JP3934061B2 - ポリオレフィン系延伸繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系延伸繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、破断強度およびヤング率が高く、かつ低伸度である上、これらの物性や繊度のばらつきが小さい、延伸マルチフィラメントからなるポリオレフィン系延伸繊維をインライン方式の紡糸−延伸処理により生産性よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維,樹脂フィルム,樹脂シート等のポリオレフィン系製品の物性は、その内部構造(ポリオレフィンの微細構造)の影響を強く受け、当該内部構造は延伸や熱処理によって比較的容易に変化する。そして、未延伸物よりも延伸物の方が実用上好ましい物性を有していることが多く、より高倍率で延伸した方が強度,ヤング率等の物性に優れた延伸物が得られる。このため、ポリオレフィン系製品、特に合成繊維,樹脂フィルム,樹脂シート等を得る場合には、通常、延伸処理が施される。また、延伸処理後に必要に応じて熱処理が施される。
【0003】
ポリオレフィン系製品を得る際の延伸方法としては種々の方法が知られているが、例えば延伸合成繊維を得る際には、金属加熱ロールや金属加熱板等を用いての接触加熱延伸、あるいは温水,常圧〜0.2MPa程度の水蒸気,遠赤外線等を用いての非接触加熱延伸等の延伸方法が適用されている。
【0004】
ところで、ポリオレフィンの微細構造の変化は延伸条件に大きく左右され、その結果としてポリオレフィン系製品の物性もまた延伸条件に大きく左右されるわけであるが、無理に延伸しようとすると延伸切れ等の不具合が生じる。
【0005】
例えば、ポリプロピレン系繊維では、未延伸糸を樹脂の融点未満のなるべく高い温度下、低変形速度で高倍率に延伸する程、繊維強度が向上するが、高変形速度で高倍率に延伸しようとすると容易に延伸切れが生じる。このため、工業的(商業的)に生産し得るポリプロピレン系繊維の繊維強度、すなわち、概ね50m/分以上の速度で生産し得るポリプロピレン系繊維の繊維強度は単糸強度で8.8cN/dTex程度である。
【0006】
本発明者らは、高強度な結晶性高分子延伸物を製造する工業的な方法として、先に、両端が加圧水でシールされた容器内に、延伸媒体として、0.3〜0.5MPa程度の加圧飽和水蒸気が充填されてなる延伸槽を用い、結晶性高分子物質を延伸処理する方法を見出した(特開平11−350283号公報)。
【0007】
例えば、結晶性高分子物質として、ポリプロピレン系繊維を延伸処理する場合、未延伸糸を樹脂の融点未満のなるべく高い温度において、低変形速度で高倍率に延伸するほど、高強度なポリプロピレン系繊維が得られるわけであるが、この延伸方法においては、加圧水により繊維表面には水分が付着しており、この水分が存在している状態の下で、被延伸物を延伸処理することから、ドラフト変形によって内部発熱が生じても、被延伸物の表面の温度が、加圧飽和蒸気の温度よりも高温になることが抑制され、被延伸物の表面が溶融状態になりにくい方法であり、高倍率の延伸を可能にしている。
【0008】
ところで、ポリプロピレン系延伸繊維などの延伸合成繊維の製造においては、一般に紡糸工程と延伸工程が別々に設けられた製造方法(アウトライン方式)が採用されている。しかしながら、このようなアウトライン方式では、生産性が悪い上、未延伸糸が、延伸処理が施されるまでに、内部構造や物性などに変化が生じ、その結果延伸処理されたものは、繊度、強度、ヤング率、伸度などのばらつきが大きいという問題があった。このような問題は、特にポリプロピレン系延伸繊維の製造において顕著であった。
【0009】
このような繊維物性のばらつきが大きな延伸マルチフィラメントを用いて、織布などの二次加工品を作製した場合、該マルチフィラメント単独では高強度であっても、二次加工品の強度が低くなるという問題が生じる。また、繊度にばらつきがあると、一本一本の繊維に延伸が均等に施されるため、延伸切れが生じる繊維が発生しやすくなる。
【0010】
紡糸工程と延伸工程が連続して設けられた製造方法(インライン方式)によるポリプロピレン系延伸繊維としては、カーペット用捲縮糸などが知られているが、この延伸マルチフィラメントの破断強度は、せいぜい3.5cN/dTex程度であり、織布、養生ネット、ロープ、フィルターなどに用いられる破断強度4.4cN/dTex以上の強力糸は、前記のアウトライン方式で生産されているのが実状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、破断強度およびヤング率が高く、かつ低伸度である上、これらの物性や繊度のばらつきが小さい、延伸マルチフィラメントからなるポリオレフィン系延伸繊維を生産性よく製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、インライン方式で紡糸−延伸処理された特定の性状を有するマルチフィラメントからなるポリオレフィン系延伸繊維が、その目的に適合し得ること、そして、このものは、インライン方式によりポリオレフィン系樹脂を紡糸−延伸処理すると共に、延伸処理を加圧飽和水蒸気により、直接加熱して行うことにより、生産性よく得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、
(1)ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂の紡糸処理と延伸処理を連続的に行い、単一型延伸マルチフィラメントを製造する方法であって、未延伸マルチフィラメントの延伸処理を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して行うことにより、破断強度が8cN/dTex以上、伸度が20%以下およびヤング率が108cN/dTex以上であり、繊度変動率が2.0%以下、破断強度変動率が5.0%以下、伸度変動率が10%以下およびヤング率変動率が10%以下であるポリオレフィン系単一型延伸繊維を得ることを特徴とするポリオレフィン系延伸繊維の製造方法、
(2)ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂からなる第一成分と、該第一成分とは異なる上記の中から選ばれる第二成分からなるポリオレフィン系樹脂の紡糸処理と延伸処理を連続的に行い、2成分複合型延伸マルチフィラメントを製造する方法であって、未延伸マルチフィラメントの延伸処理を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して行うことにより、破断強度が6.5cN/dTex以上、伸度が30%以下およびヤング率が70cN/dTex以上であり、繊度変動率が2.0%以下、破断強度変動率が5.0%以下、伸度変動率が10%以下およびヤング率変動率が10%以下であるポリオレフィン系2成分複合型延伸繊維を得ることを特徴とするポリオレフィン系延伸繊維の製造方法、
