JP3336232B2 - 電子レンジ食品 - Google Patents

電子レンジ食品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子レンジ加熱によ
り、短時間で好ましい焦げ色及び焼成風味を付与するこ
とのできる電子レンジ食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、調理の簡便化傾向に伴い、家庭で
の調理済み食品の利用が増えている。その中でも電子レ
ンジを利用する電子レンジ対応食品(以下、電子レンジ
食品という)の消費が増加しており、このような需要に
対応すべくチルド又は冷凍の電子レンジ食品の開発が盛
んになっている。特に、冷凍の電子レンジ食品の開発は
盛んで、グラタン、ドリア、ラザニア、パスタ、ピザ、
パイ等種々の製品が市場に出回っている。このような食
品は、従来オーブンにより焼成し、焦げ色や焼成風味を
付与していた。これらの食品を電子レンジで加熱する場
合、食品の温度が充分に昇温しないなどの理由から、好
ましい焦げ色や焼成風味を付与できない等の問題があっ
た。一般に、食品のおいしさの要素として、食品の色と
香りは重要であることから、電子レンジ食品に関して
も、充分な焦げ色の付与と焼成風味の付与を目的として
種々の試みがなされている。
【0003】上述のような理由から、本願出願人は既
に、アミノ・カルボニル反応を利用して、電子レンジで
加熱することにより、好ましい焦げ色を呈する還元糖及
びアミノ酸を含有させたチーズ様食品の製造方法(特願
平8−24399号)を出願している。また、還元糖を
含有させたチーズにアミノ酸をまぶすか、あるいはアミ
ノ酸を含有させたチーズに還元糖をまぶし、電子レンジ
加熱することにより、チーズに好ましい焦げ色を付与す
ることの可能なチーズ様食品の製造方法(特願平9−7
5634号)を出願している。特開平5−304920
号公報には調理済のグラタン類の上部表面に乳製品と糖
類又は乳製品、糖類及びアミノ酸を付着させて、電子レ
ンジで加熱することにより、表面に焦げ色をつける方法
が開示されている。上記の方法によれば、電子レンジ加
熱により食品の表面に焦げ色を付与することができる
が、その焦げ色は、電子レンジの電磁波が集中する部位
では、充分であるが、電磁波の集中が弱い部位では、十
分に付与できず、焦げ色のムラが生じるといった問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現状の中
で、本発明は、電子レンジ食品を電子レンジで加熱した
際に、焦げムラができず、短時間で全体に好ましい焦げ
色と焼成風味を付与することのできる電子レンジ食品及
びその製造方法を提供することを主たる目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意研究を重ねた結果、食品の表面に、空気層含有
物又は顆粒状物を積層し、さらにその上に、上述したよ
うな電子レンジ加熱により焦げ色を呈するチーズ、例え
ば、還元糖及びアミノ酸を含有するチーズ、又はアミノ
酸を含有するチーズに還元糖をまぶしたチーズ、あるい
は還元糖を含有するチーズにアミノ酸をまぶしたチーズ
等を積層させることにより、電子レンジ加熱により食品
の表面全体に好ましい焦げ色を付与すると同時に香ばし
い焼成風味を付与することが可能な電子レンジ食品を得
るに至った。本発明は、食品表面に、空気層含有物又は
顆粒状物を積層し、さらにその上に電子レンジ加熱によ
り焦げ色を呈するチーズを積層させてなり、前記顆粒状
物が、耐熱性を有するチーズを油で揚げ、粉砕したもの
である電子レンジ食品に関する。本発明はまた、前記電
子レンジ加熱により焦げ色を呈するチーズがアミノ酸と
還元糖を含有するものである電子レンジ食品に関する。
本発明はまた、空気層含有物又は顆粒状物の水分が10
%以下である前記電子レンジ食品に関する。
【0006】電子レンジは、レーダー技術の転用から生
