JP4655264B2 - 電子レンジ調理用食品 - Google Patents

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Description

本発明は、餃子などの麺帯包装食品にマイクロ波吸収発熱体を配置して電子レンジ加熱処理を施して麺帯包装食品の加熱処理面にパリっとしたクリスピーな食感と焼き立ての風味を付与するのに適した電子レンジ調理用食品に関する。更に詳しくは、本発明はマイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間にバッター類を挟み込み、バッター類が加熱焼成されることにより、良好なクリスピー感を発現させると共に、焼き立ての風味を発現させることができる麺帯包装食品に関する。
餃子等の麺帯包装食品は、その調理直後の香ばしい焼き立ての風味と、加熱処理面の焼き立てのパリっとしたクリスピーな食感が商品価値を決定する重要な要素となっている。これらの食品は製造後、チルド保存された商品では1週間程度保存され、また、冷凍保存された商品にあっては2〜3ヶ月の間は保存されることを前提として製造されるのが一般的である。
しかしながら、水分の少ない麺帯部と水分の多い中具部をもつ麺帯包装食品は、流通や保存中に水分移行が発生する。特に焼成済み餃子などでは中具から焼成された皮部への水分移行が起こり、電子レンジ調理ではクリスピー感を再現するのは困難である。また、焼き立ての風味は保存中に飛散してしまうため、流通や保存後にまで保持させるのが極めて困難であった。これらの課題解決のため従来から種々の試みが行われてきた。
例えば、単層あるいは多層の皮を有する焼き調理を施した餃子表面に食用油を付着して保存することで焼き餃子特有の好ましい食感を保持する発明がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法は餃子表面からの水分移行は付着させた食用油により防止できるものの、中具からの水分移行は完全には防止できず、電子レンジ調理した場合は食感が低下することが問題であった。
また、簡単、大量に調理ができ、しかも調理後、焼き面の焼き色が均一で焼き立てに近い食感、香ばしい風味を有する焼き餃子を提供する方法として、餃子底面に水、油脂、乳化剤、穀物粉、及び/又はタンパク質を含有したエマルションを付けて焼くことで、焼き面の食感、外観、風味を改良する餃子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法は焼成直後は食感、風味とも良好なものの、冷凍保存後に電子レンジ調理した場合には、中具からの水分移行により食感が低下するとともに、焼き立ての風味も低下するという問題があった。
また、マイクロ波吸収発熱体を利用することで、電子レンジ調理においても、食品に焦げ目をつけたり、クリスピー感を付与する方法も検討されている。
例えば、特定のマイクロ波吸収発熱体を用いることで、短時間での高温加熱が十分得られ、特に食品表面に焦げ目を付与する方法がある。この方法では冷凍餃子や冷凍ピザを、マイクロ波吸収発熱体にのせ、電子レンジ調理することにより十分な焦げ目を付与した例が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、中具の水分量、麺帯の厚さを調整した加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面をマイクロ波吸収発熱体と接触させる方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、これら方法は多少クリスピーな食感が得られるが、食品の加熱処理面に凸凹があり、マイクロ波吸収発熱体と完全に密着しない場合には、クリスピー感が十分発現しにくいという問題があった。
