JP4624385B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

この発明は空気調和機に関し、特に室外熱交換器への着霜状況を正確に検出して除霜運転を開始する空気調和機に関するものである。
従来の空気調和機としては、例えば「ステップS16では、20、21、22、23a、23b、24、25a、25bより構成される液インジェクション回路の使用の有無を判定し、この結果により除霜開始を判定する演算式を変化させる。ステップS17は液インジェクション回路を使用している場合の除霜運転開始判定であり、外気温度Toより演算される除霜開始判定温度C1×To+D1(例えば、3×To−10)より蒸発温度Teが低下している場合は除霜運転を開始する。一方、ステップS18は液インジェクション回路を使用していない場合の除霜運転開始判定であり、外気温度Toより演算される除霜開始判定温度C2×To+D2(例えば、2.5×To−8)より蒸発温度Teが低下している場合は除霜運転を開始する。」(例えば特許文献1参照)というものが提案されている。
また、例えば「暖房運転中に、暖房運転開始または前回の除霜運転から所定の時間H1の経過を待つ(ステップS1)。H1が経過すれば外気温センサ8で外気温を測定し予め定めた温度T1より高いか判断し(ステップS2)、低ければ室内熱交換器の温度を測定し(ステップ7)所定温度より低い場合は除霜運転に入る(ステップS4)。除霜運転により除霜温度センサ6の検出温度が前記T2より高めに設定した温度T3を上回る(ステップS5)か設定時間H2が経過すれば(ステップS6)除霜運転は終了し暖房運転に戻る。」(例えば特許文献2参照)というものが提案されている。
特開2001−99529号公報(段落番号0031、図4) 特開2004−93020号公報(要約書、図2)
空気調和機において暖房運転を行う場合、蒸発器として作用する室外熱交換器に着霜が生じることがある。室外熱交換器への着霜量が増すと、室外機の熱交換能力が低下し、暖房運転をしているにも関わらず、部屋が暖まらない暖房不能状態となる。暖房不能状態になると、暖房の吹出温度が低下し、室内にいる人が寒さを感じ不快となる。
従来の空気調和機においては、暖房運転時、室外温度と室外熱交換器の蒸発温度との温度差に基づいて室外熱交換器への着霜状況を検出し、除霜運転を開始していた。これにより、室外熱交換器の熱交換能力の低下を防止し、空気調和機の室外機が設置される環境、または冷凍サイクルの構成の変化に対応して最適な除霜時間すなわち最適な暖房運転時間を実現できるようにし、室内にいる人の快適性の向上を図っていた(例えば特許文献1参照)。
しかし、例えば寒冷地のように冬季において降雪、着氷等厳しい気象条件になる場合、室外温度検出装置が雪等に覆われて室外熱交換器への着霜状況を検出できなくなることがある。つまり、室外温度検出装置は雪等の低い温度を検出するため、室外温度と室外熱交換器の蒸発温度との温度差が得られず、室外熱交換器への着霜状況を検出できなくなることがある。したがって、着霜によって室外熱交換器の暖房能力が低下しているにも関わらず、除霜運転が開始されないという問題点があった。
また、特許文献2の構成においては、室外温度検出装置が検出した室外温度が所定温度よりも低い場合、室内熱交換器の凝縮温度に基づいて室外熱交換器への着霜状況を検出することで、室外熱交換器への着霜状況の誤検出を防止している。しかし、圧縮機起動から所定時間後のある一時刻の室内熱交換器の凝縮温度と現在の室内熱交換器の凝縮温度との比較のみで室外熱交換器への着霜状況を検出するため、圧縮機周波数の変化、室内ファン回転数の変化、またはノイズ等により室内熱交換器の凝縮温度検出値に一時的な変化が生じた場合に、室外熱交換器への着霜状況を誤検出する可能性があるという問題点があった。
本発明は上述のような課題を解消するためになされたものであり、第1の目的は降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器への着霜状況を検出できる空気調和機を得ることである。また、第2の目的は、圧縮機周波数の変化や室内ファン回転数の変化等が生じた場合においても除霜運転の誤作動を防ぐことができ、正確に室外熱交換器への着霜状況を検出できる空気調和機を得ることである。
本発明に係る空気調和機は、圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換器が順次接続された冷凍サイクル回路を備えた空気調和機において、前記室内熱交換器の冷媒飽和温度を検出する室内熱交冷媒飽和温度検出手段と、前記圧縮機の周波数を計測する圧縮機周波数検出手段と、前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第1の着霜状況検出手段と、該第1の着霜状況検出手段の出力に基づいて除霜運転を許可する除霜許可手段とを備え、前記第1の着霜状況検出手段は、前記圧縮機周波数検出手段の時間(t)と時間(t−D)での検出値が所定の変動量に収束している状態または時間(t)での検出値が時間(t−D)での検出値より大きい状態が判定時間以上継続したときであって、前記室内熱交冷媒飽和温度検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値の時間変化量が所定値よりも大きい状態が着霜判定時間以上継続した場合に前記室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定するものである。
本発明においては、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない室内熱交冷媒飽和温度検出手段の検出値の時間変化量に基づいて室外熱交換器への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器への着霜状況を検出することができる。また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器への着霜状況を検出することなく、検出値の時間変化量が予め設定された着霜判定時間以上継続している場合に室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、室内熱交換器の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器への着霜状況を誤検出することなく、正確に室外熱交換器への着霜状況を検出することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。空気調和機は室外機1及び室内機2で構成され、配管で接続されている。室外機1には冷凍サイクル回路の構成部品として、圧縮機3、冷房と暖房で流路を切り替える四方弁4、膨張弁5、室外熱交換器6及び室外熱交換器送風手段7が設けられている。また、室外機1には制御部100が設けられている。圧縮機3は例えば周波数可変可能な圧縮機である。膨張弁5は開度を可変に制御することができる構造となっている。なお、本実施形態1においては制御部100は室外機1に設けられているが、室内機2に設けられていてもよいし、外部に設けられていてもよい。
室内機2には冷凍サイクル回路の構成部品である室内熱交換器8及び室内熱交換器送風手段9が設けられている。また、室内熱交換器8には室内熱交換器冷媒飽和温度Trhex(t)(例えば、暖房運転時においては凝縮温度)を検出する室内熱交冷媒飽和温度検出手段10が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態1における空気調和機の構成ブロック図である。制御部100は、タイマー101、メモリ102、本発明の第1の着霜状況検出手段に相当する着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等を備えている。タイマー101は圧縮機3の運転時間等を計測する。メモリ102は、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10が検出した凝縮温度Trhex(t)等を記憶する。着霜状況検出手段103は、凝縮温度Trhex(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。除霜許可手段104は、着霜状況検出手段103の検出結果を基に除霜運転の許可指令を出す。これらタイマー101、メモリ102、着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等の情報を基に、制御部100は圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器送風手段7及び室内熱交換器送風手段9の各駆動部へ制御信号を送る。
図1を用いて、本実施形態1の空気調和機における運転動作について説明する。
まず、暖房運転時の運転動作について説明する。暖房運転時には四方弁4の流路は図1の実線方向に設定されている。圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁4を経由して室内機2内に設けられた室内熱交換器8へ流入する。その後、室内熱交換器8において室内空気に放熱しながら凝縮液化し、高圧液冷媒となる。このとき、室内熱交換器送風手段9により室内熱交換器8に送風された室内空気は、室内熱交換器8により加熱されることで暖房を行う。室内熱交換器8を出た高圧液冷媒は室外機1へ戻る。
室外機1に戻った高圧液冷媒は、膨張弁5で減圧され低圧二相状態となり、室外熱交換器6へ流入する。室外熱交換器6では、室外熱交換器送風手段7から送風される室外空気から吸熱し、蒸発して低圧ガス冷媒となる。その後、四方弁4を介して圧縮機3へ流入する。圧縮機3は、低圧ガス冷媒を高圧まで昇圧して吐出する。
続いて、除霜運転時の運転動作について説明する。暖房運転時には四方弁4の流路は図1の実線方向に設定されている。圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁4を経由して室外熱交換器6へ流入する。その後、室外熱交換器6において凝縮液化し、高圧液冷媒となる。このとき、室外熱交換器6へ流入した高温高圧のガス冷媒の熱により、室外熱交換器6に付着した霜を溶かして取り除く。
なお、除霜運転は本実施形態1で示したものに限らない。例えば、圧縮機3から吐出された高温ガス冷媒が室外熱交換器6に流入するバイパス配管を設けることにより、四方弁4を切り替えることなく、または四方弁4を室外機1内に設けることなく除霜運転が可能となる。
図3は、本発明の実施の形態1における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。
