JP4651467B2 - 冷却用油圧駆動ファンの制御装置および制御方法 - Google Patents

冷却用油圧駆動ファンの制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷却用油圧駆動ファンの制御装置および制御方法に関し、特に、冷却用油圧駆動ファンの回転方向を切換制御する装置および方法に関するものである。
ブルドーザ、油圧ショベルなどの建設機械のエンジンは、冷却水(クーラント)を循環させることで冷却され、冷却水がラジエータを通過するときに、エンジンで発生した熱が放熱される。建設機械は、自動車等と異なり、走行風がラジエータに当たる機会が少ないことから、冷却用油圧駆動ファンを常時、正転方向に回転作動させて、ラジエータを通過する風の流れを形成して放熱させる必要がある。なお、冷却用油圧駆動ファンを回転作動させて、オイルクーラを通過する風の流れを形成して、作動圧油の放熱を行うようにした構成の機種もある。この場合、冷却用油圧駆動ファンで形成される風の通路に沿って、オイルクーラ、ラジエータが順に設置される。
このように冷却水や作動圧油の冷却のためだけに冷却用油圧駆動ファンが使用される場合には、ファンとしては、正転方向の一方向のみに回転できればよい。
ところがラジエータ、オイルクーラが長期間使用されるとゴミが詰まり冷却能力が損なわれることがある。
そこで、従来より、図7に示すような油圧回路を構成して、冷却用油圧駆動ファンを用いてゴミの除去を行うようにしている。図7では、オイルクーラを省略しラジエータのみを冷却する構成を示している。
すなわち、図7に示すように、エンジン4によって駆動される油圧ポンプ18と、油圧ポンプ18から吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータ15と、油圧モータ15によって駆動される冷却用油圧駆動ファン13と、切換弁220とが設けられる。
切換弁220が正転位置に切り換えられると、油圧ポンプ18から吐出された圧油が油路19a、切換弁220を介して油圧モータ15のポートMAに供給され、油圧モータ15のポートMBから切換弁220、油路19bを介してタンク21に排出される。これにより油圧モータ15が正転方向に回転し、冷却用油圧駆動ファン13が正転方向に回転する。この結果、ラジエータ12を冷却する風の流れが形成され、ラジエータ12を通過する冷却水が放熱される。
これに対して、切換弁220が逆転位置に切り換えられると、油圧ポンプ18から吐出された圧油が油路19a、切換弁220を介して油圧モータ15のポートMBに供給され、油圧モータ15のポートMAから切換弁220、油路19bを介してタンク21に排出される。これにより油圧モータ15が逆転方向に回転し、冷却用油圧駆動ファン13が逆転方向に回転する。この結果、ラジエータ12のゴミを吹き飛ばす風の流れが形成され、ラジエータ12に詰まっているゴミが吹き飛ばされる。
ところが、油圧ポンプ18から油路19aに大流量、高圧の圧油が吐出されて冷却用油圧駆動ファン13が高回転で回転している状態で、切換弁220の切換位置が反転されると、切換時に油路内でキャビテーションが発生し、油路を流れる圧油にピーク圧が立つ。このため、油圧機器に過大な負荷がかかり、油圧機器の耐久性に影響を及ぼすことがある。また、冷却用油圧駆動ファン13が高回転のまま反転するため、反転時にファンで発生する音が大きく、オペレータに不快感、違和感を与える。他の油圧機器でも反転時に異音が発生し、オペレータに不快感、違和感を与えることがある。
エンジン4の回転数が高く冷却用油圧駆動ファン13の回転数が大きい程、また、油温が低い程、ピーク圧は大きなものとなり、油圧機器の耐久性に及ぼす影響や、オペレータに与える影響は、大きなものとなる。
そこで、このような事態を防止するために、切換弁の切換位置を反転するときに発生するピーク圧を低減させる技術が、従来より種々、提案されている。
(特許文献にみられる従来技術)
(従来技術1)
まず、特許文献1の解決課題の欄には、図7の切換弁220を、正転位置と逆転位置を有し中立位置が無い2位置切換弁にて、構成し、この切換弁220の切換位置を反転させるときには、エンジン4及びファン13を一旦停止させるという発明が記載されている。
(従来技術2)
特許文献1の実施例の欄には、図7の切換弁220を、正転位置と逆転位置を有し中立位置が無い2位置切換弁にて、構成するとともに、この切換弁220以外に、冷却用油圧駆動ファン13の回転を停止させるための回転停止用切換弁を別途設けて、切換弁220の切換位置を反転させたときには、回転停止用切換弁を切換作動させて、冷却用油圧駆動ファン13の回転を一旦停止させるという発明が記載されている。
(従来技術3)
更に、特許文献1の実施例の欄には、図7の切換弁220を、正転位置と逆転位置の中間に油路19aと油路19bを連通させる中立位置(ファン停止位置)が設けられた3位置切換弁にて、構成し、切換弁220の切換位置を反転させようとするときには、一旦切換弁220を中立位置(ファン停止位置)に位置させて、冷却用油圧駆動ファン13の回転を一旦停止させるという発明が記載されている。
特開2002−349262号公報
上記従来技術1によれば、切換弁220の切換位置を反転させる度にエンジン4が停止するため、その度に、エンジン4を再度始動させる操作が必要になる。このためオペレータにとって操作が煩わしく、また、作業効率が大幅に損なわれる。
上記従来技術2によれば、切換弁220の切換位置を反転させる度に、エンジン4を停止させる必要がないため、従来技術1の問題点は解決されるものの、切換弁220以外に、回転停止用切換弁を設けなければならず、既存の油圧回路に改変を加える必要があり、装置のコストが増大する。
上記従来技術3によれば、切換弁220の切換位置を反転させる度に、エンジン4を停止させる必要がないため、従来技術1の問題点は解決されるものの、切換弁220を、2位置切換弁よりも、弁本体、制御装置の構成が複雑な3位置切換弁で構成しなければならず、装置のコストが増大する。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、エンジンを停止させることなく、しかも既存の油圧回路に大幅な改変を加えたり装置のコストを上昇させることなく、切換弁の切換位置を反転するときに発生するピーク圧を低減させるようにすることを解決課題とするものである。
第1発明は、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
反転用スイッチが操作された場合に、エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下していることを条件に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第2発明は、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
反転用スイッチが操作された場合に、エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下して、冷却用油圧駆動ファンの回転数が低下していることを条件に、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第3発明は、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
反転用スイッチが操作された場合に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第4発明は、
エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第5発明は、
エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第6発明は、
エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第7発明は、
エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第8発明は、
エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御手段と
を備えた冷却用油圧駆動ファンの制御装置であることを特徴とする。
第9発明は、第1〜第8発明において、
切換弁は、正転位置と逆転位置を有し、中立位置が無い2位置切換弁であること
を特徴とする。
第10発明は、第1発明〜第5発明において、
反転用スイッチは、切換弁を正転位置から逆転位置に切り換える第1の反転処理と、切換弁を逆転位置から正転位置に切り換える第2の反転処理を選択するスイッチであり、
