JP2003129364A - ポリプロピレン系熱圧着不織布 - Google Patents

ポリプロピレン系熱圧着不織布

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JP2003129364A
JP2003129364A JP2001320841A JP2001320841A JP2003129364A JP 2003129364 A JP2003129364 A JP 2003129364A JP 2001320841 A JP2001320841 A JP 2001320841A JP 2001320841 A JP2001320841 A JP 2001320841A JP 2003129364 A JP2003129364 A JP 2003129364A
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stretching
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JP2001320841A
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Takahiko Okabe
隆彦 岡部
Shigeki Hayashi
茂樹 林
Koichi Tezuka
康一 手塚
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Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱ロール加工温度での繊維熱収縮率が低く熱
圧着加工性に優れるポリプロピレン系繊維を用いてな
る、芳香族有機溶剤に対する耐薬品性を有するポリプロ
ピレン系熱圧着不織布を提供する。 【解決手段】 アイソタクチックポリプロピレンからな
り、引張り強さ8.8cN/dTex以上、ヤング率5
880N/mm2以上であり、かつ偏光下、クロスニコ
ルの状態で観察した際に繊維内部が暗部として視認され
ると共に、該暗部を横断するようにして繊維径方向に伸
びている線状の明部が断続的に視認されるポリプロピレ
ン系繊維を熱圧着加工してなるポリプロピレン系熱圧着
不織布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系熱
圧着不織布に関する。さらに詳しくは、本発明は、アイ
ソタクチックポリプロピレンからなる特定の性状を有す
るポリプロピレン系繊維を熱圧着加工して得られた、特
に芳香族有機溶剤に対する耐薬品性に優れるポリプロピ
レン系熱圧着不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不織布は、紡績工程や撚糸工程を経るこ
となく繊維から直接製造することができるため、その製
造工程は織物や編物に比べて簡単である。このような利
点を有する不織布は、現在、紙おむつに代表される衛生
材料や衣料材料などに広く利用されている。この不織布
の中でポリプロピレン系不織布は、例えば自動車用フロ
アーカーペット、二次電池用のセパレータ、フィルター
(ろ材)、フェルトマットなどに用いられている。しか
しながら、一般のポリプロピレン系繊維を用いた不織布
は、芳香族有機溶剤に対する耐薬品性に劣るという問題
を有しており、この耐薬品性が向上すれば、例えば芳香
族有機溶剤などが使用される産業分野におけるろ過材料
や吸着材料などとして用いることが可能となり、その需
要の増加が期待できる。
【0003】従来、ポリプロピレン系単一繊維は、熱ロ
ール加工により熱圧着不織布に加工されているが、この
熱ロール加工により不織布強力の高い不織布を得るに
は、ポリプロピレン系繊維間の融着接合を良好にする必
要がある。したがって、該ポリプロピレン系繊維が、融
着接合時十分軟化する高い温度条件で熱圧着して不織布
を作製しなければならない。
【0004】しかしながら、ポリプロピレン系繊維の製
造工程において十分に延伸された一般的なポリプロピレ
ン系繊維は、不織布を製造する際に高い熱ロール温度で
製造すると、熱接合点以外のポリプロピレン系繊維が熱
の影響を受けて、熱接合前の繊維ウエッブの面積に対し
て、得られた不織布の収縮率が大きく、結果として不織
布の風合いが悪化したものしか得られないという問題が
生じる。また、不織布の風合いを優先するため熱ロール
温度を下げた場合、所望の不織布強力が得られない。こ
のように、一般的なポリプロピレン系繊維を用いる場
合、不織布の風合いと強力の両立が困難であるのが実状
であった。
【0005】通常、熱圧着加工に適したポリプロピレン
系繊維としては、熱ロール加工が施される際、熱接合点
以外のポリプロピレン系繊維が熱の影響を受けて熱収縮
を受けないように、ポリプロピレン系繊維の製造工程に
おいて低い延伸倍率で製造され、結果として繊維破断伸
度200%以上の繊維物性を有するポリプロピレン系繊
維等が一般的に用いられている。その他、繊維を製造す
る際、特定の化合物を配合することで繊維表面を酸化劣
化させたポリプロピレン系繊維もあるようである。しか
しながら、これら従来のポリプロピレン系繊維は、それ
自体、芳香族有機溶剤に対する耐薬品性を備えておら
ず、不織布としても当然芳香族有機溶剤に対する耐薬品
性は備えていない。
【0006】ところで、結晶性高分子製品を得る際の延
伸方法としては種々の方法が知られているが、例えば延
伸合成繊維を得る際には、金属加熱ロールや金属加熱板
等を用いての接触加熱延伸、あるいは温水,常圧〜0.