ステップS−1にて暖房運転が開始されると、ステップS−2でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−3では、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10により、その時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を検出し、メモリ102に記憶する。その後、ステップS−4では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−5へ進み、経過していない場合はステップS−2へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−5では、着霜状況検出手段103によって、凝縮温度の時間変化量を、時間(t−D)における凝縮温度Trhex(t−D)から時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を引いた値、つまりTrhex(t−D)−Trhex(t)として演算する。また、この凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−6へ進む。ステップS−6では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−2へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
例えば、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合の除霜運転許可判定について説明する。ユーザーが例えばリモコン(図示せず)で風量設定をマニュアルモードのHiノッチに設定すると、室内熱交換器送風手段9は、高回転数で回転する。また、室内に予め設定された所望の温度の空気が送られるように、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10で検出される凝縮温度Trhex(t)が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
なお、本実施形態1では凝縮温度Trhex(t)が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御しているが、冷媒回路の圧縮機3の吐出側に冷媒温度検出手段を設け、圧縮機吐出冷媒温度が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御することも可能である。
乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の外気条件は多湿条件であり、この外気条件下で風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を行うと、室外熱交換器6の蒸発温度は約−3[℃]まで下がる。このとき、室外熱交換器送風手段7から室外熱交換器6へ送風される多湿の室外空気中の水分が凝縮され、霜となって室外熱交換器6に付着する着霜現象が生じる。
この着霜現象が進行し、室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力が低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度は小さくなる。このため、圧縮機3はガス冷媒を所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができず、室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)は低下する。凝縮温度Trhex(t)の低下を検出した制御部100は、凝縮温度Trhex(t)が一定となるように圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
空気調和機が除霜運転をおこなわずにさらに室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力がさらに低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度もさらに小さくなる。このため、圧縮機3の周波数を許容周波数の上限にしても所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができず、暖房運転をしているにも関わらず、室内が暖まらない暖房不能状態となる。暖房不能状態になると、暖房の吹出温度が低下し、室内にいる人が寒さを感じ不快となる。
図4は、本発明の実施の形態1における室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)と圧縮機3の運転時間との関係を示す特性図である。図4では、縦軸を室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)の時間的変化を示している。
圧縮機3が運転を開始してから約30分までは、凝縮温度Trhex(t)は約54[℃]とほぼ一定に保たれている。しかし、圧縮機3の運転開始から約30分経過後から、室外熱交換器6への着霜に起因して凝縮温度Trhex(t)が下がり始め、運転開始から約60分経過後には凝縮温度Trhex(t)は約46[℃]まで低下している。
本実施形態1においては、室外熱交換器6への着霜に起因する暖房不能状態を回避するために、凝縮温度の時間変化量Trhex(t−D)−Trhex(t)がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、空気調和機は除霜運転を開始する。
このように構成された空気調和機においては、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない室内熱交冷媒飽和温度検出手段が検出する凝縮温度Trhex(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。
また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく、凝縮温度の時間変化量Trhex(t−D)−Trhex(t)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、外気温度変動等による圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
なお、本実施形態1においては、室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)と凝縮圧力(室内熱交冷媒圧力)は同様の変化を示すので、室内熱交換器8の凝縮圧力を用いても室外熱交換器6への着霜状況を検出することもできる。
本実施形態1においては凝縮温度Trhex(t)の時間変化量を、所定時間D分(例えば5分)前のTrhex(t−D)と現在の凝縮温度Trhex(t)との差とした。これは、外気温度変動等による圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出するためであるが、正確に着霜状況を検出可能であればDは特に限定されず、例えば4分または10分等としてもよい。
また、凝縮温度Trhex(t)の時間変化量をある基準時間(例えば圧縮機3の起動後20分)前の基準値Trhex(t−D)と現在の凝縮温度Trhex(t)との差としてもよい。このようにすることで、短時間で着霜する場合においても、無着霜時と着霜時の変化量の値の差を大きくすることができ、精度のいい判定が可能となる。基準時間を例えば20分としたのは、冷凍サイクルが十分安定し着霜状況の検出が可能であることが確認されている時間だからであるが、冷凍サイクルが十分安定し着霜状況の検出が可能であれば、基準時間を例えば10分または30分としてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、圧縮機3から吐出される冷媒の温度を用いても室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。なお、本実施形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一機能については同一の符号を用いて述べることとする。
図5は、本発明の実施の形態2における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。本実施形態2においては、実施形態1の室内熱交換器冷媒飽和温度Trhex(t)(例えば、暖房運転時においては凝縮温度)を検出する室内熱交冷媒飽和温度検出手段10に代わって、冷媒回路には圧縮機3の吐出側に圧縮機吐出冷媒温度検出手段11が設けられている。
図6は、本発明の実施の形態2における空気調和機の構成ブロック図である。制御部100は、タイマー101、メモリ102、本発明の第1の着霜状況検出手段に相当する着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等を備えている。タイマー101は圧縮機3の運転時間等を計測する。メモリ102は、圧縮機吐出冷媒温度検出手段11が検出した圧縮機吐出冷媒温度Td(t)等を記憶する。着霜状況検出手段103は、圧縮機吐出冷媒温度Td(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。除霜許可手段104は、着霜状況検出手段103の検出結果を基に除霜運転の許可指令を出す。これらタイマー101、メモリ102、着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等の情報を基に、制御部100は圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器送風手段7及び室内熱交換器送風手段9の各駆動部へ制御信号を送る。
図7は、本発明の実施の形態2における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。
