JP4625147B2 - 同期電動機駆動システム - Google Patents

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Description

本発明は、同期電動機駆動システムに関し、特に、同期電動機に駆動電力を供給するインバータの制御技術に関する。
同期電動機を用いるにあたり、同期電動機を駆動させる同期電動機駆動システム全体としての高効率化が求められる。例えば、同期電動機に駆動電力を供給する3相インバータでは、高効率化の観点で、電圧型パルス幅変調(Pulse Width Modulation)制御(以下、PWM制御とする。)がよく使用される。
ところで近年、車両用モータとして電源がバッテリすなわち直流電源であるにもかかわらず、半導体技術の進歩もあって信頼性、制御性、効率などの観点から車両用モータとして同期電動機の採用が主流となりつつある。このような用途では、高効率化と同時に、高トルク化も必要となる。
一般に、同期電動機を高トルク化しようとする場合、モータ電流を高周波化する必要があるが、PWM制御を行う3相インバータでは、高周波化に伴い、スイッチングの頻度も増えるため、スイッチング損失の増大が問題となる。
このようなスイッチング損失の低減のために、例えば特許文献1、特許文献2では、回転数が低い場合には、低いキャリア周波数により3相インバータを動作させ、回転数が高い場合には、高いキャリア周波数により3相インバータを動作させる技術が開示されている。こうした技術により、インバータの高周波化で問題となるスイッチング損失をモータ駆動状態に応じて抑制することができる。
特開2002−153096号公報 特開2001−186787号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示の技術では、回転数が低い場合には、スイッチング損失を低減することはできるが、回転数が高い場合には、スイッチング損失を低減することができない。また、低いキャリア周波数により3相インバータを動作させると、電流リプルが大きくなり、それに伴って電動機の振動/騒音が引き起こされるという問題がある。
本発明はかかる問題に鑑み、スイッチング損失の低減を図りつつ、電動機の振動/騒音の要因となる電流リップルを抑制することが可能な同期電動機駆動システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る同期電動機駆動システムは、直流電力を3相交流電力に変換する複数の3相インバータと、前記複数の3相インバータの動作を制御する制御回路と、3相交流電力の供給を受ける3相巻線を複数有する同期電動機とを備え、前記制御回路は、3相インバータの動作を制御するにあたり、前記複数の3相インバータのうち第1及び第2の3相インバータに、互いに異なるキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成させ、前記第1及び第2の3相インバータは、それぞれ異なる3相巻線へ3相交流電力を供給することを特徴とする。
本発明に係る同期電動機駆動システムは、課題を解決するための手段に記載の構成により、単一の電動機を、複数の3相インバータによりPWM制御する上で、複数の3相インバータに対してキャリア周波数を個別に設定できる。ここで、それぞれの3相インバータが出力するモータ電流のリップルが互いに干渉するように、複数の3相インバータのうち、少なくとも1個のキャリア周波数を低く設定することで、低いキャリア周波数で動作する3相インバータが出力するモータ電流のリップルを抑制することが可能となる。また、低いキャリア周波数で動作する3相インバータは、スイッチング損失の低減にも寄与する。
従って、本発明によれば、インバータの高周波化で問題となるスイッチング損失を低減しながら、電動機の振動/騒音の要因となるモータ電流リップルを抑制することが可能となり、高効率、低騒音、低EMC、高信頼性が図れる同期電動機駆動システムを提供できる。
第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図 同期電動機300の平面図 図2の同期電動機の詳細図 図2に示した同期電動機の固定子巻線の結線を示す図 PWM制御部401の内部構成を示す図 PWM信号生成回路414におけるゲート制御信号の生成パターンの一例 (a)は、PWM信号生成回路414におけるモータ電流指令Ir_u1とキャリア信号fc_1の波形図、(b)は、PWM信号生成回路415におけるモータ電流指令Ir_u2とキャリア信号fc_2の波形図、(c)は、PWM信号生成回路416におけるモータ電流指令Ir_u3とキャリア信号fc_3の波形図 (a)は、インバータ群200の上面図、(b)はa−a’での断面図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、20kHz、10kHzとした本実施形態でのモータ実電流波形(U相のみ)を示す図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、20kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、10kHz、10kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図 図9、図10、図11に示す波形をクローズアップして比較した図 同期電動機の回転により発生する振動レベルを、振動の周波数成分毎に示す図 本発明の第1の実施形態の固定子と回転子の位置関係を示す図 3相インバータが各固定子巻線に流す電流の時間変化を示す図 第1の実施形態の変形例に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図 PWM制御部405の詳細な構成を示す図 同期電動機304の詳細図 図18に示した同期電動機の固定子巻線の結線を示す図 同期電動機304の固定子と回転子の位置関係を示す図 第1の実施形態の変形例において各固定子巻線に流した電流の時間変化を示した図 本発明の第2の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図 PWM制御部407の詳細な構成を示す図 キャリア信号選択回路417によるキャリア信号の割り当て処理の流れを示すフローチャート 第1の実施形態の変形例におけるキャリア信号の割り当て処理の流れを示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図 第3の実施形態の変形例に係るゲート制御回路の構成を示す図 本発明の第4の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、10kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、20kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図 3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、20kHz、10kHzとした場合のモータ実電流波形を示す図 キャリア信号fc_1とfc_3との位相にずれがある場合のPWM信号生成回路414、415、416におけるモータ電流指令とキャリア信号の波形図 本発明の変形例に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図
以下、本発明に係る同期電動機駆動システムの実施の形態について、図を用いて説明する。
(第1の実施形態)
<同期電動機駆動システム>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図である。
同期電動機駆動システムは、直流電源100、インバータ群200、同期電動機300、制御回路400、及び電流検出モジュール500から構成されている。
直流電源100は直流電源であり、直流電力をインバータ群200へ供給する。
インバータ群200は、内部に3相インバータ201、202、203を含み、3相インバータ201、202、203がそれぞれ制御回路400からのゲート制御信号に従って直交変換動作を行い、3相交流電力を同期電動機300に供給する。ここで3相インバータ201、202、203は、パワー回路207、208、209と、それぞれのパワー回路に対応したゲート駆動回路204、205、206とで構成され、これら3相インバータ201、202、203を構成する全てのスイッチング素子は、単一のモジュール内に納められている。
同期電動機300は、3相インバータ201、202、203のそれぞれに結線された3相巻線301、302、303を備え、インバータ群200から供給される交流電力により回転駆動する。
ここで、3相インバータ201、202、203から3相巻線301、302、303へ出力されるモータ電流は、電流検出モジュール500を構成する各電流検出器51、52、53、54、55、56、57、58、59によって検出され、検出された電流値が制御回路400に入力され、所望の交流電流となるようにフィードバック制御に用いられる。
以上が第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムの概要である。
続いて、同期電動機駆動システムを構成する各要素の詳細について説明する。
<同期電動機300>
先ず、図2から図7を用いて同期電動機300の詳細を説明する。
図2は、同期電動機300の平面図、図3は、図2の同期電動機の詳細図である。
同期電動機300は回転子2および固定子3から構成される。
回転子2は、回転子コア4および複数の永久磁石5を含み、永久磁石5は回転子コア4に回転子の周方向に等間隔に配置されている。ここで同期電動機300は、いわゆる磁石埋込み型同期電動機(IPM電動機)であり、永久磁石5は回転子コア内部に配置されている。永久磁石5によって構成される磁極6は、固定子3に対してN極、S極が交互に配置された磁極対を構成している。磁極対N極、S極は電気角で2πラジアンとなり、隣り合う磁極の配置間隔は電気角でπラジアンとなる。本実施形態では、回転子の磁極は20極であり、機械角に対して電気角が10倍の関係となっている。
固定子3は、回転子2に対向配置されている複数の固定子ティース7および各固定子ティース7に集中的に巻回された固定子巻線9を含む。複数の固定子ティース7は、固定子の周方向に並ぶ3個単位で固定子ティース組8を構成している。本実施形態では、固定子ティース組8が6組、機械角で60°の等間隔で配置されている。
回転子2の周方向に並べられた磁極数は全部で20極であり、固定子ティースの数は全部で18となっており、半周当り10/9でずれて配置されている。
図2において、反時計回転方向を+方向とすると、固定子ティース組8aに対して、固定子ティース組8bは機械角で−60°、電気角で+2π/3ラジアンずれて配置されている。また、固定子ティース組8aに対して、固定子ティース組8cは機械角で+60°、電気角で+4π/3ラジアン(−2π/3ラジアン)ずれて配置されている。よって、固定子ティース組8a、固定子ティース組8b、固定子ティース組8cは互いに電気角で2π/3ラジアンの間隔の配置となる。
なお、本実施形態の同期電動機は、固定子ティース組8a、固定子ティース組8b、固定子ティース組8cの組み合わせが周方向に2組、(固定子ティース組8a’、固定子ティース組8b’、固定子ティース組8c’)繰り替えされた配置となる。