反転用スイッチで第1の反転処理が選択操作されると、制御手段は、切換弁を正転位置から逆転位置に反転させる第1の反転処理を実行し、
反転用スイッチで第2の反転処理が選択操作されると、制御手段は、切換弁を逆転位置から正転位置に反転させる第2の反転処理を実行すること
を特徴とする。
第11発明は、第1発明〜第5発明において、
反転用スイッチは、切換弁を正転位置から逆転位置に切り換えて、引き続き、逆転位置から正転位置に切り換える反転処理を指示するスイッチであり、
反転用スイッチで反転処理が指示操作されると、制御手段は、切換弁を正転位置から逆転位置に反転させ、引き続き、切換弁を逆転位置から正転位置に反転させる反転処理を実行すること
を特徴とする。
第12発明は、第1発明〜第8発明において、
制御手段は、油温の値が小さくなるに応じて、切換弁の切換位置を反転させる時点における冷却用油圧駆動ファンの回転数の値が、より低下するように、制御すること
を特徴とする。
第13発明は、第1発明、第3発明、第4発明、第6発明、第8発明において、
制御手段は、油温の値が小さくなるに応じて、切換弁の切換位置を反転させる時点における冷却用油圧駆動ファンの回転数の値が、より低下するように、制御するものであって、
油温の値が小さくなるに応じて、油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整すること
を特徴とする。
第14発明は、第12発明において、
制御開始から、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させるまでの減速時間を、油温の値が小さくなるに応じて、長くすること
を特徴とする。
第15発明は、第4発明、第5発明、第6発明、第7発明において、
制御手段は、油温の値が小さくなるに応じて、切換弁の切換位置を反転させる時点における冷却用油圧駆動ファンの回転数の値が、より低下するように、制御するものであって、
油温の値が小さくなるに応じて、エンジンの回転数を低い値に調整すること
を特徴とする。
第16発明は、
エンジンを駆動源として油圧ポンプから圧油を切換弁を介して油圧モータに供給することで回転駆動される冷却用油圧駆動ファンを制御するための方法であって、
切換弁の切換位置を反転させるための指示が与えられると、
エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下していることを条件に、
油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させる工程と、
冷却用油圧駆動ファンの回転数が低下してから、切換弁の切換位置を反転させる工程と
を含むことを特徴とする。
第17発明は、
エンジンを駆動源として油圧ポンプから圧油を切換弁を介して油圧モータに供給することで回転駆動される冷却用油圧駆動ファンを制御するための方法であって、
切換弁の切換位置を反転させるための指示が与えられると、
エンジンの回転数を調整して規定回転数以下まで低下させるとともに、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整して油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させる工程と、
冷却用油圧駆動ファンの回転数が低下してから、切換弁の切換位置を反転させる工程と
を含むことを特徴とする。
第1発明では、図3に示すように、反転用スイッチ30が操作されて反転処理開始指示信号が出力された場合に、エンジン4の回転数Neが規定回転数以下まで低下していることを条件に、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて、ファン回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させるという制御が行われる。
本発明によれば、エンジン回転数Neを低下させることに加えて油圧ポンプ18の容量を最小に絞って、ファン回転数Nを十分に低下させてから、切換弁20の切り換えを行うようにしているので、ピーク圧抑制効果が大きく、たとえ油温が低い場合であっても、ピーク圧を十分に抑制することができる。
しかも、本発明によれば、既存の油圧回路(図7)に対して、別途新たな弁体や制御装置を追加する必要はなく、切換弁220(図7)は2位置切換弁で足り3位置切換弁にする必要はなく、単にコントローラ24(既存のシステムにも当然設けられている)にインストールすべき制御プログラムを図3のように改変するだけで済む。このため装置のコストの上昇を最小に抑えることができる。当然、切換弁20の切換時にエンジン4を停止させることはないので、エンジン再始動の煩わしさもない。
特に、図1に示すように、切換弁20を、正転位置20Aと逆転位置20Bを有し中立位置が無い2位置切換弁にて、構成した場合には、コストを低減することができる(第9発明)。
第10発明では、図2(a)に示すように、反転用スイッチ30が、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換える第1の反転処理と、切換弁20を逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換える第2の反転処理を選択するスイッチで構成され、図4(a)、(b)に示すように、反転用スイッチ30で第1の反転処理が選択操作されると、コントローラ24が、第1の反転処理を実行し、反転用スイッチ30で第2の反転処理が選択操作されると、コントローラ24が、第2の反転処理を実行する。
第11発明では、図2(b)に示すように、反転用スイッチ30が、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換えて、引き続き、逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換える反転処理を指示するスイッチで構成され、図4(a)、(c)に示すように、反転用スイッチ30で反転処理が指示操作されると、コントローラ24が、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに反転させ、引き続き、切換弁20を逆転位置20Bから正転位置20Aに反転させる反転処理を実行する。
第12発明では、コントローラ24で、油温の値Thが小さくなるに応じて、切換弁20の切換位置を反転させる時点(図4(a)のt3、t8)における冷却用油圧駆動ファン13の回転数の値Nが、より低下するように、制御して、ファン回転数Nを必要最小限に低下させてピーク圧を確実に低減する。
第13発明では、油温の値Thが小さくなるに応じて、油圧ポンプ18の容量qが小さくなるように調整する。図5(a)に示すように、油温Thが高い値Th1の場合には、油圧ポンプ18の容量qが高い値q1に調整されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、油圧ポンプ18の容量qが低い値q2(<q1)に調整されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
第14発明では、反転処理開始から、冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させるまでの減速時間τ(反転前減速期間;図4(a)の時刻t1〜t2、t6〜t7)を、油温の値Thが小さくなるに応じて、長くする。図5(b)に示すように、油温Thが高い値Th1の場合には、反転前減速期間τが短い期間τ1に設定されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、反転前減速期間τが長い期間τ2(>τ1)に設定されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
第2発明では、第1発明において、油圧ポンプ18の容量を調整する制御が省略される。すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数Neが規定回転数以下まで低下して冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nが低下していることを条件に、切換弁20の切換位置が反転される。
第3発明では、第1発明において、エンジン回転数Neが規定回転数以下に低下しているという条件が省略される。すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、容量調整手段9を制御して油圧ポンプ18の容量を低下させて(例えば最小容量に調整する)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
