JP4614759B2 - 自動製氷機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば横または下向きに開口する製氷小室を有する製氷室に、製氷小室の開口を閉成した水皿から製氷水を噴射供給して氷塊を製造し、生成された氷塊を、製氷室に対して離間する方向に前記水皿を傾動することで落下放出するよう構成した自動製氷機に関するものである。
下向きに開口する多数の製氷小室に製氷水を下方から噴射供給して、氷塊を連続的に製造する噴射式の自動製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房において好適に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
図8または図9に示すように、自動製氷機には、全体が略箱形の筐体10の内部に、所要形状の貯氷室11が画成されると共に、該筐体10の内部上方には、製氷室16,水皿24および製氷水タンク28等からなる製氷機構12が配設されている。具体的には、前記筐体10の頂部に水平に配置した取付枠15の下方に、下向きに開口する多数の製氷小室21を画成した製氷室16が固定支持され、この製氷室16の上面に、図示しない冷凍系に連通する蒸発器22が密着的に蛇行配置され、製氷運転時に冷媒を循環させて前記製氷小室21を強制冷却するようになっている。また前記製氷室16の直下には、製氷水を貯留する製氷水タンク28を下方に一体的に備えた水皿24が、枢支軸(図示せず)により片持式に傾動可能に枢支され、アクチュエータモータAM、カム34,35やコイルばね36,36等からなる水皿傾動機構30により付勢されて、枢支軸を中心として傾動して前記製氷小室21(製氷室16)を下方から閉成する閉成位置と、下方に傾動して製氷小室21(製氷室16)を開放する開放位置との間を傾動するよう構成される。更に、前記製氷水タンク28の底部外方には、ポンプモータPMが取付けられ、このポンプモータPMにより吸入された製氷水は、前記水皿24に吐出供給されると共に、この水皿24に穿設した各噴水孔26から、前記製氷小室21内に対応的に噴射供給されるようになっている。なお、図8に示す前記水皿24は、筐体10の前後方向に延在する枢支軸により左端部が片持式に枢支され、右端部側が上下方向に傾動するよう構成してある。
前記水皿24の枢支側と反対の開放端部(右端部)に近接する取付枠15の下面には、図9に示すように、前記筐体10の前後方向に所要間隔離間して一対の軸受31,31が垂下固定され、これら両軸受31,31に共通的に長尺のカムシャフト32が挿通軸支されている。前記カムシャフト32には、その前方に指向する一端部に第1カム34が連結されると共に、後方に指向する他端部に第2カム35が連結されている。また取付枠15の前面には、前記第1カム34を上方から覆うように、下方に開放するコ字状に形成された取付部材23が配設される。更に、前記取付部材23の前面には、ギヤードモータに代表される正逆回転可能なアクチュエータモータAMが取付けられ、該モータAMにより前記カムシャフト32が正逆回転するようになっている。
前記カム34,35は、前記カムシャフト32の半径方向に延出するアーム34a,35aを夫々備え、該アーム34a,35aの各先端部に突設したピン37,37と、前記水皿24の対応する両端部に突設したピン25,25との間にコイルばね36,36が弾力的に介装され、常には水皿24を水平な閉成位置に引上げて、前記製氷室16を下方から閉成保持している。また両カム34,35のカム面は、水皿24の上面と当接可能になっており、除氷運転時には前記アクチュエータモータAMが回転して水皿24を下方に傾動させ、この水皿24と前記製氷室16との当接状態を強制的に解除するよう構成される。
前記取付枠15の取付部材23が配設される前板には、前記第1カム34に突設された切替アーム34bにより切り替えられて水皿24の傾動終了を検知する切替スイッチ40が後側から取付けられ、前板から前方に延出するトグルレバー40aを、第1カム34のアーム34aおよび切替アーム34bの回動軌跡に臨ませている。すなわち、製氷運転が終了して除氷運転に移行した際に、前記水皿24が所要角度回動した際に切替スイッチ40のトグルレバー40aが第1カム34の切替アーム34bにより切り替えられ、アクチュエータモータAMが停止して水皿24の傾動を開放位置で停止するよう構成される。そして、除氷運転により製氷小室21から落下した氷塊は、開放位置に臨む水皿24の傾斜面上を滑落し、前記貯氷室11内に貯蔵される。また製氷小室21から氷塊が放出されると、前記アクチュエータモータAMが逆回転して水皿24を閉成位置に復帰させ、製氷小室21を再び下方から閉成する。このとき前記切替スイッチ40のトグルレバー40aが第1カム34のアーム34aにより切替えられ、アクチュエータモータAMが停止して水皿24の傾動が停止される。
