JPH08109564A - 長繊維水流絡合不織布およびその製造方法 - Google Patents

長繊維水流絡合不織布およびその製造方法

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JPH08109564A
JPH08109564A JP6268448A JP26844894A JPH08109564A JP H08109564 A JPH08109564 A JP H08109564A JP 6268448 A JP6268448 A JP 6268448A JP 26844894 A JP26844894 A JP 26844894A JP H08109564 A JPH08109564 A JP H08109564A
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long
fiber
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stretched
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JP6268448A
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English (en)
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Sadayuki Ishiyama
貞行 石山
Jun Yamada
潤 山田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄手軽量であり、縦横の強度バランスおよび
リントフリー性共に優れており、さらに布ような風合
い、ドレープ性および地合が改良された長繊維水流絡合
不織布を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を
一方向に延伸し、かつその繊維をほぼ一方向に配列した
少なくとも1層からなる延伸一方向配列不織布またはそ
れらを用いた延伸交差積層不織布1、2を、高圧水流5
a、5cにより絡合したことを特徴とする長繊維水流絡
合不織布9、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄手軽量でリントフリ
ー性に優れ、ドレープ性や布のような風合いがあり、か
つ縦横の強度バランスの良い長繊維水流絡合不織布およ
びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、芯
地等の衣料製品、フィルターや工業用ワイパー等の産業
用資材、および手術衣、シーツ、タオル、マスク等のメ
ディカルディスポーザブル製品等に広く用いられる長繊
維水流絡合不織布およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】短繊維ウエブに高圧流体を噴射すること
によって、ウエブを形成する繊維を相互に絡み合わせ、
ウエブに適当な絡合構造と特定の物性とを付与する方法
は、水流絡合法として広く実施されている。水流絡合法
により製造された不織布は、繊維間に結合点がないこと
から他の不織布よりも各繊維が相互に動く自由度が大き
いので、柔軟性に富み、リントフリーであり、ドレープ
性があり、ソフトな風合いを有するものである。しか
し、繊維が互いに結合していないので、強度的には弱
く、不安定で変形し易いという欠点がある。また、高圧
流体の噴射跡がウエブの縦方向(流れ方向)に連続的に
残るため、縦方向と横方向の強度バランスが悪く、強度
バランスを改善するためにはクロスレイヤー等の工程の
追加が必要になり、必要以上の厚手になると共に、生産
性が低下するという欠点がある。強度バランスを改良す
る方法として、ステープルファイバーからなる不織布を
強化基材として用いる方法(特開昭54−82481号
公報)、織物、編物または不織布からなる補強材を用い
る方法(特開昭54−101981号公報、特開昭61
−225361号公報)、木材パルプを強化基材に用い
る方法(特開昭59−94659号公報)、網状物に短
繊維ウエブを絡合させる方法(特開平1−321960
号公報、特開平4−263660号公報)、スパンボン
ド不織布に短繊維ウエブを絡合させる方法(特開平4−
333652号公報、特開平4−153351号公報)
等が開示されている。また、リントフリー性を改良する
方法として、長繊維で厚手ウエブを形成し絡合密度を上
げる方法(特開昭63−159545号公報)捲縮を持
った長繊維を絡合させる方法(特開平5−287660
号公報)等が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの開示
技術に見られる改良方法では、いずれも強度の改善また
はリントフリー性の改良の一方のみを達成するが、両特
性を両立させ、さらに水流絡合不織布の特徴であるソフ
トな風合いと強度バランスの改善された軽量薄手の不織
布を製造する技術はまだ知られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、長繊維を圧延
または延伸し、かつ一方向に配列した、平均繊度が0.
