JP4631789B2 - 車両用ブレーキ装置の液圧ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ液圧制御を行う車両用ブレーキ装置の液圧ユニットに関するものである。
特許文献1に記載された従来の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットは、ブレーキ液回路が形成されたハウジング、ブレーキ液回路を開閉する電磁弁、電磁弁を駆動する回路を有する電子基板、ハウジングに形成された摺動孔内でピストンが往復動してブレーキ液回路のブレーキ液をブレーキ液室に一時的に蓄えるリザーバ等を備えている。
また、ハウジングの一端面側にケースが配置され、このケース内に、電磁弁のコイル部が収納されるコイル室と電子基板が収納される基板室とが区画して形成されている。そして、摺動孔のうちピストンによってブレーキ液室と隔てられた大気室はコイル室に連通され、コイル室は基板室に連通され、基板室は換気孔を介して外部空間に連通されている。換言すると、大気室はコイル室および基板室を経由して外部空間に連通されている。
一方、特許文献2に記載された従来の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットは、コイル室が換気孔を介して外部空間に連通され、大気室はリザーバ用連通孔を介してコイル室に連通され、基板室は基板室用連通孔を介してコイル室に連通されている。換言すると、大気室は基板室を介することなくコイル室を経由して外部空間に連通され、また、基板室についても、大気室を介することなくコイル室を経由して外部空間に連通されている。
特表平10−507719号公報 特開2003−267203号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液圧ユニットは、大気室がコイル室および基板室を経由して外部空間に連通されているため、大気室の空気や摺動孔の周面とピストンとの隙間から洩れ出たブレーキ液のミストは、コイル室および基板室を経由して外部空間に達することになる。したがって、基板室に収納された電子基板は、このブレーキ液ミストに曝されやすい状況にあり、ブレーキ液ミストによる変質等が懸念される。
一方、特許文献2に記載の液圧ユニットは、大気室は基板室を介することなく外部空間に連通されており、大気室からのブレーキ液ミストが基板室に侵入し難くなっている。
しかしながら、特許文献2に記載の液圧ユニットは、リザーバ用連通孔におけるコイル室側の開口部と換気孔におけるコイル室側の開口部は同じ方向を臨んでいるため(すなわち、両開口部は並列に配置されて同じ向きに開口しているため)、リザーバのピストンの動きが激しいときなど、リザーバ用連通孔から噴出されたブレーキ液ミストは換気孔に向けて直接的には至り難く、例えばコイル室を循環した後に換気孔に至ることとなる。その循環経路の途中に基板室用連通孔におけるコイル室側の開口部が位置する場合には、やはり基板室へのブレーキ液ミスト侵入が生じやすくなるおそれがあり、改善の余地を残すものとなっている。
本発明は上記点に鑑みて、基板室へのブレーキ液ミストの侵入を好適に抑止可能な液圧ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ブレーキ液が流通するブレーキ液回路が形成されたハウジング(1)と、ハウジング(1)の一端面(13)側に配置されて、内部にコイル室(52)と基板室(53)とを区画して形成するケース(5)、コイル室(52)に配置されるコイル部(31)を有しブレーキ液回路を開閉する電磁弁(3)と、基板室(53)に配置されて、電磁弁(3)を駆動する回路が設けられた電子基板(6)と、ハウジング(1)に形成された摺動孔(11)内で往復動するピストン(21)とこのピストン(21)によって区画されるブレーキ液室及び大気室(22)とを有し、ブレーキ液回路のブレーキ液をブレーキ液室に一時的に蓄えるリザーバ(2)と、コイル室(52)と外部空間とを連通させる換気孔(54)と、コイル室(52)と基板室(53)とを連通させる基板室用連通孔(511)と、摺動孔(11)のうちピストン(21)によってブレーキ液室と隔てられた大気室(22)とコイル室(52)とを連通させるリザーバ用連通孔(12)とを備え、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部と、リザーバ用連通孔(12)におけるコイル室(52)側の開口部とが、対向して配置されていることを特徴とする。
これによると、リザーバ用連通孔(12)におけるコイル室(52)側の開口部と換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部が同じ方向を臨んでいる場合よりも、リザーバ用連通孔(12)から噴出されたブレーキ液ミストは換気孔(54)に向けて直接的に至りやすいため、基板室(53)へのブレーキ液ミストの侵入を好適に抑止することができる。
