JP4623882B2 - タイヤ加硫システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、設備コストが低く、サイクルタイムの短い、タイヤのハンドリング手段を含む加硫システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤを加硫するに際しては、図10に正面図で例示するような加硫機90が従来から広く使われている。この加硫機90のそれぞれの加硫金型92は、実際は図の左右で同じ動きをするが、簡便のため、左半分は、加硫金型92内に未加硫のタイヤ93を入れ込む状態で示し、右半分は加硫金型92から加硫済のタイヤ94を取り出している状態を示している。
【0003】
この加硫機90では、加硫金型92が、タイヤの中心軸が垂直な姿勢で平面的に二個配置されており、一度に二本のタイヤを加硫することができる。また、この加硫機90は、加硫を行う機能だけではなく、下部プラテン96に対し、上部プラテン97および上金型92Aを昇降変位させて、金型92を開閉する手段98や、ブラダー99を変形させて、未加硫のタイヤ93の内面にブラダーをフィットさせるとともにブラダーから加硫済のタイヤ94を外すシェーピング装置95、さらには、タイヤを供給したり取り出したりする図示しない手段が付属されていて、種々の生産状況に対応できるよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、タイヤを大量に生産する場合、従来はこのような加硫機90を多数台設置するが、加硫金型92の稼働時間に比して、稼働時間のきわめて短い金型開閉手段98やシェーピング装置95、そしてタイヤのハンドリングのための手段も加硫機90と同じ台数だけ付属することになるため、スペース効率および設備コスト効率が悪いという問題があった。
【0005】
これに対して、特開平9−48026号公報には、タイヤの中心軸が水平に向く姿勢で複数個の金型を配置して加硫機を構成するとともに、四個の金型に対応して一台の金型開閉装置を設置して、設置スペースの縮小化および設備コストの低減を図ったタイヤ加硫装置が提案されている。しかしながら、この提案も、金型開閉装置が、それぞれの加硫機に対応する位置に移動し、各位置で加硫機に対して金型を出し入れするとともに、加硫済みのタイヤを金型から排出して、生タイヤを金型にセットするため、金型開閉装置自体を移動するためのスペースと移動装置を必要とするほか、各移動位置での加硫済みおよび未加硫タイヤの仮置きするスペースと装置をも必要とするので、設置コストを十分に低減するには至っていない。
【0006】
しかも、金型開閉装置がそれぞれの加硫機の間を移動する時間は、加硫機によって異なるため、金型開閉装置が、互いに最も離隔した加硫機同士の間を移動する時間を基にして加硫サイクルを決める必要があり、その結果、サイクルタイムが長くなり、単位時間あたりのスループットが低下する。本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、設置コストを十分に低減でき、加硫のサイクルタイムを有効に短縮できる加硫システムを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0008】
本発明のタイヤ加硫システムは、円弧上に配置した複数の加硫ステーションと、この円弧の中心に固定して配置した金型開閉ステーションと、それぞれの加硫ステーションから金型開閉ステーションまで往復変位するモバイル加硫ユニットとを具える加硫システムであって、タイヤの内面形状を特定するブラダーを縮径させて、加硫済のブラダー付きタイヤからタイヤを取り外し可能にするとともに、ブラダーを拡径させてブラダーの外側に未加硫のタイヤの内側をフィットさせブラダー付きタイヤとするシェーピング装置を設けるとともに、モバイル加硫ユニットを、タイヤに製品タイヤ外面形状を付与し、軸方向に開閉可能な加硫金型を含んで構成し、それぞれの加硫ステーションに、タイヤを加硫する間、モバイル加硫ユニットを配置するスペースと、タイヤを加硫するための熱媒を供給する熱媒供給口と、モバイル加硫ユニットを金型開閉ステーションに対して出し入れする加硫ユニット往復駆動装置とを設け、金型開閉ステーションに、モバイル加硫ユニットの加硫金型を開閉してタイヤの出し入れを可能にする金型開閉手段を設けてなるものである。
【0009】
本発明に係るこのタイヤ加硫システムによれば、加硫金型を、金型開閉ステーションに対して出し入れする装置を、それぞれの加硫ステーションに設けている。このため、金型開閉ステーションは、各加硫ステーションに対応する位置に移動する必要がなく、金型開閉ステーションが移動するためのスペースと装置が不要となり、設置コストを節減できる。
【0010】
しかも、各加硫ステーションを、金型開閉ステーションを中心とする円弧上に配置しているので、加硫ステーションは、その設置位置にかかわらず、すべて同一の仕様で製作することができるので大幅に設備コストを削減することができる。
【0011】
また、それぞれの加硫ステーションを金型開閉ステーションに対して等距離に配置し、かつ、金型開閉ステーションに対して金型を出し入れする装置を、加硫ステーション側に設けているので、どの加硫金型に対しても、同じ時間で、加硫ステーションと金型開閉ステーションとの間を移動させることができる。したがって、どの金型で加硫されるタイヤに対しても、加硫時間が同じならば、その取り出し投入を含む加硫のサイクルタイムを一定とすることができ、その結果、サイクルタイムが短縮され、単位時間当たりのスループットを向上することができる。
【0012】
