JP2012195096A - 荷電粒子線レンズおよびそれを用いた露光装置 - Google Patents

荷電粒子線レンズおよびそれを用いた露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 静電型の荷電粒子線レンズは、開口形状の対称性に対する非点収差が敏感であり低収差とするための課題であった。
【解決手段】 荷電粒子線レンズは光軸方向を法線とする第1の面と、該第1の面とは反対側の第2の面とを有する平板を含み、前記第1の面から前記第2の面に貫通する貫通孔を有する電極を有し、前記貫通孔の前記法線に垂直な面での開口面を開口断面とし、前記開口断面の回帰分析により得られた円の直径を代表直径とするとき、前記第1の面側である第1の領域における前記開口断面の代表直径と、前記第2の面側である第2の領域における前記開口断面の代表直径と、が前記第1の面と前記第2の面とで挟まれた前記電極の内部の領域である第3の領域における前記開口断面の代表直径よりも小さい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子ビーム等の荷電粒子線を用いた装置に使用される電子光学系の技術分野に属し、特に露光装置に用いられる電子光学系に関するものである。また、本発明において、光とは広義の光を意味し、可視光だけでなく、電子線等の電磁波も含む。
半導体デバイスの生産において、電子ビーム露光技術は、0.1μm以下の微細パターン露光を可能とするリソグラフィの有力候補である。これらの装置では、電子ビームの光学特性を制御するための電子光学素子が用いられる。電子レンズには、電磁型と静電型があり、静電型は電磁型に比べコイルコアを設ける必要がなく構成が容易であり小型化に有利となる。また、電子ビーム露光技術のうち、マスクを用いずに複数本の電子ビームで同時にパターンを描画するマルチビームシステムの提案がなされている。マルチビームシステムでは電子レンズを1次元または2次元のアレイ状に配列した電子レンズアレイが用いられる。電子ビーム露光技術では、微細加工の限界が電子ビームの回折限界より主に電子光学素子の光学収差で決定されるので、収差の小さい電子光学素子を実現することが重要である。
例えば特許文献1には、複数の荷電粒子線レンズを二次元配列してなる荷電粒子線レンズアレイであって、全レンズに同一電圧を供給したときの各レンズのパワーが少なくとも2種類に分かれるように設定される構成を有する荷電粒子線レンズアレイが開示されている。
特開2007−123599
静電型の荷電粒子線レンズは、電磁型のレンズと比較すると相対的に構造は単純だが、レンズ開口の製造誤差に対する光学収差の敏感度が高い。開口が円形の場合の真円度(円であるべき部分の幾何学的円からの狂いの大きさ)のような開口形状の対称性に対する非点収差が敏感である。非対称性を有する開口の形状の影響を受けて集束された電子ビームは非点収差やその他の高次項の収差を持つ。
特に、電子ビームが複数本あり、個々のビームが異なる非点収差を持つ場合、通常の非点収差補正器を用いて補正することができないため重要な課題となる。
また、電極の剛性が低いと電子光学特性を制御するための電圧による静電引力で電極が変形する場合がある。電極に変形が生じるとレンズの焦点距離に誤差が生じることとなる。
特に、複数本の電子ビームを制御する電子レンズアレイの場合、開口をアレイ状に配置するため電極面積が大きくなり電極の剛性が低下しやすいため重要な課題となる。
静電型の荷電粒子線レンズであって、前記荷電粒子線レンズは光軸方向を法線とする第1の面と、該第1の面とは反対側の第2の面とを有する平板を含み、かつ、前記第1の面から前記第2の面に貫通する貫通孔を有する電極を有し、前記貫通孔の前記法線に垂直な面での開口面を開口断面とし、前記開口断面を中心が同一な2つの同心円で挟み、2つの前記同心円を、前記同心円の半径の差が最小になる場合を半径の小さい方から内接円、外接円と呼び、前記内接円と前記外接円の直径の平均値を代表直径とするとき、前記第1の面側である第1の領域における前記開口断面の代表直径と、前記第2の面側である第2の領域における前記開口断面の代表直径と、が各々、前記第1の面と前記第2の面とで挟まれた前記電極の内部の領域である第3の領域における前記開口断面の代表直径よりも小さいことを特徴とする。
本発明の荷電粒子線レンズによれば、加工精度を向上しないで電極の収差を低減することが可能となる。そして、第1第3第1・第2の領域を薄くすることも可能となる。そのため、レンズ収差への寄与率の大きい第1第3第1・第2の領域の開口加工を容易とし良好な真円度を有する開口を低コストに形成可能となる。更に、第2第3の領域を厚くして電極全体の剛性を高めることができる。そのとき第2第3の領域は収差への寄与率が低いため、加工精度が向上しなくても収差の増加を抑えることができる。
(a)本発明の実施例1の荷電粒子線レンズの断面図である。(b)本発明の実施例1の荷電粒子線レンズの上面図である。 (a)図1(a)の破線Mの部分の拡大した断面図である。(b)直径D1とD2が等しい場合の開口の断面図である。 (a)図2(a)の破線Yの部分の拡大した断面図である。(b)式1で示した係数Kfの変化を示すグラフである。(c)係数Kfの微分係数の変化を示すグラフである。 本発明の第1・第2の領域の厚さと収差への寄与率を示すグラフである。 実施例1の実際の設計例を示すグラフである。 荷電粒子線レンズの集束のメカニズムを示す概念図である。 荷電粒子線レンズの開口付近の電位分布を示す図である。 従来技術の荷電粒子線レンズを示す概念図である。 従来技術の開口を示す概念図である。 実施例1の第3の領域の設計例を示すグラフである。 (a)〜(f)開口断面の真円度の定義を説明する概念図である。 本発明の実施例2の荷電粒子線レンズアレイの断面図である。 (a)〜(c)開口断面の代表直径・代表半径の定義を説明する概念図である。 厚さ方向への代表直径の定義を説明する概念図である。 本発明の実施例1の開口断面の断面図である。 本発明の実施例1の第3の領域の収差の寄与率を示すグラフである。 (a)第3の領域の真円度の分布を示すグラフである。(b)第3の領域の収差の寄与率を示すグラフである。 第3の領域の直径と収差分布を示すグラフである。 本発明の実施例3の荷電粒子線を用いた描画装置を示す概念図である。
本発明において第1の面、第2の面とは、本発明の荷電粒子線レンズを構成する電極の一方の面(表面)とその反対側の面(裏面)を意味する。また、第1の領域、第2の領域、及び第3の領域は、上記電極を厚さ方向で所定の厚さに3つに分割した場合の各々の領域を意味する。
