JP4633014B2 - テープ巻き付け先端工具、テープ巻き付け工具及びこれらを用いたテープ巻き付け方法 - Google Patents

テープ巻き付け先端工具、テープ巻き付け工具及びこれらを用いたテープ巻き付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、間接活線作業において、架空電線や、スリーブで接続された架空電線の接続部に被せられるスリーブカバー等の被覆対象物の外周にテープを巻き付ける際に用いられるテープ巻き付け先端工具、テープ巻き付け工具及びこれらを用いたテープ巻き付け方法に関する。
従来より、架線や縁線等の架空電線(以下、単に「電線」と言うことがある。)が近接する樹木の枝等と接触することで電線の被覆(絶縁層)が劣化し、又は傷付いて内部の銅線(導体)が露出した部分(電線被覆損傷箇所)を被覆する際や、2本の電線をスリーブを介して直線的に接続した電線の接続部に被せられるスリーブカバーが電線に対して相対移動しないように電線へ固定する際に、自己融着性テープや粘着性ポリエチレンテープ等の絶縁テープを前記電線やスリーブカバー等の被覆対象物の外周へ巻き付けて用いる場合がある。
この場合、活線工事(間接活線作業)においては、前記絶縁テープを電線等の被覆対象物に巻き付けるために、図9及び図3に示すような間接活線作業用のテープ巻き付け専用工具(以下、単に「専用工具」と言うことがある。)100や間接活線把持工具50が用いられる。
専用工具100は、電線を固定すると共にその外周に絶縁テープT’を巻き付けるための先端工具部101と、該先端工具部101を所定の位置で固定するための固定軸102及び操作部103での回転操作を先端工具部101に伝動するための回転駆動伝達機構を構成する回転軸104の2軸を備える絶縁棒(いわゆる、二軸回転操作棒)105とで構成されている。
そして、該専用工具100は、先端工具部101に設けられたU字状開口部106に電線を入れ、操作部103を回転操作することで、ロール状の絶縁テープT’を回動(矢印α)可能に保持している回転部材107が電線の外周に沿って回転(矢印β)し、それに伴ってロール状の絶縁テープT’は、中心中空部を中心に回転(矢印α)しつつ電線の外周に沿って回転(矢印β’)、即ち、電線の外周に沿って公転して電線の外周に絶縁テープT’を巻き付けることができる。
また、間接活線把持工具50は、先端側が接離可能な一対のアーム58,59で構成される把持部52と、基端側に把持部52先端側の接離(開閉)操作を行う操作部53が設けられた絶縁棒(主軸)51とで構成されている。
そして、該間接活線把持工具50は、操作部53の操作レバー67を操作(揺動)することで把持部52の先端側でロール状の絶縁テープT’を該テープの幅方向から把持(挟持)し、その状態でロール状の絶縁テープT’を電線の外周に沿って移動させることで、該電線の外周に絶縁テープを巻き付けることができる。
しかし、専用工具100を用いて電線被覆損傷箇所等への絶縁テープの巻き付け(いわゆる、テーピング)を行う場合、先端工具部101が複雑な可動機構を備えることから大型で重く、さらに、二軸回転操作棒105も2軸で構成されているため1軸の絶縁棒と比べて重く、専用工具100は、例えば、間接活線把持工具50のような1軸の間接活線作業用の工具に比べ非常に重い。
そのため、専用工具100を用いた絶縁テープの巻き付け、特に、先端工具部101が大きくて重いため、専用工具100は、先端側が重くなっているので、該専用工具100を水平に維持しつつ縦方向の縁線に絶縁テープを巻き付ける作業には非常に多くの労力が必要となり作業者の疲労が大きいという問題が生じていた。
また、間接活線把持工具50を用いて電線被覆損傷箇所等への絶縁テープの巻き付けを行う場合は、間接活線把持工具50(絶縁棒51)が電線と接触するため、ロール状の絶縁テープを把持した状態で連続的に電線の外周に沿って移動させることができず、一周させる毎に把持したロール状の絶縁テープを一端放し、間接活線把持工具50の位置を変えた後に、再度、ロール状の絶縁テープを把持し直さなければならないため作業の熟練が必要となる。
さらに、複数の電線が近接してる箇所での絶縁テープの巻き付けでは、ロール状の絶縁テープの移動や把持のし直しが行い難く、また、縦方向(地面に対し垂直方向)に配線されている縁線での絶縁テープの巻き付けでは、ロール状の絶縁テープT’を放すと、縁線に沿って垂れ下がった状態(図10参照)となるため、該縁線とロール状の絶縁テープT’とが接近し、把持のし直しが行い難くなるため、さらなる熟練が必要となるという問題が生じていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、作業者の労力を低減でき且つ容易に絶縁テープの巻き付けを行うことができるテープ巻き付け先端工具、テープ巻き付け工具及びこれらを用いたテープ巻き付け方法を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明に係るテープ巻き付け先端工具においては、間接活線把持工具の把持部先端側に着脱自在に取り付け可能なテープ巻き付け先端工具であって、ロール状のテープを保持するための少なくとも一対のテープ保持棒と、前記把持部先端側の接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記把持部先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するよう、前記一対のテープ保持棒をそれぞれ前記把持部の各先端側に着脱自在に取り付け可能な接続部とを備えることを特徴とし、本発明に係るテープ巻き付け工具においては、絶縁操作棒の先端部にロール状のテープを保持するためのテープ保持部が設けられると共に基端側に前記テープ保持部を操作する操作部が設けられるテープ巻き付け工具であって、