01から10デニールの不織布の少なくとも1層を含む
不織布の多層体に高圧の水流を噴射することにより、長
繊維が互いに絡合して、薄手軽量であり、特にリントフ
リー性と縦横強度バランスに優れ、ドレープ性や布のよ
うな風合いを有する長繊維水流絡不織布を製造し得るこ
とを見出して本発明を完成した。すなわち、本願の第1
の発明は、熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織布を
一方向に延伸してなり、かつ上記不織布の繊維がほぼ一
方向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配列
不織布またはそれらの配列軸が交差するように積層した
延伸交差積層不織布を、高圧水流により絡合してなるこ
とを特徴とする長繊維水流絡合不織布を提供するもので
ある。また、本願の第2の発明は、熱可塑性樹脂から紡
糸された長繊維不織布を一方向に延伸してなり、かつ上
記不織布の繊維がほぼ一方向に配列した少なくとも1層
からなる延伸一方向配列不織布またはそれらの配列軸が
交差するように積層した延伸交差積層不織布と、他の長
繊維からなる不織布とを高圧水流により絡合してなるこ
とを特徴とする長繊維水流絡合不織布を提供するもので
ある。本願の第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、延伸一方向配列不織布の延伸倍率が5〜20倍、
平均繊度が0.01から10デニールおよび坪量が1〜
80g/m2であることを特徴とする長繊維水流絡合不織布
を提供するものである。更に、本願の第4の発明は、第
1の発明の長繊維水流絡合不織布を製造するに際し、延
伸一方向配列不織布、またはそれらの配列軸が交差する
ように積層した延伸交差積層不織布を搬送しつつ、10
〜300kg/cm2の高圧水流を噴射して、処理速度2〜1
00m/min で絡合加工を施すことを特徴とする長繊維水
流絡合不織布の製造法を提供するものである。また、本
願の第5の発明は、第2の発明の長繊維水流絡合不織布
を製造するに際し、延伸一方向配列不織布、またはそれ
らの配列軸が交差するように積層した延伸交差積層不織
布と、他の長繊維からなる不織布とを積層して搬送しつ
つ、10〜300kg/cm2の高圧水流を噴射して、処理速
度2〜100m/min で絡合加工を施すことを特徴とする
長繊維水流絡合不織布の製造法を提供するものである。
【0005】以下、本発明を更に詳述する。上記長繊維
不織布の形成方法としては種々の形式が用いられる。不
織布の特性としては、平面内および厚さ方向のすべてに
おいて繊維の配列が均質で一定方向に規則正しく配列し
ていることが要求され、不織布の繊維配列方法として
は、熱可塑性樹脂の紡糸フィラメントに熱風で旋回ま
たは振動を与えて縦または横方向に配列させ、ほぼ全量
の繊維が一方向に配列した不織布を形成する方式、熱
可塑性樹脂を紡糸し、延伸、開繊、補集および絡合を行
って不織布を形成する方式(例えば、スパンボンド
法)、熱可塑性樹脂を高温高圧空気と共に噴射し開繊
配列して不織布を形成する方式(例えば、メルトブロー
ン法)、熱可塑性樹脂の長繊維束を延伸捲縮し、開繊
および拡幅を行って不織布を形成する方式(例えば、ト
ウ開繊法)、熱可塑性樹脂の発泡押出しを行い、発泡
破裂、積層および延展を行って不織布を形成する方式
(例えば、バーストファイバー法)等が挙げられる。
【0006】本発明においては、熱可塑性樹脂から紡糸
された長繊維不織布を一方向に延伸してなり、かつ不織
布の繊維がほぼ一方向に配列した少なくとも1層からな
る延伸一方向配列不織布またはそれらの配列軸が交差す
るように積層した延伸交差積層不織布を用いて高圧水流
絡合を行う。本発明の延伸とは圧延処理も包含するもの
である。延伸手段としては、従来のフィルムや不織布の
延伸に使用された縦延伸手段、横延伸手段および二軸延
伸手段を使用することができる。すなわち、縦延伸手段
としては、ロール間近接延伸が、幅を狭めることなく延
伸することができるため好適である。他に、ロール圧
延、熱風延伸、熱水延伸、蒸気延伸等も使用することが
できる。横延伸手段としては、フィルムの二軸延伸に使
用されているテンター法も使用することができるが、上
