JP4655461B2 - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電気光学装置の製造方法に関する。
従来より、電気光学装置の一つである液晶表示装置は、表示モニタ装置、投射型プロジェクタ装置等、広い分野で利用されている。そして、一般に、液晶表示装置は、複数の縦型炉等を利用したバッチ処理方式により製造されている。バッチ処理方式によれば、各工程に対応した縦型炉が用意され、各工程の順番に応じて各縦型炉内において複数の基板がボートに載置されて処理されるので、例えば成膜処理を1度に複数枚の基板に対して行えるという利点がある。
特に、液晶表示装置には、画素電極の電圧保持時間を長くするために蓄積容量部が設けられている。その蓄積容量部の形成処理では、リン(P)またはボロン(B)がドープされたポリシリコンであるドープトポリシリコン(以下、Dポリシリコンという)膜の形成、絶縁膜の形成、そして、Dポリシリコン膜の形成の処理が行なれる。この蓄積容量部の形成は、バッチ処理、例えば、縦型炉内に複数枚の基板を置いて減圧(Low Pressure)CVD(以下、LPCVDという)を用いた処理によって行われる。その場合、まず、アモルファス状態でリン(P)とシリコン(Si)の混合した膜を数時間かけて成膜した後に、アニール処理を行うことによって、その膜をアモルファス状態から結晶状態にして、リンがドープされたDポリシリコン膜を形成する。次に、そのDポリシリコン膜の上に、HTO(High Temperature oxide)膜を数時間かけて形成する。さらに、HTO膜の上に、窒化シリコン(SiN)のシリコン窒化膜の形成を数時間かけて行う。最後に、再び、アモルファス状態でリンとシリコンの混合した膜を数時間かけて成膜した後に、アニール処理を行うことによってDポリシリコン膜を形成する(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-147447号公報
しかし、バッチ処理では、縦型炉内に設けられた複数枚の基板に対して一度に成膜処理が施され得るという利点があるものの、各基板の両面に成膜処理が施されてしまうので、蓄積容量部の全ての膜の成膜後、成膜が不必要な裏面に形成された各膜を除去する処理が必要であった。その場合、裏面のDポリシリコン膜はドライエッチングによって除去し、HTO膜及シリコン窒化膜はウエットエッチングによって除去するために、基板表面へのフォトマスク用のレジスト形成工程と、その後それぞれのエッチングによって各膜及びレジストを除去するという剥離工程が必要であった。従って、蓄積容量部の形成には、非常に長い時間が必要であった。
また、従来の高温ポリシリコンを用いたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)型の液晶表示装置における蓄積容量部を、上述したようなバッチ処理によって製造する場合、基板表面における不純物であるリンの濃度の不均一性を排除するために、Dポリシリコン膜を550℃以上の温度で成膜することができなかった。すなわち、550℃以上の温度で、多結晶状態のシリコンを直接堆積させて成膜するのではなく、成膜時の温度が例えば540℃以下で、アモルファスのリンとシリコンの混合した膜を形成し、その後アニール処理によって多結晶化していたので、時間が掛かっていた。
そこで、本発明は、電気光学装置における容量部を短時間でかつ不純物を均一に形成するための電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電気光学装置の製造方法は、基板上に、画素スイッチング用の薄膜トランジスター、該薄膜トランジスターに電気的に接続された画素電極、及び該画素電極と電気的に並列に接続された容量部が形成された電気光学装置の製造方法であって、前記基板を少なくとも含んだウエハごとに該ウエハの表裏両面のうちの表面のみに成膜を行う枚葉処理により、前記容量部の電極となるポリシリコン膜を多結晶状態で成膜することを特徴とする。
このような構成によれば、電気光学装置における容量部を短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、前記ポリシリコン膜は、不純物がドープされたポリシリコン膜であることが望ましい。
このような構成によれば、不純物がドープされたポリシリコン膜を、短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、前記電気光学装置は、液晶表示装置であって、前記容量部は、前記液晶表示装置の各画素電極に設けられた蓄積容量であることが望ましい。
このような構成によれば、液晶表示装置の蓄積容量を、短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、前記ポリシリコン膜の成膜は、550℃以上で行われることが望ましい。
このような構成によれば、多結晶化したポリシリコン膜を、短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、前記ポリシリコン膜の成膜は、100torr以上で行われることが望ましい。
このような構成によれば、気相中の反応が活発になり、より成膜が多結晶状態において不純物濃度を均一にすることができる。
本発明の光学装置の製造方法は、電気光学装置における容量部の電極となるポリシリコン膜の成膜を、枚葉処理によって行う。
このような構成によれば、電気光学装置における容量部を短時間で形成することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法において、前記ポリシリコン膜の成膜は、アモルファス状態でシリコン膜を堆積した後に、結晶化することによって行うことが望ましい。
このような構成によっても、電気光学装置における容量部を短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法において、前記ポリシリコン膜の成膜は、多結晶状態で成膜することが望ましい。
このような構成によれば、電気光学装置における容量部を短時間でかつ不純物を均一に形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施の形態における電気光学装置用基板である液晶装置用基板を用いて構成した電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図である。図2は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図1のH−H'線の位置で切断して示す断面図である。図3は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図4は液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図である。また、図5は本実施の形態のTFT基板上に形成する隣接した複数の画素について各層の成膜パターンを示す平面図である。図6は図5中の要部の成膜パターンを示す平面図である。図7及び図8は液晶装置用基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図である。図9は、各成膜層の製造方法を示すフローチャートである。図10は、図9のステップ10における各ステップの処理を行う枚葉処理装置から構成される製造装置を説明するための図である。なお、上記各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
先ず、図1乃至図4を参照して本実施の形態の電気光学装置用基板である液晶装置用基板を用いて構成した液晶装置の全体構成について説明する。
液晶装置は、図1及び図2に示すように、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなるTFT基板10と、これに対向配置される、例えばガラス基板や石英基板からなる対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。対向配置されたTFT基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