なお、このタイヤ加硫システムでは、加硫ステーションを円弧上に配置するとしているが、周囲の機器との関連において、必ずしも正確な円弧に限定するもではなく、金型ステーションからそれぞれの加硫ステーションまでの距離は、加硫サイクルタイムを削減するに十分な範囲にあればよい。
【0013】
また、このタイヤ加硫システムは、このシステム内に、タイヤの内面形状を特定するブラダーを縮径させて、加硫済のブラダー付きタイヤからタイヤを取り外し可能にするとともに、ブラダーを拡径させてブラダーの外側に未加硫のタイヤの内側をフィットさせブラダー付きタイヤとするシェーピング装置を設けているので、このシステム内でタイヤに対してブラダーを脱着でき、このタイヤシステムの外でブラダーを脱着するシステムに比べて、ブラダー付きタイヤとして搬送、移載される区間を大幅に短縮することができ、ブラダーの保有個数を削減することができる。
【0014】
さらに本発明のタイヤ加硫システムは、モバイル加硫ユニットを、前記加硫金型のほか、熱媒によって加熱され、前記加硫金型に当接して加硫金型へこの熱を伝達する加熱プラテン部と、前記熱媒供給口から加熱プラテン部に熱媒を供給する熱媒供給ホースと、加硫金型を締付け、これらを加熱プラテン部に着脱可能に固定する金型ロック手段とを含んで構成するとともに、熱媒供給ホースを、加硫ステーションと金型開閉ステーションとの間のいずれの位置にあるモバイル加硫ユニットに対しても接続状態を維持させて構成してなるものである。
【0015】
このタイヤ加硫システムは、加硫機の中枢の機能をなす加熱プラテン部を、加硫金型と一体にして移動させている。このため、金型開閉のために、金型を金型開閉ステーションに出し入れする度に、加熱プラテン部から加硫金型を出し入れする必要がなく、よって、設備コストを低減することができる。
【0016】
さらに、モバイル加硫ユニットが、加硫ステーションと金型開閉ステーションとの間のどの位置にあっても、熱媒供給ホースをモバイル加硫ユニットに接続したままこれを移動できるので、モバイル加硫ユニットの移動中でも加硫を継続することができ、この移動時間を加硫時間の一部として最大限利用することにより、その分、サイクルタイムを短縮することができる。また、モバイル加硫ユニットを、金型開閉ステーションに移動する度に、熱媒供給ホースを切り離す必要がないため、設備コストを安くできる上に、接続部からの熱媒のリークの危険性を低減することができる。
【0017】
このようなタイヤ加硫システムにおいて、加硫ユニット往復駆動装置、加硫ユニット駆動部と、モバイル加硫ユニットの移動区間に固定して設けた加硫ユニット支持ガイド部とで構成し、加硫ユニット支持ガイド部に、モバイル加硫ユニットの移動方向と直角の水平軸の周りに回転可能な、モバイル加硫ユニットを支持する短軸のローラーを設けるとともに、モバイル加硫ユニットに、モバイル加硫ユニットとローラーの間に介在し、ローラー上を移動するガイドレールを、モバイル加硫ユニットの移動方向と平行に取り付けることが好ましい
【0018】
この加硫システムによれば、加硫ユニット往復駆動装置の加硫ユニット支持ガイド部を、モバイル加硫ユニットの移動区間に敷設した短軸のローラーを設けて構成しているので、加硫ユニット往復駆動装置を、簡易で、かつ低コストのものとすることができる。
【0019】
しかも、長さの短いローラーの上を、モバイル加硫ユニットに取り付けたガイドレールを移動させることにより、加硫ユニット往復駆動装置を往復させるので、それぞれの加硫ステーションに設けた加硫ユニット往復駆動装置が交錯する金型開閉ステーションとその近傍でも、加硫ユニット支持ガイド部同士、もしくは、加硫ユニット支持ガイド部と他のモバイル加硫ユニットとを、干渉させることなくこれらを設けることができる。
【0020】
また、この本発明のタイヤ加硫システムでは、シェーピング装置を配設するシェーピングステーションを設けるとともに、金型開閉ステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れするブラダー付きタイヤ移載装置を設け、ブラダー付きタイヤ移載装置を、シェーピングステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れさせて構成することが好ましい
【0021】
シェーピング装置を金型開閉ステーションに設けることもできるが、シェーピング装置を設置するスペースがある場合は、金型開閉ステーションから離して、シェーピング装置を設置すると、金型開閉ステーションを簡易に、かつ安価に構成することができ有利である。
【0022】
そしてまた、このタイヤ加硫システムにおいては、未加硫のタイヤを一時保管する未加硫タイヤ置台と、加硫済のタイヤを一時保管する加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションを設け、これらの置台と、シェーピングステーションとの間でタイヤを移載するタイヤ入出庫移載装置を設けるとともに、
金型開閉ステーションを中心とする円形平面領域を二つの扇状部分に分割し、一方の扇状部分にそれぞれの加硫ステーションを配置し、他方の扇状部分に、ブラダー付きタイヤ移載装置、シェーピングステーション、タイヤ入出庫ステーションおよびタイヤ入出庫移載装置を配置することが好ましい
【0023】
これによると、未加硫タイヤ置台と、加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションの作用下で、タイヤを、加硫システム内外の前後の手段に滞りなく、円滑に流通させることができる。
【0024】
さらに、タイヤ移載装置と入出庫ステーションとを、加硫ステーションを配置する扇形領域と異なる扇形領域に配設したので、加硫ステーションを配置する扇形領域の、タイヤ移載装置と入出庫ステーションを配設する領域の反対側の領域に、金型を交換するためのスペースを設けることができ、金型を交換する際、支障なく、加硫ステーションに接近して、金型を交換する作業を容易に行うことができる。
