JP4805308B2 - 自動製氷機 - Google Patents

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Description

この発明は下向きに開口する製氷小室を有する製氷室をその下面に接合させた水皿によって閉塞し、同水皿から前記製氷小室内に製氷水を噴出させて氷塊を生成し、製氷工程の完了後に前記水皿を前記製氷室から離間する方向に傾動させて前記製氷小室内にて生成された氷塊が落下放出されるようにした自動製氷機に関するものである。
従来、この種の自動製氷機は下記の特許文献に開示されており、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房で使用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図8と図9に示した従来の自動製氷機においては、装置本体10の下方内部に貯氷室11を設けると共に同装置本体の上方内部に製氷室16、水皿24、製氷水タンク28等からなる製氷機構12が配設されている。製氷室16は、その内部に下向きに開口する多数の製氷小室21を形成してなり装置本体10の頂部に水平に配置した取付枠15の下側に組付けられている。この製氷室16の上面には、図示しない冷凍回路に接続した蛇行状の蒸発器22が配置され、製氷運転時に蒸発器22に冷媒を循環供給することにより製氷小室21が冷却される。製氷室16の直下には、製氷水を貯える製氷水タンク28をその下面に一体に設けた水皿24が配置されている。この水皿24は、図8に示したように、その一端にて片持式に傾動可能に枢支されていて、アクチュエータモータAM、カム34,35、コイルばね36,36等の構成部品からなる水皿傾動機構30によって傾動可能に支持されている。水皿傾動機構30は、製氷行程にて水皿24が製氷室16の製氷小室21を下方から閉塞する閉止位置に保持され、除氷行程にて同水皿24が下方に傾動して製氷小室21を開放する開放位置に保持されるように、前記水皿の作動を制御する。製氷水タンク28の底部外側にはポンプPMが取付けられ、このポンプPMの作動により製氷水タンク28内に貯えられた製氷水が汲み上げられて水皿24に設けた噴水孔26から製氷室16の各製氷小室21内に噴射供給される。
皿24の枢支側と反対の開放端部(右端部)に近接する取付枠15の下面には、図9に示したように、装置本体10の前後方向に離間した位置にて一対の軸受31,31が垂下固定され、これら両軸受31,31によってカムシャフト32が軸支されている。ムシャフト32には、その前端部に第1カム34が結合され後端部に第2カム35が結合されている。取付枠15の前面には、第1カムを上方から覆うように、下方に開口する断面コ字状の取付部材23が固定され、この取付部材23の前面に取付けたアクチュエータモータAMによってカムシャフト32が正逆回転されるようになっている。
ム34,35には、カムシャフト32の半径方向に延出するアーム34a、35aが一体に設けられており、これらのアーム34a,35aの各先端部に突設したピン37,37と水皿24の両端部に突設したピン25、25との間にコイルばね36,36が張設されている。これらのコイルばね36によって水皿24が水平な閉止位置に引上げられて製氷室16を下方から閉塞して保持される。また、カム34,35のカム面は、水皿24の上面と当接可能になっていて、除氷運転時にアクチュエータモータAMの回転により水皿24を下方に傾動させ、これにより水皿24が製氷室16を開放して下方の開放位置に保持される。
