JP4616563B2 - 真空吸着ツールスタンド - Google Patents
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Description
マグネチックスタンドは、磁力によって吸着力を発生する磁力吸着手段を備えたベースと、このベースの上面に設けられた支柱と、この支柱にそって上下動自在に設けられ測定器等を取付けるためのブラケットとを備えた構成である。
ブラケットに測定器(ダイヤルゲージ等)を固定し、ベースを工作機械、治具、載置台等に対して磁力によって吸着固定させ、この状態においてワーク等の測定作業を行う。
例えば、旋盤にワークをチャッキングする際、中心を出す必要がある。ダイヤルゲージをマグネチックスタンドに取付て、ワークの外周面に当てる場合、昔の旋盤は、おおむね磁性体(鉄等)で形成されていたのでマグネチックスタンドはどこにでも取付ることが可能であるが、現在の精密旋盤は、ベットなどが石定盤のものなどがあり、マグネットによる吸着方式では都合が悪い場合がある。
本発明の真空吸着ツールスタンドは、載置台上において、ダイヤルゲージ等の測定工具や、罫書き作業等を行う加工工具などの工具を、ワークに対して移動させながら、又は固定した状態で作業を行う際に用いられる。また、スタンドとは、台座となる部分と、これに設置された支柱とを備える構成に限られるものではなく、本発明の目的を達成できるものであれば形状、形態はどのようなものでもよい。
この発明では、ベースの載置台と対向する面にキャビティを備え、空気吸引孔から吸引手段(例えば吸引ポンプ)を用いてキャビティ内の空気を吸引し、載置台に対して真空吸着させるように構成されているから、ベースの底面に大きく設けられたキャビティが載置台に対して均一に安定して真空吸着し、測定中のがたつきや傾きを防止することができる。
この発明では、弁体の操作により、弁体がキャビティと空気吸引孔および大気開放孔との連通を遮断した状態からある位置に変位されると、第1の連通部を通じてキャビティと空気吸引孔とが連通される。これによって、キャビティ内の空気が外部に排出されて、載置台に対してベースが真空吸着される。このとき、キャビティと大気開放孔とは遮断された状態となっている。また、弁体の操作により、弁体が前述のある位置とは異なる他の位置に変位されると、第2の連通部を通じてキャビティと大気開放孔とが連通される。これによって、キャビティ内に空気が供給され、真空吸着状態が解除される。このとき、空気吸引孔とキャビティとは遮断された状態となっている。従って、弁体の位置をある位置、または他の位置に変位させるだけで、ベースを載置台に対して真空吸着状態(固定状態)、または、真空吸着解除状態(移動可能状態)に切り換えることができる。
この発明では、弁体は回動可能に設けられ、ベースから突出した操作部にはつまみが設けられている構成にしたので、つまみを掴んで回動操作を行うだけで、弁体をある位置または他の位置に容易に変位させることができる。
この発明では、弁体をベースの側面に設けたので、ベースの上面に余計な突起物が出ることを避け、作業の妨げとなることを防止することができる。また、ベース自体を磁性体で構成したので、このベースに既存のマグネチックスタンドを吸着させることができる。従って、磁性体でない載置台に対しても現行のマグネチックスタンドを使用することができるようになる。その際、前述のようにベースの上面に余計な突起物が出ないように構成したので、ベースの上面の平らな部分にマグネチックスタンドを取り付けることができるので、マグネチックスタンドを安定して従来と同じ姿勢で使用できる。
この発明では、ベースの底面から載置台に向けて圧縮空気を噴出する圧縮空気噴出手段を備えたので、ベースの底面と載置台との間に空気膜を形成することができ、ベースを載置台に対して一定の力で吸引した状態のまま、載置台上をスムーズに動かすことができる。また、バランス制御手段を設け、真空吸着手段による真空吸着力と、圧縮空気噴出手段による圧縮空気の噴出力とをコントロールすることで、ベースの底面と載置台との間に常に一定のギャップを保つように構成したので、載置台上を移動させている最中もベースの高さ位置が一定に保持される結果、測定等において高い作業精度を保障することができる。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の全体を示す斜視図である。
図2は、真空吸着ツールスタンド1の正面図、平面図および底面図である。
図3は、図2におけるIII−III線断面図である。
本発明の真空吸着ツールスタンド1は、載置台2上において、測定器3を、ワーク4に対して移動させながら、または固定した状態で作業を行う際に用いられる。
真空吸着ツールスタンド1は、載置台2上を移動可能に構成されたベース11と、このベース11に設けられ工具としての測定器3を固定するための工具取付手段12と、ベース11を載置台2に対して真空吸着させる真空吸着手段13と、真空吸着手段13による吸着状態および吸着解除状態を制御する制御手段14とを備えている。
(1)真空吸着手段13によって、載置台2に対してベース11を真空吸着状態とすることで、真空吸着ツールスタンド1を載置台2にしっかりと固定することができ、精度の高い測定等の作業を行うことができる。
(2)載置台2への固定方法に真空吸着を用いることで、載置台2の材質を選ぶことなく真空吸着ツールスタンド1を載置台2に対して固定することができる。