本発明において、「第Xの面から第Yの面へ貫通する貫通孔(X、Yは1から6の整数)」とは、第Xの面と第Yの面とを連通するように形成された貫通孔を意味するものであって、貫通孔形成時の孔を開ける向きは問わない。即ち第Xの面側から貫通孔を形成しても良く、第Yの面側から貫通孔を形成しても良く、第Xの面側と第Yの面側の両方から貫通孔を形成しても良い。
本発明の荷電粒子線レンズは、第1・第2・第3の領域に開口を分割し、第1・第2の領域よりも第3の領域の代表直径が大きくなるように構成する。このことにより、第2・第3の領域の開口断面の寄与率を下げることができる。そのため、加工精度を向上させなくても電極の収差を低減することが可能となる。そして、第1第3第1・第2の領域を薄くすることも可能となる。そのため、レンズ収差への寄与率の大きい第1・第2の領域の開口加工を容易とし良好な真円度を有する開口を低コストに形成可能となる。更に、第3の領域を厚くして電極全体の剛性を高めることができる。そのとき当該厚くした第3の領域は収差への寄与率が低いため、収差の増加を抑えることができる。即ち第3の領域の加工精度を高めなくても収差の増加を抑えることができる。
本発明の荷電粒子線レンズは、第1の領域、第2の領域の開口の形状誤差(後述する本発明の真円度に相当)を第3の領域の開口の形状誤差よりも小さくなるように構成することが好ましい。このような構成とすることにより、レンズ全体の収差への寄与率の高い第1・第2の領域の開口断面が高精度に形成されているため、第3の領域の開口加工の許容誤差を広げることができる。そして、第3の領域の厚さを大きくすることでレンズの収差の増加を抑えながら電極全体の厚さを厚くし、剛性を高めることができる。
本発明の荷電粒子線レンズは、直径D1と直径D2の比D1/D2を0.4≦D1/D2<1.0とすることが好ましい。このような構成とすることによって、第1・第2の領域の開口形状の変形と加工誤差に対する変形ばらつきの両方を小さくすることができる。そのため変形により第1・第2の領域の開口の真円度がばらついたり、実効的な直径D1がばらついたりするのを低減することができる。
本発明の荷電粒子線レンズは、第1・第2の領域の厚さを第3の領域の厚さよりも小さくすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1・第2の領域の開口の形状加工の精度を第3の領域の開口の形状加工の精度よりも高精度とすることが可能となる。また、許容誤差の大きい第3の領域の開口加工を厚い(深い)貫通孔加工とすることができるため、基板貫通孔加工の難易度を下げ低コストに加工を行うことが可能となる。
本発明の荷電粒子線レンズは、第1・第2の領域の開口の収差の合計が電極全体の収差の80%を決定する構造とすることができる。この時、第3の領域の開口の真円度は第1・第2の領域の2倍以上許容できる構造となる。第3の領域の開口の真円度を第1・第2の領域より2倍以上とすることで、第3の領域の厚さを第1・第2の領域と比べて大きくしても実際の加工を容易とすることが可能となる。
本発明の荷電粒子線レンズは、形状精度が必要な第1・第2の領域の開口を形成する工程と第3の領域の開口を形成する工程を別々に行うことが好ましい。このように形成することで、半導体製造技術により微細・高精度な開口を形成しエッチング条件の制御や歩留まりを向上させることができる。特に、フォトリソグラフとドライエッチングといった高精度の加工技術と平坦性の高いシリコンウエハを介したウエハ接合により微細な開口を有する電極を高精度に形成可能となる。数十μmオーダの開口径をnmオーダの真円度で静電型の荷電粒子線レンズ形成することが可能となる。この際、必要に応じてウエハを複数接合して積層構造とすることもできる。例えば、ウエハの厚さが厚くなると一般に加工精度が低下するため、1枚のウエハの厚さは求められる加工精度に応じて決定(精度を高くする場合には薄くする)する。その結果電極全体の厚さが不足する場合に複数層のウエハを積層することが好ましい。さらに積層するものは、ウエハには限定されず、例えばスパッタ法、CVD法、気相又は液相のエピタキシャル成長法、めっき法等で必要な堆積膜を形成することにより電極とすることもできる。
本発明の荷電粒子線レンズは、必要に応じて電極全体を電気伝導性膜で覆うことにより電極電位を一定とし、意図しない帯電により荷電粒子線が揺らぐのを防ぐことができる。
本発明の荷電粒子線レンズは、電極が複数の開口を有する荷電粒子線レンズアレイとすることができる。レンズ収差に寄与の大きい第1・第2の領域の開口断面を高精度加工できるので、レンズアレイの個々のレンズの開口断面の真円度のばらつきを低減することができる。レンズアレイの場合、個々のレンズの真円度は偶然誤差なので、個別に補正を行うことは難しい。しかし本発明により開口断面の真円度のばらつきを低減できるので、大規模なレンズアレイとしても個別の補正の必要性を無くすか若しくは大きく低減することができる。そして、接合構造による電極を用いる場合は、開口断面のばらつきを十分に低減することができる。接合のアライメント精度により第1・第2の領域の開口の位置ずれが生じるが、このずれはレンズアレイ全体の系統的な位置のずれであるため補正することが容易である。そのため、大規模なレンズアレイに好適な形態となる。
本発明の露光装置は、収差の少ない本発明の荷電粒子線レンズを用いることで、高精度の微細パターンが形成可能な露光装置とすることができる。
本発明の露光装置は、収差の少ない本発明の荷電粒子線レンズを用い、複数の荷電粒子線を用いることで、高精度の微細パターンを描画時間が短く形成可能な露光装置とすることができる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の第1の実施例を説明する。
図1(a)は本発明の荷電粒子線レンズの図1(b)A−A’線における断面図、(b)は荷電粒子線レンズの上面図である。
図1(a)に示すように、本発明の荷電粒子線レンズは電極3A、3B、3Cの3枚の電極を有している。3枚の電極は、光軸Jを法線とする平板であり、一方の面である第1の面とその反対側の面である第2の面を有している。そして、前記3枚の各電極は互いに電気的に絶縁されている。第1の面は典型的には電極の表面であり、第2の面は典型的には電極の裏面である。但しここでいう、「表」、「裏」とは相対的な関係を示す便宜的な表現である。電極3A、3B、3Cはそれぞれ給電パッド10を有しており、このパッドを介して電極の電位を規定することができる。また光軸Jの矢印の方向に、図示しない光源から射出された荷電粒子線が通過する。なお、光軸Jの方向の電極の寸法を厚さとする。