2MPa程度の水蒸気,遠赤外線等を用いての非接触加
熱延伸等の延伸方法が適用されている。
【0007】一般に、結晶性高分子の微細構造の変化は
延伸条件に大きく左右され、その結果として結晶性高分
子製品の物性もまた延伸条件に大きく左右されるわけで
あるが、無理に延伸しようとすると延伸切れ等の不具合
が生じる。
【0008】本発明者らは、高強度な結晶性高分子延伸
物を製造する工業的な方法として、先に、両端が加圧水
でシールされた容器内に、延伸媒体として、0.2MP
a程度以上の加圧飽和水蒸気が充填されてなる延伸槽を
用い、結晶性高分子物質を延伸処理する方法を見出した
(特許第3130288号)。
【0009】例えば、結晶性高分子物質として、ポリプ
ロピレン系単一繊維を延伸処理する場合、未延伸糸を樹
脂の融点未満のなるべく高い温度において、低変形速度
で高倍率に延伸するほど、高強度なポリプロピレン系繊
維が得られるわけであるが、この延伸方法においては、
繊維がシール加圧水を通過した際に、加圧水により繊維
表面には水分が付着し、この水分が存在している状態の
下で、被延伸物を延伸処理することから、ドラフト変形
によって内部発熱が生じても、被延伸物の表面の温度
が、加圧飽和蒸気の温度よりも高温になることが抑制さ
れ、被延伸物の表面が溶融状態になりにくい方法であ
り、高倍率の延伸を可能にしている。
【0010】この方法は、従来の結晶性高分子物質の延
伸処理方法に比べて、高延伸倍率の品質の良好な延伸物
を効率よく製造し得る優れた方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱ロール加
工温度での繊維熱収縮率が低く熱圧着加工性に優れるポ
リプロピレン系繊維を用いてなる、芳香族有機溶剤に対
する耐薬品性を有するポリプロピレン系熱圧着不織布を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐薬品性
を有するポリプロピレン系熱圧着不織布を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、アイソタクチックポリプロピレン
繊維を、本発明者らが先に見出した加圧飽和水蒸気によ
る直接加熱方式により延伸処理してなる特定の性状を有
するポリプロピレン系繊維を用いることにより、前記目
的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、(1)アイソタクチ
ックポリプロピレンからなり、引張り強さ8.8cN/
dTex以上、ヤング率5880N/mm2以上であ
り、かつ偏光下、クロスニコルの状態で観察した際に繊
維内部が暗部として視認されると共に、該暗部を横断す
るようにして繊維径方向に伸びている線状の明部が断続
的に視認されるポリプロピレン系繊維を熱圧着加工して
得られたことを特徴とするポリプロピレン系熱圧着不織
布、(2)ポリプロピレン系繊維が、120℃における
熱収縮率が5%未満で、140℃における熱収縮率が8
%未満のものである上記(1)項に記載のポリプロピレ
ン系熱圧着不織布、(3)ポリプロピレン系繊維が、加
圧飽和水蒸気により直接加熱して延伸処理して得られた
ものである上記(1)または(2)項に記載のポリプロ
ピレン系熱圧着不織布、
【0014】(4)ポリプロピレン系繊維を熱ロールに
て157〜169℃の温度で熱圧着加工してなる上記
(1)、(2)または(3)項に記載のポリプロピレン
系熱圧着不織布、(5)目付重量が20〜120g/m
2の範囲にある上記(1)ないし(4)項のいずれか1
項に記載のポリプロピレン系熱圧着不織布、および
(6)キシレン、トルエンまたはモノクロルベンゼン中
に、液温100℃、浸漬時間15分の条件で浸漬して
も、実質上溶解および収縮変形が起こらず、不織布形態
を維持し得る耐薬品性を有する上記(1)ないし(5)
項のいずれか1項に記載のポリプロピレン系熱圧着不織
布、を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系熱圧着
不織布においては、アイソタクチックポリプロピレンか
らなるポリプロピレン系繊維が用いられる。このポリプ
ロピレン系繊維は、引張り強さが8.8cN/dTex
以上で、ヤング率が5880N/mm 2以上であり、か
つ偏光下、クロスニコルの状態で観察した際に繊維内部
が暗部として視認されると共に、該暗部を横断するよう
にして繊維径方向に伸びている線状の明部が断続的に視
認される構造を有している。
【0016】当該ポリプロピレン系繊維は、偏光下、ク
ロスニコルの状態で観察した際に、繊維内部が暗部とし
て視認されるが、この暗部は、一様な暗さを呈するもの
ではなく、周囲よりも一段と暗い線状部分が繊維軸方向
に幾本も認められるものである。そして、当該暗部は、
繊維の内部構造が変化した領域(以下、この領域を「構
造変化領域」という。)であると推察される。
