JP4825006B2 - 油圧回路の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、油圧ショベルやホイルローダ等の建設機械に搭載されるオイルクーラやラジエータ等のクーリングユニットを冷却するための油圧回路の制御装置に関する。
近年、油圧ショベルやホイルローダ等の建設機械には、エンジンによって回転する油圧ポンプから供給される作動油によって駆動される油圧モータが搭載されている。
この油圧モータは、回転軸と接続された冷却ファンを回転させることで、油圧回路内を循環する作動油を冷却するためのオイルクーラや、エンジンを流れる冷却水を冷却するためのラジエータに対して冷却風を送り込む。これにより、エンジンの流れる冷却水や油圧回路を循環する作動油を、効率よく冷却することができる。
例えば、特許文献1には、上記冷却ファンの駆動を正逆回転制御することで、正回転中にオイルクーラ等につまったゴミを、逆回転によって生じる冷却風の逆流によって除去することが可能な冷却装置について開示されている。
特開平10−068142号公報(平成10年3月10日公開)
しかしながら、上記従来の建設機械の冷却装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された建設機械の冷却装置では、単に冷却ファンの正逆回転制御を行うことが開示されているだけであって、冷却ファンを逆転制御する際における油圧ポンプにかかる負荷等については制御上一切考慮されていない。このため、例えば、冷却ファンを逆転させる際にエンジンの回転数を上昇させた場合には、油圧回路内に生じる作動油の圧力にピークが生じ、油圧回路を構成する油圧モータやバルブ等に大きな負荷がかかって、油圧モータやバルブ等の部品寿命を短くしてしまうおそれがある。
本発明の課題は、冷却ファンの正逆回転制御を行う場合でも、油圧回路を構成する油圧モータやバルブ等にかかる負荷を低減して、油圧モータ等の部品寿命を延ばすことが可能な油圧回路の制御装置を提供することにある。
第1の発明に係る油圧回路の制御装置は、駆動源と、油圧ポンプと、油圧モータと、油圧駆動ファンと、ファン回転制御部と、検知部と、回転数制御部と、を備えている。油圧ポンプは、駆動源によって駆動される。油圧モータは、油圧ポンプから送り出される作動油の圧力によって回転駆動力を発生させる。油圧駆動ファンは、油圧モータによって回転駆動され、駆動源を冷却するための冷却ユニットに対して送風する。ファン回転制御部は、油圧駆動ファンの回転方向を正回転と逆回転との間で切り換える。検知部は、ファン回転制御部による油圧駆動ファンの正逆回転方向の切り換え指示、あるいは前記油圧駆動ファンの正逆回転方向直接的に検知する。回転数制御部は、検知部において正逆回転方向の切り換えを検知した場合には、所定の回転数を超えないように駆動源の回転数を制御する。そして、ファン回転制御部は、所定時間経過ごとに自動的に油圧駆動ファンの回転方向を切り換える制御を行う自動モードと、オペレータの任意のタイミングによって油圧駆動ファンの回転方向を切り換える手動モードと、を有している。そして、回転数制御部による駆動源の回転数の制御は、ファン回転制御部が手動モードに設定されている場合に行われる。
ここでは、油圧回路内を循環する作動油によって油圧駆動ファンを回転させる油圧モータに対して作動油を送り込む油圧ポンプにおいて、作動油の循環方向を切り換えて油圧駆動ファンを正逆回転させる際には、エンジン等の駆動源の回転数に上限値を設定して回転数の上昇を制限するように制御を行う。そして、冷却ユニットにおける目詰まり等を防止するために、オペレータが手動で油圧駆動ファンを正逆回転制御している場合に限って、上述したエンジン等の駆動源の回転数制限制御を行う。
ここで、検知部としては、例えば、正逆回転を切り換えるスイッチ等が押下されたことを検知するセンサを用いることができる。
通常、油圧ポンプはエンジン等の駆動源からの回転駆動力が伝達されて駆動されるため、駆動源の回転数が上昇すると油圧ポンプの出力も上昇することから、油圧ポンプが作動油を循環させている油圧回路内における作動油の圧力が上昇する。一方、冷却ユニットにおける目詰まり等を解消することを目的とする油圧駆動ファンの正逆回転制御時には、油圧回路内における作動油の流れの向きが変わるため、一時的に油圧回路内における作動油の圧力が上昇する。このため、駆動源の回転数の上昇と油圧駆動ファンの正逆回転制御とのタイミングが重なった場合には、油圧回路内における作動油の圧力は一時的に急上昇してピーク圧力が発生する。このようなピーク圧力は、油圧回路に含まれる油圧モータやバルブに対して大きな負荷を与え、油圧モータ等の耐用年数を短くしてしまうおそれがある。
そこで、本発明に係る油圧回路の制御装置では、検知部において油圧駆動ファンの正逆回転制御が行われていることを検知すると、回転数制御部がエンジン等の駆動源の回転数が所定の回転数以上にならないように制限をかける回転数制限制御を行う。
これにより、例えば、正逆回転制御が行われている際にアクセルが踏み込まれた場合でも、駆動源の回転数上昇に制限を加えることで、駆動源の回転数上昇と油圧駆動ファンの正逆回転制御とがほぼ同時に行われることを回避することができる。この結果、油圧回路内において発生する作動油のピーク圧力の大きさを低減して、油圧モータ等を含む油圧回路の耐用年数を従来よりも延ばすことができる。
また、例えば、所定時間経過毎に自動的に油圧駆動ファンを逆回転させる自動モード設定時には、オペレータの意思とは無関係に油圧駆動ファンの回転方向が切り換えられるため、作業中に油圧駆動ファンが逆回転することも考えられえる。このとき、例えば、建設機械のオペレータが作業をしながらアクセルを踏み込んだ場合、上記回転数制限制御が行われていると、駆動源が吹き上がらずに作業性が低下してしまうおそれがある。
一方、手動モード設定時には、オペレータが意図的に冷却ユニットにおける目詰まりを解消するために手動モードに設定したものと推測される。このため、手動モード設定時には、建設機械等が作業中という可能性は低い。