図3を用いて、固定子ティース組8aの構成を詳細に述べる。以下、固定子巻線の間の機械角を論ずるが、それぞれの固定子巻線が巻回された固定子ティースの中心(一点鎖線)間の角度を表す。固定子ティース組8aは、3個の隣接した固定子ティース61a、62a、63aから構成されている。固定子ティース61a、62a、63aには互いの巻回方向が逆向きとなるように集中巻に巻回された固定子巻線81a、82a、83aが配置されている。固定子巻線82aが巻回された固定子ティース62aに対して、固定子巻線81aが巻回された固定子ティース61aは、機械角で+20°の位置に配置されている。すなわち磁極間隔である電気角πラジアン(機械角18°)からさらに+π/9ラジアンずれて配置されている。また、同様に固定子巻線82aに対して、固定子巻線83aは、機械角で−20°の位置に配置されている。すなわち磁極間隔である電気角πラジアンからさらに−π/9ラジアンずれて配置されている。ここで、固定子ティースは、周方向に等間隔で360/18=20°の間隔で並べられている。一方、回転子の磁極は周方向に等間隔で20個並べられており、360/20=18°の間隔となる。
図2に示した他の2組の固定子ティース組8b、8cも上記固定子ティース組8a同様に、固定子ティース組内において、3個の巻線が磁極間隔である電気角πラジアンから電気角で+π/9ラジアンと−π/9ラジアンずれて配置されている。
図4は、図2に示した同期電動機の固定子巻線の結線を説明するための図である。
図示した巻線端子番号末尾のa、b、cは、それぞれ固定子ティース組8a、8b、8cを構成する巻線に対応している。
固定子ティース組8a内の3個の固定子巻線81a、82a、83aのそれぞれの巻線端子31a、32a、33aは、個別に外部に出されていて、巻線端子31aが三相インバータ201のU相の接続端子に、巻線端子32aが三相インバータ202のU相の接続端子に、巻線端子33aが三相インバータ203のU相の接続端子に個別に接続されている。固定子ティース組8b内の3個の巻線端子31b、32b、33b、および、固定子ティース組8cの3個の巻線端子31c、32c、33cも同様に、個別に外部に出されていて、それぞれ3相インバータ201、202、203のV相、W相の接続端子に個別に接続されている。
また、異なる固定子ティース組8a、8b、8cで位相差が2π/3ラジアンとなる固定子巻線の端子は共通に中性点に接続されている。すなわち巻線端子34aと巻線端子34bと巻線端子34cは第1の中性点に接続され、巻線端子35aと巻線端子35bと巻線端子35cは第2の中性点に接続され、巻線端子36aと巻線端子36bと巻線端子36cは第3の中性点に接続されている。この例では第1、第2および第3の中性点を電気的に分離させているが、このうちのいずれか2つの中性点あるいは全ての中性点を電気的に接続することとしてもよい。
また、本実施形態では固定子ティース組8a、固定子ティース組8b、固定子ティース組8cが2組ずつあり、末尾のa、b、cが同じ固定子ティース組どうしは回転子の磁極に対して電気角で同じ位置関係にある。そのため6組の固定子ティース組のうち隣接した3組の固定子ティース組どうしで中性点接続を構成してもよいし、一つ置きの3組の固定子ティース組どうしで中性点接続を構成してもよい、また、6組の全ての固定子ティース組で中性点接続を構成してもよい。
このような結線により、巻線端子が同じ3相インバータ201に接続された固定子巻線81a、81b、81c、81a’、81b’、81c’は図1の3相巻線301を構成する。また、巻線端子が3相インバータ202に接続された固定子巻線82a、82b、82c、82a’、82b’、82c’は図1の3相巻線302を構成し、巻線端子が3相インバータ203に接続された固定子巻線83a、83b、83c、83a’、83b’、83c’は図1の3相巻線301を構成している。
以上、本発明の第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムを構成する同期電動機の構成について説明した。18個の固定子ティースは、回転子の磁極間隔と異なる配置間隔で並び、かつ、周方向に並ぶ3個単位で固定子ティース組を構成している。また各固定子ティース組内の3個の固定子巻線は、それぞれ独立した外部端子に個別に接続されている。
ここで「個別」とは、ひとつの固定子ティース組に含まれている固定子巻線どうしの関係を示すものであり、異なる固定子ティース組にそれぞれ含まれている固定子巻線どうしの関係を示すものではない。従って、異なる固定子ティース組に含まれる固定子巻線どうしは、条件が許せば共通に接続される場合もある。例えば、固定子ティース組8aに含まれている固定子巻線81aと固定子ティース組8a’に含まれている固定子巻線81a’には同じ位相の電流が供給されるため、これらを共通の外部端子に接続することとしてもよい。もちろん個別に外部端子に接続することとしても何ら問題はない。
<制御回路400>
続いて、制御回路400の詳細について説明する。
制御回路400は、図1に示すようにPWM制御部401、電流検出部402、位置推定部403からなり、ゲート制御信号GU_u、GU_dを出力することで三相インバータ201、202、203の動作を制御する。
PWM制御部401は、電流検出部402が出力するモータ電流指令信号Ir_u、Ir_v、Ir_wに基づいて、各インバータに対してゲート制御信号を出力する。
電流検出部402には、同期電動機300を所望のトルク及び回転数で駆動させることを指示するトルク指令信号Is及び回転数指令信号ωrが外部から入力され、入力されたトルク指令信号Is及び回転数指令信号ωrに応じた電流位相角β及び電流量Iaを、インバータ201、202、203のそれぞれについて決定し、同期電動機の回転子の磁極位置や各パワー配線の電流値をモニタしながら、モータ電流指令信号Ir_u、Ir_v、Ir_wをPWM制御部401へ出力する。
位置推定部403は、電流検出モジュール500で検出された少なくとも1つの3相交流電流検出信号が入力され、パワー回路のスイッチング動作毎の電流変化率から巻線のインダクタンス値を演算により求め、インダクタンス値から同期電動機300の回転子磁極位置θを推定し、電流検出部402へ出力する。
以下に、図5を用いて、PWM制御部401の構成及び動作を説明する。
PWM制御部401は、キャリア信号発生回路411、412、413と、PWM信号生成回路414、415、416とで構成される。キャリア信号発生回路411は、10kHzの三角波であるキャリア信号fc_1をPWM信号生成回路414へ出力し、キャリア信号発生回路412は、20kHzの三角波であるキャリア信号fc_2をPWM信号生成回路415へ出力し、キャリア信号発生回路413は、10kHzの三角波であるキャリア信号fc_3をPWM信号生成回路416出力する。
PWM信号生成回路414、415、416には、それぞれキャリア信号と、モータ電流指令信号Ir_u、Ir_v、Ir_wが入力され、入力された信号に基づいたゲート制御信号を出力する。
ここで、PWM信号生成回路414におけるゲート制御信号の生成パターンの一例を、図6を用いて示す。PWM信号生成回路414には、キャリア信号fc_1と、電流検出部402から出力されたモータ電流指令信号Ir_u1が入力され、2ヶの信号を比較し、キャリア信号fc_1よりもモータ電流指令信号Ir_u1が大きい場合は、比較するモータ電流指令信号Ir_u1に対応した上側アームをオン動作とするゲート制御信号GU_u1を出力し(図示では、Highレベル)、キャリア信号fc_1よりもモータ電流指令信号Ir_u1が小さい場合は、比較するモータ電流指令信号Ir_u1に対応した上側アームをオフ動作とするゲート制御信号GU_u1を出力する(図示では、Lowレベル)。また、下側アームのゲート制御信号GU_d1は、上側アームのゲート制御信号GU_u1と論理レベルが反転している。ここで、ゲート制御信号GU_uとGU_dは、上下アーム短絡を防止するため、双方がLowレベルとなる微小時間の休止期間(図示しない。)が設けられている。
図中においては、3相交流のうち1相分のモータ電流指令Ir_u1を用いてゲート制御信号の生成を説明したが、PWM信号生成回路414では、他相のV、W相についても、モータ電流指令Ir_u1に対してそれぞれ120度、240度位相がずれたモータ電流指令Ir_v1、Ir_w1に基づくゲート制御信号が生成される。
また、図7に示すように、PWM信号生成回路415、416においても、PWM信号生成回路414と同様にモータ電流指令とキャリア信号とが入力され、これらの入力信号に基づいてゲート制御信号が生成される。
図7(a)は、PWM信号生成回路414におけるモータ電流指令Ir_u1とキャリア信号fc_1の波形図を示し、図7(b)は、PWM信号生成回路415におけるモータ電流指令Ir_u2とキャリア信号fc_2の波形図を示し、図7(c)は、PWM信号生成回路416におけるモータ電流指令Ir_u3とキャリア信号fc_3の波形図を示す。
このような波形の入力信号に基づいて生成されたゲート制御信号のうち、10kHzの三角波であるキャリア信号fc_1を用いてPWM信号生成回路414が生成したゲート制御信号は、3相インバータ201のゲート駆動回路204へ入力される。また、20kHzの三角波であるキャリア信号fc_2を用いてPWM信号生成回路415が生成したゲート制御信号は、3相インバータ202のゲート駆動回路205へ入力され、10kHzの三角波であるキャリア信号fc_3を用いてPWM信号生成回路416が生成したゲート制御信号は、3相インバータ203のゲート駆動回路206へ入力される。
この結果、本実施形態において3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数が、それぞれ、10kHz、20kHz、10kHzとなり、3相巻線301、302、303には、それぞれ、3相インバータ201、202、203から出力される3相PWM電圧が入力される。ここで、図3に示す固定子巻線について説明すると、固定子巻線81a、83aに入力される3相PWM電圧は10kHzとなり、固定子巻線81a、83aに挟まれた固定子巻線82aに入力される3相PWM電圧は20kHzとなる。
以上が、制御回路400の詳細についての説明である。
<インバータ群200>
続いて、インバータ群200の詳細について説明する。図8の(a)は、インバータ群200の上面図、(b)はa−a’での断面図である。本図に示すようにインバータ群200は、3相インバータ201、202、203が、絶縁基板240上に並設されエポキシ樹脂等のモールド樹脂250により封止されることで、単一のモジュールを構成している。
ここで3相インバータ201、及び3相インバータ203は動作周波数が10kHzであり、3相インバータ202は動作周波数が20kHzであるため、3相インバータ202は他の3相インバータよりも発熱量が多い。そこで、3相インバータ201、及び3相インバータ203は安価なSi半導体を用いたスイッチング素子で構成するが、3相インバータ202は耐熱性に優れたシリコンカーバイド、窒化ガリウム等、Si半導体よりも広いバンドギャップを有するワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子で構成している。
