JP4641367B2 - 結晶性高分子延伸物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性高分子延伸物の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、融着、毛羽の発生、延伸切れなどのない品質の良好な結晶性高分子延伸物を、生産性よく安価に製造する工業的に有利な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維,樹脂フィルム,樹脂シート等の結晶性高分子製品の物性は、その内部構造(結晶性高分子の微細構造)の影響を強く受け、当該内部構造は延伸や熱処理によって比較的容易に変化する。そして、未延伸物よりも延伸物の方が実用上好ましい物性を有していることが多く、より高倍率で延伸した方が強度,ヤング率等の物性に優れた延伸物が得られる。このため、結晶性高分子製品、特に合成繊維,樹脂フィルム,樹脂シート等を得る場合には、通常、延伸処理が施される。また、延伸処理後に必要に応じて熱処理が施される。
【0003】
結晶性高分子製品を得る際の延伸方法としては種々の方法が知られているが、例えば延伸合成繊維を得る際には、金属加熱ロールや金属加熱板等を用いての接触加熱延伸、あるいは温水,常圧〜0.2MPa程度の水蒸気,遠赤外線等を用いての非接触加熱延伸等の延伸方法が適用されている。
【0004】
ところで、結晶性高分子の微細構造の変化は延伸条件に大きく左右され、その結果として結晶性高分子製品の物性もまた延伸条件に大きく左右されるわけであるが、無理に延伸しようとすると延伸切れ等の不具合が生じる。
【0005】
本発明者らは、高強度な結晶性高分子延伸物を製造する工業的な方法として、先に、両端が通常室温(20〜25℃程度)の加圧水でシールされた容器内に、延伸媒体として、0.2MPa程度以上の加圧飽和水蒸気が充填されてなる延伸槽を用い、結晶性高分子物質を延伸処理する方法を見出した。
【0006】
例えば、結晶性高分子物質として、ポリプロピレン系繊維単一を延伸処理する場合、未延伸糸を樹脂の融点未満のなるべく高い温度において、低変形速度で高倍率に延伸するほど、高強度なポリプロピレン系繊維が得られるわけであるが、この延伸方法においては、繊維がシール加圧水を通過した際に、繊維の温度が一旦下がると共に、加圧水により繊維表面には水分が付着し、この水分が存在している状態の下で、被延伸物を延伸処理することから、ドラフト変形によって内部発熱が生じても、被延伸物の表面の温度が、加圧飽和蒸気の温度よりも高温になることが抑制され、被延伸物の表面が溶融状態になりにくい方法であり、高倍率の延伸を可能にしている。
【0007】
この方法は、従来の結晶性高分子物質の延伸処理方法に比べて、高延伸倍率の品質の良好な延伸物を効率よく製造し得る優れた方法であるが、繊維表面に存在する水分の温度が室温程度では、斑をつくる可能性があることが考えられる。すなわち、繊維束(トウ)の上の一部分に室温程度の水分が存在する場所と、存在しない場所では高圧蒸気延伸槽で設定した温度に上がるまでに繊維トウに時間差が生じ、変形する際に斑ができる可能性がある。このような斑を生じると、延伸しても融着したり、毛羽や単糸切れなどが発生し、品質低下や生産性低下をもたらす原因となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、本発明者らが先に見出した方法をさらに改良し、融着、毛羽の発生、延伸切れなどのない品質の良好な結晶性高分子延伸物を、生産性よく安価に製造する工業的に有利な方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、被延伸物が導入される延伸槽の加圧水シール部における加圧水の温度をある温度以上に設定することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)両端が加圧水でシールされた容器内に延伸媒体としての加圧飽和水蒸気が入れられている延伸槽を用い、結晶性高分子物質からなる被延伸物を前記延伸槽における加圧水シール部に導き、その表面に水分を付着させたのち、延伸槽に導入し加圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理する方法において、前記被延伸物が導かれる加圧水シール部における加圧水の温度を40℃以上に保持することを特徴とする結晶性高分子延伸物の製造方法、
(2)結晶性高分子物質からなる被延伸物を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理する前に、該延伸処理の温度よりも低い温度で予備延伸処理する上記(1)項に記載の方法、
(3)予備延伸槽と本延伸槽が、連続して延伸設備ラインに配置されている上記(1)または(2)項に記載の方法、
【0011】
(4)結晶性高分子物質からなる比延伸物が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなるものである上記(1)、(2)または(3)項に記載の方法、および
