JP4625317B2 - 位相差電子顕微鏡用位相板及びその製造方法並びに位相差電子顕微鏡 - Google Patents

位相差電子顕微鏡用位相板及びその製造方法並びに位相差電子顕微鏡 Download PDF

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Description

この出願の発明は、位相差電子顕微鏡用位相板及びその製造方法並びに位相差電子顕微鏡に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、完全に帯電に伴うレンズ効果を防止し、材料科学分野への応用が可能な位相差電子顕微鏡用位相板及びその製造方法並びに位相差電子顕微鏡に関するものである。
従来より、試料を透過した電子線に生じる位相の差を強度の変化に変換して画像化する位相差電子顕微鏡が知られている。この位相差電子顕微鏡には位相板の帯電という問題が存在していた。そのため、従来は、位相板として比較的帯電しにくい炭素薄膜が使用されてきた。だが、炭素薄膜を用いても電子線による位相板の汚れは避けることができず、帯電防止のため、使用直前に位相板に対して長時間電子線照射を行ったり(特許文献1)、位相板を加熱したり(非特許文献1)、汚れ防止用ブレードを設けたり(非特許文献2)する種々の提案がなされてきた。
これらの方法はある程度帯電防止効果があったため、高分解能を要求しない生物試料への応用に利用されてきた(非特許文献3)。
特開2001−273866号公報 J. Faget, M. M. Fagot, J. Ferre and C. Fertf, "Microscopie Electronique A contraste de Phase", Proceedings of 5th International Congress of Electron Microscopy, Academic Press (1962) H. M. Johnson and D. F. Parson, "Enhanced contrast in electron microscopy of unstained biological material", J. Microsc. 98 (1973) p.1-17 R. Danev and K. Nagayama, "Transmission Electron Microscopy with Zernike Phase Plate", Ultramicroscopy 88 (2001) p.243-252
位相差電子顕微鏡において、位相板に導電性材料を用いた場合、位相板の帯電は位相板そのものが原因であるわけではなく、位相板の製作過程に紛れ込む外来性の絶縁汚れが原因であることは古くから知られている。汚れのうち有機物由来のものは真空中である程度蒸発するが、無機物、金属酸化物由来のものは真空中でもなくならず、常に帯電原因として残ってしまう。不揮発性の絶縁汚れをなくし完全にクリーンな位相板を作る努力が過去多くの研究でなされたが、成功していない。これは、基板から剥離し、自由薄膜である位相板を電子顕微鏡用グリッド(位相板支持体)に転写するという工程の全てで多少なりとも微小汚れの付着が避けられないためである。
帯電防止効果にすぐれた導電性薄膜材料とされているアルミニウムであっても、位相差電子顕微鏡で問題としている帯電からは逃れられない。これは、アルミニウム表面にできる超薄の酸化膜が帯電するからである。通常の実験では問題とされないこのような酸化膜帯電ですら、電子線の軌道を曲げ、不要なレンズ効果を生み、像を歪ませる。それはシールドされない空間電荷が、距離の逆数に比例する長距離電位を生じさせるためである。電荷原因の大きさが1nm以下でも電位半径は簡単にその百万倍の1mm近辺に及び、電子線の軌道を偏向させてしまう。問題の本質は、電荷の作り出す空間電位が一種のレンズとなり、位相板本来の性能を乱すことにある。