3枚の電極は、第1の領域5、第3第2の領域6、と第1第3第1・第2の領域に挟まれた第2第3の領域7の所定の厚さを有する3つの領域を有している。第1の領域5は、図1(a)の通り光軸Jの光源側の電極の全表面を含んで厚さを有して形成されている。同様に第3第2の領域は、光軸Jの光源とは反対側の電極の全表面を含んで所定の厚さを有して形成されている。そして、第2第3の領域は、第1第3第1・第2の領域に挟まれて電極の残りの領域として所定の厚さを有する領域として定義される。
第1第2第3第1・第2、第3の領域5〜7は、開口2A、2B、2Cをそれぞれ有している。そして、図示の通り開口2A、2B、2Cは電極を厚さ方向へ貫通する貫通孔である。荷電粒子線がこの開口(及び貫通孔)を通過することができる。また、図1(b)のように開口2Aは円形形状を有している。同様に、光軸Jを法線とする平面での開口を開口断面とすれば、開口2B、2Cの開口断面も開口2Aと同心円の円形形状である。ただし、開口2Cの開口断面は2A、2Bに比べて直径が大きく図1(a)に示すように電極3A、3B、3Cは、出入口の直径が小さい開口で形成される貫通孔のプロファイルを有することなる。ここで光軸とは電子線が通過する方向である。
例えば、電極3Bには、負極性の静電圧を印加し、電極3A、3Bはアース電位とすることで、いわゆるアインツェル型の静電レンズを構成することができる。本発明において、アインツェル型の静電レンズとは、複数(典型的には3つ)の電極を間に所定の間隔をおいて配置し、最外部に位置する電極をアース電位とし、間の電極を正又は負の極性の電位を印加する構成を有する静電レンズを意味する。3つの電極から構成される場合であれば荷電粒子線の入射側から1つ目と3つ目の電極がアース電位で、2つ目の電極が正又は負の極性の電位を印加する構成となる。荷電粒子線は、電極3A、3B、3Cの開口を順に通過することで、レンズの効果を受ける。同時に、電極3A、3Bまたは、3B、3C間には静電引力が発生する。
まず、図11を用いて本発明の荷電粒子線レンズの説明に必要な開口断面の対称性の定義を行う。静電型の荷電粒子線レンズのレンズ効果を生じる静電場は開口断面によって形成される。特に光軸Jを軸とした回転対称性のずれの大きさにより非点収差やより高次の収差が発生するため、真円からのずれが重要な指標となる。
図11(a)は理想的な円形(真円)の開口断面4を示している。ここで開口断面とは光軸Jを法線とする平面と開口が交わる閉曲線である。そして開口断面は厚さ方向のいずれの位置でも定義することができる。(b)には楕円の開口断面4を示している。本発明の荷電粒子線レンズの非点収差やより高次の収差に影響を与える形状誤差として次のような指標を定義する。図11(b)の楕円の開口断面4を2つの同心円で挟む。内側の円を内接円11、外側の円を外接円12とする。このような同心円の組み合わせは同心円の中心を選べば様々に存在するが、その中で内接円・外接円の半径の差が最も小さい2つを選ぶ。このように選択した内接円・外接円の半径の差の1/2を真円度とする。真円度は、図11(a)のような完全に円形の開口断面4の場合、外接円と内接円が一致するため0となる。
そして図11(c)のように、楕円以外の任意の形状についても同様の方法で真円度を定義することができる。
また円形形状が理想形状ではなく、図11(d)に示すように多角形(以下の説明では一例として八角形)を設計上の理想形状とした場合でも以下の方法により、真円度・代表半径・代表直径を定義(代表半径・代表直径の定義は後述)できる。即ち、上記の真円度・代表半径・代表直径を定義して理想の八角形からの対称性のずれと開口の大きさを比較することができる。図11(d)は理想的な正八角形の外接円11・内接円12を示している。このように八角形の場合は、理想状態でも真円度は0以上となる。しかし、図11(e)に示すように八角形に形状誤差が生じ正八角形からずれた場合、外接円11・内接円12は図示のようになる。したがって、図11(d)と(e)の真円度を比較すれば、正八角形より真円度は大きくなる。
これらの真円度は、断面形状を実際に測定して定義することができる。周長に対して十分な分割数で測定できる場合は、画像処理で外接円11・外接円12を求めて算出することができる。
また、代表直径・代表半径は以下のように定義する。図13には図11(c)の開口断面4の代表直径を決定する手順を示している。図13(a)のような開口断面4は図13(b)に示すように輪郭線を十分に細かい間隔の離散的な測定点13の集合として測定する。必要な間隔は開口断面4の凹凸の代表的な周期の半分より細かいことが望ましい。このようにして測定した測定点13を用いて図13(c)に示すように、代表円14を1つ決定することができる。測定点13を用いて、回帰分析を行い円の方程式に幾何学的にフィッティングを行う。回帰分析には一般的には最尤推定を用いることができ、測定点13を十分に細かい間隔で測定すれば最小自乗法を用いることができる。このようにして決定した代表円14の直径・半径をそれぞれ代表直径・代表半径とすることができる。荷電粒子線は、開口の中心を通過するため光軸上とその付近の電位分布を規定する代表形状として代表円の代表直径・代表半径は重要となる。
また、図11(f)に示すように開口断面4のほとんどの部分が円形であり、ごく一部が突出したような形状の開口断面の場合でも、上記の方法で、光軸付近の静電場に寄与している代表形状として代表円を決定し、代表直径・代表半径を求めることができる。そして、このような円が得られれば、フィッティングで求めた円の中心と同心円を描き、外接円11・内接円12を定義することができる。
上記の定義により、任意の開口断面についての真円度・代表半径・代表直径を定義する。以下明細書では、円形形状の開口断面を理想とする場合の説明とするが、開口断面の理想形は、八角形やその他任意の曲線でもよい。その場合でも、真円度・代表半径・代表直径を定義して本発明を実施することが可能となる。
次に開口断面の真円度が収差に与える効果について説明する。そのために、まず、図6を用いて静電型の荷電粒子線レンズが荷電粒子線を集束させるメカニズムについて説明する。図ではレンズの半径方向をR軸、光軸方向をJ軸とし図のように原点Oとする。そして、アインツェル型レンズをJ軸と平行な平面で切断した時に横から見た図である。アインツェル型レンズを構成する3枚の電極のうち、電極3A、3Cはアース電位とし、電極3Bには負の電位が印加されている。また荷電粒子線は負の電荷を有している。3枚の電極3A、3B、3Cは光軸Jを法線とする3枚の平板である。
