JP4634620B2 - 空気入りタイヤの装着方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏摩耗性能を向上できる空気入りタイヤの装着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のタイヤでは、偏摩耗性能を向上させようとしてトレッドゴムを変えると、ウエット性能の低下や転がり抵抗の増大を招く等の欠点を有することが多かった。
【0003】
また、リブ角度を中心に向かって赤道線に対して左右対称に傾ける手法も用いられてきたが、市街地や山間部のように、進行方向右側、左側からほぼ均等に横方向の力が作用する場合には有効であるが、高速道路のように直進主体で大きな横方向の力が作用しない場合には、接地面全体として大きな偏摩耗改良効果を生み出すことはできなかった。また、横力が車両に対して常に一方向(片側)から作用するような場合には、接地面の片側半分では効果があるが、逆側半分では悪化してしまう問題があった。
【0004】
また、図10に示すように、一様にタイヤ100のリブ溝102を傾ける方法(特開平3−295706号公報)あるが、これは装着外側からの転舵時の大きな横力を想定したものであり、車両装着時に左右輪で進行方向に対して互いに逆向きに傾くため、路面の傾斜等による微小な横力が車両に対して一方向(片側)から作用するような場合には十分に効果を発揮できなかったり、片側輪では効果を発揮できても、もう一方の車輪では悪化してしまう問題があった。
【0005】
更にリブ角度を傾ける際に、横方向の力が作用する側のリブ側壁がトレッド表面と成す角度を大きく設定しすぎて、トレッドの剛性が著しく低下して操縦安定性が悪化するという問題が見られた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記事実を考慮し、トレッド表面とリブの側壁との成す角度を所定の関係にすることにより、直進を主体とした走行条件下での偏摩耗性能を向上することができる空気入りタイヤの装着方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θR<190°−θL………(A)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0008】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0009】
発明者らが各市場での偏摩耗形態を観察した結果、高速道路の様に直進主体の路線では、タイヤ(特に操舵輪の場合)の偏摩耗は、車両の設定(アライメント)と路面の傾斜(カント)に支配されることがわかった。
【0010】
特に、カントについては、左側通行の場合には左下がりに、右側通行の場合には右下がりに傾斜しているのが一般的である。車線が複数ある場合には、追い越し車線が逆向きの傾斜になる場合もあるが、重荷重用タイヤを用いる車両の多くは、走行車線(左側通行の場合には1番左側、右側通行の場合には一番右側)での走行が主であるので、この状態を想定した入力を考えるのが最も効果的である。
【0011】
傾斜した路面上を車両が走行すると、車両に作用する重力が車両の鉛直線からずれるため、見かけ上車両には傾斜下向きの横力が作用することになる。車両が直進するためには、車両に作用するこの傾斜下向きの横力に抗して、傾斜上向きの横力をタイヤに発生させる必要がある。そのため、運転者は半ば無意識のうちに少しだけ傾斜上向きに転舵した状態で走行しているのである。従って、タイヤには直進しているにも拘わらず、傾斜上向きの横力が常に作用しているのである。したがって、タイヤの接地面内の各リブには、左側通行の場合には進行方向に対して右向きに、右側通行の場合には進行方向に対して左向きに横力が作用するので、リブ内にはせん断力の幅方向不均一が生じる。通常は横力が入る側、即ち左側通行の場合には直進方向に対して左側エッヂの摩耗がリブ内で最も多くなり、リブ内テーパー摩耗やリバーウエアの核となる。また、右側通行の場合は、これと逆になる。
【0012】
このように横力が入る側のエッヂの摩耗が多くなる原因は、横力による接地圧の上昇である。通常重荷重用タイヤのリブは、リブ高さ(溝深さ)に対してせいぜい2〜3倍程度のリブ幅しかないため、リブの幅方向せん断+曲げ剛性は小さく、曲げ変形し易い。そのため横力が作用すると、横力の出側が浮き上がってしまい出側の接地圧が低下してしまうため、その分横力の入り側の接地圧が上昇してしまう。
【0013】
横力の入り側での接地圧の上昇を抑制するためには、曲げ変形に伴なうリブエッヂの浮き上がりや倒れ込みを抑制することが最も効果的である。
【0014】
そこで、本発明では、複数のリブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θRを満足することにより、横力の入り側エッヂの倒れ込みと横力出側の浮き上がりを抑制でき、入り側エッヂの接地圧の上昇を抑制することができる。この結果、横力が入る側のエッヂの偏摩耗を軽減できる。なお、本発明の空気入りタイヤは、右側通行の路線で使用する場合に効果がある。
【0015】
ここで、本発明では、右側通行の場合は右側からの、左側通行の場合は左側からの路面全体、若しくはリブ内のテーパー摩耗や、リバーウエア、エッヂウエア等の幅方向不均一摩耗全般に効果的である。
【0016】
一方、θR≧190°−θLとすると、リブの断面積が減少し、リブ全体のせん断+曲げ剛性が低下してしまうので、却ってリブの倒れ込み変形が大きくなることもあり好ましくない。
【0017】
したがって、(A)式のように、θL<θR<190°−θLを満足することが必要である。
【0018】
なお、右側通行する車両に用いる本発明の空気入りタイヤでは、通常横力入り側のリブ、すなわち右側ショルダーリブ、右側セカンドリブ、センターリブの偏摩耗が顕著であるので、少なくとも右側セカンドリブ及びセンターリブの2つのリブの形状を上式(A)を満足するように設定することが好ましい。
【0019】
請求項2に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSL<100°………(B)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0020】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0021】
