JP4615238B2 - レーザ加工装置 - Google Patents
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すなわち、請求項1に係るレーザ加工装置は、レーザ発振器から出力されたレーザ光を、結像レンズと、選択的に切替可能な倍率の異なる複数個の対物レンズのいずれかとを有する光学系を通してワークに照射して所定の被加工部を加工するレーザ加工装置であって、
前記複数の対物レンズをその光軸が前記結像レンズの光軸に平行となるように支持した可動体と、該可動体を支持し、かつ前記対物レンズが前記結像レンズの光軸を垂直に横切って互いに直交する二方向に移動するように前記可動体を案内する支持体と、前記可動体を前記二方向に移動させる移動手段と、該移動手段を作動させ、前記対物レンズを通してワークに結像されるレーザ光のスポット位置の移動を制御する制御装置であって、該制御装置は、前記結像レンズの光軸に垂直な面内において前記結像レンズの光軸の位置を原点とし、前記可動体の移動方向に平行な直角座標軸に関する前記複数個の対物レンズの予め設定した初期座標値に対して、前記移動手段によって、各対物レンズの待機位置から直角座標軸における前記初期座標値分の距離だけ各対物レンズを移動すると共に、後記画像処理部で処理した画像に基づいて各対物レンズの焦点位置が前記原点に一致するよう微移動させて各対物レンズにおける光軸の補正した座標値を前記初期座標値に代えて予め登録し且つ前記被加工部の加工に必要な倍率の対物レンズを選択して前記被加工部の中央に移動させ、その後、レーザ光のスポットが被加工部の加工開始位置から加工終了位置まで照射するように前記対物レンズを移動させるレーザ/対物レンズ移動制御部と、該レーザ/対物レンズ移動制御部において、前記各対物レンズの待機位置から直角座標軸における前記初期座標値分の距離だけ各対物レンズを移動させた位置から、各対物レンズの焦点位置と前記原点とのズレの画像を処理すると共に、被加工部の画像データを得る画像処理部と、前記直角座標軸における各対物レンズの夫々の前記補正した座標値に基づいて、前記複数個の対物レンズのうちの選択された対物レンズの光軸を前記原点に一致させた後、前記被加工部の画像データに基づいて前記移動手段による前記対物レンズの移動を制御する主制御部とを備えていることを特徴とする。
制御装置を動作させて移動手段を作動させ、該移動手段によって前記支持体に対して可
動体を前記光学系の光軸を垂直に横切る方向へ移動させることにより、前記可動体に支持した対物レンズを前記光学系の光軸に対して移動させ、前記レーザ発振器から出力され前記光学系を通してワークに照射されるレーザ光のスポット位置を微小移動させながら、ワークにおける所定の被加工部の加工を行う。
請求項1に係るレーザ加工装置によれば、制御装置により移動手段を作動させ、該移動手段によって支持体に対して可動体を光学系の光軸を垂直に横切る方向へ案内移動させることにより、前記可動体に支持した対物レンズを前記光学系の光軸に対して的確に移動させることができて、ワークに対するレーザ光のスポット位置を微小移動させることができるので、このレーザ光のスポット位置の移動により、ワークの被加工部分が電子回路基板における複雑な形状や微細な加工部分であっても、正確に加工することができて、無用な部分の加工を確実に避けることができる。しかも、ワークの加工に際して、レーザ光のスポットに対してワーク側や前記光学系を支持するレーザ加工ヘッド側を微小移動させる必要がないので、ワークに対するレーザ光のスポットの微小移動が容易、円滑であり、ワークのレーザ加工を円滑、迅速に行うことができる。また、fθレンズを用いないので、レーザ光のスポット径を小さくすることができる。
また、光学系の光軸の位置を原点とし可動体と可動支持体の移動方向に平行な直角座標軸に関する対物レンズの光軸の座標値にもとづいて前記対物レンズの移動が制御されるので、前記光学系の光軸に対する対物レンズの移動、位置決めを正確に行うことができて、ワークの微細な被加工部を精度良くレーザ加工することができる。
軸を垂直に横切る直角な二方向に個別に移動される可動支持体と可動体を介して対物レン