TFT基板10上には画素を構成する画素電極(ITO)9a等がマトリクス状に配置される。また、対向基板20上には全面に対向電極(ITO)21が設けられる。TFT基板10の画素電極9a上には、ラビング処理が施された配向膜16が設けられている。一方、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上にも、ラビング処理が施された配向膜22が設けられている。各配向膜16,22は、例えば、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
図3は画素を構成するTFT基板10上の素子の等価回路を示している。図3に示すように、画素領域においては、複数本の走査線11aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線11aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線11aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
TFT30は走査線11aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
図4は一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図であり、図5及び図6は各層の成膜パターンを示す平面図である。なお、図4は図5のA−A’線断面図である。
図5において、画素電極9aは、TFT基板10上に、マトリクス状に複数設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線11aが設けられている。データ線6aは、後述するように、アルミニウム膜等を含む積層構造からなり、走査線11aは、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる。また、走査線11aは、半導体層1aのうち図中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するゲート電極3aに電気的に接続されている。すなわち、走査線11aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、走査線11aに接続されたゲート電極3aとチャネル領域1a’とが対向配置されて画素スイッチング用のTFT30が構成されている。
TFT基板10上には、TFT30や画素電極9aの他、これらを含む各種の構成が積層構造をなして備えられている。この積層構造は、図4に示すように、下から順に、走査線11aを含む第1層(成膜層)、ゲート電極3aを含むTFT30等を含む第2層、蓄積容量70を含む第3層、データ線6a等を含む第4層、シールド層400等を含む第5層、画素電極9a及び配向膜16等を含む第6層(最上層)からなる。また、第1層及び第2層間には下地絶縁膜12が、第2層及び第3層間には第1層間絶縁膜41が、第3層及び第4層間には第2層間絶縁膜42が、第4層及び第5層間には第3層間絶縁膜43が、第5層及び第6層間には第4層間絶縁膜44が、それぞれ設けられており、前述の各要素間が短絡することを防止している。また、これら各種の絶縁膜12、41、42、43及び44には、例えば、TFT30の半導体層1a中の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール等もまた設けられている。以下では、これらの各要素について、下から順に説明を行う。
第1層には、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いは導電性ポリシリコン等からなる走査線11aが設けられている。この走査線11aは、平面的には、図5のX方向に沿うように、ストライプ状にパターニングされていると共に、データ線6aに沿って図5のY方向に延びる突出部を有している。なお、隣接する走査線11aから延びる突出部は相互に接続されることはなく、したがって、該走査線11aは1本1本分断されている。
これにより、走査線11aは、同一行に存在するTFT30のON・OFFを一斉に制御する機能を有することになる。また、走査線11aは、画素電極9aが形成されない領域を略埋めるように形成されていることから、TFT30に下側から入射しようとする光を遮る機能をも有している。これにより、TFT30の半導体層1aにおける光リーク電流の発生を抑制し、フリッカ等のない高品質な画像表示が可能となる。
第2層には、ゲート電極3aを含むTFT30が設けられている。TFT30は、図4に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、上述したゲート電極3a、例えばポリシリコン膜からなりゲート電極3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、ゲート電極3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
そして、この第2層には、上述のゲート電極3aと同一膜として中継電極719が形成されている。この中継電極719は、平面的に見て、図5に示すように、各画素電極9aの一辺の略中央に位置するように、島状に形成されている。中継電極719とゲート電極3aとは同一膜として形成されているから、後者が例えば導電性ポリシリコン膜等からなる場合においては、前者もまた、導電性ポリシリコン膜等からなる。
なお、上述のTFT30は、好ましくは図4に示したようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造をもってよいし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また、本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート、あるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。さらに、TFT30を構成する半導体層1aは非単結晶層でも単結晶層でも構わない。単結晶層の形成には、貼り合わせ法等の公知の方法を用いることができる。半導体層1aを単結晶層とすることで、特に周辺回路の高性能化を図ることができる。
以上説明した走査線11aの上、かつ、TFT30の下には、例えばシリコン酸化膜等からなる下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、走査線11aとTFT30とを絶縁する機能のほか、TFT基板10の全面に形成されることにより、TFT基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等による画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
この下地絶縁膜12には、平面的にみて半導体層1aの両脇に、後述するデータ線6aに沿って延びる半導体層1aのチャネル長と同じ幅の溝(コンタクトホール)12cvが掘られており、この溝12cvに対応して、その上方に積層されるゲート電極3aは下側に凹状に形成された部分を含んでいる。また、この溝12cv全体を埋めるようにして、ゲート電極3aが形成されていることにより、該ゲート電極3aには、これと一体的に形成された側壁部3bが延設されるようになっている。これにより、TFT30の半導体層1aは、図5によく示されているように、平面的にみて側方から覆われるようになっており、少なくともこの部分からの光の入射が抑制されるようになっている。
また、この側壁部3bは、溝12cvを埋めるように、且つ、その下端が走査線11aと接するように形成されている。従って、同一行の走査線11aとゲート電極3aとは、同電位となる。なお、走査線11aに平行するようにして、ゲート電極3aを含む別の走査線を形成するような構造を採用してもよい。この場合においては、該走査線11aと該別の走査線とは、冗長的な配線構造をとることになる。これにより、例えば、該走査線11aの一部に何らかの欠陥があって、正常な通電が不可能となったような場合においても、当該走査線11aと同一の行に存在する別の走査線が健全である限り、それを介してTFT30の動作制御を依然正常に行うことができることになる。