また、盤状小麦粉焼成品と、その上面および下面の少なくとも一方に位置するマイクロ波発熱体との間に油脂層を介在させることにより、電子レンジ加熱によってもクリスピーな食感と良好な風味を有する盤状小麦粉焼成品を提供する方法がある(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、この方法は加熱時に油脂がマイクロ波吸収発熱体上部より容易に流出し、クリスピー感が発現しにくい。また、焼き立ての風味も十分なものではなかった。
また、耐熱性シート材に焦げ目付与素材として液状の糖類含有調味料及び/又は蛋白質発酵物質調味料を塗布もしくは含浸させてなる包装材とすることで、電子レンジ加熱時に調理用食材が、焼いたような風合いを醸し出す方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。耐熱性シート材として布、不織布、繊維、樹脂、紙、食品等が例示されているに止まり、マイクロ波吸収発熱体については全く意図していない。この方法は焦げ目付与素材が加熱され、焼いたような色は発現するものの、かかる耐熱性シート材ではマイクロ波吸収発熱体のように実際に焼成するまでの高温にはならず、麺帯食品に供した場合にはクリスピー感が発現しないといった問題があった。また、シート自体が発熱せず、塗布又は含浸させた調味液の発熱による仕組みのため、食材下部は加熱され難いとの問題があった。従って、餃子のように食材底面に焦げ目を付ける必要がある場合は、シートと食材下面との間に隙間部をもたせる機構が必要であるなど、複雑な包材を用いる必要があった。
特開平10−271978号公報 特開平06−245740号公報 特開2000−279321号公報 特開2004−000182号公報 特開平03−210143号公報 特開2002−218915号公報
本発明の目的は、餃子などの麺帯包装食品の加熱処理面にパリっとしたクリスピーな食感と焼き立ての風味を付与するのに適した電子レンジ調理用食品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、マイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間に特定のバッター類を挟み込み、そして、マイクロ波吸収発熱体シートの端部は上方に折曲し、トレー状となすことにより、加熱時にバッター類がマイクロ波吸収発熱体の外側へ流出するのを防止でき、バッター類が効果的に加熱焼成され、クリスピー感を発現させると共に、焼き立ての風味を発現させることが可能となり、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の内容を包含するものである。
本発明の第1は、マイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間に次の(イ)及び/又は(ロ)のバッター類が挟み込まれており、加熱時にバッター類がマイクロ波吸収発熱体の外側へ流出しないように、マイクロ波吸収発熱体シートの端部は上方に折曲し、トレー状となしていることを特徴とする電子レンジ調理用食品である。
(イ)水、食用油脂、乳化剤に対し穀物粉及び/又はタンパク質を混合して乳化させたエマルション
(ロ)上記エマルション(イ)を加熱処理したもの
第2は、バッター類とマイクロ波発熱体との間に電子レンジ加熱時に焦げる粉体及び/又は焦げる粉体を与える液体を挟み込んだことを特徴とする第記載の電子レンジ用食品である。
は、電子レンジ加熱時に焦げる粉体及び/又は焦げる粉体を与える液体は、醤油、香辛料、アルファー化澱粉、多糖類、タンパク質、アミノ酸の粉体物又はその水溶液である第記載の電子レンジ調理用食品である。
は、マイクロ波吸収発熱体にバッター類を介して対向している麺帯包装食品の加熱調理面全体の30%以上の面積にバッター類が挟まれている第1乃至3のいずれか記載の電子レンジ調理用食品である。
は、マイクロ波吸収発熱体のサイズが麺帯包装食品の加熱調理面のそれよりも大きく、バッター類がマイクロ波吸収発熱体シートと麺帯包装食品の加熱調理面との間に挟まれているのみならず、麺帯包装食品が位置しておらず、その周縁部に近接した位置のマイクロ波発熱体上にも配置されている第1乃至4のいずれか記載の電子レンジ調理用食品である。