第4発明では、第1発明において、エンジン回転数Neを規定回転数以下に低下させる制御が自動的に行われる。すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(例えば最小容量に調整する)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
第5発明では、上記第4発明で、更に、油圧ポンプ18の容量を調整する制御が省略される。すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させて冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
第6発明では、上記第4発明で、更に、反転用スイッチ30の操作が不要とされる。たとえば定期的に、あるいはイベント発生毎に、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(たとえば容量を最小容量にして)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
第7発明では、上記第6発明で、油圧ポンプ18の容量を調整する制御が省略される。すなわち、たとえば定期的に、あるいはイベント発生毎に、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させて冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
第8発明では、上記第6発明で、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させる制御が省略される。すなわち、たとえば、定期的に、あるいはイベント発生毎に、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(たとえば容量を最小容量にして)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置が反転される。
上記第4発明、第5発明、第6発明、第7実施例は、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させる制御を自動的に行う実施例である。第15発明は、これら発明を実施するに際して、油温Thに応じて、低下させるべきエンジン規定回転数を変化させて、ファン回転数Nを変化させるものである。すなわち、図5(c)に示すように、油温Thが高い値Th1の場合には、エンジン回転数Neが高い規定回転数Ne1に調整されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、エンジン回転数Neが低い規定回転数Ne2(<Ne1)に調整されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
第16発明は、第1発明の装置発明に対応する制御方法の発明である。
第17発明は、第4発明の装置発明、第6発明の装置発明に対応する制御方法の発明である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下では、ブルドーザ、油圧ショベルの建設機械を想定して説明するが、本発明が適用される対象、本発明の装置が搭載される車両は、建設機械に限定されるわけではない。
図1は、実施例の油圧回路を示している。図1では、オイルクーラを省略しラジエータ12のみを冷却する構成を示している。
すなわち、図1に示すように、主要な油圧機器は、エンジン4によって駆動される可変容量型油圧ポンプ18と、可変容量型油圧ポンプ18から吐出された圧油によって駆動される油圧モータであって、2つのポートMA、MBのうち、圧油が供給されるポートがMAまたはMBであるかに応じて、正転方向または逆転方向に回転する固定容量型油圧モータ15と、固定容量型油圧モータ15によって駆動される冷却用油圧駆動ファン13と、正転位置20Aに切り換えられることにより油圧ポンプ18から吐出された圧油を油圧モータ15の正転方向に対応する方向のポート(ポートMA)に供給するとともに、逆転位置20Bに切り換えられることにより油圧ポンプ18から吐出された圧油を油圧モータ15の逆転方向に対応する方向のポート(ポートMB)に供給する切換弁20とからなる。
切換弁20は、電磁ソレノイド20gに加えられる電気制御信号に応じて作動する電磁切換弁であり、正転位置20A、逆転位置20Bのみを有し中立位置が無い2位置切換弁である。
エンジン4の出力軸は、油圧ポンプ18の駆動軸に連結されている。なお、図1では省略されているが、建設機械では、上述したファン駆動用油圧モータ15以外にも、チルトシリンダ、リフトシリンダなどの作業機用油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)、左右履帯を走行させるための走行用油圧アクチュエータ(油圧モータ)がある。そして、これら作業機用油圧アクチュエータ、走行用油圧アクチュエータを作動させるための油圧ポンプについても、その駆動軸がエンジン4に連結されている。
油圧ポンプ18の斜板18aは、斜板駆動部5、電磁比例制御弁6によって駆動制御される。この斜板駆動部5、電磁比例制御弁6は、油圧ポンプ18の容量(cc/rev)を調整する容量調整手段9を構成している。すなわち、電磁比例制御弁6の電磁ソレノイド6aに電気制御信号が加えられると、電磁比例制御弁6は、電気制御信号に応じたパイロット圧を斜板駆動部5に導く。斜板駆動部5は、供給されたパイロット圧に応じて油圧ポンプ18の斜板18aを駆動し、油圧ポンプ18の容量(cc/rev)を変化させる。
油圧ポンプ18の吐出口18bは、油路19aに連通している。油路19aは、切換弁20のポンプポート20cに連通している。切換弁20のタンクポート20dは、油路19bに連通している。油路19bは、タンク21に連通している。
油路19aと油路19bとの間は、油路19bから油路19aの方向のみに圧油の流れを許容するチェック弁22が設けられている。チェック弁22は、吸込弁として機能する。すなわち、油圧モータ15のポートMA、MBのいずれにも圧油が油圧ポンプ18から供給されなくなると、油圧モータ15が負荷から受ける駆動力や油圧モータ15自身の慣性によって回転を続けて、ポンプ作用を行う。このため油路19bは油路19aと比較して高圧となり、高圧となった圧油が、油路19bからチェック弁22を介して油路19aに導かれ、油圧モータ15のポートMAに吸い込まれる。
また、油路19aには、油路19a内の圧油が設定リリーフ圧以上になると、油路19a内の圧油を、油路19bを介してタンク21にリリーフするリリーフ弁23が設けられている。
切換弁20の一方の入出力ポート20eは、油路19cを介して、油圧モータ15の一方のポートMAに連通している。切換弁20の他方の入出力ポート20fは、油路19dを介して、油圧モータ15の他方のポートMBに連通している。
油圧モータ15の駆動軸は、冷却用油圧駆動ファン13の回転軸に連結されている。
冷却用油圧駆動ファン13に対向する位置には、ラジエータ12が配置されている。
エンジン4には、冷却水(クーラント)の循環通路としてのウオータジャケット4bが形成されている。ウオータジャケット4bには、冷却水を圧送するウオータポンプ4aが設けられている。ウオータポンプ4aの出口は、エンジン4の外部の水路25aに連通している。水路25aは、ラジエータ12の入口に連通している。ラジエータ12の出口は、エンジン4の外部の水路25bに連通している。水路25bは、ウオータジャケット4bに連通している。このためウオータジャケット4bで熱くなった冷却水は、ウオータポンプ4aによって水路25aに圧送されてラジエータ12に導かれ、冷却用油圧駆動ファン13によって形成された風の流れによって冷やされる。ラジエータ12で冷やされた冷却水は、水路25bを介して再びウオータジャケット4bに戻される。
なお、作動油を冷やすためのオイルクーラを、ラジエータ12と同様に、冷却用油圧駆動ファン13に対向した位置に配置してもよい。
エンジン4には、エンジン4の回転数を目標回転数に調整するエンジン回転数調整手段7が設けられている。エンジン回転数調整手段7は、ガバナなどによって構成されている。エンジン回転数調整手段7に、電気制御信号が加えられると、電気制御信号に応じて、エンジン4の回転数を目標回転数に調整する。
エンジン4には、エンジン4の回転数Ne(r/min)を検出するエンジン回転数検出センサ26が設けられている。
水路25aには、冷却水の温度Tw(゜C)を検出する冷却水温度センサ27が設けられている。