第3層には、容量部である蓄積容量70が設けられている。蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部電極71と、固定電位側容量電極としての容量電極300とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。この蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性を顕著に高めることが可能となる。また、蓄積容量70は、図5の平面図に示すように、画素電極9aの形成領域にほぼ対応する光透過領域には至らないように形成されているため(換言すれば、遮光領域内に収まるように形成されているため)、電気光学装置全体の画素開口率は比較的大きく維持され、これにより、より明るい画像を表示することが可能である。
より詳細には、容量部の電極である下部電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。なお、下部電極71は、金属又は合金を含む単一層膜又は多層膜から構成してもよい。また、この下部電極71は、画素電位側容量電極としての機能のほか、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能をもつ。この中継接続は、後述するように、前記中継電極719を介して行われている。
容量部の電極である容量電極300は、蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。容量電極300を固定電位とするためには、固定電位とされた後述するシールド層400と電気的接続が図られることによりなされている。
そして、この容量電極300は、TFT基板10上において、各画素に対応するように島状に形成されており、下部電極71は、当該容量電極300とほぼ同一形状を有するように形成されている。これにより、蓄積容量70は、平面的に無駄な広がりを有さず、即ち画素開口率を低落させることなく、且つ、当該状況下で最大限の容量値を実現し得ることになる。すなわち、蓄積容量70は、より小面積で、より大きな容量値をもつ。
誘電体膜75は、図4に示すように、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO(High Temperature oxide)膜、LTO(Low Temperature oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄いほどよい。そして、この誘電体膜75は、図4に示すように、下層に酸化シリコン膜75a、上層に窒化シリコン膜75bからなる2層構造を有する。比較的誘電率の大きい窒化シリコン膜75bが存在することにより、蓄積容量70の容量値を増大させることが可能となると共に、酸化シリコン膜75aが存在することにより、蓄積容量70の耐圧性を低下せしめることがない。このように、誘電体膜75を2層構造とすることにより、相反する2つの作用効果を享受することが可能となる。
また、窒化シリコン膜75bが存在することにより、TFT30に対する水の浸入を未然に防止することが可能となっている。これにより、TFT30におけるスレッショルド電圧の上昇という事態を招来することがなく、比較的長期の装置運用が可能となる。なお、本実施の形態では、誘電体膜75は、2層構造を有するものとなっているが、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜等というような3層構造や、あるいはそれ以上の積層構造を有するように構成してもよい。
この第3層の形成は、枚葉処理によって行われるが、その工程については、図7から図10を用いて後述する。
以上説明したTFT30ないしゲート電極3a及び中継電極719の上、かつ、蓄積容量70の下には、例えば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはNSGからなる第1層間絶縁膜41が形成されている。そして、この第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ソース領域1dと後述するデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が、後述する第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。また、第1層間絶縁膜41には、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと蓄積容量70を構成する下部電極71とを電気的に接続するコンタクトホール83が開孔されている。
さらに、この第1層間絶縁膜41には、蓄積容量70を構成する画素電位側容量電極としての下部電極71と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール881が開孔されている。更に加えて、第1層間絶縁膜41には、中継電極719と後述する第2中継電極6a2とを電気的に接続するコンタクトホール882が、後述する第2層間絶縁膜42を貫通しつつ開孔されている。
図4に示すように、コンタクトホール882は、蓄積容量70以外の領域に形成されており、下部電極71を一旦下層の中継電極719に迂回させてコンタクトホール882を介して上層に引き出していることから、下部電極71を上層の画素電極9aに接続する場合でも、下部電極71を誘電体膜75及び容量電極300よりも広く形成する必要がない。従って、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300を1エッチング工程で同時にパターニングすることができる。これにより、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300の各エッチングレートの制御が容易となり、膜厚等の設計の自由度を増大させることが可能である。
また、誘電体膜75は下部電極71及び容量電極300と同一形状に形成され広がりを有していないことから、TFT30の半導体層1aに対する水素化処理を行うような場合において、該処理に用いる水素を、蓄積容量70周辺の開口部を通じて半導体層1aにまで容易に到達させることが可能となるという作用効果を得ることも可能となる。
なお、第1層間絶縁膜41に対しては、約1000°Cの焼成を行うことにより、半導体層1aやゲート電極3aを構成するポリシリコン膜に注入したイオンの活性化を図ってもよい。
第4層には、データ線6aが設けられている。このデータ線6aは、TFT30の半導体層1aの延在する方向に一致するように、すなわち図5中Y方向に重なるようにストライプ状に形成されている。このデータ線6aは、図4に示すように、下層より順に、アルミニウムからなる層(図4における符号41A)、窒化チタンからなる層(図4における符号41TN参照)、窒化シリコン膜からなる層(図4における符号401)の三層構造を有する膜として形成されている。窒化シリコン膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターンニングされている。このうちデータ線6aが、比較的低抵抗な材料たるアルミニウムを含むことにより、TFT30、画素電極9aに対する画像信号の供給を滞りなく実現することができる。他方、データ線6a上に水分の浸入をせき止める作用に比較的優れた窒化シリコン膜が形成されることにより、TFT30の耐湿性向上を図ることができ、その寿命長期化を実現することができる。窒化シリコン膜は、プラズマ窒化シリコン膜が望ましい。
また、この第4層には、データ線6aと同一膜として、シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2が形成されている。これらは、図5に示すように、平面的に見ると、データ線6aと連続した平面形状を有するように形成されているのではなく、各者間はパターニング上分断されるように形成されている。すなわち、図5中最左方に位置するデータ線6aに着目すると、その直右方に略四辺形状を有するシールド層用中継層6a1、更にその右方にシールド層用中継層6a1よりも若干大きめの面積をもつ略四辺形状を有する第2中継電極6a2が形成されている。シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2は、データ線6aと同一工程で、下層より順に、アルミニウムからなる層、窒化チタンからなる層、プラズマ窒化膜からなる層の三層構造を有する膜として形成されている。そして、プラズマ窒化膜は、その下層のアルミニウム層と窒化チタン層を覆うように少し大きなサイズにパターンニングされている。窒化チタン層は、シールド層用中継層6a1、第2中継電極6a2に対して形成するコンタクトホール803,804のエッチングの突き抜け防止のためのバリアメタルとして機能する。また、シールド層用中継層6a1及び第2中継電極6a2上に、水分の浸入をせき止める作用に比較的優れたプラズマ窒化膜が形成されることにより、TFT30の耐湿性向上を図ることができ、その寿命長期化を実現することができる。尚、プラズマ窒化膜としては、プラズマ窒化シリコン膜が望ましい。