なお、請求項1における「換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部と、リザーバ用連通孔(12)におけるコイル室(52)側の開口部が、対向して配置されている」は、両開口部が完全に向きあっているものに限定されるものではなく、リザーバ用連通孔(12)から噴出されるブレーキ液ミストが直接的に至りやすい位置に、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部が配置されるものも含んでいる。
請求項2に記載の発明では、ブレーキ液が流通するブレーキ液回路が形成されたハウジング(1)と、ハウジング(1)の一端面(13)側に配置されて、内部にコイル室(52)と基板室(53)とを区画して形成するケース(5)と、コイル室(52)に配置されるコイル部(31)を有しブレーキ液回路を開閉する電磁弁(3)と、基板室(53)に配置されて、電磁弁(3)を駆動する回路が設けられた電子基板(6)と、ハウジング(1)に形成された摺動孔(11)内で往復動するピストン(21)とこのピストン(21)によって区画されるブレーキ液室及び大気室(22)とを有し、ブレーキ液回路のブレーキ液をブレーキ液室に一時的に蓄えるリザーバ(2)と、コイル室(52)と外部空間とを連通させる換気孔(54)と、コイル室(52)と基板室(53)とを連通させる基板室用連通孔(511)と、摺動孔(11)のうちピストン(21)によってブレーキ液室と隔てられた大気室(22)とコイル室(52)とを連通させるリザーバ用連通孔(12)と、コイル室(52)において換気孔(54)およびリザーバ用連通孔(12)と基板室用連通孔(511)との間に配置されて、リザーバ用連通孔(12)から基板室用連通孔(511)側に向かう気体の流れを妨げる邪魔板(55)とを備えることを特徴とする。
これによると、リザーバ用連通孔(12)から噴出されたブレーキ液ミストは、基板室用連通孔(511)側には流れにくく、換気孔(54)側には流れやすいため、基板室(53)へのブレーキ液ミストの侵入を好適に抑止することができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットにおいて、コイル室(52)において換気孔(54)およびリザーバ用連通孔(12)と基板室用連通孔(511)との間に配置されて、リザーバ用連通孔(12)から基板室用連通孔(511)側に向かう気体の流れを妨げる邪魔板(55)を備えることを特徴とする。
これによると、リザーバ用連通孔(12)から噴出されたブレーキ液ミストは、基板室用連通孔(511)側には流れにくく、換気孔(54)側には一層流れやすくなるため、基板室(53)へのブレーキ液ミストの侵入を一層確実に抑止することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットにおいて、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部とリザーバ用連通孔(12)におけるコイル室(52)側の開口部との直線距離が、リザーバ用連通孔(12)におけるコイル室(52)側の開口部と基板室用連通孔(511)におけるコイル室(52)側の開口部との直線距離よりも短いことを特徴とする。
これによると、リザーバ用連通孔(12)から噴出されたブレーキ液ミストは、換気孔(54)に容易に到達しやすくなるため、基板室(53)へのブレーキ液ミストの侵入を一層確実に抑止することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットにおいて、気体の流出入を許容しかつ液体の流出入を防止するためのフィルタ(7)が換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部を覆うようにして配置され、このフィルタ(7)における気体の流出入面(71)が鉛直方向に延在することを特徴とする。
これによると、フィルタ(7)に付着した水などの液体が容易に落下するため、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)が液体によって塞がれることを防止できる。なお、請求項5における「鉛直方向」は、フィルタ(7)に付着した液体が容易に落下可能な程度に傾いているものも含むものである。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットにおいて、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部の鉛直方向中心が、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)の鉛直方向中心よりも下方に位置していることを特徴とする。
これによれば、仮に外部空間から換気孔(54)に水などの液体が入り込み、これがフィルタ(7)に至って換気孔(54)内に残留した場合、例えば、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部の鉛直方向中心が、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)の鉛直方向中心と一致している場合よりも、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)のうち上記液体によって塞がれる部位の面積が小さくなり、換言すると、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)のうち液体によって塞がれない部位の面積を大きく確保することができ、換気機能を維持しやすい。