記特公平3−36948号公報に例示したプーリ式横延
伸法や、溝ロールを組み合わせた横延伸法(溝ロール
法)が簡便である。二軸延伸手段としては、フィルムの
二軸延伸に使用されているテンタータイプの同時二軸延
伸方式も使用できるが、上記縦延伸手段と横延伸手段と
を組み合わせることによっても達成することができる。
上記延伸一方向配列不織布の延伸倍率は5〜20倍であ
り、好ましくは8〜12倍である。延伸された不織布の
平均繊度は0.01〜10デニールであり、好ましくは
0.03〜5デニールである。単層または積層された不
織布の坪量は1〜80g/m2であり、好ましくは5〜30
g/m2である。
【0007】本発明においては、上記延伸一方向配列不
織布またはそれらを用いた延伸交差積層不織布と共に、
他の長繊維からなる不織布を用いて高圧水流絡合を行う
ことができる。上記他の長繊維からなる不織布とは、前
記延伸一方向配列不織布の延伸前の長繊維不織布や、延
伸された無配列の不織布または無延伸で一方向配列もし
くは無配列の不織布を包含するものである。
【0008】本発明に用いる長繊維不織布の原料とする
熱可塑性樹脂としては、高密度、中密度および低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレンやプロピレン−エチレン共重合
体等のプロピレン系重合体、α−オレフィン重合体、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニ
ルアルコール等が挙げられるが、ポリプロピレンおよび
ポリエステルが特に好ましい。酸化防止剤、紫外線吸収
剤、滑剤などを樹脂に添加して使用することも可能であ
る。
【0009】本発明において高圧水流絡合に用いる不織
布の組合せは、一方向延伸および一方向配列を施した前
記延伸一方向配列不織布を少なくとも1層含むものであ
ればいかなるものでもよい。すなわち、上記延伸一方向
配列不織布に対して、これと同種または異種の延伸一方
向配列不織布を組み合わせることができ、また他の長繊
維からなる不織布を組み合わせることもできる。好まし
くは2層以上の組合せとする。なお、延伸または配列を
有する不織布が2種以上含まれるときには、延伸および
配列の方向は相互に同一であっても交差していてもよ
い。
【0010】次に、本発明の長繊維水流絡合不織布の製
造方法について詳述する。その製造方法は、(1)不織
布形成工程、(2)不織布を重ね合わせながら供給する
積層供給工程、(3)水の噴射処理を行う高圧水流絡合
工程、(4)乾燥工程、および(5)製品巻取工程から
構成される。
【0011】図1は、上記工程のうち、(2)積層供給
工程以降の工程の一例を示す概略図である。積層供給工
程においては、予め巻取られた延伸一方向配列不織布1
と、これと同一または異なる他の長繊維不織布2を製品
の構成に従って各供給ロール1aおよび2aから繰り出
す。この方法はオフマシン方法であるが、(1)不織布
形成工程で得られる不織布に、ライン上において製品の
構成に従い他の不織布を重ね合わせ(図示せず)、後続
の高圧水流絡合工程に連続的に給送するオンマシン方法
により製造することもできる。
【0012】次の(3)高圧水流絡合工程では、処理水
透過性または不透過性の移送用支持体3としてスクリー
ンまたはロールの上で、給送された延伸一方向配列不織
布と他の不織布の積層体4に、高圧水流小径ノズル列5
から細い水流5aを噴射する。なお、水流を噴射する前
に、上記積層体を浸水装置6において予め水6aに浸
し、また水流噴射後には、減圧吸引手段などを設けた水
分吸引装置7により水分を除去することが作業の効率を
高める上で好ましい。なお、水流絡合を効果的に行うた
めに、不織布積層体の両面から高圧水流絡合を施すこと
が望ましい。すなわち、第1の移送用支持体3を離れた
不織布積層体4を、第2の移送用支持体3aの上に導
き、高圧水流小径ノズル列5bから細い水流5cを噴射
し、先に水流5aにより絡合した面の反対側の面から高
圧水流絡合を施す。
【0013】高圧水流絡合工程において、高圧水流処理
をスクリーン上で行う場合、スクリーンは特に限定され
ないが、処理水の排出処理を容易にするために、目的や
用途等に合わせて材質、網目寸法、線径等を選択するこ
とが好ましい。網目寸法は通常20〜200メッシュで
