以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば画像式の遊技機やスロット機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示エリア8a〜8cを含む可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9には、例えば、「左」、「中」、「右」の3つの可変表示エリア8a〜8c(図柄表示エリア)がある。なお、可変表示エリアは固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動したり大きさが変化してもよい。
この実施の形態では、後述する特別遊技状態に制御されるときに、3つの可変表示エリア8a〜8cの表示領域が縮小されるとともに、表示される図柄の大きさが縮小表示される(図24に記載)。なお、可変表示する図柄が視認困難または視認不可能な状態であればよく、例えば、図柄を隠すことができる可動部材を可変表示装置9に設けたり(可変表示装置9とは別に設けてもよい)、可変表示エリア8a〜8cに表示される図柄を消去する制御を行うことで、図柄を視認不可能な状態としてもよい。
また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。始動入賞記憶数(保留記憶数)とは、始動入賞口14への入賞が発生したが未だそれに応じた特別図柄の変動が行われていない回数である。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
なお、可変表示エリア8a〜8cと始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリア18を可変表示エリア8a〜8cの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
この実施の形態では、後述する特別遊技状態に制御されるときに、始動記憶表示エリア18に表示される始動入賞記憶数が消去される制御が行われる。なお、始動入賞記憶数が遊技者に認識困難または認識不可能な状態であればよく、例えば、始動記憶表示エリア18を隠すことができる可動部材を可変表示装置9に設けることで(可変表示装置9とは別に設けてもよい)、始動記憶表示エリア18を視認不可能な状態としたり、始動入賞記憶数を縮小表示する制御を行うことで、始動入賞記憶数を視認困難な状態としてもよい。また、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器:始動記憶表示器18)を可変表示装置9とは別個に設ける場合であっても、例えば、始動記憶表示器18を隠すことができる可動部材を遊技盤6に設けることで(図25に記載)、始動記憶表示器18を視認不可能な状態としてもよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14a(図2に符号のみ記載)によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図2に符号のみ記載)によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21(図2に符号のみ記載)によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22(図2に符号のみ記載)で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23(図2に符号のみ記載)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図2に符号のみ記載)も設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32a(図2に符号のみ記載)で検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示エリアと普通可変表示エリアとは1つの可変表示装置で実現される。
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
なお、特別遊技状態として時短状態に制御することにより、遊技者にとって更に有利な状態とするようにしてもよい。時短状態では、可変表示エリア8a〜8cの図柄の変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、可変表示装置9の可変表示エリア8a〜8cにおける特別図柄および普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、可変入賞球装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞球装置15の開放時間又は開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での可変表示エリア8a〜8cの図柄の可変表示回数が増加して図柄が当り図柄となる確率が通常遊技状態より高まるため、遊技者にとって更に有利な状態となる。
この実施の形態では、左中右の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「11」の12通りあって、可変表示エリア8a〜8cにおいて「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り遊技終了後に高確率状態(特別遊技状態)に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a(図2に符号のみ記載)によって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
可変表示エリア8a〜8cにおける特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄の組み合わせ(特定表示結果)であると、大当り遊技状態(特定遊技状態)に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせ(特別表示結果)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
この実施の形態では、特別遊技状態に制御されるときに、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なる)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることで、通常とは異なる演出が行われる。この演出は、特別遊技状態における複数回の可変表示に亘って一連の流れ(例えば、全ての演出が終了したときに1つのストーリーが完結するようなもの)をもつ演出であり、連続演出という。また、特別遊技状態が終了したときには、連続演出も終了する。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び演出制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御手段とは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57等の周辺回路のことである。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48およびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58、可変入賞装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64、も主基板31に搭載されている。
主基板31に設けられた遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置97、を制御する払出制御基板37に払出制御信号を送信する。また、遊技制御手段は、操作ノブ5を操作することにより駆動モータ94を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板91に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御手段は演出制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより演出制御基板80に設けられた演出制御手段(演出制御用CPU、RAM、ROM、I/Oポート部等の周辺回路によって可変表示装置9及び普通図柄表示器10の表示を制御する機能)が特別図柄を可変表示する可変表示エリア8a〜8c及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に設けられた音声制御手段(演出制御用CPU、RAM、ROM、I/Oポート部等の周辺回路によってスピーカ27の音声出力を制御する機能)が音声出力基板38にスピーカ27の駆動信号を出力し、スピーカ27の音声出力制御を行う。また、演出制御基板80に設けられたランプ制御手段(演出制御用CPU、RAM、ROM、I/Oポート部等の周辺回路によってパチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDを制御する機能)がランプ制御基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力し、パチンコ遊技機1に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行う。
なお、演出制御手段、音声制御手段、ランプ制御手段、をまとめて演出制御手段と呼ぶことがある。また、主基板31からは、可変表示装置9の演出制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として演出制御コマンド(制御信号)が伝送される。
また、この実施の形態では、連続演出として、演出A〜演出Eを表示するための(キャラクタ11a〜11eを含む)演出データが演出制御基板80に設けられたROMに記憶されている。特別遊技状態とすることが決定されると、CPU56は、演出制御用CPUに大当り図柄の組み合わせとするか否か(大当り遊技状態とするか否か)を示す判定結果コマンドを送信する。演出制御用CPUは、判定結果コマンドにもとづいて演出データを選択し、選択された演出データを読み出して演出A〜演出D(E)を可変表示装置9に表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPUは、VDP(図示しない)を介してLCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行う。VDPは、演出制御基板80に設けられたROMに記憶されている図柄、演出データ(キャラクタ11a〜11e)に関する画像データをもとにVRAM(図示しない)で画像表示信号を生成し、可変表示装置9に出力する。
次に遊技機の動作について説明する。図3は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37および演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示エリア8a〜8cに表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