その状態における電気力線を実線の矢印Hで示した。また、X方向で3枚の電極3A、3B、3Cの中間面と3枚の電極間隔の中間面を破線で示した。さらに、図のように、J軸の破線で区分される区間をそれぞれ区間I、区間II、区間III、区間IVとする。そして、特にアインツェル型レンズの主なレンズ効果を説明するために、区間Iより原点O側の区間、区間IVより原点Oから遠ざかる区間には電位はないものと近似する。
R>0の領域での区間I、区間II、区間III、区間IVにおけるR方向の電界の向きをそれぞれf1、f2、f3、f4の矢印で示した。つまり、区間I、区間II、区間III、区間IVそれぞれで負、正、正、負となっている。そのため、ある像高r0を通過する荷電粒子線の軌跡は矢印Eで示すようになる。つまり、区間Iでは荷電粒子線は発散され、領域IIでは集束され、領域IIIでは集束され、領域IVでは発散される。これは、X軸方向に光学的な凹レンズ・凸レンズ・凸レンズ・凹レンズが並んでいるのと等価である。
そして、荷電粒子線が集束される理由は以下の2つである。第1の理由は、荷電粒子線が受ける力は像高が高いほど強くなるため、区間IIと区間IIIにおける集束作用が区間Iと区間IVにおける発散作用を上回るからである。第2の理由は、区間Iに比べ区間IIが、区間IVに比べ区間IIIが荷電粒子線の走行時間が長いからである。運動量変化は力積に等しいため、走行時間が長い領域が電子ビームに与える効果が大きくなる。
以上の理由から集束効果をうけることとなる。なお、電極3Bに正の電位を印加した場合も同様に荷電粒子線は集束される。また荷電粒子線の有する電荷を正電荷としても集束される。電極3Bの電位・荷電粒子線の電荷の正負のいずれの組み合わせにおいても集束効果が現れる。そして、区間I〜IVの静電場を形成している開口2の形状誤差により、集束場の対称性が崩れる場合、静電レンズは非点収差のような高次の収差を有することとなる。したがって、静電型の荷電粒子線レンズは電極に形成された開口の形状誤差が収差に敏感に影響を与えるため、開口形状を正確に形成することが必要となる。
開口の形状誤差は厚い電極へ開口を加工するほど低減するのが困難となる。電極の厚さが厚いと電極表裏の開口形状やその内部に渡って形状誤差を制御するのが難しくなる。そのため加工のコストが高くなる、或いは精度によっては実現するのが困難になる場合がある。一方、加工難易度を下げるため電極の厚さを薄くすることが考えられる。しかし、単に電極の厚さを薄くすると、電極に印加する電圧による静電引力によって電極の変形が生じてしまう場合がある。静電型のレンズの収差を小さくするためには、レンズの焦点距離を短くしてレンズの球面収差を低減することも必要となる。この場合電極間に印加する電界強度が大きくなるため静電引力が大きくなり電極の変形が顕著な課題となる。電極の変形が生じると電極間隔の誤差となり、開口が光軸Jから傾き後述するように荷電粒子線へのレンズ効果としての実質的な開口形状の対称性が崩れる場合がある。そのため、球面収差を低減してもそれより高次の収差が増加する、或いは1つの電極に開口が複数形成されるレンズアレイの場合には、個々のレンズの焦点距離にばらつきが生じる場合がある。
したがって、厚く貫通する部分の開口断面の真円度の収差への寄与を低減することができれば貫通部分の加工難易度を上げずにレンズ収差を低減することができる。
本発明の荷電粒子線レンズは、第1の領域、第3第2の領域の開口2A、2Bと第2第3の領域の開口2Cとに荷電粒子が通過する開口を分割し、開口2A、2Bより開口2Cの代表直径が大きくなっている。このような開口の分割により開口2Cの収差への寄与を低減し、この部分の開口断面の真円度が悪くてもレンズ収差への影響を減ずることができる。
次に、本実施例の代表直径の関係により第2第3の領域の開口2Cの真円度がレンズ全体の非点収差へ与える影響を低減できることを図2、図4を用いて説明する。
図2(a)は、本実施例の図1(a)の電極3Bの破線Mで囲まれた部分の拡大断面図である。図示のように第1の領域5の開口2A、第2第3第2の領域の開口2B、第3の領域の開口2Cはそれぞれ代表直径D1、D1、D2を有している。ここで、第1の領域5の自由表面側の面が、電極3Bの第1の面であり、第2の領域6の自由表面側の面が第2の面である。即ち電極3Bは第1の面とその反対側の第2の面を有する。また前述の通り、D1<D2である。また厚さはそれぞれt、t、t’である。そして、第1の界面13、第2の界面14によって接合された構造となっている。また、第1の領域5は光軸Jを法線とする電極2Bの最表面である第1の面8を含んで構成される。第3第2の領域は光軸Jを法線とする電極2Bの第1の面8とは反対側の最表面である第2の面9を含んでいる。一方、図2(b)は、従来技術である代表直径D1とD2が同一の場合を示した。図2(b)は代表直径D1、D2の関係以外は、図示の通り図2(a)と同一の構造を有している。
そして、図4は、図2(a)(b)の場合の開口2A・2Bの収差の合計がレンズの非点収差へ占める割合(寄与率)を示している。横軸は、開口2A、2Bの直径D1と開口2A、2Bの厚さtとの比である。中実の丸印が直径D1と直径D2が等しい場合である。
直径D1、D2が等しい場合、開口2A、2Bの厚さtが直径D1の1/8の厚さで、開口2A・2Bの収差の合計が全体収差の80%を占めることができる。開口2A・2Bは互いに若干の差があるため、開口2A、2B、2Cの寄与率の内訳はそれぞれ44%、36%、20%となっている。
一方、本実施例である中空の丸印は、直径D1がD2の0.8倍の場合である。直径D1がD2の0.8倍の場合では、直径D1、D2が等しい場合に比べ、厚さtが小さくても開口2A、2Bの寄与率が大きくなる。厚さtが直径D1の1/8で約94%、1/5で96%の寄与率となる。このように特に直径D1<D2となる領域では、同じ厚さtの開口2A・2Bに対して収差への寄与率を更にあげることができる。
そして、この寄与率の関係は、開口2Cの厚さt’を変えても変化しない。したがって、開口2Cの厚さを大きくすることで寄与率の関係を変えないで電極全体の厚さを厚くし電極の剛性を上げることができる。このとき、開口2A、2B部分の収差への寄与率が高いため、開口2Cの製造誤差が大きくなってもレンズ全体の収差への影響を低減することができる。
以下に、このような収差の寄与率が開口2A、2Bのような表面付近の開口断面に大きく影響されるメカニズムと開口を形成する平板の厚さと開口断面の真円度の関係について順次説明する。