この結果、インバータ群200のモジュールは、3相インバータ202を中心に、3相インバータ201、202、203の配列軸で熱勾配が略対称になり、高い信頼性が得られる。また、モジュール内の半導体を全てワイドバンドギャップ半導体で構成するよりも、比較的安価なモジュールを提供できる。
さらには、IPM(インテリジェントパワーモジュール)に適用した場合、動作周波数がより低い3相インバータの上部にのみ、3相インバータを制御する駆動回路を配置することにより、駆動回路周辺の雰囲気温度を抑制することができるため、高信頼性のモジュールを提供できる。
以上が、インバータ群200の詳細についての説明である。
次に、図9から図12を用いて、本発明の同期電動機駆動システムにおいて、実施した内容と効果について説明する。
図9は、3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、20kHz、10kHzとした本実施形態でのモータ実電流波形(U相のみ)を示す図である。一方、図10は、本実施形態と類似の構成ではあるが、3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、20kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)であり、図11は、同様に3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、10kHz、10kHzとした場合のモータ実電流波形を示す図である。また、図12は、図9、図10、図11に示す波形をクローズアップして比較したものである。
図10、及び図12の2段目からわかるように、全ての動作周波数を20kHzにした場合、3相巻線301、302、303に通電されるモータ実電流において、電流リプル、すなわち波形歪が十分に抑制されたモータ実電流波形が実現できている。これに対し、図11、及び図12の3段目からわかるように、全ての動作周波数を10kHzにした場合、巻線301、302、303に通電されるモータ実電流において、電流リプル、すなわち波形歪の大きなモータ実電流波形となっている。具体的には、図12に示すように、全ての動作周波数を20kHzにした2段目の波形は、全ての動作周波数を10kHzにした3段目の波形に比べて、波形歪が1/2程度になっている。モータ実電流における波形歪は、モータを駆動する上で、モータの騒音/振動という重大な課題を引き起こす。
しかしながら、図9に示す本実施形態でのモータ実電流波形では、20kHzの3相PWM電圧が入力される3相巻線302のモータ実電流I_u2が、図10のものと同様にリプルが抑制されているに留まらず、10kHzの3相PWM電圧が入力される3相巻線301、303のモータ実電流I_u1、I_u3についても、図11のものと比較して、リプルの顕著な低減が確認できる。具体的には、図12に示すように、1段目に示す本実施形態で10kHzの3相PWM電圧が入力される3相巻線のモータ実電流波形は、全ての動作周波数を10kHzにした3段目の波形に比べて、波形歪がおおよそ1/2〜3/5になっている。
このような効果は、本発明を実施することにより、3相巻線301、302、303に対して、それぞれ入力する3相PWM電圧の動作周波数を10kHz、20kHz、10kHzとすることにより、動作周波数が20kHzである3相巻線302に通電されることで発生する磁束変化が、動作周波数が10kHzである3相巻線301と303に通電されることで発生する磁束変化を抑制し、モータ実電流の波形歪を大幅に低減したことで得られたものと考えられる。
また、本発明を実施することにより、同期電動機において発生する振動の低減効果も得られる。図13は、同期電動機の回転により発生する振動レベルを、振動の周波数成分毎に示す図である。1段目は、3相インバータ201、202、203を、それぞれ10kHz、20kHz、10kHzのキャリア信号を用いて動作させた本実施形態での振動の様子を示す。2段目は全ての3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて動作させた場合、3段目は全ての3相インバータを20kHzのキャリア信号を用いて動作させた場合の振動の様子を示している。
本図において網掛けで示した周波数帯では、他の条件での振動レベルに比べて、本実施形態の条件での振動レベルが抑制されている。従って、このような周波数帯を共振周波数とする同期電動機駆動システムで、システム全体での振動低減効果が得られる。
具体的には、ピーク位置p1では、全ての3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて動作させた場合、2段目に示すように振動レベルがおおよそ−70dBであるが、本実施形態の条件では1段目に示すように振動レベルがおおよそ−80dBに低減している。同様に、ピーク位置p2では、全ての3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて動作させた場合、2段目に示すように振動レベルがおおよそ−77dBであるが、本実施形態の条件では1段目に示すように振動レベルがおおよそ−80dBに低減している。また、ピーク位置p3では、全ての3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて動作させた場合、2段目に示すように振動レベルがおおよそ−70dBであるが、本実施形態の条件では1段目に示すように振動レベルがおおよそ−90dBに低減している。
以上、本実施形態によれば、一部の3相インバータを、10kHzのキャリア信号を用いて生成されたゲート制御信号に基づいて動作させることで、全ての3相インバータを20kHzのキャリア信号を用いて生成されたゲート制御信号に基づいて動作させる場合に比較して、スイッチング損失を低減することができる。その一方で、全ての3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて生成されたゲート制御信号に基づいて動作させる場合に比較して、リプルによるモータ電流の波形歪を低減することができる。
このように、本発明の実施により、動作周波数の高周波化に伴う、3相インバータのスイッチング損失及びEMCなどの重要課題を解決し、かつモータ駆動における低騒音/低振動を実現するモータ駆動システムを提供することができる。
<第1の実施形態の変形例1>
本発明の第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムでは、上記同期電動機の複数の巻線端子に互いに位相の異なる電流を給電することが好ましい。以下に、図2、図3に構造を示した同期電動機300を回転駆動させる通電方法の一例を説明する。
図14は、本発明の第1の実施形態の固定子と回転子の位置関係を示し、図14(a)、図14(b)、図14(c)は回転子2が反時計方向に各々機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転したときの固定子および回転子の位置関係を示している。また、図15は、3相インバータが各固定子巻線に流した電流の時間変化を示した図である。図15中の(a)(b)(c)で示される時間は、それぞれ図14(a)、図14(b)、図14(c)に示される位置関係に対応している。
図2、図3に、回転子の磁極間を10、11で示した。回転子の磁極間10、11は、回転子に配置された永久磁石で構成された磁極Nと磁極Sとの間の磁気中立点の位置を意味する。ここでは、機械的にも磁石と磁石との間の位置となっている。反時計方向にみてN極からS極に変わる磁極間を10、反時計方向にみてS極からN極に変わる磁極間を11と示している。なお、磁極間11’は、磁極間11に対して電気角では同じ位置であるが機械角では異なる位置にある。
図14(a)では、一点鎖線で示したように、固定子ティース63aの中心と回転子磁極間11とが一致する位置関係で対向している。この位置関係のときにインバータ203が接続する固定子巻線83aに流れる電流が最大になるように位相を調整して電流を供給すると、永久磁石によるトルクであるマグネットトルクが最大となる。なお図3で説明したように隣接する磁極どうしのなす角度(18°)と隣接する固定子ティースどうしのなす角度(20°)が異なるため、固定子ティース63aの中心と回転子磁極間11とが一致する位置関係で対向していれば、固定子ティース62aの中心および回転子磁極間10、ならびに固定子ティース61aの中心および回転子磁極間11’はずれた位置関係で対向することになる。
図14(b)では、図14(a)から回転子が反時計方向に機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転しており、一点鎖線で示したように、固定子ティース62aの中心と回転子磁極間10とが一致する位置関係で対向している。この位置関係のときにインバータ202が接続する固定子巻線82aに流れる電流が最大になるように位相を調整して電流を供給すると、永久磁石によるトルクであるマグネットトルクが最大となる。このとき固定子ティース63aの中心および回転子磁極間11、ならびに固定子ティース61aの中心および回転子磁極間11’はずれた位置関係で対向している。 図14(c)では、図14(b)から回転子が反時計方向に機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転しており、一点鎖線で示したように、固定子ティース61aの中心と回転子磁極間11’とが一致する位置関係で対向している。この位置関係のときにインバータ201が接続する固定子巻線81aに流れる電流が最大になるように位相を調整して電流を供給すると、永久磁石によるトルクであるマグネットトルクが最大となる。このとき固定子ティース63aの中心および回転子磁極間11、ならびに固定子ティース62aの中心および回転子磁極間10はずれた位置関係で対向している。
図14(a)、(b)、(c)に示した位置関係となる各時間に、すなわち、固定子ティース61a、62a、63aの固定子ティース中心が回転子磁極間と対向している各時間に、固定子巻線81a、82a、83aに流れる電流がそれぞれ最大になるように位相を調整して電流を供給する。そうすると固定子ティース毎にマグネットトルクを最大とすることができ、全体として高トルク化を図ることができる。
図15では、3相インバータ201、202、203がそれぞれ巻線端子31a、32a、33aに流した電流(固定子巻線81a、82a、83aに流した電流)が縦軸に、時間が横軸に示されている。図15に示すように、巻線端子32aに流す電流に対して巻線端子33aに流す電流はπ/9ラジアン進めてあり、巻線端子32aに流す電流に対して巻線端子31aに流す電流はπ/9ラジアン遅らせてある。
以上説明したとおり、同期電動機300では、回転子磁極の間隔が機械角18°(電気角πラジアン)であるのに対し、固定子ティース組内の3個の固定子ティースの間隔は機械角18°度からずれた機械角20°としている。このように機械的な位相差をもたせることにより、無通電時のトルク脈動であるコギングトルクを低減することができる。
また同期電動機300では、固定子ティース組内の固定子ティースは電気角πラジアンに対して各々π/9ラジアンの位相差をもつ配置となっており、各固定子ティースに巻回された固定子巻線にはπ/9ラジアンの位相差を持たせた電流を流すことで、各々の固定子ティースにより発生するトルクを同じにすることができるのでπ/3ラジアンを基本周期とするトルク脈動を打ち消すことができ、かつ、各々の固定子ティースにより発生するトルクを最大にすることができるので全体のトルクを高めることができる。
