圧延することにより、導電物質の付着していない平坦部を形成することで、タブ溶接性を向上させることができるとともに、基材に対する導電物質の密着性が向上し、接触抵抗を低減させることができる。
本発明に係る集電体の構造を説明するための模式的断面図であって、(a)は集電体の製造方法Aで圧着工程を施さずに製造した集電体の模式的断面図、(b)は集電体の製造工程Aで圧着工程を施し製造した集電体、または集電体の製造工程Bで製造した集電体の模式的断面図である。 本発明に係る集電体を用いた電極の構造を説明するための模式的断面図である。 本発明に係る電極を用いた二次電池の構造を説明するための模式的断面図である。 本発明に係る集電体の製造方法を示すフローチャートであって、(a)は集電体の製造方法Aを示すフローチャート、(b)は集電体の製造方法Bを示すフローチャートである。 従来技術に係る集電体の構造を説明するための模式的断面図である。
以下、本発明に係る電極材料(以下、適宜、集電体という)の実施の形態について、詳細に説明する。
[集電体の構造]
本実施形態に係る集電体の構造について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る集電体1は、金属箔からなる基材1aと、基材1aの表面に島状に配置された導電物質1bとからなる。また、導電物質1bは、図1に示すように片面のみに配置されていてもよいし、基材1aの両面に配置されていてもよい。
なお、本実施形態に係る集電体1は、例えば、リチウムイオン二次電池の電極の集電体として好適に用いることができる。集電体1を用いた電極および二次電池については、後記する。
集電体1は、300μm四方の視野で観察した際に、基材1aの表面に導電物質1bが島状に配置された構造とすることで、集電体1を電池の電極として用いる場合に、集電体1と電池の端子とを電気的に接続する金属製のタブ(不図示)を溶接する際の、タブ溶接性を向上させることができる。また、基材1aの表面に島状に配置された導電物質1bにより、集電体1と、集電体1の表面に積層される活物質層(図2参照)との間の接触抵抗を低減させることができる。
なお、本願明細書において、「島状」とは、基材1aの表面の少なくとも一部が導電物質1bによって被覆されずに露出するように導電物質1bが配置されている状態をいう。例えば、図1(a)、(b)に示すように、複数の窪みに充填された導電物質1bが互いに孤立して配置されてもよく、凝集体同士が接合して網目状に配置されていてもよいものとする。
(基材)
基材1aは、図1に示すように、表面が平坦部と複数の窪みとから構成される。
そして、この窪みの平均深さは、0.3〜3.0μmである。窪みの平均深さを0.3μm以上とすることで、後記の圧着工程A4を行わない場合であっても、基材1aに対する導電物質1bの密着性を確保することができる。一方、窪みの平均深さを3.0μm以下とすることで、基材1a(金属箔)の強度の低下を防止し、電極を製造する段階での基材1aの破断等を回避することができるからである。
また、窪みに配置される導電物質1bが上述した島状となるように、窪みは、300μm四方の視野で観察した際に、複数設けられた構成となっている。
基材1aは、二次電池用の電極材料として一般的に用いられるアルミニウム(Al)や銅(Cu)などの金属を用いることができる。
基材1aを二次電池用電極材料として使用する際は、基材1aは一般的に厚さが5〜50μm程度の箔状で使用される。なお、本実施形態に係る集電体の製造方法において、後記の圧延工程B4を実施する場合は、当該圧延工程B4の圧下率を考慮した厚さの基材1aを用いればよい。
基材1aは特定の組成のAlやCuなどに限定されるものではなく、電極に用いられる場合に、その電極の使用環境に適した各種の純金属やその合金を用いることができる。
(導電物質)
導電物質1bは、集電体1と活物質層2(図2参照)との間の接触抵抗を低減させるものであり、図1(a)、(b)に示すように、基材1aの表面に形成される窪みに配置されているとともに、基材1aの表面に島状に配置される。
ここで、導電物質1bが基材1aの窪みに配置されている状態とは、図1(a)、(b)に示すように、導電物質1bが窪みに充填されている状態であり、導電物質1bが窪みから突出していてもよく(図1(a)参照)、圧延や圧着を施すことで、導電物質1bが基材1aの平坦面に対し面一になっていてもよい(図1(b)参照)。