【0017】なお、合成繊維を偏光下、クロスニコルの
状態で観察すると、多くの場合においては、繊維外周部
が連続した明部として視認される。したがって、本明細
書でいう「繊維内部」(偏光下、クロスニコルの状態で
観察した際の「繊維内部」)とは、偏光下、クロスニコ
ルの状態で観察した際に「連続した明部として視認され
る繊維外周部」を除いた領域を意味する。
【0018】当該ポリプロピレン系繊維における上記の
構造変化領域(暗部)は、繊維軸方向の全域に亘って連
続的に視認されるものではなく、当該構造変化領域を横
断するようにして繊維径方向に伸びている線状の明部が
断続的に視認される。そして、前記線状の明部は、その
全てが上記の構造変化領域を繊維径方向に完全に横断し
ているように視認されるというものではなく、例えば図
1に示すように、1本のポリプロピレン系繊維1におい
ても、構造変化領域2を繊維径方向に完全に横断してい
るように視認されるもの3aや、構造変化領域2を繊維
径方向の一方の端からその途中までしか横断していない
ように視認されるもの3b、あるいは、構造変化領域2
内を繊維径方向に部分的にしか横断していないように視
認されるもの3c等、種々の形態のものが視認される。
なお、図1中の符号4は連続した明部として視認される
繊維外周部を示している。
【0019】したがって、本明細書でいう「暗部(構造
変化領域)を横断するようにして繊維径方向に伸びてい
る線状の明部が断続的に視認される」とは、(a) 暗部
(構造変化領域)を完全に横断するようにして繊維径方
向に伸びている線状の明部、(b) 暗部(構造変化領域)
を繊維径方向の一方の端からその途中までしか横断して
いないような線状の明部、または(c) 暗部(構造変化領
域)内を繊維径方向に部分的にしか横断していないよう
な線状の明部、が視認されることを意味する。
【0020】また、当該ポリプロピレン系繊維を偏光
下、クロスニコルの状態で観察した際に暗部として視認
される繊維内部の全長をSとし、繊維長をLとした場合
に、前記の繊維長Lに占める前記暗部として視認される
繊維内部の全長Sの百分率(S/L)×100(%)
(以下、この百分率を「構造変化領域の長さ分率fc」
という。)を60%以上とすれば、繊維強度が概ね8.
8cN/dTex以上でヤング率が概ね5880N/m
2以上のものが得られる。
【0021】ここで、本明細書でいう上記構造変化領域
の長さ分率fcとは、以下のようにして求めたものを意
味する。まず、偏光下、クロスニコルの状態で上記のポ
リプロピレン系繊維を顕微鏡観察し、当該ポリプロピレ
ン系繊維から計40箇所の測定箇所を任意に抽出して、
それぞれの測定箇所の拡大顕微鏡写真を撮影する。この
際、測定箇所1箇所当たりの繊維長は0.25mm以上
とする。
【0022】次に、測定箇所の写真毎に、図2(a)に
示すように、構造変化領域2を横断するようにして繊維
径方向に伸びている線状の明部3a,3bまたは3c全
てについて、その繊維軸方向の最大幅に相当する領域A
1,A2,A3,…Anを暗部2の繊維径方向に沿って画定
する。そして、これらの領域A1,A2,A3…Anに隣接
している暗部2の繊維軸方向の長さL1,L2,L3
4,…LNを測定する。
【0023】また、図2(b)に示すように、前記の領
域A1 ,A2 ,A3 ,…Anそれぞれについて、繊維径
方向に沿って10箇所の計測点を等間隔で設定して各計
測点における暗部2の繊維軸方向の長さl1 ,l2 ,l
3 ,…l10を測定し、これらの平均値をとる。そして、
前記の平均値をもって各領域A1 ,A2,A3,…An
おける暗部2の長さLA1,LA2,LA3,…LAnとする。
【0024】この後、前記の長さL1,L2,L3,L4
…LNおよび前記の長さLA1,LA2,LA3,…LAnの総
和を測定箇所毎に求め、この値を各測定箇所(全40箇
所)における暗部2の全長とみなして測定箇所毎に測定
全長(測定箇所の繊維長)に占める暗部2の全長の長さ
分率を求め、これら40箇所の平均値をとることによっ
て、繊維長Lに占める暗部(構造変化領域)の全長Sの
百分率、すなわち「構造変化領域の長さ分率fc」とす
る。なお、図2(a)〜図2(b)に示した各部のうち
で図1に示したものと共通するものについては、図1と
同じ符号を付してある。
【0025】当該ポリプロピレン系繊維の引張り強さ
は、8.8cN/dTex以上、好ましくは9.2cN
/dTex以上、より好ましくは9.6cN/dTex
以上である。その上限については特に制限はないが、一
般的には15.9cN/dTex以下である。また、ヤ
ング率は、5880N/mm2以上、好ましくは686
0N/mm2以上、より好ましくは7840N/mm2
上である。その上限については特に制限はないが、一般
的には17640N/mm2以下である。さらに、12
0℃における熱収縮率は5%未満が好ましく、140℃
における熱収縮率は8%未満が好ましい。
【0026】このような性状を有するポリプロピレン系