(5)結晶性高分子物質からなる被延伸物が、単一系未延伸繊維又は鞘芯複合系未延伸繊維である上記(1)ないし(4)項のいずれか1項に記載の方法、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の結晶性高分子延伸物の製造方法において、被延伸物として用いられる結晶性高分子物質としては特に制限はなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレンなどのホモポリマーや、プロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体、エチレンとブテン−1との共重合体などのコポリマーを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その形態としては、例えば繊維用の未延伸糸、未延伸フィルム、未延伸シート、梱包用バンドの未延伸物、梱包用テープの未延伸物などが挙げられる。
【0013】
本発明においては、被延伸物として、単一系未延伸繊維および鞘芯複合系未延伸繊維のいずれも好ましく用いることができる。被延伸物が単一系未延伸繊維の場合には、特にポリプロピレン系未延伸繊維を好ましく用いることができる。このポリプロピレン系未延伸繊維としては、アイソタクチックポリプロピレン系樹脂からなるものが好適である。中でもアイソタクチックペンタッド分率(IPF)が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上のものが有利である。また、分子量分布の指標であるQ値(重量平均分子量/数平均分子量Mw/Mn比)は5未満、メルトインデックスMI(温度230℃、荷重21.18N)は1〜50g/10分の範囲が好ましい。上記IPFが85%未満では立体規則性が不充分で結晶性が低く、得られる延伸繊維における強度などの物性に劣る。
【0014】
なお、アイソタクチックペンタッド分率(IPF)(一般にmmmm分率ともいわれる)は、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造の割合を示すものであって、同位体炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)にけるPmmmm(プロピレン単位が5個連続してアイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)から、式
IPF(%)=(Pmmmm/Pw)×100
によって求めることができる。
【0015】
また、このポリプロピレン系未延伸繊維に用いられるポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体であってもよい。
【0016】
一方、被延伸物が鞘芯複合系未延伸繊維の場合には、芯材としては結晶性プロピレン系重合体が好ましく用いられる。この結晶性プロピレン系重合体としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらに前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。これらの中で、特に前記のアイソタクチックポリプロピレン系樹脂が好適である。
【0017】
また、鞘材としては、上記結晶性プロピレン系重合体以外のオレフィン系重合体、例えば高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、具体的にはプロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1などを用いることができる。これらのオレフィン系重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特に強度の点から高密度ポリエチレンが好適である。
【0018】
この鞘成分として用いられるオレフィン系重合体のメルトインデックスMI(温度190℃、荷重21.18N)は、1〜40g/10分の範囲が好ましい。
また、この複合未延伸繊維における鞘材と芯材との比率としては特に制限はないが、断面積比において70:30ないし40:60の範囲が好ましくは、強度を上げる目的であれば、芯材の比率を高めるのが好ましい。
【0019】
本発明の方法においては、両端が加圧水でシールされた容器内に延伸媒体としての加圧飽和水蒸気が入れられている延伸槽を用い、前述の結晶性高分子物質からなる被延伸物を延伸処理するが、この加圧飽和水蒸気中での延伸処理を行う前に、所望により予備延伸処理を行ってもよい。
【0020】
この予備延伸工程においては、続いて行われる本延伸工程における延伸温度よりも低い温度で被延伸物の延伸処理が行われる。この予備延伸処理方法としては、例えば一般的に知られている金属加熱ロールや金属加熱板などを用いた接触加熱延伸、あるいは温水、常圧〜0.2MPa程度の水蒸気や熱風などの加熱流体、遠赤外線などの熱線を用いた非接触加熱延伸などの方法を適用することができる。さらに、本延伸工程で使用する高圧蒸気延伸槽と同じシステムにより、本延伸工程における延伸温度よりも低い温度で予備延伸処理することも可能である。