そして、2mS毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2mSに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示エリア8a〜8cに表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図4に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
図5は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図4に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、主基板31における遊技制御手段(例えば、CPU56等)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。これらの処理は、図4のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口22に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口22に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
なお、始動口スイッチ通過処理では、CPU56は、始動記憶(数値データ)の記憶数が上限値に達しているかどうか確認し、始動記憶(数値データ)の記憶数が最大値に達していなければ、始動記憶(数値データ)の記憶数を1増やし、数値データ更新手段(例えば、CPU56の数値データ(大当り判定用乱数、等)を更新(カウントアップ)する機能)から大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動記憶(数値データ)の記憶数の値に対応した保存領域(始動記憶バッファ)に格納する処理が実行される。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、特別図柄の停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される特別図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図7(A)は、この実施の形態で用いられる通常時変動パターンの一例を示す説明図であり、図7(B)は、この実施の形態で用いられる確変時変動パターンの一例を示す説明図である。図7(A)および図7(B)において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと演出制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変動時間(可変表示時間)を示す。
この実施の形態では、低確率時(非確変中=通常状態)に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と高確率時(確変中)に用いられる変動パターン群とを別に設定している。そして、特別図柄の各変動パターンは、大当りとするか否か、リーチとするか否か、確変中であるか否か、および確変中に演出A〜演出Dの演出態様による一連の連続演出を行う場合の変動時間など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。また、例えば、高確率時には変動パターン4〜9のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。
図7(A)に示す通常時変動パターンでは、変動パターン1〜変動パターン3の3つの変動パターンが用いられる。なお、「通常変動」とはリーチ様態を伴わない変動パターンであり、「リーチはずれ」とはリーチ様態を伴うが大当りとならない変動パターンであり、「リーチ当り」とはリーチ態様を伴って大当りとなる変動パターンである。
また、図7(B)に示す確変時変動パターンでは、変動パターン4〜変動パターン9の6つの変動パターンが用いられる。なお、「通常変動」とはリーチ様態を伴わない変動パターンであり、「リーチはずれ」とはリーチ様態を伴うが大当りとならない変動パターンであり、「リーチ当り」とはリーチ態様を伴って大当りとなる変動パターンである。確変時変動パターンテーブルには、「リーチ当り」となる変動パターンとして、一連の連続演出のうち未だ表示されていない演出の全てを可変表示装置9に表示する演出時間に対応して、変動時間の異なる変動パターン6〜変動パターン9が設定されている。
図8(A)は、大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。大当り時変動パターン選択テーブルは、大当りと判定されたときに使用されるテーブルであって、変動パターンの選択のために用いられるテーブルである。図8(A)に示すように、大当り時変動パターン選択テーブルには、変動パターンとして、通常時(非確変時:残り確変回数が0回)に使用される通常時変動パターン(変動パターン3)が一つ設定されているとともに、確変の残り回数に対応して、確変時に使用される確変時変動パターン(変動パターン6〜変動パターン9)が設定されている。なお、通常時変動パターンを複数設定してもよく、確変時変動パターンを確変の残り回数のそれぞれに対応して複数設定してもよい。また、複数設定された通常時変動パターンまたは確変時変動パターンを、通常時変動パターン種別テーブルまたは確変時変動パターン種別テーブルとして設定し、それらのテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
図8(B)は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。はずれ時変動パターン選択テーブルは、はずれと判定されたときに使用されるテーブルであって、変動パターンの選択のために用いられるテーブルである。図8(B)に示すように、はずれ時変動パターン選択テーブルには、変動パターンとして、通常時(非確変時:残り確変回数が0回)に使用される通常時変動パターン(変動パターン1,2)が二つ設定されているとともに、確変の残り回数に対応して、確変時に使用される確変時変動パターン(変動パターン4,5)が設定されている。この実施の形態では、通常時変動パターンおよび確変時変動パターンのうち、リーチにもならないはずれの場合に使用される変動パターンとして、変動パターン1,4が設定されているとともに、リーチとなったあとはずれとなる場合に使用される変動パターンとして、変動パターン2,5が設定されている。なお、確変時変動パターンを確変の残り回数のそれぞれに対応して別の変動パターンを設定してもよい。
図9は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、RAM55に記憶される始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS50)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、RAM55の始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、RAM55の各保存領域の内容をシフトする(ステップS52)。すなわち、RAM55の始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、RAM55の始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS53)、大当り判定処理を実行する(ステップS54)。大当り判定処理では、ステップS51で保存領域から読み出したランダム1の値すなわち乱数値バッファに格納されている値にもとづいて大当りとするか否かの決定が行われる。大当りとすることに決定した場合には(ステップS55)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS56)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS57)。
図10は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS51において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。
ステップS62において大当り図柄の組み合わせが確率変動を伴う確変図柄の組み合わせである場合には、すなわち、確変大当りとなると判定した場合には、CPU56は、特定大当り入賞コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS64)。一方、大当り図柄の組み合わせが確率変動を伴う確変図柄の組み合わせとは異なる組み合わせである場合には、すなわち、確変大当りとならない(非確変大当り)と判定した場合には、CPU56は、非特定大当り入賞コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS65)。
次いで、RAM55に入賞コマンドとしてセットされたデータを、RAM55の演出バッファとして定められている領域に格納し(ステップS66)、演出バッファに格納されている入賞コマンドに応じたデータに対応した入賞コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS67)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS68)。なお、コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS69)。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、ステップS308の大当り終了処理において大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされるとともに、確変回数カウンタのカウント値が初期値(この実施の形態では、4)に設定される。
以上の処理によって、大当りとすることに決定し、大当り図柄の組み合わせとなるときには、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段に対して、特定大当り入賞指定または非特定入賞指定の演出制御コマンドが送信される。なお、この実施の形態には記載されていないが、大当りではない場合には、リーチ入賞指定(後述するステップS71のリーチ判定処理においてリーチとなると判定された場合)またははずれ入賞指定(後述するステップS71のリーチ判定処理においてリーチとならないと判定された場合)の演出制御コマンドが送信される。以下、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定およびはずれ入賞指定の演出制御コマンドを、判定結果コマンドということがある。
ステップS61において大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、乱数格納バッファからリーチ判定用乱数を読み出し(ステップS69)、リーチ判定処理を実行する(ステップS70)。リーチ判定処理では、ステップS51で保存領域から読み出したランダム5の値すなわち乱数値バッファに格納されている値にもとづいてリーチとするか否かの決定が行われる。リーチとすることに決定した場合には(ステップS72)、CPU56は、ランダム2−1の値に従って左右特別図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中特別図柄を決定する(ステップS73)。ここで、決定された中特別図柄が左右特別図柄と一致した場合には、中特別図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中特別図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、ステップS69に移行する。