繊維を用いることで、不織布を製造する際に高い熱ロー
ル温度で製造しても、熱接合点以外のポリプロピレン系
繊維が熱の影響を受け難く、風合いと不織布強力が両立
した熱圧着不織布が得られる。
【0027】さらに、当該ポリプロピレン系繊維を用い
た不織布は、キシレン、トルエン、またはモノクロルベ
ンゼンの芳香族有機溶剤に対し、該有機溶剤の液温10
0℃、浸漬時間15分の条件の下に浸漬しても、実質上
溶解、収縮変形せずに不織布形態を維持し得る耐薬品性
を有している。前記ポリプロピレン系繊維は、アイソタ
クチックポリプロピレンからなる未延伸糸に、後述の延
伸処理を十分に施すことにより、得ることができる。
【0028】一方、従来十分に延伸処理がなされた一般
的なポリプロピレン系繊維は、不織布を製造する際に高
い熱ロール温度で製造すると、熱接合点以外のポリプロ
ピレン系繊維が熱の影響を受けて、熱収縮が顕著であり
不織布の風合いを悪化させる。これはポリプロピレン系
繊維自体の熱収縮率が、120℃において5%以上、1
40℃において8%以上有するためである。
【0029】また、従来の十分に延伸処理がなされた一
般的なポリプロピレン系繊維を用いた不織布は、前記の
芳香族有機溶剤に対する耐薬品性に劣り、該芳香族有機
溶剤が使用される分野には使用が不可能である。
【0030】本発明において用いられるアイソタクチッ
クポリプロピレンとしては、アイソタクチックペンタッ
ド分率(IPF)が、好ましくは85%以上、より好ま
しくは90%以上のものが有利である。また、分子量分
布の指標であるQ値(重量平均分子量/数平均分子量M
w/Mn比)は5未満、メルトインデックスMI(温度
230℃、荷重21.18N)は1〜50g/10分の
範囲が好ましい。上記IPFが85%未満では立体規則
性が不充分で結晶性が低く、得られる延伸繊維における
強度などの物性に劣る。
【0031】なお、アイソタクチックペンタッド分率
(IPF)(一般にmmmm分率ともいわれる)は、任
意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−
炭素結合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル
基がいずれも同方向に位置する立体構造の割合を示すも
のであって、同位体炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−
NMR)にけるPmmmm(プロピレン単位が5個連続して
アイソタクチック結合した部位における第3単位目のメ
チル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単
位の全メチル基に由来する吸収強度)から、式 IPF(%)=(Pmmmm/Pw)×100 によって求めることができる。
【0032】また、このアイソタクチックポリプロピレ
ンは、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレンとα−オレフィン(例えばエチレン、ブテン−1
など)との共重合体であってもよい。
【0033】このアイソタクチックポリプロピレンから
なる未延伸糸を以下に示すように加圧飽和水蒸気中で延
伸処理することにより、前記の性状を有し、本発明の不
織布に用いられるポリプロピレン系繊維を得ることがで
きる。この延伸処理においては、両端が加圧水でシール
された容器内に延伸媒体としての加圧飽和水蒸気が入れ
られている延伸槽を用い、前述のアイソタクチックポリ
プロピレンからなる被延伸糸を延伸処理するが、この加
圧飽和水蒸気中での延伸処理を行う前に、所望により予
備延伸処理を行ってもよい。
【0034】この予備延伸工程においては、続いて行わ
れる本延伸工程における延伸温度よりも低い温度で被延
伸糸の延伸処理が行われる。この予備延伸処理方法とし
ては、例えば一般的に知られている金属加熱ロールや金
属加熱板などを用いた接触加熱延伸、あるいは温水、常
圧〜0.2MPa程度の水蒸気や熱風などの加熱流体、
遠赤外線などの熱線を用いた非接触加熱延伸などの方法
を適用することができる。さらに、本延伸工程で使用す
る高圧蒸気延伸槽と同じシステムにより、本延伸工程に
おける延伸温度よりも低い温度で予備延伸処理すること
も可能である。
【0035】この予備延伸工程における延伸倍率として
は、本延伸処理を含めた全延伸倍率の25〜90%の範
囲が適しており、予備延伸装置のシステム、延伸状態な
どによって、延伸条件を適宜選択すればよい。特に、予
備延伸処理を1段で行ったのち、本延伸処理を行う2段
階延伸の場合、予備延伸倍率は、全延伸倍率の25〜8
5%の範囲が好ましく、さらに35〜80%の範囲が好
ましい。また、該予備延伸処理は1段階で行ってもよい
し、2段以上の多段階で行なってもよく、多段階で行う
場合には、延伸温度を一定とし、予備延伸倍率を多段階