【0021】
この予備延伸工程における延伸倍率としては、本延伸処理を含めた全延伸倍率の25〜90%の範囲が適しており、予備延伸装置のシステム、延伸状態などによって、延伸条件を適宜選択すればよい。特に、予備延伸処理を1段で行ったのち、本延伸処理を行う2段階延伸の場合、予備延伸倍率は、全延伸倍率の25〜85%の範囲が好ましく、さらに35〜80%の範囲が好ましい。また、該予備延伸処理は1段階で行ってもよいし、2段以上の多段階で行なってもよく、多段階で行う場合には、延伸温度を一定とし、予備延伸倍率を多段階にする方法や、延伸温度に勾配を与えながら、延伸倍率を多段階にする方法を用いることができる。
【0022】
一方、本延伸工程は、結晶性高分子物質からなる被延伸物または前述の予備延伸工程で得られた結晶性高分子物質の予備延伸処理物(以下、これらを被本延伸処理物と称す。)を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して、本延伸処理する工程である。
【0023】
ここで、本延伸処理するには、例えば下記の装置を用い、被本延伸処理物を延伸処理する方法を採用することができる。
すなわち、延伸装置として、被本延伸処理物を導入するための被本延伸処理物導入孔と本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し孔を有する気密性容器からなり、かつ絶対圧が好ましくは150kPa以上の加圧飽和水蒸気を充填した延伸槽が用いられる。この延伸槽においては、被本延伸処理物導入孔および本延伸処理物引き出し孔には、それぞれ延伸槽内の加圧水蒸気が洩出するのを防止するために、加圧水を利用した漏出防止機構が設けられている。
【0024】
まず、被本延伸処理物を、被本延伸処理物導入孔に設けられた漏出防止機構における加圧水中に導き、該被本延伸処理物の表面に水分を付着させたのち、これを被本延伸処理物導入孔から延伸槽内に導き、本延伸処理する。
【0025】
本発明においては、前記の漏出防止機構における加圧水の温度を40℃以上に保持することが必要である。この加圧水の温度が40℃未満では、繊維トウが変形する際に斑ができる可能性があり、その結果延伸物は、融着、毛羽、単糸切れなどが発生し、品質が低下するおそれがある上、延伸切れによる生産性の低下をもたらすおそれがある。この加圧水の好ましい温度は60〜130℃、特に好ましくは80〜110℃の範囲である。該加圧水を上記範囲の温度に保持する方法としては、例えば該加圧水専用のタンクおよび高温高圧ポンプを設置し、タンク内の水をヒーターなどで所定温度に加熱し、前記漏出防止機構に循環供給する方法などを用いることができる。また、被本延伸処理物がこの加圧水中を通過するのに要する時間は、概ね0.1秒以上とするのが有利である。
本延伸処理は1段階で行ってもよいし、2段以上の多段で行ってもよい。
【0026】
本延伸処理物は、本延伸処理物引き出し孔から引き出されて、該引き出し孔に設けられた漏出防止機構における加圧水中に導かれ、速やかに冷却される。この際、本延伸処理物が水中を通過するのに要する時間は、概ね0.2秒以上とするのが有利である。
【0027】
上記本延伸処理には、通常絶対圧150kPa以上の加圧飽和水蒸気(温度約110℃以上)が用いられる。この加圧飽和水蒸気の絶対圧が150kPa未満では、延伸温度が約110℃未満と低いので、高倍率延伸および高速延伸を行うことが困難となり、実用的でない。また、加圧飽和水蒸気の圧は、結晶性高分子物質が軟化しない範囲であれば、高い方が基本的には好ましいが、あまり高すぎると延伸装置の設備費が高くつき、経済的に不利となる。延伸倍率、延伸速度および経済性などを考慮すると、この加圧飽和水蒸気の好ましい絶対圧は、温度が115〜180℃程度、好ましくは120〜170℃の範囲になるような値である。
【0028】
本延伸倍率は、被本延伸処理物の繊度に応じて適宜選定されるが、通常全延伸倍率が4.0〜20.0倍、好ましくは5.5〜15.0倍になるように選定される。また、本延伸速度は、一般に50〜500m/分程度である。
【0029】
前記本延伸処理に用いられる延伸装置の具体例としては、以下に示す構造のものを挙げることができる。