前記テープ保持部は、前記操作部の操作に伴って先端側が接離方向に変位する一対のアームと、該一対のアームの各先端部に、その接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記一対のアームの先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するように設けられる少なくとも一対のテープ保持棒とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るテープ巻き付け方法においては、前記テープ巻き付け先端工具、又は前記テープ巻き付け工具を用い、前記一対のテープ保持棒の少なくとも一方を前記ロール状のテープの中心中空部に挿入し、前記一対のテープ保持棒を互いに接近又は離間することによってロール状のテープを保持し、保持されたロール状のテープの一端を被覆対象物に固定した後、該ロール状のテープを引き伸ばしつつ、又は引き伸ばした後に、被覆対象物の外周面に沿って移動させる上で、前記テープ巻き付け先端工具、前記間接活線把持工具又は前記テープ巻き付け工具が被覆対象物と接触するような状態で、ロール状のテープの保持を開放し、ロール状のテープの中心中空部に挿入されていたテープ保持棒を引き抜いた後、落下して垂れ下がったロール状のテープを、再度、保持し直すことを特徴とする。
上記構成によれば、テープ巻き付け先端工具は、一対のテープ把持棒と、該一対のテープ保持棒を間接活線把持工具先端の各把持部先端側にそれぞれ着脱自在に取り付け可能な接続部とを備えいれば良く、また、テープ巻き付け工具は、絶縁操作棒基端側の操作部の操作に伴って先端側が接離方向に変位する一対のアームと、該一対のアームの各先端部に、その接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記一対のアームの先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するように設けられる一対のテープ保持棒とを備えていれば良いことから、前記従来の専用工具のように、回転操作部の回転操作を回転部材に伝達するための回転駆動伝達機構や回転部材を回転させるための可動機構等が必要ないため歯車等の部品点数を大幅に減らすことができ、且つ前記回転駆動伝達機構や可動機構を収容又は配設する空間も必要ないため小型化(コンパクト化)を図ると共に軽量化を図ることができる。
そのため、縦方向(地面に対し垂直方向)に配設された縁線等の被覆対象物に前記テープ巻き付け先端工具又はテープ巻き付け工具を用いてテープを巻き付ける間接活線工事を行った場合、先端側が大きくて重い従来の専用工具を用いて該専用工具を水平に維持しつつ間接活線工事を行った場合に比べ、間接活線作業を行う作業者の労力を大幅に低減することができる。
また、前記一対のテープ保持棒は、前記把持部先端側の接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記把持部先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離することから、一対のテープ保持棒の一方をロール状のテープの中心中空部に挿入し、他方をロール状のテープの外側(ロールの径方向外側)に位置させた後、互いに接近させることで、ロール状のテープの内側周面(ロールの径方向の中心側周面)と外側周面とを一対のテープ保持棒で挟持(保持)することができ、若しくは、一対のテープ保持棒の両方をロール状のテープの中心中空部に挿入し、互いに離間させることで、ロール状のテープの内側周面の直径方向に対向する部分を一対のテープ保持棒で径方向外側に向かって押すことでロール状のテープを保持することができる。
そのため、前記テープ巻き付け先端工具又はテープ巻き付け工具を用いて縦方向に配設されている縁線にテープを巻き付ける際には、ロール状のテープが縁線に沿って垂れ下がった状態であっても、ロール状のテープの中心中空部に該中心中空部に対して極めて径の細い棒状のテープ保持棒を挿入することができさえすれば、一対のテープ保持棒を互いに接近又は離間させるだけでロール状のテープを保持できるため、従来の間接活線把持具でロール状のテープを該テープの幅方向(ロールの軸方向)から挟持するよりも容易に保持することができる。その結果、間接活線作業に置いて、作業者は、テープ巻き付け作業を容易に行うことができるようになる。
特に、ロール状のテープが残り少なくなった場合、ロールの肉厚が薄くなる(内側周面と外側周面との距離が近くなる)ため、ロール状のテープを該テープの幅方向から挟持することは難しいが、そのような場合でも上記構成による前記テープ巻き付け先端工具又はテープ巻き付け工具では、ロール状のテープを容易に保持することができ、テープ巻き付け作業を容易に行うことができる。
また、前記一対のテープ保持棒は、円柱状である構成であっても良い。
上記構成によれば、テープ保持棒は、円柱状であり、ロール状のテープの内側周面に沿った形状であるため、該内側周面とテープ保持棒との接する部分の面積が大きくなり、ロール状のテープの保持力が大きくなる。そのため、ロール状のテープが保持し易くなり、巻き付け作業も行い易くなる。
さらに、ロール状のテープを保持する際にロール状のテープの外側周面とテープ保持棒とが接する場合、テープ保持棒の周面には角部が存在しないため、該角部によるテープ表面の損傷を防ぐことができる。
また、前記一対のテープ保持棒が互いに接近するのに伴い、対向しつつ接近して被把持物を把持することができる一対の把持面をさらに備える構成であっても良い。
上記構成によれば、前記一対のテープ保持棒が互いに接近するのに伴い、対向しつつ接近して被把持物を把持することができる一対の把持面をさらに備えることから、ロール状のテープを保持する以外に他の被把持物を把持することができるようになる。そのため、作業内容によって工具を持ち替える回数や、高所作業車のバケット等の作業場へ持ち運ぶ工具の数を減らすことができ、作業者の労力をより低減することができるようになる。