ステップS72においてリーチしないことに決定された場合には、はずれの場合の停止図柄の決定を行う(ステップS74)。具体的には、ステップS51で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左特別図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中特別図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右特別図柄を決定する。なお、ここでは、左右特別図柄が一致した場合には右特別図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、ステップS69に移行する。
図11は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、確変回数カウンタを読み出し(ステップS141)、読み出した確変回数カウンタのカウント値が0でなければ(ステップS142)、後述する確変時変動パターン選択処理を行う(ステップS143)。一方、ステップS141にて読み出した確変回数カウンタのカウント値が0であれば、大当りフラグの状態を確認し(ステップS144)、大当りフラグがセットされていれば大当り時変動パターン選択処理を行い(ステップS145)、大当りフラグがセットされていなければはずれ時変動パターン選択処理を行う(ステップS146)。
なお、大当り時変動パターン選択処理では、大当り時変動パターン選択テーブル(図8(A)参照)を使用テーブルに設定し、確変状態ではない、すなわち、残り確変回数が0回に対応した通常時変動パターンテーブルを選択する。この場合、変動パターンは、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン3に決定される。一方、はずれ時変動パターン選択テーブル(図8(B)参照)を使用テーブルに設定し、確変状態ではない、すなわち、残り確変回数が0回に対応した通常時変動パターンテーブルを選択する。この場合、変動パターンは、ステップS71のリーチ判定処理にてリーチとすることに決定されたときには、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン2に決定され、リーチとしないことに決定されたときには、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン1に決定される。
この実施の形態では、ステップS143,S145,S146にて大当り時変動パターン選択テーブルまたははずれ時変動パターン選択テーブルが選択されたときに、残り確変回数にもとづくそれぞれの変動パターンテーブルに対応して1つの変動パターンのみが設けられているが(はずれ時変動パターン選択テーブルが選択されたときには、それぞれの変動パターンテーブルに対応して2つの変動パターンが設けられているが、リーチとするか否かの判定によって使用する1つの変動パターンが決定される)、例えば、それぞれの変動パターンテーブルに対応して複数の変動パターンが設けられているような場合には、複数の変動パターンから1つの変動パターンを決定する処理が必要となる。具体的には、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタから変動パターン決定用乱数を抽出し、使用テーブルとして設定されている変動パターンテーブルに配されている比較値のうち、抽出した変動パターン決定用乱数の値と一致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定される。
変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターンの変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップS147)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS148)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS149)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS150)。
図12は、確変時変動パターン選択処理(ステップS143)を示すフローチャートである。確変時変動パターン選択処理において、CPU56は、確変回数カウンタを読み出す(ステップS161)。確変回数カウンタは、ステップS308の大当り終了処理において確変回数カウンタのカウント値が初期値(この実施の形態では、4)に設定される。なお、確変回数カウンタのカウント値が初期値に設定された場合には、後述するステップS164〜S145において大当り時変動パターンが選択されてカウント値がクリアされるまで、または、後述するステップS167〜S168においてはずれ時変動パターンが選択される毎に確変回数カウンタのカウント値を1減算し、カウント値が0になるまで、カウント値を計数することになる。
次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされていれば(ステップS162)、大当り時変動パターン選択テーブル(図8(A)参照)を使用テーブルに設定し(ステップS163)、残り確変回数にもとづいて確変時変動パターンテーブルの何れかを選択して使用テーブルとして設定する(ステップS164)。残り確変回数は、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後に実行される複数回の確変状態(特別遊技状態)のうち未だ実行されていない確変状態の回数を意味し、ここでは確変回数カウンタのカウント値に一致する。例えば、ステップS164では、図8(A)に示した大当り時変動パターン選択テーブルが用いられる場合には、確変回数カウンタのカウント値が3であれば、残り確変回数が3回であるときの確変時変動パターンテーブルの変動パターン8が選択される。そして、確変回数カウンタをクリアする(ステップS165)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS162)、CPU56は、はずれ時変動パターン選択テーブル(図8(B)参照)を使用テーブルに設定し(ステップS166)、残り確変回数にもとづいて確変時変動パターンテーブルの何れかを選択して使用テーブルとして設定する(ステップS167)。例えば、ステップS167では、図8(B)に示したはずれ時変動パターン選択テーブルが用いられる場合には、確変回数カウンタのカウント値が3であれば、残り確変回数が3回であるときの確変時変動パターンテーブルの変動パターン4,5が選択される。そして、確変回数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS168)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図13は、演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
図14は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはRAMにおけるコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPUは、まずコマンド受信バッファに主基板31からの受信コマンドがあるか否かを確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPUは、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
受信した演出制御コマンドが特別図柄指定の演出制御コマンドであれば(ステップS613)、演出制御用CPUは、特別図柄を示すデータをRAMにおける特別図柄格納領域に格納する(ステップS614)。特別図柄の停止図柄指定の演出制御コマンドは、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)のステップS62、ステップS73またはステップS74にて決定され、決定された特別図柄の停止図柄にもとづく特別図柄指定コマンドとして変動パターンコマンドが送信されるときに演出制御基板80に送信される。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用CPUは、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS616)、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが始動記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPUは、RAMにおける始動記憶数記憶領域の始動記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS619)。また、可変表示装置9において表示色が変化する始動記憶表示エリア18の数を更新する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが非特定大当り入賞指定の演出制御コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPUは、大当り実行中フラグをセットする(ステップS622)。また、受信した演出制御コマンドが特定大当り入賞指定の演出制御コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPUは、大当り実行中フラグをセットするとともに(ステップS624)、特定大当り入賞フラグをセットする(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが図柄停止指定の演出制御コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPUは、図柄停止コマンド受信フラグをセットする(ステップS627)。そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他のコマンドである場合には、受信コマンドに対応したフラグをセットする(ステップS628)。
図15(A)は、大当り時演出パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。大当り時演出パターン選択テーブルは、大当り遊技状態終了後に遊技者にとって有利な確変状態となったときに使用されるテーブルであって、連続演出を構成する演出A〜演出Dの4種類の演出データのうち1回の可変表示において選択される演出データの組み合わせを指定する演出パターンの選択のために用いられるテーブルである。図15(A)に示すように、大当り時演出パターン選択テーブルには、演出の残り回数のそれぞれに対応した演出パターンが設定されている。ここで、演出の残り回数とは、主基板31において大当り遊技状態終了後にカウントされる確変状態の残り回数に相当する。なお、連続演出を実行中に大当りとすることが決定されたときには、演出A〜演出Dの演出データのうち未だ選択されていない演出データの全てを選択するように設定されている。