まれ、レーダーに使われるマイクロ波を利用して食品を
加熱する技術である。このマイクロ波は中波や短波より
も波長の短い電磁波で、これが物体に照射されると物体
の原子や分子が振動され、発熱が起きる。これは誘電加
熱又は誘導加熱といわれているが、誘電加熱では、誘電
率(ε:電場におかれた誘電体の分極の起こしやすさの
こと)が高いほど発熱しやすい。一般に、水の誘電率は
ε=77、チーズは常温ではε=20〜30、大気はε
≒1である。マイクロ波は周波数が高く、食品等に突き
当たると、図1に示すように、反射、吸収、透過の現象
を起こす。例えば、グラタンの表面に積層したチーズに
ついて見てみると、チーズの界面(表面)で、反射する
マイクロ波は大気中に逃げ、一方透過する電磁波はチー
ズの界面で屈折し、ほぼ垂直にチーズに進入し、吸収さ
れる。進入したマイクロ波は、原子や分子を振動させて
分子摩擦を起こし、これが熱エネルギーに変換されると
ともに、マイクロ波の強度は急速に減衰する。一般に、
電子レンジに使用するマイクロ波の波長は12.4cm
であり、電磁波が食品を透過する際に、この波長は1/
10に縮小され、この縮小分が熱エネルギーに変換さ
れ、チーズの温度が上昇する。
【0007】本発明では、上述したような性質を有する
電子レンジのマイクロ波を利用し、図2に示すように食
品と表面チーズの間に空気層含有物又は顆粒状物を積層
し、表面のチーズと食品の間に空気層を設けると、マイ
クロ波を効率良く利用できることを見いだした。図2に
示すように、発生したマイクロ波は、上述のとおり、チ
ーズの界面で、反射、吸収、透過の現象を起こす。反射
については、界面における誘電率の差が大きいほど反射
しやすくなるといわれ、空気と食品の界面での反射は食
品と食品との界面よりも大きい。本発明のように、食品
とチーズの間に空気層含有物又は顆粒状物が積層されて
いる場合には、一度チーズを透過した電磁波が、チーズ
底面での界面及び食品の界面で再度反射し、チーズの底
面から進入し、吸収される。また、空気層含有物又は顆
粒状物の上のチーズは、マイクロ波加熱に際しては、空
気層の上にチーズがあるため、底部からもマイクロ波が
進入し、結果的にマイクロ波の進入面積が増大するの
で、温度上昇が促進される。
【0008】このように本発明では、表面のチーズを短
時間で昇温させることができる。冷凍食品に限って言え
ば、空気層含有物によって食品本体からの冷気を遮断す
ためチーズの昇温が早く、解凍も早いため、レンジ加
熱効率も高まることを利点として挙げることができる。
さらに表面のチーズとして上記の電子レンジ加熱により
焦げ色を呈するチーズ類を用いることで、より好ましい
焦げ色を付与することが可能となる。このチーズ類とし
ては、還元糖及びアミノ酸を含有させたチーズ(特開平
8−24399号)、還元糖を含有させたチーズに、ア
ミノ酸をまぶすか、あるいはアミノ酸を含有させたチー
ズに還元糖をまぶしたチーズ(特開平9−75634
号)等を例示することができる。本発明ではこのような
チーズ類を以下、褐変チーズと称する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の電子レンジ食品は主に、
ハンバーグ類、グリル肉製品、グラタン類、キッシュ
類、ピザ類、スパゲッティー類等が挙げられる。本発明
では、特にグラタン類を例に挙げて説明する。本発明で
いうグラタン類とは、マカロニ、米又は野菜等の具材と
ソースを深皿に盛りつけ、さらにオーブンで焼いた料理
類のことをいう。具体的にはマカロニグラタン、ポテト
等の野菜グラタン、ドリアあるいはラザニア等の食品を
いう。以下、マカロニグラタンを例示して、本発明を詳
細に説明する。マカロニを適当な固さに茹でる。ホワイ
トソースを調製し、予め茹でておいたマカロニを和え、
これを深皿に盛りつける。この表面に、ウエハースの様
な空気層含有物又は耐熱性を有するチーズを油で揚げ粉
砕して調製した顆粒状物を積層し、さらにその上に、シ
ュッレドした褐変チーズをトッピングする。食品の上に