タンク21には、作動圧油の温度(油温)Th(゜C)を検出する作動圧油温度センサ28が設けられている。
建設機械の運転室には、エンジン回転数設定器8(スロットルダイヤル)が設けられている。エンジン回転数設定器8は、エンジン4の目標回転数を設定する設定器であり、エンジン回転数設定器8が操作されると、操作位置に応じた大きさのエンジン目標回転数を信号が出力される。
建設機械の運転室には、モニタパネル29が設けられている。モニタパネル29には、図2で後述するように、切換弁20の切換位置を反転させるための反転用スイッチ30が設けられている。反転用スイッチ30が操作されると、後述する反転処理を開始させることを指示する反転処理開始指示信号が出力される。
コントローラ24は、CPU、ROM、RAM等によって構成された制御手段である。コントローラ24の入力ボードには、エンジン回転数検出センサ26、冷却水温度センサ27、作動圧油温度センサ28の各検出信号が入力され、また、エンジン回転数設定器8から出力されたエンジン目標回転数を示す信号が入力され、また、反転用スイッチ30(モニタパネル29)から出力された反転処理開始指示信号が入力される。
コントローラ24のROMには、後述する「通常制御」と、「反転処理」を実行するための制御プログラムが、インストールされている。また、コントローラ24には、「反転処理」を実行する際に必要となるソフトウエアタイマが内蔵されている。
コントローラ24のCPUでは、上記制御プログラムが実行されて、容量調整手段9(斜板駆動部5、電磁比例制御弁6)、エンジン回転数調整手段7、切換弁20のそれぞれを駆動制御するための電気制御信号が生成される。生成された電気制御信号は、コントローラ24の出力ボードから、対応する容量調整手段9(斜板駆動部5、電磁比例制御弁6)、エンジン回転数調整手段7、切換弁20に出力される。
図2(a)は、モニタパネル29に設けられた反転用スイッチ30の構成例を示している。
図2(a)の反転用スイッチ30は、操作回数(たとえば押した回数)に応じて、選択指示内容が、「第1の反転処理→通常制御→第2の反転処理→通常制御→第1の反転処理→…」と切り換えられるスイッチである。
反転用スイッチ30の操作回数に応じて、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換える反転処理(これを第1の反転処理という)と、通常制御と、切換弁20を逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換える反転処理(これを第2の反転処理という)とが順次、選択される。なお、反転用スイッチ30がいずれの操作状態にあるかを点灯表示するインジケータ31a、31b、31cをモニタパネル29上に設けてもよい。
反転用スイッチ30を操作して、第1の反転処理が選択指示されているときには、第1の反転処理が選択指示されていることを示す「逆転操作中」のインジケータ31aが点灯し、反転用スイッチ30を操作して、通常制御が選択指示されているときには、通常制御が選択指示されていることを示す「通常」のインジケータ31bが点灯し、反転用スイッチ30を操作して、第2の反転処理が選択指示されているときには、第2の反転処理が選択指示されていることを示す「正転操作中」のインジケータ31cが点灯する。
反転用スイッチ30を操作して、第1の反転処理若しくは第2の反転処理が選択指示されると、反転処理開始指示信号が出力され、通常制御が選択指示されると、反転処理開始指示信号はオフされる。
コントローラ24から、第1の反転処理を行わせるための電気制御信号が出力され、切換弁20の電磁ソレノイド20gに入力されると、切換弁20は、正転位置20Aから逆転位置20Bに切換え作動される。切換弁20が逆転位置20Bに切り換えられると、油圧ポンプ18から吐出された圧油が油路19a、切換弁20のポンプポート20c、入出力ポート20f、油路19dを介して油圧モータ15のポートMBに供給され、油圧モータ15のポートMAから油路19c、切換弁20の入出力ポート20e、入出力ポート20d、油路19bを介してタンク21に排出される。これにより油圧モータ15が逆転方向に回転し、冷却用油圧駆動ファン13が逆転方向に回転する。この結果、ラジエータ12のゴミを吹き飛ばす風の流れが形成され、ラジエータ12に詰まっているゴミが吹き飛ばされる。
コントローラ24から、第2の反転処理を行わせるための電気制御信号が出力されて、切換弁20の電磁ソレノイド20gに入力されると、切換弁20は、逆転位置20Bから正転位置20Aに切換え作動される。切換弁20が正転位置20Aに切り換えられると、油圧ポンプ18から吐出された圧油が油路19a、切換弁20のポンプポート20c、入出力ポート20e、油路19cを介して油圧モータ15のポートMAに供給され、油圧モータ15のポートMBから油路19d、切換弁20の入出力ポート20f、入出力ポート20d、油路19bを介してタンク21に排出される。この結果、ラジエータ12を冷却する風の流れが形成され、ラジエータ12を通過する冷却水が放熱される。
つぎに「通常制御」の内容について説明する。
冷却水の目標温度は、エンジン4の効率が最適となる温度に設定される。冷却水の温度は、冷却用油圧駆動ファン13の回転数(以下、ファン回転数Nという)Nを調整することで変化される。冷却水の温度は、実際の油温Th、冷却水の実際の温度Tw、エンジン4の実際の回転数Neに応じて、ファン回転数Nを調整することで、目標温度に制御される。ファン回転数Nは、容量調整手段9(斜板駆動部5、電磁比例制御弁6)で油圧ポンプ18の容量(cc/rev)を調整して、油圧モータ15に供給される圧油の流量(l/min)を調整することで、制御される。
「通常制御」は、実際の油温Th、冷却水の実際の温度Tw、実際のエンジン回転数Neに応じて、容量調整手段9(斜板駆動部5、電磁比例制御弁6)でポンプ容量を調整することでファン回転数Nを調整して、冷却水の温度を目標温度にする制御のことである。「通常制御」が実行されているときは、油圧ポンプ18の容量は、冷却水温度(ファン回転数)が目標値に到達するように制御(変化)される。
これに対して、「反転処理」(第1の反転処理、第2の反転処理)が行われるときには、油圧ポンプ18の容量は、油路内のピーク圧が低減するように最小値に調整される。
「反転処理」は、図3に示す制御プログラムにしたがって実行される。
以下、図3を併せ参照しつつ、「反転処理」を行うための制御プログラムの内容について説明する。
(第1実施例)
この第1実施例では、反転用スイッチ30が操作されて反転処理開始指示信号が出力された場合に、エンジン4の回転数Neが規定回転数以下まで低下していることを条件に、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて、ファン回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させるという制御が行われる。図4(a)は、第1実施例の時間tとファン回転数Nの関係を示し、図4(b)は、第1の反転処理、通常制御、第2の反転処理の移り変わりをタイムチャートで示している。 すなわち、制御プログラムが起動されると、反転処理開始判定処理100A(ステップ101〜104)が実行される。
まず、反転処理100C(ステップ108〜116)が実行中であるか否かが判断される(ステップ101)。
反転処理100Cが実行中でない場合(ステップ101の判断No)には、エンジン回転数Neが規定回転数(たとえば1000(r/min))以下であるか否かが判断される(ステップ102)。
エンジン回転数Neが規定回転数以下である場合(ステップ102の判断YES)には、つぎに、反転用スイッチ30が操作されて反転処理開始指示信号が入力されているか否かが判断される(ステップ103)。
反転用スイッチが操作されて反転処理開始指示信号が入力されている場合には(ステップ103の判断YES)、反転処理を開始すべきと判定し、ソフトウエアタイマをリセットした上、計時がスタートされる(ステップ104)。ソフトウエアタイマは、反転処理を規定の時間内に終了させるために設けられる。仮に、長期間、反転処理が行われると、ファン回転数Nが低回転のままの状態が長く続き、エンジン4のオーバーヒート等の不具合を招くおそれがあるからである。
このように、反転用スイッチ30が操作されて反転処理開始の指示がなされると、エンジン4の回転数Neが規定回転数以下まで低下していることを条件に、反転処理を開始すべきと判定する。このためには、オペレータに対して「反転処理を行いたいときには、作業を一旦中断して、エンジン回転数設定器8を操作してエンジン4を規定回転数まで下げよ」と、予め取扱説明書、講習、管理者からの命令などによってオペレータに教示しておくことが必要となる。また、エンジン回転数Neの低下を、オペレータの手動操作に委ねるようにしたのは、作業中に自動的にエンジン4を規定回転数以下に低下させると、不意のエンジン回転低下によってオペレータに違和感を与えたり、予期せずして作業効率が低下することになりかねないからである。