なお、図14では永久磁石による発生するマグネットトルクのみを考慮していたので、固定子ティースの中心と回転子磁極間とが一致して対向した位置関係において固定子巻線に流れる電流が最大となるように電流の位相を調整している。しかしながら第1の実施形態の同期電動機は、回転子コア内部に永久磁石を配置した、いわゆる磁石埋込み型同期電動機であり、磁石によるマグネットトルクに加えて、磁気抵抗の差によるリラクタンストルクを利用することができる同期電動機である。そのためマグネットトルクとリラクタンストルクの両者を生かして最大トルクを得るために、固定子ティースの中心と回転子磁極間とが一致して対向する位置で最大電流となる位相よりも電流位相を進めることが有効な場合もある。
<第1の実施形態の変形例2>
以下に、2つのインバータを有する同期電動機駆動システムに本発明を適用した変形例について説明する。図16は、本変形例に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図である。
本変形例に係る同期電動機駆動システムは、図1に示す構成に比較して、インバータ群200、同期電動機300、制御回路400、及び電流検出モジュール500を、インバータ群210、同期電動機304、制御回路404、及び電流検出モジュール501に置き換えた構成である。以下、図1に示す構成との相違点について説明する。
インバータ群210は、インバータ群200から3相インバータ203を取り除いた構成である。
同期電動機304は、2つの3相巻線305、306を備える。
制御回路404は、図1に示す制御回路400のPWM制御部401を、PWM制御部405に置換した構成である。図17は、PWM制御部405の詳細な構成を示す図である。PWM制御部405は、図5に示すPWM制御部401からキャリア信号発生回路413、及びPWM信号生成回路416を取り除いた構成である。これにより、PWM制御部405からは、3相インバータ201のゲート駆動回路204に対して、10kHzのキャリア信号を用いたゲート制御信号が出力され、3相インバータ202のゲート駆動回路205に対して、20kHzのキャリア信号を用いたゲート制御信号が出力される。
以上が本変形例に係る同期電動機駆動システムの概要である。
続いて、同期電動機304の詳細を説明する。同期電動機304は、同期電動機300と同様に図2に示す構成を有するが、固定子ティースに対する固定子巻線の巻回方法が同期電動機300と相違する。
図18は、同期電動機304の詳細図である。図18を用いて、固定子ティース組8aの構成を詳細に述べる。以下、固定子ティースの間の機械角を論ずるが、それぞれの固定子巻線が巻回された固定子ティースの中心(一点鎖線)間の角度を表す。固定子ティース組8aは、3個の隣接した固定子ティース71a、72a、73aから構成されている。
固定子ティース72aに対して固定子ティース71aは、機械角で+20°の位置に配置されている。すなわち磁極間隔である電気角πラジアン(機械角18°)からさらに+π/9ラジアンずれて配置されている。また、同様に固定子ティース72aに対して固定子ティース73aは、機械角で−20°の位置に配置されている。すなわち磁極間隔である電気角πラジアンからさらに−π/9ラジアンずれて配置されている。ここで、固定子ティースは、周方向に等間隔で360/18=20°の間隔で並べられている。一方、回転子の磁極は周方向に等間隔で20個並べられており、360/20=18°の間隔となる。
固定子ティース71aには固定子巻線91aの一部(巻回数N1)が巻回され、固定子ティース73aには固定子巻線92aの一部(巻回数N2)が巻回され、固定子ティース72aには固定子巻線91aの残余の部分(巻回数N21)および固定子巻線92aの残余の部分(巻回数N22)が巻回されている。
固定子巻線91aは、固定子ティース71a、72aにそれぞれ巻回されている部分どうしが互いに逆極性の磁場を発生させる。同様に、固定子巻線92aは、固定子ティース72a、73aにそれぞれ巻回されている部分どうしが互いに逆極性の磁場を発生させる。さらに固定子巻線91a、92aに同位相の電流が供給されたとき固定子ティース72aに巻回されている部分どうしは同じ極性の磁場を発生させる。
また固定子巻線91a、92aの巻回数に関しては、以下の関係が満たされている。
N1=N2
N21=N22=(N1)/{2cos(π/9)}
上記関係を満たすことにより固定子ティース71a、72a、73aに生じる磁束の最大値を同等にすることができる。なおここでは便宜上イコール記号(=)を用いているが、実際には完全に一致させることが困難な場合が多い。上記のイコール記号は、右辺が小数になる場合にはその小数に近い整数を採用する程度の一致を含み、さらには、設計上誤差として無視できる程度の一致を含むこととする。
図18に示した固定子ティース組8aの両隣に隣接する他の2組の固定子ティース組8b、8cも図18に示した固定子ティース組8aと同様の構成を有している。
図19は、図18に示した同期電動機の固定子巻線の結線を説明するための図である。
図示した巻線端子番号末尾のa、b、cは、それぞれ固定子ティース組8a、8b、8cを構成する巻線に対応している。
固定子ティース組8a内の2個の固定子巻線91a、92aのそれぞれの巻線端子21a、23aは、個別に外部に出されていて、巻線端子21aが三相インバータ201のU相の接続端子に、巻線端子23aが三相インバータ202のU相の接続端子に個別に接続されている。固定子ティース組8b内の2個の巻線端子21b、23b、および、固定子ティース組8cの2個の巻線端子21c、23cも同様に、個別に外部に出されていて、それぞれ3相インバータ201、202のV相、W相の接続端子に個別に接続されている。
また、異なる固定子ティース組8a、8b、8cで位相差が2π/3ラジアンとなる固定子巻線の端子は共通に中性点に接続されている。すなわち巻線端子22aと巻線端子22bと巻線端子22cは第1の中性点に接続され、巻線端子24aと巻線端子24bと巻線端子24cは第2の中性点に接続されている。この例では第1および第2の中性点を電気的に分離されているが、これらを電気的に接続することとしてもよい。
また、本実施形態では固定子ティース組8a、固定子ティース組8b、固定子ティース組8cが2組ずつあり、末尾のa、b、cが同じ固定子ティース組どうしは回転子の磁極に対して電気角で同じ位置関係にある。そのため6組の固定子ティース組のうち隣接した3組の固定子ティース組どうしで中性点接続を構成してもよいし、一つ置きの3組の固定子ティース組どうしで中性点接続を構成してもよい、また、6組の全ての固定子ティース組で中性点接続を構成してもよい。
このような結線により、巻線端子が同じ3相インバータ201に接続された固定子巻線91a、91b、91c、91a’、91b’、91c’は図16の3相巻線305を構成する。また、巻線端子が3相インバータ202に接続された固定子巻線92a、92b、92c、92a’、92b’、92c’は図16の3相巻線306を構成している。
以上、同期電動機304の構成について説明した。18個の固定子ティースは、回転子の磁極間隔と異なる配置間隔で並び、かつ、周方向に並ぶ3個単位で固定子ティース組を構成している。また各固定子ティース組内の2個の固定子巻線は、それぞれ独立した外部端子に個別に接続されている。
ここで「個別」とは、ひとつの固定子ティース組に含まれている固定子巻線どうしの関係を示すものであり、異なる固定子ティース組にそれぞれ含まれている固定子巻線どうしの関係を示すものではない。従って、異なる固定子ティース組に含まれる固定子巻線どうしは、条件が許せば共通に接続される場合もある。例えば、固定子ティース組8aに含まれている固定子巻線91aと固定子ティース組8a’に含まれている固定子巻線91a’には同じ位相の電流が供給されるため、これらを共通の外部端子に接続することとしてもよい。もちろん個別に外部端子に接続することとしても何ら問題はない。
本変形例に係る同期電動機駆動システムは、上記同期電動機の複数の巻線端子に互いに位相の異なる電流を供給する駆動装置を備えている。次に、駆動装置および通電方法に関して説明する。
図20は、本変形例の固定子と回転子の位置関係を示し、図20(a)、図20(b)、図20(c)は回転子2が反時計方向に各々機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転したときの固定子および回転子の位置関係を示している。また、図21は、本変形例において各固定子巻線に流した電流の時間変化を示した図である。図21中の(a)(b)(c)で示される時間は、それぞれ図20(a)、図20(b)、図20(c)に示される位置関係に対応している。
図20に示す回転子の磁極間10、11は、回転子に配置された永久磁石で構成された磁極Nと磁極Sとの間の磁気中立点の位置を意味する。ここでは、機械的にも磁石と磁石との間の位置となっている。反時計方向にみてN極からS極に変わる磁極間を10、反時計方向にみてS極からN極に変わる磁極間を11と示している。なお、磁極間11’は、磁極間11に対して電気角では同じ位置であるが機械角では異なる位置にある。
図20(a)では、一点鎖線で示したように、固定子ティース73aの中心と回転子磁極間11とが一致する位置関係で対向している。この位置関係のときに固定子巻線93aに流れる電流が最大になるように位相を調整して電流を供給すると、永久磁石によるトルクであるマグネットトルクが最大となる。なお図18で説明したように隣接する磁極どうしのなす角度(18°)と隣接する固定子ティースどうしのなす角度(20°)が異なるため、固定子ティース73aの中心と回転子磁極間11とが一致する位置関係で対向していれば、固定子ティース72aの中心および回転子磁極間10、ならびに固定子ティース71aの中心および回転子磁極間11’はずれた位置関係で対向することになる。
図20(b)では、図20(a)から回転子が反時計方向に機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転しており、一点鎖線で示したように、固定子ティース72aの中心と回転子磁極間10とが一致する位置関係で対向している。このとき固定子ティース73aの中心および回転子磁極間11、ならびに固定子ティース71aの中心および回転子磁極間11’はずれた位置関係で対向している。
図20(c)では、図20(b)から回転子が反時計方向に機械角で2°(電気角でπ/9ラジアン)回転しており、一点鎖線で示したように、固定子ティース71aの中心と回転子磁極間11’とが一致する位置関係で対向している。この位置関係のときに固定子巻線91aに流れる電流が最大になるように位相を調整して電流を供給すると、永久磁石によるトルクであるマグネットトルクが最大となる。このとき固定子ティース73aの中心および回転子磁極間11、ならびに固定子ティース72aの中心および回転子磁極間10はずれた位置関係で対向している。