空気層含有物又は顆粒状物、さらにその上にシュレッド
した褐変チーズという積層構造になるように調製するこ
とが好ましい。このようにして得られた食品を冷凍して
もよい。顆粒状物を用いる場合の褐変チーズのトッピン
グの方法としては、多少加熱効率落ちるが顆粒状物と
褐変チーズを混合したものをトッピングすることもでき
る。
【0010】本発明で使用する空気層含有物としては、
厚さ2〜10mm以下、空気含有率80%以上の食品が
好ましい。このような食品として例えば、ウエハース、
クラッカー、煎餅、おかき、ポップコーン、おこし、高
野豆腐、麸、乾燥又はフリーズドライ食品等が例示でき
る。空気層含有物は角型、円型あるいは不定型いずれで
も差し支えなく、必要に応じて粉砕しても良い。一般に
は空気層含有物を食品上に一層にしきつめ、その上に褐
変チーズを積層すれば良い。空気層含有物は、特に脂肪
含量が高く、水分含量が低いものが本発明の目的に適し
ている。本発明で使用する褐変チーズは、還元糖とアミ
ノ酸が電子レンジ加熱によりアミノ・カルボニル反応を
起こして褐変し、好ましい焦げ色が付与される。なお、
食品の上にのせる褐変チーズの量は、特に制限はないが
全体のバランスを考慮すると、食品の表面に1〜10%
添加すればよい。
【0011】本発明で使用する顆粒状物は、上記の耐熱
性を有するチーズを油で揚げて粉砕したものの他に、パ
ン粉、粉チーズ、けしの実、細かく粉砕したクラッカー
等を使用することができる。特に、比重が小さく、しか
も形は接触面積の少ない球形や多角形が好ましい。大き
さは一辺ないし長径が2〜10mmのものが好ましく、
2mm以下では、食品表面と褐変チーズの間に空気の
が十分にとれない。また、顆粒状物が食品に埋もれてし
まうため、食品と褐変チーズとの間に空気の層ができず
に、加熱効率が落ちるので好ましくない。10mm以上
では、見栄えも良くないので好ましくない。空気層含有
物又は顆粒状物の比重は、食品がソースを用いるグラタ
ンの場合には、ソースよりも大きいと、空気層含有物又
は顆粒状物を食品表面にトッピングした際に、ソース中
に空気層含有物又は顆粒状物が埋もれ、食品と褐変チー
ズの間に十分な空気層を設けることができないので、比
重はなるべく小さい方が好ましい。少なくともソースよ
りは、小さいくする必要がある。一般に、0.2〜1.
0の範囲が好ましい。
【0012】また、空気層含有物又は顆粒状物の水分は
電子レンジ加熱に影響する。すなわち、空気層含有物又
は顆粒状物の水分が多いとそれ自体、マイクロ波を吸収
し、食品に反射してチーズに再度進入する前に、マイク
ロが減衰し、温度が十分に上がらないので、顆粒状物の
水分は少ない方がよい。具体的には水分含量10%以
下、特に5%以下が好ましい。顆粒状物として特に、上
記の耐熱性を有するチーズを油で揚げ粉砕したフライド
チーズを用いるのは、褐変チーズとの違和感がなく好ま
しいためである。このようなフライドチーズとしては、
フライドチーズ(特願平9−73043号)を粉砕した
ものを例示することができる。その他、通常のチーズ粉
末を焼成したものも用いることができる。特にフライド
チーズは油脂を多量に含有するため水分を吸収しにくい
ことから焼成チーズより好ましい。このようにチーズを
揚げたもの、焼成したものは予め香ばしい焼成風味を賦
与でき、食感もパリパリとしてその他の顆粒状物よりも
好ましいものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例を示してさらに詳細に
説明する。実施例1 ポテトグラタンの調製 (1) 食品の調製 ジャガイモを縦半分に切り、5mm程度の薄切にして茹
でた。次いで、ハムとタマネギをバターで炒めた。ジャ
ガイモ50g、ハム40g、タマネギ10gを電子レン
ジ対応の容器(長径14cm、短径11cm、深さ3c
m)盛りつけ、その上にホワイトソース100gをの
せ、全量200gのポテトグラタンを調製した。 (2) 褐変チーズの調製 チェダーチーズ(ニュージーランド産)3000g、食