また、前記テープ保持棒は、表面に滑り止め加工が施される構成であっても良い。
上記構成によれば、テープ保持棒とロール状のテープとの接触部の摩擦抵抗が大きくなることからロール状のテープを保持し易くなり、作業効率が向上して作業者の労力をより低減することができる。
また、前記一対の把持面は、表面に滑り止め加工が施される構成であっても良い。
上記構成によれば、把持面と被把持物との接触部分の摩擦抵抗が大きくなることから、前記同様、作業効率が向上して作業者の労力をより低減することができる。
以上より、本発明によれば、作業者の労力を低減でき且つ容易に絶縁テープの巻き付けを行うことができるテープ巻き付け先端工具、テープ巻き付け工具及びこれらを用いたテープ巻き付け方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1乃至図3に示すように、第一実施形態としてテープ巻き付け先端工具(以下、単に「先端工具」と言う。)1及び該先端工具1を取り付けるための間接活線把持工具50について説明する。
先端工具1は、一対のテープ巻き付け先端工具片(以下、単に「先端工具片」と言う。)2,2で構成されている。該一対の先端工具片2,2は、共に同一形状に形成されているため、以下、一方の先端工具片2について説明する。
先端工具片2は、後述する間接活線把持工具50の先端における把持部52を構成するアーム58,59の先端に着脱自在に取り付ける(接続する)ための接続部3と、該接続部3の両側部に配設されたロール状のテープを保持するためのテープ保持棒4,4’とを備える。
接続部3は、材質がアルミニウム合金で形成されており、内側面には他方の先端工具片2における同一部分(対応する部分)と対になって被把持物を把持(挟持)するための把持面5が形成され、外側面には前記アーム58(又は59)の先端に設けられた後述する凹部61と係合するための係合手段6が設けられ、基端側には前記アーム58(又は59)の先端が挿入される挿入口7が開口し、挿入口7から内部に凹状の挿入部8が形成されている。
尚、本実施形態において、先端工具片2の内側面とは、後述するように間接活線把持工具50の把持部52先端に一対の先端工具片2,2を取り付けた際、互いに対向する方向が内側であり、対向する面が内側面である。そして、その反対方向が外側であり、前記対向する面と反対側の面が外側面である。また、基端側とは、前記間接活線把持工具50に取り付けた際の該間接活線把持工具50の基端側と同一方向であり、先端側は、前記先端把持工具50の先端側と同一方向である。
把持面5は、平面状に形成されており、その表面には滑り止め加工(処理)が施されている。該把持面5は、前記間接活線把持工具50の把持部52に取り付けられた際、該把持部52の把持面60と略平行になるように設定されている。
尚、本実施形態においては、滑り止め加工(又は処理)は、把持面5の表面にゴム9を被覆することによって施されている。しかし、これに限定される必要はなく、把持面5の表面に施される滑り止め加工は、把持面5の表面に複数の細溝や突条を平行や格子状に形成したものでも良く、また、摩擦係数の大きな部材で表面を被覆し、又は前記部材を表面に貼付しても良い。即ち、滑り止め加工は、一対の先端工具片2,2(先端工具1)を間接活線把持工具50に取り付け、対向する把持面5,5で被把持物を把持(挟持)する際に、把持面5,5と被把持物との接触部分の摩擦力が大きくなるような加工(又は処理)であれば良い。
係合手段6は、前記間接活線把持工具50の把持部52におけるアーム58(又は59)先端部の外側面に形成された凹部61に係合する係合ピン10と、接続部3の外側面に外側に向けて突出し、且つその中央部に挿入部8に連通すると共に係合ピン10が摺動するピン孔11が形成されているピン受け部12と、一端をピン孔11内に固定すると共に他端を係合ピン10に固定することにより係合ピン10を前記アーム58(又は59)に向けて付勢させる弾性体(本実施形態においては、スプリング)13とを備える。
尚、係合ピン10は、ヘッド部14と軸部15とから構成されており、ヘッド部14は、真っ直ぐな円柱状の軸部15の一端(後端)を径方向外側に延出した鍔状に形成されている。また、ピン受け部12は、中心部に係合ピン10の軸部15の周面に沿った形状のピン孔11を備える円筒形状に形成されている。また、スプリング13は、細線を螺旋状に形成した弾性体(いわゆる、つる巻きバネ)である。
このように係合手段6は、スプリング13によって、係合ピン10の軸部15の先端が挿入部8内に突出するように常に付勢されており、その付勢は、係合ピン10のヘッド部14がピン受け部12の端部に当接することで制限されている。
接続部3の外側面には、さらに、2本の一定幅の切れ込み16,16が形成されている。該切れ込み16,16は、係合手段6を挟むようにその両側に形成されている。
テープ保持棒4(又は4’)は、所定長さの真っ直ぐな棒状のアルミニウム合金で形成されている。詳しくは、一端から他端まで同一径の円柱状に形成されている。そして、テープ保持棒4(又は4’)は、その表面に滑り止め加工(又は処理)が施されており、本実施形態において、テープ保持棒4(又は4’)の表面(周面)は、ゴム17で被覆されている。尚、テープ保持棒4(又は4’)の表面に施される滑り止め加工(又は処理)は、前記把持面5と同様に、被把持物(本実施形態においてはロール状のテープ)との接触部分の摩擦力が大きくなれば良いことから、テープ保持棒4(又は4’)の表面に複数の細溝や突条を平行や格子状に形成しても良く、また、摩擦係数の大きな部材で表面を被覆し、又は前記部材を表面に貼付しても良い。