(3)加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理を、二段階以上に分けて行う上記(1)項または(2)項に記載の方法、
(4)加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理に先立ち、未延伸マルチフィラメントを予備延伸処理する上記(1)項ないし(3)項のいずれか1項に記載の方法、
(5) 2成分複合型延伸マルチフィラメントが、鞘芯複合型マルチフィラメントである上記(2)ないし(4)のいずれか1項に記載の方法、
(6) ポリオレフィン系延伸繊維が、機能性付与剤を含んでなるものである上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の方法、および
(7) 機能性付与剤が、難燃剤および/または耐光剤である上記(6)に記載の方法、
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系延伸繊維は、紡糸工程と延伸工程を連続して施す製造方法、すなわちインライン方式で得られたポリオレフィン系樹脂からなる延伸マルチフィラメントであって、(1)単一型延伸繊維と、(2)2成分複合型延伸繊維の2つの態様がある。
【0015】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレンからなるホモポリマー、およびプロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体、エチレンとブテン−1との共重合体からなるコポリマーを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
本発明の製造方法で得られる単一型延伸繊維に使用されるポリオレフィン系樹脂原料としては、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、特にアイソタクチックポリプロピレン系樹脂からなるものが好適である。中でもアイソタクチックペンタッド分率(IPF)が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上のものが有利である。また、分子量分布の指標であるQ値(重量平均分子量/数平均分子量Mw/Mn比)は5未満、メルトインデックスMI(温度230℃、荷重21.18N)は3〜50g/10分の範囲が好ましい。上記IPFが85%未満では立体規則性が不充分で結晶性が低く、得られる延伸繊維における強度などの物性に劣る。
【0017】
なお、アイソタクチックペンタッド分率(IPF)(一般にmmmm分率ともいわれる)は、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造の割合を示すものであって、同位体炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)におけるPmmmm(プロピレン単位が5個連続してアイソタクチック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)から、式
IPF(%)=(Pmmmm/Pw)×100
によって求めることができる。
また、このポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1など)との共重合体であってもよい。
【0018】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系単一型延伸繊維は、前記のポリオレフィン系樹脂を、インライン方式で紡糸−延伸処理して得られた延伸マルチフィラメントからなるものであり、その物性としては、まず破断強度は8cN/dTex以上、好ましくは8.4cN/dTex以上、より好ましくは8.8cN/dTex以上である。その上限については特に制限はないが、一般的には13.2cN/dTex程度である。
【0019】
伸度は20%以下であり、またヤング率は108cN/dTex以上、好ましくは119cN/dTex以上、より好ましくは129cN/dTex以上である。その上限については特に制限はないが、一般的には162cN/dTex程度である。
【0020】
また、繊維物性のばらつきが少なく、通常繊度の変動率は2.0%以下、好ましくは1.5%以下、破断強度の変動率は5.0%以下、伸度の変動率は10%以下、およびヤング率の変動率は10%以下である。なお、各物性の変動率は、式
変動率(%)=(標準偏差/平均値)×100
によって算出される。ここで、標準偏差および平均値は、
標準偏差={√(nΣx2−(Σx)2)}/n(n−1)
平均値=測定値合計/n
(ただし、xは各測定値、nは全測定回数)
により、求めることができる。
【0021】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系単一型延伸繊維においては、紡糸ノズルから吐出される未延伸糸のX線による結晶化度は、通常10〜30%程度である。なお、このX線による結晶化度は、広角X線回折透過測定による回折図形から、Ruland法により、算出した値である。
【0022】
一方、本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系2成分複合型延伸繊維は、前述のポリオレフィン系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種からなる第一成分と、この第一成分とは異なる該ポリオレフィン系樹脂の中から選ばれる第二成分からなる2成分複合型延伸マルチフィラメントであり、このようなものとしては、例えば鞘芯複合型延伸繊維を挙げることができる。
【0023】
前記鞘芯複合型延伸繊維における芯材としては、結晶性プロピレン系重合体が好ましく用いられる。この結晶性プロピレン系重合体としては、例えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体、エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらに前記プロピレンブロック共重合体における各ホモ部または共重合部が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる結晶性プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。これらの中で、特に前記のアイソタクチックポリプロピレン系樹脂が好適である。
【0024】
また、鞘材としては、上記結晶性プロピレン系重合体以外の前記ポリオレフィン系樹脂、例えば高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、具体的にはプロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1などを用いることができる。これらのポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特に強度の点から高密度ポリエチレンが好適である。
【0025】