請求項7に記載の発明では、請求項5または6に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニットにおいて、ケース(5)は、コイル室(52)と基板室(53)とを区画する隔壁(51)を備え、この隔壁(51)に換気孔(54)および基板室用連通孔(511)が形成され、換気孔(54)は、コイル室(52)側の開口部とこの開口部よりも鉛直方向下方に設けられる外部空間側の開口部とを連通するように屈曲形成されてなることを特徴とする。
これによると、換気孔(54)における外部空間側の開口部がコイル室(52)側の開口部よりも鉛直方向下方に設けられるため、外部空間から換気孔(54)に入った水などの異物が外部空間へと排出され易くなり、その結果、フィルタ(7)における気体の流出入面(71)が異物によって塞がれ難くなる。さらに、換気孔(54)が屈曲形成されるため、例えば外部空間から換気孔(54)に向けて飛散する異物がフィルタ(7)に至り難くなり、その結果、フィルタ(7)の保護を図ることができるとともに、上記異物が液体であった場合にはこれがフィルタ(7)に付着するといったことを防止できる。
また、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部の鉛直方向中心がフィルタ(7)における気体の流出入面(71)の鉛直方向中心よりも下方に位置する構成が採用される場合には、例えば、換気孔(54)におけるコイル室(52)側の開口部の鉛直方向中心がフィルタ(7)における気体の流出入面(71)の鉛直方向中心と一致している場合と比較して、換気孔(54)を鉛直方向に小さく、すなわち、換気孔(54)の高さを抑えることができるようになる。そのため、例えば隔壁(51)において換気孔(54)を形成する部分を確保するためにこの隔壁(51)の一部を厚くすなわち張り出して形成する場合などには、この張り出し部分を鉛直方向に小さくすることができ、ケース(5)内における有効スペースの確保に有利となる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットを一部断面で示す模式的な図である。なお、図1の矢印は、液圧ユニットを車輌に搭載したときの天地の向きを示している。
図1に示す液圧ユニットは、例えばABS制御等においてホイールシリンダ内のブレーキ液圧制御を行うものであり、ブレーキ液が流通するブレーキ液回路が形成されたアルミニウム合金製のハウジング1を備え、このハウジング1には、ブレーキ液圧を調整する液圧機構が組み付けられている。
液圧機構は、ブレーキ液回路のブレーキ液を一時的に蓄えるためのリザーバ2、リザーバ2からブレーキ液を吸入してブレーキ液回路に吐出するポンプ、ブレーキ液回路を開閉する電磁弁3等を備えている。なお、ポンプについては、その構成部品である電動機4のみを図示している。
リザーバ2は、ハウジング1の下部位置に形成された円柱状の摺動孔11を含み、この摺動孔11には、略円板状のピストン21が摺動自在に挿入されている。そして、摺動孔11の内周壁面および奥端部とピストン21とによって、ブレーキ液を一時的に蓄えるためのブレーキ液室(図示せず)が形成されている。
摺動孔11内の空間のうちピストン21によってブレーキ液室と隔てられた大気室22には、ブレーキ液室の容積を縮小させる向きにピストン21を付勢するスプリング23が配設されている。ハウジング1における摺動孔11の開口部には、スプリング23の一端を保持するストッパ24が固定されており、このストッパ24により摺動孔11の開口部が閉塞されている。大気室22は、ハウジング1に形成されたリザーバ用連通孔12により、後述するコイル室52と連通されている。
そして、リザーバ2は、図示しないマスタシリンダからブレーキ液が供給された場合や、ABS制御中に図示しないホイールシリンダからブレーキ液が排出された場合に、ピストン21がスプリング23に抗して移動してブレーキ液室にブレーキ液を一時的に蓄えるようになっている。
電磁弁3は、ブレーキ液回路を開閉する弁部(図示せず)と、通電時に磁気吸引力により弁部を駆動するコイル部31と、磁気吸引力に対抗する向きに弁部を付勢するスプリング(図示せず)等を備えている。
ハウジング1の一端面13側には、樹脂製の第1ケース5Aと樹脂製の第2ケース5Bとからなるケース5が装着されている。第1ケース5Aは矩形筒状になっており、電磁弁3を囲むようにしてハウジング1にねじ(図示せず)にて結合されている。また、第1ケース5Aにおける紙面右側の開口部はハウジング1にて閉塞されており、第1ケース5Aにおける紙面左側の開口部は第2ケース5Bにて閉塞されている。
ハウジング1の一端面13と第1ケース5Aと第2ケース5Bとによって形成される空間は、第1ケース5Aに設けられた隔壁51によって、コイル室52と基板室53とに区画されている。この隔壁51は、第1ケース5Aにおける紙面上側の内壁面から紙面下側の内壁面まで延びるとともに、第1ケース5Aにおける紙面手前側の内壁面から紙面奥側の内壁面まで延びている。