このテープ保持棒4,4’は、接続部3の両側部に把持面60に沿った方向且つ挿入口7の開口方向と直交する方向に突出するようにそれぞれ配設される。その際、両側部に突出するように配設されたテープ保持棒4,4’は、その軸芯が同一直線上に位置する、即ち、接続部3を挟んで直線上に位置するように配設される。このようにテープ保持棒4,4’を接続部3の両側部に配設することで、先端工具1を後述する間接活線把持工具50に取り付けて、ロール状のテープを把持する際、一対の先端工具片2,2にそれぞれ配設された対応する(対向する)一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)は、互いに平行状態を保ちつつ接離することができ、ロール状のテープを該一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)で挟持(保持)することができる。
次に、本実施形態に係る先端工具1を取り付けるための間接活線把持工具50について説明する。
間接活線把持工具(いわゆる、遠隔操作用ヤットコ、又は間接活線用ヤットコ)50は、絶縁性の主軸(絶縁棒)51と、該主軸51の先端部に設けられる被把持物(対象物)を把持するための把持部52と、前記主軸51の基部側に設けられると共に前記把持部52の操作を行うための操作部53とを備える。
主軸51は、絶縁性のパイプ状(絶縁棒)に形成されている。この主軸51は、吸湿性の少ないエポキシ樹脂系強化プラスチック、ポリエステル樹脂系強化プラスチック等の変形し難く且つ絶縁性が低下しない部材から形成されている。また、主軸51は、その内部の両側には詰栓を行い、浸水を防ぐために接着剤にて表面をコーティング処理する等の防水処理が施されている。
主軸51の中間部には、感電事故を防ぐために、握って(把持して)良い部分とそれ以外の部分との境界を明確にするための安全限界つば54が嵌合固定されている。主軸51先端の把持部52の下部から安全限界つば54の上部までの長さは、600mm(安全限界距離)以上の間隔を有する。また、降雨時対策として、把持部52の下部から安全限界つば54上部との中間部に、水きり用のつば(水きりつば)55が嵌合固定されている。これら安全限界つば54及び水きりつば55は、軟質性の合成ゴムから形成されている。そして、主軸51の基端部にはゴムキャップ56と、その近傍にストラップ57とが配設されている。
把持部52は、間接活線作業において被把持物(対象物)を把持するための部分であり、アルミニウム合金で形成されている。把持部52は、一対のアーム58,59によって構成されている。一方のアーム58は、固定アーム58であり、他方のアーム59は、前記固定アーム58に対して先端側が接離可能(図3の矢印A方向)に設けられた回動アーム59である。
一対のアーム58,59の先端部内側面(互いに対向している部分)には、該アーム58,59の先端側が互いに接近することで被把持物を挟持(把持)することができる把持面60,60がそれぞれ形成されている。把持面60は、その表面全体に、滑り止め加工として複数の細溝が平行に形成されている。また、一対のアーム58,59の先端部外側面(把持面と反対側の面)には、凹部61,61がそれぞれ形成されている。
固定アーム58は、主軸51の先端に固定具62によって固定されている。また、回動アーム59は、その基端側部分が枢着ピン63を介して固定具62の先端部分に回動(揺動)可能に取り付けられている。また、回動アーム59の基端部は、主軸51と平行に設けられている連結棒(リンク機構)64の先端部に連結されている。この連結されている部分は、連結ピン65によって回動可能に連結されている。
連結棒64は、主軸51と同様に絶縁性のパイプ状に形成されている。この連結棒64の中間部には、水きりつば66が嵌合固定されている。そして、この連結棒64の基端(後端)部は、後述する操作部53の操作レバー67の連結部68に回動可能に連結されている。
操作部53は、前記連結棒64と連結されている操作レバー67が設けられている。操作レバー67は、アルミニウム合金製で、中間が屈曲した略L字状に形成されている。また、基端側端部は、円弧状に形成されている。この操作レバー67は、前記屈曲部が主軸51の基端側に設けられた支持具69に支持ピン70を介して回動(揺動)可能に取り付けられている。
操作レバー67は、弾性体(本実施形態においては、巻きバネ)71によって、支持具69に対して常に先端部が主軸51と離間する回動方向(図3の矢印B方向)へ付勢されている。従って、操作部53の操作レバー67を開放すると、巻きバネ71の付勢力(復元力)によって、操作レバー67先端部が主軸51と離間する方向に付勢され、操作レバー67と、連結棒64を介して連結される回動アーム59に前記付勢力が伝達され、その結果、把持部52先端側、即ち、一対のアーム58,59の先端側は、互いに離間する方向に常に付勢される。
本実施形態に係る先端工具1及び間接活線把持工具50は、以上の構成からなり、次に、本実施形態に係る先端工具1の使用状態について説明するが、先ず、前記間接活線把持工具50の把持部52先端側への先端工具1の接続方法を図4にも基づいて説明する。
先ず、一対の先端工具片2,2の一方の先端工具片2における接続部3の外側面に設けられた係合手段6の係合ピン10のヘッド部14を掴み、スプリング13による付勢に抗して外側に引く。その時、挿入部8内に突出していた軸部15の先端(端部)は、ピン孔11内に入り込み、その先端が前記挿入部8に突出しない着脱可能状態となる(図4の(イ)参照)。
次に、前記アーム58(又は59)先端部を接続部3の挿入口7から前記挿入部8内に所定長さ押し込む(図4の(ロ)参照)。そして、係合ピン10を手放せば(開放すれば)、付勢力により係合ピン10がアーム58(又は59)先端部外側面に形成された凹部61の底面に当接し、接続部3とアーム58(又は59)の先端部とは係合状態となる(図4の(ハ)参照)。このようにして、一方の先端工具片2がアーム58(又は59)の先端部に取り付けられ(接続され)、次に、他方の先端工具片2をアーム59(又は58)の先端部に同様にして取り付けることで、先端工具1を間接活線把持工具50に取り付けることができる。尚、先端工具片2をアーム58(又は59)の先端部から取り外す動作は、取り付けた動作と逆の動作を行えば良い。
