JP2004000182A - 電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品 - Google Patents

電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2004000182A
JP2004000182A JP2003097851A JP2003097851A JP2004000182A JP 2004000182 A JP2004000182 A JP 2004000182A JP 2003097851 A JP2003097851 A JP 2003097851A JP 2003097851 A JP2003097851 A JP 2003097851A JP 2004000182 A JP2004000182 A JP 2004000182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
treated
microwave
packaged food
microwave cooking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003097851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4374883B2 (ja
Inventor
Akihiro Watanabe
渡邉 晃弘
Hirofumi Terasaki
寺崎 弘文
Yoshinori Matsuura
松浦 佳紀
Nobuhiro Fusamune
房宗 信拡
Takehiko Uchida
内田 武彦
Junko Gonda
権田 純子
Shiyouta Mansei
満生 昌太
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP2003097851A priority Critical patent/JP4374883B2/ja
Publication of JP2004000182A publication Critical patent/JP2004000182A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4374883B2 publication Critical patent/JP4374883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Package Specialized In Special Use (AREA)

Abstract

【課題】流通・保存期間中、中具から加熱処理面へ水分移行する傾向のある加熱処理済み麺帯包装食品について、その調理直後の香ばしい風味とともに、いわゆるクリスピー感を発現し得る電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品を提供する。
【解決手段】加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と接触していることを特徴とする電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱処理済み冷凍餃子などを含む加熱処理済み麺帯包装食品をレンジ調理によって加熱した際、加熱処理面にクリスピー感を付与するのに適した電子レンジ調理用麺帯包装食品に関する。更に詳しくは、加熱処理済み麺帯包装食品とマイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体を組み合わせることで、電子レンジ調理後麺帯包装食品の加熱処理面にクリスピー感を発現させることができる麺帯包装食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、市場には開封するだけで直ちに、あるいは電子レンジによる加熱などの簡単な調理を加えるだけで直ちに、食卓に供し得る加熱処理済み食品が大量に供給されている。
【0003】
加熱処理済み食品は、開封し食卓に供する際に、その調理直後の香ばしい風味とともに、加熱処理面に焼きたての「パリパリ」とした軽い食感、いわゆるクリスピー感を再現し得ることが、商品価値を決定する重要要件となっている。
【0004】
加熱処理済み食品は製造後、冷蔵保存されて流通する商品にあっては2週間程度、冷凍保存された商品(加熱処理済み冷凍食品)にあっては少なくとも1ヶ月、通常2〜3ヶ月の期間、保存されることを前提として製造されるのが一般的である。
【0005】
しかしながら加熱処理済み食品の流通や保存後には水分移行が発生する。特に焼き餃子などの麺帯包装食品などでは中具から皮への水分移行が起こり、喫食時に好ましい風味およびクリスピー感を再現させるのは困難である。また加熱処理済み食品の流通や保存後の喫食時に好ましい食感を再現させるために、従来から種々の試みが行われてきた。
【0006】
例えば、小麦粉ドウを圧延した生地の中に、融点50〜90℃の油脂を生地に対して1〜15%配合することで、油ちょう直後の好ましい食感を長時間維持する発明がある(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は融点の高い油脂を生地に混合する必要があるため、口溶けが悪くなるなど生地の食感が損なわれる。
【0007】