アクチュエータモータAMの取付部材23を固定した取付枠15の前板には、切替スイッチ40が取付けられている。この切替スイッチ40は、取付枠15の前板に前方に突出して支持されたトグルレバー40aに第1カム34に突設した切替アーム34bが接触したとき切替えられて水皿24の傾動終了を検知する。すなわち、製氷運転が終了して除氷運転に移行したとき、水皿24がアクチュエータモータAMの起動により所定角度回動すると第1カム34の切替アーム34bがトグルレバー40aに接触して切替スイッチ40が切替えられ、アクチュエータモータAMが停止して水皿24が下方の開放位置に保持される。この状態にて、除氷運転により製氷小室21から落下した氷塊が開放位置に保持された水皿24の傾斜面上を滑落し貯氷室11内に貯蔵される。また、製氷運転に復帰するときには、アクチュエータモータAMが逆回転されて水皿24が上方の閉止位置に復帰し、製氷小室21を再び下方から閉塞する。この作動時に第1カム34のアーム34aがトグルレバー40aに接触して切替スイッチ40が切替えられ、アクチュエータモータAMが停止して水皿24が閉止位置に保持される。
特開2000−205715号公報
上述した従来の自動製氷機においては、水皿24の傾動停止が、切替スイッチ40のトグルレバー40aに対する第1カムのアーム34aと切替アーム34bの接触によって左右される。この場合、取付枠15への切替スイッチ40の取付位置が調整不足であったり、製氷室16と水皿24との位置関係がずれてしまったり、或いはアクチュエータモータAMの経時的な劣化等に起因して切替スイッチ40の停止信号を受けてからモータAM が停止するまで遅れることがある。このため、オーバーランしたアーム34a又は切替アーム34bが、トグルレバー40aを折曲げてしまうおそれがある。トグルレバー40aが折れ曲がると切替スイッチ40が正常に切替えられず、水皿24が完全に閉成されないままの状態で製氷運転がなされて製氷不良が引き起こされたり、水皿24が完全に開放されない状態で除氷運転がなされて除氷不良が引き起こされることになる。この場合、製氷室16から除氷が完全になされない状態で水皿24が閉止されると、製氷室16、水皿24等の製氷機構12破損されるおそれがある。また、トグルレバー40aが折れ曲がった場合には、製氷機構12に支障が生じる前に切替スイッチ40を取替える作業が必要となるが、自動製氷機の設置場所においては作業スペースの確保等の取替作業の制約が多く手間がかかると共に、切替スイッチ40を適正な位置に調節することが難しい。
この発明は、上述した従来の自動製氷機における難点をなくすため、上記水皿の傾動動作の停止を制御する切替手段の信頼性を高めて、製氷室に対する水皿の開放および閉止が的確になされる自動製氷機を提供することを目的とする。
この発明は、上記の目的を達成するため、装置本体の上方内部に配置した下向きに開口する複数の製氷小室を有する製氷室と、該製氷室の直下に位置して上下に傾動可能に一端を枢支されその下面に製氷水タンクを一体に組付けた水皿と、該水皿が製氷行程にて前記製氷室の製氷小室を閉塞する閉止位置に保持され同水皿が除氷行程にて下方に傾動して前記製氷小室を開放する開放位置に保持されるように前記水皿に作動的に連結した正逆回転可能なモータを備えて、製氷行程にて前記水皿が上方閉止位置に保持された状態にて同水皿に設けた複数の孔を通して前記製氷水タンクから前記製氷小室内に製氷水が噴出して凍結し、除氷行程にて開放位置に保持された前記水皿の上に前記製氷小室内に凍結した氷塊が前記製氷室の加熱により落下するようにした自動製氷機において、前記モータの出力軸により回転駆動される回動部材に取付けた永久磁石と、前記水皿の閉止位置と開放位置に対応する傾斜角度で周方向に離間して前記モータ本体の周囲に配置した一対の磁気センサとにより構成した非接触式の位置検出手段と、製氷運転の完了後に前記水皿が閉止位置から開放位置に向けて傾斜するように前記モータを起動させて同水皿が開放位置に達したとき前記位置検出手段から付与される検出信号に応答して前記モータを停止させ、除氷運転の完了後に前記水皿が開放位置から閉止位置に向けて復動するように前記モータを起動させて同水皿が閉止位置に達したとき前記位置検出手段から付与される検出信号に応答して前記モータを停止させる制御手段を設けたことを特徴とする自動製氷機を提供するものである。この発明の最適な実施形態においては、前記一対の磁気センサを前記モータ本体の周囲に固定した基板に設けて、前記回動部材に設けた永久磁石がその回動端にて前記磁気センサにそれぞれ対向するようにするのが望ましい。