この鞘成分として用いられるポリオレフィン系樹脂のメルトインデックスMI(温度190℃、荷重21.18N)は、1〜40g/10分の範囲が好ましい。
【0026】
また、この複合型未延伸繊維における鞘材と芯材との比率としては特に制限はないが、断面積比において70:30ないし40:60の範囲が好ましくは、強度を上げる目的であれば、芯材の比率を高めるのが好ましい。
【0027】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系2成分複合型延伸繊維は、前記のポリオレフィン系樹脂を、インライン方式で紡糸−延伸処理して得られた2成分複合型延伸マルチフィラメントからなるものであり、その物性としては、まず破断強度は6.5cN/dTex以上、好ましくは7.0cN/dTex以上、より好ましくは7.5cN/dTex以上である。その上限については特に制限はないが、一般的には9.0cN/dTex程度である。
【0028】
伸度は30%以下であり、またヤング率は70cN/dTex以上、好ましくは75cN/dTex以上、より好ましくは80cN/dTex以上である。その上限については特に制限はないが、一般的には90cN/dTex程度である。
【0029】
また、繊維物性のばらつきについては、前述のポリオレフィン系単一型延伸繊維の場合と同様である。
【0030】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系単一型および2成分複合型延伸繊維は、前記のように、繊維物性のばらつきが小さいという特徴を有している。繊維物性のばらつきが大きな延伸マルチフィラメントを用いて、織布などの二次加工品を作製した場合、該マルチフィラメント単独では高強度であっても、二次加工品の強度が低くなるという問題が生じるが、本発明の製造方法で得られる延伸マルチフィラメントを用いた場合には、加工前のフィラメントの高い強度がそのまま継承された高強度な織布などの二次加工品を得ることができる。
【0031】
また、繊度のばらつきが少ないと、延伸切れが発生しにくく、延伸マルチフィラメント製造時の操業性に優れると共に、二次加工時においても、一部が単糸切れしたり、それに伴う毛羽立ちが発生することが抑制され、操業性が良好となる。
【0032】
本発明の製造方法で得られるポリオレフィン系単一型および2成分複合型延伸繊維は、機能性付与剤を含有させることができる。
機能性付与剤としては、例えば、難燃剤、耐光剤、耐熱安定剤、着色剤、親水剤、消臭剤、抗菌剤、芳香剤、蛍光剤、蓄光剤、帯電剤、防曇剤などが挙げられる。
【0033】
難燃剤および/または耐光剤としては、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤および/またはヒンダードフェノール系耐光剤などが挙げられるが、環境を考慮するとハロゲンフリーのものが好ましく、特に高分子量ヒンダードアミン誘導体を含むものが好ましい。前記の高分子量ヒンダードアミン誘導体においては、アルキル基の炭素数が1〜20のアルコキシイミノ基を有するものが特に好ましい。また、耐熱安定剤としては、燐系耐熱安定剤、硫黄系耐熱安定剤などが挙げられる。
【0034】
上記の機能性付与剤を添加した場合においても、製造条件を最適化することによって、本発明のポリオレフィン系単一型および2成分複合型延伸繊維を得ることができる。第一成分と第二成分からなる2成分複合型延伸繊維の場合、機能性付与剤は、第一成分、第二成分の一方または両方に添加することができる。
【0035】
次に、本発明のポリオレフィン系単一型および2成分複合型延伸繊維の製造方法について説明する。
本発明の方法においては、ポリオレフィン系樹脂に、インライン方式で紡糸−延伸処理を連続して施し、単一型および2成分複合型延伸マルチフィラメントを製造する。そして、前記延伸処理として、未延伸マルチフィラメントを、加圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理する方法が用いられる。また、上記加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理は、二段以上に分けて行ってもよいし、この加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理に先立ち、未延伸マルチフィラメントを予備延伸処理することもできる。
【0036】
予備延伸処理工程:
この予備延伸処理工程は、所望により設けられる工程であって、続いて行われる本延伸工程における延伸温度よりも低い温度で未延伸糸の延伸処理を行うのが好ましい。この予備延伸処理方法としては、例えば一般的に知られている金属加熱ロールや金属加熱板などを用いた接触加熱延伸、あるいは温水、常圧〜0.2MPa程度の水蒸気や熱風などの加熱流体、遠赤外線などの熱線を用いた非接触加熱延伸などの方法を適用することができる。さらに、本延伸工程で使用する高圧蒸気延伸槽と同じシステムにより、本延伸工程における延伸温度よりも低い温度で予備延伸処理することも可能である。
【0037】
また、予備延伸工程における延伸倍率としては、全延伸倍率の25〜80%の範囲が適しており、予備延伸装置のシステム、延伸状態などによって、延伸条件を適宜選択すればよい。特に、予備延伸処理を1段で行ったのち、本延伸処理を行う場合、予備延伸倍率は、全延伸倍率の25〜60%の範囲が好ましく、さらに35〜55%の範囲が好ましい。また、該予備延伸処理は1段階で行ってもよいし、2段以上の多段階で行なってもよく、多段階で行う場合には、延伸温度を一定とし、予備延伸倍率を多段階にする方法や、延伸温度に勾配を与えながら、延伸倍率を多段階にする方法を用いることができる。
本延伸工程:
この本延伸工程は、未延伸糸または予備延伸処理物(以下、被本延伸処理物と称す。)を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して、本延伸処理する工程である。
【0038】
ここで、本延伸処理するには、例えば下記の装置を用い、被本延伸処理物を延伸処理する方法を採用することができる。
【0039】
すなわち、延伸装置として、被本延伸処理物を導入するための被本延伸処理物導入孔と本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し孔を有する気密性容器からなり、かつ絶対圧が好ましくは0.2MPa以上の加圧飽和水蒸気を充填した延伸槽が用いられる。この延伸槽においては、被本延伸処理物導入孔および本延伸処理物引き出し孔には、それぞれ延伸槽内の加圧水蒸気が洩出するのを防止するために、加圧水を利用した漏出防止機構が設けられている。
【0040】
まず、被本延伸処理物を、被本延伸処理物導入孔に設けられた漏出防止機構における加圧水中に導き、該被本延伸処理物の表面に水分を付着させたのち、これを被本延伸処理物導入孔から延伸槽内に導き、本延伸処理する。この際、被本延伸処理物が水中を通過するのに要する時間は、概ね0.05秒以上とするのが有利である。
本延伸処理は1段階で行ってもよいし、2段以上の多段で行ってもよい。