特開2000−205715号公報
ところで、前記水皿24の傾動停止については、前記切替スイッチ40のトグルレバー40aを、第1カム34に突設したアーム34aおよび切替アーム34bで変位させることで切替えている。すなわち、取付枠15への切替スイッチ40の取付位置が調整不足であったり、製氷室16と水皿24との位置関係がずれてしまったり、あるいはアクチュエータモータAMの経時的な劣化等に起因して切替スイッチ40の停止信号を受けてから該モータAMが停止するまで遅れることに起因してオーバーランしたアーム34aおよび切替アーム34bが、トグルレバー40aを折曲げてしまうおそれが指摘される。トグルレバー40aが折れ曲がってしまうと、各アーム34a,34bによるトグルレバー40aの切替が正常に行なえず、水皿24が完全に閉成されないまま製氷運転がなされて製氷不良が引き起こされると共に、水皿24が完全に開放されないまま除氷運転がなされて除氷不良が引き起こされる問題を招く。従って、製氷室16から除氷が完全にされないのに水皿24が閉成した場合、製氷室16や水皿24等の製氷機構12自体を破損してしまうおそれがある。
また、トグルレバー40aが折れ曲がった場合には、製氷機構12に悪い影響を及ぼす前に、切替スイッチ40を取替える作業が必要となるが、自動製氷機の設置場所においては作業スペースの確保等の取替作業上の制約が多く手間がかかると共に、切替スイッチ40を適切な位置に調節することが難しかった。
すなわちこの発明は、従来の技術に係る自動製氷機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、水皿の傾動動作を停止する切替手段の信頼性を向上することで、製氷室に対する水皿の開放および閉成を的確に実施し得る自動製氷機を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る自動製氷機は、
一方に開口する多数の製氷小室を有する製氷室と、この製氷室における製氷小室の開口側に対向して傾動可能に枢支した水皿と、前記水皿に連繋されたアクチュエータモータとからなり、前記アクチュエータモータを正逆方向に回転することで、前記水皿を製氷小室の閉成位置および開放位置の間で傾動させるようにした自動製氷機において、
前記アクチュエータモータの回転に伴って回動する回転体に配設された被検知物と、
前記回転体を収容するカバーの内側に配設され、前記回転体における回転軸方向の一方の端面に非接触で対向する基板と、
前記基板における回転体の前記一方の端面と対向する面に配設され、前記被検知物を非接触で検知する検知手段とを備え、
前記被検知物または検知手段の何れか一方の配設数を1つに設定すると共に、他方を前記回転体の回転方向に所定角度だけ離間して複数配置し、
前記アクチュエータモータの回転時に、前記検知手段が被検知物を検知すると該アクチュエータモータを停止するよう構成したことを特徴とする。
本願の請求項1の発明に係る自動製氷機によれば、被検知物を減速機構を構成する所定の歯車に配設すると共に、該被検知物を非接触で検知する検知手段を該減速機構を覆うカバーの内側に配置し、被検知物または検知手段の何れか一方の配設数を1つに設定すると共に、他方を所定の歯車の回転方向に所定角度だけ離間して複数配置し、アクチュエータモータの回転時に、検知手段が被検知物を検知するとアクチュエータモータを停止するよう構成したから、複数配設した他方の配設角度に応じて水皿の傾動角度を規定し得る。すなわち、水皿を閉成位置および開放位置で精度良く確実に停止させることができる。また所定の歯車に設けた被検知物と検知手段との位置関係は当初の設定位置からずれることがないから、被検知物および検知手段と水皿等との間で位置関係を調節する必要がなく、メンテナンスの手間を省くことができる。更に、被検知物の到来を機械的なレバー等のスイッチ機構によらず非接触状態で検知するようにしたから、水皿を停止する手段としての信頼性が向上する。請求項2の発明によれば、被検知物として永久磁石を採用すると共に、検知手段として磁気センサを採用することで、結露等により検知精度が低下することがない。