ステップS−11にて暖房運転が開始されると、ステップS−12でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−13では、圧縮機吐出冷媒温度検出手段11により、その時間tにおける圧縮機吐出冷媒温度Td(t)を検出し、メモリ102に記憶する。その後、ステップS−14では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−15へ進み、経過していない場合はステップS−12へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−15では、着霜状況検出手段103によって、圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量を、時間(t−D)における圧縮機吐出冷媒温度Td(t−D)から時間tにおける圧縮機吐出冷媒温度Td(t)を引いた値、つまりTd(t−D)−Td(t)として演算する。また、この圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量がある所定値(F[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量がある所定値(F[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−16へ進む。ステップS−16では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量がある所定値(F[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−12へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
例えば、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合の除霜運転許可判定について説明する。ユーザーが例えばリモコン(図示せず)で風量設定をマニュアルモードのHiノッチに設定すると、室内熱交換器送風手段9は、高回転数で回転される。また、室内に予め設定された所望の温度が送風されるように、圧縮機吐出冷媒温度検出手段11で検出される圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
なお、本実施形態2では圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御しているが、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10を設け、凝縮温度Trhex(t)が一定となるように制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御することも可能である。
乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の外気条件は多湿条件であり、この外気条件下で風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を行うと、室外熱交換器6の蒸発温度は約−3[℃]程度まで下がる。このとき、室外熱交換器送風手段7から室外熱交換器6へ送風される多湿の室外空気中の水分が凝縮され、霜となって室外熱交換器6に付着する着霜現象が生じる。
この着霜現象が進行し、室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力が低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度は小さくなる。このため、圧縮機3はガス冷媒を所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができず、圧縮機吐出冷媒温度Td(t)は低下する。圧縮機吐出冷媒温度Td(t)の低下を検出した制御部100は、圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が一定となるように圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
空気調和機が除霜運転をおこなわずにさらに室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力がさらに低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度もさらに小さくなる。このため、圧縮機3の周波数を許容周波数の上限にしても所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができず、暖房運転をしているにも関わらず、室内が暖まらない暖房不能状態となる。暖房不能状態になると、暖房の吹出温度が低下し、室内にいる人が寒さを感じ不快となる。
図8は、本発明の実施の形態2における圧縮機吐出冷媒温度Td(t)と圧縮機3の運転時間との関係を示す特性図である。図8では、縦軸を圧縮機吐出冷媒温度Td(t)、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する圧縮機吐出冷媒温度Td(t)の時間的変化を示している。
圧縮機3が運転を開始してから約30分までは、圧縮機吐出冷媒温度Td(t)は約72[℃]とほぼ一定に保たれている。しかし、圧縮機3の運転開始から約30分経過後から、室外熱交換器6への着霜に起因して圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が下がり始め、運転開始から約60分経過後には圧縮機吐出冷媒温度Td(t)は約61[℃]まで低下している。
本実施形態2においては、室外熱交換器6への着霜に起因する暖房不能状態を回避するために、圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量Td(t−D)−Td(t)がある所定値(F[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、空気調和機は除霜運転を開始する。
このように構成された空気調和機においては、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない圧縮機吐出冷媒温度検出手段11が検出する圧縮機吐出冷媒温度Td(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。
また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく、圧縮機吐出冷媒温度の時間変化量Td(t−D)−Td(t)がある所定値(F[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により圧縮機吐出冷媒温度Td(t)に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では室内熱交換器8の凝縮温度Trhex(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、圧縮機3に供給される電流値を用いても室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。なお、本実施形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一機能については同一の符号を用いて述べることとする。
図9は、本発明の実施の形態3における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。本実施形態3においては、実施形態1の室内熱交換器冷媒飽和温度Trhex(t)(例えば、暖房運転時においては凝縮温度)を検出する室内熱交冷媒飽和温度検出手段10に代わって、圧縮機3に供給される電流値を検出する圧縮機流入電流値検出手段12が設けられている。
図10は、本発明の実施の形態3における空気調和機の構成ブロック図である。制御部100は、タイマー101、メモリ102、本発明の第1の着霜状況検出手段に相当する着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等を備えている。タイマー101は圧縮機3の運転時間等を計測する。メモリ102は、圧縮機流入電流値検出手段12が検出した圧縮機3に供給される圧縮機流入電流値Icomp(t)等を記憶する。着霜状況検出手段103は、圧縮機流入電流値Icomp(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。除霜許可手段104は、着霜状況検出手段103の検出結果を基に除霜運転の許可指令を出す。これらタイマー101、メモリ102、着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等の情報を基に、制御部100は圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器送風手段7及び室内熱交換器送風手段9の各駆動部へ制御信号を送る。
図11は、本発明の実施の形態3における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。
ステップS−21にて暖房運転が開始されると、ステップS−22でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−23では、圧縮機流入電流値検出手段12により、その時間tにおける圧縮機流入電流値Icomp(t)を検出し、メモリ102に記憶する。その後、ステップS−24では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−25へ進み、経過していない場合はステップS−22へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−25では、着霜状況検出手段103によって、圧縮機流入電流値の時間変化量を、時間(t−D)における圧縮機流入電流値Icomp(t−D)から時間tにおける圧縮機流入電流値Icomp(t)を引いた値、つまりIcomp(t−D)−Icomp(t)として演算する。また、この圧縮機流入電流値の時間変化量がある所定値(G[A])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。圧縮機流入電流値の時間変化量がある所定値(G[A])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−26へ進む。ステップS−26では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。圧縮機流入電流値の時間変化量がある所定値(G[A])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−22へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