なお、導電物質1bは、基本的に基材1aの表面の平坦部に配置されておらず、基材1aの平坦部は露出している。ただし、平坦部は全領域が完全に露出している必要はなく、後記の被覆率を満たす範囲で導電物質1bが平坦部の一部に配置されていてもよい。
導電物質1bは、基材1aの窪みに配置されることにより、基材1aに対する導電物質1bの接触面積を増大させることができるため、基材1aに対する導電物質1bの密着性を向上させるとともに接触抵抗を低減させることができる。また、導電物質1bは、基材1aの窪みに積極的に充填されているので、導電物質1bが基材1a表面から突出する量を抑えることができ、集電体1が厚くなるのを回避することができる。
導電物質1bによる基材1aの表面の被覆率は、300μm四方、すなわち1辺300μmの略正方形の視野で観察した際に、1〜80%(被覆面積/観察視野面積×100)である。
導電物質1bによる被覆率が1%以上であると、二次電池の電極として用いる場合において、導電物質1bが配置されないAl箔のみのものと比較して、集電体1と、集電体1の表面に積層される活物質層2(図2参照)との間の接触抵抗を低減することができる。また、基材1aの表面の導電物質1bによる被覆率を80%以下とすることで、良好なタブ溶接性を確保することができる。
導電物質1bは、少なくとも前記した観察面積の単位で均等に基材1aの表面に配置されることが好ましい。十分小さい面積の領域内で導電物質1bが島状となるように配置したため、実用上均一な接触抵抗およびタブ溶接性が得られる。
ここで、基材1aの導電物質1bによる表面の被覆率は、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて、作製した試料の表面を撮影し、撮影した視野中に含まれる炭素等の導電物質1bによる基材表面の被覆面積を画像処理により算出して求めることができる。
導電物質1bとしては、炭素系材料を含んで構成されるものを用いることができる。炭素系の導電材料(炭素系材料)としては、天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛または各種のカーボンブラック或いはこれらの混合物を用いることができる。そして、導電物質1bの平均粒径は、0.01〜20μm、好ましくは、0.01〜1μmである。
なお、導電物質1bとしては、炭素系材料から構成されるものであることが好ましいが、炭素系材料を10質量%以上含んで構成されていればよく、後記する導電物質配置工程A2、B2で用いるバインダーが含まれてもよい。
[電極]
次に、図2を参照して、本実施形態に係る集電体1を用いたリチウムイオン二次電池の電極の構成について説明する。
図2に示した電極10は、本実施形態に係る集電体1と、集電体1の表面に積層された活物質層2とから構成される。なお、図2では、集電体1の片面にのみ活物質層2を積層させているが、基材1aの両面に導電物質1bを配置した集電体1の両面に活物質層2を積層させてもよい。
リチウムイオン二次電池の正電極を構成する場合は、集電体1(基材1a)としては、AlやAl合金等の金属を用いることができる。また、正極活物質としては、公知の材料、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn等のリチウム含有酸化物を使用することができる。正極の活物質層2の製造方法も特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、粉末状の前記したリチウム含有酸化物に、バインダーの他、必要に応じて導電材、溶剤等を添加して十分混練した後、集電体1に塗布し、乾燥し、プレスして製造することができる。
また、リチウムイオン二次電池の負電極を構成する場合は、集電体1(基材1a)としては、Cu、Cu合金、ニッケル(Ni)、Ni合金、ステンレス等の金属を用いることができる。また、負極活物質としては、例えば、黒鉛系炭素材料を用いることができ、正電極の活物質層2の製造方法と同様にして、製造することができる。
[二次電池]
次に、図3を参照(適宜図2参照)して、本実施形態に係る集電体1を備えた電極10を用いたリチウムイオン二次電池20の構成について説明する。