は、麺帯包装食品が冷凍食品又はチルド食品である第1乃至5のいずれか記載の電子レンジ調理用食品である。
は、麺帯包装食品が、餃子、焼売、春巻き、ラビオリ、中華饅頭など穀物粉を主体とした生地を用いて、具材を包装した状態のものである第1乃至6のいずれか記載の電子レンジ調理用食品である。
本発明によれば、電子レンジ加熱により麺帯包装食品の加熱処理面にパリっとしたクリスピーな食感と焼き立ての風味を発現させることが可能となった。
本発明において麺帯包装食品とは、穀物粉を主体とした生地を用いて、具材を包装した状態のものである食品のことをさす。生地には、副原料として、油脂、食塩、糖類などを用いることもできる。麺帯包装食品の具体的な例としては、餃子、焼売、春巻き、ラビオリ、中華饅頭などを挙げることができる。
また、この麺帯包装食品は未加熱、蒸し調理や焼き調理の加熱処理済みのいずれでも良いが、加熱調理面を焼成済みであることが好ましい。また、製造後に冷蔵や冷凍したものも含まれる。
マイクロ波吸収発熱体とは、マイクロ波エネルギーを吸収して熱に変換し発熱する特性を有するものをいう。マイクロ波吸収発熱体には発熱体自体がシート状のもの、紙材に発熱体のアルミ蒸着を行い成型したものや発熱体シートを耐熱性容器に貼り付けたものが包含される。
食品用には、発熱体の発熱層がアルミニウム等の金属粉で構成され、直接食品に触れないように発熱層上部をPET等の樹脂でラミネートされたものが好適に使用される。これらの樹脂の耐熱性200℃〜230℃程度であり、発熱体はラミネート材の耐熱温度以上にならないように調整されている。
本発明におけるマイクロ波吸収発熱体は、加熱調理面が平坦の場合は、マイクロ波吸収発熱体も平板状であると熱が伝わりやすく好ましい。発熱体の形状については、加熱時にバッター類がその置かれたマイクロ波吸収発熱体より外側へ容易に流出しないように次の手段を講じておく必要がある。特に加熱時に流動性が高くなるバッター類(油脂含量が多い場合等)を塗布した場合は、このような流出防止機構を施しておかないとバッター類がマイクロ波吸収発熱体より外側へ容易に流出してしまうため、クリスピー感が発現しにくい。この機構はマイクロ波吸収発熱体シートの周縁部を上方に折り曲げ、トレー状とすることで達成できる。
本発明におけるバッター類とは、次の(イ)及び/又は(ロ)である。
(イ)水、食用油脂、乳化剤に対し穀物粉及び/又はタンパク質を混合して乳
化させたエマルション
(ロ)上記エマルション(イ)を加熱処理したも
上記(イ)のエマルションは、水、食用油脂、乳化剤を必須とし、これに穀物粉、タンパク質のうちの少なくとも1種を混合したものを指す。必要であれば、醤油、味噌、ソース、酒、みりん等の調味料やキシロースや乳糖等の糖類、ガム、寒天等の増粘剤を添加してもよい。
食用油脂の例として菜種油、大豆油、コーン油、落花生油、パーム油、ラード、バターが挙げられる。また、必要に応じて、ねぎ、ショウガ等の香味油を用いても良い。本発明の場合、常温で液状であることが製造上好ましい。配合比率は、エマルション重量の1〜90%、好ましくは10〜50%、更に好ましくは15〜30%である。
乳化剤は食用であればその種類を問わない。例えば、レシチン(大豆由来、卵由来など)、酵素分解レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステル、モノグリセリド等が挙げられる。配合比率は、好ましくはエマルション重量の0.01%〜10%、より好ましくは0.1〜4%、更に好ましくは1〜3%である。
穀物粉は、例えば、米粉、小麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉、馬鈴薯粉が挙げられる。また、コーンスターチ等の澱粉で代用しても良い。配合比率はエマルション重量の5〜70%、好ましくは5〜30%である。
タンパク質は、食用であればその種類を問わない。例えば、卵白粉、乳蛋白、大豆蛋白、全卵粉等が挙げられる。その中でも特に卵白粉が風味の点で好適である。配合比率は、エマルション重量の0.1〜20%、好ましくは0.1〜3%である。