上記のように構成した自動製氷機においては、前記水皿の閉止位置と開放位置を磁気的に検出する非接触式の位置検出手段を設けて、該位置検出手段の検出信号に応答して前記モータの正転作動と逆転作動を切替制御するようにしたことにより、前記水皿を前記製氷小室を閉塞する閉止位置と同製氷小室を開放する開放位置にて精度よく確実に停止させることできる。また、その実施にあたって、前記位置検出手段を、前記モータの出力軸と一体的に回動する回動部材に設けた磁石と、前記水皿の閉止位置と開放位置に対応する傾動角度で周方向に離間する位置にて前記モータ本体に設けた一対の磁気センサとにより構成した場合には、前記磁石と前記一対の磁気センサとの位置関係が当所の設定位置からずれることがなく、メンテナンスの手間を省くことができる。また、従来の機械的な接触によるスイッチ機構とは異なり、磁気的に非接触状態で水皿の傾動位置を検知するようにしたので、検出機能の信頼性を高めることができる。
次に、本発明に係る自動製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、この実施例の自動製氷機は、従来例で説明したアクチュエータモータに、前述した切替スイッチに換えて非接触型の切替手段(検出手段)を設ける構成であるので、説明の便宜上、図8または図9に示した自動製氷機と同一の構成部分については、同一の符号を使用して詳細な説明は省略し、異なる部分のみ説明する。また製氷機構において、アクチュエータモータを配設した側を前側とし、水皿は筐体の前後方向に延在する枢支軸により前側から見て左端部が片持式に枢支され、右端部側が上下方向に傾動するようになっている。
図1〜図4に示すように、実施例に係る製氷機の製氷機構13は、貯氷室11内に水平に配置した製氷板18の下面(一面)に仕切板20が縦横に配設されて、下方(製氷板18から離間する側)に開口する複数の製氷小室21が碁盤目状に画成された製氷室16と、この製氷板18の上面(他面)に蛇行状に配設され、図示しない冷凍回路から供給される冷媒またはホットガスが流通する蒸発器22と、該製氷室16の下方(製氷小室21の開口に臨む側)に配設され、該製氷小室21を閉塞する閉止置と製氷小室21を開放する開放位置に傾動可能な水皿24と、この水皿24を上下に傾動する水皿傾動機構30とから基本的に構成されている。そして、製氷運転において、水皿24で製氷室16を閉塞した閉止位置で蒸発器22に供給された冷媒により製氷室16が強制冷却されると共に、水皿24に一体的に設けた製氷水タンク28に貯留された製氷水がポンプモータPMで水皿24に圧送され、該水皿24の噴水孔26から製氷小室21に対して噴射供給された製氷水を氷結して製氷小室21に氷塊を生成する(図1または図3参照)。また、除氷運転において、水皿24の左端部に設けられた枢支軸29を中心として、前記水皿傾動機構30により水皿24が下方に傾動されて製氷小室21を開放する開放位置に変位すると共に、蒸発器22に供給されたホットガスにより製氷室16を加熱して、製氷小室21と氷塊との氷結面を融解して氷塊群を自重により落下させるようになっている(図2または図4参照)。なお、この実施例では、前記製氷室16と水皿24との間に若干の隙間を空けて、この隙間に氷層を生成して、この氷層により氷塊の下端部を連結して氷塊群として放出するように構成される。