本延伸処理物は、本延伸処理物引き出し孔から引き出されて、該引き出し孔に設けられた漏出防止機構における加圧水中に導かれ、速やかに冷却される。この際、本延伸処理物が水中を通過するのに要する時間は、概ね0.05秒以上とするのが有利である。
【0041】
上記本延伸処理には、通常絶対圧0.2MPa以上の加圧飽和水蒸気(温度約120℃以上)が用いられる。この加圧飽和水蒸気の絶対圧が0.2MPa未満では、延伸温度が約120℃未満と低いので、高倍率延伸および高速延伸を行うことが困難となり、実用的でない。また、加圧飽和水蒸気の圧は、ポリオレフィン系樹脂が軟化しない範囲であれば、高い方が基本的には好ましいが、あまり高すぎると延伸装置の設備費が高くつき、経済的に不利となる。延伸倍率、延伸速度および経済性などを考慮すると、この加圧飽和水蒸気の好ましい絶対圧は0.3MPa(温度133℃)〜0.5MPa(温度152℃)の範囲であり、特に140〜150℃の温度になるような加圧飽和水蒸気が好適である。
【0042】
前記本延伸処理に用いられる延伸装置の具体例としては、以下に示す構造のものを挙げることができる。
すなわち、被本延伸処理物を導入するための被本延伸処理物導入孔と本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し孔を有する気密性容器からなり、かつ延伸媒体として加圧飽和水蒸気が充填されている延伸槽部と、当該延伸槽部における上記被本延伸処理物導入孔側に密接配置されている第1の加圧水槽部と、前記の延伸槽部における本延伸処理物引き出し孔側に密接配置されている第2の加圧水槽部と、前記第1の加圧水槽部の外側から当該第1の加圧水槽部内、前記の被本延伸処理物導入孔、前記の延伸槽部内、前記の本延伸処理物引き出し孔および前記第2の加圧水槽部内を経由して前記第2の加圧水槽の外へ本延伸処理物を導くことができるように前記第1の加圧水槽部および前記第2の加圧水槽部それぞれに形成されている透孔と、前記第1の加圧水槽部内に被本延伸処理物を送り込むための被本延伸処理物送出機構と、この送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度よりも高速で前記第2の加圧水槽部から本延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し機構とを有している延伸装置が挙げられる。
【0043】
上記の延伸槽部は、所望の絶対圧(好ましくは、0.2MPa以上)を有する加圧飽和水蒸気を延伸媒体として使用し得るだけの気密性および強度を有し、かつ、所望の大きさ(長さ)を確保できるものであればよい。
【0044】
また、上記第1の加圧水槽部は、延伸槽部に形成されている被本延伸処理物導入孔から加圧飽和水蒸気が延伸槽部の外に漏出するのを防止するためのものであると同時に、被本延伸処理物を加圧水中に導いて当該被本延伸処理物の表面に水分を付着させるためのものであり、当該第1の加圧水槽部には延伸槽部内の加圧飽和水蒸気と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水が貯留される。一方、上記第2の加圧水槽部は、前記の本延伸処理物引き出し孔から加圧飽和水蒸気が延伸槽部の外に漏出するのを防止するためのものであると同時に、本延伸処理物引き出し孔から引き出された本延伸処理物を加圧水中に導いて冷却するためのものであり、当該第2の加圧水槽部内にも延伸槽部内の加圧飽和水蒸気と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水が貯留される。これら第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部は、それぞれ延伸槽部の外側に配置されている。
【0045】
延伸槽部,第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部は、それぞれ別個に形成されたものをこれらが所定の関係となるように密接配置したものであってもよいし、単一の容器または筒体を所定間隔で仕切ることによって形成されたものであってもよい。また、延伸槽部と第1の加圧水槽部とは、これらの間の隔壁を共有するものであってもよい。同様に、延伸槽部と第2の加圧水槽部とは、これらの間の隔壁を共有するものであってもよい。
【0046】
被本延伸処理物は、第1の加圧水槽部の外側から当該第1の加圧水槽部内を経由して上記の被本延伸処理物導入孔から延伸槽部内に入る。したがって、第1の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、被本延伸処理物を第1の加圧水槽部内に引き込むための透孔(以下「透孔A」という。)および被本延伸処理物を第1の加圧水槽部から引き出すための透孔(以下「透孔B」という。)が設けられている。
【0047】
同様に、延伸槽部内に送り込まれた被本延伸処理物が延伸されたことによって生じた本延伸処理物は、延伸槽部に設けられている上記の本延伸処理物引き出し孔から第2の加圧水槽部内を経由して当該第2の加圧水槽部の外へ引き出されなければならないので、第2の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、前記の本延伸処理物を延伸槽部内から第2の加圧水槽部内に引き込むための透孔(以下「透孔C」という。)および前記の本延伸処理物を第2の加圧水槽部内から引き出すための透孔(以下「透孔D」という。)が設けられている。
【0048】
上記の被本延伸処理物導入孔、本延伸処理物引き出し孔、透孔A、B、C、D、特に透孔B、Cは、これらの孔を被本延伸処理物または本延伸処理物が通過する際に当該被本延伸処理物または本延伸処理物と容器壁との接触が起こらないように形成されていると共に配置されていることが好ましく、また、これらの孔から延伸槽部内の加圧飽和水蒸気ができるだけ噴出しないように設計されていることが好ましい。
【0049】
上記の延伸装置を構成している被本延伸処理物送出機構は、被本延伸処理物を第1の加圧水槽部内へ一定の速度で送り込むためのものであり、この送出機構は第1の加圧水槽部の外側に設けられている。また、本延伸処理物引き出し機構は、第2の加圧水槽部を経由してきた本延伸処理物を被本延伸処理物送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度より高速で第2の加圧水槽部から一定の速度の下に引き出すためのものであり、これによって、主として延伸槽部内で被本延伸処理物が延伸される。当該本延伸処理物引き出し機構は第2の加圧水槽部の外側に設けられている。
【0050】
被本延伸処理物送出機構による被本延伸処理物の送り込み速度と本延伸処理物引き出し機構による本延伸処理物の引き出し速度とは、所望の生産速度の下に所定の延伸倍率の本延伸処理物が得られるように適宜選択される。被本延伸処理物送出機構および本延伸処理物引き出し機構としては、従来延伸処理に使用されている各種のローラを用いることができる。
【0051】