このように先端工具1は、間接活線把持工具50における一対のアーム58,59の先端部に取り付けた後、間接活線把持工具50の操作部53を操作して把持部52におけるアーム58,59の先端側を接離させると、この接離に伴って、アーム58,59の先端部からそれぞれ突出している対応する一対のテープ保持棒4,4、換言すると、一対の先端工具片2,2における一方の先端工具片2から突出するテープ保持棒4と、これと対応する方向に突出する他方の先端工具片2のテープ保持棒4とで構成される一対のテープ保持棒4,4(以下、単に「一対のテープ保持棒4,4」と言う。)は、互いの平行状態を保持しつつ接離する。
図3、図5及び図6に示すように、本実施形態においては、このように先端工具1を間接活線把持工具50における一対のアーム58,59の先端部に接続した状態で、ロール状のテープTを用い、電線等の周面にテープを巻き付けるための間接活線作業を行う。尚、図5及び図6においては、先端工具1及び間接活線把持工具50は、動作を示すための概略図とする。
先ず、前記間接活線作業(活線工事)を行う作業者は、間接活線把持工具50の基端部を把持する。詳しくは、安全限界つば54よりも基端側の主軸51、より詳しくは、操作部53近傍の主軸51及び/又は該操作部53よりもさらに基端側の主軸51を把持する。この時、操作部53の操作レバー67を開放状態にしておくと、上記のように、間接活線把持工具50の把持部52の先端側は、巻きバネ71の付勢によって離間した状態である。この状態では、間接活線把持工具50に取り付けられた先端工具1の一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)は、互いに平衡状態を保ちつつ離間した状態である。尚、操作部53の操作レバー67を開放状態にするとは、操作レバー67に対して、その先端側が主軸51方向に回動するための操作を一切行わない状態を言う。
このような一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)の離間状態を保ちつつ、ロール状のテープTを保持するため、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)を該ロール状のテープTに接近させ、一方のテープ保持棒4がロール状のテープTの中心中空部に挿入されると共に、他方のテープ保持棒4が該ロール状のテープTの径方向外側周面近傍に位置するよう、間接活線把持工具50を操作する(図5(イ)参照)。
この時、使用されるロール状のテープTは、一定幅の長尺のテープTを短筒状の厚紙で構成される芯を中心にし、該芯の周面外側に貼着面を内側にして巻き重ねてロール状に形成されたものである。また、該テープTは、絶縁処理や活線工事に使用されるカバー類の端末処理等を行うためのものであり、本実施形態において使用するロール状のテープTは、粘着性ポリエチレンテープである。しかし、これに限定される必要はなく、活線工事の絶縁処理やカバー類の端末処理等に使用されるものであれば良く、また、被覆対象物(導体が露出した電線等)への巻き付けの際、絶縁用の自己融着テープ等のようにテープをその長手方向に引き伸ばし(延伸し)つつ、若しくは引き伸ばした後、被覆対象物に巻き付けて使用するテープであっても良い。
次に、間接活線把持工具50の操作部53における操作レバー67をその先端が主軸51と接近する方向(図3の矢印Bと反対方向)に回動させる。そうすると、操作レバー67の連結部68は、間接活線把持工具50の基端側に回動し、それに伴って、該連結部68で操作レバー67と連結している連結棒64が基端方向に移動する(図3の矢印C方向)。そして、連結棒64の先端部に連結ピン65を介して連結されている回動アーム59は、その基端部が主軸51の基端側に引き寄せられ、枢着ピン63を中心に一対のアーム58,59の先端部間が接近する方向に回動する。これに伴って、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)の間隔は平行を保ちつつ狭くなり、ロール状のテープTは、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)により、その内側(ロールの径方向中心側)周面と外側(ロールの径方向外側)周面とが挟まれるように保持(挟持)される(図5(ロ)参照)。
このように一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)でロール状のテープTをその肉厚方向に挟持(保持)した状態で把持部52が被覆対象物近傍に位置するように間接活線把持工具50を操作し、ロールから引き出したテープTの端部を被覆対象物に貼付する(図6(イ)参照)。この時、ロール状のテープTからロールを解いて引き出したテープTの端部は、テープの接着力(又は融着力)を生じさせるため(又は大きくするため)に予め作業者の手で長手方向に引き伸ばした(延伸させた)状態にしておく。尚、本実施形態においては、架空電線(以下、単に「電線」と言うことがある。)Wにテープを巻き付けることから、被覆対象物Wとは、電線Wである。
この状態で、間接活線把持工具50を操作してロール状のテープTを電線と離間方向に移動させ、電線Wとロール間のテープTを引き伸ばす(図6(イ)の矢印方向)。このように引き伸ばすことによって、該引き伸ばされた部分のテープTの貼着面は、接着力(又は融着力)が生じる(又は大きくなる)。そして、テープTを引き伸ばした後、貼着面を内側にし、電線Wの周面に沿ってロール状のテープTが移動するように間接活線把持工具50を操作する。詳しくは、電線Wの軸線を中心にロール状のテープTを回転移動させつつ軸線方向に移動、即ち、螺旋方向に移動させる(図6(ロ)参照)。この時、テープTが幅方向に約1/2重なって巻き付けられるように前記螺旋のピッチが設定される。