蓄積容量70の上、かつ、データ線6aの下には、例えばNSG、PSG,BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法によって形成された第2層間絶縁膜42が形成されている。この第2層間絶縁膜42には、TFT30の高濃度ソース領域1dとデータ線6aとを電気的に接続するコンタクトホール81が開孔されているとともに、前記シールド層用中継層6a1と蓄積容量70の上部電極たる容量電極300とを電気的に接続するコンタクトホール801が開孔されている。さらに、第2層間絶縁膜42には、第2中継電極6a2と中継電極719とを電気的に接続するためのコンタクトホール882が形成されている。
第5層には、シールド層400が形成されている。このシールド層400は、平面的にみると、図5及び図6に示すように、図中X方向及びY方向それぞれに延在するように、格子状に形成されている。該シールド層400のうち図中Y方向に延在する部分については特に、データ線6aを覆うように、且つ、該データ線6aよりも幅広に形成されている。また、図中X方向に延在する部分については、後述の第3中継電極402を形成する領域を確保するために、各画素電極9aの一辺の中央付近に切り欠き部を有している。
さらには、図5又は図6中、XY方向それぞれに延在するシールド層400の交差部分の隅部においては、該隅部を埋めるようにして、略三角形状の部分が設けられている。シールド層400に、この略三角形状の部分が設けられていることにより、TFT30の半導体層1aに対する光の遮蔽を効果的に行うことができる。すなわち、半導体層1aに対して、斜め上から進入しようとする光は、この三角形状の部分で反射又は吸収されることになり半導体層1aには至らないことになる。したがって、光リーク電流の発生を抑制して、フリッカ等のない高品質な画像を表示することが可能となる。
このシールド層400は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されることで、固定電位とされている。なお、定電位源としては、後述するデータ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位源でも構わない。
このように、データ線6aの全体を覆うように形成されているとともに(図7参照)、固定電位とされたシールド層400の存在によれば、該データ線6a及び画素電極9a間に生じる容量カップリングの影響を排除することが可能となる。すなわち、データ線6aへの通電に応じて、画素電極9aの電位が変動するという事態を未然に回避することが可能となり、画像上に該データ線6aに沿った表示ムラ等を発生させる可能性を低減することができる。シールド層400は格子状に形成されていることから、走査線11aが延在する部分についても無用な容量カップリングが生じないように、これを抑制することが可能となっている。
また、第5層には、このようなシールド層400と同一膜として、中継層としての第3中継電極402が形成されている。この第3中継電極402は、後述のコンタクトホール89を介して、第2中継電極6a2及び画素電極9a間の電気的接続を中継する機能を有する。なお、これらシールド層400及び第3中継電極402間は、平面形状的に連続して形成されているのではなく、両者間はパターニング上分断されるように形成されている。
他方、上述のシールド層400及び第3中継電極402は、下層にアルミニウムからなる層、上層に窒化チタンからなる層の2層構造を有している。また、第3中継電極402において、下層のアルミニウムからなる層は、第2中継電極6a2と接続され、上層の窒化チタンからなる層は、ITO等からなる画素電極9aと接続されるようになっている。アルミニウムとITOとを直接に接続した場合には、両者間において電蝕が生じてしまい、アルミニウムの断線、あるいはアルミナの形成による絶縁等のため、好ましい電気的接続が実現されない。これに対し、窒化チタンとITOとが接続されていることから、コンタクト抵抗が低く良好な接続性が得られる。
このように、第3中継電極402と画素電極9aとの電気的接続を良好に実現することができることにより、該画素電極9aに対する電圧印加、あるいは該画素電極9aにおける電位保持特性を良好に維持することが可能となる。
さらには、シールド層400及び第3中継電極402は、光反射性能に比較的優れたアルミニウムを含み、且つ、光吸収性能に比較的優れた窒化チタンを含むことから、遮光層として機能し得る。すなわち、これらによれば、TFT30の半導体層1aに対する入射光(図4参照)の進行を、その上側でさえぎることが可能である。なお、このような遮光機能は、上述した容量電極300及びデータ線6aについても同様にいえる。これらシールド層400、第3中継電極402、容量電極300及びデータ線6aが、TFT基板10上に構築される積層構造の一部をなしつつ、TFT30に対する上側からの光入射を遮る上側遮光膜として機能する。
データ線6aの上、かつ、シールド層400の下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくは、TEOSガスを用いたプラズマCVD法で形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。この第3層間絶縁膜43には、シールド層400とシールド層用中継層6a1とを電気的に接続するためのコンタクトホール803、及び、第3中継電極402と第2中継電極6a2とを電気的に接続するためのコンタクトホール804がそれぞれ開孔されている。
なお、第2層間絶縁膜42に対しては、第1層間絶縁膜41に関して上述した焼成を行わないことにより、容量電極300の界面付近に生じるストレスの緩和を図るようにしてもよい。
第6層には、上述したように画素電極9aがマトリクス状に形成され、該画素電極9a上に配向膜16が形成されている。そして、この画素電極9a下には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等、あるいは好ましくはTEOSガスを用いたプラズマCVD法にて成膜されるプラズマTEOSからなる第4層間絶縁膜44が形成されている。この第4層間絶縁膜44には、画素電極9a及び第3中継電極402間を電気的に接続するためのコンタクトホール89が開孔されている。
第3及び第4層間絶縁膜43,44の表面は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等により平坦化されている。平坦化された層間絶縁膜43,44の下方に存在する各種配線や素子等による段差に起因する液晶層50の配向不良が低減される。ただし、このように第3,第4層間絶縁膜43,44に平坦化処理を施すのに代えて、又は加えて、TFT基板10、下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜43のうち少なくとも一つに溝を掘って、データ線6a等の配線やTFT30等を埋め込むことにより、平坦化処理を行ってもよい。
また、蓄積容量70は、下から順に画素電位側容量電極、誘電体膜及び固定電位側容量電極という3層構造を構成していたが、これとは逆の構造を構成するようにしてもよい。
また、図1及び図2に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜53が設けられている。対向基板20の全面には、上述したように、ITO等の透明導電性膜が対向電極21として形成され、更に、対向電極21の全面にはポリイミド系の配向膜22が形成される。配向膜22は、液晶分子に所定のプレティルト角を付与するように、所定方向にラビング処理されている。