また湿熱処理された澱粉および糖を含有し小麦粉を主成分とした生地を有する小麦粉製品を作ることにより、焼き、あるいは揚げ処理後時間が経過しても、又は加熱処理後に冷蔵、または冷凍したものを電子レンジにて再加熱しても、加熱処理面が引きのあるゴム様の歯切れの悪い食感にならず、良好な食感を保つことができる発明がある(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は湿熱処理された澱粉および糖を生地に混合する必要があるため生地の配合に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0008】
融点が40〜60℃の油脂及び湿熱処理された澱粉を含有する小麦粉製品を作ることにより、歯切れの良い、クリスピー感のある加熱処理面を有する小麦粉製品を得る方法がある(特許文献3参照)。しかしながら、この方法は特定の油脂及び湿熱処理された澱粉を生地に混合する必要があるため生地の配合に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0009】
厚みが0.6〜1.8mmの小麦粉を主成分とする生地を有し、かつ該生地中に加熱処理面を有する冷凍食品であって、該生地が特定の破断測定において破断強度/歪み距離が15〜50gf/mmである生地を有することで、好適な硬さを持ち、かつ引きのない、歯切れの良い加熱処理面を提供する方法がある(特許文献4参照)。しかしながら、この方法は該生地を特定の破断強度/歪み距離にするために、小麦粉組織におけるグルテン組織を十分出しかつ繋がりを適度に切る物質、更に澱粉の状態変化を抑える物質を添加することが必要であるため、生地の配合や状態に制約があるばかりでなく、生地の成型が困難になり食感も変化してしまう。
【0010】
またマイクロ波吸収発熱体を利用することで、電子レンジ加熱時に、冷凍食品に焦げ目を付けたり、クリスピー感を付与する検討もなされている。
【0011】
例えば、容器壁面もしくは蓋体の一部にチタン酸カリウム還元体およびマイクロ波を反射する金属粒子を含むインキ組成物を用いて印刷形成した印刷被膜を設けたことを特徴とするマイクロ波調理用容器の発明がある(特許文献5参照)。しかしながら、この方法はマイクロ波調理において適度に焦げ目をつけることができる容器を安価に量産することが目的であり、ピザに焦げ目をつける例、ポプコーンの製造例、おにぎりのまわりにパターン状に焦げ目をつける例が開示されている。しかし、あらかじめ焦げ目がついている食品にクリスピー感を付与しようとするものではない。
【0012】
また盤状小麦粉焼成品と、その上面および下面の少なくとも一方に位置するマイクロ波発熱体との間に油脂層を介在させることにより、電子レンジ加熱によってもクリスピーな食感と良好な風味を有する盤状小麦粉焼成品を提供する方法がある(特許文献6参照)。しかしながら、この方法は盤状小麦粉焼成品とマイクロ波発熱体の間に油脂層を介在させる必要があるため、喫食時にその油脂分がべとつくという欠点があり、また好ましい油脂の例として用いられている固体脂は製品の温度が下がると固体状となり好ましくない。
【0013】
またマイクロ波加熱用発熱体を、マイクロ波を利用した加熱調理に使用することによって、短時間での高温加熱が十分得られ、特に、食品表面等に焦げ目を付与する方法もある(特許文献7参照)。しかしながら、この方法では冷凍餃子や冷凍ピザを、マイクロ波加熱用発熱体を使用してマイクロ波調理することにより十分な焦げ目を付与した例が開示されているが、あらかじめ焦げ目がついている食品のクリスピー感を付与しようとするものではない。また焦げ目のない食品に対し電子レンジ調理で焦げ目をつけるために、加熱時間が長く消費電力もかかるという欠点を有するばかりでなく、過加熱による発火の危険性も高くなる。
【0014】
【特許文献1】
特開平3−30651号公報
【特許文献2】
特開平10−94373号公報
【特許文献3】
特開平10−80255号公報
【特許文献4】
特開平11−46709号公報
【特許文献5】
特開昭63−87534号公報
【特許文献6】
特開平03−210143号公報
【特許文献7】
特開2000−279321号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、流通・保存期間中、中具から加熱処理面へ水分移行する傾向のある加熱処理済み麺帯包装食品について、その調理直後の香ばしい風味とともに、いわゆるクリスピー感を発現し得る電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と接触している電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品であり、特に中具の水分量、麺帯の厚さを調節した加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面とマイクロ波エネルギーにより発熱するマイクロ波吸収発熱体を重ねることで、電子レンジ調理後の麺帯包装食品の加熱処理面にクリスピー感を発現させることが可能となり、上記の課題を達成するに至った。
【0017】
本発明には、以下の発明が包含する。