例えば、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合の除霜運転許可判定について説明する。ユーザーが例えばリモコン(図示せず)で風量設定をマニュアルモードのHiノッチに設定すると、室内熱交換器送風手段9は、高回転数で回転される。また、室内に予め設定された所望の温度が送風されるように、制御部100は圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
なお、本実施形態3では室内への送風温度を所望に保つための制御方法については特に言及していないが、実施の形態1のように凝縮温度Trhex(t)が一定となるように制御部100が圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御してもよいし、実施の形態2のように圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が一定となるように制御部100が圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御してもよい。
乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の外気条件は多湿条件であり、この外気条件下で風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を行うと、室外熱交換器6の蒸発温度は約−3[℃]程度まで下がる。このとき、室外熱交換器送風手段7から室外熱交換器6へ送風される多湿の室外空気中の水分が凝縮され、霜となって室外熱交換器6に付着する着霜現象が生じる。
この着霜現象が進行し、室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力が低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度は小さくなる。このため、圧縮機3はガス冷媒を所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができず、例えば圧縮機吐出冷媒温度Td(t)は低下する。圧縮機吐出冷媒温度Td(t)の低下を検出した制御部100は、圧縮機吐出冷媒温度Td(t)が一定となるように圧縮機3の周波数や膨張弁5の開度等を制御する。
空気調和機が除霜運転をおこなわずにさらに室外熱交換器6への着霜量が増えると、室外熱交換器6の熱交換能力がさらに低下し、圧縮機3が吸入する冷媒ガス密度もさらに小さくなる。このため、圧縮機3の周波数を許容周波数の上限にしても所定の高温高圧まで圧縮して吐出することができなくなる。つまり、圧縮機3の負荷が減少するので、圧縮機流入電流値Icomp(t)は低下する。このとき暖房運転をしているにも関わらず、室内が暖まらない暖房不能状態となる。暖房不能状態になると、暖房の吹出温度が低下し、室内にいる人が寒さを感じ不快となる。
図12は、本発明の実施の形態3における圧縮機流入電流値Icomp(t)と圧縮機3の運転時間との関係を示す特性図である。図8では、縦軸を圧縮機流入電流値Icomp(t)、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する圧縮機流入電流値Icomp(t)の時間的変化を示している。
圧縮機3が運転を開始してから約30分までは、圧縮機流入電流値Icomp(t)は約14[A]とほぼ一定に保たれている。しかし、圧縮機3の運転開始から約30分経過後から、室外熱交換器6への着霜に起因して圧縮機流入電流値Icomp(t)が下がり始め、運転開始から約60分経過後には圧縮機流入電流値Icomp(t)は約12[A]まで低下している。
本実施形態3においては、室外熱交換器6への着霜に起因する暖房不能状態を回避するために、圧縮機流入電流値の時間変化量Icomp(t−D)−Icomp(t)がある所定値(G[A])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、空気調和機は除霜運転を開始する。
このように構成された空気調和機においては、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない圧縮機流入電流値検出手段12が検出する圧縮機流入電流値Icomp(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。
また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく圧縮機流入電流値の時間変化量Icomp(t−D)−Icomp(t)がある所定値(G[A])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により圧縮機流入電流値Icomp(t)に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
なお、本実施形態3においては圧縮機流入電流値Icomp(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、例えば圧縮機3に圧縮機周波数検出手段13を設け、圧縮機流入電流値Icomp(t)をその時の圧縮機3の周波数で除した値を用いてもよい。例えば、空気調和機の運転モードが室内温度を一定に保つ自動運転モード等の場合、圧縮機3の周波数は室内温度に応じて変更されることになる。このとき、圧縮機3の周波数低下に起因する圧縮機流入電流値Icomp(t)によって室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、より正確に着霜状況を検出することができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3においては、着霜状況検出手段が室外熱交換器6への着霜状況の検出を開始するタイミングについて特に言及していない。空気調和機が運転を開始してからの一定時間除霜運転を開始しないようにすることで、空気調和機の運転動作が安定する前の圧縮機3の周波数変化等に起因して室外熱交換器6への着霜状況の誤検出を防止できる。なお、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一機能については同一の符号を用いて述べることとする。
図13は、本発明の実施の形態4における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。なお冷媒回路及び制御構成は実施の形態1と同一である。
ステップS−31にて暖房運転が開始されると、ステップS−32でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−33では、圧縮機運転時間tが予め設定された霜取り不動作時間thを経過しているか否かが判定され、経過している場合には、ステップS−34にて圧縮機運転時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を検出し、メモリ102に記憶する。不動作時間thを経過していない場合は、ステップS−32へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−35では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−36へ進み、経過していない場合はステップS−34へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−36では、着霜状況検出手段103によって、凝縮温度の時間変化量を、時間(t−D)における凝縮温度Trhex(t−D)から時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を引いた値、つまりTrhex(t−D)−Trhex(t)として演算する。また、この凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−37へ進む。ステップS−37では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−34へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
図14は、本発明の実施の形態4における空気調和機がプルダウン運転した場合の圧縮機3の周波数と運転時間との関係を示す特性図である。図14では、縦軸を圧縮機3の周波数、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する周波数の時間的変化を示している。例えば、暖房運転開始時、室内温度と設定温度がある一定の温度差以上の場合、つまり室内温度が設定温度よりもある一定温度以上低い場合、空気調和機は一時的に圧縮機3の周波数を上げて急激に室内を暖房するプルダウン運転を行う。このとき、図14に示すように圧縮機3の周波数が一時的にオーバーシュートすることとなる。しかしながら、本実施形態4では、霜取り不動作時間th経過後から室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、プルダウン運転時における圧縮機3の周波数の一時的なオーバーシュートによって室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することを防止できる。
このように構成された空気調和機においては、実施の形態1と同様に降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない室内熱交冷媒飽和温度検出手段が検出する凝縮温度Trhex(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく、凝縮温度の時間変化量Trhex(t−D)−Trhex(t)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
さらに、霜取り不動作時間th経過後から室外熱交換器6への着霜状況を検出するので不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度がさらに向上するという効果を有する。
なお、本実施形態4では、実施の形態1と同様に凝縮温度Trhex(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、実施の形態2のように圧縮機吐出冷媒温度Td(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。また、実施の形態3のように圧縮機流入電流値Icomp(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。
実施の形態5.