進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSLを満足することが好ましい。
【0022】
本発明の空気入りタイヤは右側通行の路線で使用する空気入りタイヤなので、θSR<θSLを満足することにより、横力が入力する右側ショルダーリブの断面積及び曲げ剛性を大きくでき、右側ショルダーリブの倒れ込み変形を防止できる。このため、横力が入力する側のリブの接地圧の上昇と、横力の出側エッヂの浮き上がりを抑制でき、偏摩耗を軽減できる。
【0023】
なお、本発明の空気入りタイヤでも、右側通行の路線に使用する場合に効果がある。
【0024】
一方、θSR、θSLが共に100°以上になると、ショルダーリブの断面積が減少し、ショルダーリブ全体のせん断+曲げ剛性が低下してしまうので、却ってショルダーリブの倒れ込み変形が大きくなることもあり好ましくない。したがって、θSR<θSL<100°を満足することが必要である。
【0025】
請求項3に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θR<190°−θL………(A)を満足し、かつ、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSL<100°………(B)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0026】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0027】
本発明の空気入りタイヤでは、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θR<190°−θL………(A)を満足し、かつ、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSL<100°………(B)を満足するようにしたものである。
【0028】
上記構成とすることにより、本発明の空気入りタイヤを右側通行の路線で使用すると、より確実に横力が入る側のエッヂ摩耗を軽減することができる。
【0029】
請求項4に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θR<θL<190°−θR………(C)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0030】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0031】
請求項1乃至3に記載した空気入りタイヤは、右側通行の路線で使用する場合に効果があるタイヤである。
【0032】
本発明の空気入りタイヤは、左側通行の路線で使用する場合に効果があるタイヤである。左側通行の路線で使用する場合では、右側通行の路線と路面カントの向きが逆となり、それに伴なう横力の向きも左側から作用するため、右側通行の路線で使用する場合とは設定を逆にする必要がある。
【0033】
すなわち、リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θR<θL<190°−θR………(C)を満足することが必要となる。
【0034】
本発明の空気入りタイヤによれば、左側通行の路線で使用する場合において、横力が入る側のエッヂの偏摩耗を軽減することができる。
【0035】
請求項5に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSL<θSR<100°………(D)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0036】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0037】
本発明の空気入りタイヤは、左側通行の路線で使用する場合に効果があるように設定したものである。
【0038】
本発明の空気入りタイヤによれば、左側通行の路線で使用する場合において、横力が入力する側のリブの接地圧の上昇を抑制でき、偏摩耗を軽減できる。
【0039】
請求項6に記載の空気入りタイヤの装着方法では、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θR<θL<190°−θR………(C)を満足し、かつ、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSL<θSR<100°………(D)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする。
【0040】
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの装着方法の作用効果について説明する。
【0041】
上記構成とすることにより、本発明の空気入りタイヤを左側通行の路線で使用すると、より確実に横力が入る側のエッヂ摩耗を軽減することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤについて説明する。
【0049】
図1(A)、(B)に示すように、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ10(以下、単に「タイヤ10」と略称する。)は、右側通行の路線で使用するタイヤである。
【0050】
タイヤ10は、トレッドゴム12で構成されたトレッド部14を有している。トレッド部14には、タイヤ周方向に4本の周方向溝16が形成されている。
【0051】
この周方向溝16により、タイヤ幅方向の左右両側に位置する左右2つのショルダーリブ18L、18Rと、タイヤ赤道線CL近傍に位置する1つのセンターリブ20と、ショルダーリブ18L、18Rとセンターリブ 20との間に位置する左右2つのセカンドリブ22L、22Rと、が構成されている。
【0052】
なお、タイヤ10の内部構造は、図示しないが、従来の空気入りタイヤの内部構造と同様に、左右1対のビードコアと、このビードコアにトロイド状に跨るカーカスと、カーカスのタイヤ径方向外側に位置するベルト等が設けられている。
【0053】
また、本実施形態では周方向溝16のみが形成されたタイヤ10を説明したが、タイヤ幅方向に延びるラグ溝が形成されていてもよい。
