JP4862378B2 - ポリエステル芯鞘複合繊維 - Google Patents
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Description
(1)テレフタル酸を酸成分としエチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、テレフタル酸を酸成分とし、トリメチレングリコールをグリコール成分とするポリトリメチレンテレフタレートを鞘部に配した、長手方向に同心円芯鞘断面形状を有する複合繊維であって、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度に対し、鞘部に配するポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度が高く、且つその差が0.4〜1.0であり、更に下記(A)〜(E)を満足することを特徴とするポリエステル芯鞘複合繊維。
(D)総繊度が44〜100dtexである。
(E)強力が235〜295cNである。
(2)下記(F)、(G)を満足し、カーシート用であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル芯鞘複合繊維。
強力は235〜295cNである必要がある。強力が235cN以上であると、PETによる強度補強がより効果的になり、耐摩擦性や破れに強いカーシートが得られるため好ましい。より好ましくは250cN以上である。また強力が295cN以下であると、3GT特有のソフト性がより発揮され、より肌触りの良好なカーシートが得られるため好ましい。より好ましくは280以下である。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解した温度25℃の3GT及びPET希釈溶液の粘度を測定し得られるものであり、次の定義式に基づいて求められる値である。
(2)初期引張抵抗度、強力
JIS L1013(1999)に従い測定した。
(3)熱応力上昇値
鐘紡エンジニアリング社製のKE−2を用い、初期過重0.044cN/dtex、昇温速度100℃/分にて測定し、横軸に温度、縦軸に熱応力値をプロットした。該測定方法にて得られた収縮応力曲線において、60℃から80℃までの1℃毎の熱応力上昇値20個を平均化し、熱応力上昇値とした。
(4)沸水収縮率
沸騰水収縮率(%)=((L0−L1)/L0)×100
L0:原糸をかせ取りし、測定荷重0.029cN/dtexでのかせ長
L1:原糸を無荷重の状態で100℃の沸騰水にて15分間処理し、風乾後、測定荷重0.029cN/dtexを掛けたときのかせ長
(5)繊度変動率
繊度変動率はツェルベガーウスター株式会社製USTER・TESTER−4を用い、下記条件にて測定した。
測定速度:200m/分
測定時間:1分
撚り :S撚り12000/分
(6)発色性
本発明のポリエステル芯鞘複合繊維(サンプルA)とPET単独糸(サンプルB)のサンプルをそれぞれ生糸100%使いにて、36ゲージのトリコットベロア布帛を作製し、80℃で精練した後、染料として長瀬産業(株)製テトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤として正研化工(株)製テトロシンPE−C5.0%owf、分散剤として日華化学(株)製ニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後の、サンプルA、B間の染色差を総合的に官能検査し3段階評価した。尚、○以上を合格とした。該評価には本発明のポリエステル芯鞘複合繊維及びPET単独糸については84dtex−60フィラメント(フィラメント(以下fと略す))のものを使用した。
○○ :非常に優れている
○ :優れている
× :PET同等(発色性向上は無し)
(7)染色均一性
(6)にて得られた布帛サンプルA、Bを、(6)と同様の方法にて染色した後、乾燥させものについて染色の均一性を評価した。染色均一性の判断基準は染色後の布帛に斑が無いのものを基準の0点とし、0〜50点の点数評価を実施、下記評価基準にて3段階評価とした。尚、○以上を合格とした。
○○ :0〜10点
○ :11〜30点
× :31点以上
(8)ソフト性
(6)にて得られた布帛サンプルA、Bを、10人のパネラーに触らせ、ソフト性良好か否かを評価した。なお、評価基準は下記の通りとした。尚、○以上を合格とした。
○○ :非常に良好
○ :良好
× :PET同等
(9)耐カール性
(6)にて得られた布帛を、30cm×50cmに切り取り、布帛短辺の片側を固定、その他は負荷を掛けないフリーな状態で、水平なテーブルの上に置き、その際の布帛の接地面積を測定、布帛全面に対する接地面の比率を求め、下記評価基準にて3段階評価とした。尚、○以上を合格とした。
○○ :100%(カール無し)
○ :95%以上100%未満
× :95%未満
実施例1
極限粘度0.51のPETと極限粘度1.13の3GTをそれぞれエクストルーダーを用い、それぞれ285℃、260℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、ポリマー温度270℃にて同心円芯鞘断面形状を形成すべく公知の口金に流入させた。複合比はPET:3GT=30:70の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、PETが12分、3GTは5分であった。口金から吐出された糸条は、冷却、油剤付与後、1600m/分の速度で55℃に加熱された第1ホットローラーに引き取られ、一旦巻き取ることなく、155℃に加熱し、延伸糸伸度が45%となるよう速度を設定した第2ホットローラーに引き回し、延伸し、その際糸条を6.5回巻き付け熱セットを行った。その後、第2ホットローラーとの間の張力が0.07cN/dtexとなるよう速度を設定した非加熱の第3ゴデットローラーと、第3ゴデットローラーと同速度の第4ゴデットローラーに引き回し、0.15cN/dtexの張力にて巻き取り、84dtex−60f、単糸繊度1.4dtexのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、発色性、ソフト性に優れ、染色性、耐カール性においても良好であり、カーシートに適したものであった。