なお、上述した延伸装置を構成している第1の加圧水槽部に形成されている前記の透孔Aから当該第1の加圧水槽部内の加圧水が漏出することを抑制するうえからは、透孔Aを水没させることによって当該透孔Aからの漏水を緩和させる緩衝水槽部を第1の加圧水槽部の外側に設けることが好ましい。同様に、第2の加圧水槽部に形成されている前記の透孔Dから当該第2の加圧水槽部内の加圧水が漏出することを抑制するうえからは、透孔Dを水没させることによって当該透孔Dからの漏水を緩和させる緩衝水槽部を第2の加圧水槽部の外側に設けることが好ましい。
【0052】
本発明の方法においては、単一型延伸繊維の製造において、ポリオレフィン系樹脂として、前述のポリプロピレン系樹脂からなる繊維を用いた場合、本延伸処理を120〜155℃の温度において、延伸倍率が予備延伸を含め5〜10倍になるように行うことが望ましい。なお、後述の後延伸処理を行う場合には、この延伸倍率は、上記範囲より低くなる。延伸速度は、一般に50〜200m/分程度である。
【0053】
後延伸工程:
この後延伸工程は、所望により設けられる工程であって、前記本延伸処理物を、加圧水蒸気により直接加熱して、後延伸処理する工程である。この後延伸処理における装置としては、前述の本延伸処理に用いる装置と同じ構造の装置を使用することができる。また、この後延伸処理における延伸倍率は1.1〜5.0倍の範囲で選ばれる。この延伸倍率が上記範囲を逸脱すると後延伸処理を施す効果が十分に発揮されず、本発明の目的が達せられない。この後延伸処理における好ましい延伸倍率は1.5〜2.5倍の範囲である。
また、後延伸処理における延伸温度は、本延伸処理における延伸温度よりも5℃以上高いことが好ましく、単一型延伸繊維の場合には、特に150〜170℃の範囲が好ましい。さらに、この後延伸処理は、1段階または2段以上の多段階で行うことができる。
【0054】
このような後延伸処理を施すことにより、繊度の大きな未延伸繊維を用いても、あるいは高速で延伸しても、高強度な物性を有する延伸物を安定して製造することができる。また、得られた延伸物は、熱収縮率が小さく、高い結節強度を有している。
【0055】
本発明においては、前述の所望により設けられた予備延伸槽、本延伸槽および所望により設けられる後延伸槽は、紡糸装置と直列に連結されるように配置され、インライン方式により、紡糸−延伸処理が行われる。
このようにして、前述の性状を有する本発明のポリオレフィン系延伸繊維を、生産性よく製造することができる。
【0056】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、未延伸繊維および延伸繊維の物性は、下記の方法により測定した。
(1)単糸の繊度(dTex)
重量法により測定した。
(2)単糸の繊維強度、ヤング率、伸度
JIS L 1015によりつかみ間隔20mm、引張速度20mm/分の定速伸長形条件で引張破断試験を行って測定した。
(3)未延伸繊維のX線結晶化度
(イ) 広角X線による分析
以下に示す測定器、測定条件を用いて各サンプルの広角X線分析を行った。
測定器;リガク社製回転対陰極型X線回折装置RINT2500型(UBE分析センター)
測定条件;X線 :Cu−Kα
試料方向:繊維を束にして子午線方向に立てた状態
(ロ) 結晶化度
広角X線回折透過測定による回折図形から、Ruland法により結晶化度を算出した。
測定条件;走査速度:10°/min
フィルタ:全自動モノクロメーター
(4)延伸マルチフィラメントの繊度
(1)マルチフィラメントの繊度
重量法により測定した。
(2)マルチフィラメントの強度、伸度、ヤング率
JIS L 1013よりつかみ間隔200mm、引張速度200m/分の定速伸長形条件で引張破断試験を行って測定した。
また、各測定値の変動率は明細書本文記載の方法に従って算出した。
【0057】
実施例1
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
アイソタクチックホモプロピレン樹脂[出光石油化学社製「Y2000GV」、メルトインデックス(MI):19g/10分、Q値:3.1]を原料として用い、ホール径が0.6mmで、ホール数が120の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度225℃、G1速度25.0m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が75.0dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が直列に連結されるように配置された延伸装置を用い、インライン方式で延伸処理した。
【0058】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水でG2速度105.0m/分、延伸倍率4.2倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、145℃の加圧飽和水蒸気でG3速度177.5m/分、延伸倍率1.69倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、167℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度300m/分、延伸倍率1.69倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率12.0倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0059】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸ポリプロピレンマルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表1に示す。
【0060】
比較例1
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂[出光石油化学社製「Y2000GV」、メルトインデックス(MI):19g/10分、Q値:3.1]を原料として用い、ホール径が0.6mmで、ホール数が120の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度260℃、紡糸速度600m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が25.6dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置とは別に配置された乾式延伸装置を用い、アウトライン方式で延伸処理した。
【0061】
上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、G1ローラ70℃、G1速度46.4m/分、プレートヒーター120℃、G2ローラ140℃、G2速度187m/分の条件で乾式延伸処理し、全延伸倍率4.03倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0062】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸延伸ポリプロピレンマルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表1に示す。
