JP4631481B2 - ポリエステル芯鞘複合繊維 - Google Patents
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Description
(1)テレフタル酸を酸成分とし、トリメチレングリコールをグリコール成分とするポリエステルAを芯部に配し、テレフタル酸を酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエステルBを鞘部に配した、長手方向に同心円芯鞘断面形状を有し、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.40〜0.68の複合繊維であって、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度に対し、鞘部に配するポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度が高く、且つその差が0.4〜1.0であることを特徴とするポリエステル芯鞘複合繊維である。
(2)初期引張抵抗度が20〜40cN/dtexであり、強伸度積が5.0〜6.0cN/dtexであることを特徴とする(1)記載のポリエステル芯鞘複合繊維である。
本発明のポリエステル芯鞘複合繊維において、3GT特有の発色性及びソフト性を損なわないためには、芯部と鞘部の重量比が20:80〜55:45、3GTの極限粘度が0.80〜1.68の範囲が適当であり、PETの極限粘度は0.40〜0.68とする必要がある。また本発明のポリエステル芯鞘複合繊維の収縮特性においては、沸騰水収縮率で7〜20%、160℃乾熱収縮率で10〜20%、熱収縮応力ピーク値で0.1〜0.4cN/dtexの範囲が適当である。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
(2)溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用い、窒素雰囲気下において温度280℃、剪断速度6080(1/sec)での測定を3回行い、その平均値を溶融粘度とした。
(3)初期引張抵抗度、強度、伸度
JIS L1013(1999)に従い測定した。
(4)強伸度積
強伸度積(cN/dtex)=強度(cN/dtex)×(1+(伸度(%)/100))
(5)沸騰水収縮率
沸騰水収縮率(%)=((L0−L1)/L0)×100
L0:原糸をかせ取りし、測定荷重0.029cN/dtexでのかせ長
L1:原糸を無荷重の状態で100℃の沸騰水にて15分間処理し、風乾後、測定荷重0.029cN/dtexを掛けたときのかせ長
(6)発色性
本発明のポリエステル芯鞘複合繊維(サンプルA)とPET単独糸(サンプルB)のサンプルを筒編みし、染料としてテトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤としてテトロシンPE−C5.0%owf、分散剤としてニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後の、サンプルA、B間の染色差を総合的に官能検査し3段階評価した。尚、○以上を合格とした。PET単独糸は84dtex−48fフィラメント(フィラメント(以下fと略す))のものを使用した。
○ :優れている
× :PET同等(発色性向上は無し)
(7)ソフト性
本発明のポリエステル芯鞘複合繊維を布帛にし、10人のパネラーに触らせ、ソフト性良好か否かを評価した。なお、評価基準は下記の通りとした。尚、○以上を合格とした。布帛は本発明のポリエステル芯鞘複合繊維(84dtex−48f)を緯糸とし、PET単独糸(33dtex−12f)を経糸として、緯織密度95本/インチ、経織密度138本/インチのものを使用した。
○○ :非常に良好
○ :良好
× :PET同等
(8)布帛毛羽評価
(6)記載の布帛を検反し、100疋中毛羽の存在する布帛数を下記評価基準にて3段階評価とした。尚、○以上を合格とした。
○○ :0〜3疋
○ :4〜6疋
× :7疋以上
実施例1
極限粘度0.51のPETと極限粘度1.13の3GTをそれぞれエクストルーダーを用い、それぞれ285℃、260℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、ポリマー温度270℃にて同心円芯鞘断面形状を形成すべく公知の口金に流入させた。複合比はPET:3GT=30:70の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、PETが12分、3GTは5分であった。口金から吐出された糸条は、冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラーに引き取られ、一旦巻き取ることなく、4050m/分の速度で155℃に加熱された第2ホットローラーに引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4000m/分にて2個のゴデットローラーを引き回した後、3970m/分にて巻き取り、84dtex―48fのポリエステル芯鞘複合糸を得た。巻取機入口での張力は0.15cN/dtexであった。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、発色性、ソフト性に優れたものであり、布帛の毛羽評価も良好であった。
複合比はPET:3GT=50:50の割合とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、84dtex―48fのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、実施例1にはやや劣るものの発色性、ソフト性に優れたものであり、布帛の毛羽評価も良好であった。
極限粘度0.62のPETを用い、極限粘度差を0.51とし、ポリマー温度を275℃とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、84dtex―48fのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、実施例1にはやや劣るものの、発色性、ソフト性に優れたものであり、布帛の毛羽評価も良好であった。
極限粘度0.62のPET、極限粘度0.75の3GTを用い、ポリマー温度を275℃とした以外は、実施例2と同様の条件にて製糸し、84dtex―48fのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、布帛の毛羽評価は良好であったものの、ソフト感、染色均一性、発色性何れも満足できるものではなかった。
極限粘度1.13の3GTを単独で紡出した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し84dtex―48fの3GT単独糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、初期引張抵抗度が低く、ソフト性に優れていた他、発色性にも優れていたが、強度が低く満足できるものではなく、布帛の毛羽評価においても芯鞘型に対し劣位であった。
Claims (2)
- テレフタル酸を酸成分としエチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、テレフタル酸を酸成分とし、トリメチレングリコールをグリコール成分とするポリトリメチレンテレフタレートを鞘部に配した、長手方向に同心円芯鞘断面形状を有し、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.40〜0.68の複合繊維であって、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度に対し、鞘部に配するポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度が高く、且つその差が0.4〜1.0であることを特徴とするポリエステル芯鞘複合繊維。
- 初期引張抵抗度が20〜40cN/dtexであり、強伸度積が5.0〜6.0cN/dtexであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル芯鞘複合繊維。
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