エマルションの調整方法は、上記の組成物を、ミキサー等を用いて油層と水層が分離しない程度に撹拌すればよい。また、各原料の添加順序は問わないが、水と穀物粉及び/又はタンパク質を混合分散させた後、これに乳化剤を分散させた食用油脂を添加し乳化させることが好ましい。
上記エマルションを加熱処理する方法は、例えば、蒸し庫中で蒸し加熱する、密封したのち湯中で湯煎する、釜で加熱しながら混合撹拌する等が挙げられる。エマルション中の穀物粉及び/又はタンパク質をゲル化させるためには60℃以上、好ましくは80℃以上まで加熱させることが好ましい。未加熱処理のエマルションに比べて、(ロ)加熱処理エマルションは、マイクロ波吸収発熱体を用い電子レンジ加熱した場合に昇温が早く、加熱時間を短縮できるとともに、クリスピー感が発現しやすい。また、未加熱のエマルションは微生物が増殖し易いため、冷凍やチルド流通させる場合は、加熱処理しておくことが好ましい。エマルションは、これを加熱処理することによってゲル状物を与えるものが好ましい。
本発明におけるバッター類は(イ)及び/又は(ロ)であるが、(ロ)は、食用油脂との混合物及び/又は組み合わせであってもよい。混合物とは例えばミキサー等を用いて2層に分離しない程度に撹拌混合したものを指す。組み合わせとは、層状にしたもの、例えばマイクロ波吸収発熱体に食用油脂を塗布した後、その上に(ロ)加熱処理バッターを塗布するといった場合や、縞模様状にしたもの、例えば、食用油脂と(ロ)を交互に塗布するといった場合を指す。
本発明において、麺帯包装食品の加熱調理面にクリスピー感を付与・強化する目的で、バッター類とマイクロ波発熱体との間に更に電子レンジ加熱時に焦げる粉体及び/又は該焦げる粉体を与える液体を挟み込んでおくのがよい。ここにいう電子レンジ加熱時に焦げる粉体を与える液体とは、加熱されると水溶媒が蒸発して焦げを与えるものを指す。具体的には、乾燥醤油、香辛料粉などの調味料やアルファー化澱粉、多糖類、タンパク質、アミノ酸等の粉体物が挙げられる。
本発明において、マイクロ波吸収発熱体にバッター類を介して対向している麺帯包装食品の部分を加熱調理面という。加熱調理面にクリスピー感を付与するためには、加熱調理面全体の内、30%以上の面積にバッター類が挟まれていることが好ましい。またバッター類の厚さも4mm以下であることが好ましく、0.1mm以上2mm以下であることがさらに好ましい。
加熱調理面のクリスピー感をさらに強化するためには、バッター類がマイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間に挟まれているだけでなく、麺帯包装食品が位置しておらず、その周縁部に近接した位置(例えば、0.3〜1.0cmの間隔を置いた位置のマイクロ波発熱体上にも配置されていることが好ましい。これは、麺帯包装食品の位置しないマイクロ波発熱体上に配置又は塗布されているバッター類は、電子レンジ加熱によって素早く温度上昇が起こるため、加熱流動し、マイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間に流れ込み、加熱処理面の焼成を早める効果がある為である。したがって、麺帯包装食品の位置しないマイクロ波発熱体上に配置又は塗布されるバッター類は、電子レンジ加熱時、流動し易い性質(例えば、油脂含量が多い)であることがさらに好ましい。
本発明では、加熱調理面の水分をマイクロ波吸収発熱体を用いて飛散させるが、中具に含まれる水分、油分が電子レンジ調理中に加熱調理面に移行し、十分にクリスピー感が発現しない場合がある。従って、保水・保油物質の添加や原料を調整するなど、中具からのドリップ量を減らすことは有効である。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実験法
・麺帯包装食品は味の素冷凍食品(株)製「タレ付き焼き餃子」(商品名)(−18℃3ヶ月保存)を使用