【0063】
比較例2
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂[出光石油化学社製「Y2000GV」、メルトインデックス(MI):19g/10分、Q値:3.1]を原料として用い、ホール径が0.6mmで、ホール数が120の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度240℃、紡糸速度500m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が61.1dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置とは別に、予備延伸槽と本延伸槽が連続的に配置された延伸装置を用い、アウトライン方式で延伸処理した。
【0064】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温風でG1速度25.0m/分、G2速度115m/分、延伸倍率4.6倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、158℃の加圧飽和水蒸気でG3速度247.3m/分、延伸倍率2.15倍の条件にて本延伸処理を行い、全延伸倍率9.9倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0065】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントの作製を行ったが、未延伸糸が、延伸処理を施されるまでに、内部構造や物性などに変化が生じ、毛羽、単糸切れを防止するために、延伸条件を変更しなければならなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
実施例1では、各物性の変動率が小さく、同条件で200kg(約150時間)の連続生産で問題がなかった。比較例1では、延伸倍率に余裕があるため、同条件で200kg生産できたが、繊維物性が非常に低く、各物性の変動率も比較的大きい。比較例2では、各物性の変動率が大きく、また、最大延伸倍率近傍の高延伸を行うため、同条件で200kg生産することができなかった。
【0068】
実施例2
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂[日本ポリケム社製「SAIHA」、メルトインデックス(MI):22g/10分、Q値:3.4]を原料として用い、ホール径が0.45mmで、ホール数が60の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度210℃、G1速度20.0m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が75dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が直列に連結されるように配置された延伸装置を用い、インライン方式で延伸処理した。
【0069】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水でG2速度60.0m/分、延伸倍率3.0倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、140℃の加圧飽和水蒸気でG3速度147m/分、延伸倍率2.45倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、167℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度298m/分、延伸倍率2.03倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率14.9倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0070】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸延伸ポリプロピレンマルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表2に示す。
【0071】
比較例3
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂[日本ポリケム社製「SAIHA」、メルトインデックス(MI):22g/10分、Q値:3.4]を原料として用い、ホール径が0.5mmで、ホール数が120の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度270℃、紡糸速度700m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が27.8dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置とは別に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が連続的に配置された延伸装置を用い、アウトライン方式で延伸処理した。
【0072】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温風で、G1速度40.0m/分、G2速度120.0m/分、延伸倍率3.0倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、140℃の加圧飽和水蒸気でG3速度226m/分、延伸倍率1.88倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、167℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度360m/分、延伸倍率1.59倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率9.0倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0073】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントの作製を行ったが、未延伸糸が、延伸処理を施されるまでに、内部構造や物性などに変化が生じ、毛羽、単糸切れを防止するために、延伸条件を変更しなければならなかった。
上記延伸マルチフィラメントの物性を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
比較例3のアウトライン方式では、伸度10%以下の延伸は、延伸切れのためできなかった。
【0076】
実施例3
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