これにより、油圧駆動ファンの正逆回転制御が手動モードに設定されていることを、駆動源の回転制限制御を実施する条件とすることで、例えば、誤ってアクセルが踏み込まれた場合にのみ、駆動源の回転数が上昇することを制限することができる。この結果、作業中以外の状況下において、油圧回路内を循環する作動油のピーク圧力を低減して、油圧回路を構成する油圧モータやバルブ等の耐用年数を従来よりも延ばすことができる。
第2の発明に係る油圧回路の制御装置は、駆動源と、油圧ポンプと、油圧モータと、油圧駆動ファンと、ファン回転制御部と、ポンプ制御部と、を備えている。油圧ポンプは、駆動源によって駆動される。油圧モータは、油圧ポンプから送り出される作動油の圧力によって回転駆動力を発生させる。油圧駆動ファンは、油圧モータによって回転駆動され、駆動源を冷却するための冷却ユニットに対して送風する。ファン回転制御部は、油圧駆動ファンの回転方向を正回転と逆回転との間で切り換える。ポンプ制御部は、ファン回転制御部による油圧駆動ファンの回転方向の切り換え中に、駆動源の停止状態を検知すると、作動油の吐出能力が最低になるように油圧ポンプを制御する。
ここでは、油圧駆動ファンの正逆回転制御中に、油圧回路内を循環する作動油によって油圧駆動ファンを回転させる油圧モータに対して作動油を送り込む油圧ポンプを駆動する駆動源が停止状態となった場合には、油圧ポンプからの作動油の吐出能力を最低になるように制御を行う。
通常、油圧ポンプはエンジン等の駆動源からの回転駆動力が伝達されて作動油を油圧回路内において循環させるが、その際の作動油の吐出量は電磁弁等によって調整されている。このため、例えば、エンジンスイッチが切られてエンジン(駆動源)が停止すると、同時に油圧ポンプの吐出量を調整する電磁弁に流れる電流が0になって電磁弁が全開となる場合がある。この場合には、油圧ポンプの吐出能力が最大となり、駆動源から伝達される駆動力が徐々に低下していくまでの間に、油圧駆動ファンの正逆回転制御が行われると、油圧回路内において一時的なピーク圧力が生じるおそれがある。このようなピーク圧力は、油圧回路に含まれる油圧モータやバルブに対して大きな負荷を与え、油圧モータ等の耐用年数を短くしてしまうおそれがある。
そこで、本発明に係る油圧回路の制御装置では、油圧駆動ファンの正逆回転制御時において駆動源が停止した場合には、油圧ポンプの能力を最小になるように制御する。
これにより、例えば、自動的に油圧駆動ファンの正逆回転制御が行われている際に駆動源が停止した場合でも、駆動源停止直後の油圧回路内における一時的なピーク圧力の発生を防止することができる。この結果、油圧回路内において発生する作動油のピーク圧力の大きさを低減して、油圧モータ等を含む油圧回路の耐用年数を従来よりも延ばすことができる。
の発明に係る油圧回路の制御装置は、第1の発明に係る油圧回路の制御装置であって、回転数制御部は、駆動源の回転数の制御を所定時間経過後に解除する。
ここでは、上述した駆動源の回転数制限制御を、所定時間が経過することによって解除する。
これにより、駆動源が長時間に渡って回転数が制限されてしまうことを回避して、回転数制限制御を行う場合における作業性の低下を防止することができる。
の発明に係る油圧回路の制御装置は、第1から第の発明のいずれか1つに係る油圧回路の制御装置であって、作動油の温度を検知する温度センサをさらに備えている。そして、ファン回転制御部は、温度センサにおける検知結果に基づいて油圧駆動ファンの回転方向の切り換えを行う。
ここでは、油圧回路内を循環する作動油の温度を検知して、例えば、所定温度未満の場合には油圧駆動ファンの正逆回転制御を行わないように制御する。
ここで、作動油の温度が例えば50℃未満という比較的低温の場合に油圧駆動ファンの正逆回転制御を行った場合には、油圧回路内を循環する作動油の粘度が高いために、作動油の圧力にピーク圧力が発生し易い。この結果、油圧回路を構成する油圧モータ等に大きな負荷がかかるおそれがある。
一方、温度センサにおける検知結果が所定の温度よりも高い場合にも油圧駆動ファンの正逆回転制御を行わないように制御する。ここで、作動油の温度が例えば100℃以上という高温の条件下において油圧駆動ファンの正逆回転制御を行った場合には、油圧回路内において作動油に摩擦が生じ、作動油の温度がさらに上昇してオーバーヒートが発生するおそれがある。
そこで、本発明に係る油圧回路の制御装置では、作動油の温度が所定の温度範囲内である場合に、油圧駆動ファンの正逆回転制御を行う。
これにより、作動油の温度が低い場合に油圧駆動ファンの正逆回転制御を行うと生じる作動油のピーク圧力を抑制することで、油圧回路を構成する各部品にかかる負荷を低減して、各部品の耐用年数を延ばすことができる。一方、作動油の温度が高い場合に油圧駆動ファンの正逆回転制御を行うことに起因するオーバーヒートの発生を防止することができる。
の発明に係る油圧回路の制御装置は、第1から第の発明のいずれか1つに係る油圧回路の制御装置であって、ファン回転制御部は、油圧ポンプの吐出量を低下させた後、油圧駆動ファンの回転方向を切り換える。
ここでは、油圧駆動ファンを正回転から逆回転に移行させる際には、まず油圧ポンプの吐出量を低下させていき、所定時間が経過した後で油圧駆動ファンの回転方向を逆回転に切り換える。
これにより、油圧ポンプから吐出される作動油の圧力が低下した状態で油圧駆動ファンの回転方向を切り換えることができるため、油圧回路内における作動油の圧力が油圧駆動ファンの逆回転開始によって急上昇することを回避することができる。この結果、油圧回路を構成する油圧モータやバルブ等にかかる負荷を低減して、油圧モータ等の部品寿命を延ばすことができる。
の発明に係る建設機械は、第1から第の発明のいずれか1つに係る油圧回路の制御装置と、冷却ユニットと、駆動源によって駆動される作業機と、を備えている。
ここでは、上述した油圧回路の制御装置を、建設機械に搭載している。