図3に示したリチウムイオン二次電池(二次電池)20は、本実施形態に係る集電体1を使用した電極10である正電極11および負電極12と、セパレータ13と、電解液14とを含んで構成される。正電極11と負電極12とは、セパレータ13によって分離されており、正電極11および負電極12とセパレータ13との間は、電解液14が充填されている。また、リチウムイオン二次電池20の全体は容器(不図示)に収納され、正電極11および負電極12は、それぞれ金属製のタブ(不図示)が溶接され、電極端子(不図示)と電気的に接続される。
正電極11および負電極12は、本実施形態に係る集電体1の表面に、それぞれ前記した正極活物質および負極活物質を含む活物質層2が形成されている。
また、セパレータ13および電解液14は、それぞれ公知の材料を用いて構成することができる。セパレータ13としては、例えば、厚さ20〜30μmのポリエチレン系のマイクロポーラスフィルムを用いることができる。また、電解液14としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの有機溶剤にLiPF、LiBFなどの電解質を溶かした非水系電解液を用いることができる。
次に、本実施形態に係る集電体の製造方法について説明する。
[製造方法]
金属箔からなる基材の表面に、導電物質が島状に配置された構造の集電体を作製するには、いくつかの製造方法を挙げることができる。これらの製造方法について、図4を参照して、順に説明する。
<集電体の製造方法A>
集電体の製造方法Aは、金属箔からなる基材の表面に複数の窪みを設け(窪み形成工程A1)、その窪みに導電物質を含む溶液を塗布することで導電物質を配置し(導電物質配置工程A2)、溶液を乾燥すること(乾燥工程A3)により集電体を製造する方法である(図4(a)参照)。
また、必要に応じて集電体に圧着を行うことで(圧着工程A4)、さらなる密着性の向上や接触抵抗の低減を図ることができる。
(窪み形成工程)
窪み形成工程A1とは、基材の表面に窪みを形成する工程であり、集電体の製造方法Aの場合、あらかじめ用意した複数の凸部を有する転写体を基材の表面に押し当てる(転写する)ことで、基材の表面に複数の窪みを形成する工程である。
なお、転写体の表面には凸部以外に平坦な部分が存在することにより、基材表面に平坦部を残す(形成する)ことができ、この平坦部の存在によりタブ溶接性を確保することができる。
窪み形成工程A1における詳細な窪み形成方法は、例えば、凸部を形成した板状またはシート状の転写体を基材とともにプレスすることにより、基材表面に複数の窪みを形成するという方法である。ここでのプレスについては、公知のプレス機を用いればよい。
また、ロール表面に凸部を形成したロール(ロール状の転写体)を備えるロールプレス機や圧延機により基材をプレスするといった方法でもよい。
窪み形成工程A1において用いる転写体の構造については、複数の凸部を有するものであれば特に限定されないが、前記した板形状、シート形状、円柱(ロール)形状の物体に、凸部として粒径を制御した粉体を固着させた構造であればよい。そして、転写体の材質についても、特に限定されないが、金属、プラスチック、紙、セラミックを用いればよい。
転写体の各凸部のサイズ、凸部の密度(個数/単位面積)、凸部の配置パターン等は適宜設計し決定することができる。
なお、凸部のサイズ(高さ)については、前記した窪みの平均深さと対応することから、窪みの平均深さが所定値(0.3〜3.0μm)となるように、凸部のサイズ(高さ)を決定すればよい。また、凸部のサイズ(凸部の面積)、および凸部の密度(個数/単位面積)については、前記した導電物質による基材の表面の被覆率と対応することから、被覆率が所定値(1〜80%)となるように、凸部のサイズ(凸部の面積)、および凸部の密度(個数/単位面積)を決定すればよい。
集電体の製造方法Aにおける窪み形成工程A1としては、前記方法以外にも、サンドペーパーなどの物理的方法、或いはエッチングなどの化学的で方法で粗面化することにより窪みを形成させた後、若干の圧延(軽圧下圧延)を施すことにより基材表面に平坦部を設けることで、窪みと平坦部との両方を形成させるという方法も存在する。
(導電物質配置工程)
導電物質配置工程A2は、窪み形成工程A1において形成した基材の表面の窪みに、導電物質を配置する工程である。
導電物質配置工程A2における詳細な導電物質配置方法は、例えば、導電物質を含む溶液を基材表面に塗布することにより、基材の表面の窪みに導電物質を充填するという方法である。