難燃剤マスターバッチとして、大日精化社製「PPM22025MFR」を用意したが、これは、ポリプロピレン(PP)として「Y2000GV」(出光石油化学社製、MI:19g/10分、Q値:3.0)、難燃成分として「FlamestabNOR116」(チバスペシャルティーケミカルズ社製)〕をPP:難燃成分=9:1で含むものである。また、顔料マスターバッチとして、「GREY8770」(大日本インキ社製)を用意した。
【0077】
アイソタクチックホモプロピレン樹脂[日本ポリケム社製、「SA02」、メルトインデックス(MI):20g/10分、Q値:3.5]と、上記の難燃剤マスターバッチと、上記の顔料マスターバッチとを、75:20:5(重量比)の比率でよくブレンドしたものを原料として用い、ホール径が0.4mmで、ホール数が60の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度225℃、G1速度70.0m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が32.6dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が直列に連結されるように配置された延伸装置を用い、インライン方式で延伸処理した。
【0078】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水でG2速度280.0m/分、延伸倍率4.0倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、130℃の加圧飽和水蒸気でG3速度375.0m/分、延伸倍率1.34倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、160℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度700m/分、延伸倍率1.87倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率10.0倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0079】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸ポリプロピレンマルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表3に示す。
【0080】
実施例4
(1)未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの作製
難燃剤マスターバッチとして、大日本精化社製「PPM22026MFR」を用いた。これは、ポリプロピレン(PP)として「Y2000GV」(出光石油化学社製、MI:19g/10分、Q値:3.0)を、難燃成分として「FlamestabNOR116」(チバスペシャルティーケミカルズ社製)とリン系難燃剤の2:1の混合物を用い、ポリプロピレン(PP):難燃成分=85:15となるように混合してなるものである。また顔料マスターバッチとして、「GREY8770」(大日本インキ社製)を用いた。
【0081】
アイソタクチックホモプロピレン樹脂[日本ポリケム社製、「SA02」、メルトインデックス(MI):20g/10分、Q値:3.5]と、上記の難燃剤マスターバッチと、上記の顔料マスターバッチとを、816:134:50(重量比)の比率でよくブレンドしたものを原料として用い、ホール径が0.4mmで、ホール数が60の紡糸ノズルを備えた溶融紡糸装置によって、紡糸温度225℃、G1速度70.0m/分の条件で溶融紡糸を行い、単糸繊度が32.6dTexの未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
(2)マルチフィラメントの延伸
前記溶融紡糸装置に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が直列に連結されるように配置された延伸装置を用い、インライン方式で延伸処理した。
【0082】
まず、上記(1)で得た未延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水でG2速度280.0m/分、延伸倍率4.0倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、130℃の加圧飽和水蒸気でG3速度375.0m/分、延伸倍率1.34倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、160℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度700m/分、延伸倍率1.87倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率10.0倍の延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを作製した。
【0083】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸ポリプロピレンマルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
上記延伸ポリプロピレンマルチフィラメントの物性を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
実施例5
(1)未延伸複合マルチフィラメントの作製
鞘材として、高密度ポリエチレン「J320」[旭化成工業(株)製、MI=12g/10分、Q値=9.6]を、芯材としてホモポリプロピレン「Y2000GV」[出光石油化学社製、MI:19g/10分、Q値:3.1]を用い、一軸押出機2台と、径0.5mmのホール60個を有する複合型繊維用ノズルとを備えた複合紡糸装置により、シリンダー温度250℃、ノズル温度255℃にて、G1速度25.0m/分の条件で紡糸し、鞘材と芯材との断面積比が50:50で、単糸繊度が33.3dTexの未延伸複合マルチフィラメントを作製した。
(2)複合マルチフィラメントの延伸
前記複合紡糸装置に、予備延伸槽と本延伸槽と後延伸槽が直列に連結されるように配置された延伸装置を用い、インライン方式で延伸処理した。
【0086】
まず、上記(1)で得た未延伸複合マルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水でG2速度75.0m/分、延伸倍率3.0倍の条件にて予備延伸処理した。次いで本延伸槽にて、110℃の加圧飽和水蒸気でG3速度150m/分、延伸倍率2.0倍の条件にて本延伸処理を行ったのち、後延伸槽にて、132℃の加圧飽和水蒸気で、G4速度300m/分、延伸倍率2.0倍の条件にて後延伸処理を行い、全延伸倍率12.0倍の延伸複合マルチフィラメントを作製した。
【0087】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントを作製した。各延伸延伸複合マルチフィラメントには、毛羽、単糸切れは認められなかった。