ある。処理水透過性の移送用支持体を用いる方法におい
ては、処理水が容易に排出されるため、水流の噴射によ
り繊維を飛散させて均一性を損なうことが避けられる。
しかしながら、一旦不織布を通過した処理水にはまだか
なりのエネルギーが残存しており、エネルギー効率が高
くない。一方、処理水不透過性の移送用支持体を用いる
方法においては、不織布を透過した噴射水流は、移送用
支持体に衝突して反発流となり再び不織布に作用するた
め、噴射流と反発流の相互作用により絡合が効率よく行
われる。しかしながら、水中に浮遊している繊維に高圧
水流を噴射する状態となるため、絡合の安定性が低くな
る欠点がある。これらの内では、処理水透過性の移送用
支持体上で高圧水流の噴射処理を行う方法が好ましい。
【0014】噴射水流は、移送方向に対し垂直の方向か
ら、0.2mm以上のピッチで列状に配列された小径ノ
ズル列から噴射される。小径ノズルのオリフィス径は1
mm以下であり、0.1〜0.5mmが好ましい。噴射さ
れる液体は水が好ましく、衛生上必要な場合には熱水や
超純水を用いてもよい。噴射水流の圧力は10〜300
kg/cm2であり、好ましくは20〜200kg/cm2である。
圧力が10kg/cm2未満では絡合効果が不十分であり、ま
た300kg/cm2を超えると高圧水流のコストが増大する
上に、取扱いが困難であるため、いずれも好ましくな
い。
【0015】噴射は1回以上行うが、小径ノズル列を数
列配置し、段階的に噴射水圧を上げて絡合させる方法が
好ましい。すなわち、第一段目は低圧で表面層を交絡さ
せ、次に続く小径ノズル列で水圧を上げながら、中間層
から下層へと交絡を進めることにより、乱れのない水流
絡合不織布を効率よく得ることができる。また、ウエブ
層の材質、形状、坪量や処理回数などに応じて、低圧法
(20〜55kg/cm2)、中圧法(55〜90kg/cm2)お
よび高圧法(90〜200kg/cm2)の中から自由に選択
することができる。高圧流体の形状は特に限定しない
が、エネルギー効率の点から柱状流が好ましい。柱状流
の断面形状は、小径ノズルの断面形状あるいは内部構造
により決定されるが、ウエブの材質、目的、用途等に応
じて自由に選択することができる。水流絡合工程の処理
速度は2〜100m/min であり、好ましくは5〜70m/
min である。処理速度が2m/min 未満では生産性が低
く、また100m/min を超えると絡合効果が不十分であ
るため、いずれも好ましくない。
【0016】高圧水流の噴射により絡合処理した不織布
積層体は、例えばオーブン8、熱風炉または熱シリンダ
ー等による(4)乾燥工程を経て、(5)製品巻取工程
において長繊維水流絡合不織布9として巻取る。
【0017】
【作用】本発明の長繊維水流絡合不織布は、長繊維を一
方向に延伸し、かつ繊維をほぼ同一方向に配列させた延
伸不織布を少なくとも1層含むものであるため、薄手軽
量であるにもかかわらず高い強度とリントフリー性を有
しており、これは従来の強化水流絡合不織布では達成す
ることができなかった優れた長所である。また、延伸一
方向配列不織布として、縦方向のみに高い強度を有する
ものや横方向のみに高い強度を有するものを用意するこ
とが可能であるため、用途に合わせた強度バランスを最
終製品に付与することができる。従来多くの強化不織布
に見られるように、縦横の強度バランスに無理が生じた
り、縦強度が過大になるようなことはなく、縦横の強度
バランスを任意に調節した製品を提供することができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 <実施例1>ポリエチレンテレフタレート(PET)樹
脂(商品名:MA 2100、ユニチカ(株)製)を原料
とし、紡口より噴出する溶融紡糸フィラメントに熱風で
旋回を与えて縦方向に配列させながら、循環走行する網
状無端ベルトコンベヤ上に集積して、繊度が2デニール
の未延伸フィラメントが縦方向に配列した長繊維不織布
を得た。次いで、この不織布をロール間近接延伸により
縦方向に10倍に延伸して繊度0.2デニールおよび坪
量7g/m2の縦延伸一方向配列長繊維不織布(A1)を得
た。また同じ樹脂を同様に紡糸し、横方向に配列した長
繊維不織布を作製し、プーリ式横延伸法により横方向に