図20(a)、(c)に示した位置関係となる各時間に、すなわち、固定子ティース71a、73aの固定子ティース中心が回転子磁極間と対向している各時間に、固定子巻線91a、92aに流れる電流がそれぞれ最大になるように位相を調整して電流を供給する。そうすると図20(a)に示した位置関係となるとき、すなわち固定子ティース73aの中心が回転子磁極間11と一致して対向しているときに、固定子巻線92aに流れる電流が最大となり、固定子ティース73aが生じさせるマグネットトルクが最大となる。また図20(b)に示した位置関係になるとき、すなわち固定子ティース72aの中心が回転子磁極間10と一致して対向しているときに、固定子巻線91a、92aの電流のベクトル合成が最大となり、固定子ティース72aが生じさせるマグネットトルクが最大となる。また図20(c)に示した位置関係となるとき、すなわち固定子ティース71aの中心が回転子磁極間11’と一致して対向しているときに、固定子巻線91aに流れる電流が最大となり、固定子ティース71aが生じさせるマグネットトルクが最大となる。これにより固定子ティース毎にマグネットトルクを最大とすることができ、全体として高トルク化を図ることができる。
図21では、3相インバータ201、202がそれぞれ巻線端子21a、23aに流した電流(固定子巻線91a、92aに流した電流)が縦軸に、時間が横軸に示されている。図21に示すように、巻線端子21aに流す電流に対して巻線端子23aに流す電流は2π/9ラジアン進めてある。
各固定子巻線の配置関係と各固定子巻線に流す電流とは以下の関係がある。
固定子ティース72aに対して固定子ティース73aは、電気角でπラジアンからさらに−π/9ラジアンずれて配置されている。一方、固定子ティース72aに対して固定子ティース71aは、電気角でπラジアンからさらに+π/9ラジアンずれて配置されている。このような配置関係であれば、固定子巻線91aに流す電流に対して固定子巻線93aに流す電流は、2π/9ラジアン進めることとする。
以上説明したように、本変形例に係る同期電動機駆動システムでは、2つの3相インバータのうち一方で、低いキャリア信号を用いてPWM制御がなされることで、インバータ群210全体で発生するスイッチング損失を低減しつつも、動作周波数が20kHzである3相巻線305に通電されることで発生する磁束変化が、動作周波数が10kHzである3相巻線306に通電されることで発生する磁束変化を抑制し、モータ実電流の波形歪の増大を抑制することが期待できる。

(第2の実施形態)
図22は、本発明の第2の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図である。図22に示す同期電動機駆動システムは、図1に示す同期電動機駆動システムのインバータ群200及び制御回路400を、それぞれインバータ群220、及び制御回路406に置換した構成である。以下に第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムと相違する構成について説明する。
インバータ群220を構成する3相インバータ221、222、223は、第1の実施形態における3相インバータ201、202、203と比較して、それぞれ温度センサ61、62、63を有する点で相違する。
温度センサ61、62、63は、それぞれの3相インバータのパワー回路227、228、229を構成するスイッチング素子群の温度を一定周期で繰り返し計測し、パワー回路227、228、229のそれぞれ対応する温度検出信号T1、T2、T3を制御回路406へ出力する。
制御回路406は、図1に示す制御回路400のPWM制御部401を、PWM制御部407に置換した構成である。図23は、PWM制御部407の詳細な構成を示す図である。PWM制御部405は、図5に示すPWM制御部401にキャリア信号選択回路417を追加した構成である。
キャリア信号選択回路417は、温度センサ61、62、63から入力された温度検出信号T1、T2、T3に基づいて、キャリア信号fc_1、fc_2、fc_3を、PWM信号生成回路414、415、416へ割り当てて分配する。この時、キャリア信号選択回路417は、パワー回路227、228、229の内、低い温度を示しているパワー回路に対応したゲート駆動回路へより高い動作周波数のゲート制御信号を出力するように、PWM信号生成回路へのキャリア信号の割り当てを決定する。
以下に、キャリア信号選択回路417によるキャリア信号の割り当ての詳細について説明する。図24は、キャリア信号選択回路417によるキャリア信号の割り当て処理の流れを示すフローチャートである。
キャリア信号選択回路417は、ステップS1において温度検出信号T1、T2、T3が入力されると、ステップS2、ステップS3の判定により、各パワー回路の温度を比較する。
温度検出信号T1の示す温度が、温度検出信号T2、T3の示す温度よりも低い場合(ステップS2:Yes)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路414へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路415、416へ出力する(ステップS3)。
ステップS2の判定で、温度検出信号T1の示す温度が、温度検出信号T2、T3の示す温度よりも高かった場合は(ステップS2:No)、温度検出信号T2とT3とを比較し、温度検出信号T2の示す温度が、温度検出信号T3の示す温度よりも低い場合(ステップS4:Yes)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路415へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路414、416へ出力する(ステップS5)。
ステップS2の判定で、温度検出信号T2の示す温度が、温度検出信号T3の示す温度よりも高かった場合は(ステップS4:No)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路416へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路414、415へ出力する(ステップS6)。
このような処理によって、3相インバータ221、222、223のうち、パワー回路の温度が最も低いものに、他のものよりも高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号が供給されることになる。
ここで、20kHzのキャリア信号を用いて動作することになった3相インバータは、10kHzのキャリア信号を用いて動作する3相インバータよりも、パワー回路での発熱が多くなるため、いずれ3つの3相インバータ間の温度の関係が入れ替わることになる。しかし、各3相インバータのパワー回路の温度が一定周期で計測され、最新の温度検出信号T1、T2、T3に基づいて、ステップS1〜ステップS6の処理が繰り返し実行されることで、本実施形態の構成では、各時点で最もパワー回路の温度が低い3相インバータに、他のものよりも高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号が供給される。
以上のように本実施形態によれば、パワー回路227、228、229の一部に熱負荷が集中することを抑制できるため、システムの信頼性向上が図れる。
また、一般に、高いキャリア周波数で駆動する3相インバータから給電される固定子巻線では他の固定子巻線よりも鉄損が大きく、そのため発熱量が多くなる。しかし、本実施形態では、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号が供給される3相インバータが、順に切り替わるため、同期電動機においても、複数の固定子巻線の発熱が均等化される。このような効果もシステムの信頼性向上に寄与する。
なお、上述の制御回路406の回路動作を、アプリケーションプログラムにより記述してマイコンシステムに実行させることで実施してもよい。
<第2の実施形態の変形例>
上述のように、各3相インバータについてパワー回路の温度を計測し、最も温度が低いものに高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を供給することで、3相インバータ221、222、223の熱負荷を均等にすることができる。しかし、熱負荷による不具合を防ぐという観点では、複数の3相インバータで熱負荷を必ずしも均等にする必要はなく、各3相インバータにおいて、許容温度を超えるような過剰な発熱を防ぐことができればよい。
例えば、複数の3相インバータにおいて、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を供給する先を定期的に切り替えることでも、熱負荷が1つの3相インバータに過剰に集中して許容温度を超えるような事態を避けることができる。このような変形例では、1つの3相インバータを高い周波数のキャリア信号を用いて駆動させる間に他の3相インバータより過剰に上昇した温度が、他の3相インバータを高い周波数のキャリア信号で駆動させている間に低下するような周期で、ゲート制御信号の供給先を切り替えることが望ましい。
このような周期は、インバータモジュールの構造により決定される。例えば、3つの3相インバータがモジュール内に並設されている場合、中央に配置された3相インバータの放熱性は両端の3相インバータよりも劣ることになる。そこで、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を供給する時間間隔を、両端の3相インバータよりも、中央の3相インバータで短くすると良い。
あるいは他の例として、何れの3相インバータにおいても短時間で十分な放熱が可能であるならば、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を供給する先を、全ての3相インバータに同じ時間間隔で切り替えるよう構成してもよい。
以下に、3相インバータ221、222、223に、同じ時間間隔で高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を供給する変形例を説明する。図25は、本変形例におけるキャリア信号選択回路417によるキャリア信号の割り当て処理の流れを示すフローチャートである。
キャリア信号選択回路417は、所定時間毎にタイムアウト信号を出力するタイマと作業メモリとを内蔵しており、先ず、ステップS11において作業メモリ上に変数Xを0に設定し、ステップS12〜ステップS18のループ処理を繰り返す。
このループ処理では、キャリア信号選択回路417は、タイマがタイムアウト信号を出力するのを待ち(ステップS12)、変数Xを3で除算した場合の剰余を算出する。
剰余が0である場合(ステップS13:Yes)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路414へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路415、416へ出力する(ステップS14)。
剰余が1である場合(ステップS15:Yes)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路415へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路414、416へ出力する(ステップS16)。
剰余が2である場合(ステップS15:No)、キャリア信号選択回路417は、20kHzのキャリア信号であるfc_2をPWM信号生成回路416へ出力し、10kHzのキャリア信号であるfc_1、fc_3を、それぞれPWM信号生成回路414、415へ出力する(ステップS17)。