【0025】
さらにこのタイヤ加硫システムでは、加硫済のブラダー付きタイヤを一定の時間、一定の形状に保持して、後加硫処理を行う後加硫処理ステーションを設け、ブラダー付きタイヤ移載装置を、後加硫処理ステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れさせて構成することが好ましい
【0026】
タイヤがナイロン等の熱収縮率の大きい繊維コードをカーカスプライコードとして使用する場合は、タイヤの形状安定化のため、ポストキュアインフレーション(以下「PCI」という)と呼ばれる、後加硫処理を加硫終了直後に行う必要がある。この加硫システムによると、金型開閉ステーションから取り出した加硫済のタイヤを、タイヤ移載装置によって後加硫処理ステーション(以下「PCIステーション」という)にすぐに移載することにより、確実にPCI処理をすることができる。
【0027】
またこのタイヤ加硫システムでは、シェーピング装置を、金型開閉ステーションに配設するとともに、この金型開閉ステーションに対して、タイヤを出し入れするタイヤ移載装置を設けることが好ましい
【0028】
シェーピング装置を、金型開閉ステーションから離れて、別個に設置するスペースがない場合は、これを、金型開閉ステーション内に設けることができ、この場合、タイヤは、金型開閉ステーションから、ブラダーを内部に装着しない状態で、タイヤ装置により取り出すことができる。
【0029】
そしてまたこのタイヤ加硫システムにおいては、未加硫のタイヤを一時保管する未加硫タイヤ置台と、加硫済のタイヤを一時保管する加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションを設け、タイヤ移載装置を、これらの置台に対してタイヤを出し入れさせて構成するとともに、金型開閉ステーションを中心とする円形平面領域を二つの扇状部分に分割し、一方の扇状部分にそれぞれの加硫ステーションを配置し、他方の扇状部分に、タイヤ移載装置と、入出庫ステーションとを配置することが好ましい
【0030】
これによると、未加硫タイヤ置台と、加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションの作用下で、タイヤを、加硫システム内外の前後の手段に滞りなく、円滑に流通させることができる。さらに、この加硫システムは、前述のとおり、加硫ステーションを配置する扇形領域の、タイヤ移載装置と入出庫ステーションを配設する領域の反対側の領域に、金型を交換するためのスペースを設けることができる。
【0031】
以上で述べたいずれかのタイヤ加硫システムでは、加硫済のタイヤを一定の時間、一定の形状に保持して、後加硫処理を行う後加硫処理ステーションを設け、タイヤ移載装置を、後加硫処理ステーションに対してタイヤを出し入れさせて構成することが好ましい
【0032】
この加硫システムによると、金型開閉ステーションから取り出した加硫済のタイヤを、タイヤ移載装置によってPCIステーションにすぐに移載することにより、確実にPCI処理をすることができることは、前述の通りである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施形態について図1ないし図8に基づいて説明する。図1は、本発明に係る加硫システムの実施の形態を示す配置図である。この加硫システムは、二台の金型開閉ステーション12を配置し、これらの金型開閉ステーション12を中心とし、これらのステーション12の中心同士を結ぶ直線Lの一方の側の半円周R上に、それぞれ、四台の加硫ステーション11を互いに60度ずつ離隔して配置している。
【0034】
また、このタイヤ加硫システムには、それぞれの加硫ステーション11と、対応する金型開閉ステーション12との間を往復変位する、合計八台のモバイル加硫ユニット13を設けている。図1では、これら八台のモバイル加硫ユニット13のうち、左側の金型開閉ステーションに対向する真右の加硫ステーションに対応するモバイル加硫ユニットだけが金型開閉ステーションに変位した状態を示している。
【0035】
なお、この加硫システム内では、後述するように、タイヤは、加硫時にその内面形状を特定するブラダーと一体となって移載される場合と、ブラダーを装着しないタイヤ単体で移載される場合との両方の場合があるので、本明細書では、特に混同を招く恐れのない場合を除き、前者を「ブラダー付きタイヤ」と称して、「タイヤ」と区別する。
【0036】
直線Lに関して、加硫ステーション11を配置する領域と反対側に、金型開閉ステーション12から加硫済みのブラダー付きタイヤを取り出し、あるいは、金型開閉ステーション12に未加硫のブラダー付きタイヤを投入するブラダー付きタイヤ移載装置75を設けている。なお、金型開閉ステーション12では、タイヤは、その中心軸を垂直とする姿勢で金型に収納されていて、ブラダー付きタイヤ移載装置75は、金型開閉ステーション12に対して、タイヤをこの姿勢のまま、出し入れする。
【0037】
また、このブラダー付きタイヤ移載装置75の作動範囲内に、シェーピングステーション81と、PCIステーション15と、入出庫ステーション18とを設け、入出庫ステーション18に、未加硫のタイヤを一時保管して、これをブラダー付きタイヤ移載装置75に受け渡す未加硫タイヤ置台16と、加硫済のタイヤを、ブラダー付きタイヤ移載装置75から受け取り、一時保管する加硫済タイヤ置台17とを並べて配置している。
【0038】
PCIステーション15は、四本のタイヤを同時にPCI処理することを可能にするため、四箇所でそれぞれのタイヤ支持できるとともに、タイヤをその中心軸を水平とする姿勢で支持するように構成されている。また、シェーピングステーション81、未加硫タイヤ置台16および加硫済タイヤ置台17においては、タイヤは、中心軸を垂直とする姿勢で定置される。