また、コイル室52と基板室53との間は、隔壁51に設けた複数の基板室用連通孔511によって連通されている。隔壁51は鉛直方向に延びており、基板室用連通孔511は、リザーバ用連通孔12から遠ざけるために、隔壁51の鉛直方向中心よりも上部に配置されている。
そして、ハウジング1の一端面13と隔壁51との間に形成されたコイル室52には、電磁弁3のコイル部31が収納されている。第2ケース5Bと隔壁51との間に形成された基板室53には、電子基板6が収納されている。この電子基板6には、電磁弁3やポンプの電動機4を駆動するための駆動回路が設けられている。
図2に詳細に示すように、ハウジング1に形成されたリザーバ用連通孔12は、水平方向に延びる孔であり、コイル室52の下部位置にてコイル室52と連通している。
第1ケース5Aの隔壁51の下部位置には、コイル室52と本液圧ユニットの外部空間とを連通させる換気孔54が形成されている。この換気孔54は、隔壁51をその下部位置にて部分的に基板室53側に張り出して形成した張り出し部56に形成されている。また、換気孔54は、水平方向に延在し一端がコイル室52側の開口部を構成する横穴541と、この横穴541の他端に一端が接続されて鉛直方向に延在し下方の開口部にて外部空間に連通する縦穴542とからなっている。このように、換気孔54は、コイル室52側の開口部とこの開口部よりも鉛直方向下方に設けられる外部空間側の開口部とを連通するように屈曲形成されている。
換気孔54は、コイル室52の下部位置にてコイル室52と連通している。また、横穴541におけるコイル室52側の開口部と、リザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部は、対向して配置されている。
さらに、横穴541におけるコイル室52側の開口部とリザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部との直線距離が、リザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部と基板室用連通孔511(図1参照)におけるコイル室52側の開口部との直線距離よりも短く設定されている。
横穴541におけるコイル室52側の開口部を覆うようにして、円形のフィルタ7が配置されている。フィルタ7は、気体を通し、液体は通さない、樹脂製の防水フィルタである。そして、フィルタ7は、フィルタ7における気体の流出入面71が鉛直方向に延在するようにして、隔壁51に熱溶着にて固定されている。因みに、横穴541におけるコイル室52側の開口部の鉛直方向中心と、フィルタ7における気体の流出入面71の鉛直方向中心は一致させている。
上記構成において、コイル室52内の温度変化によりコイル室52内の圧力が変化した場合は、フィルタ7および換気孔54を介してコイル室52と外部空間との間で気体が流通する。また、基板室53内の温度変化により基板室53内の圧力が変化した場合は、基板室用連通孔511、コイル室52、フィルタ7および換気孔54を介して、基板室53と外部空間との間で気体が流通する。さらに、ピストン21の往復動により大気室22内の圧力が変化した場合は、リザーバ用連通孔12、コイル室52、フィルタ7および換気孔54を介して、大気室22と外部空間との間で気体が流通する。以上の呼吸作用により、コイル室52、基板室53および大気室22の換気が行われて、それらの室での結露が防止される。
上記実施形態のように、横穴541におけるコイル室52側の開口部と、リザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部を、対向して配置した場合、大気室22からリザーバ用連通孔12を介してコイル室52に噴出されたブレーキ液ミストは、横穴541に向けて直接的に至りやすいため、基板室53へのブレーキ液ミストの侵入を好適に抑止することができる。
また、横穴541におけるコイル室52側の開口部とリザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部との直線距離が、リザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部と基板室用連通孔511におけるコイル室52側の開口部との直線距離よりも短いため、リザーバ用連通孔12から噴出されたブレーキ液ミストは、横穴541に容易に到達しやすくなり、相対的に基板室用連通孔511には到達しにくくなり、基板室53へのブレーキ液ミストの侵入を一層確実に抑止することができる。
また、フィルタ7における気体の流出入面71が鉛直方向になるようにしているため、フィルタ7に付着した水などの液体が容易に落下し、フィルタ7が液体によって塞がれることを防止できる。
さらに、換気孔54における外部空間側の開口部がコイル室52側の開口部よりも鉛直方向下方に設けられるため、外部空間から換気孔54に入った水などの異物が外部空間へと排出され易くなり、その結果、フィルタ7における気体の流出入面71が異物によって塞がれ難くなる。