発明1.加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と接触していることを特徴とする電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明2.電子レンジ調理時に加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と重なり、電子レンジ調理後の麺帯包装食品の中具水分重量(g)を加熱処理面の面積(cm)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cmであることを特徴とする電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明3.上記発明2において、加熱処理面の麺帯の厚さが、電子レンジ調理後に0.8〜1.4mmである電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明4.上記発明1ないし2において、マイクロ波吸収発熱体の発熱量が30〜300J/cmである電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明5.上記発明2ないし4において、電子レンジ調理後の加熱処理面の水分量が5〜27%である電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明6.上記発明2ないし5において、加熱処理面のでんぷん糊化度が電子レンジ調理後に60〜98%である電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。発明7.上記発明1ないし6において、加熱処理済み麺帯包装食品が冷凍食品である電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
発明8.上記発明1ないし6において、加熱処理済み麺帯包装食品が冷凍餃子である電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において麺帯包装食品とは麺帯で中具を包み込んである食品のことをさす。麺帯の主原料は小麦粉などの穀粉であり、副原料には油脂、食塩、糖類、調味料などを用いることもできる。麺帯包装食品の具体的な例としては、餃子、シューマイ、中華饅頭、ラビオリ、春巻きなどを挙げることができる。
【0019】
麺帯の製法は公知の方法を用いて製造することができ、一般的には各製品に応じて、小麦粉を主原料とした穀粉に混捏操作を加えた後に圧延・成型などの操作を加える。
【0020】
また本発明に用いる加熱処理済み麺帯包装食品は、製造後に冷蔵や冷凍したものも含まれる。冷凍した加熱処理済み麺帯包装食品の例として、小麦粉を主体とした麺帯で、みじん切りにした野菜、肉等に調味料で味付けをした中具を包み込み、加熱処理調理を行った後冷凍する餃子を挙げることができる。
【0021】
本発明におけるマイクロ波吸収発熱体とは、マイクロ波エネルギーを吸収して、熱に変換し発熱する特性を有するものをいう。このようなマイクロ波吸収発熱体の例としては、プラスチックフィルムまたは紙基材に誘電性金属蒸着層を設けたもの(特開昭60−251056号公報、特開2000−279321号公報等)を挙げることができるが、もちろんこれらに限定されない。マイクロ波吸収発熱体の形状は、特に限定されないが、例えば、シート状、板状、トレイ状、ホイル状等とすることができる。通常、このマイクロ波吸収発熱体は、加熱処理済み麺帯包装食品の加熱調理面に熱を伝えやすい形状が好ましく、加熱調理面が平坦の場合は、マイクロ波吸収発熱体も平板状であると熱が伝わりやすく好ましい。微細な穴、溝のあるマイクロ波吸収発熱体シートも使用できる。
【0022】
また、麺帯包装食品の加熱調理面と重なるマイクロ波吸収発熱体部分がたまわないように発熱体の端を折り曲げるなどの加工をすることもできる。
【0023】
本発明において、麺帯包装食品を成型した後の加熱処理工程時に加熱処理を行った面を加熱処理面という。加熱処理面の水分を素早く飛散させるため、加熱処理面の麺帯の厚さは、0.8〜1.4mmであることが必要であり、好ましくは0.8〜1.1mmである。
【0024】
本発明においては加熱処理工程の前に加熱処理面に好ましいクリスピー感を付与させる目的などのためにバッターを付着させる工程や、加熱処理面を平面にして均一な焼き目を付与する目的などのために加水を付与する工程や、焦げ付き防止などのために油脂を付与する工程をいれても良い。
【0025】
加熱処理面のクリスピー感をだすためには、電子レンジ調理後の加熱処理面の水分量が5〜27%であることが好ましい。本発明において加熱処理面の水分量とは、麺帯包装食品の加熱処理面を発熱体と接触させ、冷凍した包装食品で総重量が80gの場合、電子レンジを600W設定で1分50秒間かけた際の水分量をいい、水分重量は、105℃で4時間乾燥させることで測定される。
【0026】
加熱処理面に焼き目をつける方法は特に限定されないが、高温で加熱処理しやすい点、加熱処理面が平坦であるとマイクロ波吸収発熱体で電子レンジ調理する際にも加熱されやすい点から、鉄板を用いて加熱処理することが好ましい。
【0027】
マイクロ波吸収発熱体の発熱量が高い程、短時間で加熱処理面の水分量を所望とする上記範囲に調整することができるが、レストラン、家庭等においては設定した一定の条件下、例えば600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行うとき、好ましい食感(パリパリ感)を保持するには、マイクロ波吸収発熱体の発熱量が30〜300J/cmであることが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる中具は、電子レンジ調理後の中具の水分重量(g)を加熱処理面の面積(cm)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cmであることが好ましく、0.3〜0.6g/cmであることがより好ましい。
【0029】