にする方法や、延伸温度に勾配を与えながら、延伸倍率
を多段階にする方法を用いることができる。
【0036】一方、本延伸工程は、アイソタクチックポ
リプロピレンからなる被延伸糸または前述の予備延伸工
程で得られた予備延伸処理物(以下、これらを被本延伸
処理物と称す。)を、加圧飽和水蒸気により直接加熱し
て、本延伸処理する工程である。
【0037】ここで、本延伸処理するには、例えば下記
の装置を用い、被本延伸処理物を延伸処理する方法を採
用することができる。すなわち、延伸装置として、被本
延伸処理物を導入するための被本延伸処理物導入孔と本
延伸処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し孔を
有する気密性容器からなり、かつ絶対圧が好ましくは
(150kPa)0.2MPa以上の加圧飽和水蒸気を
充填した延伸槽が用いられる。この延伸槽においては、
被本延伸処理物導入孔および本延伸処理物引き出し孔に
は、それぞれ延伸槽内の加圧水蒸気が洩出するのを防止
するために、加圧水を利用した漏出防止機構が設けられ
ている。
【0038】まず、被本延伸処理物を、被本延伸処理物
導入孔に設けられた漏出防止機構における加圧水中に導
き、該被本延伸処理物の表面に水分を付着させたのち、
これを被本延伸処理物導入孔から延伸槽内に導き、本延
伸処理する。この際、被本延伸処理物がこの加圧水中を
通過するのに要する時間は、概ね0.1秒以上とするの
が有利である。本延伸処理は1段階で行ってもよいし、
2段以上の多段で行ってもよい。
【0039】本延伸処理物は、本延伸処理物引き出し孔
から引き出されて、該引き出し孔に設けられた漏出防止
機構における加圧水中に導かれ、速やかに冷却される。
この際、本延伸処理物が水中を通過するのに要する時間
は、概ね0.2秒以上とするのが有利である。
【0040】上記本延伸処理には、通常絶対圧150k
Pa以上、好ましくは0.2MPa以上の加圧飽和水蒸
気(温度約110以上、好ましくは120℃以上)が用
いられる。この加圧飽和水蒸気の絶対圧が150kPa
未満では、延伸温度が約110℃未満と低いので、高倍
率延伸および高速延伸を行うことが困難となり、実用的
でない。また、加圧飽和水蒸気の圧は、アイソタクチッ
クポリプロピレンが軟化しない範囲であれば、高い方が
基本的には好ましいが、あまり高すぎると延伸装置の設
備費が高くつき、経済的に不利となる。延伸倍率、延伸
速度および経済性などを考慮すると、この加圧飽和水蒸
気の好ましい絶対圧は、温度が115〜180℃程度、
好ましくは120〜170℃、より好ましくは130℃
〜170℃の範囲になるような値である。
【0041】本延伸倍率は、被本延伸処理物の繊度に応
じて適宜選定されるが、通常全延伸倍率が4.0〜2
0.0倍、好ましくは5.5〜15.0倍になるように
選定される。また、本延伸速度は、一般に50〜500
m/分程度である。
【0042】前記本延伸処理に用いられる延伸装置の具
体例としては、以下に示す構造のものを挙げることがで
きる。すなわち、被本延伸処理物を導入するための被本
延伸処理物導入孔と本延伸処理物を引き出すための本延
伸処理物引き出し孔を有する気密性容器からなり、かつ
延伸媒体として加圧飽和水蒸気が充填されている延伸槽
部と、当該延伸槽部における上記被本延伸処理物導入孔
側に密接配置されている第1の加圧水槽部と、前記の延
伸槽部における本延伸処理物引き出し孔側に密接配置さ
れている第2の加圧水槽部と、前記第1の加圧水槽部の
外側から当該第1の加圧水槽部内,前記の被本延伸処理
物導入孔,前記の延伸槽部内,前記の本延伸処理物引き
出し孔および前記第2の加圧水槽部内を経由して前記第
2の加圧水槽の外へ本延伸処理物を導くことができるよ
うに前記第1の加圧水槽部および前記第2の加圧水槽部
それぞれに形成されている透孔と、前記第1の加圧水槽
部内に被本延伸処理物を送り込むための被本延伸処理物
送出機構と、この送出機構による被本延伸処理物の送り
込み速度よりも高速で前記第2の加圧水槽部から本延伸
処理物を引き出すための本延伸処理物引き出し機構とを
有している延伸装置が挙げられる。
【0043】上記の延伸槽部は、所望の絶対圧(好まし
くは、150kPa以上、より好ましくは0.2MPa
以上)を有する加圧飽和水蒸気を延伸媒体として使用し
得るだけの気密性および強度を有し、かつ、所望の大き
さ(長さ)を確保できるものであればよい。
【0044】また、上記第1の加圧水槽部は、延伸槽部
に形成されている被本延伸処理物導入孔から加圧飽和水
蒸気が延伸槽部の外に漏出するのを防止するためのもの
であると同時に、被本延伸処理物を加圧水中に導いて当
該被本延伸処理物の表面に水分を付着させるためのもの
であり、当該第1の加圧水槽部には延伸槽部内の加圧飽
和水蒸気と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水
が貯留される。一方、上記第2の加圧水槽部は、前記の