このように、従来提案されたいずれの手法も位相差電子顕微鏡の位相板における帯電を完全に防止することはできなかった。特に、高分解能(空間周波数が高い)成分に対しては帯電による像歪みの影響が必ず現れていた。そのため、高分解能を要求する材料科学分野において位相差電子顕微鏡を応用することは、その実現が遅れていたというのが実情である。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたもので、位相板の帯電防止は不可能という認識の上に立ち、むしろ帯電に伴うレンズ効果を防止し、材料科学分野への応用が可能な位相差電子顕微鏡用位相板及びその製造方法並びに位相差電子顕微鏡を提供することを課題とする。
この出願の発明は、上記課題を解決するものとして、第1には、位相板本体とそれを担持する位相板支持体を有し、電子顕微鏡の対物レンズを通過した電子の通路に配置される位相差電子顕微鏡用位相板であって、位相板本体が、開口を有する位相板支持体に前記開口の少なくとも一部を覆うように担持された導電性の芯位相板と、この芯位相板の上下両面を含む周囲を被覆する導電性シールド薄膜により構成されることを特徴とする位相差電子顕微鏡用位相板を提供する。
この位相差電子顕微鏡用位相板では、芯位相板材料として、炭素、ベリリウム、アルミニウム若しくはシリコン、又はそれらの合金を用いることができる
また、導電性シールド薄膜材料として、炭素、金、銀又は白金族を用いることもできる。
更に、位相板本体は、平面形状が円形であり、電子の通路となる中心部分に真円の電子透過孔が形成され、かつ、電子の位相をπ/2シフトさせるように膜厚が制御されていてもよい。
又は、位相板本体は、平面形状がほぼ半円形であり、かつ、電子の位相をπシフトさせるように膜厚が制御されていてもよい。
一方、本発明に係る位相差電子顕微鏡は、前述した位相差電子顕微鏡用位相板を備えていることを特徴とする。
この位相差電子顕微鏡では、位相板支持体が接地されていてもよい。
本発明に係る位相差電子顕微鏡用位相板の製造方法は、前述した位相差電子顕微鏡用位相板を製造する方法であって、開口を有する位相板支持体に前記開口の少なくとも一部を覆うように担持されるように、導電性の芯位相板を形成した後、最終工程として、この芯位相板及びグリッドの上下両面を含む周囲に導電性シールド薄膜を被覆させることにより位相板本体を作製することを特徴とする。
この位相差電子顕微鏡用位相板の製造方法では、導電性シールド薄膜の被覆形成を、ジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法又はプラズマCVD法を用いて行うこともできる
この出願の発明によれば、位相差電子顕微鏡用位相板の帯電に伴うレンズ効果を完全に防止することができ、ゼルニケ(Zernike)位相差法をはじめ微分干渉法など種々のタイプの位相差電子顕微鏡を、金属学、半導体産業、セラミック産業などの広範な材料科学分野へ応用可能にする。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
図1(a)及び(b)は、それぞれこの出願の発明の位相差電子顕微鏡用位相板の実施形態を模式的に示す断面図である。
まず、図1(a)に示す位相板(10)について述べると、この位相板(10)はゼルニケ位相板と称されるもので、位相板本体(11)と位相板支持体であるグリッド(12)を有し、位相差電子顕微鏡の対物レンズを通過した電子の通路に配置されるものである。この位相板(10)は電子の位相をπ/2シフトするように構成されている。位相板本体(11)は、円形状の開口(13)を有するグリッド(12)に担持された導電性の芯位相板(14)と、その両面に設けられた導電性シールド薄膜(15)により構成される。芯位相板(14)の中央には真円の貫通孔が形成され、その側壁部(16)にも導電性シールド薄膜(15)が設けられ、結果として真円の電子線透過孔(17)が形成されている。また、芯位相板(14)が担持されるグリッド(12)の上に設けられた芯位相板(14)の延長部分に相当する部分であるグリッド部(18)にも導電性シールド薄膜(15)が設けられている。グリッド(12)は電子を透過しない。したがって、この位相板本体(11)は、中央に電子線透過孔(17)を有し、基本的に三層から構成されており、平面形状が円形状となっている。この位相板本体(11)は、電子の位相をπ/2シフトするように膜厚が制御される。また、グリッド(12)は接地部材(19)により接地されている。