すなわち、被本延伸処理物を導入するための被本延伸処理物導入孔と本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し孔を有する気密性容器からなり、かつ延伸媒体として加圧飽和水蒸気が充填されている延伸槽部と、当該延伸槽部における上記被本延伸処理物導入孔側に密接配置されている第1の加圧水槽部と、前記の延伸槽部における本延伸処理物引き出し孔側に密接配置されている第2の加圧水槽部と、前記第1の加圧水槽部の外側から当該第1の加圧水槽部内,前記の被本延伸処理物導入孔,前記の延伸槽部内,前記の本延伸処理物引き出し孔および前記第2の加圧水槽部内を経由して前記第2の加圧水槽の外へ本延伸処理物を導くことができるように前記第1の加圧水槽部および前記第2の加圧水槽部それぞれに形成されている透孔と、前記第1の加圧水槽部内に被本延伸処理物を送り込むための被本延伸処理物送出機構と、この送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度よりも高速で前記第2の加圧水槽部から本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し機構とを有している延伸装置が挙げられる。
【0030】
上記の延伸槽部は、所望の絶対圧(好ましくは、150kPa以上)を有する加圧飽和水蒸気を延伸媒体として使用し得るだけの気密性および強度を有し、かつ、所望の大きさ(長さ)を確保できるものであればよい。
【0031】
また、上記第1の加圧水槽部は、延伸槽部に形成されている被本延伸処理物導入孔から加圧飽和水蒸気が延伸槽部の外に漏出するのを防止するためのものであると同時に、被本延伸処理物を加圧水中に導いて当該被本延伸処理物の表面に水分を付着させるためのものであり、当該第1の加圧水槽部には延伸槽部内の加圧飽和水蒸気と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水が貯留される。一方、上記第2の加圧水槽部は、前記の本延伸処理物引き出し孔から加圧飽和水蒸気が延伸槽部の外に漏出するのを防止するためのものであると同時に、本延伸処理物引き出し孔から引き出された本延伸処理物を加圧水中に導いて冷却するためのものであり、当該第2の加圧水槽部内にも延伸槽部内の加圧飽和水蒸気と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水が貯留される。これら第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部は、それぞれ延伸槽部の外側に配置されている。
【0032】
延伸槽部,第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部は、それぞれ別個に形成されたものをこれらが所定の関係となるように密接配置したものであってもよいし、単一の容器または筒体を所定間隔で仕切ることによって形成されたものであってもよい。また、延伸槽部と第1の加圧水槽部とは、これらの間の隔壁を共有するものであってもよい。同様に、延伸槽部と第2の加圧水槽部とは、これらの間の隔壁を共有するものであってもよい。
【0033】
被本延伸処理物は、第1の加圧水槽部の外側から当該第1の加圧水槽部内を経由して上記の被本延伸処理物導入孔から延伸槽部内に入る。したがって、第1の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、被本延伸処理物を第1の加圧水槽部内に引き込むための透孔(以下「透孔A」という。)および被本延伸処理物を第1の加圧水槽部から引き出すための透孔(以下「透孔B」という。)が設けられている。
【0034】
同様に、延伸槽部内に送り込まれた被本延伸処理物が延伸されたことによって生じた本延伸処理物は、延伸槽部に設けられている上記の本延伸処理物引き出し孔から第2の加圧水槽部内を経由して当該第2の加圧水槽部の外へ引き出されなければならないので、第2の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、前記の本延伸処理物を延伸槽部内から第2の加圧水槽部内に引き込むための透孔(以下「透孔C」という。)および前記の本延伸処理物を第2の加圧水槽部内から引き出すための透孔(以下「透孔D」という。)が設けられている。
【0035】
上記の被本延伸処理物導入孔,本延伸処理物引き出し孔,透孔A,B,C,Dは、これらの孔を被本延伸処理物または本延伸処理物が通過する際に当該被本延伸処理物または本延伸処理物と容器壁との接触が起こらないように形成されていると共に配置されていることが好ましく、また、これらの孔から延伸槽部内の加圧飽和水蒸気ができるだけ噴出しないように設計されていることが好ましい。
【0036】
上記の延伸装置を構成している被本延伸処理物送出機構は、被本延伸処理物を第1の加圧水槽部内へ一定の速度で送り込むためのものであり、この送出機構は第1の加圧水槽部の外側に設けられている。また、本延伸処理物引き出し機構は、第2の加圧水槽部を経由してきた本延伸処理物を被本延伸処理物送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度より高速で第2の加圧水槽部から一定の速度の下に引き出すためのものであり、これによって、主として延伸槽部内で被本延伸処理物が延伸される。当該本延伸処理物引き出し機構は第2の加圧水槽部の外側に設けられている。
【0037】