【0054】
ここで、本発明の特徴であるタイヤ10のトレッド部14の構成について詳細に説明する。
【0055】
図1(B)に示すように、セカンドリブ22L、22Rの進行方向右側側壁24L、24R及びセンターリブ20の進行方向右側側壁26とトレッド表面Tとの成す角度をθRとし、セカンドリブ22L、22Rの進行方向左側側壁28L、28R及びセンターリブ20の進行方向左側側壁30とトレッド表面Tとの成す角度をθLとした場合、
θL<θR<190°−θL ………(1)
を満足するように設定されている。
【0056】
また、図1(B)に示すように、進行方向右側のショルダーリブ18Rの内側側壁32とトレッド表面Tとが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブ18Lの内側側壁34とトレッド表面Tとが成す角度をθSLとした場合、
θSR<θSL<100° ………(2)
を満足するように設定されている。
【0057】
このように、本発明のタイヤ10は、回転方向が指定されたタイヤ赤道線CLに対して非対称なトレッドパターンを備えている。
【0058】
次に、本実施形態のタイヤ10の作用及び効果について説明する。
【0059】
本発明のタイヤ10を車両の前輪に装着し右側通行の路線で使用すると、セカンドリブ22L、22Rの進行方向右側側壁24L、24R及びセンターリブ20の進行方向右側側壁26とトレッド表面Tとの成す角度をθRとし、セカンドリブ22L、22Rの進行方向左側側壁28L、28R及びセンターリブ20の進行方向左側側壁30とトレッド表面Tとの成す角度をθLとした場合、上記(1)式を満足することにより、横力の入り側エッヂの倒れ込みと横力出側の浮き上がりを抑制でき、入り側エッヂの接地圧の上昇を抑制することができる。この結果、横力が入る側のエッヂの偏摩耗を軽減できる。
【0060】
逆に、θR≧190°−θLとすると、セカンドリブ22L、22R及びセンターリブ20の断面積が減少し、リブ全体のせん断+曲げ剛性が低下してしまうので、却ってセカンドリブ22L、22R及びセンターリブ20の倒れ込み変形が大きくなることもあり好ましくない。
【0061】
また、進行方向右側のショルダーリブ18R(右側ショルダーリブ)の内側側壁32とトレッド表面Tとが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブ18Lの内側側壁34とトレッド表面Tとが成す角度をθSLとした場合、上記(2)式を満足することにより、横力が入力する右側ショルダーリブ18Rの断面積及び曲げ剛性を大きくでき、右側ショルダーリブ18Rの倒れ込み変形を防止できる。このため、横力が入力する側のショルダーリブ18Rの接地圧の上昇と横力の出側エッヂの浮き上がりを抑制でき、偏摩耗を軽減できる。
【0062】
逆に、θSR、θSLが共に100°以上になると、左右のショルダーリブ18L、18Rの断面積が減少し、ショルダーリブ18L、18R全体のせん断+曲げ剛性が低下してしまうので、却ってショルダーリブ18L、18Rの倒れ込み変形が大きくなることもあり好ましくない。
【0063】
本発明の第2実施形態に係る重荷重用空気入りタイヤについて説明する。
【0064】
なお、第1実施形態のタイヤ10と同様の構成については説明を省略する。
【0065】
本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ50(以下、単に「タイヤ50」と略称する。)は、左側通行の路線で使用するタイヤである。
【0066】
本実施形態のタイヤ50では、図2(A)、(B)に示すように、セカンドリブ52L、52Rの進行方向右側側壁54L、54R及びセンターリブ56の進行方向右側側壁58とトレッド表面Tとの成す角度をθRとし、セカンドリブ52L、52Rの進行方向左側側壁60L、60R及びセンターリブ56の進行方向左側側壁62とトレッド表面Tとの成す角度をθLとした場合、
θR<θL<190°−θR………(3)
を満足するように設定されている。
【0067】
また、図2(B)に示すように、進行方向右側のショルダーリブ64Rの内側側壁とトレッド表面66とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブ64Lの内側側壁68とトレッド表面Tとが成す角度をθSLとした場合、
θSL<θSR<100°………(4)
を満足するように設定されている。
【0068】
本発明のタイヤ50を車両の前輪に装着し左側通行の路線で使用すると、第1実施形のタイヤ10と同様に、横力が入る側のエッヂ摩耗を軽減することができる。
(試験例)
本発明の空気入りタイヤについて摩耗試験を行った。摩耗試験は、タイヤサイズ11R22.5の試験タイヤを7.2×22.5のリムに内圧830KPaで組み付け、実車に装着して行った。
【0069】
ここで、試験条件として、車輌:フロント1軸車、ドライブ2軸車、タイヤの装着位置:フロント輪、前輪荷重:28.01KN、積車、速度:0〜80Km/h、走行距離:50000Km、走行路線:高速道主体の下で行った。
【0070】
また、試験対象のタイヤは、実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4、従来例の各タイヤである。
【0071】
図3に示すように、実施例1のタイヤでは、左右のショルダーリブ18L、18Rのリブ幅WS=30mm、左右のセカンドリブ22L、22R及びセンターリブ20のリブ幅W=25mm、各リブ22L、22R、20の高さを15mmに設定した。また、セカンドリブ22L、22Rの進行方向右側側壁24L、24R及びセンターリブ20の進行方向右側側壁26とトレッド表面Tとの成す角度θR=90°、セカンドリブ22L、22Rの進行方向左側側壁28L、28R及びセンターリブ20の進行方向左側側壁30とトレッド表面Tとの成す角度θL=75°に設定した。さらに、進行方向右側のショルダーリブ18Rの内側側壁32とトレッド表面Tとが成す角度θSR=75°、進行方向左側のショルダーリブ18Lの内側側壁34とトレッド表面Tとが成す角度θSR=90°に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0072】
