JP4374883B2 - 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱処理済み冷凍餃子、すなわち冷凍焼き餃子をレンジ調理によって加熱した際、前記焼き面にクリスピー感を付与するのに適した電子レンジ調理用冷凍焼き餃子に関する。更に詳しくは、冷凍焼き餃子とマイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体を組み合わせることで、電子レンジ調理後の焼き餃子の焼き面にクリスピー感を発現させることができる冷凍焼き餃子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、市場には開封するだけで直ちに、あるいは電子レンジによる加熱などの簡単な調理を加えるだけで直ちに、食卓に供し得る加熱処理済み食品が大量に供給されている。
【0003】
加熱処理済み食品は、開封し食卓に供する際に、その調理直後の香ばしい風味とともに、加熱処理面に焼きたての「パリパリ」とした軽い食感、いわゆるクリスピー感を再現し得ることが、商品価値を決定する重要要件となっている。
【0004】
加熱処理済み食品は製造後、冷蔵保存されて流通する商品にあっては2週間程度、冷凍保存された商品(加熱処理済み冷凍食品)にあっては少なくとも1ヶ月、通常2〜3ヶ月の期間、保存されることを前提として製造されるのが一般的である。
【0005】
しかしながら加熱処理済み食品の流通や保存後には水分移行が発生する。特に焼き餃子などの麺帯包装食品などでは中具から皮への水分移行が起こり、喫食時に好ましい風味およびクリスピー感を再現させるのは困難である。また加熱処理済み食品の流通や保存後の喫食時に好ましい食感を再現させるために、従来から種々の試みが行われてきた。
【0006】
例えば、小麦粉ドウを圧延した生地の中に、融点50〜90℃の油脂を生地に対して1〜15%配合することで、油ちょう直後の好ましい食感を長時間維持する発明がある(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は融点の高い油脂を生地に混合する必要があるため、口溶けが悪くなるなど生地の食感が損なわれる。
【0007】
また湿熱処理された澱粉および糖を含有し小麦粉を主成分とした生地を有する小麦粉製品を作ることにより、焼き、あるいは揚げ処理後時間が経過しても、又は加熱処理後に冷蔵、または冷凍したものを電子レンジにて再加熱しても、加熱処理面が引きのあるゴム様の歯切れの悪い食感にならず、良好な食感を保つことができる発明がある(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は湿熱処理された澱粉および糖を生地に混合する必要があるため生地の配合に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0008】
融点が40〜60℃の油脂及び湿熱処理された澱粉を含有する小麦粉製品を作ることにより、歯切れの良い、クリスピー感のある加熱処理面を有する小麦粉製品を得る方法がある(特許文献3参照)。しかしながら、この方法は特定の油脂及び湿熱処理された澱粉を生地に混合する必要があるため生地の配合に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0009】
厚みが0.6〜1.8mmの小麦粉を主成分とする生地を有し、かつ該生地中に加熱処理面を有する冷凍食品であって、該生地が特定の破断測定において破断強度/歪み距離が15〜50gf/mmである生地を有することで、好適な硬さを持ち、かつ引きのない、歯切れの良い加熱処理面を提供する方法がある(特許文献4参照)。しかしながら、この方法は該生地を特定の破断強度/歪み距離にするために、小麦粉組織におけるグルテン組織を十分出しかつ繋がりを適度に切る物質、更に澱粉の状態変化を抑える物質を添加することが必要であるため、生地の配合や状態に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0010】
またマイクロ波吸収発熱体を利用することで、電子レンジ加熱時に、冷凍食品に焦げ目を付けたり、クリスピー感を付与する検討もなされている。
【0011】
例えば、容器壁面もしくは蓋体の一部にチタン酸カリウム還元体およびマイクロ波を反射する金属粒子を含むインキ組成物を用いて印刷形成した印刷被膜を設けたことを特徴とするマイクロ波調理用容器の発明がある(特許文献5参照)。しかしながら、この方法はマイクロ波調理において適度に焦げ目をつけることができる容器を安価に量産することが目的であり、ピザに焦げ目をつける例、ポプコーンの製造例、おにぎりのまわりにパターン状に焦げ目をつける例が開示されている。しかし、あらかじめ焦げ目がついている食品にクリスピー感を付与しようとするものではない。
【0012】
また盤状小麦粉焼成品と、その上面および下面の少なくとも一方に位置するマイクロ波発熱体との間に油脂層を介在させることにより、電子レンジ加熱によってもクリスピーな食感と良好な風味を有する盤状小麦粉焼成品を提供する方法がある(特許文献6参照)。しかしながら、この方法は盤状小麦粉焼成品とマイクロ波発熱体の間に油脂層を介在させる必要があるため、喫食時にその油脂分がべとつくという欠点があり、また好ましい油脂の例として用いられている固体脂は製品の温度が下がると固体状となり好ましくない。
【0013】