図15(B)は、はずれ時演出パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。はずれ時演出パターン選択テーブルは、大当り遊技状態終了後に遊技者にとって有利な確変状態となったときに使用されるテーブルであって、連続演出を構成する演出A〜演出C,演出Eの4種類の演出データのうち1回の可変表示において選択される演出データを指定する演出パターンの選択のために用いられるテーブルである。図15(B)に示すように、はずれ時演出パターン選択テーブルには、演出の残り回数のそれぞれに対応した演出パターンが設定されている。なお、連続演出を実行中にはずれとすることが決定されたときであって、連続演出の終了時であるときには、大当り時演出パターン選択テーブルにおける演出パターンに使用された演出Dの演出データとは異なる演出Eの演出データを選択するように設定されている。
図16は、図13に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS617)。
演出設定処理(ステップS801):確変実行中である場合に、残り演出回数にもとづいて所定の演出(演出A〜演出E)の組み合わせである演出パターンを選択し、演出パターンの内容に従って演出が開始されるように制御する。
図柄変動開始処理(ステップS802):全図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):演出パターンを構成する各演出、該演出を構成する各演出状態、および変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図17は、図13に示された演出制御プロセス処理における演出設定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出選択処理において、演出制御用CPUは、確変実行中フラグがセットされているか否か、すなわち、確変状態を実行中であるか否か確認する。確変実行中フラグは、特定大当り入賞フラグがセットされている場合に後述する図柄停止待ち処理のステップS858にてセットされる。確変実行中フラグがセットされていれば、演出回数カウンタを読み出す(ステップS812)。一方、確変実行中フラグがセットされていなければ、すなわち、通常遊技状態では、後述するステップS812〜S825の処理が実行されることがなく、連続演出の表示が開始されることがない。
次いで、演出制御用CPUは、大当り実行中フラグがセットされていれば(ステップS813)、大当り時演出パターン選択テーブル(図15(A)参照)を使用テーブルに設定し、残り演出回数にもとづいて演出パターンを選択する(ステップS814)。残り演出回数は、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後に複数回に亘って実行される連続演出のうち未だ実行されていない演出の回数(この実施の形態では、例えば、1回目の保留記憶から3回目の保留記憶までがはずれ表示である場合に、確変の上限回数に対応する4回が上限回数)を意味し、ここでは演出回数カウンタのカウント値に一致する。例えば、ステップS814では、図15(A)に示した大当り時演出パターン選択テーブルが用いられる場合には、演出回数カウンタのカウント値が3であれば、残り演出回数が3回であるときの演出パターン(演出B→演出C→演出D)が選択される。そして、選択された大当り時演出パターンをRAMの演出パターンバッファとして定められている領域に格納し(ステップS815)、演出回数カウンタをクリアするとともに(ステップS815)、この保留記憶にもとづく可変表示(変動)で確変状態を終了するとして、確変実行中フラグをリセットする(ステップS817)。
大当り実行中フラグがセットされていなければ(ステップS813)、演出制御用CPUは、はずれ時演出パターン選択テーブル(図15(B)参照)を使用テーブルに設定し、残り演出回数にもとづいて演出パターンを選択する(ステップS818)。例えば、ステップS818では、図15(B)に示したはずれ時演出パターン選択テーブルが用いられる場合には、演出回数カウンタのカウント値が3であれば、残り演出回数が3回であるときの演出パターン(演出B)が選択される。そして、選択されたはずれ時演出パターンをRAMの演出パターンバッファとして定められている領域に格納し(ステップS819)、演出回数カウンタを1減算する(ステップS820)。このとき、演出回数カウンタが0となれば(ステップS821)、設定された実行回数分(この実施の形態では、4回)の演出が完了する、すなわち、この保留記憶にもとづく可変表示(変動)で確変状態を終了するとして、確変実行中フラグをリセットする(ステップS817)。
そして、演出制御用CPUは、演出パターンバッファに格納されている演出パターンに応じた演出プロセスデータを選択する(ステップS822)。ただし、演出パターンが複数の演出から構成される場合には、複数の演出プロセスデータのうち先に演出表示すべき演出プロセスデータを選択する。そして、選択された演出プロセスデータに設定された演出時間タイマをスタートさせるとともに(ステップS823)、演出制御実行データ1に対応した演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。また、演出プロセスデータ中の演出制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS825)。例えば、演出制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。なお、演出制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。
なお、演出プロセスデータは、演出時間タイマ設定値のデータ、および演出プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出時間タイマ設定値には、演出プロセスデータの切替えタイミングに応じた時間が設定されている。例えば、演出パターンに複数の演出プロセスデータが設定されている場合に、演出プロセスデータを切替えるタイミングが到来すると、演出制御用CPUは、実行中の演出プロセスデータの次の演出プロセスデータを選択する。また、演出制御実行データには、選択されている演出表示の実行期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、演出制御実行データ1には、演出表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。そして、演出表示の実行期間中において、表示状態を切替えるタイミングが到来すると、演出制御用CPUは、演出プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9の表示状態を制御する。また、演出プロセスタイマ設定値には、演出制御実行データの切替えタイミングに応じた時間が設定されている。
図18は、演出制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用CPUは、まず、特別図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS881)。プロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに記憶されている。そして、選択されたプロセスデータにおける図柄制御実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。また、プロセスデータ中の図柄制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS883)。例えば、図柄制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。なお、図柄制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。
その後、変動時間タイマ(特別図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS884)、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS885)。
なお、プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と図柄制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。図柄制御実行データには、特別図柄の可変表示実行期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、図柄制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。そして、特別図柄の変動期間中において、表示状態を切替えるタイミングが到来すると、演出制御用CPUは、プロセスデータにおける次の図柄制御実行データに従って、可変表示装置9の表示状態を制御する。また、プロセスタイマ設定値には、図柄制御実行データの切替えタイミングに応じた時間が設定されている。
図19は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPUは、演出のそれぞれを表示する期間であり、演出プロセスデータの内容を実行する時間である演出時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS830)。タイムアウトしていたら、演出パターンバッファに格納されている演出パターンに応じた次の演出プロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択された演出プロセスデータにおける演出時間タイマをスタートさせるとともに(ステップS832)、演出制御実行データ1に対応した演出プロセスタイマをスタートさせる(ステップS833)。また、演出プロセスデータ中の演出制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS834)。
また、演出制御用CPUは、演出プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS835)、選択されている演出プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS836)。すなわち、演出プロセスデータにおいて、次に設定されている演出プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS837)、次に設定されている演出制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS838)。
以上の処理は、演出設定処理のステップS822〜S825にて開始された演出プロセスデータ、および演出プロセスデータを構成する演出制御実行データを、連続演出として(演出パターンバッファの内容に従って)可変表示装置9に順次表示する制御であり、通常遊技状態では、ステップS830〜S838が実行されることがない(ステップS830およびS835にてNOが選択される)。