【0039】
そして、ブラダー付きタイヤ移載装置75は、金型開閉ステーション12、シェーピングステーション81、PCIステーション15、未加硫タイヤ置台16および加硫済タイヤ置台17のそれぞれの位置で、それぞれ異なる姿勢でタイヤを出し入れする必要があり、この実施形態においては、ブラダー付きタイヤ移載装置75を、多関節型のロボットで構成したので、これらの複雑な動作を簡易な機構で実現することができる。
【0040】
このタイヤ加硫システムを構成するそれぞれのステーション、装置について、以下に詳述する。図2はモバイル加硫ユニット13を示す側面図である。このモバイル加硫ユニット13は、タイヤ5と、タイヤ5の内面形状を特定するブラダー6とをキャビティ内に収納する加硫金型30を具えている。タイヤ5にブラダー6を収納したものをブラダー付きタイヤ7と称することは前述の通りである。
【0041】
加硫金型30は、上部金型31と、下部金型32とを具え、これらを組み合わせてタイヤ5を収納するキャビティを形成するともに、これらを上下方向に互いに離隔させて、タイヤを出し入れすることができる。そして、下部金型32は、タイヤのサイド部に対応する下部サイドプレートと、周方向に組み合わさって環状をなし、タイヤのトレッド部の外面形状を形成する、半径方向に移動可能な複数のセグメント部とよりなっている。上部金型31は、タイヤのサイド部を形成する上部サイドプレートを具えている。
【0042】
さらに、モバイル加硫ユニット13に、この加硫金型30の両端部に当接し、加熱プラテン部を構成する、上部プラテン61と下部プラテン62とを設け、それぞれのプラテン61、62には、熱媒供給ホース67を接続させていて、熱媒、例えば、スチームを、これらのプラテン61、62の内部に設けた熱媒ジャケットに供給して、これらのプラテン61、62を加熱することができる。この熱は、当接する加硫金型30に伝導され、タイヤを加硫することができる。
【0043】
さらに、モバイル加硫ユニット13は、加硫金型30と、この両端面に当接するそれぞれのプラテン61、62とを一体的に挟持する上部エンドプレート63、下部エンドプレート64を具えるとともに、これらのエンドプレート63、64同士を連結する複数のタイロッド65と、下部エンドプレート64に取り付けられ、加硫金型30を上部エンドプレート63に押圧して、加硫金型30を締付ける油圧ジャッキ69とを有し、これらのエンドプレート63、64、タイロッド65および油圧ジャッキ69は、協働して、加硫金型30と上下のプラテン61、62とを一体的に締付ける金型ロック手段を構成している。
【0044】
また、タイロッド65の下部先端部を下部エンドプレート64に固定するとともに、タイロッド65の上部先端部を、タイプレート66を介して上部エンドプレート63に係合させ、このタイプレート66を、加硫金型の軸心の周りに揺動することにより、タイロッド65と、上部エンドプレート63とを係合し、また、この係合を解消することができるよう、タイプレート66を構成している。
【0045】
上部金型31と、上部プラテン61と、上部エンドプレート63と、タイプレート66とは、上部エンドプレート63を吊り上げたとき一体となって移動する昇降ユニット部72を構成する。
【0046】
次に、加硫ステ−ションと金型開閉ステーションとについて説明する。図3は、図1のタイヤ加硫システムのうち、一台の金型開閉ステーション12とこれに対向して設けた一台の加硫ステーション11とを示す正面図であり、図4は、図3の矢視IV−IVを示す平面図である。図4は、一台の金型開閉ステーション12と、その周囲に配置した四台の加硫ステーション11をすべて図示している。
【0047】
それぞれの加硫ステーション11は、熱媒を供給する熱媒供給口35を有するとともに、モバイル加硫ユニット13を、この加硫ステーション11と金型開閉ステーション12との間で、往復変位させる加硫ユニット往復駆動装置40を具えている。
【0048】
この加硫ユニット往復駆動装置40は、加硫ユニット駆動部51と、加硫ユニット支持ガイド部41とにより構成され、加硫ユニット駆動部51は、二つのスプロケット52間に掛け渡され、モーター53によって駆動されるリンクチェーン54の一つのリンクに固定された駆動バー55とを具えている。駆動バー55の先端を、図示しない連結手段により、モバイル加硫ユニット13の最後部、すなわち、金型開閉ステーション12と反対に位置する部分に、着脱可能に連結することができ、モーター53を駆動してリンクチェーン54を往復変位することにより、モバイル加硫ユニット13を往復変位させることができる。
【0049】
加硫ユニット支持ガイド部41は、複数のローラー42と、これらを支持するローラー架台43とを具え、これらのローラー42は、対応する加硫ステーション11と金型開閉ステーション12との間に、これらを結ぶ直線と平行に、二列になって配列されている。一方、モバイル加硫ユニット13の下面には、この進行方向と平行に二本のガイドレール71を取り付けて、このガイドレール71を、対応する列のローラー42上をこの列に沿って移動させることにより、モバイル加硫ユニット13を金型開閉ステーションに対して、往復変位させることができる。
【0050】
以上のように、加硫ユニット往復駆動装置40の加硫ユニット支持ガイド部51を、モバイル加硫ユニット13の移動区間に敷設した短軸のローラー42で構成することにより、図4に示すように、極めて簡易で、かつ、低コストなタイヤ加硫システムを実現することができる。
【0051】
