JP4629216B2 - レーザ溶接における突き合わせ部の固定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、家庭電化製品、機械産業分野などで利用されているレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種形状を溶接するためにYAGレーザの溶接トーチは、少なくとも2次元方向に自由な動作を確保するレールを自在に移動をして、溶接トーチからレーザ光線を突き合わせ部に3次元方向照射する。また、YAGレーザにより良好な溶接を得るためには、精密に位置合わせした被溶接部材を確実に固定する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、精密で強力な固定のために必要な剛性の高い大型の固定装置は、溶接トーチやその搬送部材のレール、材料搬送部材との障害になることがあり、小型の突き合わせ部の固定装置の開発が待たれていた。
また正確な位置合わせをして溶接を行っているので、そのまま裏ビードの除去が行えれば、自動工程の工程数を簡略化が期待できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1に係る発明は、少なくとも2枚の板材を載置する溶接テーブルと、板材を溶接できるように突き合わせる位置決め部材と、位置決めされた状態で該板材を固定する固定部材と、該突き合わせ部に沿ってレーザを照射する溶接トーチとを備えるレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置において、該固定部材は、該板材を押圧する当接面を有するクランパと、該クランパの下端部を溶接テーブルに挿通させる挿通孔と、該挿通孔に挿通された該クランパの下端部を引き下げる引き下げ部材とを備える一方、該溶接テーブルに、該板材を搬入して溶接を終えた被溶接部材を該溶接テーブルから搬出する材料搬送部材を備え、該材料搬送部材は、該クランパを保持して該挿通孔から引き上げるための把持機構を有することを特徴とするレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。
これにより、板材を固定するクランパは、突き合わせ部を溶接する溶接トーチが移動するときに障害とならず強力な固定が行えるとともに、溶接を終えた後の被溶接部材を外すときは、クランパだけを挿通孔から抜く作業でも行えるので、手作業により解除することができる。
そして、板材を搬入出する材料搬送部材がクランパを保持できるので、板材を搬入して溶接テーブルに載置した後、保持しているクランパを挿通孔に挿通して固定するとともに、溶接後に固定を解除したクランパを材料搬送部材が保持して引き上げた後そのまま被溶接部材を搬出して材料搬送部材を兼用して一連の工程の効率化を図り生産性を向上できる。
【0005】
更に、請求項に係る発明は、請求項1記載の該クランパの上下端にそれぞれ切欠き部を設け、該把持機構は、該クランパの上方切欠き部に係合する爪部を開閉させるローダーハンドであるとともに、該引き下げ部材は、該クランパの下方切欠き部に係合する爪部を揺動自在に備える流体シリンダと、該爪部のカムフォロワをガイドして該爪部を下方切欠き部に係合させるクランパ用ドグ部材と、該爪部の下方切欠き部との係合状態を解除させるクランパ爪退避用ドグ部材とを備えるレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。
これにより、板材を搬入出する材料搬送部材の駆動機構を兼用して小さなローダーハンドを備えることができるとともに、強力な固定力を発揮できる流体シリンダを採用でき、その作動を利用して簡単な構造で爪部の開閉をすることができた。
【0006】
また、請求項に係る発明は、請求項1記載の該クランパにより該溶接テーブルに固定された該板材の突き合わせ部の下側に位置し、該突き合わせ部の裏ビードに接触するビード切除部と、該ビード切除部を該突き合わせ部に沿って移動させる移動部とを備え、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去するレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。これにより、溶接のために行った正確な位置合わせをされた板材の裏ビードをそのまま除去できるので、ビード除去のための位置合わせ工程を省略が出来て全体の自動工程の工程数を簡略化が期待できる。
なお、ビード切除部は、バイトのような固定刃で装置全体を小型化しても良いし、回転刃のように刃先の耐久度を向上させるものであっても良い。特に、YAGレーザー溶接の場合、裏ビードの面積又は容量が小さいので、走行するバイトを当てるだけで充分に切除することが可能である。また、移動部は、レールを移動するできるローダをボールネジ軸で駆動させる以外に、リニアモータで駆動させることも可能であり、移動部材及び駆動部材を限定するものではない。