また、演出制御用CPUは、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS839)、プロセスデータにおける図柄制御実行データの切り替えを行う(ステップS840)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS841)、次に設定されている図柄制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS842)。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS843)、特別図柄停止の演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS844)、演出制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS845)。
図20は、演出制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、演出制御用CPUは、図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS851)。図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS852)。
次いで、大当り実行中フラグがセットされていない場合には(ステップS853)、すなわち、ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS854)。
大当り実行中フラグがセットされている場合には(ステップS853)、すなわち、ステップS852で大当り図柄を表示した場合には、演出制御用CPUは、大当り実行中フラグをリセットし(ステップS855)、特定大当り入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS856)。特定大当り入賞フラグがセットされている場合には、次回以降の始動入賞において遊技状態を確変状態に制御するとともに、連続演出を開始することになる。この場合には、特定大当り入賞フラグをリセットし(ステップS857)、確変実行中フラグをセットするとともに(ステップS858)、演出回数カウンタのカウント値が初期値(この実施の形態では、確変の上限回数に対応する4)に設定される(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS860)。
図柄停止を指定する演出制御コマンドを受信していない場合には(ステップS851)、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS861)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS862)。そして、ステップS852に移行する。
図21は、演出パターンにもとづく連続演出の一例を示すタイミングチャートである。この実施の形態では、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な確変状態の開始から終了までの期間において、連続演出を構成する演出A〜演出Dを可変表示装置9に表示する演出データが所定の順番で選択されることで、遊技者は常に同じ連続演出を見ることができる。ただし、4回の可変表示における全ての保留記憶に対してはずれとすることを判定したときには、演出A〜演出C,演出Eを可変表示装置9に表示する演出データが所定の順番で選択される。
図21(A)は、4回の可変表示における全ての保留記憶に対してはずれとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。まず、1回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとすることを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図15(B)参照)から残り演出回数が4回(演出回数カウンタ=4)に対応する演出Aを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出Aを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Aの表示が終了される。
次いで、2回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとすることを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図15(B)参照)から残り演出回数が3回(演出回数カウンタ=3)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出Aの演出データの次の演出データである演出Bを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出Bを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Bの表示が終了される。演出Bの表示終了後、3回目の保留記憶についても同様に、残り演出回数が2回に対応した演出Cが表示される。
その後、4回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始される。該保留記憶に対する大当り判定がはずれとすることを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図15(B)参照)から残り演出回数が1回(演出回数カウンタ=1)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出Cの演出データの次の演出データである演出Eを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。演出Eは、残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対する大当り判定がはずれとすることを決定したときのみ表示される演出である。そして、可変表示装置9には、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出Eを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Eの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出Aから残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対応した演出Eまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図21(B)は、確変開始後の4回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。3回目の保留記憶までは、図21(A)で説明したように、各可変表示における演出A〜演出Cの表示と同じである。
4回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとすることを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図15(A)参照)から残り演出回数が1回(演出回数カウンタ=1)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出Cの演出データの次の演出データである演出Dを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。演出Dは、残り演出回数が1回〜4回(1回目〜4回目の保留記憶)に対する大当り判定が当りとすることを決定したときに表示される演出である。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出Aから残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対応した演出Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図21(C)は、確変開始後の3回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。2回目の保留記憶までは、図21(A)で説明したように、各可変表示における演出A〜演出Bの表示と同じである。
3回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとすることを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図15(A)参照)から残り演出回数が2回(演出回数カウンタ=2)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出Bの演出データの次の演出データである演出C,Dを表示する演出データを所定の順番(演出C→演出D)に従って選択し、該選択された演出データを順次実行する。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出Aから残り演出回数が2回(3回目の保留記憶)に対応した演出C,Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図21(D)は、確変開始後の2回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。1回目の保留記憶は、図21(A)で説明したように、1回の可変表示における演出Aの表示と同じである。
2回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとすることを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図15(A)参照)から残り演出回数が3回(演出回数カウンタ=3)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出Aの演出データの次の演出データである演出B,C、Dを表示する演出データを所定の順番(演出B→演出C→演出D)に従って選択し、該選択された演出データを順次実行する。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出Aから残り演出回数が3回(2回目の保留記憶)に対応した演出B〜Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図21(E)は、確変開始後の1回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。1回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとすることを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図15(A)参照)から残り演出回数が4回(演出回数カウンタ=4)に対応する演出データである演出A,B,C、Dを表示する演出データを所定の順番(演出A→演出B→演出C→演出D)に従って選択し、該選択された演出データを順次実行する。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出Aから演出Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図22は、1回目の保留記憶〜4回目の保留記憶のうちいずれかの保留記憶に対して大当り判定が当りとすることを判定したときに表示される連続演出の一例を示す説明図である。この実施の形態では、連続演出として、複数のキャラクタ11b〜11eを敵とみなし、主人公のキャラクタ11aが該複数のキャラクタ11b〜11eを順に撃退していく演出を行う。