しかも、図4に示すように、それぞれの加硫ステーション11に設けた加硫ユニット往復駆動装置40が交錯する金型開閉ステーション12とその近傍においても、加硫ユニット支持ガイド部51同士、もしくは、加硫ユニット支持ガイド部51と他のモバイル加硫ユニット13とが干渉することなく、これらを設けることができる。
【0052】
また、モバイル加硫ユニット13の移動に際しては、モバイル加硫ユニット13の上下のプラテン61、62に、熱媒供給口35から熱媒を供給する熱媒供給ホース67をこれらから切り離すことなく、これを移動することができるので、モバイル加硫ユニット13の移動中でも加硫を継続することができ、この移動時間を加硫時間の一部として最大限利用することにより、その分、サイクルタイムを短縮することができ、しかも、設備コストを安くできる上に、接続部からの熱媒のリークの危険性を低減することができる。
【0053】
金型開閉ステーション12は、図3に示すように、その中心に、移動してきたモバイル加硫ユニット13の昇降ユニット部72を昇降させる金型開閉手段21を具える。この金型開閉手段21は、フロア面より建てられた柱を介して固定されるベース22と、このベースに取り付けたガイド23に案内され、図示しない駆動装置により上下する上下ユニット24とを具える。この上下ユニット24には、モバイル加硫ユニット13の前記タイプレート66を回転して、上部エンドプレート63とタイロッド65とを連結し、または、切り離すとともに、上部エンドプレート63を把持し、あるいは、把持を開放する昇降ユニット部ロック把持機構25を具えている。
【0054】
次に、図5〜図8に基づいて、シェーピングステーション81について説明する。シェーピングステーション81は、図5(a)に側面図で示す、シェーピング装置700を具えて構成されてなる。
【0055】
図5(b)は、ブラダー付きタイヤ移載装置75により、金型開閉ステーション20から加硫済のブラダー付タイヤ7をシェーピング装置700の直上に移動した状態を示している。シェーピング装置700は、そのシェーピング装置本体701に取り付けた下部リングホルダー720を設けてなり、これを、ブラダー6の下部リング33に挿入して嵌合し、ブラダー6を保持する。
【0056】
また、シェーピング装置本体701には、下部リングホルダー720の中央を貫通して昇降する、ブラダーの上部リング36を昇降するためのセンターポスト710をも設けている。さらに、下部リングホルダー720は、ブラダー6を膨張、収縮させるための内圧を出し入れする、内圧出入口711を有していて、ブラダー6の対応する内圧出入口37と対をなしている。
【0057】
なお、図5(b)〜図8(b)において、シェーピング装置700を、側面より見て、シェーピング装置本体701により隠されない部分については、説明を分かりやすくするため、断面図で示した。
【0058】
そして、図5(c)に示すように、加硫済のブラダー付タイヤ7をシェーピング装置700に移載する。そのとき、ブラダー6の下部リング33の外面にシェーピング装置700の下部リングホルダー720を勘合して挿入し、ブラダー6をシェーピング装置700に固定する。また、センターポスト720をブラダー6の上部リング36の中央の穴に挿入し、図示しない手段によりセンターポスト720と上部リング36とを締結する。このとき、下部リングホルダー720に設けた内圧出入口711とブラダー6の対をなす内圧出入口37とを接続することにより、内圧流体を流動させることができる。
【0059】
次に、図6(a)に示すように、シェーピング装置700のセンターポスト710を上昇させ、センターポスト710の上端に係合する、ブラダー6の上部リング36を引き上げ、その結果、ブラダーのバルーン部34を、トロイダル状から円筒状に変形させ、加硫済のタイヤ5を取り出せる状態にすることができる。センターポスト710の上昇中は、内圧出入口711に付属する弁を内圧の解放する方向に切り替えて、内圧出入口711からブラダーの内部の流体を排出し、ブラダーの円筒状への変形を容易にしている。
【0060】
次に、図6(b)に示すように、タイヤ入出庫移載装置76によりシェーピング装置700から加硫済みタイヤ7を取り出し、図6(c)に示すように、シェーピング装置700を、次の未加硫のタイヤ5を待機する状態にする。
【0061】
図7(a)は、タイヤ入出庫移載装置76により、未加硫タイヤ置台16から未加硫のタイヤ5をシェーピング装置700の直上に移動した状態を示している。
そして、図7(b)に示すように、未加硫のタイヤ5を、シェーピング装置700に固定され、円筒形状に保持されたブラダー6の外側に挿入する。このとき、未加硫のタイヤ5の下ビード部はブラダー6の下部リング33の縁に当たって静置される。そして、ブラダー6の上部リング36と締結したままで、センターポスト710を下降させるとともに、内圧出入口711よりブラダー6の内部に内圧流体を供給してゆくと、ブラダーのバルーン部34はトロイダル状に膨張し、図7(c)に示すように、タイヤ5の内面にフィットする。
【0062】
そして、図示しない手段により、ブラダーの上部リング36と下部リング33とを締結したあと、上部リング36とセンターポスト710との締結を解くと、未加硫のブラダー付タイヤ7をシェーピング装置700から取り外せる状態となる。
【0063】
最後に、図8(a)に示すように、ブラダー付タイヤ移載装置75によって、シェーピング装置700から未加硫のブラダー付タイヤ7を取り出し、シェーピング装置700を、また、何も装着しない図8(b)の状態に戻す。
【0064】
次に以上の第一の実施の形態のタイヤ加硫システムにて、未加硫のタイヤ5を前工程より受け入れて、加硫し、加硫済みのタイヤ5を後工程へ排出するまでの一連の作動について、前述の図1を参照して説明する。
【0065】