図4に示すように、実施例2のタイヤでは、ショルダーリブ64L、64R、セカンドリブ52L、52R及びセンターリブ56の寸法は、実施例1のタイヤと同じであるが、θR=75°、θL=90°、θSR=90°、θSL=75°に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、左側通行の路線を走行して試験を行った。
【0073】
図5に示すように、実施例3のタイヤでは、θR=θL=80°に設定し、その他は実施例1のタイヤと同様に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0074】
図6に示すように、比較例1のタイヤでは、θR=110°、θL=90°に設定し、その他は実施例1のタイヤと同様に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0075】
図7に示すように、比較例2のタイヤでは、θSR=90°、θSL=115°に設定し、その他は実施例1のタイヤと同様に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0076】
図3に示すように、比較例3のタイヤでは、実施例1のタイヤと同様の設定にし、本タイヤを車両の前輪に装着し、左側通行の路線を走行して試験を行った。
【0077】
図8に示すように、比較例4のタイヤでは、実施例1のタイヤを周方向溝の傾斜が車両の中心を向くように車両に装着して、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0078】
図9に示すように、従来例のタイヤでは、θR=θL=80°、θSR=θSL=80°に設定した。本タイヤを車両の前輪に装着し、右側通行の路線を走行して試験を行った。
【0079】
摩耗試験の結果は、以下の表1に示すようになった。
【0080】
比較評価では、各リブ内の幅方向の摩耗量差(横力入り側エッヂと出側エッヂとの摩耗量差)を左右輪で平均し、従来例のタイヤを100として指数表示した。したがって、表1中の数値が小さいほど、リブ内の偏摩耗量が小さく、良好であることを意味している。
【0081】
【表1】
【0082】
上記表1に示すように、ショルダーリブに関しては、実施例1乃至3、比較例1のタイヤで従来のタイヤよりも偏摩耗量が少なくなった。
【0083】
また、セカンドリブ及びセンターリブに関しては、実施例1及び2、比較例2のタイヤで従来のタイヤよりも偏摩耗量が少なくなった。
【0084】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤの装着方法によれば、直進を主体とした走行条件下での偏摩耗性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示した図であり、(B)はそのタイヤ幅方向断面図である。
【図2】(A)は本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示した図であり、(B)はそのタイヤ幅方向断面図である。
【図3】実施例1のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図4】実施例2のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図5】実施例3のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図6】比較例1のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図7】比較例2のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図8】比較例4のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図9】従来例のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【図10】従来技術の空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
【符号の説明】
10、50 重荷重用空気入りタイヤ
16 周方向溝
18L、18R ショルダーリブ(リブ)
20 センターリブ(リブ)
22L、22R セカンドリブ(リブ)
56 センターリブ(リブ)
52L、52R セカンドリブ(リブ)
64L、64R ショルダーリブ(リブ)
Claims (6)
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θR<190°−θL………(A)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSL<100°………(B)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θL<θR<190°−θL………(A)を満足し、かつ、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSR<θSL<100°………(B)を満足する空気入りタイヤを、右側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θR<θL<190°−θR………(C)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSL<θSR<100°………(D)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝によって複数のリブが形成された空気入りタイヤであって、前記リブの内、ショルダーリブを除くその他のリブの進行方向右側側壁とトレッド表面との成す角度をθRとし、進行方向左側側壁とトレッド表面との成す角度をθLとした場合、θR<θL<190°−θR………(C)を満足し、かつ、前記リブの内、進行方向右側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSRとし、進行方向左側のショルダーリブの内側側壁とトレッド表面とが成す角度をθSLとした場合、θSL<θSR<100°………(D)を満足する空気入りタイヤを、左側路線を走行する車両の左右輪にそれぞれ装着することを特徴とする空気入りタイヤの装着方法。
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