これにより、油圧回路を構成する油圧モータやバルブ等にかかる負荷を低減して、油圧モータ等の部品寿命を延ばすことが可能な建設機械を提供することができる。
本発明に係る油圧回路の制御装置によれば、油圧回路内において発生する作動油のピーク圧力の大きさを低減して、油圧モータ等を含む油圧回路の耐用年数を従来よりも延ばすことができる。
本発明の一実施形態に係る油圧回路の制御装置を搭載したホイルローダについて、図1〜図7(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
[ホイルローダ50の構成]
本発明の一実施形態に係るホイルローダ(建設機械)50は、図1に示すように、車体51と、車体の前部に装着されたリフトアーム52と、このリフトアーム52の先端に取り付けられたバケット53と、車体51を支持しながら回転して車体を走行させる4本のタイヤ54と、車体51の上部に搭載されたキャブ55と、を備えている。
車体51は、エンジン(駆動源)1(図2参照)を収納するエンジンルームと、リフトアーム52およびバケット53を駆動するための制御バルブ、アクチュエータ等で構成される図示しない作業機油圧装置と、を有している。また、車体51には、図2に示すように、上記エンジン1や作業機油圧装置等を含む油圧回路が搭載されている。なお、図2に示す油圧回路の構成については、後段にて詳述する。
リフトアーム52は、先端に取り付けられたバケット53を持ち上げるためのアーム部材であって、併設されたリフトシリンダによって駆動される。
バケット53は、リフトアーム52の先端に取り付けられており、バケットシリンダによってダンプおよびチルトされる。
キャブ55は、転倒時運転者保護構造(以下、ROPS構造と示す。)を有し、複数の鋼管と鋼板とを組み合わせて構成されるオペレータ用の運転室を形成している。そして、キャブ55は、車体51の中央部分よりもやや前方に配置されている。
[油圧回路の構成]
本実施形態のホイルローダ50に搭載された油圧回路は、図2に示すように、主として、エンジン(E/G)1、油圧ポンプ2、油圧モータ7、トルクコンバータ(T/C)43、ラジエータ(冷却ユニット)57、オイルクーラ60およびコントローラ(油圧回路の制御装置、回転制御部)30等を含むように構成されている。
エンジン1には、エンジン1の回転数Neつまり油圧ポンプ2の入力回転数Neを検出するエンジン回転数センサ44が設けられている。エンジン回転数センサ44としては、例えば、パルスピックアップを使用することができる。
油圧ポンプ2は、可変容量型の冷却用ファン(油圧駆動ファン)8の駆動油圧源であって、駆動源としてのエンジン1によって駆動される。油圧ポンプ2は、例えば、斜板式ピストンポンプで構成されており、斜板2aが変化することによって押し退け容積(容量)Qccrev(cc/rev)を変化させる。油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)は、サーボピストン21が作動されることによって変化する。また、油圧ポンプ2は、タンク9内の圧油を吸い込み圧油吐出口から圧油を吐出する。油圧ポンプ2の吐出圧油は、管路42を介してファン駆動用油圧モータ7の流入ポートに供給される。さらに、油圧ポンプ2は、ホイルローダ50のリフトアーム52等を作動させる油圧シリンダに対して圧油を供給する圧油供給源としても機能する。
油圧モータ7は、固定容量型の油圧モータである。油圧モータ7の出力軸には、軸流ファンである冷却用ファン8が取り付けられている。油圧モータ7の上記出力軸には、冷却用ファン8の回転数Nを検出するファン回転数センサが設けられている。油圧モータ7は、油圧ポンプ2から吐出された圧油が流入ポートから流入されることによって回転作動され冷却用ファン8を回転させる。油圧モータ7の流出ポートから流出された圧油は、管路42aを通過してタンク9に戻される。
本実施形態では、油圧モータ7の回転方向を切り換える切換弁(ファン回転制御部)65が、管路42,42a上に設けられている。
この切換弁65は、コントローラ30から送られる信号によって、回転方向が切り換えられる。具体的には、切換弁65が、図2に示す位置から切り換えられると冷却用ファン8は正回転し、図2に示す位置にあるときに冷却用ファン8は逆回転する。すなわち、切換弁65が下方に切り換えられると、油圧モータ7に対する圧油流入方向が切り換えられて、油圧モータ7が正方向に回転して、冷却用ファン8を正方向に回転させることができる。なお、この切換弁65による冷却用ファン8の正逆回転制御では、コントローラ30において自動モードと手動モードとが設定されており、後述するモード切換えスイッチ(検知部)31によっていずれか一方のモードに切り換えられる。
ラジエータ57は、エンジン1を冷却するための冷却媒体であるクーラント(冷却水)を流しながら放熱する放熱器であって、冷却用ファン8に対して対向するように設けられている。このため、冷却用ファン8が回転して風を送ることにより、ラジエータ57内を流れるクーラントが冷却される。また、ラジエータ57には、クーラントの温度Tcを検出するための温度センサ23が設けられている。さらに、ラジエータ57における冷却用ファン8に対向する面には、防塵フィルタ11が設けられている。
防塵フィルタ11は、ラジエータ57における風受面全体を覆うように取り付けられており、冷却用ファン8から送られる空気内に含まれる塵埃を捕獲する。なお、防塵フィルタ11において捕獲された塵埃によってフィルタ部分が目詰まりを起こすことを防止するために、所定時間(例えば、2時間)経過ごと、あるいはオペレータの手動操作によって冷却用ファン8が逆回転されて防塵フィルタ11に対して風を送る向きが切り換えられる。この冷却用ファン8の逆回転制御時における各部の制御については、後段にて詳述する。
オイルクーラ60は、油圧回路内を循環する作動油を冷却するための放熱器であって、ラジエータ57と同様に、冷却用ファン8によって形成される空気流の中であって、ラジエータ57に隣接するように配置されている。そして、オイルクーラ60には、循環する作動油の温度Toを検出するための温度センサ61が設けられている。