図7を用いて、第1の領域、第2第2の領域の開口2A、2Bのような電極表面付近から内側に向かうにつれ開口形状の収差への寄与が低減していくことを説明する。図7に図6の破線Zで囲まれた領域を拡大した。曲線K、L、Mは電極3Bの開口2の表面付近の空間の等電位線をしめしている。また、曲線Hは、開口2の最表面に対応する電気力線を示している。図のように、電気力線Hより開口の外側(つまり、開口2が形成されていない側)の領域では、曲線K、L、Mは電極3Bの表面にほぼ平行となっている。したがって、この領域での電気力線は電極の法線方向に平行な方向に形成されることとなる。そのため、この部分の電極形状は、レンズ効果の場となるR方向の電界(図6f1、f2、f3、f4を参照)に対してほとんど影響していない。
一方、電気力線Hより開口の内側(つまり、開口2が形成されている側)の領域において、等電位線K、L、Mは、開口2の内部に回り込んでいることが分かる。したがって、電気力線Hとそれより内側の電気力線によって、図6で説明したレンズ効果の場となるR方向の電界が主に形成されることとなる。荷電粒子線は、立体的には光軸Jを法線とする平面において、光軸Jを中心として周方向のいずれの方向についても図6で示したレンズ効果の場となるR方向の電界の影響を受けている。電気力線Hとそれより内側の電気力線のこのような光軸Jを中心として周方向の対称性(つまり円形形状における真円度)に影響するのは、光軸Jを法線とする平面での開口2の断面形状の対称性となる。そして、等電位線K、L、Mの間隔は、開口2の光軸Jに向かうにつれて大きくなっている。電気力線の密度は、電気力線Hから内側に向かい、又、厚さ方向へ深くなるにつれ疎となっていく。したがって、開口2の断面形状の荷電粒子線の集束への影響は、電極の最表面が最も大きく、厚さ方向へ深くなるにつれて少なくなっていく。
ここでは、図6の区間IIにおける電界の向きf2について詳しく説明した。しかし、上記と同様の理由で区間I、区間III、区間IVの電界の向きf1、f3、f4についても電極の最表面の位置の開口2の断面形状が荷電粒子線への集束へ最も影響する。したがって、厚み方向へ最表面から遠ざかるにつれて影響が小さくなっていく。
そして、開口の深さが深くなっても表面付近の開口断面の寄与率は変化しない。つまり開口2Cを厚くすることによって、開口2A、2Bの収差への寄与率を変えないで開口2Cの厚さを増加させることができる。開口2Cは本実施例の代表直径D1<D2の関係により開口断面の真円度の収差への寄与率が小さいため、収差の増加を抑えながら、電極全体を厚くし剛性を高くすることができる。
ここで図8・図9を用いて、平板へ貫通した開口加工と真円度の関係について説明する。図8は、単結晶シリコンの平板を電極3A・3B・3Cとする荷電粒子線レンズの断面図である。それぞれの電極は、図1と同様に荷電粒子線が通過する開口2を有している。そして、図9は、図8の破線Uで囲んだ部分の拡大した断面図を示している。
図9は矢印Nの方向に単結晶シリコンを貫通する深堀ドライエッチングを施した断面形状を示している。深堀ドライエッチングでは、エッチングと保護のガスを交互に切り替えながらエッチングが進行する。そのため、側壁にはスキャロップと呼ばれる小さな凹凸が図示のように形成される。これらの凹凸はエッチングが進行するにつれてエッチング・保護のガスの供給や排気、化学反応に伴う発熱の度合い等の誤差因子が増加する。そのため、凹凸のピッチや深さが場所により変化したりして真円度が悪化してしまう。また貫通する間際になると貫通する先の界面の影響でエッチングガスの進路が曲げられ破線Sで囲んだ領域のようにノッチングとよばれる孔が広がる現象が生じることが知られている。これらの効果により、このような開口では矢印Nに進むにつれて真円度が悪化することとなる。したがって破線Sで囲まれた領域が最も真円度が悪い。また、開口のエッチング深さが深いほど、エッチング開始面(矢印Nの根元側表面)においてもエッチングマスクのエッジ部分(不図示)にサイドエッチングが生じエッチングマスクの開口形状が変化してしまう。そのため、真円度が悪化することとなる。以上のように平板に開口を加工する場合、厚さが厚いほど真円度が劣化してしまう恐れがある。
本実施例では開口2Cの厚さを厚くしても、この部分の開口断面の真円度が収差に与える寄与率が小さい。そのため、上記のように開口加工の真円度の精度を、厚さを増したことにより向上できなくともレンズ収差の増加を抑えることが可能となる。
次に、このように厚さ方向への第1・第2・第3の領域における開口断面の真円度について説明する。図14は、図9のような一方向からのシリコンの深堀ドライエッチングによる貫通孔を図2(a)の第3の領域7へ適用した場合を示している。図14には特に第3の領域7だけを抜粋して示している。図の矢印T1〜T5に示すように深さ方向の任意の位置で開口断面を定義することができる。このような個々の開口断面について前述した代表直径・真円度を定義することができる。ここで第3の領域7の代表直径・真円度とはこのよう開口の深さ方向へ任意の位置で定義される。領域の最表面(自由表面ともいう)以外の代表直径・真円度の測定については、開口を一度メッキ等で埋め戻し研磨することで観察して確認することができる。また、このような直接の測定を行わずに最表面の測定で代表することもできる。第1・第2・第3の領域の最表面以外の箇所は、後述するように収差への寄与が更に少なくなる部分であり、最表面に比べ代表直径・真円度ともオーダが同程度の変化ならば収差への影響が少ない。したがって、開口の厚み方向の断面観察を数か所行って代表直径・真円度ともオーダが異なるような分布がないことを確認すれば、最表面の代表直径・真円度(つまり図14の場合T1、T5の位置)を測定しその平均値で代表することができる。
次に図3を用いて、直径D1<D2の更に望ましい範囲について説明する。図3(a)は図2(a)の破線Yで囲まれた領域の拡大図である。そして、図1(a)電極2A、電極2Cにはアース電位を、電極2Bには負極性の電位を印加している。したがって、第1の領域5の上面には、静電引力が生じている。以下この静電引力は分布荷重wとして近似して扱う。
直径D1<D2では図3(a)のように第1の領域5が第2第3の領域へリング状に突出した形状となる。この突出した形状が静電引力を受けると分布荷重wの方向へ変形してしまう。今、突出した形状の先端の面(図3(a)断面図の線分PQ)の分布荷重方向の変形をyとすれば、
Figure 2012195096
Figure 2012195096
ただし、Eはヤング率、vはポワソン比
式1の係数Kfは、直径D1と直径D2の比の関数で、リング状の突出した形状の剛性における直径D1・D2の形状因子の係数となる。係数Kfは変位yの比例係数なので値が大きいほど剛性が低くなる。
図3(b)に係数Kfを直径D1・D2の比の関数としてプロットした。D1/D2が1に近づくにつれて(つまり突出した形状が少なくなるにつれて)剛性が増加しているのが分かる。更に図3(c)にこの係数KfをD1/D2で微分した関数をプロットした。係数Kfの微分係数はD1/D2=0.4付近で極小となる変化を示すことがわかる。