またマイクロ波加熱用発熱体を、マイクロ波を利用した加熱調理に使用することによって、短時間での高温加熱が十分得られ、特に、食品表面等に焦げ目を付与する方法もある(特許文献7参照)。しかしながら、この方法では冷凍餃子や冷凍ピザを、マイクロ波加熱用発熱体を使用してマイクロ波調理することにより十分な焦げ目を付与した例が開示されているが、あらかじめ焦げ目がついている食品のクリスピー感を付与しようとするものではない。また焦げ目のない食品に対し電子レンジ調理で焦げ目をつけるために、加熱時間が長く消費電力もかかるという欠点を有するばかりでなく、過加熱による発火の危険性も高くなる。
【0014】
【特許文献1】
特開平3−30651号公報
【特許文献2】
特開平10−94373号公報
【特許文献3】
特開平10−80255号公報
【特許文献4】
特開平11−46709号公報
【特許文献5】
特開昭63−87534号公報
【特許文献6】
特開平03−210143号公報
【特許文献7】
特開2000−279321号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、流通・保存期間中、中具から焼き面へ水分移行する傾向のある冷凍焼き餃子について、その調理直後の香ばしい風味とともに、いわゆるクリスピー感を発現し得る電子レンジ調理用冷凍焼き餃子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷凍焼き餃子の焼き面がマイクロ波吸収発熱体と接触している電子レンジ調理用冷凍焼き餃子であり、特に中具の水分量、麺帯の厚さを調節した焼き餃子の焼き面とマイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体を重ねて冷凍することで、電子レンジ調理後の焼き餃子の焼き面にクリスピー感を発現させることが可能となり、上記の課題を達成するに至った。
【0017】
本発明には、以下の発明が包含する。
発明1.600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った時の発熱量が30〜300J/cm2であるマイクロ波吸収発熱体と、冷凍焼き餃子の焼き面が接触している電子レンジ調理用冷凍焼き餃子であって、前記マイクロ波吸収発熱体により電子レンジ調理を行った後の前記焼き面の麺帯の厚さが0.8〜1.4mmであることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
発明2.上記発明1において、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の冷凍焼き餃子の中具水分重量(g)を焼き面の面積(cm2)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cm2である電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
発明3.上記発明2において、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の前記焼き面の水分量が5〜27%である電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
発明4.上記発明2または3において、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の前記焼き面のでんぷん糊化度が60〜98%電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
【0020】
【発明の実施の形態】
また本発明に用いる冷凍焼き餃子は、小麦粉を主体とした麺帯で、みじん切りにした野菜、肉等に調味料で味付けをした中具を包み込み、焼き蒸し処理を行った後冷凍したものである。
【0021】
本発明におけるマイクロ波吸収発熱体とは、マイクロ波エネルギーを吸収して、熱に変換し発熱する特性を有するものをいう。このようなマイクロ波吸収発熱体の例としては、プラスチックフィルムまたは紙基材に誘電性金属蒸着層を設けたもの(特開昭60−251056号公報、特開2000−279321号公報等)を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されない。マイクロ波吸収発熱体の形状は、特に限定されないが、例えば、シート状、板状、トレイ状、ホイル状等とすることができる。通常、このマイクロ波吸収発熱体は、冷凍焼き餃子の焼き面に熱を伝えやすい形状が好ましく、焼き面が平坦の場合は、マイクロ波吸収発熱体も平板状であると熱が伝わりやすく好ましい。微細な穴、溝のあるマイクロ波吸収発熱体シートも使用できる。
【0022】
また、冷凍焼き餃子の焼き蒸し調理面と重なるマイクロ波吸収発熱体部分がたわまないように発熱体の端を折り曲げるなどの加工をすることもできる。
【0023】
本発明において、餃子を成型した後の焼き蒸し処理工程時に焼き蒸し処理を行った面を焼き面という。焼き面の水分を素早く飛散させるため、焼き面の麺帯の厚さは、0.8〜1.4mmであることが必要であり、好ましくは0.8〜1.1mmである。
【0024】
本発明においては焼き蒸し処理工程の前に焼き面に好ましいクリスピー感を付与させる目的などのためにバッターを付着させる工程や、焼き面を平面にして均一な焼き目を付与する目的などのために加水を付与する工程や、焦げ付き防止などのために油脂を付与する工程をいれても良い。
【0025】