遮光膜53の外側の領域には液晶を封入するシール材52が、TFT基板10と対向基板20間に形成されている。シール材52は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、TFT基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材52は、TFT基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口108が形成される。液晶注入口108より液晶が注入された後、液晶注入口108を封止材109で封止するようになっている。
シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路との接続のための外部接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に隣接する二辺に沿って、走査線11a及びゲート電極3aに走査信号を所定のタイミングで供給することによりゲート電極3aを駆動する走査線駆動回路104が設けられている。走査線駆動回路104は、シール材52の内側の遮光膜53に対向する位置においてTFT基板10上に形成される。また、TFT基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、遮光膜53の3辺に対向して設けられている。
上下導通端子107は、シール材52のコーナー部の4箇所のTFT基板10上に形成される。そして、TFT基板10と対向基板20相互間には、下端が上下導通端子107に接触し、上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられており、上下導通材106によって、TFT基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
各構成要素の立体的−平面的なレイアウトについても、本発明は、上記実施形態のような形態に限定されるものではなく、別の種々の形態が考えられ得る。
次に、本実施形態に係る液晶装置の製造方法を図7乃至図10を参照して説明する。図7及び図8は画素領域における製造工程を工程順に示し、図9は各成膜層の製造方法を示している。
まず、図7の工程(1)に示すように、石英基板、ガラス、シリコン基板等の基板であるTFT基板10を用意する(図9のステップS1 )。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気で約900〜1300℃での高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスでTFT基板10に生じる歪が少なくなるように前処理しておく。
次に、このように処理されたTFT基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは200nmの膜厚に堆積させる。そして、金属合金膜をフォトリソグラフィ及びエッチングによりパターニングして、平面形状がストライプ状の走査線11aを形成する(ステップS2 )。
次に、走査線11a上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG (ボロンリンシリケートガラス)等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する(ステップS3 )。この下地絶縁膜12の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。
次のステップS4においては、半導体層1aが形成される。即ち、先ず、下地絶縁膜12上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いたLPCVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)によってアモルファスシリコン膜が形成される。次に、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは4〜6時間の熱処理を施すことにより、p−Si(ポリシリコン)膜を約50〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さとなるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTAを使ったアニール処理でもよいし、エキシマレーザ等を用いたレーザアニールでもよい。この際、画素スイッチング用のTFT30を、nチャネル型とするかpチャネル型とするかに応じて、V族元素やIII族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしてもよい。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを有する半導体層1aを形成する。
次に、ステップS5においては、図7の工程(2)に示すように、TFT30を構成する半導体層1aを約900〜1300°Cの温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、場合により、これに続けて減圧CVD法等により上層ゲート絶緑膜を形成することにより、1層又は多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる(ゲート絶縁膜を含む)絶縁膜2を形成する。この結果、半導体層1aは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
次に、画素スイッチング用のTFT30のスレッシュホールド電圧Vthを制御するために、半導体層1aのうちnチャネル領域あるいはpチャネル領域に、ボロン等のドーパントを予め設定された所定量だけイオン注入等によりドープする。
次に、下地絶縁膜12に対して、走査線11aに通ずる溝12cvを形成する。この溝12cvは、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。
次に、図7の工程(3)に示すように、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散して、このポリシリコン膜を導電化する。この熱拡散に代えて、Pイオンをポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープドシリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約350nm程度である。次に、ステップ6において、バッチ処理によって基板の裏面に形成されたポリシリコン膜が除去される。
そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、TFT30のゲート電極部を含めて所定のパターンのゲート電極3aを形成する(ステップS7)。このゲート電極3a形成時において、これに延設される側壁部3bもまた同時に形成される。この側壁部3bは、前述のポリシリコン膜の堆積が溝12cvの内部に対しても行われることで形成される。この際、該溝12cvの底が走査線11aに接していることにより、側壁部3b及び走査線11aは電気的に接続されることになる。更に、このゲート電極3aのパターニング時、これと同時に、中継電極719もまた形成される。このパターニングにより、中継電極719は、図5に示すような平面形状を有するように成形される。
次に、前記半導体層1aについて、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、並びに、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成する。