図5は、第2実施形態の平面図および側面図である。なお、第2実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した部分又は部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略する。
(6)ベース11aの側面に弁体16を設けたので、工具取付手段12aに余計な突起物が出ることを避け、作業の妨げとなることを防止することができる。
(7)ベース11aを磁性体で形成し、工具取付手段12aを平坦に形成したので、磁性体でない載置台2に対しても既存のマグネチックスタンドを従来の姿勢で吸着させることできる。
図7は、第3実施形態の正面図および底面図である。なお、第3実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した部分又は部材と同様な部材等については、同一符号を付して、その説明を省略する。第3実施形態は、第1実施形態に圧縮空気噴出手段17と、バランス制御手段18とが付加されている。
(8)ベース11の底面から、載置台2に向けて圧縮空気を噴出する空気噴出孔172を備えたので、ベース11の底面と、載置台2との間に空気膜を形成することができ、ベース11を載置台2に対して一定の力で吸引した状態のまま、載置台2上をスムーズに動かすことができる。
(9)バランス制御手段18を設けたので、作業内容に応じて、真空吸着力を空気噴出力より強くしてベース11の底面と、載置台2との間に形成された空気膜を無くして、載置台2に対して強く固定することができる。
(10)同様に、バランス制御手段18を設けたので、空気噴出孔172による圧縮空気の噴出力をコントロールすることで、ベース11の底面と載置台2との間に常に一定のギャップを保つことができ、載置台2上を移動させている最中もベース11の高さ位置が一定に保持される結果、測定等において高い作業精度を保障することができる。
前記実施形態では、弁体16は、回動させることで空気吸引孔132からキャビティ131までの連通および遮断、または大気開放孔15からキャビティ131までの連通および遮断を制御していたが、略円柱形状で回動によって操作するのではなく、例えば、略角柱形状で、弁体16の縦方向にスライドさせることで連通および遮断を制御する方法でもかまわない。
また、前記実施形態では、空気噴出孔172は2つ設けられていたが、これに限らず、例えば、4つ、6つ等バランスよく複数を配置する構成でもかまわない。
さらに、前記実施形態では、絞り溝173は、摺動面111を一周するように形成されているが、これに限らず、バランスよく摺動面111と載置台2との間に空気の膜を形成することができれば、例えば、二周、三周、と複数周、または一周しない程度に形成してもかまわない。
Claims (6)
- 載置台上を移動可能に構成されたベースと、
前記ベースを前記載置台に対して真空吸着させる真空吸着手段と、
前記真空吸着手段による吸着状態および吸着解除状態を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。 - 請求項1に記載の真空吸着ツールスタンドにおいて、
前記真空吸着手段は、前記ベースの前記載置台と対向する面に内部に向かって形成されたキャビティと、前記キャビティから空気を吸引するための空気吸引孔と、前記空気吸引孔から前記キャビティ内の空気を吸引する吸引手段とを備えていることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。 - 請求項2に記載の真空吸着ツールスタンドにおいて、
前記ベースには、大気開放孔が形成され、
前記制御手段は、前記キャビティと前記空気吸引孔および大気開放孔とを連通する通路に変位可能に設けられ前記キャビティと前記空気吸引孔および大気開放孔との連通を遮断する弁体と、前記弁体に形成され前記弁体が前記キャビティと前記空気吸引孔および前記大気開放孔との連通を遮断した状態からある位置に変位された際に前記キャビティと前記空気吸引孔とを連通する第1の連通部と、前記弁体に形成され前記弁体が前記の位置とは異なる他の位置に変位された際に前記キャビティと前記大気開放孔とを連通する第2の連通部とを備えることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。 - 請求項3に記載の真空吸着ツールスタンドにおいて、
前記弁体は、略円柱形状で前記ベースに回動自在に設けられ、かつ一部が前記ベースから突出した操作部を備えており、
前記操作部には、つまみが設けられていることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。 - 請求項3または請求項4に記載の真空吸着ツールスタンドにおいて、
前記弁体は、前記ベースの側面に設けられ、
前記ベースは、磁性体で形成されていることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の真空吸着ツールスタンドにおいて、
前記ベースの前記載置台と対向する面から前記載置台に向けて圧縮空気を噴出する圧縮空気噴出手段と、前記真空吸着手段によって前記ベースが載置台に対して吸着される真空吸着力と、前記圧縮空気噴出手段によって前記ベースが前記載置台から離反する方向へ押し上げられる空気噴出力とが一定となるように制御するバランス制御手段とを備えていることを特徴とする真空吸着ツールスタンド。
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