次に、本発明に係る自動製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例の自動製氷機は、従来例で説明したアクチュエータモータに、前述した切替スイッチに換えて非接触型の切替手段を設ける構成であるので、説明の便宜上、図8または図9に示した自動製氷機の構成要素と同一の要素については、同一の符号を使用して詳細な説明は省略し、異なる部分のみ説明する。また製氷機構において、アクチュエータモータを配設した側を前側とし、水皿は筐体の前後方向に延在する枢支軸により前側から見て左端部が片持式に枢支され、右端部側が上下方向に傾動するようになっている。実施例では、下方に開放した製氷小室を備えた製氷室に対して下方から水皿が接離する構成であるが、クローズセルタイプの製氷機構であれば、横方向に開放した製氷小室を備えた製氷室に対して横方向から水皿が接離する縦型のものにも、本発明の切替手段を適用し得る。
図1〜図4に示すように、実施例に係る製氷機の製氷機構13は、貯氷室11内に水平に配置した製氷板18の下面(一面)に仕切板20が縦横に配設されて、下方(製氷板18から離間する側)に開口する複数の製氷小室21が碁盤目状に画成された製氷室16と、この製氷板18の上面(他面)に蛇行状に配設され、図示しない冷凍系から到来する冷媒またはホットガスが流通する蒸発器22と、該製氷室16の下方(製氷小室21の開口に臨む側)に配設され、該製氷小室21を閉成する閉成位置および製氷小室21を開放する開放位置に傾動可能な水皿24と、この水皿24を上下に傾動する水皿傾動機構30とから基本的に構成されている。そして、製氷運転において、水皿24で製氷室16を閉成した閉成位置で前記蒸発器22に供給された冷媒により製氷室16が強制冷却されると共に、水皿24に一体的に設けた製氷水タンク28に貯留された製氷水がポンプモータPMで水皿24に圧送され、該水皿24の噴水孔26から製氷小室21に対して噴射供給された製氷水を氷結して製氷小室21に氷塊を生成する(図1または図3参照)。また除氷運転において、前記水皿24の左端部に設けられた枢支軸29を中心として、前記水皿傾動機構30により該水皿24が下方に傾動されて製氷小室21を開放する開放位置に変位すると共に、前記蒸発器22に供給されたホットガスにより製氷室16を加温して、製氷小室21と氷塊との氷結面を融解して氷塊群を自重により落下させるようになっている(図2または図4参照)。なお、実施例では、前記製氷室16と水皿24との間に若干の隙間を空けて、この隙間に氷層を生成して、この氷層により氷塊の下端部を連結して氷塊群として放出するように構成される。
前記水皿傾動機構30は、前記水皿24の枢支側と反対の開放端部(右端部)に近接する取付枠15の下面に、前記筐体10の前後方向に所要間隔離間して垂設した一対の軸受31,31に共通的に軸支したカムシャフト32と、このカムシャフト32の前後の端部に夫々連結した一対のカム42,42と、各カム42の半径方向に延出するアーム42aの先端部と水皿24の開放端部とを弾性的に接続するコイルばね36,36と、カムシャフト32を回動させるアクチュエータモータAMと、水皿24の傾動を停止する切替手段50とから構成されている。前記アクチュエータモータAMは、カムシャフト32の前端側に配設したカム42を上方から覆うように取付枠15の前面に取付けた取付部材23の前側に配設され、該モータAMによりカムシャフト32が正逆回転されるようになっている。前記一対のカム42,42はおおよそ対称的な形状であって、前記アクチュエータモータAMによるカムシャフト32の回動に伴って正逆方向に回動すると共に、閉成位置ではアーム42a,42aの先端部が上方に位置することでコイルばね36,36を介して水皿24を上方に弾力的に引張り上げて水皿24で製氷小室21を閉成し、製氷運転中に亘って閉成状態が保持される。これに対して、開放位置ではカム42,42が図1における反時計回りに回動してアーム42a,42aの先端部が下方に変位することで水皿24が下方に傾動して、製氷小室21が開放されて除氷運転において氷塊群の離脱を許容するようになっている。