前記螺旋状に把持部52が移動するように間接活線把持工具50を操作し続けると、主軸51が電線Wと接触し、それ以上、把持部52を前記螺旋状に移動させることができなくなる。その状態で、上記ロール状のテープTを一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)で保持する際の操作と逆の操作(操作レバー62を開放する操作)を行い、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)を離間させ、保持しているロール状のテープTの保持を開放し、該ロール状のテープTの中心中空部に挿入されていたテープ保持棒4(又は4’)を引き抜く(図6(ハ)の矢印a)。
そうすると、ロール状のテープTは落下して垂れ下がった状態となる。その状態で、再度、上記ロール状のテープTを一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)で保持する際の操作を行って保持し、螺旋状に移動させる(図6(ロ)及び(ニ)参照)。
以上の操作(動作)を繰り返すことで、電線(被覆対象物)WへテープTを螺旋状に巻き付け電線Wの表面を被覆することができる。最後に、テープTが切れるまでロール状のテープTを電線Wから離間させるように間接活線把持工具50を操作する。そうすることで、電線Wとロール間のテープTが引きちぎられ、該引きちぎられたテープTの切れ端(端部)を先端工具1の把持面5,5で把持(挟持)して電線Wに貼付してテープTの電線Wへの巻き付け作業は完了する。
尚、先端工具1の把持面5,5でテープTを把持する場合は、上記一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)を互いに接離させる操作と同様の操作を行うことで、把持面5,5を同様に接離させることができることから、把持面5,5間に前記テープTの端部を位置させた状態で、上記操作を行うことで先端工具1の把持面5,5でテープTを把持(挟持)することができる。
以上より、先端工具1は、構造がシンプルで部品点数が少なく小型であることから、非常に軽量である。そのため、該先端工具1を間接活線把持工具50における把持部52の先端部に取り付けたとしても、間接活線把持工具50の重量は僅かしか増えない。その結果、該間接活線把持工具50を操作して電線等にテープを巻き付ける作業を行うことで、従来の専用工具のような重い工具を用いるのに比べ、テープ巻き付け作業における作業者の労力を低減することができる。特に、縦方向に配線されている縁線にテープを巻き付けるような、長尺な工具を水平方向を保ちつつ作業を行う場合に、上記労力を低減する効果は極めて大きくなる。
また、先端工具1を間接活線把持工具50に取り付けると、その把持部52の先端部、即ち、アーム58,59の先端部からそれぞれ、その接離方向と直交し、且つ主軸51と直交する方向に少なくとも一対の細い棒状のテープ保持棒4,4(又は/及び4’,4’)が突出し、且つ該一対のテープ保持棒4,4(又は/及び4’,4’)が平行を保ちつつ接離可能に操作できることから、作業者から離れて垂れ下がっているような不安定な状態のロール状のテープTであっても、容易に保持することができる。
即ち、ロール状のテープTの中心中空部の直径と比べ、非常に径が小さい(細い)棒状の一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)の一方を前記ロール状のテープTの中心中空部に挿入できれば、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)間を閉じ(接近させ)るだけでロール状のテープTを保持できるため、熟練していなくても容易にテープ巻き付け作業を行うことができると共に、作業労力の低減を図ることができる。
次に、第二実施形態としてテープ巻き付け工具(以下、単に「巻き付け工具」と言う。)について説明するが、図7に示すように、巻き付け工具80は、前記先端工具1と前記間接活線把持工具50とを一体的に形成したものであり、前記先端工具1又は前記間接活線把持工具50と同一の構成については同一の符号を使用し、その構成についての説明は省略し、以下、異なる構成について説明する。
巻き付け工具80は、把持部52を構成する一対のアーム58’,59’の先端部にテープ保持棒4,4,4’,4’が取り付けられている。一方のアーム58’(又は59’)の先端側の側部には、二本のテープ保持棒4,4’がそれぞれ取り付けられている。
テープ保持棒4(又は4’)は、所定長さの真っ直ぐな棒状のアルミニウム合金で形成されており、一端から他端まで同一径の円柱状に形成されている。そして、テープ保持棒4(又は4’)は、その表面に滑り止め加工(又は処理)が施されており、本実施形態において、テープ保持棒4の表面(周面)は、中心軸に沿った方向の真っ直ぐな溝が周方向に複数形成されている。尚、前記同様、滑り止め加工(又は処理)は、これに限定される必要はなく、ゴム等の摩擦係数の大きな部材で表面を被覆等しても良い。