トルクコンバータ43は、エンジン1から駆動力が伝達されて作動される。また、トルクコンバータ43には、トルクコンバータ43の作動油の温度、つまりトルコン(T/C)油温Ttcを検出する温度センサ45が設けられている。また、トルクコンバータ43内の圧油は、オイルクーラ60へと導かれて冷却される。
コントローラ30は、上述したように油圧駆動の冷却用ファン8において発生する空気流の風量の調整や、後段にて詳述するエンジン1の回転数に制限をかける制御、あるいはキーオフ時における油圧ポンプ2の吐出量を下げる制御等を行うために設けられている。また、コントローラ30には、エンジン回転数センサ44において検出されたエンジン回転数Ne、オイルクーラ60の温度センサ61において検出された作動油温度To、ラジエータ57の温度センサ23において検出されたクーラント温度Tc、トルクコンバータ43の温度センサ45において検出されたトルコン油温Ttc、等が入力される。また、コントローラ30には、図示しないファン回転数センサにおいて検出された冷却用ファン8の回転数Nが入力される。
コントローラ30は、入力されたこれらの信号に基づいて電流指令iを生成し、この電流指令iを、EPC弁(電磁比例制御弁)40の電磁ソレノイド40aに加える。これにより、EPC弁40の弁位置を変化させて、油圧ポンプ2の斜板2aの角度(容量)を駆動制御する。
サーボピストン21は、油圧ポンプ2の斜板2aを駆動し斜板角を変化させる容量制御部材である。具体的には、サーボピストン21は、斜板2aの傾転角、つまり油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevに応じた位置に移動する。
EPC弁40は、入力された電気指令iに応じて、サーボピストン21の大径側に圧油(油圧ポンプ2の吐出圧油)を供給する弁位置、またはサーボピストン21の大径側から圧油をタンク9に排出する弁位置に切り換えられる。さらに、EPC弁40は、コントローラ30から出力された電流指令iが電磁ソレノイド40aに加えられることによって弁位置が変化され電流値iに対応する出力圧をサーボピストン21の大径側の油圧室に加える。
コントローラ30では、油圧ポンプ2の押し退け容積Qccrevに対応する電流指令iをEPC弁40に対して出力することによって、油圧ポンプ2から吐出される1回転当たりの流量Qccrevを制御する。これにより、油圧モータ7に供給する圧油の流量が制御され、冷却用ファン8の回転数を制御することが可能になる。
モード切換えスイッチ31は、冷却用ファン8の正逆回転制御の自動モードと手動モードとを切り換えるスイッチであって、図2に示すように、コントローラ30と接続されている。また、モード切換えスイッチ31は、図3(a)および図3(b)に示すように、手動モード設定部31aと自動モード設定部31bとを有している。手動モード設定部31aは、モード切換えスイッチ31を1回図中左側へ倒した場合でも押圧を解除すると元の中立位置へ戻る、いわゆるモーメンタリ型のスイッチとなっている。一方、自動モード設定部31bは、モード切換えスイッチ31を1回図中右側へ倒した場合には押圧を解除しても元の中立位置へ戻らないでそのまま保持される、いわゆるオルタネート型のスイッチとなっている。つまり、モード切換えスイッチ31は、手動モード設定部31aが押下された位置、中立位置、自動モード設定部31bが押下された位置という3つのポジションを有している。
<冷却用ファン8の逆転制御時におけるエンジン回転数制限>
本実施形態のホイルローダ50に搭載された油圧回路のコントローラ30では、防塵フィルタ11に詰まった塵埃を除去することを目的とするファン正逆回転制御時において、図5(a),図5(b)に示すタイミングチャートおよび図6,図7に示すフローチャートに従って、エンジン1の回転数に上限値を設定してエンジン回転数制限制御を行う。なお、ここでは手動モードに設定された場合のファン正逆回転制御について説明する。
ここで、コントローラ30は、エンジン1の回転数Neおよび作動油温度Toを、エンジン回転数センサ44および温度センサ61からそれぞれ受け取って常時両者の情報を監視している。そして、オペレータが、モード切換えスイッチ31(図3(a)等参照)の手動モード設定部31a側を押下することによって手動モードに設定されると、図6のフローチャートに従って処理を行う。
すなわち、コントローラ30は、ステップS1において、エンジン回転数Neが1200rpm以下であること、およびステップS2において、作動油の温度Toが50℃以上であること、を確認する。なお、エンジン1の回転数の上限値として設定された1200rpmは、エンジン1の最大回転数の20〜30%に相当する回転数である。
次に、コントローラ30は、ステップS3において、図5(a)に示すように、EPC電流を最大(800mA)として(油圧ポンプ2における吐出量を設定最小値まで絞って)、冷却用ファン8の正回転方向における回転数を低下させる。
また、このとき、コントローラ30は、図5(b)に示すように、エンジン1の回転数制限制御をON状態とし、エンジン回転数Neが1200rpmを超えないように制御を開始する。つまり、図5(b)に示すエンジン回転数制限制御がON状態となっている場合には、例えば、オペレータによってアクセルペダルが踏み込まれても、エンジン回転数が制限されて上限として設定された1200rpmを超えないように制御される。
さらにこのとき、コントローラ30は、逆転ソレノイドやエンジン回転数制限制御を行う時間を管理するためのタイマーをスタートさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS4において、タイマーによる計測が8秒を経過すると、ステップS5において、切換弁65の逆転ソレノイドを反転状態に切り換えるようにON状態とする(図5(a)参照)とともに、タイマーをリセットして再スタートさせる。