前記アクチュエータモータAMは、モータボックス44に収容したロータ等のモータ本体(図示せず)と、ギヤカバー(カバー)46に収容し、歯車を組合わせて構成した減速機構48とからなり、モータ本体の回転が減速機構48で所定の回転数に調節されて、カムシャフト32に伝達されるようになっている。すなわち、アクチュエータモータAMに通電すると、モータ本体の回転は、減速機構48を構成する最初の減速段の歯車に伝達されて、減速機構48を構成する各歯車を伝達される過程で所定の回転数に減速されて、最終減速段の歯車(所定の歯車)48aに同軸的に連結したカムシャフト32が回動される。また前記アクチュエータモータAMは、図示しない制御手段の制御下に正逆方向に回転可能に構成され、該制御手段が前記切替手段50から信号を受取ると停止するよう制御される。
前記切替手段50は、前記最終減速段目の歯車(以下、最終歯車と云う)48aに1つ配設された永久磁石(被検知物)52と、前記最終歯車48aの端面に対向して軸方向に所定間隔離間させて配置した基板54と、この基板54に配設した一対の磁気センサ(検知手段)56A,56Bとから構成される。前記永久磁石52は、最終歯車48aにおいて軸心から半径方向外側へ所要間隔離間した位置に埋め込まれて該最終歯車48aの前端面から前方に臨み、モータ本体の回転による最終歯車48aの回動につれて正逆方向に回動するようになっている。前記基板54は、前記最終歯車48aの前端面に対向して、該前端面から離間した状態でギヤカバー46の内側に固定され、少なくとも前記永久磁石52の回動軌跡の前方に臨む位置に延在している。前記一対の磁気センサ56A,56Bは、基板54における永久磁石52の回動軌跡に対向する位置であって、同一半径の回転軌跡上に前記水皿24における閉成位置と開放位置との間の傾動角度に応じた所要角度だけ、永久磁石52の回動方向に沿って離間して配置されている。実施例では、前記一対の磁気センサ56A,56Bが所要角度(例えば135°程度)だけ離間して上下の関係で離間して基板54に配設され、水皿24の閉成位置において下方に位置する第1磁気センサ(一方の磁気センサ)56Aに永久磁石52が臨むと共に、水皿24の開放位置において上方に位置する第2磁気センサ(他方の磁気センサ)56Bに永久磁石52が臨むように設定される(図1または図2参照)。また、前記基板54にはんだ付け等で固定した磁気センサ56A,56Bは、制御手段に電気的に接続されて、磁気センサ56A,56Bからの信号が制御手段に夫々入力されるよう構成される。
前記切替手段50は、アクチュエータモータAMの回転時に最終歯車48aが回動して永久磁石52が各磁気センサ56A,56Bに相対し、該磁気センサ56A,56Bが非接触下に該永久磁石52の磁力を検知すると、前記制御手段に対して検知信号を出力するように構成されている。そして、前記磁気センサ56A,56Bの検知信号を受取った制御手段は、アクチュエータモータAMを停止するよう制御している。すなわち、一対の磁気センサ56A,56Bの基板54における配設位置により水皿24の閉成位置および開放位置が規定されると共に、両センサ56A,56Bの離間角度によって水皿24の傾動角度が設定される。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る自動製氷機の作用について説明する。製氷運転に際して、前記製氷室16は水皿24で閉成された状態で、前記蒸発器22に冷媒が供給されて該製氷室16が冷却され、該水皿24の噴水孔26から噴射供給された製氷水が製氷小室21内で層状に氷結してゆく。ここで前記水皿24の閉成位置では、前記永久磁石52が最終歯車48aの端面における下側に位置して、下側の第1磁気センサ56Aに相対している(図1または図3参照)。前記製氷小室21に氷塊が生成されると除氷運転に切り替わり、前記アクチュエータモータAMが回転される。このアクチュエータモータAMのモータ本体に通電されると該モータ本体の回転が減速機構48に伝達されて、該減速機構48の最終歯車48aが図1における反時計回りに回動し、減速機構48を構成する各歯車を伝達することで所要の回転数に調節された回転が最終歯車48aに連結したカムシャフト32に伝達されて反時計回りに回動を開始する。同時に、冷凍系の弁が切り替わってホットガスが蒸発器22に供給されて前記製氷室16が加温され、該製氷室16と氷塊との氷結面が融解し始める。また、前記カムシャフト32の回動に伴ってカム42,42が反時計回りに回動して、該カム42,42に押圧されて水皿24と氷塊とが剥離して、前記枢支軸29を傾動中心として該水皿24が下方へ向けて傾動を開始する。