次に、図1(b)に示す位相板(20)について述べると、この位相板(20)はヒルベルト微分位相板と称されるもので、図1(a)の位相板(10)と同様、位相板本体(21)と位相板支持体であるグリッド(22)を有し、位相差電子顕微鏡の対物レンズを通過した電子の通路に配置されるものである。この位相板(20)は電子の位相をπシフトするように構成されている。位相板本体(21)は、円形状の開口(23)を有するグリッド(22)に担持されたほぼ半円形状で導電性の芯位相板(24)と、その両面に設けられた導電性シールド薄膜(25)により構成される。芯位相板(24)の側壁部(26)にも導電性シールド薄膜(25)が設けられている。また、芯位相板(24)が担持されるグリッド(22)の上に設けられた芯位相板(24)の延長部分に相当する部分であるグリッド部(28)と、図中左側のグリッド(22)にも両面及び側壁面に導電性シールド薄膜(25)が設けられている。グリッド(22)は電子を透過しない。したがって、この位相板本体(21)は、基本的に三層から構成されており、平面形状がほぼ半円形状となっている。この位相板本体(21)は、電子の位相をπシフトするように膜厚が制御される。また、グリッド(22)は接地部材(29)により接地されている。
芯位相板(14)、(24)の材料としては、たとえば炭素、ベリリウム、アルミニウム若しくはシリコン、又はそれらの合金等の導電性の軽元素材料を用いることができる。これらの材料は帯電しにくい非晶質であることが好ましい。芯位相板(14)の厚さは、材料、加速電圧等により適宜設定されるが、たとえば100kV加速電圧では10〜15nm程度とすることができる。また、電子線透過孔(17)の直径は、0.5〜1μm程度とすることができる。一方、芯位相板(24)の厚さは、材料、加速電圧等により適宜設定されるが、たとえば100kV加速電圧では20〜30nm程度とすることができる。
導電性シールド薄膜(15)、(25)の材料としては、たとえば炭素、金、銀又は白金族(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金)等の酸化されにくい材料を用いることができる。これらの材料も帯電しにくい非晶質であることが好ましい。導電性シールド薄膜(15)の厚さも、材料、加速電圧等により適宜設定されるが、2〜10nm程度とすることができる。一方、導電性シールド薄膜(25)の厚さも、材料、加速電圧等により適宜設定されるが、2〜10nm程度とすることができる。これら導電性シールド薄膜(15)、(25)は、位相板本体(11)、(21)の作製過程の最終工程で形成されることが重要である。
位相板本体(11)全体の厚さとしては、上記のように電子の位相をπ/2シフトするようにその厚さが制御されるが、たとえば100kV加速電圧では15〜25nmとすることができる。また、位相板本体(11)の直径は、50〜100μm程度とすることができる。
一方、位相板本体(21)全体の厚さとしては、上記のように電子の位相をπシフトするようにその厚さが制御されるが、たとえば100kV加速電圧では30〜45nmとすることができる。また、位相板本体(21)の半径は、25〜50μm程度とすることができる。
グリッド(13)、(23)の材料としては、銅、モリブデン等の導電性材料を使用することができる。グリッド(13)、(23)の厚みは、10〜50μm程度とすることができる。グリッド(13)、(23)の形状は、典型的にはリング状であるが、これに限定されない。
図2(a)及び図3(a)に、この出願の発明による、100kV位相差電子顕微鏡と300kV位相差電子顕微鏡に使用される典型的な位相板(10)の形状及び寸法の例を示し、図2(b)及び図3(b)に、この出願の発明による、100kV位相差電子顕微鏡と300kV位相差電子顕微鏡に使用される典型的な位相板(20)の形状及び寸法の例を示す。
次に、上記構成の位相板(10)の製造方法について述べる。