焼き面のクリスピー感をだすためには、電子レンジ調理後の焼き面の水分量が5〜27%であることが好ましい。本発明において焼き面の水分量とは、焼き餃子の焼き面を発熱体と接触させ、冷凍した状態で総重量が80gの場合、電子レンジを600W設定で1分50秒間かけた際の水分量をいい、水分重量は、105℃で4時間乾燥させることで測定される。
【0026】
焼き面に焼き目をつける方法は特に限定されないが、高温で焼き蒸し処理しやすい点、焼き面が平坦であるとマイクロ波吸収発熱体で電子レンジ調理する際にも加熱されやすい点から、鉄板を用いて焼き蒸し処理することが好ましい。
【0027】
マイクロ波吸収発熱体の発熱量が高い程、短時間で焼き面の水分量を所望とする上記範囲に調整することができるが、レストラン、家庭等においては設定した一定の条件下、例えば600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行うとき、好ましい食感(パリパリ感)を保持するには、マイクロ波吸収発熱体の発熱量が30〜300J/cm2であることが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる中具は、電子レンジ調理後の中具の水分重量(g)を焼き面の面積(cm2)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cm2であることが好ましく、0.3〜0.6g/cm2であることがより好ましい。
【0029】
本発明では焼き面の水分をマイクロ波吸収発熱体を用いて飛散させるが、中具に含まれる水分(自由水)が焼き面に移行してくる場合がある。中具から焼き面への水分の移行を抑制するために、中具の量を減らすことや、中具に保水剤を混合して自由水を結合水に変換することは有効である。
【0030】
餃子を成型した後の焼き蒸し処理工程時に焼き蒸し処理を行う焼き面について、焼き蒸し処理時でんぷん糊化度を高く調整し、電子レンジ調理後にでんぷん糊化度が、約60〜98%であれば、好ましいパリパリとした食感、かつ歯切れの良い食感が得られる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0032】
【表1】
【0033】
表1に記した配合に基づき、ミキサーでよく混合し、10分間混練した後、ロールにより圧延し、最終麺厚を0.5mm〜1.2mmまでの間で調整し、型抜きをすることにより皮を作成した。中具は、野菜、肉をみじん切りにし、調味料を併せて混合したものを8gから20gの間で調整し麺皮で包んだ。次に、澱粉、油脂等を混合したバッターを成型した餃子底面に付着させ、フライパン上で4分間焼き蒸しを行った。焼き蒸し後に油脂を差し、焼き上げた。その後、急速凍結庫にて冷凍し、冷凍品を−18℃で一定期間保存した。その後マイクロ波吸収発熱体を餃子の焼き面に重ね、もしくはマイクロ波吸収発熱体なしで、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、その後食感(パリバリ感)の官能評価を実施した。官能評価の点数は1〜5の5点満点で、次の基準に従った。
1点:非常に良くない
3点:普通
5点:非常に良い
訓練された評価者5人で行い、その平均点を評価値とした。
【0034】
[実施例1]
マイクロ波吸収発熱体の有無
3ヶ月後官能評価とは、−18℃で3ヶ月冷凍保存した後の食感の官能評価である。
【0035】
また、実施例1で使用したマイクロ波吸収発熱体は、坪量369gの紙にアルミを主成分とした物質を蒸着させ、PETで表面を保護した発熱体(TRYKKO PACK社製,デンマーク)で製造されたものを平板状で用いた。
【0036】
【表2】
【0037】
結果を表2に示す。
その結果、麺厚の違いによって食感の官能評価に差はないが、どの厚さにおいても、発熱紙を用いた場合に、非常に好ましい食感(パリバリ感)を感じることができた。なおこの際、発熱体ありの場合と発熱体なしの場合で、統計的処理をかけると、すべての麺厚において、危険率1%以下で有意差が認められた。
【0038】
[実施例2]
焼き面の厚さの影響
餃子の麺帯の成型時(焼き蒸し処理前)の麺帯の厚さを測定した。−18℃,1ヶ月冷凍保存後の餃子の焼き面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、麺帯の厚さを測定し、食感の官能評価を行った。その結果、麺帯の厚さが増加すると焼き蒸し処理後も麺帯の十分な膨化が起こらなかった。これは澱粉の糊化が十分に起こらないことが推論される。
【0039】
【表3】
【0040】
結果を表3に示す。
その結果、成型時の麺帯の厚さとしては、0.8mm以下で、好ましくは0.6mm以下で好ましい食感が得られた。電子レンジ調理後の麺帯の厚さにおいては、0.8〜1.4mmが良く、より好ましくは0.8〜1.1mmにおいて好ましい食感(パリバリ感)が得られることが判明した。
【0041】
[実施例3]
中具の水分量の影響
餃子の電子レンジ調理を行った場合の、焼き面の単位面積あたりの中具水分量を計算した。本発明でいう中具水分量とは、中具の水分割合を測定し中具重量と掛け合わせた値である。
【0042】
焼き面の単位面積あたりの中具水分量が異なる餃子を1ヶ月間、または3ヶ月間冷凍保存し、冷凍保存後の餃子の焼き面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、食感(パリバリ感)の官能評価を行った。
【0043】
【表4】
【0044】
結果を表4に示す。