まず、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な確変状態に制御されるときであって、1回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるときに、残り演出回数が4回に対応した演出Aを表示する演出データにもとづいて、可変表示装置9の画面左方にキャラクタ11aが表示されるとともに、画面右方からキャラクタ11bが出現する(図22(A))。そして、キャラクタ11aがキャラクタ11bを撃退する(図22(B))。
次いで、演出Aを表示する演出データから演出Bを表示する演出データに切替えられたときには、残り演出回数が3回〜4回のいずれかに対応した演出Bを表示する演出データにもとづいて、画面右方から演出Aで表示されたキャラクタ11bとは異なるキャラクタ11cが出現し(図22(C))、キャラクタ11aがキャラクタ11cを撃退する(図22(D))。そして、演出Bを表示する演出データから演出Cを表示する演出データに切替えられたときには、残り演出回数が2回〜4回のいずれかに対応した演出Cを表示する演出データにもとづいて、画面右方から演出A〜演出Bで表示されたキャラクタ11b,11cとは異なるキャラクタ11dが出現し(図22(E))、キャラクタ11aがキャラクタ11dを撃退する(図22(F))。
また、1回目の保留記憶〜4回目の保留記憶のうちいずれかの保留記憶に対して大当り判定が当りとすることを判定したときに演出Dを表示する演出データが選択され、演出Cを表示する演出データから演出Dを表示する演出データに切替えられたときには、残り演出回数が1回〜4回のいずれかに対応した演出Dを表示する演出データにもとづいて、画面右方から演出A〜Cで表示されたキャラクタ11b,11c,11dとは異なるキャラクタ11eが出現し(図22(G))、キャラクタ11aがキャラクタ11eを撃退する(図22(H))。このとき、図柄の組み合わせが大当り図柄の組み合わせとなるように停止表示され、遊技状態が大当り遊技状態へと移行される。
一方、1回目の保留記憶〜4回目の保留記憶に対して大当り判定がはずれとすることを判定したときに演出Eを表示する演出データが選択され、演出Cを表示する演出データから演出Eを表示する演出データに切替えられたときには、残り演出回数が1回に対応した演出Eを表示する演出データにもとづいて、画面右方から演出A〜Cで表示されたキャラクタ11b,11c,11dとは異なるキャラクタ11eが出現し(図23(G’))、大当りとすることを判定したときに表示される演出Dとは異なるキャラクタ11aがキャラクタ11cに撃退される演出が行われる(図23(H’))。このとき、図柄の組み合わせが大当り図柄の組み合わせとは異なる組み合わせとなるように停止表示され、遊技状態が通常遊技状態へと移行される。
この実施の形態では、可変表示装置9に一連の連続演出を表示するときに、可変表示エリア8a〜8cに可変表示(変動表示)している図柄が縮小される。図24は、連続演出の表示中に可変表示される図柄の表示態様の一例を示す説明図である。まず、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な確変状態に制御されるときに、1回目の保留記憶にもとづいて可変表示エリア8a〜8cにて図柄の可変表示(変動表示)が開始されるとともに(図24(A))、可変表示装置9の画面右下部に可変表示エリア8a〜8cが縮小されることに伴って変動図柄が縮小表示される(図24(B))。このとき、上記した図22(A)と同様に、残り演出回数が4回に対応した演出Aを表示する演出データにもとづいて、可変表示装置9の画面左方にキャラクタ11aが表示されるとともに、画面右方からキャラクタ11bが出現する演出が開始される(図25(D))。
以上の構成によって、遊技者は、可変表示エリア8a〜8cに可変表示している視認困難な図柄ではなく連続演出の進行状況(大当りとすることを判定したときに表示される演出D、または大当りとしないことを判定したときに表示される演出Eのどちらが行われるか)に応じて大当りとなるか否かを判断することになり、連続演出に対してより注目させることができる。また、可変表示装置9に一連の連続演出を表示するときに、可変表示エリア8a〜8cに可変表示(変動表示)している図柄が遊技者にとって視認困難または視認不可能となればよく、図柄が消去されてもよい。さらに、可変表示装置9の一部または可変表示装置9とは別に、可変表示装置9に一連の連続演出を表示するときに、可変表示エリア8a〜8cに可変表示している図柄が隠蔽可能となる隠蔽部材を設けてもよい。
この実施の形態では、可変表示装置9に一連の連続演出を表示するときに、始動記憶表示エリア18に表示されている未だ開始されていない保留記憶が縮小または消去される。この構成によって、遊技者は、始動記憶表示エリア18に表示されている未だ開始されていない保留記憶が視認困難または視認不可能となるとともに、何回目の保留記憶にもとづく演出であるかを認識できないので、連続演出に対してより注目させることができる。例えば、演出Bが表示されたとしても、1回目の保留記憶に対する大当り、2回目の保留記憶に対する大当り、または2回目の保留記憶に対するはずれの何れの保留記憶にもとづく演出であるかを認識できない。
また、この実施の形態では、未だ開始されていない保留記憶が可変表示装置9の始動記憶表示エリア18に表示されているが、始動記憶表示器として可変表示装置9とは別に設けてもよい。図25は、連続演出の表示中に表示される保留記憶の表示態様の一例を示す説明図である。図25に示すように、この例では、可変表示装置9の下方には、点灯することで保留記憶数を遊技者に知らせる始動記憶表示器18が設けられ、可変表示装置9の右方には、支点を軸として回動可能な可動部材12が設けられている。
まず、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な確変状態に制御されるときに、可動部材12が可変表示装置9の右方に配置されるとともに、例えば、4回の保留記憶にもとづいて4つの始動記憶表示器18が点滅している(図25(A))。そして、始動記憶表示器18が遊技者から視認できないように、支点を軸にして可動部材12を反時計回りに回動し、始動記憶表示器18の全てを隠す(図25(B))。
次いで、1回目の保留記憶にもとづいて可変表示エリア8にて図柄の可変表示(変動表示)が開始されるとともに、遊技者にとって視認不可能な始動記憶表示器18の点灯を1つ減らす(図25(C))。このとき、上記した図22(A)と同様に、残り演出回数が4回に対応した演出Aを表示する演出データにもとづいて、可変表示装置9の画面左方にキャラクタ11aが表示されるとともに、画面右方からキャラクタ11bが出現する演出が開始される(図25(D))。
上記した実施の形態(以下、第1実施形態という)では、演出A〜演出Eを表示する時間が各々同一に設定(この実施の形態では、10秒)されている演出データであり、大当り判定がはずれとすることを決定したときには、1回の可変表示(または1回の保留記憶)において連続演出を構成する4つの演出(演出A〜演出C,演出E)のうちの1つの演出を表示する構成である。すなわち、1回の可変表示が終了したときに、1つの演出表示が終了する(変動時間と1つの演出を表示する演出実行時間が1:1対応している)。
なお、連続演出は、確変状態が終了したときに最後の演出(演出Dまたは演出E)まで表示されればよく、例えば、1回の可変表示に対して演出の切れるタイミングが異なる(例えば、演出Aの前半部である演出A1のみを表示する)ように設定してもよい。この場合、連続演出を表示する演出時間は一定であるが、1回の可変表示が終了したときに、1つの演出(演出A〜演出Eのいずれか)の表示が終了するとは限らない(変動時間と1つの演出を表示する演出実行時間が1:1対応していない)。このような実施形態(以下、第2実施形態という)について、図26乃至図30を参照して第1実施形態とは異なる部分を説明する。
図26(A)は、第2実施形態で用いられる通常時変動パターンの一例を示す説明図であり、図26(B)は、第2実施形態で用いられる確変時変動パターンの一例を示す説明図である。図26(A)および図26(B)において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと演出制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は特別図柄の変動時間(可変表示時間)を示す。
この実施の形態では、低確率時(非確変中=通常状態)に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と高確率時(確変中)に用いられる変動パターン群とを別に設定している。そして、特別図柄の各変動パターンは、大当りとするか否か、リーチとするか否か、確変中であるか否か、および確変中に演出A〜演出Dの演出態様による一連の連続演出を行う場合の変動時間など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。また、例えば、高確率時には変動パターン4〜20のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。
図26(A)に示す通常時変動パターンでは、変動パターン1〜変動パターン3の3つの変動パターンが用いられる。なお、「通常変動」とはリーチ様態を伴わない変動パターンであり、「リーチはずれ」とはリーチ様態を伴うが大当りとならない変動パターンであり、「リーチ当り」とはリーチ態様を伴って大当りとなる変動パターンである。
また、図26(B)に示す確変時変動パターンでは、変動パターン4〜変動パターン20の17つの変動パターンが用いられる。なお、「通常変動」とはリーチ様態を伴わない変動パターンであり、「リーチはずれ」とはリーチ様態を伴うが大当りとならない変動パターンであり、「リーチ当り」とはリーチ態様を伴って大当りとなる変動パターンである。確変時変動パターンテーブルには、「通常変動」となる変動パターンとして、4回の確変回数が実行された場合に変動時間の全てが40秒(この実施の形態では、演出A〜演出Dからなる一連の連続演出を可変表示装置9に表示する演出時間40秒に相当)となるように残り確変回数および残り確変実行時間に対応して、変動時間5〜25秒を伴う変動パターン4〜変動パターン8が設定されている。また、「リーチはずれ」となる変動パターンとして、「通常変動」となる変動パターンと同様に、4回の確変回数が実行された場合に変動時間の全てが40秒(この実施の形態では、演出A〜演出Dからなる一連の連続演出を可変表示装置9に表示する演出時間40秒に相当)となるように残り確変回数および残り確変実行時間に対応して、変動時間5〜25秒を伴う変動パターン9〜変動パターン13が設定されている。さらに、「リーチ当り」となる変動パターンとして、演出A〜演出Dからなる一連の連続演出のうち未だ表示されていない演出の全てを可変表示装置9に表示する演出時間に対応して、変動時間10〜40秒を伴う変動パターン14〜変動パターン20が設定されている。
図27(A)は、第2実施形態で用いられる大当り時変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。大当り時変動パターン選択テーブルは、大当りと判定されたときに使用されるテーブルであって、変動パターンの選択のために用いられるテーブルである。図27(A)に示すように、大当り時変動パターン選択テーブルには、変動パターンとして、通常時(非確変時:残り確変回数が0回)に使用される通常時変動パターン(変動パターン3)が一つ設定されているとともに、確変の残り回数に対応して、確変時に使用される確変時変動パターンテーブルが設定されている。そして、確変時変動パターンテーブルには、1回の残り確変回数に対応して変動パターン14〜変動パターン17が設定され、2回の残り確変回数に対応して変動パターン15〜変動パターン18が設定され、3回の残り確変回数に対応して変動パターン16〜変動パターン19が設定され、4回の残り確変回数に対応して変動パターン20が設定されている。