係数Kfの微分係数の極小付近では、D1/D2の変化に対する係数Kfの変化率が最も大きい領域となる。つまり、加工誤差によりD1/D2が変化した場合剛性の変化が大きくなってしまう。そのため、突出した形状の変位yが大きく変化する。このように加工誤差に敏感に変位がばらつくと、開口2Aの真円度がばらついたり、変形により実効的な直径D1がばらついたりする。また、電極が複数の開口を有するレンズアレイの場合には、個々の開口間の変形ばらつきが大きくなってしまう。
したがって、望ましいD1/D2は0.4≦D1/D2<1.0となる。この範囲において、係数Kfとその微分係数の絶対値が小さい領域とすることができ、突出した形状の変形と開口の加工誤差に対する変形ばらつきの両方を小さくすることができる。
また、0.8≦D1/D2<1.0の範囲で用いれば更に変形と変形ばらつきを低く抑えることができるため更に好適な範囲となる。特にD1/D2=0.8は0.8≦D1/D2<1.0の範囲内で最も収差が小さくなる領域なので最適な形態となる。
次に本実施例の具体的な材料・寸法例を説明する。電極3A、3B、3Cの第1の領域、第2第2の領域、第3第3の領域とも単結晶シリコンで形成される。厚さはそれぞれ6μm、90μm、6μmである。開口2A、2Bの直径D1は30μm、開口2Cの直径D2は36μmである。給電パッド10はシリコンと密着性がよく通電性が高く酸化しにくい金属膜で形成される。例えば、チタン・白金・金の多層膜を用いることができる。界面13、14にはシリコン酸化膜が形成されている。電極3A、3B、3Cの第1の面8、第2の面9や開口2A、2B、2Cの内壁面はすべて金属膜で覆ってもよい。この場合、酸化しにくい白金族の金属や酸化物に導電性がみられるモリブデンのような金属を用いることができる。電極3A、3B、3Cはそれぞれ400μm離間して光軸Jを法線とする平面に平行に設置される。それぞれの電極は電気的に絶縁されている。電極3A、3Cにはアース電位を印加し、電極3Bには−3.7kVの電位を印加してアインツェル型のレンズとして機能する。荷電粒子線は電子であり、加速電圧を5keVとしたとき本実施例の電極3Bの非点収差は図5のとおりとなる。開口2A、開口2Bの真円度は9nm、開口2Cの真円度は90nmで形成されている。表に示すように、それぞれの非点収差の内訳は2.14nm、2.94nm、1.74nmであり、開口2Cの真円度は、開口2A、2Bの10倍にもかかわらず、トータルの電極3Bの非点収差は4.0nmとなる。(非点収差の値はすべてガウス分布の1/e半径を示している。)これは、開口2A、2B、2Cすべての直径が30μmと等しく、厚さ100μmすべての断面形状の真円度が9nmである場合の非点収差に等しい。
高い真円度(真円度9nmに相当)が必要な箇所は厚さ6μmという薄い平板への加工でよいため、加工の難易度を下げ開口全面にわたって9nmのような高精度の真円開口を形成することが可能となる。一方、剛性を保つ開口2Bの領域は厚さ90μmの貫通孔加工が必要となるが、この部分の真円度は10倍悪くてもよいため加工難易度を下げることができる。
また、第3の領域7の開口2Cの直径が大きいほど非点収差が小さくなることを図10を用いて次に説明する。開口2Cの直径と非点収差の変化である。非点収差は特に開口2Cの開口断面の真円度が10nmのときのものである。図は、開口2A・2Bが上記の寸法例で理想的な真円だった場合の開口2Cだけの収差値を示したものである。この図のように、D2が大きくなるほど非点収差が小さくなっていくのが分かる。したがって、D1<D2で且つD2の値を大きくすれば開口2Cの真円度に対する非点収差の感度を小さくすることができる。そのため、開口2Cの開口断面の真円度が悪くてもD1<D2の関係でD2を設定することにより収差を抑えた荷電粒子線レンズを作製することが可能となる。
次に、第3の領域7の厚み方向の真円度分布と収差の寄与率の関係について説明する。前述の設計例において電極2Bの開口について図15に示すように、第3の領域7を厚み方向へ10μm毎のS1〜S9の領域に分割する。そのそれぞれの領域に真円度の違いがある場合の真円度の非点収差への感度解析を行う。図16は、横軸をS1〜S9の深さ位置(領域の中心深さを代表位置とした)、縦軸をその領域が第3の領域7全体の収差に占める割合(寄与率)を示している。つまりS1〜S9の真円度が等しい場合の非点収差への影響の大小関係を示している。図示の通り最表面の20μmの領域(S1・S2・S8・S9)合計で84%程度の収差が決定される。また厚さの中央付近の領域(S4・S5・S6)はそれぞれ2%以下の寄与率となりこの領域はほとんど収差に寄与しないことが分かる。
次に、真円度の分布を実際に与えた収差の大小関係を説明する。図17(a)は真円度のS1〜S9までの真円度の分布を示している。中空三角印はS1〜S9まで等しい真円度、中空丸印はS1・S9が最小の真円度でS5に向かって徐々に大きくなる場合、中実丸印はS1からS9へ向かうにつれて徐々に大きくなる場合である。
図9に示したように一方向からシリコンを深堀ドライエッチングする場合は中実丸印の真円度分布となる傾向がある。また、表面・裏面それぞれから深堀ドライエッチングを施す場合は、中空丸印となる傾向がある。そのため、これら2つの場合は実際の加工で現れる真円度分布の典型であるため重要である。そして、図17(b)は、非点収差の寄与率を示している。グラフのプロットのタイプがそれぞれの場合に対応している。中実丸印においては、真円度が低い側の最表面(S1・S2)の寄与率は低下しているが、反対側の最表面(S8・S9)の寄与率は増加する。そして、結果として最表面20μmの領域(S1・S2・S8・S9)合計で84%程度の収差が決定される。中空丸印においては、厚さ中央付近の領域(S4・S5・S6)の寄与率は増加するがこの部分の寄与率はもともと低いため全体への影響は少ない。したがって、結果として最表面20μmの領域(S1・S2・S8・S9)合計で76%程度の収差が決定される。
以上のように第3の領域7の総厚さが100μmの内、最表面20μmの真円度でいずれの真円度分布の場合もほとんどの収差が決定される。とくに最表面の寄与率は大きい。また実質的に厚さの内部において真円度が数倍になる図17(a)中空丸印の場合も最表面の影響が最も大きい。領域内での開口の厚み方向のプロファイル観察を行ってオーダが異なるような極端な形状の変化・表面状態の変化が生じていなければ、表裏の最表面の真円度のみを測定しその平均値でその領域の平均の真円度とすることができる。このような測定で決定した代表的な真円度を用いても収差の確認計算には十分よい近似となる。したがって、真円度の厚さ分布を測定することが困難な場合は、このような方法で測定方法を簡略化して本発明の開口断面の形状を確認することが可能である。