本発明では加熱処理面の水分をマイクロ波吸収発熱体を用いて飛散させるが、中具に含まれる水分(自由水)が加熱調理面に移行してくる場合がある。中具から加熱調理面への水分の移行を抑制するために、中具の量を減らすことや、中具に保水剤を混合して自由水を結合水に変換することは有効である。
【0030】
麺帯包装食品を成型した後の加熱処理工程時に加熱処理を行う加熱調理面について、加熱処理時でんぷん糊化度を高く調整し、電子レンジ調理後にでんぷん糊化度が、約60〜98%であれば、好ましいパリパリとした食感、かつ歯切れの良い食感が得られる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0032】
【表1】
Figure 2004000182
【0033】
表1に記した配合に基づき、ミキサーでよく混合し、10分間混練した後、ロールにより圧延し、最終麺厚を0.5mm〜1.2mmまでの間で調整し、型抜きをすることにより皮を作成した。中具は、野菜、肉をみじん切りにし、調味料を併せて混合したものを8gから20gの間で調整し麺皮で包んだ。次に、澱粉、油脂等を混合したバッターを成型した餃子底面に付着させ、フライパン上で4分間焼き蒸しを行った。焼き蒸し後に油脂を差し、焼き上げた。その後、急速凍結庫にて冷凍し、冷凍品を−18℃で一定期間保存した。その後マイクロ波吸収発熱体を餃子の焼き面に重ね、もしくはマイクロ波吸収発熱体なしで、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、その後食感(パリバリ感)の官能評価を実施した。官能評価の点数は1〜5の5点満点で、次の基準に従った。
1点:非常に良くない
3点:普通
5点:非常に良い
訓練された評価者5人で行い、その平均点を評価値とした。
【0034】
[実施例1]
マイクロ波吸収発熱体の有無
3ヶ月後官能評価とは、−18℃で3ヶ月冷凍保存した後の食感の官能評価である。
【0035】
また、実施例1で使用したマイクロ波吸収発熱体は、坪量369gの紙にアルミを主成分とした物質を蒸着させ、PETで表面を保護した発熱体(TRYKKO PACK社製,デンマーク)で製造されたものを平板状で用いた。
【0036】
【表2】
Figure 2004000182
【0037】
結果を表2に示す。
その結果、麺厚の違いによって食感の官能評価に差はないが、どの厚さにおいても、発熱紙を用いた場合に、非常に好ましい食感(パリバリ感)を感じることができた。なおこの際、発熱体ありの場合と発熱体なしの場合で、統計的処理をかけると、すべての麺厚において、危険率1%以下で有意差が認められた。
【0038】
[実施例2]
加熱処理面の厚さの影響
餃子の麺帯の成型時(加熱処理前)の麺帯の厚さを測定した。−18℃,1ヶ月冷凍保存後の餃子の加熱処理面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、麺帯の厚さを測定し、食感の官能評価を行った。その結果、麺帯の厚さが増加すると加熱処理後も麺帯の十分な膨化が起こらなかった。これは澱粉の糊化が十分に起こらないことが推論される。
【0039】
【表3】
Figure 2004000182
【0040】
結果を表3に示す。
その結果、成型時の麺帯の厚さとしては、0.8mm以下で、好ましくは0.6mm以下で好ましい食感が得られた。電子レンジ調理後の麺帯の厚さにおいては、0.8〜1.4mmが良く、より好ましくは0.8〜1.1mmにおいて好ましい食感(パリバリ感)が得られることが判明した。
【0041】
[実施例3]
中具の水分量の影響
餃子の電子レンジ調理を行った場合の、加熱処理面の単位面積あたりの中具水分量を計算した。本発明でいう中具水分量とは、中具の水分割合を測定し中具重量と掛け合わせた値である。
【0042】
加熱処理面の単位面積あたりの中具水分量が異なる餃子を1ヶ月間、または3ヶ月間冷凍保存し、冷凍保存後の餃子の加熱処理面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、食感(パリバリ感)の官能評価を行った。
【0043】
【表4】
Figure 2004000182
【0044】
結果を表4に示す。
その結果、単位加熱処理面面積あたりの中具水分量が0.72g/cm以下であると、良い食感(パリバリ感)が十分に得られた。0.6g/cm以下だと、より良い食感(パリバリ感)が得られた。
【0045】
[実施例4]
マイクロ波吸収発熱体の発熱量
発熱量がそれぞれ異なるマイクロ波吸収発熱体を餃子の加熱処理面に重ね、もしくはマイクロ波吸収発熱体なしで、600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、その後食感(パリパリ感)の官能評価を実施した。
餃子の製法は実施例1に従い、マイクロ波吸収発熱体は紙にアルミを主成分とした物質を蒸着させた発熱体を平板状で用いた。ここで紙の量、アルミを主成分とした物質の蒸着量、PETの有無により、発熱量を変化させた。
【0046】
【表5】
Figure 2004000182
コントロール:上質紙
*1 マイクロ波吸収発熱体の熱量は、500W電子レンジで30秒間加熱した際に発熱体1cmあたりのサラダ油(比重1680J/kg℃)20gの上昇温度より発熱量を計算した。
*  危険率5%以下
** 危険率1%以下
【0047】
結果を表5に示す。
その結果、使用したマイクロ波吸収発熱体の発熱量が高いほど非常に好ましい食感を感じることができた。この際に各種発熱体ありの場合となしの場合で、統計処理を行うと、発熱量が30.2〜58.9J/cmにおいて危険率1%以下で有意差が認められた。また、あまりにも発熱量が高いと、中具が暖められる前に麺帯が焦げてしまう。これらの結果から、マイクロ波吸収発熱体の発熱量は30〜300J/cmであることが好ましい。