本実施形態5のような冷媒回路及び制御構成にすることによっても室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することを防止でき、室外熱交換器6への着霜状況の検出精度を向上させることが可能である。なお、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一機能については同一の符号を用いて述べることとする。
図15は、本発明の実施の形態5における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。本実施形態2においては、実施形態1の室内熱交冷媒飽和温度検出手段10に加えて、圧縮機3の周波数を検出する圧縮機周波数検出手段13と、室内熱交換器送風手段9の送風手段回転数を検出する送風手段回転数検出手段14が設けられている。
図16は、本発明の実施の形態5における空気調和機の構成ブロック図である。制御部100は、タイマー101、メモリ102、本発明の第1の着霜状況検出手段に相当する着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等を備えている。タイマー101は圧縮機3の運転時間等を計測する。メモリ102は、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10が検出した凝縮温度Trhex(t)、圧縮機周波数検出手段13が検出した圧縮機周波数Hz(t)、及び送風手段回転数検出手段14が検出した送風手段回転数等を記憶する。着霜状況検出手段103は、凝縮温度Trhex(t)の時間変化量及び圧縮機周波数Hz(t)(または送風手段回転数)に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。除霜許可手段104は、着霜状況検出手段103の検出結果を基に除霜運転の許可指令を出す。これらタイマー101、メモリ102、着霜状況検出手段103及び除霜許可手段104等の情報を基に、制御部100は圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器送風手段7及び室内熱交換器送風手段9の各駆動部へ制御信号を送る。
図17は、本発明の実施の形態5における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。
ステップS−41にて暖房運転が開始されると、ステップS−42でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−43では、圧縮機運転時間tが予め設定された霜取り不動作時間thを経過しているか否かが判定され、経過している場合には、ステップS−44にて圧縮機運転時間tにおける凝縮温度Trhex(t)及び圧縮機周波数Hz(t)を検出し、メモリ102に記憶する。不動作時間thを経過していない場合は、ステップS−42へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−45では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−46へ進み、経過していない場合はステップS−44へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−46では、着霜状況検出手段103によって、凝縮温度の時間変化量を、時間(t−D)における凝縮温度Trhex(t−D)から時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を引いた値、つまりTrhex(t−D)−Trhex(t)として演算する。また、この凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続しているか否かを判定する。さらに、時間tにおける圧縮機周波数Hz(t)が時間(t−D)における圧縮機周波数Hz(t−D)以上の状態が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続しているか否か、つまりHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。
凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続しており、かつHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−47へ進む。ステップS−47では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続していない場合、またはHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−44へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
なお、本実施形態5では、凝縮温度Trhex(t)及び圧縮機周波数Hz(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、圧縮機周波数Hz(t)の代わりに室内熱交換器送風手段9の送風手段回転数を用いることも可能である。圧縮機周波数Hz(t)と送風手段回転数の両方を用いてもよい。また、本実施形態5では圧縮機周波数検出手段13と送風手段回転数検出手段14の両方が設けられているが、室外熱交換器6への着霜状況の検出に使用する手段のみを設けることで本発明を実施することができる。
図18は、本実施形態5の圧縮機周波数Hz(t)(または送風手段回転数)とHz(t−D)が等しい状態、つまりHz(t)=Hz(t−D)の状態における圧縮機周波数Hz(t)と運転時間との関係を示す特性図である。図14では、縦軸を圧縮機周波数Hz(t)、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する圧縮機周波数Hz(t)または送風手段回転数の時間的変化を示している。
図18に示すように、本実施形態5では圧縮機周波数Hz(t)または送風手段回転数の変動量が±約2%以内に収まるような変動である状態を圧縮機周波数Hz(t)とHz(t−D)が等しい状態、つまりHz(t)=Hz(t−D)の状態としている。この変動量が±約2%以内という値は実使用上十分判定可能であることが確認されている値であるが、判定可能であれば変動量が±3%または±4%であってもよい。当然のことながら、変動量が小さければ判定精度は向上することになる。
このように構成された空気調和機においては、実施の形態1と同様に降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない室内熱交冷媒飽和温度検出手段が検出する凝縮温度Trhex(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく、凝縮温度の時間変化量Trhex(t−D)−Trhex(t)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
また、実施の形態4と同様に、霜取り不動作時間th経過後から室外熱交換器6への着霜状況を検出するので不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度がさらに向上するという効果を有する。
さらに、圧縮機周波数がHz(t)≧Hz(t−D)の状態、または、送風手段回転数がHz(t)=Hz(t−D)の状態の少なくともどちらかひとつの状態において室外熱交換器6への着霜状況を検出することにより、室内負荷変動、ファン風量設定変更等着霜以外の要因によって室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。したがって不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度がさらに向上する。
なお、本実施形態5では、実施の形態1と同様に凝縮温度Trhex(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、実施の形態2のように圧縮機吐出冷媒温度Td(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。また、実施の形態3のように圧縮機流入電流値Icomp(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。
実施の形態6.