塩12g、L−リジン塩酸塩45g(協和醗酵工業
製)、ポリリン酸45g、ジリン酸塩15g、重曹27
g、水75gをケトル乳化釜に入れ、飽和蒸気を注入し
ながら80rpmで撹拌し、85℃まで加温した。次い
で、75gの水にD−キシロース(東和化成工業製)8
0gを混合し、加熱溶解した後、冷却した。このキシロ
ース溶液(15℃以下)を添加し、ケルト乳化釜に入
れ、1分間撹拌混合した。この乳化物をケトル釜から取
り出し、トレー(5kg詰め)に充填し直ちに冷凍庫で
55〜65℃まで冷却した後、5℃の冷蔵庫で冷却し
た。冷蔵庫で1夜保管後、幅6mm長さ30mm、厚さ
2mmのシュレッド状にカットした。 (3) 顆粒状フライドチーズの調製 αsカゼイン比率が10%のチーズ600g、30%の
チーズ400g、リン酸ナトリウム30g、キサンタン
ガム30g、重曹15gを直接蒸気吹き込み式チーズ乳
化機に投入し、200回転/分で攪拌しながら、約10
分間で85℃に到達させるように加熱乳化を行い、均質
で流動性のある乳化物を得た。これをカートンに充填
し、5℃の冷蔵庫で直ちに冷却した。冷蔵庫で1夜保管
後、粒径1〜2mmに粉砕した。電気フライヤーにて大
豆サラダ油400gを180℃に熱し、粉砕チーズ40
gを油に入れた。約1分後チーズがフライヤー中の油表
面に網状となり浮上したところを取り出した。得られた
フライドチーズを再粉砕し、粒径2〜5mmの顆粒状物
を得た。 (4) 顆粒状物・褐変チーズのトッピング 顆粒状物(フライドチーズ)3gを(1)で調製した食
品の表面(80cm2=8cm×10cm)に均一に振
り掛け、その上に褐変チーズ15gを振り掛け、グラタ
ンを得た。グラタンの容器をラップで密封し、−30
℃、30分で急速冷凍し、さらに冷凍庫(−20℃)で
1日保存した。その後、容器のラップをはずし、冷凍の
まま電子レンジ(500W)で5分間及び6分間加熱し
た。なお、食品の表面は3.5分過ぎから褐変しはじ
め、4.5分経過した時点でチーズは全て溶解した。
【0014】実施例2 実施例1(1)〜(3)と同様に、食品、褐変チーズ及
びフライドチーズを調製した。 顆粒状物・褐変チーズのトッピング 顆粒状物(フライドチーズ)3gと褐変チーズ15gを
均一に混合し、食品の表面(80cm2 =8cm×10
cm)に均一に振り掛け、グラタンを得た。グラタンの
容器をラップで密封し、−30℃、30分で急速冷凍
し、さらに冷凍庫(−20℃)で1日保存した。その
後、容器のラップをはずし、冷凍のまま電子レンジ(5
00W)で5分間及び6分間加熱した。なお、食品の表
面は3.5分過ぎから褐変しはじめ、4.5分経過した
時点でチーズは全て溶解した。
【0015】実施例3 実施例(1)〜(2)と同様に、食品及び褐変チーズを
調製した。 (1) 空気層含有物(ウエハース)の調製 配合を表1に示す。ミキサーに冷水(15℃)を計量
し、小麦を加え混合溶解し、砂糖、乾燥全卵、食塩、膨
張剤を添加した。次いで、溶かした植物油脂にレシチン
を加えたものを添加し、100回転/分で2分間攪拌し
た。得られた生地は鉄製の焼型(内部寸法;内径140
mm、深さ1.5mm、本体厚さ8mm、蓋厚さ6m
m)に流し込み、ガスコンロで焼成した。生地は膨潤し
厚さ3mmのウエハースを得た。得られたウエハースを
8cm×10cmに切断した。なお、ウエハース表面に
は溶融したショートニングを塗布し、食品のソースから
の水分移行を防止した。 (2)空気層含有物・褐変チーズのトッピング 空気層含有物(ウエハース)を実施例1の(1)で調製
した食品の表面(80cm2 =8cm×10cm)に載
せ、その上に褐変チーズ15g振りかけ、グラタンを得
た。グラタンの容器をラップで密封し、−30℃で30
分間急速冷凍し、さらに冷凍庫(−20℃)で1日保存
した。その後、容器のラップをはずし、冷凍のまま電子
レンジ(500W)で5分間及び6分間加熱した。な
お、食品の表面は2.5分過ぎから褐変しはじめ、4.