前工程から搬送された未加硫のタイヤ5は、未加硫タイヤ置台16に載置される。次いで、タイヤ入出庫移載装置76により、この未加硫のタイヤ5を、シェーピングステーション81に移載する。シェーピングステーション81で、このタイヤ5の内部にブラダー6を装着する。続いて、ブラダー付きタイヤ移載装置75により、ブラダー6を装着した未加硫のブラダー付きタイヤ7を、金型開閉ステーション12に移載するが、金型開閉ステーション12では、この時すでに、加硫済みのブラダー付きタイヤ5を取り出した後のモバイル加硫ユニット13が、その加硫金型30を開放した状態で待機しているので、未加硫のブラダー付きタイヤ7を、この加硫金型30にセットする。
【0066】
ブラダー付きタイヤ移載装置75を、金型開閉ステーションから退避させた後、金型開閉手段21を下降させて、モバイル加硫ユニット13の昇降ユニット部72を下降させ、昇降ユニット部ロック把持機構25と、油圧ジャッキ69とを作動させて、昇降ユニット部72をモバイル加硫ユニット13の他の部分とロックする。
【0067】
その後、このモバイル加硫ユニット13を、加硫ユニット往復駆動装置40により、加硫ステーション11に移動し、この中に収納された未加硫のブラダー付きタイヤ7を、加硫ステーション11で加硫する。加硫が完了すると、モバイル加硫ユニット13を、加硫ユニット往復駆動装置40により、金型開閉ステーション12へ移動し、その後、金型開閉ステーション12の金型開閉手段21により加硫金型30を開放し、加硫済みのブラダー付きタイヤ7を取り出し可能な状態とする。
【0068】
その後、この加硫済みのブラダー付きタイヤ7を、ブラダー付きタイヤ移載装置75を用いて、金型開閉ステーションからPCIステーション15に移載し、PCIステーション15で、このタイヤにPCI処理を施す。PCI処理が完了した後、加硫済みのブラダー付きタイヤ7を再び、ブラダー付きタイヤ移載装置75により、PCIステーション15から取り出して、これをシェーピングステーション81に移載する。
【0069】
シェーピングステーション81で、加硫済みのブラダー付きタイヤ7からブラダー6を取り外し、加硫済みのタイヤ5を取り出し可能な状態とし、このタイヤ5を、タイヤ入出庫移載装置76を用いて、加硫済みタイヤ置台17に載置する。その後、このタイヤ5を次の工程へ搬送する。
【0070】
次に、本発明に係るタイヤ加硫システムの第二の実施形態について、図9に基づいて説明する。この加硫システムは、シェーピング装置700をそれぞれ具える、二台のシェーピング装置付き金型開閉ステーション82を配置し、これらのシェーピング装置付き金型開閉ステーション82を中心とし、これらのステーション82の中心同士を結ぶ直線Lの一方の側の半円周R上に、それぞれ、四台の加硫ステーション11を互いに60度ずつ離隔して配置している。
【0071】
また、このタイヤ加硫システムには、それぞれの加硫ステーション11と、対応するシェーピング装置付き金型開閉ステーション82との間を往復変位する、合計八台のモバイル加硫ユニット13を設けている。図1では、これら八台のモバイル加硫ユニット13のうち、左側のシェーピング装置付き金型開閉ステーションに対向する真右の加硫ステーションに対応するモバイル加硫ユニットだけがシェーピング装置付き金型開閉ステーション側に変位した状態を示している。
【0072】
それぞれのシェーピング装置付き金型開閉ステーション82の、直線Lに関して、加硫ステーション11を配置する領域と反対側に、シェーピング装置付き金型開閉ステーション82から加硫済みタイヤを取り出し、あるいは、シェーピング装置付き金型開閉ステーション82に未加硫のタイヤを投入するタイヤ移載装置14を設けている。なお、シェーピング装置付き金型開閉ステーション82では、タイヤはその中心軸を垂直とする姿勢で金型に収納されていて、タイヤ移載装置14は、シェーピング装置付き金型開閉ステーション82に対して、タイヤをこの姿勢のまま、出し入れする。
【0073】
このタイヤ移載装置14の作動範囲内に、PCIステーション15と入出庫ステーション18とを設け、入出庫ステーション18に、未加硫のタイヤを一時保管して、これをタイヤ移載装置14に受け渡す未加硫タイヤ置台16と、加硫済のタイヤを、タイヤ移載装置14から受け取り、一時保管する加硫済タイヤ置台17とを並べて配置している。
【0074】
PCIステーション15は、四本のタイヤを同時にPCI処理することを可能にするため、四箇所でそれぞれのタイヤ支持できるとともに、タイヤをその中心軸を水平とする姿勢で支持するように構成されている。また、未加硫タイヤ置台16と加硫済タイヤ置台17とにおいては、タイヤは、中心軸を垂直とする姿勢で定置される。
【0075】
そして、タイヤ移載装置14は、シェーピング装置付き金型開閉ステーション82、PCIステーション15、未加硫タイヤ置台16および加硫済タイヤ置台17のそれぞれの位置で、それぞれ異なる姿勢でタイヤを出し入れする必要があり、この実施形態においては、タイヤ移載装置14を、多関節型のロボットで構成したので、これらの複雑な動作を簡易な機構で実現することができる。
【0076】
第一の実施形態において、シェーピング装置700を、シェ−ピングステーション81に配置しているのに対比して、この第二の実施形態では、シェーピングステーション700を、シェーピング付き金型開閉ステーション82に配置している。シェーピング付き金型開閉ステーション82は、第一の実施形態の金型開閉ステーション12と同じ金型開閉手段21を具え、併せて、金型開閉手段21の真下に中心軸を合わせて、シェ−ピンス装置700を配設したものである。
【0077】