さらに、このループ処理を繰り返毎に、ステップS18において変数Xをインクリメントする。
このような処理手順によって、タイマがタイムアウト信号を出力する一定の時間間隔毎に、3相インバータ221、222、223の順で、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号が供給されることになる。
尚、タイマがタイムアウト信号を出力する周期は、高い周波数のキャリア信号に基づいたゲート制御信号を連続して供給した場合に、3相インバータにおいて発熱する温度が許容温度を超えない範囲で設定することができる。

(第3の実施形態)
図26は、本発明の第3の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図である。図26に示す同期電動機駆動システムは、図1に示す同期電動機駆動システムのインバータ群200を、インバータ群230に置換した構成である。以下に第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムと相違する構成について説明する。
本実施形態に係るインバータ群230は、各3相インバータのゲート駆動回路231、232、233に特徴がある。
ゲート駆動回路231、232、233は、それぞれ対応するパワー回路207、208、209との間にゲート抵抗を有しているが、PWM制御部401から20kHzのキャリア信号に基づいたゲート制御信号が入力されるゲート駆動回路232は、10kHzのキャリア信号に基づいたゲート制御信号が入力されるゲート駆動回路231、及び233よりも、ゲート抵抗の抵抗値が小さいことを特徴としている。
このため、ゲート駆動回路232からゲート駆動信号を受けるパワー回路208では、スイッチング素子のチャネルに電荷が早くたまりスイッチング速度が速くなる。その結果、パワー回路208を構成するスイッチング素子において、スイッチング動作1回あたりの損失を、他のパワー回路を構成するスイッチング素子よりも低減することができる。
以上の本実施形態によれば、複数のキャリア信号に基づいたインバータ群230のPWM制御において、高いキャリア信号に基づいて駆動するパワー回路208で、スイッチング動作1回あたりの損失を他のパワー回路での損失よりも低く抑えた結果、パワー回路207、208、209それぞれで発生する単位時間当たりのスイッチング損失のバランスを保つことができる。従って、一部のパワー回路に熱負荷が集中することが抑制され、システムの信頼性向上が図れる。
<第3の実施形態の変形例>
本発明の第2の実施形態を、第3の実施形態に組み合わせることで、より高い効果が得られる。
本変形例では、第2の実施形態の構成と同様に各3相インバータのパワー回路の温度が温度センサで計測され、PWM制御部は、計測された温度が最も低いパワー回路に対応するゲート駆動回路に対して、20kHzのキャリア周波数を用いたゲート制御信号を出力し、その他の2つのゲート駆動回路に対して、10kHzのキャリア周波数を用いたゲート制御信号を出力する。
ここで各ゲート制御回路は、図27に示すように、ゲート駆動信号出力部241とパワー回路207のゲート端子との間に、並列に接続されたゲート抵抗242とスイッチ243とを有する。このような構成のゲート制御回路は、PWM制御部から20kHzのキャリア周波数を用いたゲート制御信号が入力された場合、スイッチ243をONにし、PWM制御部から10kHzのキャリア周波数を用いたゲート制御信号が入力された場合、スイッチ243をOFFにして、ゲート駆動信号を出力するよう動作する。これにより、20kHzのキャリア周波数を用いたゲート制御信号が入力された3相インバータでは、パワー回路のスイッチング素子のスイッチング速度が他の3相インバータのものよりも速くなる。
以上の本変形例によれば、複数のキャリア信号に基づいたインバータのPWM制御において、パワー回路の温度変化によって各3相インバータに供給されるゲート制御信号のキャリア周波数に入れ替えが生じるが、キャリア周波数に入れ替えに応じて、各時点で他より高いキャリア信号に基づいて駆動するパワー回路のスイッチング速度を、他のもののスイッチング速度よりも速くすることができる。従って、一部のパワー回路に熱負荷が集中することが抑制され、システムの信頼性向上が図れる。

(第4の実施形態)
図28は、本発明の第3の実施形態に係る同期電動機駆動システムの全体構成を示す図である。図28に示す同期電動機駆動システムは、図1に示す同期電動機駆動システムの位置推定部403を、位置推定部409に置換した構成である。以下に第1の実施形態に係る同期電動機駆動システムと相違する構成について説明する。
位置推定部409は、電流検出モジュール500で検出された3相交流電流検出信号のうち、電流検出器51、52、53で検出された3相インバータ201にかかわる3相交流電流検出信号が入力され、3相インバータ201のスイッチング動作毎の電流変化率から巻線のインダクタンス値を演算により求め、インダクタンス値から同期電動機300の回転子磁極位置θを推定する。
ここで、3相インバータ201、202、203は、それぞれ10kHz、20kHz、10kHzのキャリア信号を用いたゲート制御信号に基づいて動作している。一般的に、モータのPWM制御では、キャリア信号の動作周波数が制御演算時間になる。そのため、磁極位置θを推定演算するセンサレス制御では、20kHzの動作周波数で動作する3相インバータの出力を用いるよりも、10kHzの動作周波数で動作する3相インバータの出力を用いる方が、比較的長い制御演算時間でセンサレス制御を実施できる。
以上のように、本実施形態の同期電動機駆動システムでは、複数のキャリア信号に基づいたインバータ群230のPWM制御において、より低いキャリア周波数で動作する3相インバータの出力を用いて、磁極位置θを推定演算するため、センサレス制御に高い演算処理能力を有する演算装置を用いる必要がなく、比較的安価な演算装置を用いることで低コスト化を図ることができる。また、電動機の多極化及び高速回転化に伴い、キャリア信号を高周波化させる場合にも、一部の3相インバータについては低いキャリア周波数で動作させ、この低いキャリア周波数で動作する3相インバータの出力を用いて磁極位置θを推定演算することで、多極化及び高速回転化した電動機に対しても、容易にセンサレス制御を実施することができる。

(その他の変形例)
以上、本発明に係る同期電動機駆動システムについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
(1)第1の実施形態では、図3に示す3個の固定子巻線のうち、両端の固定子巻線81a、83aに入力される3相PWM電圧が10kHzとなり、中央の固定子巻線82aに入力される3相PWM電圧が20kHzとなる構成について説明した。しかしながら本発明はこれに限らず、固定子の周方向に並ぶ一対の固定子巻線のうち、一方が他方よりも低いキャリア信号に基づく3相PWM電圧が入力されるよう構成することで、ある程度の効果は見込める。
例えば、図29は、3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、10kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図であり、図30は、3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、10kHz、20kHz、20kHzとした場合のモータ実電流波形(U相のみ)を示す図であり、図31は、3相インバータ201、202、203が出力する3相PWM電圧の動作周波数を、それぞれ、20kHz、20kHz、10kHzとした場合のモータ実電流波形を示す図である。何れの図の場合もI_u1、I_u2、I_u3が、それぞれ固定子巻線81a、82a、83aに入力されるモータ実電流であり、図29の例では、隣り合う固定子巻線81a、82aの組、及び、固定子巻線82a、83aの組で、異なる周波数のキャリア信号に基づいた3相PWM電圧が入力されている。また、図30の例では、隣り合う固定子巻線81a、82aの組で、異なる周波数のキャリア信号に基づいた3相PWM電圧が入力されており、図31の例では、隣り合う固定子巻線82a、83aの組で、異なる周波数のキャリア信号に基づいた3相PWM電圧が入力されている。これらの隣り合う一対の固定子巻線の組において、動作周波数が20kHzである固定子巻線に通電されることで発生する磁束変化が、動作周波数が10kHzである固定子巻線に通電されることで発生する磁束変化を抑制し、モータ実電流の波形歪の増大を抑制することが期待できる。
また、この時、10kHzのキャリア信号に基づいて動作する3相インバータが存在することで、全ての3相インバータが20kHzで動作する場合に比べてスイッチング損失の低減効果が得られる。
(2)各実施形態では、固定子ティース組を構成する固定子ティースの数が3個の場合(m=3)について説明しているが、本発明はこれに限らず、2以上の整数個であれば適用可能である。以下、固定子ティース組を構成する固定子ティースの数がm個の場合について検討する。
固定子ティースの数がm個の場合、理論的には、固定子ティース組において隣り合う固定子ティースは電気角で最大(π+2π/3m)ラジアンに相当する間隔で配置可能である。また隣り合う固定子ティースにそれぞれ巻回された固定子巻線が同位相の電流が流れたときに互いに逆向きの磁場を発生させる特性をもつ場合、これらの固定子巻線には±2π/3mラジアンの範囲内で互いに位相が異なる電流を供給すればよい。
ただし現実的には、固定子ティース組において隣り合う固定子ティースは電気角で最大(π+π/3m)ラジアンに相当する間隔で配置するのが好ましい。また隣り合う固定子ティースに巻回された固定子巻線が同位相の電流が流れたときに互いに逆向きの磁場を発生させる特性をもつ場合、これらの固定子巻線には±π/3mラジアンの範囲内で互いに位相が異なる電流を供給すればよい。
例えば、m=5の場合、固定子ティースの数量が30個(機械角で12°の等間隔で配置)、回転子の磁極数が32個(電気角πラジアンは機械角で360/32=11.25°に相当)となり、隣り合う固定子巻線は、電気角で最大(π+π/15)ラジアンに相当する間隔で配置される。また隣り合う固定子巻線のうち回転方向にみて電気角で最大(π+π/15)ラジアン進んだ位置にある固定子巻線には、最大(π+π/15)ラジアン遅れた位相の電流が供給される。
ここで、固定子の周方向に並ぶ5個の固定子巻線に、5個の3相インバータが個別に給電する構成では、前記5個の固定子巻線のうち、少なくとも両端の2個の固定子巻線に給電する3相インバータを10kHzのキャリア信号に基づいて動作させ、中央の固定子巻線に給電する3相インバータを20kHzのキャリア信号に基づいて動作させる。
(3)複数の3相インバータにおいてキャリア周波数がほぼ同一のものに関しては、位相がずれていることが望ましい。
具体的には、図32に示すように、周波数が10kHzであるキャリア信号fc_1、fc_3の位相を、1/8周期ずらす例が考えられる。
(4)各実施形態では、磁極位置θをセンサレス演算により推定する構成を示したが、何らかの検出手段を用いて、磁極位置θを直接検出する構成としてもよい。磁極位置θを検出する手段としては、位置検出器である光学式エンコーダ、ホールセンサ、レゾルバなどを用ることができる。