・マイクロ波吸収発熱体は、凸版印刷(株)製「サセプター」(商品名)を使用
・トレーには紙容器(底面150mm×95mm、高さ35mm)を使用
・フラットタイプのマイクロ波吸収発熱体シート(参考例1)は、140mm×85mmのサイズで、紙容器の底面に貼り付けた。
・トレータイプのマイクロ波吸収発熱体(参考例2及び実施例1以降)は、シートの周縁部全体が5〜10mm程度折り曲げられて成型され、紙容器の底面に貼り付けた。
・餃子焼き底面(加熱調理面)にバッター類を塗布する。
・底面(150mm×95mm)のマイクロ波吸収発熱体トレーに餃子5個をのせる。
・−18℃で調温後に600W2分30秒の電子レンジ調理を行う。
・その後、香ばしい香りの強さ、パリパリ感の強さ、総合評価の官能評価を実施した。
官能評価方法:発熱体不使用品を5点として、各項目を)1〜9点の0.5点刻み(17段階)で評価した。得点数が大きいほど強い(良い)とした。訓練された評価者3名で行い、その平均点を評価値とした。
参考例1〜2
食用油脂にラードを挟み込み、マイクロ波発熱体は、図1および2に示したように、形状がフラットタイプのシート(参考例1)、シートの周縁部を上方に折曲して成型されたトレー(参考例2)を用い、実験を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004655264
表1に示した結果から、マイクロ波発熱体シートを使用した参考例1ではマイクロ波発熱体不使用品(比較例1)に比べクリスピー感、焼き立ての風味の改善効果が見られるものの、油脂が発熱体より流出し、収納容器を汚染し、見た目が良くないことはもとより、油脂が発熱体シートの下にもぐり込み、シートと紙容器を接着させている接着剤を溶解させ、食品をも汚染させる虞があるのに対して、マイクロ波発熱体シートの周縁部を上方に折曲して成型されたトレー(参考例2)では、油脂の流出が防止されて改善効果が一段と良くなっていることが分かる。
実施例1〜4
参考例2において、表2に示すように、マイクロ波発熱体と麺帯包装食品の間に挟むバッター類の種類を変えて同様に実験を行った。その結果を表2に示す。同表にバッター類を全く挟まないで行った実験は比較例2として示した。
Figure 0004655264
実施例1〜4で用いたバッター類はそれぞれ次の方法によって調製した。
バッター(生):水、菜種油、大豆レシチン、米粉、卵白粉、醤油を表3に示す配合で、ミキサー(日立製作所製「VA−W36」)で3分撹拌(弱モード)してエマルションを得た。
Figure 0004655264
蒸しバッター:上記生バッター200gをアルミトレーに充填した後、蒸し器で10分間蒸し、蒸しバッターを得た。
蒸しバッター+ラード(混合):蒸しバッター100g(品温40℃)と精製ラード100g(品温30℃)を手で撹拌混合し、クリーム状のものを得た。
実施例
実施例において、バッター類とマイクロ波発熱体の間に焦げやすい粉体として粉末醤油を塗布して同様に実験を行った。
その結果を表4に示す。
Figure 0004655264
バッターと発熱体の間に、焦げやすい粉末層を設けることにより、クリスピー感、焼き立ての風味が改善し、その層は焼き面中心部に塗布すると効果的である。
実施例6〜14
実施例において、バッター類(蒸しバッター+ラード(混合))の麺帯包装食品底面に対する塗布面積の割合(塗布幅)、塗布厚さをそれぞれ図3に示すように変えて、更にはバッター類を図4に示すように麺帯包装食品底面部と共に麺帯包装食品に近接した(0.5cmの間隔を置いた)発熱体上にも塗布して同様に実験を行った。その結果を表5に示す。
Figure 0004655264
表5の結果から、麺帯包装食品底面に対する塗布面積の割合が、30%未満の場合(参考例)は30%以上の場合(実施例6〜8)と較べてクリスピー感(パリ感の強さ)が低下することがわかる。また、塗布厚みを厚くした場合も同様にクリスピー感が低下することがわかる(例えば実施例と実施例の比較)。