また、ビードの除去は、溶接箇所が放熱して常温になってから行うので、常温状態を検知するために赤外線温度検出検知器をビード切除部の前に設け、常温検出時に除去を開始又は継続するように制御することで、溶接から除去までのリードタイムを短くできる。また、先行する溶接トーチに対して、溶接から常温までの平均時間分遅延させて、ビード切除部を追従させることも可能である。特に、YAGレーザー溶接の場合、裏ビードの面積又は容量が小さく放熱時間が短く、走行位置が溶接テーブルの上下で空間を異にしているので、先行する溶接トーチに対してビード切除部をほぼ同時に移動させることが可能である。
【0007】
そして、請求項に係る発明は、請求項1記載の該クランパにより該溶接テーブルに固定された該板材の突き合わせ部の下側に位置し、該突き合わせ部の裏ビードにスプリングの付勢力により接触するバイト部と、該バイト部を該突き合わせ部に沿って移動させる移動部と、該移動部が移動する範囲の両端に各々設けたカム部材と、該カム部材に接触し該スプリングを縮退させてバイト部を裏ビードから引き離すバイト引き離し部とを備え、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去するレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。これにより、溶接のために行った正確な位置合わせをされた板材の裏ビードをそのまま除去できるので、ビード除去のための位置合わせ工程を省略が出来て全体の自動工程の工程数を簡略化が期待できる。また、裏ビードが付着していない板材の突き合わせ部ではバイト部の先端を裏ビードから徐々に引き離すことができ、板材の端部に欠損を生じたり、切除開始時に刃先が板材の端部に接触して刃こぼれすることを防止できる。
なお、ビード切除部のバイト部を、カム部材とバイト引き離し部とにより裏ビードに対して接触・離反させているが、バイト部を直接に上下動又は揺動させるなどのステッピングモータ等の駆動部材を移動部に設けても良い。
【0008】
また、裏ビード除去部材は、上記のようなクランプを溶接テーブルの下側へ引き下げる固定部材だけではなく、汎用的な固定部材であって例えば平滑な溶接テーブルに板材を押圧だけする部材を備えるYAGレーザ、炭酸レーザ等の溶接による突き合わせ部の固定装置であっても、取り付けることが可能である。
【0009】
また、溶接テーブル下に取り付けスペースが多いので、ビード切除部として、バイトのような固定刃で装置全体を小型化しても良いし、回転刃のように刃先の耐久度を向上させる中型程度の装置であっても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るレーザー溶接の固定装置を図面に基づいて説明する。図1(a)は平面方向から示し、(b)はその側面方向から示す説明図である。
10は、溶接する各種の板材11を正確に載置する溶接テーブルであり、板材11を溶接できるように溶接箇所で突き合わせる位置決め部材により、位置決めされた状態で板材11を固定する固定部材20が、図面では4カ所配置されている。また、この突き合わせ部Fに沿ってレーザを照射する溶接トーチ30は、溶接テーブル10の側方に配置されたレール31に沿ってボール軸駆動で移動するローダ32の上で更に直交方向に移動できるようにレール33に取り付けられている。したがって溶接トーチ30は、溶接箇所に対して少なくとも2次元方向又は水平方向に自在に位置合わせができるようになっている。
40は溶接前の板材11を準備しておく入側テーブルであり、41は溶接を終えた突き合わせ溶接済みワーク42を積んでおく出側テーブルである。そして板材11を入側テーブル40から溶接テーブル10まで、溶接テーブル10から溶接済みワーク42を出側テーブル41まで搬送する材料搬送装置50は、溶接トーチ30のレール31,33と同じように、レール51を入側テーブル40及び出側テーブル41の上方へそれぞれ長手方向に配置し、そのレール51に直交するようにレール53を備えるローダ52を入側及び出側とに配置するとともに、板材11及び溶接済みワーク42を先端の吸引負圧力で保持する支持54,55がそれぞれに上下動自在に設けられている。
なお、材料搬送装置50は、レールの上をローダが走行又は移動するものであるが、アーム形搬送装置で板材11をアームの先で挟持して、次の場所へ移動させるものであっても良いし、また入側及び出側のローダを1台で共用することも可能である。
【0011】