本延伸処理物引き出し孔から加圧飽和水蒸気が延伸槽部
の外に漏出するのを防止するためのものであると同時
に、本延伸処理物引き出し孔から引き出された本延伸処
理物を加圧水中に導いて冷却するためのものであり、当
該第2の加圧水槽部内にも延伸槽部内の加圧飽和水蒸気
と同等乃至は僅かに高い絶対圧を有する加圧水が貯留さ
れる。これら第1の加圧水槽部および第2の加圧水槽部
は、それぞれ延伸槽部の外側に配置されている。
【0045】延伸槽部,第1の加圧水槽部および第2の
加圧水槽部は、それぞれ別個に形成されたものをこれら
が所定の関係となるように密接配置したものであっても
よいし、単一の容器または筒体を所定間隔で仕切ること
によって形成されたものであってもよい。また、延伸槽
部と第1の加圧水槽部とは、これらの間の隔壁を共有す
るものであってもよい。同様に、延伸槽部と第2の加圧
水槽部とは、これらの間の隔壁を共有するものであって
もよい。
【0046】被本延伸処理物は、第1の加圧水槽部の外
側から当該第1の加圧水槽部内を経由して上記の被本延
伸処理物導入孔から延伸槽部内に入る。したがって、第
1の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、被本延伸処理
物を第1の加圧水槽部内に引き込むための透孔(以下
「透孔A」という。)および被本延伸処理物を第1の加
圧水槽部から引き出すための透孔(以下「透孔B」とい
う。)が設けられている。
【0047】同様に、延伸槽部内に送り込まれた被本延
伸処理物が延伸されたことによって生じた本延伸処理物
は、延伸槽部に設けられている上記の本延伸処理物引き
出し孔から第2の加圧水槽部内を経由して当該第2の加
圧水槽部の外へ引き出されなければならないので、第2
の加圧水槽部の容器壁の所望箇所には、前記の本延伸処
理物を延伸槽部内から第2の加圧水槽部内に引き込むた
めの透孔(以下「透孔C」という。)および前記の本延
伸処理物を第2の加圧水槽部内から引き出すための透孔
(以下「透孔D」という。)が設けられている。
【0048】上記の被本延伸処理物導入孔,本延伸処理
物引き出し孔,透孔A,B,C,D、特に透孔B,C
は、これらの孔を被本延伸処理物または本延伸処理物が
通過する際に当該被本延伸処理物または本延伸処理物と
容器壁との接触が起こらないように形成されていると共
に配置されていることが好ましく、また、これらの孔か
ら延伸槽部内の加圧飽和水蒸気ができるだけ噴出しない
ように設計されていることが好ましい。
【0049】上記の延伸装置を構成している被本延伸処
理物送出機構は、被本延伸処理物を第1の加圧水槽部内
へ一定の速度で送り込むためのものであり、この送出機
構は第1の加圧水槽部の外側に設けられている。また、
本延伸処理物引き出し機構は、第2の加圧水槽部を経由
してきた本延伸処理物を被本延伸処理物送出機構による
被本延伸処理物の送り込み速度より高速で第2の加圧水
槽部から一定の速度の下に引き出すためのものであり、
これによって、主として延伸槽部内で被本延伸処理物が
延伸される。当該本延伸処理物引き出し機構は第2の加
圧水槽部の外側に設けられている。
【0050】被本延伸処理物送出機構による被本延伸処
理物の送り込み速度と本延伸処理物引き出し機構による
本延伸処理物の引き出し速度とは、所望の生産速度の下
に所定の延伸倍率の本延伸処理物が得られるように適宜
選択される。被本延伸処理物送出機構および本延伸処理
物引き出し機構としては、従来延伸処理に使用されてい
る各種のローラを用いることができる。
【0051】なお、上述した延伸装置を構成している第
1の加圧水槽部に形成されている前記の透孔Aから当該
第1の加圧水槽部内の加圧水が漏出することを抑制する
うえからは、透孔Aを水没させることによって当該透孔
Aからの漏水を緩和させる緩衝水槽部を第1の加圧水槽
部の外側に設けることが好ましい。同様に、第2の加圧
水槽部に形成されている前記の透孔Dから当該第2の加
圧水槽部内の加圧水が漏出することを抑制するうえから
は、透孔Dを水没させることによって当該透孔Dからの
漏水を緩和させる緩衝水槽部を第2の加圧水槽部の外側
に設けることが好ましい。このようにして、前述の性状
を有する所望のポリプロピレン系繊維が得られる。
【0052】本発明のポリプロピレン系熱圧着不織布
は、このポリプロピレン系繊維を熱圧着加工することに
より製造される。熱圧着加工による不織布の製造方法と
しては特に制限はなく、従来熱圧着加工による不織布の
製造において慣用されている方法を用いることができ
る。例えば当該ポリプロピレン系繊維を、ローラーカー
ド機にてカーディングして所望の目付重量のウエッブを
作製したのち、エンボスロールなどの熱ロールにて熱圧
着することにより、ポリプロピレン系熱圧着不織布が得
られる。
【0053】この際、目付重量としては、20〜120
g/m2の範囲が好ましい。この目付重量が20g/m2