上記の水皿傾動機構30は、水皿24の枢支側と反対の開放端部(右端部)に近接する取付枠15の下面に、装置本体10の前後方向に所要間隔離間して垂設した一対の軸受31,31に共通的に軸支したカムシャフト32と、このカムシャフト32の前後の端部に夫々連結した一対のカム42,42と、各カム42の半径方向に延出するアーム42aの先端部と水皿24の開放端部とを弾性的に接続するコイルばね36,36と、カムシャフト32を回動させるアクチュエータモータAMと、水皿24の傾動位置を検出する検出手段50とから構成されている。前記アクチュエータモータAMは、カムシャフト32の前端側に配設したカム42を上方から覆うように取付枠15の前面に取付けた取付部材23の前側に配設され、該モータAMによりカムシャフト32が正逆回転されるようになっている。前記一対のカム42,42は対称的な形状であって、アクチュエータモータAMによるカムシャフト32の回動に伴って正方向又は逆方向に回動すると共に、閉止位置ではアーム42a,42aの先端部が上方に位置することでコイルばね36,36を介して水皿24を上方に弾力的に引張り上げて水皿24で製氷小室21を閉塞し、製氷運転中に亘って閉止状態が保持される。これに対して、開放位置ではカム42,42が図1における反時計回りに回動してアーム42a,42aの先端部が下方に変位することで水皿24が下方に傾動して、製氷小室21が開放されて除氷運転において氷塊群の離脱を許容するようになっている。
前記アクチュエータモータAMは、モータボックス44に収容したロータ等のモータ本体(図示せず)と、ギヤカバー(カバー)46に収容し、歯車を組合わせて構成した減速機構48とからなり、モータ本体の回転が減速機構48で所定の回転数に調節されて、カムシャフト32に伝達されるようになっている。すなわち、アクチュエータモータAMに通電すると、モータ本体の回転は、減速機構48を構成する最初の減速段の歯車に伝達されて、減速機構48を構成する各歯車に伝達される過程で所定の回転数に減速されて、最終減速段の歯車(所定の歯車)48aに同軸的に連結したカムシャフト32が回動される。また、アクチュエータモータAMは、図示しない制御手段の制御下にて正方向又は逆方向に回転可能に構成され、該制御手段が前記検出手段50から信号を付与されると停止するよう制御される。
水皿24の傾動位置を検出する検出手段50は、前記最終減速段目の歯車(以下、最終歯車と云う)48aに1つ配設された永久磁石(被検知物)52と、最終歯車48aの端面に対向して軸方向に所定間隔離間させて配置した基板54と、この基板54に配設した一対の磁気センサ(検知素子)56A,56Bとから構成される。久磁石52は、最終歯車48aにおいて軸心から半径方向外側へ所要間隔離間した位置に埋め込まれて該最終歯車48aの前端面から前方に臨み、モータ本体の回転による最終歯車48aの回動につれて正方向又は逆方向に回動するようになっている。前記基板54は、最終歯車48aの前端面に対向して、該前端面から離間した状態でギヤカバー46の内側に固定され、少なくとも前記永久磁石52の回動軌跡の前方に臨む位置に延在している。前記一対の磁気センサ56A,56Bは、基板54における永久磁石52の回動軌跡に対向する位置であって、同一半径の回転軌跡上に前記水皿24の閉止位置と開放位置との間の傾動角度に応じた所要角度だけ、永久磁石52の回動方向に沿って離間して配置されている。この実施例では、前記一対の磁気センサ56A,56Bが所要角度(例えば135°程度)だけ離間して上下の関係で離間して基板54に配設され、水皿24の閉止位置において下方に位置する第1磁気センサ(一方の磁気センサ)56Aに永久磁石52が臨むと共に、水皿24の開放位置において上方に位置する第2磁気センサ(他方の磁気センサ)56Bに永久磁石52が臨むように設定される(図1または図2参照)。また、前記基板54に半田付け等で固定した磁気センサ56A,56Bは、アクチュエータモータの作動を制御する制御手段に電気的に接続されていてこれら磁気センサ56A,56Bからの検出信号が制御手段に夫々入力されるよう構成される。