10倍に延伸して繊度0.2デニールおよび坪量7g/m2
の横延伸一方向配列長繊維不織布(B1)を得た。両不
織布を経緯直交させて重ね合わせ、ポリビニルアルコー
ルによる仮接着を行って坪量15g/m2の延伸交差積層不
織布(C1)を得た。この延伸交差積層不織布(C1)を
100メッシュの金網を備えた処理水透過性のスクリー
ンからなる無端ベルトコンベヤ上に給送し、上方より、
オリフィス径0.15mm、ピッチ1.0mmで多数の小
径ノズルを備えた3列のノズル列を通して、第1列70
kg/cm2、第2列90kg/cm2および第3列110kg/cm2
圧力で高圧水流を噴射しながら10m/min の速度で表側
から1回、裏側から更に1回の絡合処理を行った後、乾
燥して長繊維水流絡合不織布(ア)を得た。その物性を
結果を表1に示す。リントフリー性の測定は、JIS
L1084(フロック加工生地試験法)の「5.5.2
植毛強さ測定方法、1.5R法」に準拠して行う。すな
わち、試験片の表面を摩擦し、表面に発生した毛羽だち
の程度を目視により判定する。試験条件は、2×6cm
の試験片を曲率半径1.5mmの摩擦子に取り付け、全
荷重400gfで摩擦布(JIS L0803の綿[か
なきん3号])上を毎分30回往復の速度で100回摩
擦する。試験片の表面を目視し、毛羽だちの少ない場合
を良好と判定し、毛羽だちの多い場合を不良と判定し
た。
【0019】<実施例2>ポリプロピレン樹脂(密度
0.90g/cm3、メルトフローレート700g/10min)を
原料として実施例1と同様に紡糸を行い、繊度が2デニ
ールの未配向フィラメントからなる縦方向に配列した長
繊維不織布を得た。この不織布をロール間近接延伸によ
り縦方向に10倍に延伸して繊度0.2デニールおよび
坪量5g/m2の縦延伸一方向配列長繊維不織布(A2)を
得た。また同じ樹脂を同様に紡糸し、横方向に配列した
長繊維不織布を作製し、プーリ式横延伸法により横方向
に10倍に延伸して繊度0.2デニールおよび坪量5g/m
2の横延伸一方向配列長繊維不織布 (B2)を得た。両
不織布を、不織布A2の延伸工程直後のライン上で経緯
直交させて重ね合わせ、坪量10g/m2の延伸交差積層不
織布(C2)を得た。この延伸交差積層不織布(C2)を
100メッシュの金網を備えた処理水透過性のスクリー
ンからなる無端ベルトコンベヤ上に給送し、上方より、
オリフィス径0.15mm、ピッチ1.0mmで多数の小
径ノズルを備えた3列のノズル列を通して、第1列 7
0kg/cm2、第2列90kg/cm2および第3列110kg/cm2
の圧力で高圧水流を噴射しながら10m/min の速度で表
側から1回、裏側から更に1回の絡合処理を行った後、
乾燥して長繊維水流絡合不織布(イ)を得た。その物性
を表1に示す。
【0020】<実施例3>実施例1で製造した縦延伸一
方向配列長繊維不織布(A1)と横延伸一方向配列長繊
維不織布(B1)をそれぞれ給送し、層構成がA1/B1/
1/A1となるように経緯直交させて重ね合わせ、ポリ
ビニルアルコールによる仮接着を行って坪量32g/m2
不織布を得た。この不織布を100メッシュの金網を備
えた処理水透過性のスクリーンからなる無端ベルトコン
ベヤ上に給送し、上方より、オリフィス径0.15m
m、ピッチ1.0mmで多数の小径ノズルを備えた3列
のノズル列を通して、第1列70kg/cm2、第2列90kg
/cm2および第3列110kg/cm2の圧力で高圧水流を噴射
しながら10m/min の速度で表側から1回、裏側から更
に1回の絡合処理を行った後、乾燥して長繊維水流絡合
不織布(ウ)を得た。その物性を表1に示す。
【0021】<実施例4>実施例1で使用したPET樹
脂の長繊維束を延伸捲縮、開繊および拡幅することによ
り縦方向に延伸配列(延伸倍率6.5倍)した繊度0.3
デニールおよび坪量20g/m2の縦延伸一方向配列長繊維
不織布(A3)と、実施例1で使用した繊度0.2デニー
ルおよび坪量5g/m2の横延伸一方向配列長繊維不織布
(B1)を経緯直交させて重ね合わせ、ポリビニルアル
コールによる仮接着を行って坪量27g/m2の不織布を得
た。この不織布を100メッシュの金網を備えた処理水
透過性のスクリーンからなる無端ベルトコンベヤ上に給
送し、上方より、オリフィス径0.15mm、ピッチ1.