また、図18には図17(a)の中実丸印の真円度分布を仮定して、第3の領域7の直径がΦ34μmとΦ38μmの場合の実際の非点収差の値を示している。直径が大きいほど収差が小さくなることは前述のとおりだが、特に最表面20μmの領域の変化が大きくなる。このように直径の変化についても最表面の影響が最も大きい。したがって、真円度と同様に、領域内での開口の厚み方向のプロファイル観察を行ってオーダが異なるような極端な形状の変化・表面状態の変化が生じていなければ、表裏面の開口断面の代表直径の平均値をその領域の平均の代表直径とすることができる。
次に、本実施例の製造方法を説明する。第1の領域、第2第3の領域、第3第2の領域を界面13、14で接合して形成する。第1の領域、第3第2の領域となる厚さ6μmのデバイス層と埋め込み酸化膜層とハンドル層を有するSOI(シリコンオンインシュレータ)基板を用意する。まず、開口2A、2Bをこのデバイス層に高精度のフォトリソグラフとシリコンのドライエッチングにより形成する。その後全体を熱酸化する。次に第2第3の領域と同じ厚さ88μmのシリコン基板にフォトリソグラフとシリコンの深堀ドライエッチングにより開口2Cを形成する。そして、開口2A、開口2Bが形成されたSOI基板のデバイス層を開口2Cが形成されたシリコン基板の表裏面に熱酸化膜を介して直接接合する。2枚のSOIウエハのハンドル層と埋め込み酸化膜層、開口2A・2Bの接合界面以外の熱酸化膜を順次除去することで、第1の領域、第2第2の領域、第3第3の領域を有する電極3A、3B、3Cを形成することができる。なお、本実施例は界面13・14を接合界面とする接合構造だけでなく、他の部分に界面があるかまたは界面がない構造体でも同様の効果を有することができる。しかし、特に、上記のように界面13・14で接合した構造とした場合は、形状精度が必要な開口2A、2Bを形成する工程と開口2Cを形成する工程を別々に行うことができる。そのため、エッチング条件の制御を正確に行ったり、歩留まりを向上したりすることができる。特に真円に近い加工が必要な開口2A・2Bは厚さを薄くできるため高精度の加工を施すことができる。さらに開口2Cは精度が比較的低い加工工程も適用可能となるため製造コストや工数が低減され、歩留まりも向上することとなる。更に、単結晶シリコンを用いることでフォトリソグラフとドライエッチングといった高精度の開口形成と平坦性の高い平面を介したウエハ接合により本実施例の電極を高精度に形成可能となる。そして、この設計例のように数十μmオーダの開口径をnmオーダの真円度で形成することが可能となる。
また、接合する場合に、開口2A・2Bと開口2Cが界面13、14で接するとき、それぞれの開口のエッジは直径がD1<D2と異なっているため同じ位置とならない。そのため、開口2A・2Cを接合前に熱酸化したときにエッジ部に熱酸化膜の膜厚分布により突起が形成されるが、これらの突起が接合の妨げになることなく接合工程を行うことが可能となる。
(実施例2)
図12を用いて本発明の実施例2を説明する。図11は、荷電粒子線レンズの断面図である。尚、実施例1と同じ機能を有する個所には、同じ記号を付し、同じ効果についても説明を省略する。本実施例と実施例1では電極3A、3B、3Cが有する開口2A、2B、2Cが複数形成されている。本実施例では、図示のとおり1つの電極に5つの開口が形成されるレンズアレイとなっている。
開口2Cの直径は開口2Aの直径より大きく設定されている。しかし、隣接する開口のピッチよりは小さくなっているため、第2第3の領域で隣接する開口2Cがつながることはない。そのため、電極全体の剛性を低下させることなくレンズアレイを形成することができる。
さらに、開口断面を高精度加工できるので、レンズアレイの個々のレンズの開口断面の真円度のばらつきを低減することができる。レンズアレイの個々のレンズの真円度が偶然誤差なので、個別に補正を行うことが非常に難しくなる。したがって、開口断面の真円度のばらつきを低減できることにより、大規模なレンズアレイを形成することが可能となる。
特に、実施例1と同様の方法で製造される接合構造による電極を用いる場合は、開口断面のばらつきを十分に低減することができる。接合のアライメント精度により開口2Aと開口2Bの位置ずれが生じるが、このずれはレンズアレイ全体で1つのずれとなるため補正することが容易である。そのため、大規模なレンズアレイに好適な形態となる。
(実施例3)
図19は本発明の荷電粒子線レンズを用いたマルチ荷電粒子ビーム露光装置の構成を示す図である。本実施形態は個別に投影系をもついわゆるマルチカラム式である。
電子源108からアノード電極110によって引き出された放射電子ビームは、クロスオーバー調整光学系111によって照射光学系クロスオーバー112を形成する。
ここで電子源108としてはLaB6やBaO/W(ディスペンサーカソード)などのいわゆる熱電子型の電子源が用いられる。
クロスオーバー調整光学系111は2段の静電レンズで構成されており、1段目・2段目共に静電レンズは3枚の電極からなり、中間電極に負の電圧を印加し上下電極は接地する、いわゆるアインツェル型の静電レンズである。
照射光学系クロスオーバー112から広域に放射された電子ビームは、コリメータレンズ115によって平行ビームとなり、アパーチャアレイ117へと照射される。アパーチャアレイ117によって分割されたマルチ電子ビーム118は、集束レンズアレイ119によって個別に集束され、ブランカーアレイ122上に結像される。
ここで集束レンズアレイ119は3枚の多孔電極からなる静電レンズで、3枚の電極のうち中間の電極のみ負の電圧を印加し上下電極は接地する、アインツェル型の静電レンズアレイである。
またアパーチャアレイ117はNA(集束半角)を規定する役割も持たせるため、集束レンズアレイ119の瞳面位置(集束レンズアレイの前側焦点面位置)に置かれている。
ブランカーアレイ122は個別の偏向電極を持ったデバイスで、描画パターン発生回路102、ビットマップ変換回路103、ブランキング指令回路107によって生成されるブランキング信号に基づき、描画パターンに応じて個別にビームのON/OFFを行う。
ビームがONの状態のときには、ブランカーアレイ122の偏向電極には電圧を印加せず、ビームがOFFの状態のときには、ブランカーアレイ122の偏向電極に電圧を印加してマルチ電子ビームを偏向する。ブランカーアレイ122によって偏向されたマルチ電子ビーム125は後段にあるストップアパーチャアレイ123によって遮断され、ビームがOFFの状態となる。