【0088】
上記延伸複合マルチフィラメントの物性を表4に示す。
比較例4
(1)未延伸複合マルチフィラメントの作製
鞘材として、高密度ポリエチレン「J320」[旭化成工業(株)製、MI=12g/10分、Q値=9.6]を、芯材としてホモポリプロピレン「Y2000GV」[出光石油化学社製、MI:19g/10分、Q値:3.1]を用い、一軸押出機2台と、径0.5mmのホール60個を有する複合型繊維用ノズルとを備えた複合紡糸装置により、シリンダー温度250℃、ノズル温度255℃にて、巻き取り速度500m/分の条件で紡糸し、鞘材と芯材との断面積比が50:50で、単糸繊度が22.2dTexの未延伸複合マルチフィラメントを作製した。
(2)複合マルチフィラメントの延伸
前記複合紡糸装置とは別に、予備延伸槽と本延伸槽が連続的に配置された延伸装置を用い、アウトライン方式で延伸処理した。
【0089】
まず、上記(1)で得た未延伸複合マルチフィラメントを、予備延伸槽にて、90℃の温水で、G1速度25.0m/分、G2速度75.0m/分、延伸倍率3.0倍の条件にて予備延伸処理したのち、本延伸槽にて、130℃の加圧飽和水蒸気でG3速度200m/分、延伸倍率2.67倍の条件にて本延伸処理を行い、全延伸倍率8.0倍の延伸複合マルチフィラメントを作製した。
【0090】
この操作を200回行い、1kg巻き200本の延伸マルチフィラメントの作製を行ったが、未延伸糸が、延伸処理を施されるまでに、内部構造や物性などに変化が生じ、毛羽、単糸切れを防止するために、延伸条件を変更しなければならなかった。
上記延伸複合マルチフィラメントの物性を表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】
複合マルチフィラメントでも、インライン方式の方が、アウトライン方式よりも変動率が小さく、むらのない繊維になっていることが分かる。
【0093】
試験例1
実施例1、比較例1および比較例2で得られた延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、それぞれ用いて、織布(100t/mの撚り加工を行い、縦糸、横糸共に、打ち込み本数は20本/inch)を作製し、その強度を測定した。結果をマルチフィラメントの物性と共に、表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】
マルチフィラメントの結節強度、織布の縦強度および横強度は、下記の方法により測定した。
マルチフィラメントの結節強度測定方法
JIS L1013 7.6結節強さ測定に従い、つかみ間隔200mm、引張速度200m/分の定速伸長形条件で引張破断試験を行って測定した。
織布強力測定方法
JIS L1096に従い、試料幅3cm、つかみ間隔200mm、引張速度200m/分の定速伸長形条件で引張破断試験を行って測定した。
【0096】
試験例2
二次加工(織布)を想定して、実施例1および比較例2で得られた延伸ポリプロピレンマルチフィラメントを、それぞれ3本束ねて撚り、破断強度、伸度およびヤング率を測定した。結果を表6に示す。
【0097】
【表6】
【0098】
インライン方式のマルチフィラメント(実施例1)は斑が小さいために一本のマルチフィラメント、それ以上の束のマルチフィラメントでも同程度の値となり、高い繊維物性が二次加工品に反映されている。これに対し、アウトライン方式のマルチフィラメント(比較例2)は斑が大きいために、複数のマルチフィラメント束で測定した場合、強度が平均値よりも著しく低い値になった。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂を、インライン方式で紡糸−延伸処理すると共に、延伸工程で加圧飽和水蒸気による直接加熱延伸を行うことにより、破断強度およびヤング率が高く、かつ低伸度である上、これらの物性や繊度のばらつきが小さい、延伸マルチフィラメントからなるポリオレフィン系延伸繊維を、生産性よく、安定して提供することができる。これにより、本発明品を織布、養生ネット、ロープ、フィルター用途などに適用することにより、今までにない高い品質の商品の提供が可能となった。
Claims (7)
- ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂の紡糸処理と延伸処理を連続的に行い、単一型延伸マルチフィラメントを製造する方法であって、
未延伸マルチフィラメントの延伸処理を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して行うことにより、
破断強度が8cN/dTex以上、伸度が20%以下およびヤング率が108cN/dTex以上であり、
繊度変動率が2.0%以下、破断強度変動率が5.0%以下、伸度変動率が10%以下およびヤング率変動率が10%以下である
ポリオレフィン系単一型延伸繊維を得る
ことを特徴とするポリオレフィン系延伸繊維の製造方法。 - ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリオキシメチレン、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体およびエチレンとブテン−1との共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂からなる第一成分と、該第一成分とは異なる上記の中から選ばれる第二成分からなるポリオレフィン系樹脂の紡糸処理と延伸処理を連続的に行い、2成分複合型延伸マルチフィラメントを製造する方法であって、
未延伸マルチフィラメントの延伸処理を、加圧飽和水蒸気により直接加熱して行うことにより、
破断強度が6.5cN/dTex以上、伸度が30%以下およびヤング率が70cN/dTex以上であり、
繊度変動率が2.0%以下、破断強度変動率が5.0%以下、伸度変動率が10%以下およびヤング率変動率が10%以下であるポリオレフィン系2成分複合型延伸繊維を得る
ことを特徴とするポリオレフィン系延伸繊維の製造方法。 - 加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理を、二段階以上に分けて行う請求項1または2に記載の方法。
- 加圧飽和水蒸気により直接加熱して行う延伸処理に先立ち、未延伸マルチフィラメントを予備延伸処理する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 2成分複合型延伸マルチフィラメントが、鞘芯複合型マルチフィラメントである請求項2ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- ポリオレフィン系延伸繊維が、機能性付与剤を含んでなるものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
- 機能性付与剤が、難燃剤および/または耐光剤である請求項6に記載の方法。
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