ズが移動されるので、該対物レンズの前記光学系の光軸に対する移動位置の自由度を高めめることができ、ワークの複雑な被加工部の形状に適切に対応してレーザ加工を行うことができる。
図1〜図4において、1は本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置を示す。このレーザ加工装置1は、レーザ電源2に接続されたレーザ発振器3と、一対の反射鏡4a,4bを有するレーザ光軸調整ミラー4と、レーザ発振器3から出力され、レーザ光軸調整ミラー4で光軸を調整されたレーザ光Rのビーム形状を整形するアパーチャー機構5と、結像レンズ6と対物レンズ7を有し前記アパーチャー機構5を通過したレーザ光Rを電子回路基板(ワーク)W上に結像させる光学系8とを備えている。前記アパーチャー機構5は、特願2003−430071号明細書に記載されたアパーチャー機構に示されるように、スリット5c,5dの間隔を調整自在とした一組のスリット板5a,5bをレーザ光軸Lに直交させ、レーザ光軸Lの方向(Z軸方向z、図1で上下方向)に位置をずらして配置すると共に、上下のスリット5c,5dの方向を交差角を調節可能に交差させて設けてなり、上下のスリット5c,5dが重ね合わせて得られる合成スリットの形状によって前記レーザ光Rのビーム形状を整形するようになっている。
すなわち、図2〜図4に示すように、前記結像レンズ6とハーフミラー10を設けた上部鏡胴21の上方に、アパーチャー機構5を設けたビーム形状整形器22とレーザ光軸調整ミラー4を設けた光軸調節器23を下から順に配置すると共に、前記上部鏡胴21の下部には、前記ハーフミラー10を有し、下端に前記対物レンズ7を支持したレンズ移動装置24を設けた下部鏡胴25が接続されている。また、前記上部鏡胴21のX軸方向xの一側部に、前記第3ハーフミラー11とCCDカメラ12とCCD13とを設けたT字状の撮像鏡胴26が接続され、また、前記下部鏡胴25における前記撮像鏡胴26と反対側の側部には、前記レンズ14,17、反射ミラー15、照明用光ファイバ16を設けたL字状の照明鏡胴27が接続されている。
前記Z軸スライダ37の下端には、X軸方向xの両端側に位置して設けた軸受部材49a,49bにボールねじ軸50が支持され、該ボールねじ軸50に前記可動体48に固定したボールナット51が螺合され、前記一方の軸受部材49bに固定したX軸サーボモータ52による前記ボールねじ軸50の回転により、前記X軸スライダ44がX軸方向xに移動されるようになっており、前記X軸スライダ44のX軸方向xの位置はリニアエンコーダー62で検出される。また、前記X軸スライダ44の一端側(図3、図4で左端側)には、Y軸方向yの両端側(図4で上、下端側)に位置して設けた軸受部材53a,53bにボールねじ軸54が支持され、該ボールねじ軸54に前記Y軸スライダ46に固定したボールナット55が螺合され、一方の軸受部材53aに固定したY軸サーボモータ56による前記ボールねじ軸54の回転により、前記Y軸スライダ46がY軸方向yに移動されるようになっており、該Y軸スライダ46のY軸方向yの位置はリニアエンコーダー63で検出される。
前記X軸スライダ44には、前記対物レンズ7a〜7dの各光軸に対応する位置に、レーザ光Rを通過させる穴が開けられている。該穴は対物レンズ7の口径よりやや大きい寸法を有し、該穴径は対物レンズ7の口径の2倍の寸法より大きくするのが望ましいが、これに限らない。また、前記案内板43の中央部分には前記光学系8の光軸Lの位置に一致させ、レーザ光Rと照明光の光束を穴壁に干渉させずに通過させる所定大きさの貫通穴が開けられている。
なお、各対物レンズ7a,7b,7c,7dの倍率は、例えば、それぞれ、順に5倍、20倍、50倍、100倍に設定されている。