まず、マイカ、シリコン等の絶縁性基板上に、芯位相板材料をジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法、プラズマCVD法などの方法により、所要厚みに成膜して、非晶質の芯位相板膜を形成する(堆積工程)。これを、たとえば水中剥離させて、水面上に浮かせる(剥離工程)。そして、円形の開口(13)を形成した銅、モリブデン等の導電性材料からなるグリッド(12)ですくい取る。開口(13)は全面が芯位相板膜で覆われる(転写工程)。次に、収束イオンビーム法により、芯位相板膜に微小な貫通孔を形成するとともに、切り出し加工を行い、グリッド(12)の上に担持された芯位相板(14)を形成する。(穴開け工程、切り出し工程)。次に、グリッド(12)の上に担持された芯位相板(14)の両面及び貫通孔の側壁部(16)に、導電性シールド材料を、ジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法、プラズマCVD法などの方法により、所要厚みに成膜して、非晶質の導電性シールド薄膜(15)を形成し、電子線透過孔(17)を有する位相板本体(11)が得られる。
上記において、導電性シールド薄膜(15)の工程は最終工程とし、芯位相板膜の穴開け加工や切り出し加工を最後にもってこないことが重要である。また、グリッド(12)は導線等の接地部材(19)で接地する。
一方、位相板(20)を製造する場合は、位相板(10)を製造する場合と同様、まず、マイカ等の絶縁性基板上に、芯位相板材料をジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法、プラズマCVD法などの方法により、所要厚みに成膜して、非晶質の芯位相板膜を形成する(堆積工程)。これを、たとえば水中剥離させて、水面上に浮かせる(剥離工程)。そして、円形の開口(23)を形成した銅、モリブデン等の導電性材料からなるグリッド(22)ですくい取る。開口(23)は全面が芯位相板膜で覆われる(転写工程)。次に、収束イオンビーム法により、切り出し加工を行い、グリッド(22)の上に担持されたほぼ半円形状の芯位相板(24)を形成する。(切り出し工程)。次に、グリッド(22)の上に担持された芯位相板(24)の両面及び貫通孔の側壁部(26)に、導電性シールド材料をジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法、プラズマCVD法などの方法により、所要厚みに成膜して、非晶質の導電性シールド薄膜(25)を形成し、平面形状がほぼ半円形状の位相板本体(21)が得られる。
上記において、導電性シールド薄膜(25)の工程は最終工程とし、芯位相板膜の切り出し加工を最後にもってこないことが重要である。また、グリッド(22)は導線等の接地部材(29)で接地する。
以上のようにして位相板(10)、(20)を製造すると、芯位相板膜の製作過程(堆積、剥離、転写の各工程)で付着した絶縁汚れや、穴開け加工、切り出し加工の際に付着した絶縁汚れを、導電性シールド薄膜(15)、(25)が被覆するため、電子線により汚れ部に誘起された電荷は電気的に封じ込められる。これは電磁場シールドと同様の手法である。すなわち導体は一般に電場の侵入や侵出を防ぎ、さらに導体中に封じ込められた電荷は導体の接地により中和される。そして、この電磁場シールド効果により、不用なレンズ効果が防止できる。電磁場シールドの場合、シールド物体の高い導電性が要求されるが、位相板(10)、(20)の場合、汚れ部の電荷は、急激な時間変動をしないので、導電性シールド薄膜(15)、(25)の導電性は金属のような高性能が要求されないと予測される。
この出願の発明によれば、上記のようなすぐれた特性を有する位相板を用いた位相差電子顕微鏡が提供される。
次に、この出願の発明の位相差電子顕微鏡用位相板によりどのようにして帯電に伴うレンズ効果の防止がなされるかについてモデルを用いて説明する。
電子顕微鏡では全ての像がコントラスト伝達関数(CTF;以下単にCTFとも称する)で変調を受ける。カメラとの対応で言えば、像がピンボケ(デフォーカス)することを定量的に記述するのがCTFである。ピントがズレる、すなわちレンズの位置が正しくないと像がピンボケする。このレンズの位置ズレ、正確には焦点ズレ(Δz)が大きいほどピンボケが大きい。CTFで表現すれば次のようになるとなる。
通常法CTF=sin(πλΔzk2) (1)
ここでλは電子波の波長、Δzは焦点ズレ、kは空間周波数である。空間周波数kが変数として入っているのは、CTFが回折面すなわち対物レンズ後方の焦点面で定義される関数だからである。