このテープ保持棒4,4’は、把持部52の把持面60に沿った方向、且つ該把持部52を構成する一対のアーム58’,59’の先端側の接離方向と直交する方向に突出するようにそれぞれ配設される。その際、両側部に突出するように配設されたテープ保持棒4,4’は、その軸芯が同一直線上に位置する、即ち、アーム58’(又は59’)の先端部を挟んで直線上に位置するように配設される。このようにテープ保持棒4,4’をアーム58’(又は59’)の両側部に配設することで、巻き付け工具80でロール状のテープを把持する際、一対のアーム58’,59’にそれぞれ配設された対応する(対向する)一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)は、互いに平行状態を保ちつつ接離することができ、ロール状のテープを該一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)で挟持(保持)することができる。
本実施形態に係る巻き付け工具80は、以上の構成からなり、使用状態については、前記間接活線把持具50先端に先端工具1を取り付けたものと同様であるため、その説明を省略する。
以上より、巻き付け工具80は、間接活線把持工具50の先端部に、テープ幅より細い棒状のテープ保持棒4,4,4’,4’が取り付けれているだけであるため、従来の専用工具のように複雑な機構や該機構の収容スペースが必要なく、構造がシンプルで部品点数が少ないため、非常に軽量である。そのため、該巻き付け工具80を操作して電線等にテープを巻き付ける作業を行うことで、従来の専用工具のような重い工具を用いるのに比べ、テープ巻き付け作業における作業者の労力を低減することができ、前記同様、特に、縦方向に配線されている縁線にテープを巻き付けるような長尺の工具を水平方向を保ちつつ作業を行う場合に、上記労力を低減する効果は極めて大きくなる。
また、巻き付け工具80の把持部52’の先端部、即ち、アーム58’,59’の先端部からそれぞれ、その接離方向と直交し、且つ主軸51と直交する方向に少なくとも一対の細い棒状のテープ保持棒4,4(又は/及び4’,4’)が突出し、且つ該一対のテープ保持棒4,4(又は/及び4’,4’)が平行を保ちつつ接離可能に操作できることから、作業者から離れて垂れ下がっているような不安定な状態のロール状のテープTであっても、容易に保持することができ、間接活線作業におけるテープの巻き付け作業の労力の低減を図ることができる。
さらに、巻き付け工具80は、前記間接活線把持具50(図3参照)の先端部に、接続部を介さずに、直接、一対のテープ保持棒4,4(又は4’,4’)が取り付けられているため、間接活線作業において、巻き付け工具80を持ち替えることなく、該巻き付け工具80を間接活線把持工具としても使用できる。即ち、ロール状のテープ以外に、一対のアーム58’,59’先端部で、直接、被把持物を把持して、間接活線作業を行うことができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、第一(又は第二)実施例においては、先端工具片2(一方のアーム58’(又は59’)先端部)の両側部に、互いに外側に向かって二本の棒状のテープ保持棒4,4’がそれぞれ突出するように設けられているが、これに限定される必要はなく、一本(片方)のテープ保持棒4だけであっても良く、三本以上であっても良い。即ち、一対の先端工具片2,2(又は一対のアーム58’,59’)のそれぞれに、互いに対応する少なくとも一対のテープ保持棒4,4が把持部52の先端側に平行を保ちつつ接離可能に取り付けられていれば良く、二対以上であっても良い。
また、本実施形態においては、一対のテープ保持棒は、真っ直ぐな棒状体として形成され、間接活線把持工具又はテープ巻き付け工具の主軸と直交する方向に取り付けられているが、これに限定される必要はなく、途中で屈曲又は湾曲しても良く、また、前記主軸に対し、例えば、前方側に傾斜させて取り付けられても良い。即ち、ロール状のテープ(被把持物)を把持する際、一対のテープ保持棒が前記ロール状のテープを把持(挟持)することができるよう、互いに平行状態を保ちつつ接離することができるように設けられていれば良い。また、テープ保持棒の表面における滑り止め加工は、一切、施されていなくても良く、表面の一部にのみ施されていても良い。
第一実施形態においては、先端工具1は、一対の先端工具片2,2が別体として構成されているが、これに限定される必要はなく、例えば、図8(イ)のように、取り付けた際、間接活線把持具の把持部を構成する一対のアームと同一方向に回動可能な連結部材Rによって、先端工具片2’,2’が連結されていても良い。
また、第一実施形態においては、先端工具片2,2は、互いに対向する部分に把持面5,5がそれぞれ形成されているが、形成されなくても良い。
また、第二実施形態においては、巻き付け工具80の先端にテープ保持棒4(又は4’)が一体的に固着されているが、例えば、図8(イ)に示すように、テープ保持棒4aの一端に雄ねじNを設け、アーム58’(又は59’)先端の側部に雌ネジN’を形成し、前記雄ねじNを雌ネジN’に螺合させたり、図8(ロ)に示すように、アーム58’(又は59’)先端の側部に貫通孔Hを形成し、テープ保持棒4bの一端に前記貫通工と同一若しくは僅かに径の小さい指示部Sを設け、さらにその先端に雄ねじnを設けて、前記貫通孔Hを挿通させ、アーム58’(又は59’)の他方側で、その一端に雌ネジn’が設けられたテープ保持棒4’b’の該雌ネジn’に、前記雄ねじnを螺合させて取り付けるよう、着脱自在に取り付けても良い。