その結果、単位焼き面面積あたりの中具水分量が0.72g/cm2以下であると、良い食感(パリバリ感)が十分に得られた。0.6g/cm2以下だと、より良い食感(パリバリ感)が得られた。
【0045】
[実施例4]
マイクロ波吸収発熱体の発熱量
発熱量がそれぞれ異なるマイクロ波吸収発熱体を餃子の焼き面に重ね、もしくはマイクロ波吸収発熱体なしで、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、その後食感(パリパリ感)の官能評価を実施した。
餃子の製法は実施例1に従い、マイクロ波吸収発熱体は紙にアルミを主成分とした物質を蒸着させた発熱体を平板状で用いた。ここで紙の量、アルミを主成分とした物質の蒸着量、PETの有無により、発熱量を変化させた。
【0046】
【表5】
コントロール:上質紙
*1 マイクロ波吸収発熱体の熱量は、500W電子レンジで30秒間加熱した際に発熱体1cm2あたりのサラダ油(比重1680J/kg℃)20gの上昇温度より発熱量を計算した。
* 危険率5%以下
** 危険率1%以下
【0047】
結果を表5に示す。
その結果、使用したマイクロ波吸収発熱体の発熱量が高いほど非常に好ましい食感を感じることができた。この際に各種発熱体ありの場合となしの場合で、統計処理を行うと、発熱量が30.2〜58.9J/cm2において危険率1%以下で有意差が認められた。また、あまりにも発熱量が高いと、中具が暖められる前に麺帯が焦げてしまう。これらの結果から、マイクロ波吸収発熱体の発熱量は30〜300J/cm2であることが好ましい。
【0048】
[実施例5]
電子レンジ調理後の焼き面の水分量
焼き面の水分量(%)が異なる餃子を1ヶ月間冷凍保存し、冷凍保存後の餃子の焼き面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、焼き面の水分量を測定し、また食感(パリバリ感)の官能評価を行った。
【0049】
【表6】
【0050】
結果を表6に示す。
焼き面の水分量が、27%以上では食感(パリバリ感)が低下することが判明した。この結果から焼き面の水分量は、5〜27%であることが好ましい。
【0051】
[実施例6]
焼き面のでんぷん糊化度の影響
実施例1と同様に成型した餃子をフライパン上で4分から7分までの間で調整した焼き蒸しを行った。焼き蒸し後に油脂を差し、焼き上げた。その後、急速凍結庫にて冷凍し、冷凍品を−18℃で一定期(3ヶ月)間保存した。600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、焼き面のでんぷん糊化度の測定および官能評価に供した。焼き面の糊化度は貝沼ら(澱粉科学,28(4),235〜240(1981))の方法によって測定を実施した。官能評価では、パリ感に加え歯切れのよさについても評価を行った。
【0052】
歯切れの良さに関する官能評価の点数は、1〜5の5点満点で次の基準に従った。
1点:非常に良くない
3点:普通
5点:非常に良い
【0053】
【表7】
【0054】
結果を表7に示す。
その結果、焼き面の糊化度が約60%以上で好ましいパリパリとした食感、かつ歯切れの良い食感が得られた。糊化度とパリパリ感および歯切れの良さでそれぞれ相関係数を計算すると、0.99および0.92であり官能評価値と糊化度の間には強い相関関係が認められた。よって十分に焼き面が糊化を行い、好ましくは糊化度60%以上とさせることでパリパリ感かつ歯切れの良い食感とすることができた。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、電子レンジ調理で、クリスピーな食感の焼き面を持ち、良好な風味を有し、ジューシーな焼き餃子を得ることが可能となり、フライパン等による再加熱を行う場合と比較してもきわめて短時間の調理時間ですむなどの利点を享受できる。
Claims (4)
- 600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った時の発熱量が30〜300J/cm2であるマイクロ波吸収発熱体と、冷凍焼き餃子の焼き面が接触している電子レンジ調理用冷凍焼き餃子であって、前記マイクロ波吸収発熱体により電子レンジ調理を行った後の前記焼き面の麺帯の厚さが0.8〜1.4mmであることを特徴とする電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
- 600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の冷凍焼き餃子の中具水分重量(g)を焼き面の面積(cm2)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cm2であることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
- 600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の前記焼き面の水分量が5〜27%であることを特徴とする請求項2記載の電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
- 600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行った後の前記焼き面のでんぷん糊化度が60〜98%であることを特徴とする請求項2または3記載の電子レンジ調理用冷凍焼き餃子。
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