前記制御コンピュータ61は、前記レーザ電源2と前記モータドライバ60に接続されたレーザ/対物レンズ移動制御部61aと、前記CCDカメラ12に接続され、該CCDカメラ12が前記ワークWからの反射光によってワークWの表面における欠陥部等(被加工部)の形状等を撮像して得られた画像を演算処理して所要の画像データを得る画像処理部61bと、前記画像処理部61bで得られた画像データ等を表示する表示器61cと、前記画像処理部61bから得られた画像データにもとづいて所要の演算をして、その演算結果により前記レーザ/対物レンズ移動制御部61aに指令して前記モータドライバ60によって前記X、Y、Z軸サーボモータ52,56,42、前記テーブル駆動手段に所要の動作を行わせたり、前記画像処理部61bから得られた画像データをメモリ(図示せず)に記憶させたり、前記表示部61cに画像を表示させる主制御部61dと、必要な指令を設定入力するキーボード等の入力手段61eと、前記CCDカメラ12の動作プログラム、前記入力手段61eで入力された各種設定数値や前記主制御部61dで得られたデータ等が登録される主メモリ等(図示せず)とを備えている。
レーザ加工装置1の対物レンズ7の倍率変換とレーザ光Rのスポットの移動による加工に際して、各対物レンズ7a〜7dを、それらの光軸が前記光学系8の光軸Lに正しく一致する位置と、それからX,Y軸方向x、yの一方へ離れた待機位置(原位置)との間で正確に往復移動、位置決めさせるために、前記光軸Lの位置を原点とし前記X、Y軸方向x、yに沿う直角座標軸(X,Y座標軸)に関する前記待機位置における対物レンズ7の光軸の座標値を採取するティーチング動作を行う。
先ず、前記X、Y軸サーボモータ52,56を原点復帰させ(ステップS1)た後、任意の対物レンズ(低倍率の対物レンズが望ましい)7を前記X、Y軸サーボモータ52,56によって結像レンズ6の光軸Lの近辺に移動させ、前記テーブル19の上に、ワークWの代わりに、図8に示すようなティーチング用十字マーク基板(以下、単に「マーク基板」という)Mを載置して、照明器用投光器から光ファイバ16、レンズ17、反射ミラー15、レンズ14、ハーフミラー10および任意の対物レンズ(低倍率の対物レンズが望ましい)7を介して照明光を前記マーク基板Mに照射しながら、その反射光によってマーク基板Mに記した十字マークmの角部である基準点m1を前記CCDカメラ12で撮像表示させた像を見ながら、測定者が前記テーブル19上の前記マーク基板Mを、前記基準点m1の像が最も良く見える光学系8の光軸L下(結像レンズ6の光軸下)の位置にセットする(ステップS2)。
先ず、前記制御コンピュータ61を動作させると、前記モータドライバ60によって図示しない前記テーブル駆動手段が作動して、ワークWとレーザ加工ヘッド20とが相対的にX,Y軸方向x、yへ移動されて、レーザ加工ヘッド20の光学系8の光軸Lの位置が、予め検査装置によって発見されて測定された、例えば、図9に示すように、ワークWの配線w1の欠陥部(短絡部)w1aの中央位置まで移動される。そして、前記欠陥部w1aの形状、大きさに応じてその加工に必要な倍率の対物レンズ7が選択されて交換される。
以下、同様にして必要な倍率の対物レンズを光学系8の光軸Lの位置へ交換移動させた後に、ワークWの所定の欠陥部w1aの加工を行うことができる。なお、対物レンズ7の交換を行ったときのワークWの表面への焦点合わせは、前記Z軸サーボモータ42を作動させてZ軸スライダ37をスライドベース36に対してZ軸方向zへ移動調節して行う。
また、実施の形態に係るレーザ加工装置は1によれば、前記制御装置61が、前記光学系8の光軸Lの位置を原点とし前記X軸スライダ44とY軸スライダ46の移動方向に平行な直角座標軸(X,Y座標軸)に関する前記対物レンズ7の待機位置における光軸の座標値を予め登録しておき、前記直角座標軸における対物レンズ7の光軸の座標値にもとづいて前記第1、第2の移動手段57,58を作動させて前記対物レンズ7の移動を制御する構成としたので、前記光学系8の光軸Lに対する対物レンズ7の移動、位置決めを正確に行うことができて、ワークの微細な被加工部を精度良くレーザ加工することができる。
また、前記第1、第2、第3移動手段57,58,59を、サーボモータ52,56,42と該サーボモータ52,56,42によって駆動されるボールねじ機構とからなる構成としたので、サーボモ−タ52,56,42の回転をボールねじ機構を介して円滑に直線運動に変換して、Y軸スライダ46の移動を円滑に行うことができ、対物レンズ7の移動、位置決めを一層正確に行うことができる。