そして、コントローラ30は、ステップS6において、タイマーによる計測が4秒を経過すると、ステップS7において、エンジン回転数制限制御をOFF状態に切り換えるとともに、EPC電流を−12mA/secで減少させて油圧ポンプ2の吐出量をアップさせる。そして、このとき、コントローラ30は、タイマーをリセットして再スタートさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS8において、タイマーによる計測が5秒を経過すると、ステップS9において、EPC電流を−100mA/secで減少させて、油圧ポンプ2の吐出量をさらにアップさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS10において、EPC電流が0になるまで、つまり油圧ポンプ2の吐出量が最大になるまでEPC電流を減少させる。
そして、コントローラ30は、EPC電流が0になると、図7に示すステップS11において、タイマーによる計測が10分(600秒)経過すると、ステップS12において、タイマーをリセットする。
次に、コントローラ30は、ステップS13において、再度エンジン回転数Neが1200rpm以下であること、およびステップS14において、油圧回路内を循環する作動油の温度Toが50℃以上であることを確認する。
次に、コントローラ30は、ステップS15において、EPC電流を最大(800mA)として(油圧ポンプ2における吐出量を設定最小値まで絞って)、冷却用ファン8の逆回転方向における回転数を低下させる。また、コントローラ30は、図5(b)に示すように、この逆正回転制御を開始すると同時に、エンジン1の回転数制限制御をON状態とし、正回転に切り換わるまでエンジン1の回転数が1200rpmを超えないように制御する。さらにこのとき、コントローラ30は、タイマーをスタートさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS16において、タイマーによる計測が8秒を経過すると、ステップS17において、上記と同様に、切換弁65の逆転ソレノイドをOFF状態へ切り換えて、油圧モータ7の回転方向を正回転方向へと切り換えて冷却用ファン8を正回転に戻す。また、このときコントローラ30は、タイマーをリセットして再スタートさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS18において、タイマーによる計測が4秒を経過すると、ステップS19において、図5(b)に示すように、エンジン回転数Neの制限制御をOFF状態へ切り換える。また、このとき、コントローラ30は、EPC電流を−12mA/secで減少させて油圧ポンプ2の吐出量をアップさせる。さらにこのとき、コントローラ30は、タイマーをリセットして再スタートさせる。
次に、コントローラ30は、ステップS20において、タイマーによる計測が5秒を経過すると、ステップS21において、EPC電流を−100mA/secで減少させて油圧ポンプ2の吐出量をさらにアップさせる。
次に、コントローラ30は、EPC電流が逆正回転移行開始時における温度条件で決定された指令電流の値(所定値)に達するまで、EPC電流を減少させていき、所定値に達すると同時に処理を終了する。
なお、図4に示すように、キャブ55内に設けられたスピードメータ71、シフト表示部72、水温・油温計73等を含むインパネ70には、インジケータランプ74aを含む警告部74が配置されている。そして、上述した正逆回転制御を行う場合には、エンジン1の正逆回転制御中の状態をオペレータに対して報知するために、コントローラ30が、インジケータランプ74aを「消灯」、「点滅」、「点灯」の間で切り換える。
具体的には、通常運転中には、インジケータランプ74aを消灯させており、正逆回転制御が開始されると、インジケータランプ74aを点滅状態へ移行させる(図5(a)に示すA点参照)。そして、冷却用ファン8が逆回転を開始すると、インジケータランプ74aを点灯状態へ移行させる(図5(a)に示すB点参照)。さらに、所定時間(約10分)経過後に、再度正逆回転制御が開始されると、インジケータランプ74aを点灯状態から点滅状態へ移行させる(図5(a)に示すC点参照)。そして、冷却用ファン8が正回転を開始すると、インジケータランプ74aを消灯させる(図5(a)に示すD点参照)。
換言すれば、油圧モータ7を正回転させている間には、インジケータランプ74aを消灯させ、油圧モータ7の正逆回転制御中、つまり油圧モータ7の回転方向を切り換えている間は、インジケータランプ74aを「点滅」状態とし、油圧モータ7を逆回転させている間は、インジケータランプ74aを「点灯」状態とする。
このため、インジケータランプ74aの点滅状態のタイミングと、図5(b)に示すエンジン1の回転数制限制御のタイミングとは一致することになるため、オペレータはインジケータランプ74aが点灯状態にあるときには、エンジン1の回転数が制限されることを認識しながら各種操作を行うことができる。
本実施形態では、以上のように、冷却用ファン8の正逆回転制御を行っている際には、コントローラ30が、図5(a)および図5(b)に示すように、エンジン1の回転数を制限する信号をON状態として制御を行う。
これにより、冷却用ファン8、つまり油圧モータ7の回転方向が切り換えられている間にエンジン1の回転数が上昇して油圧ポンプ2の吐出量が増大して、油圧回路内においてピーク圧力が発生することを防止することができる。この結果、図2に示す油圧回路を構成する油圧モータ7や各種バルブ等に対して大きな負荷が掛かり、油圧モータ7等の耐用年数が短くなることを回避することができる。
さらに、本実施形態では、コントローラ30が、油圧回路を循環する作動油の温度が所定温度(約50℃)以上である場合に限り、正逆回転制御を行う。
ここで、作動油の温度が50℃未満であって粘度が高い場合には、油圧モータ7の正逆回転制御を行うと、油圧モータ7等に大きな負荷が掛かるおそれがある。