ここでは、TFT30をLDD構造をもつnチャネル型のTFTとする場合を説明すると、具体的にまず、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成するために、ゲート電極3aをマスクとして、P等のV族元素のドーパンを低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドーズ量にて)ドープする。これによりゲート電極3a下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。このときゲート電極3aがマスクの役割を果たすことによって、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cは自己整合的に形成されることになる。次に、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、ゲート電極3aよりも幅の広い平面パターンを有するレジスト層をゲート電極3a上に形成する。その後、P等のV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cmのドーズ量にて)ドープする。
なお、このように低濃度と高濃度の2段階に分けて、ドープを行わなくてもよい。例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、ゲート電極3a(ゲート電極)をマスクとして、Pイオン・Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより、ゲート電極3aは更に低抵抗化される。
次に、図7の工程(4)に示すように、ゲート電極3a上に、例えば、TEOSガス、TEBガス、TMOPガス等を用いた常圧又は減圧CVD法等により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜41を形成する(ステップS8)。この第1層間絶縁膜41の膜厚は、例えば約500〜2000nm程度とする。ここで好ましくは、800°C程度の高温でアニール処理し、第1層間絶縁膜41の膜質を向上させておく。
次に、ステップS9において、第1層間絶縁膜41に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール83及びコンタクトホール881を形成するように、第1層間絶縁膜41を開孔するように除去する。この際、前者は半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eに通ずるように、後者は中継電極719へ通ずるように、それぞれ形成される。
次に、ステップS10においては、図8の工程(5)に示すように、容量部である蓄積容量70を形成する。まず、ステップS10aにおいて、LPCVDにより、不純物としてリン(P)がドープされるリンドープトポリシリコンの下部電極71を形成する。ステップS10aにおける下部電極71の成膜は、TFT基板10の表面にのみ成膜が行われる枚葉処理装置によって行われる。そのLPCVDの条件としては、例えば、モノシラン(SiH4)が100cc/min、ホスフィン(PH3)が40cc/minで、温度が620℃で、圧力が275torr(トル)である。下部電極71の膜厚は、例えば、150nm(1500オングストローム)である。第1層間絶縁膜41上に、LPCVDにより、所定パターンをもつリンドープトポリシリコンの下部電極71が形成されるが、この場合の下部電極71の成膜は、コンタクトホール83及びコンタクトホール881の両者が埋められるように行われ、これにより、高濃度ドレイン領域1e及び中継電極719と下部電極71との電気的接続が図られる。
ステップS10bにおいて、HTO膜75aがLPCVDにより形成される。ステップS10bにおけるHTO膜75aの成膜も、TFT基板10の表面にのみ成膜が行われる枚葉処理装置によって行われる。そのLPCVDの条件としては、例えば、モノシラン(SiH4)が5cc/min、酸化窒素(N2O)が500cc/minで、温度が800℃で、圧力が200torrである。HTO膜75aの膜厚は、例えば、500nm(50オングストローム)である。
ステップS10cにおいて、シリコン窒化膜75bがLPCVDにより形成される。ステップS10cにおけるシリコン窒化膜75bの成膜も、枚葉処理装置によって行われる。そのLPCVDの条件としては、例えば、モノシラン(SiH4)が40cc/min、アンモニア(NH3)が500cc/minで、温度が800℃で、圧力が275torrである。シリコン窒化膜75bの膜厚は、例えば、15nm(150オングストローム)である。
ステップS10dにおいて、LPCVDにより、不純物としてリン(P)がドープされるリンドープトポリシリコンの容量電極300を形成する。ステップS10dにおける容量電極300の成膜も、枚葉処理装置によって行われる。容量電極300の形成は、下部電極71と同じであり、そのLPCVDの条件としては、例えば、モノシラン(SiH4)が100cc/min、ホスフィン(PH3)が40cc/minで、温度が620℃で、圧力が275torrである。下部電極71の膜厚は、例えば、150nm(1500オングストローム)である。
なお、下部電極71と容量電極300のポリシリコン膜は、不純物としてのリン(P)を、1e20atoms/cm以上有しており、下部電極71と容量電極300のポリシリコン膜の膜厚方向において、不純物であるリンの濃度が、1e20atoms/cm以上で、均一に堆積される。
図10は、ステップ10における各ステップ10a、10b、10c、10dの処理を行う枚葉処理装置から構成される製造装置を説明するための図である。ステップ10における各ステップ10aから10dの各処理は、上述したように、図10に示す各枚葉処理装置1022a、1022b、1022cにより行われ、各枚葉処理装置では、TFT基板10を含むウエハ1002を個々にハンドリングし処理が行われる。図10において、大気下にある室(以下、大気室という)1011から、真空下の室(以下、真空室という)1012へウエハ1002を搬送するための搬送ロボット1003は、前工程において処理されたウエハ1002が収納されているカセット1001から、ウエハ1002を取出し、アライナー装置1004に移動する。搬送ロボット1003のアーム部1003aが、アライナー装置1004にウエハ1002を載置すると、アライナー装置1004では、ウエハ1002の位置及び向きを、予め決められた位置及び向きに修正する。アライナー装置1004においてウエハ1002の位置と向きが修正された後、搬送ロボット制御装置1006による制御の下、搬送ロボット1003が、真空室1012のロードロック1021の予め決められた目標位置に予め決められた目標向きでウエハ1002を載置する。ロードロック1021には複数のウエハ1002を収納できるので、搬送ロボット1003によって、ロードロック1021に複数のウエハ1002が載置される。
真空室1012内においては、搬送ロボット1023aは、アーム部1023aによって、ロードロック1021からウエハ1002を取出し、リンドープトポリシリコンの下部電極71を上述した条件でLPCVDにより形成するために、ウエハ1002を枚葉処理装置1022aへ搭載する。枚葉処理装置1022aにおいて、下部電極71の成膜処理が終了すると、次ぎに、搬送ロボット1023aは、枚葉処理装置1022aからウエハ1002を取出し、HTOの成膜処理を行うために、ウエハ1002を枚葉処理装置1022bへ搭載する。枚葉処理装置1022bにおいて、上述した条件でLPCVDによりHTOの成膜処理が終了すると、次ぎに、搬送ロボット1023aは、枚葉処理装置1022bからウエハ1002を取出し、シリコン窒化膜の成膜処理を行うために、ウエハ1002を枚葉処理装置1022cへ搭載する。枚葉処理装置1022cにおいて、上述した条件でLPCVDによりシリコン窒化膜の成膜処理が終了すると、次ぎに、搬送ロボット1023aは、枚葉処理装置1022cからウエハ1002を取出し、リンドープトポリシリコンの容量電極300をLPCVDにより形成するために、ウエハ1002を枚葉処理装置1022aへ搭載する。
上述した条件でLPCVDにより枚葉処理装置1022aにおいて容量電極300の成膜処理が終了したウエハ1002は、再び搬送ロボット1023aによって、チェンバー1022aから取出され、ロードロック1021内の予め決められた位置に載置される。ロードロック1021には複数のウエハ1002が収納されているので、全てのウエハ1002について処理が終了すれば、大気側の室1011の搬送ロボット1003によって、ロードロック1021からウエハ1002が取り出され、大気室1011のカセット1001a内の予め決められた位置に載置される。カセット1001aは、次の工程へ搬送するためのカセットである。