(5)各実施形態では、キャリア信号発生回路411、413が何れも10kHzのキャリア信号を発生させるとしたが、本発明は、キャリア信号発生回路411、412、413が、それぞれ異なる周波数のキャリア信号を発生させる構成としても実施可能である。
例えば、回路411、412、413が、それぞれ10kHz、20kHz、15kHzのキャリア信号を発生させるとしてもよい。このような構成を、第2の実施形態に適用する場合、パワー回路の温度がより低温なものほど、低い周波数のキャリア信号を用いて動作させ、パワー回路の温度がより高温なものほど、高い周波数のキャリア信号を用いて動作させることが好ましい。
(6)各実施形態では、3相インバータ及び巻線の数と同数のキャリア信号発生回路を有する同期電動機駆動システムについて説明したが、3相インバータ及び巻線の数とは異なる数のキャリア信号発生回路を有する構成であっても、本発明は実施可能である。
例えば、3相インバータが3個、キャリア信号発生回路が2個である同期電動機駆動システムでは、キャリア信号発生回路のうち一方が出力するキャリア信号に基づいて、2個の3相インバータを動作させ、キャリア信号発生回路のうち他方が出力するキャリア信号に基づいて、残りの1個の3相インバータを動作させるよう構成することができる。
また他の例として、3相インバータの数よりも、多くのキャリア信号発生回路を有する同期電動機駆動システムとしても本発明は実施可能である。ここで、3相インバータの数よりも多くのキャリア信号発生回路を有する同期電動機駆動システムでは、トルク及び回転数等の同期電動機の駆動状態に応じて、3相インバータに割り当てるキャリア周波数を変えるよう構成してもよい。
具体的には、それぞれ8kHz、10kHz、15kHz、20kHzのキャリア信号を出力する4個のキャリア信号発生回路と、3個の3相インバータとを有する同期電動機駆動システムにおいて、同期電動機を高回転数で駆動させる状態では、2個の3相インバータを10kHzのキャリア信号を用いて動作させ、残りの1個の3相インバータを20kHzのキャリア信号を用いて動作させる。同期電動機を低回転数で駆動させる状態では、2個の3相インバータを8kHzのキャリア信号を用いて動作させ、残りの1個の3相インバータを15kHzのキャリア信号を用いて動作させる。
このような構成によれば、低回転数で駆動させる場合に、さらなるスイッチング損失の低減が期待できる。
(7)各実施形態では、高いキャリア周波数として20kHz、低いキャリア周波数として10kHzを例示しているが、複数のキャリア信号の動作周波数の関係は、10kHzと20kHzとのように、比例関係に限定されるものではない。本発明において複数のキャリア信号の動作周波数の関係は、一方が他方の2倍以下であることが望ましい。
(8)各実施形態では、全ての3相インバータが1つの直流電源から直流電力の供給を受ける例について説明したが、本発明は、図33に示すように、それぞれの3相インバータが異なる直流電源から直流電力の供給を受けるよう構成しても実施可能である。
ここで、図33に示す直流電源101、102、103が、異なる種類の蓄電装置により実現されていてもよい。
例えば、3相インバータが高いキャリア周波数で動作する場合、低いキャリア周波数で動作する場合に比較して高周波ノイズが強く、それに伴い過大なサージ電圧が発生する。そこで鉛蓄電池等に比べて軽量であるが過電圧に弱い燃料電池を、低いキャリア周波数で動作する3相インバータへの給電に用い、高いキャリア周波数で動作する3相インバータへの給電には、鉛蓄電池やリチウムイオンバッテリ等を用いることが好ましい。
ここでさらに、図33に示す直流電源101、102、103が、異なる電圧で直流電力を給電するよう構成されていてもよい。スイッチング損失は、電圧の値が高いほど増大し、また、高周波ノイズも電圧の値が高いほど増大する。そこで、高いキャリア周波数で動作する3相インバータへの給電には、低いキャリア周波数で動作する3相インバータへ給電する直流電源よりも、電圧の低い直流電源を用いることが好ましい。
尚、第3の実施形態のように高いキャリア周波数で動作する3相インバータのパワー素子のスイッチング速度が速くなるよう構成している場合、スイッチング速度の高速化に伴う高周波ノイズの増大が問題となるが、このような問題は、上述のように高いキャリア周波数で動作する3相インバータへの給電に電圧の低い直流電源を用いることによる高周波ノイズの低減効果によって、ある程度相殺されることが期待できる。
(9)各実施形態において、複数の3相インバータは、同じ種類のスイッチング素子を用いてパワー回路を構成しても、異なる種類のスイッチング素子を用いてパワー回路を構成してもよい。
一般に、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor:IGBT)等のバイポーラ素子よりも、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタ(metal−insulator−semiconductor field effect transistor:MISFET)、金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(metal−oxide−semiconductor field effect transistor:MOSFET)等のユニポーラ素子では、スイッチング損失が低い。そこで、スイッチング損失の増大が問題となる高いキャリア周波数で動作する3相インバータを、ユニポーラ素子を用いて構成することで、スイッチング損失の増大を抑えることができる。
また他の例として、スイッチング損失の増大が問題となる高いキャリア周波数で動作する3相インバータを、シリコンカーバイド、窒化ガリウム等、Si半導体よりも広いバンドギャップを有するワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子を用いて構成することで、スイッチング損失の増大を抑えることができる。この時、低いキャリア周波数で動作する3相インバータについては、安価なSi半導体を用いたスイッチング素子を用いて構成することで、コストの増大を抑えることができる。
(10)実施形態では固定子巻線は固定子ティースに巻回されているが、本発明はこれに限らず、固定子ティースのない、いわゆるコアレスモータにも適用可能である。
(11)実施形態では、複数の3相インバータのうち少なくとも1個の3相インバータを他の3相インバータよりも低いキャリア周波数で動作させることで、スイッチング動作を減らし、それによりスイッチング損失の低減を図る構成について説明した。
スイッチング動作の抑制は、キャリア周波数を抑える以外にも、たとえば、60度の休止区間を持つ2相変調方式にて直交変換を行うことでも実現できる。そのため、上記の各実施形態において、低いキャリア周波数で動作させる3相インバータに換えて、2相変調方式にて直交変換を行う3相インバータを用い、高いキャリア周波数で動作させる3相インバータとして、3相変調方式にて直交変換を行う3相インバータを用いることでも、同様の効果が得られる。このような構成でも本発明を実施可能である。
尚、全ての3相インバータの変調方式が3相変調方式であっても、若しくは2相変調方式であっても、複数の3相インバータのうち少なくとも1個の3相インバータを他の3相インバータよりも低いキャリア周波数で動作させることで、本発明を同様に適用することが可能である。
(12)実施形態では特に挙げていないが、固定子巻線が回転子の軸方向に進むほど周方向に最大で固定子巻線の配置間隔だけずれていくスキュー配置を施すこととしてもよい。
(13)実施形態では、回転子が固定子の外側に配置されたアウターロータ型の同期電動機で説明しているが、回転子を固定子の内側に配置したインナーロータ型の同期電動機や、回転子と固定子とが軸方向に空隙を持って配置された、いわゆる面対向のアキシャルギャップ式同期電動機や、それらを複数組み合わせた構造の同期電動機でも同じ効果があることは言うまでもない。
(14)実施形態では、回転子の磁極を永久磁石により構成したが、磁気抵抗の差で構成したリラクタンストルクを利用した同期電動機、回転子に両者を組み合わせた同期電動機でも適用可能である。
(15)第1乃至第4の実施形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、高効率かつ低騒音特性を有する同期電動機駆動システムを実現できる。さらに、安価なセンサレス制御を実現することで、低コスト化が図れる。ゆえに、小型化が強く要求されるハイブリッド電気自動車及び電気自動車、電動コンプレッサ、電動パワーステアリング、エレベータを含めたあらゆる電動機駆動システム、また同じく小型化が強く望まれる風力発電システムなどの発電システム、等々に有用である。
2 回転子
3 固定子
4 回転子コア
5 永久磁石
6 磁極
9 固定子巻線
10 回転子磁極間
11 回転子磁極間
21a〜c 巻線端子
22a〜c 巻線端子
23a〜c 巻線端子
24a〜c 巻線端子
31a〜c 巻線端子
32a〜c 巻線端子
33a〜c 巻線端子
34a〜c 巻線端子
35a〜c 巻線端子
36a〜c 巻線端子
7 固定子ティース
8 固定子ティース組
8a〜c 固定子ティース組
51〜59 電流検出器
61〜63 温度センサ
100〜103 直流電源
200、210、220、230 インバータ群
201〜203 3相インバータ
204〜206 ゲート駆動回路
207〜209 パワー回路
241 ゲート駆動信号出力部
242 ゲート抵抗
243 スイッチ
240 絶縁基板
250 モールド樹脂
300、304 同期電動機
301〜303 3相巻線
400 制御回路
401 PWM制御部
402 電流検出部
403 位置推定部
411〜413 キャリア信号発生回路
414〜416 PWM信号生成回路
417 キャリア信号選択回路
500 電流検出モジュール

Claims (21)

  1. 直流電力を3相交流電力に変換する複数の3相インバータと、
    前記複数の3相インバータの動作を制御する制御回路と、
    3相交流電力の供給を受ける3相巻線を複数有する同期電動機とを備え、
    前記制御回路は、3相インバータの動作を制御するにあたり、前記複数の3相インバータのうち第1及び第2の3相インバータに、互いに異なるキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成させ、
    前記第1及び第2の3相インバータは、それぞれ異なる3相巻線へ3相交流電力を供給し、
    前記同期電動機は、周方向に並設された複数の固定子巻線を含む固定子を有し、
    前記複数の固定子巻線のそれぞれは、前記3相巻線の何れかに含まれ、
    前記第1の3相インバータから給電される3相巻線に含まれる第1の固定子巻線と、前記第2の3相インバータから給電される3相巻線に含まれ、前記第1の固定子巻線と同相である第2の固定子巻線とは、前記同期電動機の固定子において隣接して配置されていること
    を特徴とする同期電動機駆動システム。
  2. 前記同期電動機は更に、
    周方向に等間隔に配設された複数の磁極を含む回転子を有し、
    前記複数の固定子巻線は、それぞれ集中巻に巻回され、周方向に並ぶm個(mは2以上の整数)単位で固定子巻線組を構成し、このように構成された複数の固定子巻線組は周方向に等間隔に並んでおり、