モバイル加硫ユニット13を、このステーション82の中心に対して出し入れし移動する際には、シェーピング装置700を、モバイル加硫ユニット13と干渉しない高さに下降させておき、モバイル加硫ユニット13がステーション81の中心に静置したとき、シェーピング装置700の下部リングホルダー720を上昇させて、これを、モバイル加硫ユニット13のブラダーの下部リングと嵌合させることができるよう、シェーピング装置700を構成する。なお、モバイル加硫ユニット13には、シェーピング装置700の下部リングホルダー720ならびにセンターポスト710を、下方から、ブラダー6の中心部に通過させることができる貫通穴を設ける。
【0078】
以上説明した、シェーピング付き加硫ステーション82を除く、他の装置に関しては、第二の実施形態のタイヤ加硫システムは、第一の実施形態と同じものを用いているので、説明を簡明にするために、個々の装置に付いては、特に説明を繰り返さない。
【0079】
続いて、第二の実施形態のタイヤ加硫システムにおいて、未加硫のタイヤ5を前工程より受け入れて、これを加硫し、加硫済みのタイヤ5を後工程へ排出するまでの一連の作動について説明する。前工程から搬送された未加硫のタイヤ5は、未加硫タイヤ置台16に載置される。一方、タイヤ移載装置14は、シェーピング付き加硫ステーション82で、シェーピング装置700により、ブラダー6を取り外した加硫済みのタイヤ5を、上下に開放した加硫金型30からPCIステーション15に移載した後、未加硫タイヤ置台16に載置された未加硫タイヤ5を取り上げ、シェーピング付き加硫ステーション82に移載し、開放した待機中の加硫金型30に、これをセットする。
【0080】
そして、シェーピング付き加硫ステーション82からタイヤ移載装置14を退避させた後、シェーピング装置700により、未加硫のタイヤ5にブラダー6を装着し、タイヤ5をトロイダル形状とした後、金型開閉手段21を下降させて、モバイル加硫ユニット13の昇降ユニット部72を下降させ、昇降ユニット部ロック把持機構25と、油圧ジャッキ69とを作動させて、昇降ユニット部72をモバイル加硫ユニット13の他の部分とロックする。
【0081】
その後、このモバイル加硫ユニット13を、加硫ユニット往復駆動装置40により、加硫ステーション11に移動し、この中に収納された未加硫のブラダー付きタイヤ7を、加硫ステーションで加硫する。加硫が完了すると、モバイル加硫ユニット13を、加硫ユニット往復駆動装置40により、シェーピング付き加硫ステーション82に移動し、その後、シェーピング付き加硫ステーション82の金型開閉手段21により加硫金型30を開放し、シェーピング装置700により加硫済みのブラダー付きタイヤ7からブラダー6を取り外して、タイヤ5を取り出し可能な状態とする。
【0082】
タイヤ移載装置14により、この加硫済みタイヤ5を、シェーピング付き加硫ステーション82からPCIステーション15に移載し、PCIステーション15で、このタイヤにPCI処理を施す。PCI処理が完了した後、加硫済みのタイヤ5を再び、タイヤ移載装置14により、PCIステーション15から取り出して、加硫済みタイヤ置台17に載置する。その後、このタイヤ5を次の工程へ搬送する。
【0083】
ここで、第一の実施形態においては、加硫済みのタイヤ5は、ブラダー6を装着したブラダー付きタイヤ7のままPCI処理させるが、この第二の実施形態においては、ブラダー6を装着しない状態でPCI処理させることとなる。
【0084】
なお、第一、第二のいずれの実施形態のタイヤ加硫システムにおいても、加硫するタイヤを構成するコードとして、熱収縮率の高いナイロン等の材料を用いていて、そのため、PCI処理を施すPCIステーションを具えているが、熱収縮率の小さな材料のコードよりなるタイヤを加硫する加硫システムの場合は、このPCIステーションを省くことができる。
【0085】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、金型開閉ステーションの中心とする円弧上に複数の加硫ステーションを配置し、それぞれの加硫ステーションから金型開閉ステーションまで往復変位するモバイル加硫ユニットを駆動する加硫ユニット往復駆動装置を、それぞれの加硫ステーションに設けたので、金型開閉ステーションをそれぞれの加硫ステーションに移動させる装置とスペースとが不要となり、設置コストを削減できるとともに、モバイル加硫ユニットの移動に要する時間を一定とすることができたので、その結果、加硫サイクルタイムを短縮することができ、生産性を向上できる。
【0086】
さらに、加硫システム内に、シェーピング装置を設け、加硫の直前、直後で、タイヤにブラダーを装着し、タイヤからブラダーを取り外すので、ブラダーの保有個数を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るタイヤ加硫システムの第一の実施形態を示す配置図である。
【図2】 モバイル加硫ユニットを示す側面図である。
【図3】 加硫ステーションと金型開閉ステーションを示す正面図である。
【図4】 加硫ステーションと金型開閉ステーションを示す平面図である。
【図5】 シェーピングユニットの作動説明図である。
【図6】 図5に続くシェーピングユニットの作動説明図である。
【図7】 図6に続くシェーピングユニットの作動説明図である。
【図8】 図7に続くシェーピングユニットの作動説明図である。
【図9】 本発明に係るタイヤ加硫システムの第二の実施形態を示す配置図である。
【図10】 従来のタイヤ加硫システムを示す正面図である。
【符号の説明】
5 タイヤ
6 ブラダー
7 ブラダー付きタイヤ
11 加硫ステーション
12 金型開閉ステーション
13 モバイル加硫ユニット
14 タイヤ移載装置
15 PCIステーション
16 未加硫タイヤ置台
17 加硫済みタイヤ置台
18 入出庫ステーション
19 金型交換スペース
21 金型開閉手段
22 ベース部
23 ガイド
24 上下ユニット
25 昇降ユニット部ロック把持機構
30 加硫金型
31 上部金型