図27(B)は、第2実施形態で用いられるはずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。はずれ時変動パターン選択テーブルは、はずれと判定されたときに使用されるテーブルであって、変動パターンの選択のために用いられるテーブルである。図27(B)に示すように、はずれ時変動パターン選択テーブルには、変動パターンとして、通常時(非確変時:残り確変回数が0回)に使用される通常時変動パターン(変動パターン1,2)が二つ設定されているとともに、確変の残り回数に対応して、確変時に使用される確変時変動パターンテーブルが設定されている。そして、確変時変動パターンテーブルには、1回の残り確変回数に対応して変動パターン5〜変動パターン8,変動パターン10〜変動パターン13が設定され、2〜4回の残り確変回数に対応して変動パターン4〜変動パターン7,変動パターン9〜変動パターン12が設定されている。この実施の形態では、通常時変動パターンおよび確変時変動パターンのうち、リーチにもならないはずれの場合に使用される変動パターンとして、変動パターン1,4〜8が設定されているとともに、リーチとなったあとはずれとなる場合に使用される変動パターンとして、変動パターン2,9〜13が設定されている。
なお、通常時変動パターンテーブルは、ステップS145の大当り時変動パターン選択処理またはステップS146のはずれ時変動パターン選択処理にて使用される。大当り時変動パターン選択処理では、大当り時変動パターン選択テーブル(図27(A)参照)を使用テーブルに設定し、確変状態ではない、すなわち、残り確変回数が0回に対応した通常時変動パターンテーブルを選択する。この場合、変動パターンは、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン3に決定される。一方、はずれ時変動パターン選択テーブル(図27(B)参照)を使用テーブルに設定し、確変状態ではない、すなわち、残り確変回数が0回に対応した通常時変動パターンテーブルを選択する。この場合、変動パターンは、ステップS71のリーチ判定処理にてリーチとすることに決定されたときには、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン2に決定され、リーチとしないことに決定されたときには、通常時変動パターンテーブルに設定されている変動パターン1に決定される。
図28は、確変時変動パターン選択処理(ステップS143)を示すフローチャートである。確変時変動パターン選択処理において、CPU56は、確変回数カウンタを読み出す(ステップSA161)。確変回数カウンタは、ステップS308の大当り終了処理において確変回数カウンタのカウント値が初期値(この実施の形態では、4)に設定される。なお、確変回数カウンタのカウント値が初期値に設定された場合には、後述するステップS164〜S145において大当り時変動パターンが選択されてカウント値がクリアされるまで、または、後述するステップS167〜S168においてはずれ時変動パターンが選択される毎に確変回数カウンタのカウント値を1減算し、カウント値が0になるまで、カウント値を計数することになる。
次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされていれば(ステップSA162)、大当り時変動パターン選択テーブル(図27(A)参照)を使用テーブルに設定し(ステップSA163)、残り確変回数にもとづいて確変時変動パターンテーブルの何れかを選択して使用テーブルとして設定する(ステップSA164)。残り確変回数は、大当り遊技状態(特定遊技状態)の終了後に実行される複数回の確変状態(特別遊技状態)のうち未だ実行されていない確変状態の回数を意味し、ここでは確変回数カウンタのカウント値に一致する。そして、残り確変回数にもとづいて選択された確変時変動パターンテーブルに設定された変動パターンのうち、残り確変実行時間にもとづいて、すなわち、演出A〜演出Dからなる一連の連続演出のうち未だ表示されていない演出の全てを可変表示装置9に表示するために変動時間(演出時間)の全てである40秒のうち残り確変実行時間に対応した変動パターンが選択される。
例えば、ステップSA164では、図27(A)に示した大当り時変動パターン選択テーブルが用いられる場合には、確変回数カウンタのカウント値が3であれば、残り確変回数が3回であるときの確変時変動パターンテーブルの変動パターン16〜19が設定されるとともに、1回目の確変状態の保留記憶で実行された変動パターンの実行時間(図27(B)のはずれ時変動パターン選択テーブルから、4回の残り確変回数にもとづいて選択された変動パターンの実行時間)を確変中に実行される変動時間の全てである40秒から減算した確変実行時間に対応した変動パターンが選択される。そして、確変回数カウンタをクリアする(ステップSA165)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップSA162)、CPU56は、はずれ時変動パターン選択テーブル(図27(B)参照)を使用テーブルに設定し(ステップSA166)、残り確変回数にもとづいて確変時変動パターンテーブルの何れかを選択して使用テーブルとして設定する(ステップSA167)。そして、残り確変回数にもとづいて選択された確変時変動パターンテーブルに設定された変動パターンのうち、残り確変実行時間にもとづいて、すなわち、残り確変回数が2回以上である場合には、少なくとも次回以降の確変状態の保留記憶における変動パターンの変動時間(この実施の形態では、1回の変動表示につき5秒以上)を実行可能にするように残り確変実行時間に対応して、残り確変回数が1回である場合には、変動時間(演出時間)の全てである40秒のうち演出A〜演出C,演出Eからなる一連の連続演出のうち未だ表示されていない演出の全てを可変表示装置9に表示するために残り確変実行時間に対応した変動パターンが選択される。
例えば、ステップSA167では、図27(B)に示したはずれ時変動パターン選択テーブルが用いられる場合には、確変回数カウンタのカウント値が3であれば、残り確変回数が3回であるときの確変時変動パターンテーブルの変動パターン4〜7,9〜12が設定されるとともに、少なくとも3回目以降の確変状態の保留記憶における変動パターンの変動時間(この実施の形態では、10秒)を実行可能にし、1回目の確変状態の保留記憶で実行された変動パターンの実行時間(図27(B)のはずれ時変動パターン選択テーブルから、4回の残り確変回数にもとづいて選択された変動パターンの実行時間)を確変中に実行される変動時間の全てである40秒から減算した残り確変実行時間に対応した変動パターンが選択される。そして、確変回数カウンタのカウント値を1減算する(ステップSA168)。
この実施の形態では、ステップSA167にてはずれ時変動パターン選択テーブルが設定されたときに、残り確変回数にもとづくそれぞれの確変時変動パターンテーブルのうち、残り変動実行時間に対応して複数の変動パターンが選択可能な場合があるが、例えば、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタから変動パターン決定用乱数を抽出し、確変時変動パターンテーブルに設定されている選択可能な変動パターンに配されている比較値のうち、抽出した変動パターン決定用乱数の値と一致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定される。
図29(A)は、大当り時演出パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。大当り時演出パターン選択テーブルは、大当り遊技状態終了後に遊技者にとって有利な確変状態となったときに使用されるテーブルであって、連続演出を構成する演出A〜演出Dの4種類の演出データ、および各々の演出を前半と後半とに分割した演出データ(演出Dを除く。例えば、演出Aを分割した演出A1と演出A2)のうち1回の可変表示において選択される演出データの組み合わせを指定する演出パターンの選択のために用いられるテーブルである。図29(A)に示すように、大当り時演出パターン選択テーブルには、演出の残り回数および実行時間(変動時間)のそれぞれに対応した演出パターンが設定されている。ここで、演出の残り回数とは、主基板31において大当り遊技状態終了後にカウントされる確変状態の残り回数に相当する。なお、連続演出を実行中に大当りとすることが決定されたときには、演出A〜演出Dの演出データのうち未だ選択されていない演出データの全てを選択するように設定されている。実行時間とは、演出A〜演出Dの演出データのうち未だ選択されていない演出データの全てを選択することが可能な時間であり、主基板31から送信される変動パターンコマンドに含まれる実行時間データによって決定される。
図29(B)は、はずれ時演出パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。はずれ時演出パターン選択テーブルは、大当り遊技状態終了後に遊技者にとって有利な確変状態となったときに使用されるテーブルであって、連続演出を構成する演出A〜演出C,演出Eの4種類の演出データ、および各々の演出を前半と後半とに分割した演出データ(演出Eを除く。例えば、演出Aを分割した演出A1と演出A2)のうち1回の可変表示において選択される演出データを指定する演出パターンの選択のために用いられるテーブルである。図29(B)に示すように、はずれ時演出パターン選択テーブルには、演出の残り回数および実行時間(変動時間)のそれぞれに対応した演出パターンが設定されている。なお、連続演出を実行中にはずれとすることが決定されたときであって、連続演出の終了時であるときには、大当り時演出パターン選択テーブルにおける演出パターンに使用された演出Dの演出データとは異なる演出Eの演出データを含む演出パターンを選択するように設定されている。実行時間とは、主基板31から送信される変動パターンコマンドに含まれる実行時間データによって決定される時間である。
この実施の形態では、残り演出回数が2〜3回であって実行時間が決定されたときに、複数の演出パターンが設定されている場合もあるが、演出設定処理のステップS818にてはずれ時演出パターンを選択する際に、複数の演出パターンのうち前回の残り演出回数(前回の保留記憶)にもとづく演出の続きを行うような演出パターンが選択される。例えば、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)にもとづいて演出A1が表示された場合であって、残り演出回数が3回(2回目の保留記憶)にもとづいて実行時間が5秒であると決定された場合には、設定されている4つの演出パターンのうち演出A2を表示する演出パターンが選択される。
図30は、第2実施形態に係る演出パターンにもとづく連続演出の一例を示すタイミングチャートである。この実施の形態では、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な確変状態の開始から終了までの期間において、連続演出を構成する演出A〜演出Dを可変表示装置9に表示する演出データが所定の順番で選択されることで、遊技者は常に同じ連続演出を見ることができる。ただし、4回の可変表示における全ての保留記憶に対してはずれとすることを判定したときには、演出A〜演出C,演出Eを可変表示装置9に表示する演出データが所定の順番で選択される。