室外熱交換器6の蒸発温度等に基づいて直接的に室外熱交換器6への着霜状況を検出する第2着霜状況検出手段105と、実施の形態1〜5における着霜状況検出手段103を併用することも可能である。ここで、第2着霜状況検出手段105が本発明の第2の着霜状況検出手段に相当する。なお、特に記述しない項目については実施の形態5と同様とし、同一機能については同一の符号を用いて述べることとする。
図19は、本発明の実施の形態6における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。本実施形態6においては、実施形態5の冷媒回路に加えて、室外温度を検出する室外空気温度検出手段15と、室外熱交換器6の冷媒飽和温度(例えば、暖房運転時においては蒸発温度)を検出する室外熱交冷媒飽和温度検出手段16が設けられている。
図20は、本発明の実施の形態6における空気調和機の構成ブロック図である。制御部100は、タイマー101、メモリ102、本発明の第1の着霜状況検出手段に相当する着霜状況検出手段103、除霜許可手段104及び本発明の第2の着霜状況検出手段に相当する第2着霜状況検出手段105等を備えている。タイマー101は圧縮機3の運転時間等を計測する。メモリ102は、室内熱交冷媒飽和温度検出手段10が検出した凝縮温度Trhex(t)、圧縮機周波数検出手段13が検出した圧縮機周波数Hz(t)、送風手段回転数検出手段14が検出した送風手段回転数、室外空気温度検出手段15が検出した室外空気温度To、及び室外熱交冷媒飽和温度検出手段16が検出した蒸発温度Tohex等を記憶する。
着霜状況検出手段103は、凝縮温度Trhex(t)の時間変化量及び圧縮機周波数Hz(t)(または送風手段回転数)に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。第2着霜状況検出手段105は室外空気温度To及び蒸発温度Tohexに基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出する。
除霜許可手段104は、着霜状況検出手段103または第2着霜状況検出手段105の検出結果を基に除霜運転の許可指令を出す。これらタイマー101、メモリ102、着霜状況検出手段103、除霜許可手段104及び第2着霜状況検出手段105等の情報を基に、制御部100は圧縮機3、四方弁4、室外熱交換器送風手段7及び室内熱交換器送風手段9の各駆動部へ制御信号を送る。
図21は、本発明の実施の形態6における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。
ステップS−51にて暖房運転が開始されると、ステップS−52でタイマー101により圧縮機運転時間tが計測される。ステップS−53では、圧縮機運転時間tが予め設定された霜取り不動作時間thを経過しているか否かが判定され、経過している場合には、ステップS−54にて圧縮機運転時間tにおける凝縮温度Trhex(t)、圧縮機周波数Hz(t)、室外空気温度To及び蒸発温度Tohexを検出し、メモリ102に記憶する。その後、ステップS−55及びステップS−57に進む。不動作時間thを経過していない場合は、ステップS−52へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−55では、予め設定した変化量検出時間(D分)が経過したか否か判定する。変化量検出時間(D分)が経過している場合はステップS−56へ進み、経過していない場合はステップS−54へ戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−56では、着霜状況検出手段103によって、凝縮温度の時間変化量を、時間(t−D)における凝縮温度Trhex(t−D)から時間tにおける凝縮温度Trhex(t)を引いた値、つまりTrhex(t−D)−Trhex(t)として演算する。また、この凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続しているか否かを判定する。さらに、時間tにおける圧縮機周波数Hz(t)が時間(t−D)における圧縮機周波数Hz(t−D)以上の状態が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続しているか否か、つまりHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続しているか否かを判定する。
凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続しており、かつHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−58へ進む。凝縮温度の時間変化量がある所定値(E[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X1分)以上継続していない場合、またはHz(t)≧Hz(t−D)が予め設定された着霜判定時間(X2分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−54へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
一方、ステップS−57では、第2着霜状況検出手段105によって、室外空気温度Toと蒸発温度Tohexの差、つまりTo−Tohexの値がある所定値(H[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X3分)以上継続している場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定し、ステップS−58へ進む。室外空気温度Toと蒸発温度Tohexの差がある所定値(H[℃])よりも大きい状態が予め設定された着霜判定時間(X3分)以上継続していない場合には室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していないと判定し、ステップS−54へ戻って引き続き暖房運転を継続する。
ステップS−58では、除霜許可手段104が除霜運転を許可し、空気調和機は除霜運転を開始する。なお、ステップS−56における着霜状況検出手段103での着霜検出と、ステップS−57における第2着霜状況検出手段105での着霜検出のうち少なくともどちらかの条件が成立すれば、ステップS−58へ移行し、除霜運転を開始する。
なお、本実施形態6では、着霜状況検出手段103は凝縮温度Trhex(t)及び圧縮機周波数Hz(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、圧縮機周波数Hz(t)の代わりに室内熱交換器送風手段9の送風手段回転数を用いることも可能である。圧縮機周波数Hz(t)と送風手段回転数の両方を用いてもよい。また、本実施形態6では圧縮機周波数検出手段13と送風手段回転数検出手段14の両方が設けられているが、室外熱交換器6への着霜状況の検出に使用する手段のみを設けることで本発明を実施することができる。
図22は、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合における室外空気温度To及び蒸発温度Tohexと運転時間との関係を示す特性図である。図22では、縦軸を温度[℃]、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する室外空気温度To及び蒸発温度Tohexの時間的変化を示している。
図18に示すように、圧縮機3が運転を開始すると、室外空気温度Toはほぼ一定であるにもかかわらず、室外熱交換器6への着霜により蒸発温度Tohexは次第に低下する。運転開始から約55分経過後には蒸発温度Tohexは約−6[℃]まで低下しており、第2着霜状況検出手段105が室外空気温度To及び蒸発温度Tohexを用いて室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することは可能である。
このように構成された空気調和機においては、実施の形態1と同様に降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない室内熱交冷媒飽和温度検出手段が検出する凝縮温度Trhex(t)の時間変化量に基づいて室外熱交換器6への着霜状況を検出するので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けることなく、正確に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができる。また、ある一時刻の検出値のみで室外熱交換器6への着霜状況を検出することなく、凝縮温度の時間変化量Trhex(t−D)−Trhex(t)が予め設定された着霜判定時間(X分)以上継続している場合に室外熱交換器6への着霜により暖房能力が低下していると判定するので、圧縮機3の周波数変化、室内熱交換器送風手段9の回転数変化、またはノイズ等により室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。
また、実施の形態4と同様に、霜取り不動作時間th経過後から室外熱交換器6への着霜状況を検出するので不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度がさらに向上するという効果を有する。
また、実施の形態5と同様に、圧縮機周波数がHz(t)≧Hz(t−D)の状態、または、送風手段回転数がHz(t)=Hz(t−D)の状態の少なくともどちらかひとつの状態において室外熱交換器6への着霜状況を検出することにより、室内負荷変動、ファン風量設定変更等着霜以外の要因によって室内熱交換器8の凝縮温度に一時的な変化が生じた場合でも室外熱交換器6への着霜状況を誤検出することなく、正確に着霜状況を検出することができる。したがって不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度がさらに向上する。