    各固定子巻線組において、m個の固定子巻線のうち少なくとも一対の隣り合う固定子巻線は、それぞれが異なる3相巻線に含まれ、前記第1及び第2の3相インバータから、個別に給電されること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  3. 前記複数の3相インバータの数、及び前記mは3であり、
    固定子巻線組を構成する周方向に並んだ3個の固定子巻線のうち、両端の2個の固定子巻線は、前記3個の3相インバータのうちの第3の3相インバータ及び前記第1の3相インバータから、個別に給電され、
    前記3個の固定子巻線のうち中央の固定子巻線は、前記第2の3相インバータから給電され、
    第1の3相インバータと第2の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差、及び第2の3相インバータと第3の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差は、第1の3相インバータと第3の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差よりも大きいこと
    を特徴とする請求項2に記載の同期電動機駆動システム。
  4. 前記制御回路は、前記第3の3相インバータに、前記第1の3相インバータと同じキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成させ、
    前記第1及び第3の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数は、前記第2の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数よりも低いこと
    を特徴とする請求項3に記載の同期電動機駆動システム。
  5. 前記mは奇数であり、
    固定子巻線組を構成する周方向に並んだm個の固定子巻線のうち中央に配置される固定子巻線は、前記第2の3相インバータから給電され、
    前記中央に配置される固定子巻線に隣接して配置される2つの固定子巻線は、前記3個の3相インバータのうちの第3の3相インバータ及び前記第1の3相インバータから、個別に給電され、
    第1の3相インバータと第2の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差、及び第2の3相インバータと第3の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差は、第1の3相インバータと第3の3相インバータとで3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数の差よりも大きいこと
    を特徴とする請求項2に記載の同期電動機駆動システム。
  6. 前記制御回路は、前記第3の3相インバータに、前記第1の3相インバータと同じキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成させ、
    前記第1及び第3の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数は、前記第2の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数よりも低いこと
    を特徴とする請求項5に記載の同期電動機駆動システム。
  7. 前記同期電動機は更に、
    周方向に等間隔に配設された複数の磁極を含む回転子を有し、
    前記固定子は、周方向に並設された複数の固定子ティースを含み、
    前記複数の固定子ティースは、周方向に並ぶm個単位で(mは2以上の整数)固定子ティース組を構成し、このように構成された複数の固定子ティース組は周方向に等間隔に並んでおり、
    各固定子ティース組において、m個の固定子ティースのうち第1、第2および第3の固定子ティースは、周方向に並び、
    前記第1の固定子ティースには、前記複数の3相巻線のうちの一つに含まれる前記第1の固定子巻線の一部が巻回され、
    前記第3の固定子ティースには、前記複数の3相巻線のうちの他の一つに含まれる前記第2の固定子巻線の一部が巻回され、
    前記第2の固定子ティースには、前記第1の固定子巻線の残余の部分と前記第2の固定子巻線の残余の部分とが巻回され、
    各固定子ティース組において、前記第1および第2の固定子巻線は、それぞれ前記第1及び第2の3相インバータから、個別に給電されること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  8. 前記第2の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数と、前記第1の3相インバータが3相交流電力の生成に用いるキャリア周波数との比は、2以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  9. 前記制御回路は、前記第1の3相インバータにおいて用いるキャリア周波数と、前記第2の3相インバータにおいて用いるキャリア周波数とを、所定の条件で入れ替えて3相交流電力を生成させること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  10. 前記複数の3相インバータは、各々、ゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路に対応したパワー回路と、前記パワー回路の温度を計測する温度センサとを有し、
    前記制御回路は、前記第1及び第2の3相インバータのうち、温度センサで計測した温度が他方より高温であるものに、他方の3相インバータよりも低いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成させること
    を特徴とする請求項9に記載の同期電動機駆動システム。
  11. 前記第1及び第2の3相インバータのうち、高いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成する3相インバータのゲート駆動回路は、他方の3相インバータのゲート駆動回路よりも、パワー回路を速いスイッチング速度で駆動させること
    を特徴とする請求項10に記載の同期電動機駆動システム。
  12. 前記複数の3相インバータは、各々、ゲート駆動回路と、前記ゲート駆動回路に対応したパワー回路とを有し、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、高いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成する3相インバータのゲート駆動回路は、他方の3相インバータのゲート駆動回路よりも、パワー回路を速いスイッチング速度で駆動させること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  13. 前記第1及び第2の3相インバータのうち、低いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものから出力される交流電流を計測する電流検出器を更に備え、
    前記制御回路は、前記同期電動機が有する回転子の磁極位置を、前記電流検出器で計測された値に基づいて演算により推定し、推定した磁極位置に応じて前記複数の3相インバータの動作を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の同期電動機駆動システム。
  14. 前記制御手段は、前記同期電動機の駆動状態に応じて、前記第1及び第2の3相インバータに3相交流電力の生成させる際に用いるキャリア周波数を、それぞれ変化させること
    を特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動システム。
  15. 前記複数の3相インバータに直流電力を供給する直流電源は複数あり、
    前記複数の3相インバータは、それぞれ異なる直流電源から直流電力の供給を受けること
    を特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動システム。
  16. 前記複数の直流電源のうち少なくとも2個は、互いに過電圧に対する耐性が異なり、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、低いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものは、複数の直流電源のうち過電圧に弱い直流電源から直流電力の供給を受けること
    を特徴とする請求項15記載の同期電動機駆動システム。
  17. 前記複数の直流電源のうち少なくとも2個は、異なる電圧で直流電力を供給し、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、高いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものは、複数の直流電源のうち電圧の低い直流電源から直流電力の供給を受けること
    を特徴とする請求項15記載の同期電動機駆動システム。
  18. 前記第1及び第2の3相インバータを構成するスイッチング素子の種類は互いに異なり、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、高いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものは、ユニポーラ素子により構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動システム。
  19. 前記第1及び第2の3相インバータを構成するスイッチング素子の種類は互いに異なり、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、低いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものは、Si半導体を用いたスイッチング素子により構成され、
    前記第1及び第2の3相インバータのうち、高いキャリア周波数を用いて3相交流電力を生成するものは、Si半導体よりも広いバンドギャップを有するワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子により構成されていること
    を特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動システム。
  20. 前記複数の3相インバータを構成する複数のスイッチング素子が、単一のモジュール内に納められていること
    を特徴とする請求項1記載の同期電動機駆動システム。
  21. 前記モジュールには、3個の3相インバータが並設され、
    前記並設された3相インバータのうち中央のものは、Si半導体よりも広いバンドギャップを有するワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子により構成されていること
    を特徴とする請求項20記載の同期電動機駆動システム。
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