複合比をPET:3GT=50:50の割合とし、第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力を0.05cN/dtexとした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、84dtex−60f、単糸繊度1.4dtexのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、実施例1にはやや劣るものの、発色性、ソフト性に優れ、染色性、耐カール性においても良好であり、カーシートに適したものであった。
単糸繊度を0.9dtex、総繊度を56dtexとし、第2ホットローラー温度を135℃、第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力を0.15cN/dtexとした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、56dtex−60fのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、実施例1にはやや劣るものの発色性、ソフト性に優れ、染色性、耐カール性においても良好であり、カーシートに適したものであった。
第2ホットローラーへの糸条巻き付け回数を12.5回にした以外は、実施例1と同様に第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力が0.07cN/dtexとなる条件にて製糸し、84dtex−60f、単糸繊度1.4dtexのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、ポリマー構成等、実施例1と同条件であっても熱セット時間延長により結晶化が促進され、耐カール性には効果的であったが、染色性、発色性、ソフト性は満足できるものではなく、カーシートに適するものではなかった。
極限粘度0.62のPET、極限粘度0.75の3GTを用い、ポリマー温度を275℃とした以外は、実施例1と同様に第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力が0.07cN/dtexとなる条件にて製糸し、84dtex−60f、単糸繊度1.4dtexのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、染色性、耐カール性は良好であったものの、発色性、ソフト性は満足できるものではなく、カーシートに適するものではなかった。
複合比をPET:3GT=70:30の割合とした以外は、実施例1と同様に第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力が0.07cN/dtexとなる条件にて製糸し、84dtex−60f、単糸繊度1.4dtexのポリエステル芯鞘複合糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、染色性、耐カール性は良好ではあったものの、発色性、ソフト性は満足できるものではなく、カーシートに適するものではなかった。
極限粘度1.13の3GTを単独で紡出した以外は、実施例1と同様に第2ホットローラーと第3ゴデットローラー間の張力が0.07cN/dtexとなる条件にて製糸し、84dtex−60fの3GT単独糸を得た。物性および風合い評価の結果は表1の通りであり、初期引張抵抗度が低く、ソフト性に長け、染色性、発色性も良好ではあったが、耐カール性においては最も劣位であり、カーシートに適するものではなかった。
カーシートとして、適用方法はこれに限ったことではなく、綿などの天然繊維との交織、交編が可能である。
2 糸条冷却送風装置
3 油剤付与装置
4 交絡装置
5 第1ホットローラー
6 第2ホットローラー
7 交絡装置
8 第3ゴデットローラー
9 第4ゴデットローラー
10 コンタクトローラー
11 パッケージ
Claims (2)
- テレフタル酸を酸成分としエチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを芯部に配し、テレフタル酸を酸成分とし、トリメチレングリコールをグリコール成分とするポリトリメチレンテレフタレートを鞘部に配した、長手方向に同心円芯鞘断面形状を有する複合繊維であって、芯部に配するポリエチレンテレフタレートの極限粘度に対し、鞘部に配するポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度が高く、且つその差が0.4〜1.0であり、更に下記(A)〜(E)を満足することを特徴とするポリエステル芯鞘複合繊維。
(A)単糸繊度が0.7〜2.1dtexである。
(B)収縮応力曲線において60℃から80℃までの1℃あたりの熱応力上昇値の
平均が0.008〜0.02cN/dtex・℃である。
(C)沸水収縮率が9.5〜13.0%である。
(D)総繊度が44〜100dtexである。
(E)強力が235〜295cNである。 - 下記(F)、(G)を満足し、カーシート用であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル芯鞘複合繊維。
(F)初期引張抵抗度が20〜40cN/dtexである。
(G)繊度変動率が1.0%以下である。
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