ここで、導電物質を含む溶液の基材表面への塗布には、一般に用いられているバーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ディップコーター、スプレーコーターなど各種コータによる塗布方法を用いることができる。そして、塗布直後に基材に設けた窪み以外に塗布された溶液を取り除く。例えば、バーコーターで溶液を塗布した場合は、塗布直後に鏡面仕上げした金属棒(SUS等)を用い、再度バーコーターをおこなう要領で、余分な溶液を取り除く。また、グラビアコーターなどのロールtoロール設備を用いて溶液を塗付する場合は、塗布厚をできるだけ薄くするとともに、塗布直後に金属箔より硬度が柔らかい材料でできたシート状の材料(好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、PET、テフロン(登録商標)等のプラスチック)を、基材に押し当て(装置に取り付けて)、余分な溶液を取り除く。
導電物質配置工程A2で用いる溶液は、含有する導電物質の平均粒径が0.01〜1μmであるとともに、導電物質の濃度が0.1〜10質量%であることが好ましい。
導電物質の平均粒径を1μm以下としたのは、基材表面に形成された窪みに適切に導電物質を導入することができるからである。また、導電物質の平均粒径を0.01μm以上としたのは、粒径が小さすぎるとかさ密度が大きくなり、溶媒に導電物質を混合するのが難しくなり、調合に時間が掛かりすぎ、生産性にかけるためである。
そして、導電物質の濃度を10質量%以下としたのは、溶液を塗布した後、基材の平坦部に付着した余分な塗布溶液を取り除く必要があるが、固形分が少ないほうが当該塗布溶液を取り除きやすく、仮に窪み以外の平坦部に溶液が残ったとしても、導電物質で被覆される面積を最小化できるためでる。また、導電物質の濃度を0.1質量%以上としたのは、接触抵抗の低下の効果を確保するためである。
導電物質配置工程A2で用いる導電物質としては、炭素系材料を用いることができる。具体的には、天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛や各種のカーボンブラックを用いることができる。より好ましくはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの各種カーボンブラックである。
導電物質配置工程A2で用いる溶媒としては、例えば、水、トルエン、N-メチルピロリドン、MEK、IPAなどのアルコール類、など、水系、有機溶媒系の各種溶媒を用いることができる。また、バインダーとして一般的に用いられている増粘剤やフッ素系樹脂など、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの各種樹脂を添加してもよい。
(乾燥工程)
乾燥工程A3は、塗布工程の後に、溶媒を蒸散させるための工程である。乾燥工程は、室温にて乾燥させるようにしてもよいし、必要に応じて熱処理炉などを用いた加熱乾燥を行うようにしてもよい。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、溶媒が蒸発しやすく(下限理由)、また金属箔強度を下げない温度(上限理由)である100〜170℃が好ましい。
なお、集電体を導電物質配置工程A2後に一定時間放置することで、溶媒が自然に蒸散する等の場合は、乾燥工程A3を設けなくてもよい。
(圧着工程)
必要に応じて、乾燥工程A3(または、導電物質配置工程A2)後に、集電体をプレスする(圧着工程A4)ことにより、導電物質と基材との密着性を向上させるとともに、接触抵抗を低減させることができる。さらに基材表面の窪み以外の部分(平坦部)に残った導電物質を基材に圧着させることができる。ここで、圧着の方法としては、各種圧延機やロールプレス機を用いることができる。
なお、本実施形態において、「圧着」とは、後記の集電体の製造方法Bにおける「圧延」とは異なり、基材の圧下率が実質的に0%である圧下を施すことをいう。
<集電体の製造工程B>
次に、集電体の製造方法Bについて、集電体の製造方法Aと異なる部分を中心に説明する。
集電体の製造方法Bは、金属箔からなる基材の表面を粗面化することで導電物質を含む溶液を導入する窪みを設け(窪み形成工程B1)、その窪みに導電物質を含む溶液を塗布することで導電物質を配置し(導電物質配置工程B2)、溶液を乾燥後(乾燥工程B3)、圧延を行うこと(圧延工程B4)により集電体を製造する方法である(図4(b)参照)。