一方、無帯電のゼルニケ位相板(λ/4波長板で中心に小孔を持つ)により実現される理想的な位相差法のCTFは次式で与えられる。
位相差法CTF=cos(πλΔzk2) (2)
両者を図示すると図4のようになる。図4において、実線が(1)式のCTFの場合、破線が(2)式の場合である。
しかし、位相板が帯電すると空間電位が誘起され、レンズ効果が生まれ、CTFの中に余分な位相成分q(k)が付け加わる。この場合のCTFは(3)式で表される。
帯電位相差法CTF=cos(πλΔzk2+q(k)) (3)
q(k)は位相板上の帯電分布に依存した複雑な形をしているが、最も単純な場合のq(k)のq(k)=qkでもその影響は大きく、CTFは図4の点線のように変わる。帯電に伴うレンズ効果によるCTFの変化は低周波成分より高周波成分が影響が大きい。このことは、図4中に示した無帯電(破線)と帯電(点線)のcos型CTFを比較することで理解される。
以上の思考モデルを前提に、この出願の発明の位相差電子顕微鏡用位相板がいかに帯電問題解決に有効であるか実験例を用いて示す。
位相板に用いるたとえば非晶質炭素膜の体積抵抗率は通常4×10-5Ωcmであり、銅などの金属に比べ千倍ほど大きい。すなわち電気伝導率は金属の1000分の1である。この程度の低電気伝導率でもシールド効果が充分あることが以下の実験により確かめられた(図5、図6)。
位相板による位相変化の測定に関しては、ゼルニケ位相板のあるとき及びないときのCTF(図5(a)、図6(a))を比較計量して行った。これは先に述べたようにCTFの関数型が位相板なしでは正弦型(sin型)、位相板ありでは余弦型(cos型)になることを利用している(非特許文献3で報告済み)。
図5(a)、(b)に、従来タイプの一層型炭素膜位相板の帯電特性の実験結果を示した。位相板の条件は次の通りである。
100kV電子顕微鏡用ゼルニケ位相板
位相板本体の材料:非晶質炭素
位相板本体の直径:50μm
位相板本体の厚さ:24nm
電子線透過孔の直径:1μm
グリッドの材料:モリブデン
グリッドの厚さ:10μm
図5(a)にプロットした2つのCTFの振動の差から位相板の位相シフト効果が見積もられる。位相板なしのときの振動(図5(a)の実線)と、位相板ありのときの振動(図5(a)の点線)から両者の位相差を動径方向にプロットすると図5(b)のようになる四角点が位相板ありのデータで、丸点が位相板なしの場合のデータである。両者の位相差は三角点で示されているが、本来−π/2の位相差であるべきところが、高周波側(右方向)に行くに従い、正の側にズレ込んでいるのが見てとれる。すなわち位相板ありのCTF(点線)は図4の帯電位相板モデルのCTF(点線)と同じように挙動し、付加的位相シフトを生じている。
図6(a)、(b)に、この出願の発明によるゼルニケ位相板の帯電特性の実験結果を示す。位相板の条件は次の通りである。
100kV電子顕微鏡用ゼルニケ位相板
芯位相板の材料:非晶質炭素
芯位相板の厚さ:10nm
導電性シールド薄膜の材料:非晶質炭素
導電性シールド薄膜の厚さ:7nm
位相板本体の直径:50μm
位相板本体の厚さ:24nm
電子線透過孔の直径:1μm
グリッドの材料:モリブデン
グリッドの厚さ:10μm
図6(a)にプロットした2つのCTFの振動の差から位相板の位相シフト効果が見積もられる。位相板なしのときの振動(図6(a)の実線)と、位相板ありのときの振動(図6(a)の点線)から両者の位相差を動径方向にプロットすると図6(b)のようになる四角点が位相板ありのデータで、丸点が位相板なしの場合のデータである。両者の位相差はの三角点で示されている。この出願の発明の位相板の場合、図5と異なり、位相板ありのときと、なしのときの位相差は、図6(b)の三角点が示すようにほぼ−π/2であった。従って、この出願の発明の位相板が広い周波数範囲でゼルニケ位相板の良好な特性を保持していることが確認された。
これらの実験結果が示すように、従来方式の一層型炭素膜による位相板では、注意深く作成しても汚れをゼロにできなかった。一方、この出願の発明による位相板ではたとえ汚れがあっても導電性シールドにより汚れ帯電に伴うレンズ効果を完全に抑えることができた。
以上、この出願の発明を実施形態に基づいて詳細に説明したが、この出願の発明は上記実施形態に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