これにより、作動油の温度を監視しつつ、所定温度以上の場合に限って正逆回転制御を行うことで、油圧モータ7等に掛かる負荷を低減することができる。
<正逆回転制御中のエンジン停止に伴う制御>
本実施形態の油圧回路のコントローラ30では、上述した正逆回転制御を実施している間に、例えば、オペレータによってキーが抜かれてエンジン1が停止してしまうと、図8(a)〜図8(c)に示すような制御を行う。
すなわち、図8(a)に示すように、図示しないエンジン用キースイッチが抜かれてエンジン1がOFF状態へ移行すると、通常は逆転ソレノイドの出力がすぐにOFF状態へ移行するところを、図8(b)に示すように、オルタネータ発電によって電力を維持することで、図8(c)に示すように、逆転ソレノイドの出力をON状態のまま維持するように制御を行う。
これにより、正逆回転制御中においてエンジン1が停止した場合でも、逆転ソレノイドの出力を維持することで、エンジン1停止と同時に正逆回転が切り換わって、油圧回路内におけるピーク圧力の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、正逆回転制御中にエンジン1が停止した場合には、エンジン1の停止(ACC出力=OFFの検出)と同時に、油圧ポンプ2の出力を最小値(MIN回転)に設定する。そして、逆転ソレノイド電源の入力がOFFになるまで最小限の出力を保持する。
これにより、油圧ポンプ2がエンジン1の停止と同時に弁が開放されて作動油の吐出量が瞬間的に最大になる場合でも、油圧ポンプ2の出力を強制的に最小値に設定することで、油圧回路内におけるピーク圧力の発生を抑えて、油圧モータ7等の耐用年数を延ばすことができる。
[本コントローラ30の特徴]
(1)
本実施形態のコントローラ30では、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ2によって送られる作動油の圧力によって回転する油圧モータ7の正逆回転制御を行う際には、図5(b)に示すように、正逆回転制御の開始と同時に、エンジン1の回転数が上限値として設定された1200rpmを超えないように制御を行う。
これにより、油圧回路内における作動油の流れる方向が切り換えられて油圧モータ7の回転方向が切り換えられえる際に、例えば、アクセルペダルが踏み込まれた場合でもエンジン1の回転数に制限をかける制御を行うことで、エンジン1の回転数が上昇して油圧ポンプ2の吐出量が必要以上に増大することを回避することができる。この結果、正逆回転制御中の油圧回路内におけるピーク圧力の発生を抑えて、油圧モータ7や各種バルブ類に掛かる負荷を低減して、耐用年数を延ばすことができる。
(2)
本実施形態のコントローラ30では、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ2によって送られる作動油の圧力によって回転する油圧モータ7の正逆回転制御を行っている間に、エンジン1が停止した場合には、図8(a)〜図8(c)に示すように、逆転ソレノイドの出力を維持しながら、油圧ポンプ2の出力を最小値(MIN回転)に設定する。
これにより、正逆回転制御中においてエンジン1が停止した場合でも、エンジン1の停止に伴って電力供給が断たれて油圧ポンプ2の弁が全開状態となり、吐出量が瞬間的に最大になることを回避することができる。この結果、油圧回路内において生じる作動油のピーク圧力を低減して、油圧モータ7等に掛かる負荷を最小限に抑えることができる。
(3)
本実施形態のコントローラ30では、図3(a)および図3(b)に示すモード切換えスイッチ31によって切り換えられる油圧モータ7の正逆回転制御に関するモードとして、手動モードと自動モードとが設定されている。そして、コントローラ30は、手動モードに設定されており、正逆回転制御が行われている場合に、エンジン1の回転数が上限値1200rpmを超えないようにエンジン回転数制限制御を行う。
ここで、自動モード設定中には、所定時間経過ごとに自動的に油圧モータ7の正逆回転制御が行われるため、ホイルローダ50での作業中にエンジン1の回転数が制限されてしまうと、作業性が著しく低下してしまうおそれがある。
このため、上述したエンジン回転数制限制御を、手動モード設定時に限って行うことで、作業性の低下を招くことなく、油圧回路を構成する部品に掛かる負荷を低減して、各部品の耐用年数を延ばすことができる。
(4)
本実施形態のコントローラ30では、図5(b)に示すように、図2に示す油圧回路に含まれる油圧モータ7の正逆回転制御中におけるエンジン回転数制限制御を、所定時間(12秒)経過後に解除して、正回転状態へと切り換えるように制御を行う。
これにより、エンジン1の回転数が必要以上に長い期間制限されることを回避して、ホイルローダでの作業を開始するタイミングが遅れてしまうことを防止できる。
(5)
本実施形態のコントローラ30では、図2に示す油圧回路を循環する作動油の温度Toを、温度センサ61において検知し、温度センサ61における検知結果に基づいて、上記正逆回転制御を行うか否かを決定する。
ここで、油圧回路を循環する作動油の温度が所定の温度(約50℃)以下である場合には、作動油の粘度が高くなって正逆回転の際にピーク圧力が発生し易い。
このため、本実施形態のように、正逆回転制御を行うための条件として、作動油の温度Toの下限値を設定することで、油圧回路内におけるピーク圧力の発生を低減し、油圧回路を構成する油圧モータ7等の各部品に掛かる負荷を抑えて、各部品の耐用年数を延ばすことができる。
(6)
本実施形態のコントローラ30では、図2に示す油圧回路に含まれる油圧モータ7の正逆回転制御を行う場合には、EPC弁40を操作して油圧ポンプ2の吐出量を低下させてから、逆転ソレノイドの出力をON状態に切り換えて油圧モータ7の回転方向を切り換える。