さらに、第2着霜状況検出手段105でも室外熱交換器6への着霜状況を検出しているので、降雪や着氷等の気象条件の影響を受けない場合には直接的に室外熱交換器6への着霜状況を検出することができ、着霜状況の検出精度がさらに向上する。
なお、本実施形態6では、実施の形態1と同様に凝縮温度Trhex(t)を用いて、着霜状況検出手段103は室外熱交換器6への着霜状況を検出したが、実施の形態2のように圧縮機吐出冷媒温度Td(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。また、実施の形態3のように圧縮機流入電流値Icomp(t)を用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。
本実施形態6では、第2着霜状況検出手段105は室外空気温度Toと蒸発温度Tohexの差、つまりTo−Tohexの値を用いて室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出したが、室外空気温度Toまたは蒸発温度Tohexのみを用いて室外熱交換器6への着霜状況を検出することももちろん可能である。
また、本実施形態6においては、第2着霜状況検出手段105は蒸発温度Tohexを用いて室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出したが、他の方法を用いることも可能である。例えば、室外熱交換器に発光素子17及び受光素子18を設けることでも室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することが可能である。
図23は、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合における発光素子17の出力電圧[V]と運転時間との関係を示す特性図である。図23では、縦軸を発光素子17の出力電圧[V]、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する発光素子17の出力電圧[V]の時間的変化を示している。本実施形態6においては、受光素子18の受光量が一定となるように発光素子17からの発光量、つまり発光素子17の出力電圧が制御されている。
発光素子17は、例えば室外熱交換器6のフィンに向かって発光し、フィンで反射した光を受光素子18が受光する。図23に示すように、圧縮機3が運転を開始すると、室外熱交換器6のフィンに着霜し始める。発光素子17がフィンに向かって発する光は霜によって拡散し、受光素子18の受光量は減少する。このため、受光素子18の受光量が一定となるように発光素子17の出力電圧が増加する。この発光素子17の出力電圧の増加によって、室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することができる。なお、発光素子17の出力電圧を一定として、受光素子18の受光量の減少によって室外熱交換器6への着霜状況を検出してもよい。
また、室外熱交換器6に付着する霜と接触する位置に電極19を設置しても、第2着霜状況検出手段105は室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することが可能である。
図24は、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合における、室外熱交換器6のフィン−電極19間の静電容量[F]と運転時間との関係を示す特性図である。図24では、縦軸を静電容量[F]、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する静電容量[F]の時間的変化を示している。本実施形態6においては、電極19のもう一方の電気極を室外熱交換器6のフィンとし、両電極間の静電容量を測定している。
図24に示すように、圧縮機3が運転を開始すると、室外熱交換器6のフィンに着霜し始める。室外熱交換器6のフィンに付着する霜の厚さが増加するにしたがって、室外熱交換器6のフィン−電極19間の静電容量[F]は減少する。この静電容量[F]の減少によって、第2着霜状況検出手段105は室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することができる。
また、室外熱交換器6表面の放射温度を測定する放射温度検出手段20を設置しても、第2着霜状況検出手段105は室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することが可能である。
図25は、外気条件が乾球温度DB2[℃]/湿球温度WB1[℃]の環境下において、風量設定をマニュアルモードのHiノッチとして空気調和機の暖房運転を開始した場合における、室外熱交換器6表面の放射温度(熱交表面温度[℃])と運転時間との関係を示す特性図である。図25では、縦軸を熱交表面温度[℃]、横軸を圧縮機3の運転時間として、圧縮機3の運転時間に対する熱交表面温度[℃]の時間的変化を示している。
図25に示すように、圧縮機3が運転を開始すると、室外熱交換器6のフィンに着霜し始める。放射温度(熱交表面温度[℃])の測定範囲中における着霜範囲が増加するにしたがって、放射温度(熱交表面温度[℃])は増加する。この放射温度(熱交表面温度[℃])の増加によって、第2着霜状況検出手段105は室外熱交換器6への着霜状況を直接的に検出することができる。
また、実施の形態4〜6では霜取り不動作時間thを予め設定された一定の時間としていたが、次回の霜取り不動作時間th_nextを暖房運転前の除霜運転時間に基づいて決定してもよい。
図26は、次回霜取り不動作時間th_next決定のフローチャートである。ステップS−61にて除霜運転が開始されると、ステップS−62では、除霜運転を終了するか否かが判定される。除霜運転を終了すると判定した場合には、ステップS−63に進み、除霜運転を終了しないと判定した場合には、ステップS−62に戻り引き続き前記工程を繰り返す。
ステップS−63にて除霜運転が終了されると、ステップS−64ではタイマー101により、除霜運転時間t_defが計測される。ステップS−65では、除霜運転時間t_defに基づいて次回霜取り不動作時間th_nextを算出する。その後、ステップS−66に進み暖房運転を開始する。
このように次回霜取り不動作時間th_nextを算出することで、不必要な除霜運転を行わず、着霜状況の検出精度を向上できる。さらに、室外機1の設置環境に応じた霜取り不動作時間thを算出できるので、霜取り不動作時間thが長すぎることによる室外熱交換器6の熱交換能力の低下を防止することができる。
この発明の実施の形態1における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。 この発明の実施の形態1における空気調和機の構成ブロック図である。 この発明の実施の形態1における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態1における室内熱交換器8の凝縮温度と圧縮機A運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態2における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。 この発明の実施の形態2における空気調和機の構成ブロック図である。 この発明の実施の形態2における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態2における圧縮機吐出冷媒温度Td(t)と圧縮機3の運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態3における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。 この発明の実施の形態3における空気調和機の構成ブロック図である。 この発明の実施の形態3における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態3における圧縮機流入電流値Icomp(t)と圧縮機3の運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態4における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態4における空気調和機がプルダウン運転した場合の圧縮機3の周波数と運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態5における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。 この発明の実施の形態5における空気調和機の構成ブロック図である。 この発明の実施の形態5における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態5における圧縮機周波数Hz(t)または送風手段回転数と運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態6における空気調和機の冷媒回路の概略構成図である。 この発明の実施の形態6における空気調和機の構成ブロック図である。 この発明の実施の形態6における空気調和機の除霜運転許可判定のフローチャートである。 この発明の実施の形態6における室外空気温度To及び蒸発温度Tohexと運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態6における発光素子17の出力電圧[V]と運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態6における室外熱交換器のフィン−電極19間の静電容量[F]と運転時間との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態6における室外熱交換器6表面の放射温度(熱交表面温度[℃])と運転時間との関係を示す特性図である。 空気調和機の次回霜取り不動作時間th_next決定のフローチャートである。