しかも、換気孔54は横穴541と縦穴542とで構成されて屈曲しているため、例えば外部空間から換気孔54に向けて飛散する異物がフィルタ7に至り難くなり、その結果、フィルタ7の保護を図ることができるとともに、上記異物が液体であった場合にはこれがフィルタ7に付着するといったことを防止できる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図3は本発明の第2実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットを一部断面で示す模式的な図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、第1ケース5Aの隔壁51には、リザーバ用連通孔12から基板室用連通孔511側に向かう気体の流れを妨げる邪魔板55が形成されている。この邪魔板55は、コイル室52において換気孔54およびリザーバ用連通孔12と基板室用連通孔511との間に配置されている。
より詳細には、邪魔板55は、隔壁51における基板室用連通孔511よりも下方で且つ換気孔54よりも上方の位置から、ハウジング1の一端面13に向かって水平方向に延びている。但し、邪魔板55におけるハウジング1の一端面13側の端部は、ハウジング1の一端面13から離れていて、邪魔板55とハウジング1の一端面13との間には隙間が形成されている。また、邪魔板55は、第1ケース5Aにおける紙面手前側の内壁面から紙面奥側の内壁面まで延びている。
本実施形態によると、リザーバ用連通孔12からコイル室52に噴出されたブレーキ液ミストは、邪魔板55の存在により基板室用連通孔側511には流れにくく、換気孔54側には流れやすくなるため、基板室53へのブレーキ液ミストの侵入を抑止することができる。
また、邪魔板55による基板室53へのブレーキ液ミストの侵入抑止効果と、横穴541におけるコイル室52側の開口部とリザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部を対向して配置したことによる基板室53へのブレーキ液ミストの侵入抑止効果とが相俟って、基板室53へのブレーキ液ミストの侵入を一層確実に抑止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図4は本発明の第3実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットの要部を示す断面図である。なお、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、横穴541におけるコイル室52側の開口部の鉛直方向中心と、フィルタ7における気体の流出入面71の鉛直方向中心を一致させたが、本実施形態では、図4に示すように、横穴541におけるコイル室52側の開口部の鉛直方向中心を、フィルタ7における気体の流出入面71の鉛直方向中心よりも下方に位置させている。
このようにすれば、横穴541におけるコイル室52側の開口部の鉛直方向中心が、フィルタ7における気体の流出入面71の鉛直方向中心と一致している場合よりも、換気孔54を鉛直方向に小さく、すなわち、換気孔54の高さを抑えることができるようになる。そのため、隔壁51の張り出し部56(すなわち、換気孔54を形成するために基板室53側に張り出した部位)を鉛直方向に小さくすることができ、基板室53における有効スペースの確保に有利となる。
さらに、仮に外部空間から換気孔54に水などの液体が入り込み、これがフィルタ7に至って換気孔54内に残留した場合、例えば、横穴541におけるコイル室52側の開口部の鉛直方向中心が、フィルタ7における気体の流出入面71の鉛直方向中心と一致している場合よりも、フィルタ7における気体の流出入面71のうち上記液体によって塞がれる部位の面積が小さくなり、換言すると、フィルタ7における気体の流出入面71のうち液体によって塞がれない部位の面積を大きく確保することができ、換気機能を維持しやすい。
(他の実施形態)
本発明は、横穴541が水平方向に延在することに限定されるものではなく、また、縦穴542が鉛直方向に延在することに限定されるものではなく、さらに、換気孔54が屈曲することに限定されるものではない。
また、本発明は、「換気孔54におけるコイル室52側の開口部と、リザーバ用連通孔12におけるコイル室52側の開口部とが、対向して配置される」という構成と、「邪魔板55を備える」という構成とを両方兼ね備えることに限定されるものではなく、それらの構成のうちの少なくとも一方を備えていればよい。
本発明の第1実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットを一部断面で示す図である。 図1の液圧ユニットの要部を示す断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットを一部断面で示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる車両用ブレーキ装置の液圧ユニットの要部を示す断面図である。
符号の説明
1…ハウジング、2…リザーバ、3…電磁弁、5…ケース、6…電子基板、11…摺動孔、12…リザーバ用連通孔、13…ハウジングの一端面、21…ピストン、22…大気室、31…コイル部、52…コイル室、53…基板室、54…換気孔、511…基板室用連通孔、541…横穴、542…縦穴。

Claims (7)