図30(A)は、4回の可変表示における全ての保留記憶に対してはずれとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。まず、1回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとする(この例では、変動パターン7または変動パターン12を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図29(B)参照)から残り演出回数が4回(演出回数カウンタ=4)であって、実行時間が20秒に対応する演出Aおよび演出Bを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、演出Aを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Bを表示する演出データに切替えられた後、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出Bを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Bの表示が終了される。このように、大当り判定がはずれを決定したときであっても、演出Aおよび演出Bを表示する複数の演出データを選択することができる。
次いで、2回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとする(この例では、変動パターン4または変動パターン9を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図29(B)参照)から残り演出回数が3回(演出回数カウンタ=3)であって、変動時間が5秒に対応する演出パターンのうち、前回保留記憶にて表示された演出Bの演出データの次の演出データである演出C1を表示する演出パターンを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出C1を表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出C1の表示が終了される。演出C1の表示終了後、3回目の保留記憶についても同様に、残り演出回数が2回であって、変動時間が5秒に対応する演出パターンとして演出C1を表示する演出パターンを選択し、該選択された演出パターンに含まれる演出データを実行する。
その後、4回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始される。該保留記憶に対する大当り判定がはずれとする(この例では、変動パターン5または変動パターン10を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図29(B)参照)から残り演出回数が1回(演出回数カウンタ=1)であって、変動時間が10秒に対応する演出パターンとして、前回保留記憶にて表示された演出C2の演出データの次の演出データである演出Eを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。演出Eは、残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対する大当り判定がはずれとすることを決定したときのみ表示される演出である。そして、可変表示装置9には、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出Eを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Eの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出A,Bから残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対応した演出Eまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図30(B)は、確変開始後の4回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。まず、1回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとする(この例では、変動パターン6または変動パターン11を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図29(B)参照)から残り演出回数が4回(演出回数カウンタ=4)であって、実行時間が15秒に対応する演出Aおよび演出B1を表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、演出Aを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出B1を表示する演出データに切替えられた後、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出B1を表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出B1の表示が終了される。
次いで、2回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定がはずれとする(この例では、変動パターン5または変動パターン10を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、はずれ時演出パターン選択テーブル(図29(B)参照)から残り演出回数が3回(演出回数カウンタ=3)であって、変動時間が10秒に対応する演出パターンのうち、前回保留記憶にて表示された演出B1の演出データの次の演出データである演出B2,演出C1を表示する演出パターンを選択し、該選択された演出データを実行する。そして、可変表示装置9には、演出B2を表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出C1を表示する演出データに切替えられた後、はずれ図柄が停止表示されるとともに、演出C1を表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出C1の表示が終了される。演出C1の表示終了後、3回目の保留記憶についても同様に、残り演出回数が2回(演出回数カウンタ=2)であって、変動時間が5秒に対応する演出パターンとして演出C1を表示する演出パターンを選択し、該選択された演出パターンに含まれる演出データを実行する。
4回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとする(この例では、変動パターン14を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図29(A)参照)から残り演出回数が1回(演出回数カウンタ=1)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出C2の演出データの次の演出データである演出Dを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを実行する。演出Dは、残り演出回数が1回〜4回(1回目〜4回目の保留記憶)に対する大当り判定が当りとすることを決定したときに表示される演出である。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出A,B1から残り演出回数が1回(4回目の保留記憶)に対応した演出Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
図30(C)は、確変開始後の3回目の可変表示における保留記憶に対して当りとすることを判定したときに、所定の演出パターンを選択する選択タイミングを示す説明図である。2回目の保留記憶までは、図30(B)で説明したように、各可変表示における演出A〜演出C1の表示と同じである。
3回目の保留記憶にもとづいて図柄の可変表示が開始されるとともに、該保留記憶に対する大当り判定が当りとする(この例では、変動パターン15を使用する)ことを決定したときには、演出パターンとして、大当り時演出パターン選択テーブル(図29(A)参照)から残り演出回数が2回(演出回数カウンタ=2)に対応し、前回保留記憶にて表示された演出C1の演出データの次の演出データである演出Dを表示する演出データを選択し、該選択された演出データを順次実行する。そして、可変表示装置9には、大当り図柄が停止表示されるとともに、演出Dを表示する演出データの演出時間データがタイムアウトすることにもとづいて演出Dの表示が終了される。このとき、確変状態が終了されるとともに、残り演出回数が4回(1回目の保留記憶)に対応した演出A,B1から残り演出回数が2回(3回目の保留記憶)に対応した演出C2,Dまで継続的に表示された連続演出を終了する。
第2実施形態では、CPU56は、複数回の可変表示(この実施の形態では、1回〜4回のいすれか)に亘って確変状態となる場合に、変動時間の全てが予め定められた時間(この実施の形態では、40秒)となるように変動時間5〜40秒を伴う変動パターンが設定されている。そして、変動パターンコマンドが演出制御コマンドとして演出制御基板80に送信される毎に、1回の可変表示において実行される演出の演出時間(実行時間)を5〜40秒に調整し、確変状態が終了するまで、すなわち、予め定められた時間(この実施の形態では、40秒)で連続演出が実行される。また、第2実施形態では、表示結果を大当りとしないことを判定したときであっても、第1実施形態とは異なって複数の演出が行われることがある。これらの構成によって、1回の図柄変動(または1つの保留記憶)に対して演出の切れるタイミングが異なるので、どの保留記憶で大当りとなるか遊技者にとって分からず、興趣の維持が図ることができる。
また、第2実施形態では、各々の演出の演出時間が2等分になるように前半部(例えば、演出A1)と後半部(例えば、演出A2)とに分割されているが、1回の可変表示に対して演出の切れるタイミングが異なるように設定されればよく、例えば、演出時間が3分割、4分割となるように分割されたり、不均等になるように分割される演出が設定されてもよい。この場合にも、連続演出を表示する演出時間が一定であり、確変状態が終了したときに連続演出の最後の演出(演出Dまたは演出E)まで表示されることになる。
また、第1実施形態および第2実施形態では、特別遊技状態としての確変状態となるときに複数回の可変表示に亘って実行される連続演出を例に説明しているが、遊技状態が特別遊技状態のときに連続演出が実行されればよく、例えば、時短状態で実行されてもよい。具体的には、可変表示装置9の可変表示エリア8a〜8cにおける特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される場合には、通常遊技状態時に選択される変動パターン群とは別に変動パターンの変動時間が通常遊技状態より短い変動パターンで構成される変動パターン群を設け、複数回の可変表示に亘って該変動パターン群から選択された変動パターンにもとづいて図柄が変動されるとともに、一連の連続演出が行われる。この場合にも、連続演出を表示する演出時間が一定であり、時短状態が終了したときに連続演出の最後の演出まで表示されればよく、演出を表示する演出データとして、確変状態のときに使用された演出データを設定しても、確変状態のときに使用された演出データとは別の演出データを設定してもどちらでもよい。