符号の説明
1 室外機、2 室内機、3 圧縮機、4 四方弁、5 膨張弁、6 室外熱交換器、7 室外熱交換器送風手段、8 室内熱交換器、9 室内熱交換器送風手段、10 室内熱交冷媒飽和温度検出手段、11 圧縮機吐出冷媒温度検出手段、12 圧縮機流入電流値検出手段、13 圧縮機周波数検出手段、14 送風手段回転数検出手段、15 室外空気温度検出手段、16 室外熱交冷媒飽和温度検出手段、17 発光素子、18 受光素子、19 電極、20 放射温度検出手段、100 制御部、101 タイマー、102 メモリ、103 着霜状況検出手段、104 除霜許可手段、105 第2着霜状況検出手段。

Claims (14)

  1. 圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換器が順次接続された冷凍サイクル回路を備えた空気調和機において、
    前記室内熱交換器の冷媒飽和温度を検出する室内熱交冷媒飽和温度検出手段と、
    前記圧縮機の周波数を計測する圧縮機周波数検出手段と、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第1の着霜状況検出手段と、
    該第1の着霜状況検出手段の出力に基づいて除霜運転を許可する除霜許可手段とを備え、
    前記第1の着霜状況検出手段は、
    前記圧縮機周波数検出手段の時間(t)と時間(t−D)での検出値が所定の変動量に収束している状態または時間(t)での検出値が時間(t−D)での検出値より大きい状態が判定時間以上継続したときであって、
    前記室内熱交冷媒飽和温度検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値の時間変化量が所定値よりも大きい状態が着霜判定時間以上継続した場合に前記室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定することを特徴とする空気調和機。
  2. 圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換器が順次接続された冷凍サイクル回路を備えた空気調和機において、
    前記室内熱交換器の冷媒圧力を検出する室内熱交冷媒圧力検出手段と、
    前記圧縮機の周波数を計測する圧縮機周波数検出手段と、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第1の着霜状況検出手段と、
    該第1の着霜状況検出手段の出力に基づいて除霜運転を許可する除霜許可手段とを備え、
    前記第1の着霜状況検出手段は、
    前記圧縮機周波数検出手段の時間(t)と時間(t−D)での検出値が所定の変動量に収束している状態または時間(t)での検出値が時間(t−D)での検出値より大きい状態が判定時間以上継続したときであって、
    前記室内熱交冷媒圧力検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値の時間変化量が所定値よりも大きい状態が着霜判定時間以上継続した場合に前記室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定することを特徴とする空気調和機。
  3. 圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換器が順次接続された冷凍サイクル回路を備えた空気調和機において、
    前記圧縮機の圧縮機吐出冷媒温度を検出する圧縮機吐出冷媒温度検出手段と、
    前記圧縮機の周波数を計測する圧縮機周波数検出手段と、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第1の着霜状況検出手段と、
    該第1の着霜状況検出手段の出力に基づいて除霜運転を許可する除霜許可手段とを備え、
    前記第1の着霜状況検出手段は、
    前記圧縮機周波数検出手段の時間(t)と時間(t−D)での検出値が所定の変動量に収束している状態または時間(t)での検出値が時間(t−D)での検出値より大きい状態が判定時間以上継続したときであって、
    前記圧縮機吐出冷媒温度検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値の時間変化量が所定値よりも大きい状態が着霜判定時間以上継続した場合に前記室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定することを特徴とする空気調和機。
  4. 圧縮機、室内熱交換器、膨張弁及び室外熱交換器が順次接続された冷凍サイクル回路を備えた空気調和機において、
    前記圧縮機に流れる電流値を検出する圧縮機流入電流値検出手段と、
    前記圧縮機の周波数を検出する圧縮機周波数検出手段と、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第1の着霜状況検出手段と、
    該第1の着霜状況検出手段の出力に基づいて除霜運転を許可する除霜許可手段とを備え、
    前記第1の着霜状況検出手段は、
    前記圧縮機周波数検出手段の時間(t)と時間(t−D)での検出値が所定の変動量に収束している状態または時間(t)での検出値が時間(t−D)での検出値より大きい状態が判定時間以上継続したときであって、
    前記圧縮機流入電流値検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値を前記圧縮機周波数検出手段の時間(t−D)と時間(t)での検出値でそれぞれ除した値の時間変化量が所定値よりも大きい状態が着霜判定時間以上継続した場合に前記室外熱交換器への着霜により暖房能力が低下していると判定することを特徴とする空気調和機。
  5. 前記時間変化量は、所定時間経過前後における検出値の差であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  6. 前記時間変化量は、暖房運転開始後一定時間を経過したときに検出された基準値と検出値との差であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  7. 前記室内熱交換器に送風する室内熱交換器送風手段と、
    前記室内熱交換器送風手段の回転数を検出する送風手段回転数検出手段とを備え、
    前記第1の着霜状況検出手段は、
    該送風手段回転数検出手段の検出値が所定の変動量に収束している状態のときに、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和機。
  8. 前記第1の着霜状況検出手段は、
    暖房運転を開始してからの前記圧縮機の運転時間が所定の時間を経過した後に、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気調和機。
  9. 室外空気温度検出手段及び室外熱交冷媒飽和温度検出手段のうち少なくとも一方と、
    前記室外空気温度検出手段の検出値及び前記室外熱交冷媒飽和温度検出手段の検出値のうち少なくとも一方に基づいて前記室外熱交換器への着霜状況を判定する第2の着霜状況検出手段とを備え、
    前記除霜許可手段は、
    前記第1の着霜状況検出手段及び前記第2の着霜状況検出手段の少なくともいずれか一方の出力に基づいて除霜運転を許可することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和機。
  10. 前記室外熱交換器に向けて発光する発光素子及び前記室外熱交換器で反射した光を受光する受光素子によって前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第2の着霜状況検出手段とを備え、
    前記除霜許可手段は、
    前記第1の着霜状況検出手段及び前記第2の着霜状況検出手段の少なくともいずれか一方の出力に基づいて除霜運転を許可することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和機。
  11. 前記室外熱交換器に着霜した霜が所定の厚さになった場合に接触する位置に電極を設置し、前記電極により静電容量の変化を測定することによって霜の厚さを検出する第2の着霜状況検出手段を備え、
    前記除霜許可手段は、
    前記第1の着霜状況検出手段及び前記第2の着霜状況検出手段の少なくともいずれか一方の出力に基づいて除霜運転を許可することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和機。
  12. 前記室外熱交換器の放射温度を測定する放射温度検出手段と、
    前記放射温度によって前記室外熱交換器への着霜状況を検出する第2の着霜状況検出手段とを備え、
    前記除霜許可手段は、
    前記第1の着霜状況検出手段及び前記第2の着霜状況検出手段の少なくともいずれか一方の出力に基づいて除霜運転を許可することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気調和機。
  13. 前記第1の着霜状況検出手段及び前記第2の着霜状況検出手段は、
    暖房運転を開始してからの前記圧縮機の運転時間が所定の時間を経過した後に、
    前記室外熱交換器への着霜状況を検出することを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の空気調和機。
  14. 除霜運転が開始されて終了した後の暖房運転において、
    前記所定の時間は、該除霜運転時間に基づいて決定され、
    前記所定の時間経過後に、再び前記室外熱交換器への着霜状況を検出することを特徴とする請求項8または13に記載の空気調和機。
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