(窪み形成工程)
窪み形成工程B1とは、集電体の製造方法Bの場合、金属箔からなる基材を粗面化し、導電物質を含む塗布溶液を導入する窪みを形成する工程である。
このように基材を粗面化し、複数の窪みを形成することで、基材と導電物質との接触面積を増やすことができ、接触抵抗のさらなる低減が可能となる。
窪み形成工程B1における粗面化の方法としては、機械的な方法、および化学的な方法がある。
機械的な方法としては、サンドペーパー、砥石、研磨剤等を用いて基材表面を粗面化する方法と、粗面化した板、或いは粗面化した円柱(ロール)を金属箔に押し当てることで、その粗面を金属箔に転写する方法がある。前者は手動で行うことができ、後者の方法はプレス機、圧着機、圧延機などで行えばよい。
化学的な方法としては、NaOH、KOH、フッ化アンモニウム等の化学薬品によるエッチングで基材表面を粗面化することができる。
(導電物質配置工程)
前記した窪み形成工程B1において、基材表面に窪みは形成されているが、平坦部は形成されていない。したがって、導電物質配置工程B2における導電物質配置方法は、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ディップコーター、スプレーコーターなど各種コータによって、基材の全面に溶液を塗布すればよく、塗布後における平坦部に付着した余分な溶液を取り除く作業は必須ではない。
導電物質配置工程B2で用いる溶液については、製造方法Aの導電物質配置工程A2で用いる溶液ほど厳格に制御する必要はなく、溶液に含まれる導電物質の平均粒径は0.01〜20μmであればよい。
導電物質配置工程B2で用いる導電物質としては、炭素系材料を用いることができる。具体的には、天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛や各種のカーボンブラックを用いることができる。また、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの各種カーボンブラックと天然または人造の結晶性グラファイト、膨張化黒鉛、人造黒鉛、熱分解黒鉛からなる黒鉛を混合して使用することもできる。
導電物質配置工程B2で用いる溶媒としては、導電物質配置工程A2で用いる溶媒と同じものを用いればよい。
(乾燥工程)
乾燥工程B3は、集電体の製造方法Aの乾燥工程A3と同じ方法で行えばよい。
(圧延工程)
乾燥工程B3(または、導電物質配置工程B2)の後に、集電体に圧延を施す(圧延工程B4)ことにより、基材表面に導電物質が配置されていない(または、ほとんど配置されていない)平坦な面が形成されることとなる。その結果、導電物質が基材表面に島状に被覆された集電体となる。
この圧延工程B4により、基材表面に導電物質の付着していない平坦部を形成することで、タブ溶接性を向上させることができるとともに、導電物質と基材の密着性が向上し、接触抵抗を低減することができる。
なお、圧延には公知の圧延機を使用すればよい。
前記のような製造方法により製造した集電体を、例えば、図2に示すようなリチウムイオン二次電池の電極10の集電体1として用いる場合、導電物質1bを基材表面に層状ではなく窪み部分に島状に形成することにより、集電体1全体を薄膜化することができ、その結果、集電体1の表面に積層される活物質層2の厚みが制約されず、電池の容量を低下させることがない。
次に、本実施形態の集電体について、本発明の要件を満たす実施例と、本発明の要件を満たさない比較例とを比較して説明する。
以下の方法により、試料を作製した。
(基材)
基材として、Al箔を用いる場合は、1000系のAl合金を使用した。また、基材として、Cu箔を用いる場合は、99.9%以上の純Cu箔を使用した。
なお、圧延を施していない試料および軽圧下(圧着)した試料は、厚さ15μmのAl箔、またはCu箔を用いた。また、圧延を施した試料は、圧延後の厚さが15μmとなるように、適宜、厚さの異なるAl箔、またはCu箔を用いた。
(導電物質)
導電物質として、平均粒径0.03μmのカーボンブラック(東海カーボン トーカブラック#5500)、および平均粒径6μm膨張化黒鉛(SECカーボン SNE−6G膨張化黒鉛)を用いた。なお、スラリー全体に占める導電物質の濃度は表1のとおりである。
(窪み形成工程)
試料No.1は、#800番のサンドペーパーをローラ(φ75mm)に貼り付け、そのローラをAl箔に押し付けることで、表1に示す平均深さの窪みを形成させた。