未満では目付斑が生じやすく、低目付部において不織布
強力が低下し、一方120g/m2を超えると熱圧着部
の接着状態が厚み方向に均一でなくなり、内部の接着状
態が不十分となる。より好ましい目付重量は、30〜1
00g/m2の範囲である。また、熱ロールによる熱圧
着温度は、157〜169℃の範囲が好ましい。熱圧着
温度が上記範囲にあると、不織布強力と熱収縮のバラン
スが良好な不織布が得られる。
【0054】このようにして得られた不織布において
は、面積収縮率が通常(10)5〜30%の範囲にあ
り、かつCD方向の不織布強力が、通常4.9N/5c
m幅以上、好ましくは6.9N/5cm幅以上である。
面積収縮率が(10)5%未満では接着強力が不十分で
あるし、30%を超えるとしわの発生が目立つ上、繊維
の溶融が著しい。
【0055】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0056】なお、諸特性は以下に示す方法に従って測
定した。 (1)繊度(振動法)、繊維強度、ヤング率、伸度およ
び120℃熱収縮率それぞれJIS L1015に準じ
て測定した。 (2)140℃熱収縮率 温度を140℃に変えた以外は、上記(1)の120℃
熱収縮率と同様にして測定した。
【0057】(3)繊維の構造変化領域の有無 偏光下、クロスニコルの状態で観察した際に繊維内部が
暗部として視認されるとともに該暗部を横断するように
して繊維径方向に伸びている線状の明部が断続的に視認
されるポリプロピレン繊維であるかどうかを判断した。
また、この構造変化領域の長さ分率fcは、明細書本文
に記載した方法に従って求めた。
【0058】(4)不織布強力 目付量40g/m2の不織布より、CD強力は、幅50
mm、長さ100mmのサンプルを切り出し、この試料
についてチャック間隔60mm、引張り速度40mm/
minの条件で測定した。MD強力は、得られた不織布
から幅50mm、長さ140mmのサンプルを切り出
し、このサンプルについて、チャック間隔100mm、
引張り速度40mm/minの条件で測定した。
【0059】(5)耐薬品性 不織布試料を縦方向14cm、横方向5cmに切り出
し、液温を100℃に保った所定の芳香族有機溶剤、す
なわちキシレン、トルエン、モノクロルベンゼンに試料
を15分間浸漬した後にその形態を目視により観察する
とともに不織布強力、および浸漬処理時の溶出による重
量減少率を求めた。
【0060】(6)接着時ウエッブ面積収縮率 繊維をローラーカード機にて10m/分の速度でカーデ
ィングして得られたウエッブを準備し、縦方向と横方向
の寸法を測定して接着前面積を求めた。続いて、ウエッ
ブを10m/分の速度で接着面積率20%のエンボスロ
ールで不織布に加工した。得られた不織布の縦方向と横
方向の寸法を測定して接着後面積を求め、接着時ウエッ
ブ面積収縮率を計算した。 (接着時ウエッブ面積収縮率)(%)=(接着前面積−接
着後面積)/(接着前面積)×100
【0061】実施例1 繊度2.8dTex、カット長51mmのアイソタクチ
ックポリプロピレン製ステープル繊維を用いて、熱圧着
不織布を作製した。上記繊維は、強度9.7cN/dT
ex、伸度18%、ヤング率8483N/mm2の物性
を有し、繊維の構造変化領域として、偏光下、クロスニ
コルの状態で観察した際に繊維内部が暗部として視認さ
れるとともに該暗部を横断するようにして繊維径方向に
伸びている線状の明部が断続的に視認される構造を有し
ている。
【0062】繊維をローラーカード機にて10m/分の
速度でカーディングし、目付重量40g/m2のウエッ
ブとした。続いて同一速度でウエッブを接着面積率20
%のエンボスロールで不織布に加工した。この得られた
不織布より所定の試験片を作製し、不織布強力、耐薬品
性の評価を行なった。繊維物性を表1に、不織布に関す
る諸特性を表2および表3に示す。また、図3にトルエ
ン処理後の写真図を示す。
【0063】実施例2 繊度5.6dTex、カット長51mmのアイソタクチ
ックポリプロピレン製ステープル繊維を用いて、熱圧着
不織布を作製した。上記繊維は、強度9.4cN/dT
ex、伸度19%、ヤング率7649N/mm2の物性
を有し、繊維の構造変化領域として、偏光下、クロスニ
コルの状態で観察した際に繊維内部が暗部として視認さ
れるとともに該暗部を横断するようにして繊維径方向に
伸びている線状の明部が断続的に視認される構造を有し
ている。この繊維を用い、実施例1と同様にして不織布
に加工し、不織布強力、耐薬品性の評価を行なった。繊
維物性を表1に、不織布に関する諸特性を表2および表
3に示す。
【0064】比較例1 繊度3.3dTex、カット長51mmの一般のポリプ
ロピレン製ステープル繊維を用いて、熱圧着不織布を作
製した。上記繊維は、強度4.2cN/dTex、伸度
66%、ヤング率1667N/mm2の物性を有し、繊
維の構造変化領域として、偏光下、クロスニコルの状態