【0048】
[実施例5]
電子レンジ調理後の加熱処理面の水分量
加熱処理面の水分量(%)が異なる餃子を1ヶ月間冷凍保存し、冷凍保存後の餃子の加熱処理面をマイクロ波吸収発熱体に重ねて電子レンジ調理した後に、加熱処理面の水分量を測定し、また食感(パリバリ感)の官能評価を行った。
【0049】
【表6】
Figure 2004000182
【0050】
結果を表6に示す。
加熱処理面の水分量が、27%以上では食感(パリバリ感)が低下することが判明した。この結果から加熱処理面の水分量は、5〜27%であることが好ましい。
【0051】
[実施例6]
加熱処理面のでんぷん糊化度の影響
実施例1と同様に成型した餃子をフライパン上で4分から7分までの間で調整した焼き蒸しを行った。焼き蒸し後に油脂を差し、焼き上げた。その後、急速凍結庫にて冷凍し、冷凍品を−18℃で一定期(3ヶ月)間保存した。600W設定で1分50秒の電子レンジ調理を行い、加熱処理面のでんぷん糊化度の測定および官能評価に供した。加熱処理面の糊化度は貝沼ら(澱粉科学,28(4),235〜240(1981))の方法によって測定を実施した。官能評価では、パリ感に加え歯切れのよさについても評価を行った。
【0052】
歯切れの良さに関する官能評価の点数は、1〜5の5点満点で次の基準に従った。
1点:非常に良くない
3点:普通
5点:非常に良い
【0053】
【表7】
Figure 2004000182
【0054】
結果を表7に示す。
その結果、加熱処理面の糊化度が約60%以上で好ましいパリパリとした食感、かつ歯切れの良い食感が得られた。糊化度とパリパリ感および歯切れの良さでそれぞれ相関係数を計算すると、0.99および0.92であり官能評価値と糊化度の間には強い相関関係が認められた。よって十分に加熱処理面が糊化を行い、好ましくは糊化度60%以上とさせることでパリパリ感かつ歯切れの良い食感とすることができた。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、電子レンジ調理で、クリスピーな食感の加熱処理面を持ち、良好な風味を有し、ジューシーな加熱処理済み麺帯包装食品を得ることが可能となり、フライパン等による再加熱を行う場合と比較してもきわめて短時間の調理時間ですむなどの利点を享受できる。

Claims (8)

  1. 加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と接触していることを特徴とする電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  2. 電子レンジ調理時に加熱処理済み麺帯包装食品の加熱処理面がマイクロ波吸収発熱体と重なり、電子レンジ調理後の麺帯包装食品の中具水分重量(g)を加熱処理面の面積(cm)で割ったときの値が0.3〜0.72g/cmであることを特徴とする電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  3. 加熱処理面の麺帯の厚さが、電子レンジ調理後に0.8〜1.4mmである請求項2記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  4. マイクロ波吸収発熱体の発熱量が30〜300J/cmであることを特徴とする請求項1ないし2記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  5. 電子レンジ調理後の加熱処理面の水分量が5〜27%である請求項2ないし4記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  6. 加熱処理面のでんぷん糊化度が電子レンジ調理後に60〜98%である請求項2ないし5記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  7. 加熱処理済み麺帯包装食品が冷凍食品である請求項1ないし6記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
  8. 加熱処理済み麺帯包装食品が冷凍餃子である請求項1ないし6記載の電子レンジ調理用加熱処理済み麺帯包装食品
JP2003097851A 2002-04-19 2003-04-01 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子 Expired - Fee Related JP4374883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003097851A JP4374883B2 (ja) 2002-04-19 2003-04-01 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118102 2002-04-19
JP2003097851A JP4374883B2 (ja) 2002-04-19 2003-04-01 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004000182A true JP2004000182A (ja) 2004-01-08