試料No.2は、#2400番のサンドペーパーをローラ(φ75mm)に貼り付け、そのローラをAl箔に押し付けることで、表1に示す平均深さの窪みを形成させた。
試料No.3は、Al箔を#400番のサンドペーパーで、サンディングすることで、表面を粗面化させた。
試料No.4は、Al箔に窪み形成工程を行わなかった。
試料No.5は、Al箔を#400番のサンドペーパーで、サンディングすることで、表面を粗面化させた。
試料No.6は、Al箔を#800番のサンドペーパーで、サンディングすることで、表面を粗面化させた。
試料No.7は、#800番のサンドペーパーをローラ(φ75mm)に貼り付け、そのローラをCu箔に押し付けることで、表1に示す平均深さの窪みを形成させた。
試料No.8は、Cu箔を#800番のサンドペーパーで、サンディングすることで、表面を粗面化させた。
試料No.9は、Cu箔を#800番のサンドペーパーで、サンディングすることで、表面を粗面化させた。
(導電物質配置工程:塗布工程)
塗布工程においては、導電物質を含む溶液(スラリー)の溶媒として水を用い、CMCナトリウム塩(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩)を1質量%の濃度で添加した。また、溶液の塗布は、バーコーター(番手No.5)を用いてAl箔、またはCu箔の表面に塗布した。なお、溶接性評価用の試料には、Al箔、またはCu箔の両面に前記溶液を塗布し、他の項目評価用の試料には、Al箔、またはCu箔の片面に前記溶液を塗布した。
そして、試料No.1、2及び7については、塗布直後に、鏡面仕上げした径7mmのバーでAl箔、またはCu箔上の余分なスラリーを取り除いた。
(乾燥工程)
導電物質を含む溶液をAl箔、またはCu箔の表面に塗布した後、オーブンにて110℃×2分の条件でAl箔、またはCu箔を保持して乾燥を行った。
(圧着工程、圧延工程)
試料No.3、5、6、8及び9については、圧延を施した。圧延は、ロール径φ100mmのスキンパスロールを用いて行った。
試料No.2、7については、圧着を施した。圧着は、前記した圧延と同じ装置を用いて行った。圧着の場合は、圧下率を0%(基材の厚さが変化しない)とした。
なお、圧下率は、圧延前および圧延後の試料(箔+導電物質)の厚みをマイクロメータを用いて測定し、式(1)により算出した。
(圧下率の算出)
圧下率は、圧延前の試料の厚さをt0、圧延後の試料の厚さをt1とすると、
(圧下率)=(t0−t1)/t0 × 100 (%)・・・式(1)
により算出した。
<評価方法>
(窪みの深さの評価)
Al箔、またはCu箔表面に形成された窪みの深さは、断面加工装置(日本電子製のクロスセクションポリッシャ(CP)SM−09010)を用いて試料断面を加工後、日立製作所製の電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)SU−70を用いて試料断面方向より倍率2000倍にて5視野観察し、撮影した視野中に含まれる全ての窪み(基準面は金属箔の平坦な部分)の窪み深さを求めた。
窪みが不明瞭の場合はその部分を最大3万倍まで拡大し、窪み深さを求めた。その時の最小深さ分解能は0.1μm程度であった。また各窪みの最大深さをその窪みの深さとし、得られた深さの平均を窪みの平均深さとした。
(被覆率の評価)
導電物質(炭素)の被覆率は、日立製作所製の電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)SU−70を用いて作製した試料の表面を倍率300倍にて撮影し、撮影した視野中(300μm四方の領域)に含まれる導電物質による基材表面の被覆面積を画像処理により算出して求めた。
(箔強度)
Al箔、またはCu箔を15mm×250mmの大きさにカットし、JIS B 7721に則った引っ張り試験機で、5mm/分の速度で試験を行い、引張強度を求めた。未処理Al箔の引張強度は200N/mmであったため、当該引張強度の87.5%以上となる175N/mm以上を良好(○)、それより小さい場合を不良(×)とした。また、未処理Cu箔の引張強度は411N/mmであったため、当該引張強度の87.5%以上となる360N/mm以上を良好(○)、それより小さい場合を不良(×)とした。なお、引張強度は最大引っ張り力と箔の断面積より算出した。