なお、搬送ロボット1003の動作制御は、搬送制御プログラム及びデータがストアされた記憶装置1006aが接続された搬送ロボット制御装置1006によって行われる。また、搬送ロボット1023の動作制御は、搬送制御プログラム及びデータがストアされた記憶装置1026aが接続された搬送ロボット制御装置1026によって行われる。
以上のように、液晶表示装置の容量部の製造工程は、図9におけるステップ10に示す各工程に対応する各枚葉処理装置によって行われる。従来のバッチ処理方式においては、各工程が数時間かかっていたのが、図10に示す枚葉処理装置を用いることによって、各枚葉処理装置においては、各工程が数分しか掛らない。よって、液晶表示装置の容量部を、効率的に製造することができる。
特に、下部電極71及び容量電極300の成膜を、LPCVDの条件として、温度が550℃以上で行われるので、成膜が多結晶状態で、かつ枚葉処理によって行われるので、不純物濃度も均一化し、かつ膜厚も均一化する。さらに、下部電極71及び容量電極300の成膜を、LPCVDの条件として、圧力が100torr以上の高い圧力で行われるので、気相中での反応が活発になり、より成膜が多結晶状態において不純物濃度が均一となる。
次に、図8の工程(6)において、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300の膜を一挙にパターニングして、下部電極71、誘電体膜75及び容量電極300を形成して、蓄積容量70を完成させる。
次に、図8の工程(7)に示すように、例えば、TEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、好ましくはプラズマCVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜42を形成する(ステップS11)。容量電極300にアルミニウムを用いた場合には、プラズマCVDで低温成膜する必要がある。この第2層間絶縁膜42の膜厚は、例えば約500〜1500nm程度とする。次に、ステップS12において、第2層間絶縁膜42に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール81、801及び882を形成するために第2層間絶縁膜42を開孔するように除去する。この際、コンタクトホール81は半導体層1aの高濃度ソース領域1dに通ずるように、コンタクトホール801は容量電極300へ通ずるように、また、コンタクトホール882は中継電極719に通ずるように、それぞれ形成される。
次に、ステップS13において、図8の工程(8)に示すように、第2層間絶縁膜42上の全面に、スパッタリング等により、遮光性のアルミニウム等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nm程度の厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンをもつデータ線6aを形成する。この際、当該パターニング時においては、シールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2もまた同時に形成される。シールド層用中継層6a1は、コンタクトホール801を覆うように形成されるとともに、第2中継層6a2は、コンタクトホール882を覆うように形成されることになる。
次に、これらの上層の全面にプラズマCVD法等によって窒化チタンからなる膜を形成した後、これがデータ線6a上にのみ残存するように、パターニング処理を実施する(図8の工程(8)における符号41TN参照)。ただし、該窒化チタンからなる層をシールド層用中継層6a1及び第2中継層6a2上にも残存するように形成してよいし、場合によってはTFT基板10の全面に関して残存するように形成してもよい。また、アルミニウムの成膜時に同時に成膜して、一括してエッチングしても良い。
次に、図8の工程(9)に示すように、データ線6a等の上を覆うように、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、好ましくは低温成膜できるプラズマCVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43を形成する(ステップS14)。この第3層間絶縁膜43の膜厚は、例えば約500〜3500nm程度とする。
次に、ステップS15において、図5に示すように、第3層間絶縁膜43を例えばCMPを用いて平坦化する。
次に、ステップS16において、第3層間絶縁膜43に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール803及び804を形成するように第3層間絶縁膜43を開孔する。この際、コンタクトホール803は前記のシールド層用中継層6a1に通ずるように、また、コンタクトホール804は第2中継層6a2に通ずるように、それぞれ形成されることになる。
次に、ステップS17において、第3層間絶縁膜43の上には、スパッタリング法、或いはプラズマCVD法等により、シールド層400の金属膜を形成する。ここでまず、第3層間絶縁膜43の直上には、例えばアルミニウム等の低抵抗な材料を用いて下層膜を形成し、次いで、この下層膜上に、例えば窒化チタン等その他後述の画素電極9aを構成するITOと電蝕を生じない材料を用いて上層膜を形成し、最後に、下層膜及び上層膜をともにパターニングすることで、2層構造を有するシールド層400が形成される。なお、この際、シールド層400とともに、第3中継電極402もまた形成される。
次に、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第4層間絶縁膜44を形成する(ステップS18)。この第4層間絶縁膜44の膜厚は、例えば約500〜1500nm程度とする。
次に、ステップS19において、図4に示すように、第4層間絶縁膜44を例えばCMPを用いて平坦化する。次いで、第4層間絶縁膜44に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール89を形成するように第4層間絶縁膜44を開孔する(ステップS20)。この際、コンタクトホール89は前記の第3中継電極402に通ずるように形成されることになる。
次に、第4層間絶縁膜44上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性膜を、約50〜200nmの厚さに堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、画素電極9aを形成する(ステップS21)。
以上のようにして、TFT基板10の各層が形成される。特に、図10の製造ステップ中、ステップS10における各ステップS10aから10dは、枚葉処理装置によって行われるので、電気光学装置の容量部の製造工程が非常に短時間で行うことが可能となった。
なお、上述した実施の形態では、下部電極71と容量電極300のポリシリコン膜を、多結晶状態で成膜していたが、ポリシリコン膜の成膜は、アモルファス状態でシリコン膜を堆積した後に、結晶化するようにしてもよい。このように、アモルファス状態でシリコン膜を堆積した後に結晶化して、ポリシリコン膜の成膜を行っても、電気光学装置の容量部の製造工程が非常に短時間で行うことが可能となる。
なお、当該電気光学装置を、反射型として用いる場合には、アルミニウム(AL)等の反射率の高い不透明な材料によって画素電極9aを形成してもよい。次に、画素電極9aの上に、ポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角をもつように、かつ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜16が形成される。
一方、対向基板20については、ガラス基板等がまず用意され、額縁としての遮光膜53が、例えば金属クロムをスパッタした後、フォトリソグラフィ及びエッチングを経て形成される。なお、これらの遮光膜53は、導電性である必要はなく、Cr、Ni、AL等の金属材料のほか、カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラック等の材料から形成してもよい。