  1. ブレーキ液が流通するブレーキ液回路が形成されたハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)の一端面(13)側に配置されて、内部にコイル室(52)と基板室(53)とを区画して形成するケース(5)と、
    前記コイル室(52)に配置されるコイル部(31)を有し前記ブレーキ液回路を開閉する電磁弁(3)と、
    前記基板室(53)に配置されて、前記電磁弁(3)を駆動する回路が設けられた電子基板(6)と、
    前記ハウジング(1)に形成された摺動孔(11)内で往復動するピストン(21)とこのピストン(21)によって区画されるブレーキ液室及び大気室(22)とを有し、前記ブレーキ液回路のブレーキ液を前記ブレーキ液室に一時的に蓄えるリザーバ(2)と、
    前記コイル室(52)と外部空間とを連通させる換気孔(54)と、
    前記コイル室(52)と前記基板室(53)とを連通させる基板室用連通孔(511)と、
    前記摺動孔(11)のうち前記ピストン(21)によって前記ブレーキ液室と隔てられた大気室(22)と前記コイル室(52)とを連通させるリザーバ用連通孔(12)とを備え、
    前記換気孔(54)における前記コイル室(52)側の開口部と、前記リザーバ用連通孔(12)における前記コイル室(52)側の開口部とが、対向して配置されていることを特徴とする車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  2. ブレーキ液が流通するブレーキ液回路が形成されたハウジング(1)と、
    前記ハウジング(1)の一端面(13)側に配置されて、内部にコイル室(52)と基板室(53)とを区画して形成するケース(5)と、
    前記コイル室(52)に配置されるコイル部(31)を有し前記ブレーキ液回路を開閉する電磁弁(3)と、
    前記基板室(53)に配置されて、前記電磁弁(3)を駆動する回路が設けられた電子基板(6)と、
    前記ハウジング(1)に形成された摺動孔(11)内で往復動するピストン(21)とこのピストン(21)によって区画されるブレーキ液室及び大気室(22)とを有し、前記ブレーキ液回路のブレーキ液を前記ブレーキ液室に一時的に蓄えるリザーバ(2)と、
    前記コイル室(52)と外部空間とを連通させる換気孔(54)と、
    前記コイル室(52)と前記基板室(53)とを連通させる基板室用連通孔(511)と、
    前記摺動孔(11)のうち前記ピストン(21)によって前記ブレーキ液室と隔てられた大気室(22)と前記コイル室(52)とを連通させるリザーバ用連通孔(12)と、
    前記コイル室(52)において前記換気孔(54)および前記リザーバ用連通孔(12)と前記基板室用連通孔(511)との間に配置されて、前記リザーバ用連通孔(12)から前記基板室用連通孔(511)側に向かう気体の流れを妨げる邪魔板(55)とを備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  3. 前記コイル室(52)において前記換気孔(54)および前記リザーバ用連通孔(12)と前記基板室用連通孔(511)との間に配置されて、前記リザーバ用連通孔(12)から前記基板室用連通孔(511)側に向かう気体の流れを妨げる邪魔板(55)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  4. 前記換気孔(54)における前記コイル室(52)側の開口部と前記リザーバ用連通孔(12)における前記コイル室(52)側の開口部との直線距離が、前記リザーバ用連通孔(12)における前記コイル室(52)側の開口部と前記基板室用連通孔(511)における前記コイル室(52)側の開口部との直線距離よりも短いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  5. 気体の流出入を許容しかつ液体の流出入を防止するためのフィルタ(7)が前記換気孔(54)における前記コイル室(52)側の開口部を覆うようにして配置され、このフィルタ(7)における気体の流出入面(71)が鉛直方向に延在することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  6. 前記換気孔(54)における前記コイル室(52)側の開口部の鉛直方向中心が、前記フィルタ(7)における気体の流出入面(71)の鉛直方向中心よりも下方に位置していることを特徴とする請求項5に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
  7. 前記ケース(5)は、前記コイル室(52)と前記基板室(53)とを区画する隔壁(51)を備え、
    この隔壁(51)に前記換気孔(54)および前記基板室用連通孔(511)が形成され、
    前記換気孔(54)は、前記コイル室(52)側の開口部とこの開口部よりも鉛直方向下方に設けられる外部空間側の開口部とを連通するように屈曲形成されてなることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用ブレーキ装置の液圧ユニット。
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