(密着性評価)
粘着力が1N/20mm(40mm幅×120mm長×0.08mm厚)のテープを貼り付けたローラ(径90mm、長さ50mm、質量700g)を、各条件で作製したAl箔、またはCu箔上を10cmころがし、その後、剥離した面積を見積もった(目算した)。剥離が全く無いときを極めて良好(○)、2割以下の剥離が観察されたときを良好(△)、それ以上の剥離が観察されたときを不良(×)とした。
(電池評価から求められる内部抵抗)
基材としてAl箔を用いた場合には、Al箔を集電体として用いた電池セルを作製し、その内部抵抗を測定することによって評価を行った。
導電物質(炭素)が配置された試料の表面(片面)に、コバルト酸リチウム、アセチレンブラックおよびPVdF(ポリフッ化ビニリデン)を混合したスラリーを厚さ25μmで塗工し、正極材を作製した。また、負極材として、Al箔の片面にグラファイトを厚み35μmにて塗工したものを用いた。
これらの正電極、負電極を用いて、宝泉社製のHSフラットセルを用いて電池セルを作製した。この電池セルについて、充放電レートが0.2Cの電流で、3サイクルのコンディショニング充放電処理を行った後に、0.2C〜10Cの複数の電流値にて放電試験を実施した。放電試験によって得られた各電流値の放電曲線において、容量1mAhを放電したときの電流値と電圧値との関係をプロットし、プロットして得られた直線の傾きに基づいて内部抵抗を算出した。
また、導電物質を有さない厚さ15μmのAl箔の基材のみを集電体として用いて、他の試料と同様に正電極を作製し、この正電極を用いて同様に電池セルを作製した。この電池セルについて、他の試料を用いた電池セルと同様に放電曲線を測定し、内部抵抗を算出した。そして、この基材のみの集電体を用いて作製した電池セルの内部抵抗と比較して、内部抵抗が低減するものを、内部抵抗の低減効果があると判定した。なお、基材であるAl箔のみを集電体として用いて作製した電池セルの内部抵抗は45Ωであった。
(接触抵抗の評価)
基材としてCu箔を用いた場合の抵抗低減効果については、以下のように測定を行った。
試料の両面を2枚のカーボンクロスで挟み、更にその外側を接触面積1cmの2枚の銅電極で挟み、この銅電極に1kgf(9.8N)の荷重をかけて加圧し、直流電流電源を用いて7.4mAの電流を通電し、カーボンクロス間に加わる電圧を電圧計で測定した。接触抵抗は、前記した電流値、接触面積および測定した電圧から算出して求めた。同様の測定を基材のみを用いて行い、基材のみの場合と比較して接触抵抗が低減するものを接触抵抗の低減効果があると判定した。なお、何ら表面処理を施さないCu箔のみの場合の接触抵抗は、98mΩ・cmであった。
(溶接性の評価1)
Al箔に対する溶接性の評価は、厚さ15μmのAl箔の両面に、導電物質(炭素)が形成された試料を10枚重ね、その上下(両端)に30μm厚のAl箔、及び250μmのAl板を配し、一定圧力を加えた状態で溶接を行い、8枚以上溶接されたものを良好(○)、7枚以下しか溶接されなかったものを不良(×)と判定した。
なお、溶接には、ソノボンド社製の超音波溶接機MH2026/CLF2500を用い、圧力0.28MPa、パワー400W、エネルギー20Jの条件で、通電時間70μ秒にて溶接を行った。
(溶接性の評価2)
Cu箔に対する溶接性の評価は、厚さ15μmのCu箔の両面に、導電物質(炭素)が形成された試料を10枚重ね、一定圧力を加えた状態で溶接を行い、8枚以上溶接されたものを良好(○)、7枚以下しか溶接されなかったものを不良(×)と判定した。
なお、溶接には、Yokodai.jp社製のスポット溶接機HSW−02Aを用い、電圧25V、通電時間500μ秒にて溶接を行った。
表1に、作製した試料の作製条件、特性評価結果の一覧を示す。また、表1において、本発明の規定する範囲外の数値、および特性評価が合格基準を満たさない数値に下線を付して示した。
なお、得られた試料は、いずれも、300μm四方の視野にて観察した際に、導電物質がAl箔、またはCu箔表面に島状に配置されていた。
Figure 0005325326
試料No.1〜3及び7、8は、本発明の規定する要件を満たすことから、箔強度、密着性、内部抵抗、溶接性の全てが、良好以上という結果となった。
試料No.4は、窪みが形成されていなかったため、密着性を得ることができなかった。また、試料No.4は、溶接性について良好という結果であったが、試料No.1〜3と比較すると、若干、劣る結果となった。