前記アクチュエータモータAMの回転につれて最終歯車48aが回動して、永久磁石52が第2磁気センサ56Bに相対する位置に到来すると、第2磁気センサ56Bが永久磁石52の磁気を検知することで、検知信号が制御手段に対して出力される。第2磁気センサ56Bから検知信号が入力されることで、制御手段は水皿24が開放位置に到来したと判断して、直ちにモータ本体への通電を遮断してアクチュエータモータAMを停止する。そして、前記ホットガスの作用で製氷室16と氷塊群との氷結状態は解除され、開放状態の水皿24の上面を滑落して前記貯氷室11に放出貯留される。
次いで例えば、図示しないサーミスタが設定温度を検知すると、氷塊群の放出が完了したと判断され、前記アクチュエータモータAMが逆回転して、開放位置にあった水皿24が製氷室16を閉成する方向(上方)に傾動する。アクチュエータモータAMの逆回転につれて最終歯車48aが逆方向に回動して、第2磁気センサ56Bに相対していた永久磁石52が図1における時計回りに回動して、第1磁気センサ56Aに相対する位置に到来すると、第1磁気センサ56Aが永久磁石52の磁気を検知することで、検知信号が制御手段に対して出力される。第1磁気センサ56Aから検知信号が入力されることで、制御手段は水皿24が閉成位置に到来したと判断して、直ちにモータ本体への通電を遮断してアクチュエータモータAMを停止して、次回の製氷運転に備える。
このように、アクチュエータモータAMの停止制御について、カムシャフト32に連結した最終歯車48aに設けた永久磁石52を一対の磁気センサ56A,56Bにより検知することに基づいた切替手段50で実施するものであって、該切替手段50は接触またはスイッチの切替等の機械的な動作を伴う手段によらないから、応答速度および検知精度に優れ、永久磁石52の到来と同時にアクチュエータモータAMを停止し得るので、水皿24を閉成位置および開放位置で精度良く確実に停止させることができる。また、アクチュエータモータAMは、一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度だけ最終歯車48aが回動した際に確実に停止されると共に、最終歯車48aに設けた永久磁石52と磁気センサ56A,56Bとの位置関係は当初の設定位置からずれることがないから、水皿24の傾動角度が一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度により規定されて、常に一定にすることができる。更に水皿24の傾動角度は、一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度により規定し得るから、切替手段50と水皿24等との間で位置関係を調節する必要がなく、製造時の調節の手間を軽減し得る。前記切替手段50は、被検知物として採用した永久磁石52と、これに対応して検知手段として採用した一対の磁気センサ56A,56Bとの組合わせであって、磁気センサ56A,56Bは永久磁石52の磁気を検知する非接触による検知方法であるから、アクチュエータモータAMの経時的な劣化等に起因して該モータAMがオーバーランしても切替手段50自体が破損することなく、水皿24の傾動停止を制御する手段として高い信頼性を奏する。
すなわち、前記切替手段50を採用することで、閉成位置および開放位置において水皿24が製氷室16に対して位置ずれすることに起因する製氷不良や除氷不良を防止して、氷噛み等による製氷機構13の破損等のトラブルを回避し得る。従って、自動製氷機を設置した後に、切替手段50の不良によるトラブルの発生を抑制し得ると共に、自動製氷機の設置場所において切替手段50と水皿24等との位置関係を調節する必要がないから、メンテナンスの手間を軽減し得る。また前記切替手段50は、減速機構48と共にギヤカバー46に収納されているから、筐体10内の多湿雰囲気等の環境によっても、切替手段50の誤作動や経時的な劣化を抑制し得るので、更に高い信頼性を示すと共に、メンテナンスの手間を省くことができる。しかも切替手段50は、磁気センサ56A,56Bと永久磁石52との組み合わせとすることで、例えば磁気センサ56A,56Bや永久磁石にほこりが付着したり、あるいは結露が生じたとしても、検知精度が低下することがなく、切替手段50を前記ギヤカバー46に収納する効果と相まって寿命を向上し得る。