図2は、固定部材20である分離式クランパの説明図であり、外側の実線で示した部材はクランパ21を開放しており、二点鎖線で示した内側のクランパ21は固定されている状態を示す。また、固定部材20は2つの板材を、突き合わせ部Fからほぼ等距離で保持することが必要なので、突き合わせ部Fに対し左右対称な配置となっている。板材11を板バネ21bの付勢力より押圧する当接面21aを有するクランパ21と、クランパ21の下端部を溶接テーブル10に挿通させるために穿設された挿通孔10aと、挿通孔10aに挿通されたクランパ21の下端部を掴んで引き下げる引き下げ部材22とを備えている。これにより、板材11を溶接テーブル10に固定するクランパ21は、突き合わせ部Fを溶接する溶接トーチ30が移動するときに障害とならず強力な固定が行えるとともに、溶接を終えた後の被溶接部材を外すときは、クランパ21だけを挿通孔10aから抜く作業でも行えるので、手作業により解除することができる。
【0012】
また、クランパ21の上下端にそれぞれ切欠き部21c,21dを設けている。これにより、まず、クランパ21の上方切欠き部21に係合する爪部55aを開閉させるローダーハンド55bを、出側支持腕55の下面に取り付けることにより、溶接後に固定を解除したクランパ21を材料搬送部材50が保持して引き上げた後そのまま被溶接部材を搬出して材料搬送部材を兼用して一連の工程の効率化を図り生産性を向上できる。
一方、板材11を固定するためには、引き下げ部材22は、クランパ21の下方切欠き部21に係合する爪部22aを揺動自在に備える流体シリンダ23と、爪部22aのカムフォロワ22bが勝手に揺動しないようにガイドして爪部22aを下方切欠き部21に係合させるクランパ用ドグ部材24と、爪部22の下方切欠き部21との係合状態を解除させるクランパ爪退避用ドグ部材24aとを備えている。そして、シリンダ23が上昇すると、カムフォロワ22bがクランパ用ドグ部材24に当たり、外側に逃げるので開放される。
これにより、板材11を搬入出する材料搬送部材50の駆動機構を兼用して小さなローダーハンド55bを備えることができるとともに、強力な固定力を発揮できる流体シリンダ23を採用でき、その作動を利用して簡単な構造で爪部55aの開閉をすることができた。
なお、クランパ21の上下端にそれぞれ設けている切欠き部21c,21dの引っ張り手段は、係合だけでなく、ねじ込み式や各種固定装置が応用できる。
【0013】
図3は、他の実施の形態の説明図である。図2に係る発明ではクランパ21の抜き差し作業は、材料搬送部材50によっていたが、抜き差しを手動で行う場合には、クランパ21の上方切欠き部21は不要になる。
【0014】
図4は、他の実施の形態の説明図である。図2に示す装置に裏ビード除去部材を取り付けた説明図である。溶接テーブル10の突き合わせ部Fの下方には、溶接トーチにより溶接された火花や溶接くずが堆積されるスペースがあり、その両側には、上端にクランパ用ドグ部材24を設けた壁部材が設けられている。
壁部材の上方には、溶接テーブル10を下側から支持するフレーム10bが、固定された板材11の突き合わせ部Fに沿って取り付けられるとともに、それに平行して設けられたレール62には、裏ビード除去部材61が移動可能に設けられている。
裏ビード除去部材61は、突き合わせ部Fの裏ビードに接触するビード切除部63と、ビード切除部63を突き合わせ部Fと平行なレール62に沿って移動させる移動部64とを備え、ビード切除部63と移動部64とはベース板65で連結され、移動部64の中央に螺合されているネジ軸64aがモータ64bに回動されることによりレール62に沿って移動し、それとともにビード切除部63が移動して裏ビードを切除していく。
ビード切除部63は、先端を裏ビードに押し当てられ切除するバイト部71と、バイト部71の中央を回動自在に軸支する回動軸72と、バイト部71の後端を下方向に付勢するバネ部材73と、ここでは図示していない、裏ビードが付着していない突き合わせ部ではバイト部71の先端を裏ビードから引き離す切除部押し当て部とを有している。
【0015】
図5は、図4のA−A線断面図である。
板材11は、板バネ21bの付勢力より押圧する2つの当接面21aで溶接テーブル10に固定されている。なお、クランパ21の当接面21a及び板バネ21bの数及び大きさは図示するものに限定されず、突き合わせ部Fの長さ、レーザ出力等により適宜変更される。
ビード切除部63のバイト部71は、逆へ字状に形成された先端に刃先部71aを設け、裏ビードに押し当てて切除ができる。バイト部71の中央となるへ字状折り曲げ部には、ベース板65に立設された軸受け板65aに回動自在に軸支される回動軸72が取り付けられている。バイト部71の後端には、カムフォロワ74の上端が回動自在に取り付けられ、ベース板65に挿通されたカムフォロワ74の下端はバネ部材73にも挿通されてバイト部71の後端を下方向に付勢するとともに、バイト部71の刃先部71aを裏ビードに押し当てている。