これにより、油圧ポンプ2から吐出される作動油の圧力が低下した後で、油圧モータ7の回転方向を切り換えることになるため、油圧回路内におけるピーク圧力の発生を抑えることができる。この結果、油圧回路を構成する油圧モータ7等の各部品に掛かる負荷を低減して、各部品の耐用年数を延ばすことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、ファン正逆回転制御が手動モードに設定されている場合に、コントローラ30がエンジン回転数を制限する制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ファン正逆回転制御が自動モードに設定されている場合に、エンジン回転数を制限する制御を行ってもよい。
ただし、ファン正逆回転制御が自動モードに設定されている場合に、エンジン回転数制限制御を行う場合には、ホイルローダ等の建設機械の作業中にファン正逆回転制御が行われて、エンジン回転数を制限してしまうことも考えられる。この場合、オペレータがアクセルをふかしてもエンジンの回転数が制限されているために、オペレータの要求するエンジン出力が得られなくなって、作業性が低下するおそれがある。一方、ファン正逆回転制御が手動モードに設定されている場合には、オペレータが意図的にファンを正逆回転させることで防塵フィルタ等の清掃を行っているものと考えられ、作業中である可能性は低い。よって、上記ファン正逆回転制御中におけるエンジン回転数制限制御については、上記実施形態のように手動モードに設定されている際に限って行われるようにすることがより好ましい。
(B)
上記実施形態では、作動油の温度Toが約50℃以上の場合に限り、油圧モータ7の正逆回転制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧モータ7の正逆回転制御を行う条件として設定される作動油温度Toの下限値としては、50℃に限定されるものではなく、30〜80℃の範囲に含まれる他の温度を、正逆回転制御を行う条件の下限値として設定してもよい。
また、正逆回転制御を禁止するための条件として、例えば、作動油の温度が約100℃を超える場合には、正逆回転制御を禁止するように制御を行ってもよい。このように、正逆回転制御を行うための作動油の温度の上限値を設定することで、作動油が高温になっている際に油圧回路内における作動油の流れを切り換えたために作動油内の摩擦によってオーバーヒートが生じることを回避することができる。よって、例えば、正逆回転制御を行うための作動油の温度Toの条件として、50〜100℃の温度範囲を設定することがより好ましい。これにより、正逆回転制御時におけるピーク圧力の発生とオーバーヒートの発生とを同時に防止することができる。
さらには、油圧モータ7の正逆回転制御を行うための条件として、上述した作動油の温度To以外にも、 クーラント温度TcやT/C油温Ttc等について所定の温度範囲を設定してもよい。
(C)
上記実施形態では、正逆回転制御時におけるエンジン回転数制限制御のエンジン回転数の上限値として、1200rpmが設定されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、搭載される機種あるいはエンジンの大きさに応じて、エンジン回転数の最大値の20〜30%となるように、800〜2000rpmの範囲内でエンジン回転数の上限値が設定されていればよい。
(D)
上記実施形態では、コントローラ30が、油圧モータ7の正逆回転制御の開始タイミングを、図3(a)等に示すモード切換えスイッチ31の手動モードへの切り換えを検出して行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧モータ7の回転方向を直接検出するセンサを設けて、このセンサにおける検知結果に基づいて、正逆回転制御の開始を検出してもよい。
さらには、油圧回路内に作動油の流れる方向を検知するセンサを設けて、このセンサにおける検知結果に基づいて、正逆回転制御の開始を検出してもよい。
(E)
上記実施形態では、図3(a)および図3(b)に示すように、モード切換えスイッチ31として、オルタネートシーソ型の3つのポジションを有するスイッチを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ねじ式のモード切換えスイッチを用いることもできる。
(F)
上記実施形態では、正逆回転制御を行う際に、油圧ポンプ2の吐出量を絞って油圧モータ7の回転数を落としてから逆転ソレノイドの出力をONに切り換える制御を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧ポンプ2の吐出量を絞る替わりに、中立ソレノイドを設けて、中立ソレノイドをON状態に切り換えることで、油圧モータ7の回転数を落として正逆回転制御を開始してもよい。
ただし、中立ソレノイドを設けるための部品点数の増加に伴うコストの面等を考慮すると、上記実施形態のように、油圧ポンプ2の吐出量の調整によって正逆回転制御を行うことがより好ましい。
(G)
上記実施形態では、油圧モータ7を逆回転させる時間を、600秒(10分)に設定した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
このような油圧モータ7を逆回転させる時間としては、オペレータによって任意の時間に設定変更可能であればよく、例えば、2〜15分の間に設定されていればよい。
(H)
上記実施形態では、油圧モータ7が、軸流ファン方式のファンを正回転させた時には、冷却ユニットとしてのラジエータ57およびオイルクーラ60の受風面側に押出すように送風する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧駆動ファンモータ3が、冷却用ファン8を正回転させた時に冷却ユニット側から送風する、いわゆる吸引方式の冷却装置を用いてもよい。
(I)
上記実施形態では、冷却ユニットを、エンジン冷却水用のラジエータ57と作動油冷却用のオイルクーラ60とによって構成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、少なくともエンジン冷却水用のラジエータだけを有する冷却ユニットであってもよい。さらに、例えば、エンジン排気冷却用のアフタークーラ(エアークーラ)等を併用することもできる。