図4(a)に示すように、例えばエンジン回転数Neが2000回転で稼動して作業を行っているときに、反転処理を行いたいときには、作業を一旦中断して、エンジン回転数Neを規定回転数1000回転以下まで下げた上で、時刻t1で反転用スイッチ30を操作して反転処理開始を指示する。これにより第1の反転処理に移行すべきと判定される。
反転処理開始反転処理100Aの実行中に、エンジン回転数Neが規定回転数を上回っていたり(ステップ102の判断NO)、反転用スイッチ30が再度操作されるなどして反転処理開始指示信号が入力されていないときには(ステップ103の判断NO)、通常制御が実行される(ステップ117)。
つぎに、反転処理開始の判定がなされたこと(ステップ104)を条件に、反転処理中止判定処理100B(ステップ105〜107)が実行される。
エンジン回転数数Neが規定回転数以下のままであり(ステップ105の判断YES)、かつ、反転用スイッチ30が再度操作されるなどして反転処理開始指示信号が入力されなくなっていない限りは(ステップ105の判断NO)、つぎの反転処理100Cに移行される。
しかし、エンジン回転数数Neが規定回転数を上回ったり(ステップ105の判断NO)、あるいは、反転用スイッチ30が再度操作されるなどして反転処理開始指示信号が入力されなくなると(ステップ105の判断YES)、反転処理100Cに移行させることなく、反転処理を中止すべきと判定して、タイマによる計時が停止され(ステップ107)、通常制御が行われる(ステップ117)。
たとえば、反転用スイッチ30を一旦操作したが、やはり作業を続行したいと考え直したり、操作ミスであると気づいたりした場合には、エンジン回転数Neを上昇させたり、反転用スイッチ30を再度操作して通常制御に戻したりすることで、反転処理が中止される。
つぎに、反転処理中止の判定がなされなかったこと(ステップ105の判断YESかつステップ106の判断NO)を条件に、反転処理100Cが実行される。
反転処理は、タイマの計時時間に応じて、つぎの各ステージで行われる。図4(a)を併せ参照しつつ説明する。
・反転前減速
これはファン回転数Nを所望する回転数まで減速させる処理であり、タイマの計時時間で、0からたとえば20秒間までが反転前減速期間(図4(a)の時刻t1〜t2)として設定される。反転前減速期間が開始されると、容量調整手段9が制御され、油圧ポンプ18の容量が最小容量(最小斜板角)に調整される(ステップ112)。しかし、ポンプ容量を最小にしても、冷却用油圧駆動ファン13は慣性で回っているため、ファン回転数Nは即座に所望回転数まで低下せずに、時間をかけて徐々に低下することになる。このため反転前減速期間を設定したものである。
・反転前アイドル
これは、反転前減速によって、減速させたファン回転数Nを所望の回転数に整定させるための処理であり、タイマの計時時間で、たとえば反転前減速期間に続く2秒の期間(図4(a)の時刻t2〜t3)として設定される。反転前アイドル期間中は、油圧ポンプ18の容量が最小容量(最小斜板角)に維持される(ステップ113)。反転前アイドルの期間が過ぎると、ファン回転数Nが所望の回転数に整定され、減速が完了したものと判定される。
・反転(切換弁20の切換)実行
反転前アイドルの期間が過ぎると、ファン回転数Nが所望の回転数に整定され、減速が完了した時期(タイマの計時時間で22秒後;図4(a)の時刻t3)になったと判定される。減速完了時期に、切換弁20を反転させるための電気制御信号が、切換弁20の電磁ソレノイド20gに対して出力される(ステップ114)。
・反転後アイドル
これは、反転実行後にファン回転数Nを所望の回転数に維持したままにする処理であり、タイマの計時時間で、たとえば反転実行に続く2秒の期間(図4(a)の時刻t3〜t4)として設定される。反転後アイドル期間中は、油圧ポンプ18の容量が最小容量(最小斜板角)に維持される(ステップ115)。反転実行後に、即座に通常制御に移行させると、ファン回転数上昇によってピーク圧が立つおそれがある。このため反転後アイドル期間を設けたものである。
タイマ計時時間が反転後アイドル期間を経過すると(ステップ111の判断NO)、反転処理が完了したものと判定され、タイマによる計時が停止され(ステップ116)、ファン回転数Nはアイドル前の回転数(500rpm)まで上昇される(図4(a)の時刻t4〜t5)。
反転処理100Cの処理中(ステップ112、113、114、115)である場合には、再び、反転処理開始判定処理100Aに戻され、反転処理中であるかが判断されるが(ステップ101)、反転処理100Cの処理中(タイマ計時中)である場合には(ステップ101の判断YES)、そのまま反転処理中止判定処理100Bに移行される。このため、反転処理100Cを行っているときに、やはり作業を続行したいと考え直したり、操作ミスであると気づいたりした場合には、エンジン回転数Neを上昇させたり(ステップ105の判断NO)、あるいは反転用スイッチ30を再度操作することで(ステップ106の判断YES)、反転処理が中止されることになる(ステップ107)。
反転処理100Cの完了後(ステップ116)は、再び、反転処理開始判定処理100Aに戻され、反転処理100Cの実行中であるかが判断されるが(ステップ101)、反転処理100Cの実行後(タイマ計時停止後)である場合には(ステップ101の判断NO)、エンジン回転数Neを上昇させたり(ステップ102の判断NO)、あるいは反転用スイッチ30を再度操作することで(ステップ103の判断NO)、通常制御に移行される(ステップ117)。
図4(a)、(b)に示すように、エンジン回転数Neが規定回転数1000回転以下まで下げられ、時刻t1で反転用スイッチ30を操作して、第1の反転処理の指示が与えられると、第1の反転処理が実行され、ファン回転数Nが500回転から所望の低回転(250回転)まで減速、整定される(時刻t1〜t2〜t3)、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)に整定された時期t3になると、切換弁20が正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換えられ、冷却用油圧駆動ファン13が逆転方向に回転する。このように冷却用油圧駆動ファン13が低回転で回転している状態で、切換弁20の切換位置が反転されるため、ピーク圧が抑制される。特に本実施例では、エンジン回転数Neを低下させることに加えて油圧ポンプ18の容量を最小に絞って、ファン回転数Nを低下させるようにしたので、ファン回転数Nの低下量は大きく、ピーク圧抑制効果は大きなものとなる。
以後、冷却用油圧駆動ファン13が逆転方向に回転され続けられ、ラジエータ12のゴミを吹き飛ばす風の流れが形成され、ラジエータ12に詰まっているゴミが吹き飛ばされる。
ただし、ラジエータ12に詰まっているゴミを効果的に吹き飛ばすためには、ファン回転数Nを高めることが望ましい。
そこで、オペレータは、冷却用油圧駆動ファン13の回転方向が逆転方向に反転して通常制御に移行していることを確認して、スロットルダイヤル8を操作(時刻t6)して、ファン回転数Nを高めるようにする。
ラジエータ12のゴミ除去作業が完了したことを確認すると(時刻t7)、冷却用油圧駆動ファン13を元の正転方向に戻すために、スロットルダイヤル8の操作(時刻t7)によりエンジン回転数Neを規定回転数(1000rpm)以下に下げた(時刻t8)のち、反転用スイッチ30が再度操作されて、第2の反転処理の指示が与えられる。これにより同様に、第2の反転処理が実行される。すなわち、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)まで減速、整定される(時刻t9〜t10〜t11)、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)に整定された時期t11になると、切換弁20が逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換えられ、冷却用油圧駆動ファン13が正転方向に回転する。このように冷却用油圧駆動ファン13が低回転で回転している状態で、切換弁20の切換位置が反転されるため、ピーク圧が抑制される。特に本実施例では、エンジン回転数Neを低下させることに加えて油圧ポンプ18の容量を最小に絞って、ファン回転数Nを低下させるようにしたので、ファン回転数Nの低下量は大きく、ピーク圧抑制効果は大きなものとなる。