また、リニアエンコーダ62,63に代えて、図1に破線で示すように、サーボモータ52,56の軸端に取り付けられたロータリエンコーダ52a,56aを用いてもよい。
2 レーザ電源
3 レーザ発振器
6 結像レンズ
7 対物レンズ
12 CCDカメラ(撮像手段)
19 テーブル
20 レーザ加工ヘッド
21 上部鏡胴(鏡胴)
24 レンズ移動装置
25 下部鏡胴(鏡胴)
35 Z軸案内レール
36 スライドベース
37 Z軸スライダ
42 Z軸サーボモータ
43 案内板(ベース体)
44 X軸スライダ(可動支持体)
45 Y軸案内レール
46 Y軸スライダ(可動体)
47 X軸案内レール
52 X軸サーボモータ
56 Y軸サーボモータ
57、58,59 X,Y,Z軸移動手段(第1、第2、第3の移動手段)
60 モータドライバ
61 制御コンピュータ(制御装置)
61a レーザ/対物レンズ移動制御部
61b 画像処理部
61c 表示部
61d 主制御部
L レーザ光軸
M ティーチング用マーク基板(マーク基板)
m1 基準点
R レーザ光
W ワーク
Claims (2)
- レーザ発振器から出力されたレーザ光を、結像レンズと、選択的に切替可能な倍率の異なる複数個の対物レンズのいずれかとを有する光学系を通してワークに照射して所定の被加工部を加工するレーザ加工装置であって、
前記複数の対物レンズをその光軸が前記結像レンズの光軸に平行となるように支持した可動体と、
該可動体を支持し、かつ前記対物レンズが前記結像レンズの光軸を垂直に横切って互いに直交する二方向に移動するように前記可動体を案内する支持体と、
前記可動体を前記二方向に移動させる移動手段と、
該移動手段を作動させ、前記対物レンズを通してワークに結像されるレーザ光のスポット位置の移動を制御する制御装置であって、該制御装置は、
前記結像レンズの光軸に垂直な面内において前記結像レンズの光軸の位置を原点とし、前記可動体の移動方向に平行な直角座標軸に関する前記複数個の対物レンズの予め設定した初期座標値に対して、前記移動手段によって、各対物レンズの待機位置から直角座標軸における前記初期座標値分の距離だけ各対物レンズを移動すると共に、後記画像処理部で処理した画像に基づいて各対物レンズの焦点位置が前記原点に一致するよう微移動させて各対物レンズにおける光軸の補正した座標値を前記初期座標値に代えて予め登録し且つ前記被加工部の加工に必要な倍率の対物レンズを選択して前記被加工部の中央に移動させ、その後、レーザ光のスポットが被加工部の加工開始位置から加工終了位置まで照射するように前記対物レンズを移動させるレーザ/対物レンズ移動制御部と、
該レーザ/対物レンズ移動制御部において、前記各対物レンズの待機位置から直角座標軸における前記初期座標値分の距離だけ各対物レンズを移動させた位置から、各対物レンズの焦点位置と前記原点とのズレの画像を処理すると共に、被加工部の画像データを得る画像処理部と、
前記直角座標軸における各対物レンズの夫々の前記補正した座標値に基づいて、前記複数個の対物レンズのうちの選択された対物レンズの光軸を前記原点に一致させた後、前記被加工部の画像データに基づいて前記移動手段による前記対物レンズの移動を制御する主制御部とを備えていることを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記支持体は、前記光学系の光軸方向のみに移動するベース体と、該ベース体に対して前記光学系の光軸を垂直に横切る一方向に移動する可動支持体とを備え、前記可動体が該可動支持体にその移動方向に直角な方向に移動自在に支持されており、また、前記移動手段は、前記可動支持体を前記ベース体に対して移動させる第1の移動手段と、前記可動支持体に対して前記可動体を移動させる第2の移動手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
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