(J)
上記実施形態では、本発明に係る油圧回路の制御装置がホイルローダ50に搭載された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、油圧ショベルやブルドーザ等の他の建設機械や、建設機械以外の各種車両に搭載されていてもよい。
本発明の油圧回路の制御装置は、油圧回路内において発生する作動油のピーク圧力の大きさを低減して、油圧モータ等を含む油圧回路の耐用年数を従来よりも延ばすことができるという効果を奏することから、ホイルローダ等の建設機械に限らず、エンジンおよび冷却ユニットを搭載した各種車両等に対して広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係る油圧回路を搭載したホイルローダを示す外観側面図。 図1のホイルローダの車体に搭載された油圧回路およびその制御部の構成を示すシステム図。 (a),(b)は、図2に含まれるモード切換えスイッチを示す平面図および側面図。 図1のホイルローダにおけるエンジン回転制限制御中における運転パネルの表示状態を示す正面図。 (a),(b)は、図2の油圧回路に含まれる油圧モータの正逆回転制御時におけるEPC弁および逆転ソレノイドの出力、エンジン回転数制限信号の出力、インジケータの出力と、時間経過との関係を示すタイミングチャート。 図2の油圧回路に含まれる油圧モータの正逆回転制御時におけるエンジン回転数制限制御の流れを示すフローチャート。 図6に示すフローチャートの続きの流れを示すフローチャート。 (a)〜(c)は、図2の油圧回路に含まれる油圧モータの正逆回転制御時におけるエンジンキースイッチOFF、オルタネータ発電、逆転ソレノイド出力のそれぞれの関係を示すタイミングチャート。
1 エンジン(駆動源)
2 油圧ポンプ
7 油圧モータ
8 冷却用ファン(油圧駆動ファン)
9 タンク
11 防塵フィルタ
21 サーボピストン
23 温度センサ
30 コントローラ(油圧回路の制御装置、ファン回転制御部)
31 モード切換えスイッチ(検知部)
31a 手動モード設定部
31b 自動モード設定部
40 EPC弁
43 トルクコンバータ(T/C)
44 エンジン回転数センサ
45 温度センサ
50 ホイルローダ(建設機械)
51 車体
52 リフトアーム
53 バケット
54 タイヤ
55 キャブ
57 ラジエータ(冷却ユニット)
60 オイルクーラ(冷却ユニット)
61 温度センサ
65 切換弁(ファン回転制御部)
70 インパネ
71 スピードメータ
72 シフト表示部
73 水温・油温計
74 警告部
74a インジケータランプ
S ステップ

Claims (6)

  1. 駆動源と、
    前記駆動源によって駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから送り出される作動油の圧力によって回転駆動力を発生させる油圧モータと、
    前記油圧モータによって回転駆動され、前記駆動源を冷却するための冷却ユニットに対して送風する油圧駆動ファンと、
    前記油圧駆動ファンの回転方向を正回転と逆回転との間で切り換えるファン回転制御部と、
    前記ファン回転制御部による前記油圧駆動ファンの正逆回転方向の切り換え指示、あるいは前記油圧駆動ファンの正逆回転方向の切り換え直接的に検知する検知部と、
    前記検知部において前記正逆回転方向の切り換えを検知した場合には、所定の回転数を超えないように前記駆動源の回転数を制御する回転数制御部と、
    を備え、
    前記ファン回転制御部は、所定時間経過ごとに自動的に前記油圧駆動ファンの回転方向を切り換える制御を行う自動モードと、オペレータの任意のタイミングによって前記油圧駆動ファンの回転方向を切り換える手動モードと、を有しており、
    前記回転数制御部による前記駆動源の回転数の制御は、前記ファン回転制御部が前記手動モードに設定されている場合に行われる、
    油圧回路の制御装置。
  2. 駆動源と、
    前記駆動源によって駆動される油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから送り出される作動油の圧力によって回転駆動力を発生させる油圧モータと、
    前記油圧モータによって回転駆動され、前記駆動源を冷却するための冷却ユニットに対して送風する油圧駆動ファンと、
    前記油圧駆動ファンの回転方向を正回転と逆回転との間で切り換えるファン回転制御部と、
    前記ファン回転制御部による前記油圧駆動ファンの回転方向の切り換え中に、前記駆動源の停止状態を検知すると、前記作動油の吐出能力が最低になるように前記油圧ポンプを制御するポンプ制御部と、
    を備えている油圧回路の制御装置。
  3. 前記回転数制御部は、前記駆動源の回転数の制御を所定時間経過後に解除する、
    請求項1に記載の油圧回路の制御装置。
  4. 前記作動油の温度を検知する温度センサをさらに備えており、
    前記ファン回転制御部は、前記温度センサにおける検知結果に基づいて前記油圧駆動ファンの回転方向の切り換えを行う、
    請求項1からのいずれか1項に記載の油圧回路の制御装置。
  5. 前記ファン回転制御部は、前記油圧ポンプの吐出量を低下させた後、前記油圧駆動ファンの回転方向を切り換える、
    請求項1からのいずれか1項に記載の油圧回路の制御装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の油圧回路の制御装置と、
    前記冷却ユニットと、
    前記駆動源によって駆動される作業機と、
    を備えている建設機械。
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