被本延伸処理物送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度と本延伸処理物引き出し機構による本延伸処理物の引き出し速度とは、所望の生産速度の下に所定の延伸倍率の本延伸処理物が得られるように適宜選択される。被本延伸処理物送出機構および本延伸処理物引き出し機構としては、従来延伸処理に使用されている各種のローラを用いることができる。
【0038】
なお、上述した延伸装置を構成している各加圧水槽内の加圧水が漏水することを抑制するためには、透孔A、Dを水没させるよう緩衝水槽部を各加圧水槽部の外側に設けることが好ましい。
本発明の方法においては、所望により設けられる前述の予備延伸槽と本延伸槽は、一般に、紡糸工程と延伸工程が別々に設けられた製造方法(アウトライン方式)、紡糸工程と延伸工程が連続して設けられた製造方法(インライン方式)にかかわらず、連続して延伸設備ラインに配置される。
【0039】
このようにして得られた結晶性高分子延伸繊維は、フィラメント、ショートカットチョップおよびステープルファイバーのいずれの繊維形態を有するものであってもよい。
【0040】
本発明の方法で得られる結晶性高分子延伸繊維は様々な用途に用いることができる。具体的には、繊維形態をフィラメントとした場合、例えば織布タイプのフィルター(ろ材),筒体ケースに繊維を直接ワインディングしたカートリッジタイプのフィルター(ろ材),編み加工したネット(建築用),織り加工したシート(建築用シート基材),ロープ,ベルト等の材料繊維として利用することができる。また、繊維形態をショートカットチョップとした場合、例えば自動車タイヤ用補強繊維,コンクリート用補強繊維、抄紙不織布用繊維等として利用することができる。そして、繊維形態をステープルファイバーとした場合、例えば自動車用フロアーカーペット,2次電池用のセパレータ,フィルター(ろ材)、フエルトマット等として使用される不織布の材料繊維として利用することができる。
【0041】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0042】
なお、未延伸繊維および延伸繊維の物性は、下記の方法により測定した。
(1)単糸の繊度(dTex)
JIS L 1015の振動法により測定した。
(2)繊維強度,ヤング率、伸度
JIS L 1015によりつかみ間隔20mm,引張速度20mm/分の定速伸長形条件で引張破断試験を行って測定した。
【0043】
実施例1
ポリプロピレン単一系繊維の延伸
(1)未延伸ポリプロピレン繊維の作製
アイソタクチックポリプロピレン樹脂〔日本ポリケム社製「SA02」、メルトインデックス(MI):22g/10分、Q値:3.6〕を原料として用い、ホール径が0.4mmで、ホール数が504の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、シリンダー温度300℃、ノズル温度285℃、巻取り速度550m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が11.1dTexの未延伸糸を作製した。
【0044】
(2)単一系繊維の延伸
予備延伸槽(1段)および本延伸槽が連続して配置された延伸装置を用意した。
本延伸槽は、中央部に透孔を有するシリコーンゴムパッキンを筒体の両端および内部(それぞれ4箇所)に配置することによって延伸槽部(全長12.5m)、第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部が形成されており、第1の加圧水槽の外側に予備延伸糸送出し手段としてのローラが、また第2の加圧水槽の外側に繊維引き出し手段としてのローラがそれぞれ配設されている。
【0045】
本延伸槽においては、温度153℃の加圧飽和水蒸気を延伸槽部に充填し、当該延伸槽部の内圧よりわずかに高い圧力の加圧水を第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部にそれぞれ貯留させた。まず、上記(1)で得た未延伸糸を、予備延伸槽にて、90℃の温水で4.0倍に予備延伸処理したのち、本延伸槽にて、第1の加圧水槽部の加圧水温度(以下、シール水温度と称す。)を50℃、70℃および90℃に変えて、それぞれ延伸速度(延伸糸の引き出し速度)が105m/分、112m/分および112m/分となるように本延伸処理を行った(予備延伸槽導入速度および予備延伸糸送出し速度は、いずれもそれぞれ15.0m/分および60.0m/分である。)。
【0046】
各シール水温度における全延伸倍率、最大延伸倍率(λmax、延伸切れが発生する倍率)および全延伸倍率/λmax(対λmax比と称す。)を以下に示す。
【0047】
なお、シール水温度が90℃の場合は、延伸速度が130m/分でも7.5倍延伸が可能であるが、70℃では延伸不可能であった。
また、各延伸繊維の物性を表1に示す。
【0048】
比較例1
実施例1(1)と全く同様にして、単糸繊度が11.1dTexの未延伸糸を作製した。次に、実施例1(2)と同一の延伸装置を用い、予備延伸槽にて、90℃の温水で4.0倍に予備延伸処理したのち、シール水温度30℃、加圧飽和水蒸気温度153℃にて、延伸速度が100m/分となるように本延伸処理を行った(予備延伸槽導入速度および予備延伸糸送出し速度は、それぞれ15.0m/分および60.0m/分である。)。