本実施例においてブランカーアレイは2段で構成されており、ブランカーアレイ122及びストップアパーチャアレイ123と同じ構造の、第2ブランカーアレイ127および第2ストップアパーチャアレイ128が後段に配置されている。
ブランカーアレイ122を通ったマルチ電子ビームは第2集束レンズアレイ126によって第2ブランカーアレイ127上に結像される。さらにマルチ電子ビームは第3・第四集束レンズによって集束されてウエハ133上に結像される。ここで、第2集束レンズアレイ126・第3集束レンズアレイ130・第四集束レンズアレイ132は集束レンズアレイ119同様に、アインツェル型の静電レンズアレイである。
特に第四集束レンズアレイ132は対物レンズとなっており、その縮小率は100倍程度に設定される。これにより、ブランカーアレイ122の中間結像面上の電子ビーム121(スポット径がFWHMで2um)が、ウエハー133面上で100分の1に縮小され、FWHMで20nm程度のマルチ電子ビームがウエハー上に結像される。そして、この第四集束レンズアレイ132が本発明の実施例2に示す荷電粒子線レンズアレイとなっている。
ウエハー上のマルチ電子ビームのスキャンは偏向器131で行うことができる。偏向器131は対向電極によって形成されており、x、y方向について2段の偏向を行うために4段の対向電極で構成される(図中では簡単のため2段偏向器を1ユニットとして表記している)。偏向器131は偏向信号発生回路104の信号に従って駆動される。
パターン描画中はウエハー133はX方向にステージ134によって連続的に移動する。そして、レーザー測長機による実時間での測長結果を基準としてウエハー面上の電子ビーム135が偏向器131によってY方向に偏向される。そして、ブランカーアレイ122及び第2ブランカーアレイ127によって描画パターンに応じてビームのon/offが個別になされる。これにより、ウエハ133面上に所望のパターンを高速に描画することができる。
本発明の荷電粒子線レンズアレイを用いることによって収差の少ない結像が実現できる。そのため微細なパターンを形成するマルチ荷電粒子ビーム露光装置を実現することができる。また、マルチビームが通過する開口形成エリアを大きくしても電極の厚さを厚くできるためマルチビームの本数を多く構成することができる。そのためパターンを高速に描画する荷電粒子ビーム露光装置を実現することができる。
また、本発明の荷電粒子線レンズアレイは、集束レンズアレイ119・第2集束レンズアレイ126・第3集束レンズアレイ130といったいずれの集束レンズアレイとしても用いることができる。
なお、本発明の荷電粒子線レンズは、図19の複数のビームが1本となった場合の荷電粒子線描画装置にも適用することができる。その場合でも、収差の少ないレンズを用いることによって微細なパターンを形成する荷電粒子ビーム露光装置を実現することができる。
1A、1B スペーサ
2、2A、2B 開口
3A、3B、3C 電極
4 開口断面
5 第1の領域
6 第2第3の領域
7 第3第2の領域
8 第1の面
9 第2の面
10 給電パッド
11 内接円
12 外接円
13 第1の界面
14 第2の界面

Claims (10)

  1. 静電型の荷電粒子線レンズであって、
    前記荷電粒子線レンズは光軸方向を法線とする第1の面と、該第1の面とは反対側の第2の面とを有する平板を含み、
    かつ、
    前記第1の面から前記第2の面に貫通する貫通孔を有する電極を有し、
    前記貫通孔の前記法線に垂直な面での開口面を開口断面とし、
    前記開口断面の回帰分析により得られた円の直径を代表直径とするとき、
    前記第1の面側である第1の領域における前記開口断面の代表直径と、
    前記第2の面側である第2の領域における前記開口断面の代表直径と、
    が各々、
    前記第1の面と前記第2の面とで挟まれた前記電極の内部の領域である第3の領域における前記開口断面の代表直径よりも小さいことを特徴とする荷電粒子線レンズ。
  2. 前記開口断面を中心が同一な2つの同心円で挟み、
    2つの前記同心円を、前記同心円の半径の差が
    最小になる場合を半径の小さい方から内接円、外接円とするとき、
    前記第1の領域における前記開口断面の前記外接円と前記内接円の半径の差と
    前記第2の領域における前記開口断面の前記外接円と前記内接円の半径の差と
    が各々
    前記第3の領域における前記開口断面の前記外接円と前記内接円の半径の差よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子線レンズ。
  3. 前記第1の領域および前記第2の領域における代表直径は、
    前記第3の領域における代表直径の40%より大きいことを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子線レンズ。
  4. 前記第1の領域及び前記第2の領域の厚さは、
    前記第3の領域の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の荷電粒子線レンズ。
  5. 前記第1の領域の厚さは、
    前記第1の領域における代表直径の1/8より大きく前記第2の領域の厚さは、
    前記第2の領域における代表直径の1/8より大きいことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の荷電粒子線レンズ。
  6. 前記第1の領域又は前記第2の領域の少なくとも一方が前記第3の領域に対して積層又は接合された構造であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の荷電粒子線レンズ。
  7. 前記電極は電気伝導性膜で覆われていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の荷電粒子線レンズ。
  8. 前記電極は、複数の開口を有し、
    複数の荷電粒子線の電子光学特性を制御するアレイであることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の荷電粒子線レンズ。
  9. 請求項1に記載する荷電粒子線レンズを有し、荷電粒子線を用いることを特徴とする露光装置。
  10. 複数の荷電粒子線を用いることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。
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