0mmで多数の小径ノズルを備えた3列のノズル列を通
して、第1列70kg/cm2、第2列90kg/cm2および第3
列110kg/cm2の圧力で高圧水流を噴射しながら10m/
min の速度で表側から1回、裏側から更に1回の絡合処
理を行った後、乾燥して長繊維水流絡合不織布(エ)を
得た。その物性を表1に示す。
【0022】<比較例1>繊度2デニール、長さ50m
mおよび平均坪量40g/m2のPET短繊維をセミランダ
ムカード方式により二次元と三次元の中間の配列を行っ
て不織布を得た。この不織布を100メッシュの金網を
備えた処理水透過性のスクリーンからなる無端ベルトコ
ンベヤ上に給送し、上方より、オリフィス径0.15m
m、ピッチ1.0mmで多数の小径ノズルを備えた3列
のノズル列を通して、第1列70kg/cm2、第2列90kg
/cm2および第3列110kg/cm2の圧力で高圧水流を噴射
しながら10m/min の速度で絡合処理を行った後、乾燥
して坪量34g/m2の短繊維水流絡合不織布(オ)を得
た。その物性を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明によって得られた長繊維水流絡合
不織布は、リントフリー性および縦横強度バランスに優
れ、布のようなソフトな風合い、ドレープ性、地合等が
優れており、かつ縦横の強度バランスを用途特性に合わ
せ自由に設計することができ、芯地等の衣料製品、フィ
ルターや工業用ワイパー等の産業用資材、および手術
衣、シーツ、タオル、マスク等のメディカルディスポー
ザブル製品、ゴムの補強材、ジオテキスタイル等の工業
用資材等に広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程の一例を示す概略図である。
【符号の説明】 1 不織布1 1a 不織布1供給ロール 2 不織布2 2a 不織布2供給ロール 3、3a 移送用支持体 4 積層体 5、5b 高圧水流小径ノズル列 5a、5c 高圧水流 6 浸水装置 6a 水 7 水分吸引装置 8 オーブン 9 長繊維水流絡合不織布

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織
    布を一方向に延伸してなり、かつ該不織布の繊維がほぼ
    一方向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配
    列不織布またはそれらの配列軸が交差するように積層し
    た延伸交差積層不織布を、高圧水流により絡合してなる
    ことを特徴とする長繊維水流絡合不織布。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織
    布を一方向に延伸してなり、かつ該不織布の繊維がほぼ
    一方向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配
    列不織布、またはそれらの配列軸が交差するように積層
    した延伸交差積層不織布と、他の長繊維からなる不織布
    とを高圧水流により絡合してなることを特徴とする長繊
    維水流絡合不織布。
  3. 【請求項3】 前記延伸一方向配列不織布の延伸倍率が
    5〜20倍、平均繊度が0.01から10デニールおよ
    び坪量が1〜80g/m2であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の長繊維水流絡合不織布。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織
    布を一方向に延伸してなり、かつ該不織布の繊維がほぼ
    一方向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配
    列不織布、またはそれらの配列軸が交差するように積層
    した延伸交差積層不織布を搬送しつつ、10〜300kg
    /cm2の高圧水流を噴射して、処理速度2〜100m/min
    で絡合加工を施すことを特徴とする長繊維水流絡合不織
    布の製造法。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂から紡糸された長繊維不織
    布を一方向に延伸してなり、かつ該不織布の繊維がほぼ
    一方向に配列した少なくとも1層からなる延伸一方向配
    列不織布、またはそれらの配列軸が交差するように積層
    した延伸交差積層不織布と、他の長繊維からなる不織布
    とを積層して搬送しつつ、10〜300kg/cm2の高圧水
    流を噴射して、処理速度2〜100m/min で絡合加工を
    施すことを特徴とする長繊維水流絡合不織布の製造法。
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