なお実施例では、一対の磁気センサ56A,56Bで水皿24の傾動動作の停止を制御する構成であるが、これに限定されず、3個以上の磁気センサ56を設けたものであってもよい。例えば、永久磁石52の第1磁気センサ56Aから第2磁気センサ56Bへ向けての回動方向において、該第2磁気センサ56Bを越えた位置に別の磁気センサ56を配設することで、別の磁気センサ56による永久磁石52の検知信号が出力されると、アクチュエータモータAMの経時的な劣化等に起因して切替手段50の検知信号を受けてから該モータAMが停止するまで遅れていると判断して、アクチュエータモータAMの交換を促すことができる。また、実施例では永久磁石52を1つ配設すると共に磁気センサ56A,56Bを複数(一対)配置したが、永久磁石を最終歯車48aの回転方向に所定角度だけ離間して一対配設し、基板54に磁気センサを1つ配置する構成も採用し得る。
(変更例)
図5は、変更例に係る自動製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す正面図である。実施例では、永久磁石52を設けた最終歯車48aに対向配置した基板54に所定角度だけ離間して配設した一対の磁気センサ56A,56Bにより、閉成位置および開放位置において水皿24の傾動動作の停止を制御する構成であるが、変更例では第1磁気センサ56Aと第2磁気センサ56Bとの間に、検知手段として第3磁気センサ56Cを配設している。そして、水皿24の傾動を第2磁気センサ56Bの検知による製氷水タンク28に残留した製氷残水を完全に排出し得る開放位置で停止する態様だけでなく、第3磁気センサ56Cの検知による水皿24の傾動角度が開放位置より小さい半開放位置でも停止し得るよう第2の切替手段60を構成してある。なお、変更例の自動製氷機の基本的な構成は、実施例で説明した自動製氷機と同一であるので、同じ部材には同一符号を付すと共に、異なる構成のみ説明する。
変更例の自動製氷機は、最終歯車48aに配設されて水皿24の傾動に伴って回動する永久磁石52と、水皿24が開放位置または半開放位置から閉成位置まで傾動したことを永久磁石52の到来により検知する第1磁気センサ56Aと、水皿24が閉成位置から開放位置まで傾動したことを永久磁石52の到来により検知する第2磁気センサ56Bと、水皿24が閉成位置から半開放位置まで傾動したことを永久磁石52の到来により検知する第3磁気センサ56Cとからなる第2の切替手段60を備えている。前記第3磁気センサ56Cは、永久磁石52を設けた最終歯車48aに対向配置した基板54に、水皿24の閉成位置および開放位置に対応して所定角度だけ離間して配設した一対の磁気センサ56A,56Bの間であって、水皿24の開放に伴って永久磁石52が第1磁気センサ56Aから第2磁気センサ56Bへ向けて変位する回動軌跡上に位置して配設されている。ここで、第1磁気センサ56Aと第3磁気センサ56Cとの配設角度は、第3磁気センサ56Cによる永久磁石52の検知に基づいて停止される水皿24の傾動角度が、製氷完了時に製氷水タンク28の内部に残留した製氷残水をある程度残存し得る半開放位置で停止するように設定され、製氷水タンク28に残留した製氷残水を完全に排出し得る開放位置での傾動角度より小さくなるよう設定されている。
また、各磁気センサ56A,56B,56Cからの検知信号を受取って、アクチュエータモータAMを停止するよう制御する制御手段には、第3磁気センサ56Cからの検知信号の入力回数(水皿24の閉成位置から半開放位置までの傾動回数)をカウントするカウント手段と、カウント手段で計数する入力回数を予め設定する回数設定手段とを備えている。そして制御手段は、前記水皿24の開放に際して、カウント手段における第3磁気センサ56Cからの検知信号の入力回数が、回数設定手段で予め設定した回数に達するまでは、第3磁気センサ56Cの検知信号に基づいて半開放位置で水皿24の傾動を停止するよう制御し、カウント手段の入力回数が設定回数に達すると、第3磁気センサ56Cの検知信号の検知時点でなく、第2磁気センサ56Bの検知信号に基づいて、開放位置で水皿24の傾動を停止する制御を行なうよう構成される。制御手段は、開放位置から閉成位置に向けて水皿24が傾動する途中で第3磁気センサ56Cが永久磁石52を検知する信号をキャンセルするよう設定される。また制御手段は、第2磁気センサ56Bの検知信号を受取るとカウント手段をリセットして、次回から新たに第3磁気センサ56Cの検知信号をカウントするようになっている。例えば、半開放位置まで水皿24が傾動する除氷運転が4回(設定した入力回数)繰返された後、5回目には開放位置まで水皿24を傾動させて製氷水タンク28の製氷残水が全て排水される除氷運転を実施するサイクルが繰返されるように設定される。このように変更例の自動製氷機は、第2の切替手段60からの検知信号に応じて単に水皿24の開閉を停止制御するだけでなく、第2の切替手段60に複数の磁気センサ56を設けると共に、制御手段にカウント手段および回数設定手段を設けることで、除氷運転において水皿24の開放に際しての傾動角度を段階的に変位させて、製氷水タンク28の製氷残水を部分的な排水または全量排水するよう制御している。