そして、反転後アイドル期間(時刻t11〜t12)を経て、ファン回転数Nは初期の回転数(500rpm)に上昇され(時刻t13)、通常制御に移行する。
以後、冷却用油圧駆動ファン13が正転方向に回転され続けられ、ラジエータ12を冷却する風の流れが形成され、ラジエータ12を通過する冷却水が放熱される。
オペレータは、冷却用油圧駆動ファン13の回転方向が正転方向に反転したことを確認すると(時刻t14)、通常の整地作業などを行うために、スロットルダイヤル8を再度操作し、エンジン回転数Neを通常作業に適した回転数(2000回転)まで上昇させる。
以上のように本実施例によれば、エンジン回転数Neを低下させることに加えて油圧ポンプ18の容量を最小に絞って、ファン回転数Nを十分に低下させてから、切換弁20の切り換えを行うようにしているので、ピーク圧抑制効果が大きく、たとえ油温が低い場合であっても、ピーク圧を十分に抑制することができる。
しかも、本実施例によれば、既存の油圧回路(図7)に対して、別途新たな弁体や制御装置を追加する必要はなく、切換弁220(図7)は2位置切換弁で足り3位置切換弁にする必要はなく、単にコントローラ24(既存のシステムにも当然設けられている)にインストールすべき制御プログラムを図3のように改変するだけで済む。このため装置のコストの上昇を最小に抑えることができる。当然、切換弁20の切換時にエンジン4を停止させることはないので、エンジン再始動の煩わしさもない。
(第2実施例)
上述した第1実施例では、反転用スイッチ30を、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換える第1の反転処理と、切換弁20を逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換える第2の反転処理を選択するスイッチで構成して、反転用スイッチ30で第1の反転処理が選択操作されると、コントローラ24が、第1の反転処理を実行し、反転用スイッチ30で第2の反転処理が選択操作されると、コントローラ24が、第2の反転処理を実行する場合を想定して説明したが、図2(b)に示すように、反転用スイッチ30を、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換えて、引き続き、逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換える反転処理を指示するスイッチで構成して、反転用スイッチ30で反転処理が指示操作されると、コントローラ24で、切換弁20を正転位置20Aから逆転位置20Bに反転させ、引き続き、切換弁20を逆転位置20Bから正転位置20Aに反転させる反転処理を実行させる実施も可能である。
ただし、この場合、図3に示す制御プログラムのうち、反転処理100Cの部分は、「第1の反転処理を行わせ、その後、一定時間ファン回転数Nを高めラジエータ12のゴミを除去する処理を行い、その後、第2の反転処理を行わせる」という反転処理内容に書きあらためる必要がある。
冷却用油圧駆動ファン13を逆転させてラジエータ12に詰まっているゴミを除去したいときには、エンジン回転数Neが規定回転数1000回転以下まで下げられる。また、図2(b)に示すモニタパネル29上の反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示される。これによりモニタパネル29上で、反転処理が選択指示されていることを示すインジケータ32が点灯する。
図4(a)、(c)に示すように、エンジン回転数Neが規定回転数1000回転以下まで下げられ、時刻t1で反転用スイッチ30を操作して、反転処理の指示が与えられると、まず、第1の反転処理が実行される。ファン回転数Nが500回転から所望の低回転(250回転)まで減速、整定される(時刻t1〜t2〜t3)、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)に整定された時期t3になると、切換弁20が正転位置20Aから逆転位置20Bに切り換えられ、冷却用油圧駆動ファン13が逆転方向に回転する。つぎに、油圧ポンプ18の容量が最小値から上昇されてファン回転数Nが高められる(時刻t4〜t5)。
時刻t4から一定時間(t4〜t6)、ラジエータ12に詰まったゴミを冷却用油圧駆動ファン13の逆転回転によって吹き飛ばす処理が行われる。時刻t6で、冷却用油圧駆動ファン13を元の正転方向に戻すために、第2の反転処理が実行される。まず、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)まで減速、整定される(時刻t6〜t7〜t8)、ファン回転数Nが所望の低回転(250回転)に整定された時期t8になると、切換弁20が逆転位置20Bから正転位置20Aに切り換えられる。
オペレータは、冷却用油圧駆動ファン13の回転方向が正転方向に反転したことを確認すると(時刻t9)、通常の整地作業などを行うために、反転用スイッチ30を再度操作して通常制御に移行させる。これにより、モニタパネル29上で通常制御が選択指示されていることを示すインジケータ33が点灯する。またエンジン回転数設定器8を操作して、エンジン回転数Neを通常作業に適した回転数(2000回転)まで上昇させる。
以上のように本実施例によれば、反転用スイッチ30の操作回数が少なくて済み、オペレータが行う手動操作の負担が少なくなる。
なお、図4(d)に示すように、反転用スイッチ30によって反転処理が選択指示されると、反転処理を経て、通常制御に戻すまでの一連の処理を自動的に行わせてもよい。この場合、手動操作は、1回の反転用スイッチ20の手動操作と、エンジン回転数Neの調整だけであり、一層、手動操作の負担を少なくすることができる。
(第3実施例)
油温が低い程、ピーク圧は大きなものとなり、油圧機器の耐久性に及ぼす影響や、オペレータに与える影響は、大きなものとなる。
そこで、本実施例では、コントローラ24で、油温の値Thが小さくなるに応じて、切換弁20の切換位置を反転させる時点(図4(a)のt3、t8)における冷却用油圧駆動ファン13の回転数の値Nが、より低下するように、制御して、ファン回転数Nを必要最小限に低下させてピーク圧を確実に低減するものである。
このためには反転実行時点(図4(a)のt3、t8)のファン回転数Nを、油温Thの低下に伴い、より低くなるように制御すればよい。
たとえば油温が高い値Th1の場合にはピーク圧低減に必要なファン回転数が高い値N1となり、油温がより低い値Th2(<Th1)の場合にはピーク圧低減に必要なファン回転数はより低い値N2(<N1)となる。
油温Thに応じてファン回転数Nを変化させる制御方法には、つぎの2つの方法が考えられる。
・第1の制御方法
油温の値Thが小さくなるに応じて、油圧ポンプ18の容量qが小さくなるように調整する。
・第2の制御方法
反転処理開始から、冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させるまでの減速時間τ(反転前減速期間;図4(a)の時刻t1〜t2、t6〜t7)を、油温の値Thが小さくなるに応じて、長くする。
図3に示す制御プログラムのうち、反転処理100Cの部分で、上記第1の制御方法あるいは第2の制御方法の処理が行われる。
図5(a)は、図4(a)に対応する図であり、第1の制御方法を採用した場合を示している。
油温Thが高い値Th1の場合には、油圧ポンプ18の容量qが高い値q1に調整されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。
これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、油圧ポンプ18の容量qが低い値q2(<q1)に調整されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
図5(b)は、図4(a)に対応する図であり、第2の制御方法を採用した場合を示している。
油温Thが高い値Th1の場合には、反転前減速期間τが短い期間τ1に設定されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。
これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、反転前減速期間τが長い期間τ2(>τ1)に設定されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
(第4実施例)
上述した第1実施例では、エンジン回転数Neが規定回転数以下に低下していることを条件に、容量調整手段9を制御して油圧ポンプ18の容量を最小容量に調整してファン回転数Nを低下させてから、切換弁20の切り換えを行うようにしている。