また、バッター類(蒸しバッターとラードの混合物)を麺帯包装食品底面部と共に麺帯包装食品に接していない近接部分(0.5cmの間隔を置いて)の発熱体シート上にも塗布したところ、塗布しない場合と比べて、パリ感の強さ(中心部)に関しては大きな差はみられなかった(実施例12〜14)。これは、バッター類自体が加熱時に流動しづらかったためと考えられる。しかしながら、底面周辺部は明らかにクリスピー感が向上した。
参考例6〜9
参考例2と同様に食用油脂にラードを用いて、その塗布量を変え、図5に示すように麺帯包装食品底面部と共に麺帯包装食品に接していない近接部分(0.5cmの間隔を置いて)の発熱体シート上にも塗布して同様に実験を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0004655264
表6の結果から、麺帯包装食品底面部と共に麺帯包装食品に接していない近接部分に加熱時に流動し易い食用油脂(ラード等)を塗布すると、塗布しない場合(参考例2)と比べてクリスピー感が同等若しくは向上(参考例7)することが分かる。
参考例1において電子レンジ調理用麺帯包装食品を容器中に収納した状態を模式的に示した図である。 参考例2において電子レンジ調理用麺帯包装食品を容器中に収納した状態を模式的に示した図である。 実施例6〜11においてバッター類を麺帯包装食品底面部に対する塗布面積の割合、塗布厚さを変えた状態を模式的に示した図である。 実施例12〜14においてバッター類を麺帯包装食品底面部並びに麺帯包装食品が接していないマイクロ発熱体上に塗布した状態を模式的に示した図である。 参考例6〜9において食用油脂のラードを麺帯包装食品底面部並びに麺帯包装食品が接していないマイクロ発熱体上に塗布した状態を模式的に示した図である。
符号の説明
1・・麺帯包装食品
2・・食用油脂
3・・マイクロ発熱体
4・・容器(トレー)
5・・塗布幅
6・・塗布厚さ
7・・麺帯包装食品底面部

Claims (7)

  1. マイクロ波吸収発熱体と麺帯包装食品との間に次の(イ)及び/又は(ロ)のバッター類が挟み込まれており、加熱時にバッター類がマイクロ波吸収発熱体の外側へ流出しないように、マイクロ波吸収発熱体シートの端部は上方に折曲し、トレー状となしていることを特徴とする電子レンジ調理用食品。
    (イ)水、食用油脂、乳化剤に対し穀物粉及び/又はタンパク質を混合して乳化させたエマルション
    (ロ)上記エマルション(イ)を加熱処理したもの
  2. バッター類とマイクロ波発熱体との間に電子レンジ加熱時に焦げる粉体及び/又は焦げる粉体を与える液体を挟み込んだことを特徴とする請求項1記載の電子レンジ用食品。
  3. 電子レンジ加熱時に焦げる粉体及び/又は焦げる粉体を与える液体は、醤油、香辛料、アルファー化澱粉、多糖類、タンパク質、アミノ酸の粉体物又はその水溶液である請求項記載の電子レンジ調理用食品。
  4. マイクロ波吸収発熱体にバッター類を介して対向している麺帯包装食品の加熱調理面全体の30%以上の面積にバッター類が挟まれていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の電子レンジ調理用食品。
  5. マイクロ波吸収発熱体のサイズが麺帯包装食品の加熱調理面よりも大きく、バッター類がマイクロ波吸収発熱体シートと麺帯包装食品の加熱調理面との間に挟まれているのみならず、麺帯包装食品が位置しておらず、その周縁部に近接した位置のマイクロ波発熱体上にも配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の電子レンジ調理用食品。
  6. 麺帯包装食品が冷凍食品又はチルド食品である請求項1乃至5のいずれか記載の電子レンジ調理用食品。
  7. 麺帯包装食品が、餃子、焼売、春巻き、ラビオリ、中華饅頭など穀物粉を主体とした生地を用いて、具材を包装した状態のものである請求項1乃至6のいずれか記載の電子レンジ調理用食品。
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