また、裏ビードが付着していない突き合わせ部ではバイト部の先端を裏ビードから引き離す切除部押し当て部として、カム部材75がレール62の両端側に各々取り付けられている。各々のカム面は、ビード切除部63がレール62の両端側に移動すると、カムフォロワ74が接触してバネ部材73の付勢力に抗してカムフォロワ74を押し下げるように傾斜している。これにより、裏ビードが付着していない板材の突き合わせ部ではバイト部71の先端を裏ビードから徐々に引き離すことができ、板材の端部に欠損を生じたり、切除開始時に刃先が板材の端部に接触して刃こぼれすることを防止できる。
なお、バイト部71を逆へ字状に形成し、先端に刃先部71aを、へ字状折り曲げ部に回動軸72を、後端にバネ部材73をそれぞれ設けているが、梃子の原理を利用することはこれに限定することなく、バイト部71の刃先を裏ビードに押し当てるとともに、バネ部材73に抗して引き離すことが出来れば、バイト部71の形状、刃先部等の形成位置を限定するものではない。
【0016】
図6は、図4に示す刃先部71aの部分拡大図であり、板材11の裏面に接触する摺動部71bを、刃先部71aの両端部に形成し、それらの間には裏ビードを直接に切除する切除部71cを形成し、余分な裏ビード部11aを切除していくことができ、板材11の表面がより平滑となり自動車等の外板といった見栄えを要求される部位への適用が可能になる効果がある。
【0017】
図7は、図5のB−B線断面図であってカム部材75に押し下げられたカムフォロワ74を示している。カムフォロワ74は、バイト部71の後端から横方向にブラケット74aにより延設され、ブラケット74aの先端部がカム部材75の傾斜面に接触し、移動部64がレール62の外側に移動していくに従い、バネ部材73の付勢力に抗して下方向へ押し下げられ、バイト部71の先端を裏ビードから徐々に引き離すことができる。
【0018】
【発明の効果】
詳述したように、請求項1に係る発明は、レーザ溶接における突き合わせ部の固定装置における固定部材が、板材を押圧する当接面を有するクランパと、該クランパの下端部を溶接テーブルに挿通させる挿通孔と、該挿通孔に挿通された該クランパの下端部を引き下げる引き下げ部材とを備えている一方、該溶接テーブルに、該板材を搬入して溶接を終えた被溶接部材を該溶接テーブルから搬出する材料搬送部材を備え、該材料搬送部材は、該クランパを保持して該挿通孔から引き上げるための把持機構を有することにより、板材を固定するクランパは、突き合わせ部を溶接する溶接トーチが移動するときにも障害とならず強力な固定が行えるとともに、溶接を終えた後の被溶接部材を外すときは、クランパだけを挿通孔から抜く作業でも行えるので、手作業により解除することができる。
そして、板材を搬入出する材料搬送部材がクランパを保持できるので、板材を搬入して溶接テーブルに載置した後、保持しているクランパを挿通孔に挿通して固定するとともに、溶接後に固定を解除したクランパを材料搬送部材が保持して引き上げた後そのまま被溶接部材を搬出して材料搬送部材を兼用して一連の工程の効率化を図り生産性を向上できる。
【0019】
更に、請求項に係る発明は、請求項1記載の該クランパの上下端にそれぞれ切欠き部を設け、該把持機構は、該クランパの上方切欠き部に係合する爪部を開閉させるローダーハンドであるとともに、該引き下げ部材は、該クランパの下方切欠き部に係合する爪部を揺動自在に備える流体シリンダと、該爪部のカムフォロワをガイドして該爪部を下方切欠き部に係合させるクランパ用ドグ部材と、該爪部の下方切欠き部との係合状態を解除させるクランパ爪退避用ドグ部材とを備えるレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。
これにより、板材を搬入出する材料搬送部材の駆動機構を兼用して小さなローダーハンドを備えることができるとともに、強力な固定力を発揮できる流体シリンダを採用でき、その作動を利用して簡単な構造で爪部の開閉をすることができた。
【0020】
また、請求項に係る発明は、請求項1記載の該クランパにより該溶接テーブルに固定された該板材の突き合わせ部の下側に位置し、該突き合わせ部の裏ビードに接触するビード切除部と、該ビード切除部を該突き合わせ部に沿って移動させる移動部とを備え、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去するレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置である。これにより、溶接のために行った正確な位置合わせをされた板材の裏ビードをそのまま除去できるので、ビード除去のための位置合わせ工程を省略が出来て全体の自動工程の工程数を簡略化が期待できる。
【0021】