全延伸倍率6.7倍、λmax7.0倍、対λmax比0.95であった。延伸繊維の物性を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
なお、各シール水温度における延伸可能速度(λ延伸速度)と安定延伸倍率は、予備延伸槽導入速度を15.0m/分と固定した場合、以下のとおりである。
【0051】
実施例2
ポリエチレン/ポリプロピレン複合系繊維の延伸
(1)複合系(PE/PP系)未延伸糸の作製
鞘材として、高密度ポリエチレン「120YK」[出光石油化学(株)製、MI=20g/10分、Q値=4.8]を、芯材としてポリプロピレン「Y2005GP」[出光石油化学(株)製、MI=20g/10分、Q値=4.8]を用い、径0.4mmのホール1000個を有する複合系繊維用ノズルを備えた複合紡糸装置により、シリンダー温度250℃、ノズル温度255℃にて、巻取り速度550m/分の条件で紡糸し、単糸繊度4.4dTexの複合系未延伸糸を作製した。
【0052】
(2)複合系繊維の延伸
実施例1(2)と同一の延伸装置を用いて延伸処理を行った。
本延伸槽においては、温度123℃の加圧飽和水蒸気を延伸槽部に充填し、当該延伸槽部の内圧よりわずかに高い圧力の加圧水を第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部にそれぞれ貯留させた。まず、上記(1)で得た複合系未延伸糸を、予備延伸槽にて、90℃の温水で4.0倍に予備延伸処理したのち、本延伸槽にて、シール水温度を40℃、50℃、70℃および90℃に変えて、それぞれ延伸速度(延伸糸の引き出し速度)が82.5n/分、82.5m/分、87.0m/分および97.5m/分となるように本延伸処理を行った(予備延伸槽導入速度および予備延伸糸送出し速度は、いずれもそれぞれ15.0m/分および60.0m/分である。)。
【0053】
各シール水温度における全延伸倍率、λmaxおよび対λmax比を以下に示す。
また、各延伸繊維の物性を表2に示す。
【0054】
比較例2
実施例2(1)と全く同様にして、単糸繊度が4.4dTexの複合系未延伸糸を作製した。次に、実施例2(2)と同一の延伸装置を用い、予備延伸槽にて、90℃の温水で4.0倍に予備延伸処理したのち、シール水温度30℃、加圧飽和水蒸気温度122℃にて、延伸速度が82.5m/分となるように本延伸処理を行った(予備延伸槽導入速度および予備延伸糸送出し速度は、それぞれ15.0m/分および60.0m/分である。)。
全延伸倍率5.5倍、λmax5.8倍、対λmax比0.95であった。延伸繊維の物性を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
以上の結果、シール水温度を高くするに伴い、延伸倍率が向上すると共に、繊維物性も向上する。すなわち、品質向上および生産性向上を図るには、同じ被延伸物を使用する場合にはシール水温度を高めるのが簡単で有利であることが分かる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、融着、毛羽の発生、延伸切れなどのない品質の良好な結晶性高分子延伸物を、生産性よく安価に製造することができる。
また、様々な過酷な条件変更(例えば繊度変更、延伸速度変更など)においても、品質の良好な結晶性高分子延伸物を安定して製造することができる。
Claims (5)
- 両端が加圧水でシールされた容器内に延伸媒体としての加圧飽和水蒸気が入れられている延伸槽を用い、結晶性高分子物質からなる被延伸物を前記延伸槽における加圧水シール部に導き、その表面に水分を付着させたのち、延伸槽に導入し加圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理する方法において、前記被延伸物が導かれる加圧水シール部における加圧水の温度を40℃以上に保持することを特徴とする結晶性高分子延伸物の製造方法。
- 結晶性高分子物質からなる被延伸物を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理する前に、該延伸処理の温度よりも低い温度で予備延伸処理する請求項1に記載の方法。
- 予備延伸槽と本延伸槽が、連続して延伸設備ラインに配置されている請求項1または2に記載の方法。
- 結晶性高分子物質からなる被延伸物が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなるものである請求項1、2または3に記載の方法。
- 結晶性高分子物質からなる被延伸物が、単一系未延伸繊維又は鞘芯複合系未延伸繊維である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
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