しかし、油圧ポンプ18の容量を調整する制御を省略する実施も可能である。
すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数Neが規定回転数以下まで低下して冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nが低下していることを条件に、切換弁20の切換位置を反転させるように制御してもよい。
この場合、図3の反転処理100Cにおいて、油圧ポンプ18の容量を最小容量に調整する制御が不要となる。
(第5実施例)
上述した第1実施例では、エンジン回転数Neが規定回転数以下に低下したことを条件に、容量調整手段9を制御して油圧ポンプ18の容量を最小容量に調整してファン回転数Nを低下させてから、切換弁20の切り換えを行うようにしている。
しかし、エンジン回転数Neが規定回転数以下に低下しているという条件を省略する実施も可能である。
すなわち、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、容量調整手段9を制御して油圧ポンプ18の容量を低下させて(例えば最小容量に調整する)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させるように制御してもよい。
この場合、図3の制御プログラムにおいて、「エンジン回転数Nが規定回転数以下であるかを判定する処理(ステップ102、105)」は不要となる。
(第6実施例)
上述した第1実施例では、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、オペレータの手動操作によってエンジン回転数Neが規定回転数以下に低下したことを条件に、容量調整手段9を制御して油圧ポンプ18の容量を最小容量に調整してファン回転数Nを低下させてから、切換弁20の切り換えを行うようにしている。
しかし、エンジン回転数Neが規定回転数以下に低下させる制御を自動的に行う実施も可能である。
反転用スイッチ30を操作して反転処理を選択指示することでエンジン回転数Neが低下するということを予めオペレータに教示しておけば、不意のエンジン回転低下によってオペレータに違和感を与えたり、予期せずして作業効率が低下することにはならないと考えられる。
すなわち、本実施例では、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(例えば最小容量に調整する)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させる制御が行われる。
この場合、図3の制御プログラムにおいて、「エンジン回転数Nが規定回転数以下であるかを判定する処理(ステップ102、105)」が不要となり、代わりに同処理の位置に「エンジン回転数Neを規定回転数以下にする制御」のステップが追加される。
(第7実施例)
上述した第6実施例において、油圧ポンプ18の容量を調整する制御を省略する実施も可能である。
すなわち、本実施例では、反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させて冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させる制御が行われる。
この場合、図3の制御プログラムにおいて、「エンジン回転数Nが規定回転数以下であるかを判定する処理(ステップ102、105)」が不要となるとともに、反転処理100Cにおいて、油圧ポンプ18の容量を最小容量に調整する制御が不要となり、代わりに、「エンジン回転数Neを規定回転数以下にする制御」が行われる。
以上、第1実施例〜第7実施例について説明したが、第4実施例に対して第2実施例、第3実施例(第2の制御方法)を組み合わせて実施してもよく、第5実施例に対して第2実施例、第3実施例を組み合わせて実施してもよく、第6実施例に対して第2実施例、第3実施例を組み合わせて実施してもよく、第7実施例に対して第2実施例、第3実施例(第2の制御方法)を組み合わせて実施してもよい。
(第8実施例)
上述した第1実施例〜第7実施例では、オペレータが反転用スイッチ30を手動操作することを条件に切換弁20を切り換えている。
しかし、取扱説明書、講習、命令などによって、「定期的に反転用スイッチ30を操作して、ラジエータ12に詰まったゴミを除去すべし」とオペレータに教示したとしても、実際には、整地作業に忙殺されたり、怠慢などによって、反転用スイッチ30を操作しないケースが多い。
そこで、オペレータの意思にかかわらずに、定期的に、あるいはイベント発生毎に、自動的に切換弁20を切り換える実施も可能である。
たとえば建設機械には、稼動時間を計時するサービスメータが備えられており、サービスメータで計時される稼動時間が所定時間に達する毎に、切換弁20を切り換える実施が考えられる。
また、エンジン始動時、エンジン停止時は、作業の準備時期、作業の終了時期にあたり、一旦エンジン回転数Neを低下させたり油圧ポンプ18の容量を絞って切換弁20の切換位置を反転させたとしても、作業効率に与える影響は少ない。
そこで、こうしたエンジンキースイッチが投入されたり、エンジンキースイッチがオフされるなどのイベントが発生する毎に、切換弁20を切り換える実施が考えられる。
本実施例は、上述した第6実施例において、更に、反転用スイッチ30の操作を不要としたものであり、定期的に、あるいはイベント発生毎に、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(たとえば容量を最小容量にして)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させる制御を行うものである。
この場合、図3の制御プログラムの反転処理100Cに、「エンジン回転数Neを規定回転数以下にする制御」が追加された上で、定期的に、あるいはイベント発生毎に、反転処理100Cが自動的に実行されることになる。なお、反転処理100Cは、第1の反転処理を実行し一定時間のファン回転上昇を経て第2の反転処理を実行しその後通常制御に戻るまでの一連の反転処理を自動的に行わせることが望ましい。
(第9実施例)
上述した第8実施例において、油圧ポンプ18の容量を調整する制御を省略する実施も可能である。
すなわち、本実施例は、定期的に、あるいはイベント発生毎に、エンジン回転数調整手段7を制御して、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させて冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させる制御を行うものである。
(第10実施例)
上述した第8実施例において、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させる制御を省略する実施も可能である。
すなわち、本実施例は、定期的に、あるいはイベント発生毎に、容量調整手段9を制御して、油圧ポンプ18の容量を低下させて(たとえば容量を最小容量にして)冷却用油圧駆動ファン13の回転数Nを低下させてから、切換弁20の切換位置を反転させる制御を行うものである。
以上、第8実施例〜第10実施例について説明したが、第8実施例に対して
第3実施例を組み合わせて実施してもよく、第9実施例に対して第3実施例(第2の制御方法)を組み合わせて実施してもよく、第10実施例に対して第3実施例を組み合わせて実施してもよい。
(第11実施例)
上述した第6実施例、第7実施例、第8実施例、第9実施例は、エンジン4の回転数Neを規定回転数以下まで低下させる制御を自動的に行う実施例である。
この場合、油温Thに応じて、低下させるべきエンジン規定回転数を変化させて、ファン回転数Nを変化させてもよい。
すなわち、図5(a)、(b)で説明したのと同様に、図5(c)に示すように、油温Thが高い値Th1の場合には、エンジン回転数Neが高い規定回転数Ne1に調整されることによって、ファン回転数Nは高い値N1に制御されて、反転が行われる。
これに対して、油温Thが低い値Th2の場合には、エンジン回転数Neが低い規定回転数Ne2(<Ne1)に調整されることによって、ファン回転数Nは低い値N2に制御されて、反転が行われる。
(第12実施例)
第1実施例〜第7実施例で説明した、手動で切換弁20の切り換えを行う実施と、第8実施例〜第10実施例で説明した、自動的に切換弁20の切り換えを行う実施とを選択的に行うようにしてもよい。