そして、請求項に係る発明は、請求項1記載のレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置において、移動部が移動する範囲の両端に各々設けたカム部材と、該カム部材に接触し該スプリングを縮退させてバイト部を裏ビードから引き離すバイト引き離し部とを設け、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去することにより、溶接のために行った正確な位置合わせをされた板材の裏ビードをそのまま除去できるので、ビード除去のための位置合わせ工程を省略が出来て全体の自動工程の工程数を簡略化が期待できる。また、裏ビードが付着していない板材の突き合わせ部ではバイト部の先端を裏ビードから徐々に引き離すことができ、板材の端部に欠損を生じたり、切除開始時に刃先が板材の端部に接触して刃こぼれすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザー溶接の固定装置の説明図である。
【図2】 分離式クランパの説明図である。
【図3】 他の分離式クランパの説明図である。
【図4】 裏ビード除去装置を追加した固定装置の説明図である。
【図5】 図4のA−A線における分断面を示した固定装置の説明図である。
【図6】 図4に示すバイト部分の部分拡大図である。
【図7】 図5のB−B線における断面を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・溶接テーブル、10a・・挿通孔、10b・・フレーム、11・・板材、20・・固定部材、21・・クランパ、21a・・当接面、21b・・板バネ、21c,21d・・切欠き部、22・・引き下げ部材、22a・・爪部、22b・・カムフォロワ、23・・シリンダ、24・・クランパ用ドグ部材、24a・・クランパ爪退避用ドグ部材、30・・溶接トーチ、31、33・・レール、40・・入側テーブル、41・・出側テーブル、42・・溶接済みワーク、50・・材料搬送装置、51、53・・レール、52・・ローダ、54,55・・支持腕 55a・・爪部、55b・・ローダハンド、61・・裏ビード除去部材、62・・レール、63・・ビード切除部、64・・移動部、64a・・ネジ軸が、64b・・モータ、65・・ベース板、65a・・軸受け板、71・・バイト部、71a・・刃先部、、71b・・摺動部、71c・・切除部、72・・回動軸、73・・バネ部材、74・・カムフォロワ、74a・・ブラケット、75・・カム部材。

Claims (4)

  1. 少なくとも2枚の板材を載置する溶接テーブルと、板材を溶接できるように突き合わせる位置決め部材と、位置決めされた状態で該板材を固定する固定部材と、該突き合わせ部に沿ってレーザを照射する溶接トーチとを備えるレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置において、
    該固定部材は、該板材を押圧する当接面を有するクランパと、該クランパの下端部を溶接テーブルに挿通させる挿通孔と、該挿通孔に挿通された該クランパの下端部を引き下げる引き下げ部材と、を備える一方、
    該溶接テーブルに、該板材を搬入して溶接を終えた被溶接部材を該溶接テーブルから搬出する材料搬送部材を備え、該材料搬送部材は、該クランパを保持して該挿通孔から引き上げるための把持機構を有することを特徴とするレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置。
  2. 請求項記載の該クランパの上下端にそれぞれ切欠き部を設け、該把持機構は、該クランパの上方切欠き部に係合する爪部を開閉させるローダーハンドであるとともに、該引き下げ部材は、該クランパの下方切欠き部に係合する爪部を揺動自在に備える液体シリンダと、該爪部のカムフォロワをガイドして該爪部を下方切欠き部に係合させるクランパ用ドグ部材と、該爪部の下方切欠き部との係合状態を解除させるクランパ爪退避用ドグ部材とを備えるレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置。
  3. 請求項1記載の該クランパにより該溶接テーブルに固定された該板材の突き合わせ部の下側に位置し、該突き合わせ部の裏ビードに接触するビード切除部と、該ビード切除部を該突き合わせ部に沿って移動させる移動部とを備え、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去するレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置。
  4. 請求項1記載の該クランパにより該溶接テーブルに固定された該板材の突き合わせ部の下側に位置し、該突き合わせ部の裏ビードにスプリングの付勢力により接触するバイト部と、該バイト部を該突き合わせ部に沿って移動させる移動部と、該移動部が移動する範囲の両端に各々設けたカム部材と、該カム部材に接触し該スプリングを縮退させてバイト部を裏ビードから引き離すバイト引き離し部とを備え、該クランパにより該溶接テーブルに固定されたままの該板材の裏ビードを除去するレーザ溶接における突き合わせ部の固定装置。
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