JP4374883B2 JP4374883B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=30447226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003097851A Expired - Fee Related JP4374883B2 (ja) 2002-04-19 2003-04-01 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4374883B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006055026A (ja) * 2004-08-18 2006-03-02 Ajinomoto Co Inc 電子レンジ調理用食品
JP2013226129A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Ajinomoto Co Inc 焼き目形成剤付き冷凍餃子および冷蔵餃子並びにそれらの製造方法
JP2016154541A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 味の素株式会社 電子レンジ調理用食品

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101797489B1 (ko) 2017-01-19 2017-11-14 나하나 냉동만두 제조방법
JP2022065563A (ja) 2020-10-15 2022-04-27 味の素株式会社 冷凍包餡食品用の電子レンジ加熱用容器およびそれを用いた加熱方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006055026A (ja) * 2004-08-18 2006-03-02 Ajinomoto Co Inc 電子レンジ調理用食品
JP4655264B2 (ja) * 2004-08-18 2011-03-23 味の素株式会社 電子レンジ調理用食品
JP2013226129A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Ajinomoto Co Inc 焼き目形成剤付き冷凍餃子および冷蔵餃子並びにそれらの製造方法
JP2016154541A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 味の素株式会社 電子レンジ調理用食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4374883B2 (ja) 2009-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02215338A (ja) マイクロ波で焼くことができる貯蔵安定性クッキードウ
JPH0430264B2 (ja)
EP2358207B1 (en) Whole oat microwavable baked items
US20030203076A1 (en) Heat-treated food which has been wrapped in a pastry of wheat flour dough for cooking in a microwave oven
US9974324B2 (en) Food for microwave oven cooking
JP4374883B2 (ja) 電子レンジ調理用冷凍焼き餃子
JP6412762B2 (ja) 揚げパン類の製造方法
JP2791141B2 (ja) 膨化食品
JP2007029010A (ja) ピザクラストの製造方法及び冷凍ピザ
JPH04104754A (ja) パン及びその製造方法
JP3249663B2 (ja) 電子レンジ解凍に適する冷凍ベーカリー製品
TWI729463B (zh) 點心類的皮、點心類、冷凍點心類及點心類的皮之製造方法
JP4655264B2 (ja) 電子レンジ調理用食品
JP4776605B2 (ja) マイクロ波加熱装置加熱用冷凍パイ
JP3548515B2 (ja) 成形肉加工食品の製造方法
KR100695469B1 (ko) 누룽지를 첨가한 케이크 및 빵 제조방법과 그 조성물
JP7262681B2 (ja) 冷凍パスタの製造方法
JP2784792B2 (ja) 成形穀粒食品及び調理済み容器
JP2886763B2 (ja) パイ食品
KR20130063422A (ko) 오븐 가열 장치를 이용하는 신규한 베이크 타입의 냉동 치킨너겟 및 그 제조방법
JP3249662B2 (ja) 電子レンジによる解凍に適した冷凍ベーカリー製品
JP2800090B2 (ja) 焦げ目つき麺類の製造方法
JP3066181B2 (ja) 焦げ目つき麺類の製造法
US20080274255A1 (en) Process for Producing Ready-to-Eat Chow Mein (Fried Noodle)
WO2020213622A1 (ja) 包餡食品及び餡の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080418

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090331

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4374883

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees