JPH1181036A - 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法 - Google Patents
高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法Info
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- JPH1181036A JPH1181036A JP18682898A JP18682898A JPH1181036A JP H1181036 A JPH1181036 A JP H1181036A JP 18682898 A JP18682898 A JP 18682898A JP 18682898 A JP18682898 A JP 18682898A JP H1181036 A JPH1181036 A JP H1181036A
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Abstract
好適に使用できる高強度ポリプロピレン繊維及びその製
造方法を提供するものである。 【解決手段】Q値4以下である結晶性ポリプロピレンを
300〜350℃の高温度で紡糸して、700m/mi
n以下の速度で引き取ることにより、低配向な未延伸糸
とし、50〜70℃の低温度で1段延伸し、1段延伸温
度以上の温度で2段以上の延伸を行うことにより得られ
る強度7g/d以上、伸度50%以上の高強度ポリプロ
ピレン繊維。
Description
度な産業用資材などに適した高強度ポリプロピレン繊維
及びその製造方法に関する。
資材等の分野では、ポリエステル、ナイロン等の繊維が
広く使用されている。しかし、ポリエステル、ナイロン
等は耐薬品性の点で問題があり、かつ大量に利用される
産業資材分野での焼却時の有害ガスの発生、またリサイ
クル性など問題も多い。一方、ポリプロピレン繊維は、
比重が小さく、耐薬品性に優れるという特徴を有する。
また、リサイクル性にも優れ、焼却時にも有毒ガスが発
生しないなど、産業資材分野の材料としては非常に優れ
ている。しかし、これまで高強度のポリプロピレン繊維
を生産性良く製造することができず、この分野への展開
が遅れていた。また従来のポリプロピレン繊維は高強度
化しても伸度が低く、加工品への成形時に加工性の点で
しばしば問題になることがあった。また、不織布の分野
でも伸度の高い高強度ポリプロピレン繊維を用いること
により、より機械的物性の向上した不織布とすることが
可能となり、市場のニーズとして伸度と強度が共に高い
ポリプロピレン繊維が強く望まれていた。
平均分子量/数平均分子量)が4以上のポリプロピレン
を原料とし、溶融紡糸、延伸により繊維が製造される
が、せいぜい単糸強度は5g/d前後であった。延伸温
度を高く設定することで、延伸倍率は幾分向上し強度物
性は上がるが、延伸時の全繊度が多くなればなるほど糸
のケバ立ち、糸切れ等の問題が発生し、高倍率延伸によ
る延伸は実際のところ困難であった。
は、従来高分子量ポリプロピレンを低温度で溶融紡糸
し、低速で延伸することが言われてきたが、工業化には
問題も多かった。特許2537313号公報には、Q値
が5未満、n−ヘプタン不溶分(HI;重量%)が97
<HI<100、アイソタクチックペンタッド分率(I
PF;モル%)が94<IPF<100である高結晶性
ポリプロピレンペレットを用いて、立体規則性を失わな
い紡糸温度260〜280℃で溶融紡糸し、延伸温度は
延伸性を少しでも向上させるために、140〜150℃
で高延伸して、破断強度8g/d以上の繊維を得る旨の
記載がある。しかしこの公報に記載された繊維の製造条
件は、溶融紡糸時はポリプロピレンの熱分解が進みにく
い温度280℃以下での紡糸であり、延伸時はより延伸
性を高くするために、融点に近い温度での延伸であり、
得られる繊維の伸度も40%と低いものであった。一
方、特開平6−313208号公報には、MFRが5〜
15、IPFが95以上、HIが98以上、Q値が4以
下の高結晶性ポリプロピレンを用いて、熱分解が進みに
くい紡糸温度270〜300℃で溶融紡糸し、延伸性を
確保するために70〜130℃の温度で、延伸倍率は7
倍以上延伸して、破断強度8g/d以上、伸度40%以
下の繊維を得る旨の記載がある。しかしこの公報に記載
された繊維の製造条件は、溶融紡糸時はポリプロピレン
の熱分解が進みにくい温度300℃以下での紡糸であ
り、延伸時はより延伸性を高くするために、70℃以上
での延伸であり、延伸糸の全繊度が1000デニール未
満であるために、高倍率での延伸が可能であり高強度化
を達成しているものの、50%以上の伸度を持った繊維
を得ることはできない。
共に高く、産業資材等に好適に使用できる高強度ポリプ
ロピレン繊維及びその製造方法を提供しようとするもの
である。
重ねた結果、結晶性ポリプロピレンを高温度で紡糸して
低速度で引き取ることにより、低配向な未延伸糸とし、
1段以上の延伸を行うことにより、さらに好ましくは通
常のポリプロピレン繊維の延伸温度に比べ、低温度で1
段目の延伸を行い、1段目の延伸温度より高い温度で2
段目以後の延伸を行うことにより、強度、伸度共に高い
繊維を提供できることを知り、本発明を完成するに至っ
た。
解決するために以下の構成を有する。 (1) Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以
下の分子量分布を持つ結晶性ポリプロピレン繊維からな
り、該繊維は単糸破断強度7g/d以上、破断伸度50
%以上を有する高強度ポリプロピレン繊維。 (2) 単糸繊度が1〜30デニール、全繊度が1〜1
00万デニールである前記(1)に記載の高強度ポリプ
ロピレン繊維。 (3) Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以
下の分子量分布を持つ結晶性ポリプロピレンを原料と
し、300〜350℃の温度で溶融紡糸した後、50〜
70℃の範囲で1段目の延伸を行い、次いで1段目の延
伸より高い温度で2段以降の延伸を行うことを特徴とす
る高強度ポリプロピレン繊維の製造方法。 (4) 未延伸糸のメルトフローレート/ポリプロピレ
ン原料樹脂のメルトフローレートの比が2〜7である前
記(3)に記載の高強度ポリプロピレン繊維の製造方
法。 (5) 溶融紡糸工程の巻き取り速度が100〜700
m/minである前記(3)または(4)に記載の高強
度ポリプロピレン繊維の製造方法。
本発明の高強度ポリプロピレン繊維は、前述したように
破断強度が7g/d以上、破断伸度50%以上の繊維で
ある。本発明において使用される結晶性ポリプロピレン
は、Q値が4以下のものであればよいが、Q値が3以下
の分子量分布の狭い結晶性ポリプロピレンを用いた場合
延伸性をさらに高くすることができるためより好まし
い。Q値が4を超えると、分子量分布が広くなり、延伸
性を高めるのが困難となる。ここでQ値とは重量平均分
子量/数平均分子量の比によって求められた値で、通常
はゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)により求めるこ
とができ、また、重量平均分子量は例えば光錯乱法、粘
度法、超延伸法等公知の方法により求められ、数平均分
子量は、例えば末端基定量法、氷点降下法、沸点上昇
法、浸透圧法等公知の方法により求められる。結晶性ポ
リプロピレン樹脂の分子量分布は、該樹脂の製造時のプ
ロピレンの重合条件を変えることにより調整できるが、
さらに結晶性ポリプロピレン樹脂を有機過酸化物、硫黄
系化合物等の分解剤の存在下に熱処理して調整してもよ
い。なお、Q値は分子量分布が狭くなるほど1に近づく
が、現在のところQ値が2以下のポリプロピレンはほと
んど知られていない。
メルトフローレートが1〜30g/10minの範囲で
あることが溶融紡糸時の曳糸性及び延伸時の延伸性の点
で好ましい。メルトフローレートが1g/10min未
満であると、紡糸が困難となる傾向が現れ、メルトフロ
ーレートが小さくなるにしたがって紡糸性が著しく悪く
なる。また、メルトフローレートが30g/10min
以上であると高温度で紡糸するために、これもまた曳糸
性が悪くなる傾向が現れる。また上記結晶性ポリプロピ
レンのn−ヘプタン不溶分は96%以上あれば問題なく
本発明を実施することができ、特殊な高結晶性ポリプロ
ピレンを用いなくても高強度繊維を得ることができる。
は、100%プロピレン単位からなるものでもよく、ま
たプロピレン重合体中に2重量%以下の他のオレフィ
ン、例えばエチレンもしくはC4以上のオレフィン(1
−ブテン、1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン等)を含有するプロピレン
を主成分とする共重合体であってもよい。また上記ポリ
プロピレン樹脂に、プロピレンとエチレン、オレフィン
との結晶性ランダム共重合体もしくはブロック共重合体
等を混合したものであってもよい。
本発明の効果を妨げない範囲内でさらに、酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安
定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、可塑
剤などの添加剤を適宜必要に応じて添加してもよい。
ず紡糸について説明する。ポリプロピレン樹脂は、Q値
が4以下でかつ、メルトフローレートが1〜30g/1
0minのものを用いて溶融紡糸する。この時の紡糸温
度は、300〜350℃の範囲であることが好ましく、
より好ましくは、310〜340℃の範囲で溶融紡糸す
ることが繊維の配向を抑えた未延伸糸とすることができ
好ましい。紡糸温度が300℃未満であると、押出機で
溶融したポリプロピレン溶融物を紡糸口金から押出した
繊維状のポリプロピレン溶融物は急激に冷却され、固化
点での繊維の変形が大きく、配向がより進んだ未延伸糸
となるため延伸性が低く高倍率で延伸することが難しく
なり好ましくない。また紡糸温度が350℃を超えると
急激にポリプロピレン樹脂の分解が進み、繊維の発泡な
どから曳糸性の良い未延伸糸を得ることが困難であるば
かりでなく、繊維の分子鎖が著しく切断されてしまい、
必要以上に低分子量化し、延伸しても高強度なポリプロ
ピレン繊維とならない。
溶融物を冷却する場合、従来の方法、例えば空気、水、
グリセリン等の媒体中で融点以下の温度まで冷却し、引
き取ることができるが、未延伸糸の配向を極力抑えるに
は、液体で急冷却するのではなく、空気で冷却すること
が好ましい。空気の温度、風量は任意に設定できるが、
より配向を抑えた未延伸糸とするため、徐冷却、即ち風
量は弱く、温度はあまり低すぎないことが好ましい。こ
のように徐冷することにより、ラメラが繊維軸方向に対
して直角に配列したような結晶の高次構造を充分に形成
させることができ好ましい。
レン繊維では、1000m/分付近で引き取ることが一
般的であるが、より未延伸糸の配向を抑えるためには、
引き取り速度は700m/min以下、好ましくは60
0m/min以下であることが好ましい。引き取り速度
が700m/minを越えると、繊維状のポリプロピレ
ン溶融物の固化点での変形が大きく、配向が進んだ未延
伸糸となり、延伸性が悪く、高倍率で延伸することが難
しくなる。また、引き取り速度が100m/min未満
では、高温度紡糸により溶融粘度が低くなったポリプロ
ピレン溶融物の自然落下速度よりも遅く均一な未延伸糸
とすることが困難である。
法では、ポリプロピレンの樹脂劣化を抑えることが重要
であると一般に考えられているが、本発明では、高温度
で紡糸することによりかつ、積極的にスクリュー押出機
内で熱履歴を加えることにより、未延伸糸のメルトフロ
ーレート(MFR)をポリプロピレン樹脂原料のメルト
フローレートに比べて高くすることが高強度化を発現さ
せるためには重要である。未延伸糸のMFR/ポリプロ
ピレン樹脂原料のMFRの比が2〜7であることが好ま
しい。(原料のMFRは、熱履歴を経ていない原料その
ものの値を測定すればよく、未延伸糸のMFRは押出機
内で加熱され溶融紡糸された直後の状態の繊維の値を測
定すればよい。)すなわち、前述の溶融紡糸温度(30
0〜350℃、より好ましくは310〜340℃)で紡
糸を行った場合に未延伸糸のメルトフローレートを高く
することができ、未延伸糸とポリプロピレン樹脂原料の
メルトフローレート比を2〜7にすることが可能とな
る。溶融紡糸温度とこの比との間には、ほぼ相関関係が
あることがわかっている。つまり、紡糸温度が350℃
を越えるとこの比が7を越え、曳糸性が著しく低下し、
また必要以上に分子量が小さくなりすぎて高強度化しな
い。また、紡糸温度が300℃未満であるとこの比が2
未満となり、延伸性が低く高倍率で延伸することが難し
くなる。紡糸押出機内で積極的に熱を加えることが得ら
れる繊維の延伸性を高めることについて、現在のところ
その理由は明らかではないが、熱によりポリプロピレン
の分子鎖がある程度切断されて適切な長さとなり、延伸
を阻害するような分子鎖のもつれを低減するためではな
いかと本発明者等は推定している。
することができる。異形断面の場合には、例えば偏平
形、三角〜八角形等の角型、T字形、多葉形、中空断面
形等任意の形状とすることができ、特に限定されるもの
ではない。
得たポリプロピレン未延伸糸を延伸して強度、伸度の高
いポリプロピレン繊維を得る。ポリプロピレン未延伸糸
の延伸法は、熱ロール延伸、温水延伸、加熱プレートな
ど公知の方法が採用される。延伸操作は、1段延伸、2
段延伸、多段延伸のいずれによっても行うことができる
が、1段延伸よりも2段以上の延伸操作を行うことが好
ましい。1段延伸のみを行う場合、延伸温度は50〜1
50℃の範囲が好ましく、延伸倍率は4〜8倍の範囲が
好ましい。2段以上の延伸を行う場合、1段目の延伸
は、50〜70℃の比較的低温度で延伸する。次いで2
段目以降の延伸は、延伸するにつれてその結晶融解温度
は高くなるため、前段の延伸温度より高いことが必要で
ある。2段目以降の各延伸段は前段よりも10℃以上よ
り好ましくは15℃以上高く(ただし繊維が溶融する温
度より低く)設定することが望ましい。1段目で70℃
以上の温度で延伸した場合、急激に未延伸糸の配向結晶
化が進行し、2段延伸で延伸性が極端に低下するため、
低温度での延伸が好ましい。また、50℃未満でも延伸
性は低下し高強度化するのに必要な延伸倍率とすること
ができない。
延伸倍率が4〜9倍である場合が好ましい。格段の延伸
倍率については、1段目の延伸で全延伸倍率の40%以
上、好ましくは50%以上の延伸を行い、ついで2段目
以降で単糸切れ、ケバ立ちが起きない範囲まで延伸し、
所望の全延伸倍率に延伸された高強度ポリプロピレン繊
維の延伸糸を得る。1段目の延伸で全延伸倍率の40%
以下の延伸倍率で延伸した場合、前記の全延伸倍率の4
0%以上で1段延伸した場合に比べて全延伸倍率が同じ
であっても、高強度ポリプロピレン繊維を得ることはで
きない。これは、1段延伸で配向結晶化は著しく進行す
るため、2段以上の延伸では無理な延伸がかかり結果と
して高強度化しないためである。ここで延伸倍率とは、
供給ロール速度と引き取りロール速度の比によって表さ
れる値のことである。。
物を融点付近の温度で定長熱処理、弛緩熱処理等でアニ
ール処理を行うことにより熱収縮が改善されたポリプロ
ピレン繊維を得ることができる。
延伸糸繊度が50〜1000デニールの未延伸糸を延伸
するのとは異なり、ステープルファイバーを製造する場
合の延伸工程での単糸繊度は1〜30デニール、全延伸
糸繊度は、1〜100万デニールである。このため延伸
性は悪くなり、マルチフィラメント製造時のように延伸
倍率は高く設定することができない。しかし本発明の方
法によれば、前記のポリプロピレン樹脂原料を用いて、
紡糸工程で300〜350℃の高温度紡糸、700m/
min以下、好ましくは600m/min以下の低速度
で未延伸糸の引き取り、繊維状のポリプロピレン溶融物
の除冷却により、配向を抑えた未延伸糸とする。次い
で、1段延伸を50〜70℃の低温で延伸し、2段以上
の延伸を前段よりも10℃以上、好ましくは15℃以上
高い温度で延伸し、また延伸倍率は、1段延伸を全延伸
倍率の40%以上、好ましくは50%以上で延伸するこ
とにより、高倍率で延伸できる。その結果、単糸破断強
度7g/d以上、好ましくは8g/d以上、破断伸度は
50%以上、好ましくは60%以上を有する高強度なポ
リプロピレン繊維、特にステープルファイバーの製造な
どの延伸時の全繊度が非常に大きい場合でも生産するこ
とができるようになる。また、延伸時に全繊度の小さい
マルチフィラメント、モノフィラメント等の製造方法で
あっても問題なく、高強度ポリプロピレン繊維を得るこ
とができる。
プロピレン繊維は、長繊維あるいは短繊維で使用しても
良いし、ストレートでも機械捲縮をかけて使用すること
もできる。また、本発明の高強度ポリプロピレン繊維
は、単体で使用してもよいし、他の繊維と混合して使用
することもできる。この他の繊維としては、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、アクリル、などの合
成繊維、綿、羊毛、麻などの天然繊維、レーヨン、キュ
プラ、アセテートなどの再生、半合成性繊維が挙げられ
る。これら前記の繊維を用いて、不織布、編織物、繊維
成形品とすることもできる。また、他の不織布、編織
物、あるいはメッシュ状物、成型品との積層あるいは複
合化した形で使用することもできる。あるいは、複合材
料、セメント補強などの補強材としても使用することが
できる。
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。 ・メルトフローレート(MFR):JIS K 721
0(温度230℃、荷重2.169kg)に準じて測定
した。 ・メルトフロー比:以下の式により算出した。 未延伸糸のMFR/ポリプロピレン樹脂原料のMFR ・単糸強伸度:JIS L 1015(試長20mm、
引張速度20mm/min)に準じて測定した。 ・延伸倍率:以下の式により算出した。 引き取りロール速度(m/min)/供給ロール速度
(m/min) ・全繊度(d):延伸工程での延伸糸トウの全体の繊度
ンダー内径30mmの押出機(L/D=20)にて、表
1に示してある紡糸条件でノズル孔径0.8mmのノズ
ルから溶融押出し、20℃の空気で冷却しながら未延伸
糸を引き取った。得られた未延伸糸を表1に示すような
延伸条件で延伸し、機械捲縮をかけ所定長に切断して短
繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数15個/25m
m、カット長51mm、表1に示した糸物性を持つ短繊
維であった。
例1〜7のポリプロピレン繊維は、強度、伸度ともに高
い糸物性を持つことがわかった。
リンダー内径30mmの押出機(L/D=20)にて、
表1に示してある紡糸条件でノズル孔径0.8mmのノ
ズルから溶融押出し、20℃の空気で冷却しながら未延
伸糸を引き取った。得られた未延伸糸を表1に示すよう
な延伸条件で延伸し、機械捲縮をかけ所定長に切断して
短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数15個/25
mm、カット長51mm、表1に示した糸物性を持つ短
繊維であった。