32 下部金型
33 ブラダーの下部リング
34 ブラダーのバルーン部
35 熱媒供給口
36 ブラダーの上部リング
37 ブラダーの内圧出入口
40 加硫ユニット往復駆動装置
41 加硫ユニット支持ガイド部
42 ローラー
43 ローラー架台
51 加硫ユニット駆動部
52 スプロケット
53 モーター
54 リンクチェーン
55 駆動バー
61 上部プラテン
62 下部プラテン
63 上部エンドプレート
64 下部エンドプレート
65 タイロッド
66 タイプレート
67 熱媒供給ホース
69 油圧ジャッキ
71 ガイドレール
72 昇降ユニット部
75 ブラダー付きタイヤ移載装置
76 タイヤ入出庫移載装置
81 シェーピングステーション
82 シェーピング装置付き金型開閉ステーション
700 シェーピング装置
701 シェーピング装置本体
710 センターポスト
711 内圧出入口
720 下部リングホルダー

Claims (8)

  1. 円弧上に配置した複数の加硫ステーションと、この円弧の中心に固定して配置した金型開閉ステーションと、それぞれの加硫ステーションから金型開閉ステーションまで往復変位するモバイル加硫ユニットとを具える加硫システムであって、
    タイヤの内面形状を特定するブラダーを縮径させて、加硫済のブラダー付きタイヤからタイヤを取り外し可能にするとともに、ブラダーを拡径させてブラダーの外側に未加硫のタイヤの内側をフィットさせブラダー付きタイヤとするシェーピング装置を設けるとともに、
    モバイル加硫ユニットを、タイヤに製品タイヤ外面形状を付与し、軸方向に開閉可能な加硫金型を含んで構成し、
    それぞれの加硫ステーションに、タイヤを加硫する間、モバイル加硫ユニットを配置するスペースと、タイヤを加硫するための熱媒を供給する熱媒供給口と、モバイル加硫ユニットを金型開閉ステーションに対して出し入れする加硫ユニット往復駆動装置とを設け、
    金型開閉ステーションに、モバイル加硫ユニットの加硫金型を開閉してタイヤの出し入れを可能にする金型開閉手段を設けてなり、
    さらに、モバイル加硫ユニットを、前記加硫金型のほか、熱媒によって加熱され、前記加硫金型に当接して加硫金型へこの熱を伝達する加熱プラテン部と、前記熱媒供給口から加熱プラテン部に熱媒を供給する熱媒供給ホースと、加硫金型を締付け、これらを加熱プラテン部に着脱可能に固定する金型ロック手段とを含んで構成するとともに、
    熱媒供給ホースを、加硫ステーションと金型開閉ステーションとの間のいずれの位置にあるモバイル加硫ユニットに対しても接続状態を維持させて構成してなるタイヤ加硫システム。
  2. 加硫ユニット往復駆動装置を、加硫ユニット駆動部と、モバイル加硫ユニットの移動区間に固定して設けた加硫ユニット支持ガイド部とで構成し、加硫ユニット支持ガイド部に、モバイル加硫ユニットの移動方向と直角の水平軸の周りに回転可能な、モバイル加硫ユニットを支持する短軸のローラーを設けるとともに、モバイル加硫ユニットに、モバイル加硫ユニットとローラーの間に介在し、ローラー上を移動するガイドレールを、モバイル加硫ユニットの移動方向と平行に取り付けてなる請求項に記載の加硫システム。
  3. シェーピング装置を配設するシェーピングステーションを設けるとともに、金型開閉ステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れするブラダー付きタイヤ移載装置を設け、ブラダー付きタイヤ移載装置を、シェーピングステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れさせて構成してなる請求項1又は2に記載の加硫システム。
  4. 未加硫のタイヤを一時保管する未加硫タイヤ置台と、加硫済のタイヤを一時保管する加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションを設け、これらの置台と、シェーピングステーションとの間でタイヤを移載するタイヤ入出庫移載装置を設けるとともに、
    金型開閉ステーションを中心とする円形平面領域を二つの扇状部分に分割し、一方の扇状部分にそれぞれの加硫ステーションを配置し、他方の扇状部分に、ブラダー付きタイヤ移載装置、シェーピングステーション、タイヤ入出庫ステーションおよびタイヤ入出庫移載装置を配置してなる請求項に記載の加硫システム。
  5. 加硫済のブラダー付きタイヤを一定の時間、一定の形状に保持して、後加硫処理を行う後加硫処理ステーションを設け、ブラダー付きタイヤ移載装置を、後加硫処理ステーションに対してブラダー付きタイヤを出し入れさせて構成してなる請求項3又は4に記載の加硫システム。
  6. シェーピング装置を、金型開閉ステーションに配設するとともに、この金型開閉ステーションに対して、タイヤを出し入れするタイヤ移載装置を設けてなる請求項1又は2に記載の加硫システム。
  7. 未加硫のタイヤを一時保管する未加硫タイヤ置台と、加硫済のタイヤを一時保管する加硫済タイヤ置台とを有する入出庫ステーションを設け、タイヤ移載装置を、これらの置台に対してタイヤを出し入れさせて構成するとともに、
    金型開閉ステーションを中心とする円形平面領域を二つの扇状部分に分割し、一方の扇状部分にそれぞれの加硫ステーションを配置し、他方の扇状部分に、タイヤ移載装置と、入出庫ステーションとを配置してなる請求項に記載の加硫システム。
  8. 加硫済のタイヤを一定の時間、一定の形状に保持して、後加硫処理を行う後加硫処理ステーションを設け、タイヤ移載装置を、後加硫処理ステーションに対してタイヤを出し入れさせて構成してなる請求項6又は7に記載の加硫システム。
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