変更例の自動製氷機は、実施例で説明した作用に加えて、製氷サイクルとして製氷運転および除氷運転を反復するに当たり、除氷運転において水皿24の傾動角度を小さな半開放位置に留めることで、先行する製氷運転により冷却された製氷残水の排出量を部分的とすることができる。これにより、除氷運転を終了した際に残留した製氷残水に新たに製氷水を補給した際に、製氷水全体の温度を低下させることができ、製氷運転において製氷時間を短縮して製氷効率を向上させることができる。更に、複数回の製氷サイクルのうち、除氷運転においてある頻度で水皿24が開放位置まで大きく傾動されて、製氷水タンク28から製氷残水が全量排出されるから、製氷水タンク28に濃縮された不純物等が残留するのを回避して清浄な氷塊を生成し得る。
(別の変更例)
更に別の変更例に係る切替手段としては、被検知物または検知手段の何れか一方をアクチュエータモータAMの回転に伴って回動する回転体に配設すると共に、他方を前記ギアカバー46の内側に固定し、被検知物または検知手段の何れか一方の配設数を1つに設定するのに対し、他方を前記回転体の回転方向に所定角度だけ離間して複数配置する構成も採用し得る。すなわち、実施例および変更例では、被検知物としての永久磁石52を最終歯車48aに配設すると共に、検知手段としての磁気センサ56A,56B,56Cを最終歯車48aに対向する基板54に配置する構成であるが、磁気センサを減速機構48の所定の歯車48aまたはアクチュエータモータAMの回転に伴って回動する回転体(例えば、ギヤカバー46の内部において、カムシャフト32に固定した円盤等)に配設し、この磁気センサに対向して永久磁石を配置してもよい。なお、別の変更例に係る切替手段を採用した自動製氷機についても、実施例と同様の作用効果を示す。
なお、実施例、変更例または別の変更例の切替手段では、被検知物として永久磁石52を使用し、この永久磁石52を検知する手段として磁気センサ56を使用し、検知方法として磁気を利用したものを採用したが、これに限定されず、例えば被検知物として発光体を使用し、この発光体を検知する手段として光センサを使用する光学的なもの等、その他非接触で検知可能な手段を採用することができる。また、永久磁石52を配設する歯車としては、最終減速段目の歯車48aに限定されず、減速機構を構成する適宜の歯車に永久磁石52を配設することができる。
前述した実施例、変更例または別の変更例の切替手段は、図6に示す如く球状氷を生成する製氷機構を備えた自動製氷機に対しても適用することができる。この別例に係る自動製氷機の製氷機構70は、下方に開放する第1製氷小室72aを多数画成し、背面に蒸発器68を備えた第1製氷室72と、上方に開放する第2製氷小室74aを多数画成した第2製氷室74とを基本的に備え、製氷運転に際し両製氷小室72a,74aを対応的に閉成して内部に画成された球状等の氷塊を形成する空間に製氷水を供給することで、該空間に球状氷を生成するよう構成される。この製氷機構70では、除氷運転に際しては、第2製氷室74の周囲に常温の除氷水を溜めることで加熱して第2製氷小室74aと球状氷との氷結を解除した後、実施例と同様に構成したアクチュエータモータAM、カム76やコイルばね78等からなる水皿傾動機構80により第1製氷室72に対して第2製氷室74を枢支軸82を傾動支点として傾動開放し、次いで第1製氷室72を加熱して第1製氷小室72aと球状氷との氷結を解除することで、球状氷を剥離落下するようになっている。