たとえば、図2(c)に示すように、モニタパネル29上に、「自動モード」と「手動モード」とを選択的に切り換えるモード選択スイッチ34を設けるとともに、図2(a)、(b)と同様の反転用スイッチ30を配置する。モード選択スイッチ34によって「手動モード」が選択され、さらに反転用スイッチ30が操作されて反転処理が選択指示されると、第1実施例〜第7実施例で説明したように、切換弁20の切り換えが行われる。また、モード選択スイッチ34によって「自動モード」が選択されると、第8実施例〜第10実施例で説明したように、定期的にあるいはイベント発生毎に切換弁20の切り換えが行われる。
また、各実施例では、図1に示すように、コスト低減を図るために、切換弁20を、正転位置20Aと逆転位置20Bを有し中立位置が無い2位置切換弁にて、構成した場合を想定して説明したが、本発明は、任意の構成の切換弁20に対して適用可能である。たとえば、正転位置と逆転位置の中間に中立位置が設けられた3位置切換弁にも本発明を適用することができる。
また、各実施例では、図1に示すように、油圧ポンプ18を可変容量型で構成して、油圧ポンプ18の容量を調整することでファン回転数Nを低下させるようにしているが、油圧ポンプ18の代わりに、油圧モータ15を可変容量型で構成して、油圧ポンプ18の容量を調整することでファン回転数Nを低下させてもよい。さらには、油圧ポンプ18、油圧モータ15の両方を可変容量型で構成して、油圧ポンプ18、油圧モータ15それぞれの容量を調整することでファン回転数Nを低下させてもよい。
本実施形態では、図1に示す油圧回路が建設機械に搭載される場合を想定しているが、本発明の冷却用油圧駆動ファンの制御装置は、一般自動車等任意の輸送用機器に搭載して実施可能であり、あるいは非輸送用機器に搭載しても実施可能である。
図1は実施形態の油圧回路図である。 図2(a)、(b)、(c)は、モニタパネル上の反転用スイッチの構成例を示す図である。 図3は実施例の制御内容を制御プログラムとして示した図である。 図4(a)、(b)、(c)、(d)は、実施例の動作をタイムチャートで示した図である。 図5(a)、(b)は、油温に応じて油圧ポンプの容量、ファン減速時間を変化させて、反転時のファン回転数を変化させた場合を例示した図で、図5(c)は、油温に応じてエンジン回転数を変化させて、反転時のファン回転数を変化させた場合を例示した図である。 図6は従来技術を説明する図で、既存の油圧回路を示した図である。
符号の説明
7 エンジン回転数調整手段 8 エンジン回転数設定器 9 容量調整手段 12 ラジエータ 13 冷却用油圧駆動ファン 15 油圧モータ 16 油圧ポンプ 20 切換弁 24 コントローラ 28 作動圧油温度(油温)検出センサ 30 反転用スイッチ

Claims (18)

  1. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下していることを条件に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  2. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下して、冷却用油圧駆動ファンの回転数が低回転数に低下していることを条件に、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  3. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  4. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  5. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  6. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  7. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  8. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  9. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジンの回転数が規定回転数以下まで低下していることを条件に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつ油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  10. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつ油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  11. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつ油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  12. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつ油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  13. エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつ油圧ポンプまたは油圧モータの容量が小さくなるように調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  14. 制御開始から、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低下させるまでの減速時間を、油温の値が小さくなるに応じて、長くすること
    を特徴とする請求項1〜8記載の冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  15. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつエンジンの回転数を低い値に調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  16. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    切換弁の切換位置を反転させるために操作される反転用スイッチと、
    反転用スイッチが操作された場合に、エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつエンジンの回転数を低い値に調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  17. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧ポンプまたは油圧モータの容量を調整する容量調整手段と、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させるとともに、容量調整手段を制御して、油圧ポンプまたは油圧モータの容量を低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつエンジンの回転数を低い値に調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
  18. エンジンの回転数を調整するエンジン回転数調整手段と、
    エンジンによって駆動される油圧ポンプと、
    油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動され、供給される圧油の方向に応じて正転方向または逆転方向に回転する油圧モータと、
    油圧モータによって駆動される冷却用油圧駆動ファンと、
    正転位置、逆転位置を有し、正転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの正転方向に対応する方向に供給するとともに、逆転位置に切り換えられることにより油圧ポンプから吐出された圧油を油圧モータの逆転方向に対応する方向に供給する切換弁と、
    エンジン回転数調整手段を制御して、エンジンの回転数を規定回転数以下まで低下させて、冷却用油圧駆動ファンの回転数を低回転数に低下させてから、切換弁の切換位置を反転させる制御を行なうものであって、油温の値が小さくなるに応じて前記低回転数が低下するように制御し、かつエンジンの回転数を低い値に調整する制御手段と
    を備えたことを特徴とする冷却用油圧駆動ファンの制御装置。
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