ンダー内径30mmの押出機(L/D=20)にて、表
1に示してある紡糸条件でノズル孔径0.8mmのノズ
ルから溶融押出し、20℃の空気で冷却しながら未延伸
糸を引き取った。得られた未延伸糸を表1に示すような
延伸条件で延伸し、機械捲縮をかけ所定長に切断して短
繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数15個/25m
m、カット長51mm、表1に示した糸物性を持つ短繊
維であった。
ンダー内径30mmの押出機(L/D=20)にて、紡
糸温度360℃でノズル孔径0.8mmのノズルから溶
融押出したが、曳糸性が悪くサンプルを採取することが
できなかった。
は、分子量分布が広いため延伸性が悪く、強度が低くな
った。また、比較例2〜5は、強度が低くポリプロピレ
ン樹脂原料、紡糸条件、延伸条件の最適な組合せでない
と高強度化しないことがわかる。
伸するために、Q値が小さい分子量分布の狭いポリプロ
ピレン樹脂を用いて、紡糸工程で未延伸糸の配向を小さ
くし、紡糸温度を上げ積極的に未延伸糸フローレートを
高くすることにより、延伸性が著しく改善された未延伸
糸とすることができる。これをさらに従来のポリプロピ
レン未延伸糸の延伸温度よりもかなり低い温度で1段延
伸を行い、1段延伸以上の温度で2段以上の延伸を行う
ことにより、高倍率で延伸が可能となり、強度7g/d
以上、伸度50%以上の高強度ポリプロピレン繊維を得
ることができるようになった。これにより従来ポリプロ
ピレンの用途展開が遅れていた高強度繊維を必要とする
産業資材分野の繊維を大量に生産供給できるようになっ
た。
Claims (5)
- 【請求項1】 Q値(重量平均分子量/数平均分子量)
が4以下の分子量分布を持つ結晶性ポリプロピレン繊維
からなり、該繊維は単糸破断強度7g/d以上、破断伸
度50%以上を有する高強度ポリプロピレン繊維。 - 【請求項2】 単糸繊度が1〜30デニール、全繊度が
1〜100万デニールである請求項1に記載の高強度ポ
リプロピレン繊維。 - 【請求項3】 Q値(重量平均分子量/数平均分子量)
が4以下の分子量分布を持つ結晶性ポリプロピレンを原
料とし、300〜350℃の温度で溶融紡糸した後、5
0〜70℃の範囲で1段目の延伸を行い、次いで1段目
の延伸より高い温度で2段目以降の延伸を行うことを特
徴とする高強度ポリプロピレン繊維の製造方法。 - 【請求項4】 未延伸糸のメルトフローレート/ポリプ
ロピレン原料樹脂のメルトフローレートの比が2〜7で
ある請求項3に記載の高強度ポリプロピレン繊維の製造
方法。 - 【請求項5】 溶融紡糸工程の巻き取り速度が100〜
700m/minである請求項3または4に記載の高強
度ポリプロピレン繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18682898A JP3997613B2 (ja) | 1997-06-27 | 1998-06-17 | 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18761897 | 1997-06-27 | ||
JP9-187618 | 1997-06-27 | ||
JP18682898A JP3997613B2 (ja) | 1997-06-27 | 1998-06-17 | 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1181036A true JPH1181036A (ja) | 1999-03-26 |
JP3997613B2 JP3997613B2 (ja) | 2007-10-24 |
Family
ID=26504002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18682898A Expired - Lifetime JP3997613B2 (ja) | 1997-06-27 | 1998-06-17 | 高強度ポリプロピレン繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3997613B2 (ja) |
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-
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- 1998-06-17 JP JP18682898A patent/JP3997613B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JP3997613B2 (ja) | 2007-10-24 |
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