0分経過した時点でチーズは全て溶解した。
【0016】
【表1】
【0017】比較例1 顆粒状フライドチーズをのせずに、他は実施例1に従い
ポテトグラタンを調製し、これを比較例1とした。褐変
チーズ15gを食品の表面(80cm2 =8cm×10
cm)に均一に振り掛け、グラタンを得た。グラタンの
容器をラップで密封し、−30℃、30分で急速冷凍
し、さらに冷凍庫(−20℃)で1日保存した。その
後、容器のラップをはずし、冷凍のまま電子レンジ(5
00W)で5分間及び6分間加熱した。なお、食品の表
面は4.5分過ぎから褐変しはじめ、5.5分経過した
時点でチーズは全て溶解した。
【0018】評価 実施例1、実施例2、実施例3及び比較例1の5分間及
び6分間加熱したポテトグラタンの表面の焦げ色の評価
を行い、さらに焼成風味についても官能評価を行なっ
た。評価の方法は、以下に示す。焦げ色の評価;図3に
示すように、チーズトッピング部分(80cm2 )を1
cm2 ごとに80マスに区切り、各マスの焦げ色を4段
階に分類した。第1段階は焦げなかったマス(0点)、
第2段階は弱く焦げたマス(0.5点)、第3段階は適
度(黄金褐色)な焦げ色のマス(1点)、第4段階は焦
げ過ぎた(茶色、黒色)マス(0.5点)に分類し、グ
ラタン全体の焦げ方(焦げ評価点)を80点満点で評価
した。さらに、焦げ面積を、第2、3、4段階のマス数
から算出した。焦げ面積に対する焦げ評価点が高いもの
ほど焦げムラが少なく、好ましい焦げ色が付与されたこ
とを示す。結果を表に示す。官能評価;トッピングの
焼成風味及びポテトグラタン全体の味を10人の熟練パ
ネラーにより7段階で評価した。点数は、焼成感が有る
・美味しいを+3点、どちらともいえないを0点、焼成
感が無い・美味しくないを−3点とし、その平均点で表
した。結果を表3に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】実施例1;6分間加熱したとき、トッピン
グ面積の90%以上に焦げ色が付与された。また、5分
間加熱したときも、トッピング面積の80%以上に焦げ
色が付与された。いずれも、適度な焦げ色を示す部分が
多く全体的に好ましいものであった。5分間加熱でも十
分な焦げ色が得られたことから、調理時間の短縮効果が
確認できた。官能評価に関しても、5分間調理、6分間
調理ともに香ばしい焼成風味が付与され、全体的に味の
バランスが良かった。実施例2;6分間加熱したとき、
トッピング面積の85%以上に焦げ色が付与された。ま
た、5分間加熱したときも、トッピング面積の77%以
上に焦げ色が付与された。いずれも、焦げ色の状態は概
ね良好であったが、実施例1より焦げ方にムラが生じ
た。官能評価に関しても、5分間調理、6分間調理とも
に香ばしい焼成風味が付与され、全体的に味のバランス
が良かった。実施例3;6分間加熱したとき、トッピン
グ面積の90%以上に焦げ色が付与された。また5分間
加熱したときも、トッピング面積の87%以上に焦げ色
が付与された。いずれも、強く焦げる割合が大きく、6
分間加熱では外観上、焦げすぎであった。官能評価に関
しては、5分間調理、6分間調理ともに概ね香ばしい焼
成風味が付与され、全体的に味のバランスが良く比較例
1より優ていたが、フライドチーズを使用した実施例
1及び実施例2よりは劣った。比較例1;焦げ面積は、
5分間加熱したものでは、充分な焦げを生ぜず、焦げ色
に関しても5分間加熱したものでは、充分な焦げ色を付
与でなかった。6分間加熱すると適度な焦げ色が付与
され、面積の80%以上に焦げ色が着いた。しかし、実
施例1及び実施例2に比較して、焦げムラが目立った。
官能評価に関しても香ばしい焼成風味や全体的な美味し
さについて、実施例1及び実施例2より劣っていた。
【0022】
【発明の効果】本発明により、電子レンジ加熱によって
好ましい焦げ色を呈する電子レンジ食品が提供される。
また、本発明の電子レンジ食品は従来の食品と比較し
て、短時間の電子レンジ加熱でも効率良く好ましい焦げ
色を付与することができる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来品のマイクロ波の反射、吸収、透過を示す
模式図である。矢印はマイクロ波の進行方向を意味す
る。
【図2】本発明品のマイクロ波の反射、吸収、透過を示
す模式図である。矢印はマイクロ波の進行方向を意味す
る。
【図3】焦げ色の評価のための食品の表面の分割図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田原 正光 埼玉県狭山市柏原3107−1 グラシアA −101 (72)発明者 相内 雅治 埼玉県川越市吉田新町1−1−2 初雁 13−501 (56)参考文献 特開 平8−51964(JP,A) 特開 平8−308531(JP,A) 特開 平9−206038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/48 A21D 13/08 A23C 19/09

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品表面に、空気層含有物又は顆粒状物
    を積層し、さらにその上に電子レンジ加熱により焦げ色
    を呈するチーズを積層させてなり、前記顆粒状物が、耐
    熱性を有するチーズを油で揚げ、粉砕したものであるこ
    とを特徴とする電子レンジ食品。
  2. 【請求項2】 電子レンジ加熱により焦げ色を呈する
    ーズが、アミノ酸と還元糖を含有するものである請求項
    1記載の電子レンジ食品。
  3. 【請求項3】 空気層含有物又は顆粒状物が水分10%
    以下である請求項1記載の電子レンジ食品。
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