試料No.5は、比較的粗いサンドペーパーで粗面化しているが、粗面化後の圧延の圧下率が十分でなかったため、窪みの平均深さが本発明の規定する平均深さより深くなり、十分な箔強度を得ることができなかった。
試料No.6、9は、粗面化後の圧延の圧下率が十分でなかったため、金属箔の平坦部が十分に形成されず、導電物質の被覆率が本発明の規定する被覆率より高くなり、良好なタブ溶接性を得ることができなかった。
1 集電体(電極材料)
1a 基材
1b 導電物質
2 活物質層
10 電極
11 正電極(電極)
12 負電極(電極)
13 セパレータ
14 電解液
20 リチウムイオン二次電池(二次電池)

Claims (12)

  1. 金属箔からなる基材と、この基材の少なくとも一方の表面に配置された導電物質と、を備える集電体であって、
    前記基材の表面は、平坦部と複数の窪みとから構成され、
    前記窪みの平均深さが0.3μm以上3.0μm以下であり、
    前記窪みには前記導電物質が配置され、前記平坦部は露出し、
    300μm四方の視野にて観察した際に、前記導電物質が前記基材の表面に島状に配置されているとともに、前記導電物質による前記基材の表面の被覆率が1〜80%であることを特徴とする集電体
  2. 前記基材の表面の20%を超える部分は前記導電物質によって被覆されておらず、平坦部として露出していることを特徴とする請求項1に記載の集電体。
  3. 前記導電物質が前記基材の平坦部に対し面一となるように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集電体。
  4. 前記金属箔は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、または銅合金からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の集電体
  5. 前記導電物質は、炭素系材料を含んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の集電体
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の集電体を備える電極であって、
    前記集電体の表面に活物質層が設けられていることを特徴とする電極。
  7. 正電極と負電極とを備える二次電池であって、
    前記正電極および前記負電極のうち少なくとも一方が、請求項に記載の電極であることを特徴とする二次電池。
  8. 前記電極の前記集電体の表面にはタブが溶接されていることを特徴とする請求項7に記載の二次電池。
  9. 請求項7または請求項8に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記基材の表面に複数の前記窪みを形成する窪み形成工程と、
    形成された前記窪みに前記導電物質を配置する導電物質配置工程と、
    前記平坦部に配置された前記導電物質を取り除く導電物質除去工程と、を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
  10. 前記窪み形成工程は、複数の凸部を有する転写体を前記基材に押し当てることによって、前記基材の表面に複数の前記窪みを形成する工程であることを特徴とする請求項に記載の二次電池の製造方法。
  11. 前記導電物質除去工程の後に、前記窪みに前記導電物質が配置された前記基材をプレスすることにより、前記導電物質を前記窪みに圧着させる圧着工程を、さらに含むことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の二次電池の製造方法。
  12. 請求項7または請求項8に記載の二次電池の製造方法であって、
    記基材の表面を粗面化することによって、前記基材の表面に前記平坦部を形成せずに複数の前記窪みを形成する窪み形成工程と、
    形成された前記窪みに前記導電物質を配置する導電物質配置工程と、
    前記導電物質配置工程の後に、前記窪みに前記導電物質が配置された前記基材を圧延することにより前記平坦部を形成する圧延工程と、を含むことを特徴とする二次電池の製造方法。
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