図7に示す如く、前記製氷機構70には、変更例で説明した第2の切替手段60がギヤカバー46の内部に配設されている。除氷運転に伴なう前記アクチュエータモータAMの回転によりカム76が前記コイルばね78を弛ませる方向(コイルばね78による第2製氷室74の閉成位置の保持を解除する方向)に所定角度回転した際に、最終歯車48aに配設した永久磁石52が第3磁気センサ56Cに臨む位置に到来し、アクチュエータモータAMが停止されると共に、給水弁WVを開放して第2製氷室74への除氷水の供給を開始するように設定してある。また、取付枠15における第2製氷室74の枢支側に近接する位置に、第2製氷室74の除氷完了を検知する除氷水終了スイッチSWが配設され、この除氷水終了スイッチSWがOFF作動されたときに、前記給水弁WVを閉成して第2製氷室74への除氷水の供給を停止すると共に、アクチュエータモータAMの運転を再開して、第2製氷室74を開放位置に向けて傾動させ、永久磁石52が第2磁気センサ56Bに臨む位置に到来するとアクチュエータモータAMを停止するように設定される。なお、前記製氷機構70は、実施例または変更例と同様の作用効果を示す。
本発明の好適な実施例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で一部切り欠いて示す正面図である。 実施例の自動製氷機の製氷機構を、水皿の開放状態で一部切り欠いて示す正面図である。 実施例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で一部切り欠いて示す側面図である。 実施例の自動製氷機の製氷機構を、水皿の開放状態で一部切り欠いて示す側面図である。 変更例の自動製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す正面図である。 別例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で示す縦断面図である。 別例の製氷機構のアクチュエータモータを切り欠いて示す正面図である。 従来の製氷機の製氷機構を示す概略斜視図である。 従来の製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す側面図であって、(a)は水皿が閉成状態にあり、(b)は水皿が開放状態にある。
符号の説明
16 製氷室,21 製氷小室,24 水皿,46 ギヤカバー(カバー)
48 減速機構,48a 最終歯車(所定の歯車),52 永久磁石(被検知物)
54 基板,56A 第1磁気センサ(検知手段,一方の磁気センサ)
56B 第2磁気センサ(検知手段,一方の磁気センサ)
AM アクチュエータモータ

Claims (2)

  1. 一方に開口する多数の製氷小室(21)を有する製氷室(16)と、この製氷室(16)における製氷小室(21)の開口側に対向して傾動可能に枢支した水皿(24)と、前記水皿(24)に連繋されたアクチュエータモータ(AM)とからなり、前記アクチュエータモータ(AM)を正逆方向に回転することで、前記水皿(24)を製氷小室(21)の閉成位置および開放位置の間で傾動させるようにした自動製氷機において、
    前記アクチュエータモータ(AM)の回転に伴って回動する回転体(48a)に配設された被検知物(52)と、
    前記回転体(48a)を収容するカバー(46)の内側に配設され、前記回転体(48a)における回転軸方向の一方の端面に非接触で対向する基板(54)と、
    前記基板(54)における回転体(48a)の前記一方の端面と対向する面に配設され、前記被検知物(52)を非接触で検知する検知手段(56A,56B)とを備え、
    前記被検知物(52)または検知手段(56A,56B)の何れか一方の配設数を1つに設定すると共に、他方を前記回転体(48a)の回転方向に所定角度だけ離間して複数配置し、
    前記アクチュエータモータ(AM)の回転時に、前記検知手段(56A,56B)が被検知物(52)を検知すると該アクチュエータモータ(AM)を停止するよう構成した
    ことを特徴とする自動製氷機。
  2. 前記回転体(48a)に被検知物としての永久磁石(52)が配設されると共に、該永久磁石(52)を検知する検知手段としての磁気センサ(56A,56B)が、前記基板(54)における永久磁石(52)の回動軌跡に対向する位置に、前記水皿(24)における閉成位置と開放位置との間の傾動角度に応じた角度で離間して2つ配置され、一方の磁気センサ(56A)が永久磁石(52)を検知してアクチュエータモータ(AM)が停止されることで水皿(24)が閉成位置で停止され、他方の磁気センサ(56B)が永久磁石(52)を検知してアクチュエータモータ(AM)が停止されることで水皿(24)が開放位置で停止されるよう構成した請求項1記載の自動製氷機。
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