第一実施形態に係るテープ巻き付け先端工具を取り付けた状態の間接活線把持工具の(イ)は正面図を示し、(ロ)は、その先端部の一部拡大斜視図を示す。 同実施形態に係るテープ巻き付け先端工具の(イ)は斜視図を示し、(ロ)は、中央断面図を示す。 同実施形態に係る間接活線把持工具の(イ)は正面図を示し、(ロ)はその先端部の一部拡大斜視図を示す。 同実施形態に係るテープ巻き付け先端工具の間接活線把持工具への取り付け方を示す図であって、(イ)は、係合ピンを外側に引いた状態を示し、(ロ)は、挿入部に間接活線把持工具における把持部の先端部を挿入した状態を示し、(ハ)は係合ピンを手放して係合した状態を示す。 同実施形態に係るテープ巻き付け先端工具を取り付けた間接活線把持工具でのロール状のテープを把持する方法を示す概略図であって、(イ)は、一方のテープ保持棒をロール状のテープの中心中空部(芯)に挿入する状態を示し、(ロ)は、一対のテープ保持棒を互いに接近させる状態を示す図である。 同実施形態に係るテープ巻き付け先端工具を取り付けた間接活線把持工具で電線にテープを巻き付ける方法を示す図であって、(イ)は、ロール状のテープを保持して引き伸ばす状態を示し、(ロ)は、引き伸ばしたロール状のテープを電線の周面に沿って移動させる状態を示し、(ハ)は、保持したロール状のテープを放す状態を示し、(ニ)は、垂れ下がったロール状のテープを保持し直す状態を示す図である。 第二実施形態に係るテープ巻き付け工具の(イ)は正面図を示し、(ロ)は、その先端部の一部拡大斜視図を示す。 他実施形態を示す図であって、(イ)は、一対のテープ巻き付け先端工具片が互いに回動可能に連結されたテープ巻き付け先端工具の正面図を示し、(ロ)及び(ハ)は、着脱可能なテープ保持棒を備えるテープ巻き付け工具の先端部の一部拡大分解斜視図を示す。 従来のテープ巻き付け専用工具の正面図を示す。 縦方向の縁線にロール状のテープが垂れ下がった状態の概略図を示す。
符号の説明
1…テープ巻き付け先端工具、2…テープ巻き付け先端工具片、3…接続部、4,4’…テープ保持棒、5…把持面、6…係合手段、7…挿入口、8…挿入部、9…ゴム、10…係合ピン、11…ピン孔、12…ピン受け部、13…弾性体(スプリング)、14…ヘッド部、15…軸部、16…切れ込み、17…ゴム、50…間接活線把持工具(遠隔操作用ヤットコ、又は間接活線用ヤットコ)、51…主軸、52…把持部、53…操作部、56…ゴムキャップ、57…ストラップ、58…アーム(固定アーム)、59…アーム(回動アーム)、60…把持面、61…凹部、64…連結棒(リンク機構)、67…操作レバー、71…弾性体(巻きバネ)、80…テープ巻き付け工具、T,T’…テープ、W…被覆対象物(電線)

Claims (7)

  1. 間接活線把持工具の把持部先端側に着脱自在に取り付け可能なテープ巻き付け先端工具であって、ロール状のテープを保持するための少なくとも一対のテープ保持棒と、前記把持部先端側の接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記把持部先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するよう、前記一対のテープ保持棒をそれぞれ前記把持部の各先端側に着脱自在に取り付け可能な接続部とを備えることを特徴とするテープ巻き付け先端工具。
  2. 前記一対のテープ保持棒は、円柱状である請求項1に記載のテープ巻き付け先端工具。
  3. 前記一対のテープ保持棒が互いに接近するのに伴い、対向しつつ接近して被把持物を把持することができる一対の把持面をさらに備える請求項1又は2に記載のテープ巻き付け先端工具。
  4. 前記テープ保持棒は、表面に滑り止め加工が施される請求項1乃至3の何れか一項に記載のテープ巻き付け先端工具。
  5. 前記一対の把持面は、表面に滑り止め加工が施される請求項3記載のテープ巻き付け先端工具。
  6. 絶縁操作棒の先端部にロール状のテープを保持するためのテープ保持部が設けられると共に基端側に前記テープ保持部を操作する操作部が設けられるテープ巻き付け工具であって、前記テープ保持部は、前記操作部の操作に伴って先端側が接離方向に変位する一対のアームと、該一対のアームの各先端部に、その接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記一対のアームの先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するように設けられる少なくとも一対のテープ保持棒とを備えることを特徴とするテープ巻き付け工具。
  7. 間接活線把持工具の把持部先端側に着脱自在に取り付け可能であって、ロール状のテープを保持するための少なくとも一対のテープ保持棒と、前記把持部先端側の接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記把持部先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するよう、前記テープ保持棒を前記把持部先端側にそれぞれ着脱自在に取り付け可能な接続部とを備えるテープ巻き付け先端工具、又は絶縁操作棒の先端部にロール状のテープを保持するためのテープ保持部が設けられると共に前記絶縁操作棒の基端側に前記テープ保持部を操作する操作部が設けられ、前記テープ保持部は、前記操作部の操作に伴って先端側が接離方向に変位する一対のアームと、前記一対のアームの各先端部に、その接離方向と直交する方向に沿って突出すると共に前記一対のアームの先端側が接離するのに伴って互いに平行を保ちつつ接離するように設けられる少なくとも一対のテープ保持棒とを備えるテープ巻き付け工具を用いるテープ巻き付け方法であって、
    前記一対のテープ保持棒の少なくとも一方を前記ロール状のテープの中心中空部に挿入し、前記一対のテープ保持棒を互いに接近又は離間することによってロール状のテープを保持し、保持されたロール状のテープの一端を被覆対象物に固定した後、該ロール状のテープを引き伸ばしつつ、又は引き伸ばした後に、被覆対象物の外周面に沿って移動させる上で、前記テープ巻き付け先端工具、前記間接活線把持工具又は前記テープ巻き付け工具が被覆対象物と接触するような状態で、ロール状のテープの保持を開放し、ロール状のテープの中心中空部に挿入されていたテープ保持棒を引き抜いた後、落下して垂れ下がったロール状のテープを、再度、保持し直すことを特徴とするテープ巻き付け方法。
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