で観察した際に繊維内部が暗部として視認されるととも
に該暗部を横断するようにして繊維径方向に伸びている
線状の明部が断続的に視認される構造を有していない。
この繊維を用い、実施例1と同様にして不織布に加工
し、不織布強力、耐薬品性の評価を行なった。繊維物性
を表1に、不織布に関する諸特性を表2および表3に示
す。また、図4に、トルエン処理後の不織布の写真図を
示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、従来のポリプロピレン
系不織布に比べて、キシレン、トルエンまたはモノクロ
ルベンゼンの芳香族有機溶剤に対して、該有機溶剤の液
温100℃、浸漬時間15分の条件の下に浸漬しても、
実質上溶解、収縮変形せずに不織布形態を維持し得る耐
薬品性を有している不織布を提供することができる。本
発明のポリプロピレン系熱圧着不織布は、前記の芳香族
有機溶剤などが使用される産業分野におけるろ過材料や
吸着材料などとして好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるポリプロピレン系繊維の構造を
説明するための該繊維の模式図である。
【図2】本発明で用いるポリプロピレン系繊維における
構造変化領域の長さ分率fcの測定方法を説明するため
の該繊維の模式図である。
【図3】実施例1で得られた不織布のトルエン処理後の
写真図である。
【図4】比較例1で得られた不織布のトルエン処理後の
写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手塚 康一 大阪府大阪市中央区高麗橋4−2−7 宇 部日東化成株式会社内 Fターム(参考) 4L047 AA14 BA08 CB10 CC03 CC12 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイソタクチックポリプロピレンからな
    り、引張り強さ8.8cN/dTex以上、ヤング率5
    880N/mm2以上であり、かつ偏光下、クロスニコ
    ルの状態で観察した際に繊維内部が暗部として視認され
    ると共に、該暗部を横断するようにして繊維径方向に伸
    びている線状の明部が断続的に視認されるポリプロピレ
    ン系繊維を熱圧着加工して得られたことを特徴とするポ
    リプロピレン系熱圧着不織布。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系繊維が、120℃にお
    ける熱収縮率が5%未満で、140℃における熱収縮率
    が8%未満のものである請求項1に記載のポリプロピレ
    ン系熱圧着不織布。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系繊維が、加圧飽和水蒸
    気により直接加熱して延伸処理して得られたものである
    請求項1または2に記載のポリプロピレン系熱圧着不織
    布。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系繊維を熱ロールにて1
    57〜169℃の温度で熱圧着加工してなる請求項1、
    2または3に記載のポリプロピレン系熱圧着不織布。
  5. 【請求項5】 目付重量が20〜120g/m2の範囲
    にある請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリプ
    ロピレン系熱圧着不織布。
  6. 【請求項6】 キシレン、トルエンまたはモノクロルベ
    ンゼン中に、液温100℃、浸漬時間15分の条件で浸
    漬しても、実質上溶解および収縮変形が起こらず、不織
    布形態を維持し得る耐薬品性を有する請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載のポリプロピレン系熱圧着不織
    布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009127159A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Kuraray Co Ltd ポリプロピレン繊維製のシート状繊維構造体
CN103459695A (zh) * 2011-04-06 2013-12-18 旭化成纤维株式会社 热稳定性、柔软性优异的无纺布

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JP2009127159A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Kuraray Co Ltd ポリプロピレン繊維製のシート状繊維構造体
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