最後に、図1及び図2に示すように、各層が形成されたTFT基板10と対向基板20とは、例えば対向基板20の4辺に沿ってシール材52を形成すると共に、シール材52の4隅に上下導通材106を形成して、配向膜16及び22が対面するようにシール材52により貼り合わされる。これにより、上下導通材106は下端においてTFT基板10の上下導通端子107に接触し、上端において対向基板20の共通電極21に接触する。
そして、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数種のネマテッィク液晶を混合してなる液晶が吸引されて、所定層厚の液晶層50が形成される。
なお、シール材52は、両基板を貼り合わせるため、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、紫外線、加熱等により硬化させられたものである。また、このシール材52中には、本実施形態における液晶装置を、液晶装置がプロジェクタ用途のように小型で拡大表示を行う液晶装置に適用するのであれば、両基板間の距離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ、あるいはガラスビーズ等のキャップ材(スペーサ)が散布されている。あるいは、当該液晶装置を液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置に適用するのであれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれてよい。液晶装置の使用時には、外部接続端子にFPCの銅箔パターンを接続する。
なお、走査線11a及びゲート電極3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。
また、TFT基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
また、上述した実施形態においては、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFT基板10上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFT基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFT基板10の出射光が出射する側には、それぞれ、例えばTN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード・ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の方向で配置される。
また、上記実施の形態は、電気光学装置として液晶装置の例について説明したが、パッシブマトリクス型の液晶表示装置だけでなく、アクティブマトリクス型の液晶表示装置(例えば、TFTやTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電気放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及びSurface-Conduction Electron-Emission Display等)等の各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の実施の形態に係わる液晶装置を対向基板側から見た平面図。 図1のH−H'線の位置で切断して示す液晶装置の断面図。 液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子等の等価回路図。 液晶装置の画素構造を詳細に示す断面図。 本実施の形態のTFT基板の各層の成膜パターンを示す平面図。 図5中の要部の成膜パターンを示す平面図。 液晶装置用基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。 液晶装置用基板の製造方法を断面図によって工程順に示す工程図。 各成膜層の製造方法を示すフローチャート。 複数の枚葉処理装置から構成される製造装置を説明するための図。
符号の説明
10 TFT基板、20 対向基板、70 蓄積容量、71 下部電極、75 誘電体膜、300 容量電極、1022a,1022b,1022c 枚葉処理装置

Claims (2)

  1. 基板上に、画素スイッチング用の薄膜トランジスター、該薄膜トランジスターに電気的に接続された画素電極、及び該画素電極と電気的に並列に接続された蓄積容量としての容量部が形成された電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板を少なくとも含んだウエハごとに該ウエハの表裏両面のうちの表面のみにLPCVDにより成膜を行う第1の枚葉処理装置と、熱酸化膜の成膜処理を行う第2の枚葉処理装置と、LPCVDによりシリコン窒化膜の成膜を行う第3の枚葉処理装置と、各枚葉処理装置の間で前記ウエハの受け渡しを行う搬送ロボットとを備えた製造装置を用いた枚葉処理により、前記容量部の電極となるポリシリコン膜として不純物がドープされたポリシリコン膜を多結晶状態で成膜する工程を有し、
    前記工程では、前記ウエハに前記容量部の下部電極となる前記不純物がドープされたポリシリコン膜を前記第1の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第2の枚葉処理装置に搬送し、次いで前記ウエハに前記容量部の誘電体膜の一部となる熱酸化膜を前記第2の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第3の枚葉処理装置に搬送し、次いで前記ウエハに前記容量部の誘電体膜の一部となるシリコン窒化膜を前記第3の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第1の枚葉処理装置に搬送し、前記ウエハに前記容量部の容量電極となる前記不純物がドープされたポリシリコン膜を前記第1の枚葉処理装置により成膜し、前記ポリシリコン膜の成膜は、温度が550℃以上かつ圧力が100torr以上で行われることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 基板上に、画素スイッチング用の薄膜トランジスター、該薄膜トランジスターに電気的に接続された画素電極、及び該画素電極と電気的に並列に接続された蓄積容量としての容量部が形成された電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板を少なくとも含んだウエハごとに該ウエハの表裏両面のうちの表面のみにLPCVDにより成膜を行う第1の枚葉処理装置と、熱酸化膜の成膜処理を行う第2の枚葉処理装置と、LPCVDによりシリコン窒化膜の成膜を行う第3の枚葉処理装置と、各枚葉処理装置の間で前記ウエハの受け渡しを行う搬送ロボットとを備えた製造装置を用いた枚葉処理によりアモルファス状態でシリコン膜を成膜した後に、該シリコン膜を結晶化することによって前記容量部の電極となるポリシリコン膜を形成する工程を有し、
    前記工程では、前記ウエハに前記容量部の下部電極となるポリシリコン膜を前記第1の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第2の枚葉処理装置に搬送し、次いで前記ウエハに前記容量部の誘電体膜の一部となる熱酸化膜を前記第2の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第3の枚葉処理装置に搬送し、次いで前記ウエハに前記容量部の誘電体膜の一部となるシリコン窒化膜を前記第3の枚葉処理装置により成膜した後に、該ウエハを前記搬送ロボットにより前記第1の枚葉処理装置に搬送し、前記ウエハに前記容量部の容量電極となるポリシリコン膜を前記第1の枚葉処理装置により成膜し、前記ポリシリコン膜の成膜は、温度が550℃以上かつ圧力が100torr以上で行われることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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