(a)及び(b)は、それぞれこの出願の発明の位相差電子顕微鏡用位相板の実施形態を模式的に示す断面図で、(a)がゼルニケ位相板、(b)がヒルベルト微分位相板である。 (a)及び(b)は、それぞれ100kV位相差電子顕微鏡に使用される典型的な従来のゼルニケ位相板とヒルベルト微分位相板の形状及び寸法の例を示す断面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ300kV位相差電子顕微鏡に使用されるこの出願の発明によるゼルニケ位相板とヒルベルト微分位相板の形状及び寸法の例を示す断面図である。 通常法(実線)と位相差法(破線)のコントラスト伝達関数(絶対値表示)を示す図で、点線は帯電位相板のときのコントラスト伝達関数(絶対値表示)を示している。 (a)、(b)は、それぞれ帯電防止していない従来の一層型炭素膜ゼルニケ位相板の帯電特性と、CTF位相シフト−空間周波数の関係とを示す図である。 (a)、(b)は、それぞれこの出願の発明によるゼルニケ位相板の帯電特性と、CTF位相シフト−空間周波数の関係とを示す図である。
符号の説明
10 位相差電子顕微鏡用位相板(ゼルニケ位相板)
20 位相差電子顕微鏡用位相板(ヒルベルト微分位相板)
11、21 位相板本体
12、22 グリッド(位相板支持体)
13、23 開口
14、24 芯位相板
15、25 導電性シールド薄膜
16、26 側壁部
17 電子線透過孔
18、28 グリッド部
19、29 接地部材

Claims (9)

  1. 位相板本体とそれを担持する位相板支持体を有し、電子顕微鏡の対物レンズを通過した電子の通路に配置される位相差電子顕微鏡用位相板であって、位相板本体が、開口を有する位相板支持体に前記開口の少なくとも一部を覆うように担持された導電性の芯位相板と、この芯位相板の上下両面を含む周囲を被覆する導電性シールド薄膜により構成されることを特徴とする位相差電子顕微鏡用位相板。
  2. 芯位相板材料として、炭素、ベリリウム、アルミニウム若しくはシリコン、又はそれらの合金を用いることを特徴とする請求項記載の位相差電子顕微鏡用位相板。
  3. 導電性シールド薄膜材料として、炭素、金、銀又は白金族を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の位相差電子顕微鏡用位相板。
  4. 位相板本体は、平面形状が円形であり、電子の通路となる中心部分に真円の電子透過孔が形成され、かつ、電子の位相をπ/2シフトさせるように膜厚が制御されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の位相差電子顕微鏡用位相板。
  5. 位相板本体は、平面形状がほぼ半円形であり、かつ、電子の位相をπシフトさせるように膜厚が制御されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の位相差電子顕微鏡用位相板。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の位相差電子顕微鏡用位相板を備えていることを特徴とする位相差電子顕微鏡。
  7. 位相板支持体が接地されていることを特徴とする請求項6記載の位相差電子顕微鏡。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の位相差電子顕微鏡用位相板を製造する方法であって、
    開口を有する位相板支持体に前記開口の少なくとも一部を覆うように担持されるように、導電性の芯位相板を形成した後、最終工程として、この芯位相板及びグリッドの上下両面を含む周囲に導電性シールド薄膜を被覆させることにより位相板本体を作製することを特徴とする位相差電子顕微鏡用位相板の製造方法。
  9. 導電性シールド薄膜の被覆形成を、ジュール熱真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、イオンスパッター法又はプラズマCVD法を用いて行うことを特徴とする請求項8記載の位相差電子顕微鏡用位相板の製造方法。
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