上記の検出手段50は、アクチュエータモータAMの回転時に最終歯車48aが回動して永久磁石52が各磁気センサ56A,56Bに対向し、磁気センサ56A,56Bが非接触下にて永久磁石52の磁力を検出すると、アクチュエータモータAMの制御手段に対して検出信号を出力するように構成されている。そして、前記磁気センサ56A,56Bの検出信号を入力した制御手段は、アクチュエータモータAMを停止するよう制御する。すなわち、一対の磁気センサ56A,56Bの基板54における配設位置により水皿24の閉止置と開放位置が規定されると共に、両センサ56A,56Bの離間角度によって水皿24の傾動角度が設定される。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る自動製氷機の作用について説明する。製氷運転に際して、製氷室16は水皿24により閉塞された状態で、蒸発器22に冷媒が供給されて製氷室16が冷却され、水皿24の噴水孔26から噴射供給された製氷水が製氷小室21内で層状に氷結してゆく。ここで、水皿24の閉止位置では、永久磁石52が最終歯車48aの端面における下側に位置して、下側の第1磁気センサ56Aに対向している(図1または図3参照)。氷小室21に氷塊が生成されると除氷運転に切り替わり、アクチュエータモータAMが回転される。このアクチュエータモータAMのモータ本体に通電されると、同モータ本体の回転が減速機構48に伝達されて、該減速機構48の最終歯車48aが図1における反時計回りに回動し、減速機構48を構成する各歯車によって所要の回転数に調節された回転が最終歯車48aに連結したカムシャフト32に伝達されて同カムシャフト32が反時計回りに回動を開始する。同時に、冷凍回路の弁が切り替わってホットガスが蒸発器22に供給されて製氷室16が加熱され、製氷室16と氷塊との氷結面が融解し始める。また、カムシャフト32の回動に伴ってカム42,42が反時計回りに回動して、水皿24がカム42,42に押圧されて氷塊から剥離し、枢支軸29を傾動中心として下方へ向けて傾動を開始する。
クチュエータモータAMの回転によって最終歯車48aが回動して、永久磁石52が第2磁気センサ56Bに対向する位置に達すると、第2磁気センサ56Bが永久磁石52の磁気を検知してその検出信号を制御手段に対して出力する。第2磁気センサ56Bから検出信号が入力されると、制御手段は水皿24が開放位置に達したと判断して、直ちにモータ本体への通電を遮断してアクチュエータモータAMを停止させる。そして、前記ホットガスの作用で製氷室16と氷塊群との氷結状態が解除され、氷塊が開放位置に保持された水皿24の上面を滑落して貯氷室11に放出貯留される。
次いで、図示しないサーミスタが設定温度を検知すると、氷塊群の放出が完了したと判断され、上記の制御手段の制御下にてアクチュエータモータAMが逆回転して、開放位置にあった水皿24が製氷室16を閉塞する方向(上方)に傾動する。アクチュエータモータAMの逆回転につれて最終歯車48aが逆方向に回動して、第2磁気センサ56Bに対向していた永久磁石52が図1における時計回りに回動して、第1磁気センサ56Aに対向する位置に達すると、第1磁気センサ56Aが永久磁石52の磁気を検知してその検出信号を制御手段に対して出力する。第1磁気センサ56Aから検出信号が入力されると、制御手段は水皿24が閉止位置に達したと判断して、直ちにモータ本体への通電を遮断してアクチュエータモータAMを停止させて、次回の製氷運転に備える。
このように、アクチュエータモータAMの停止制御が、減速機構48の最終歯車48aに設けた永久磁石52と基板54に設けた一対の磁気センサ56A,56Bにより構成した検出手段50の検知によって実行される。この場合、検出手段50は機械的な接触又はスイッチ等の動作を伴う手段によらないから、応答速度および検知精度に優れ、永久磁石52の検知と同時にアクチュエータモータAMを停止し得るので、水皿24を閉止位置開放位置にて精度良く確実に停止させることができる。また、アクチュエータモータAMは、一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度だけ最終歯車48aが回動した際に確実に停止されると共に、最終歯車48aに設けた永久磁石52と磁気センサ56A,56Bとの位置関係は当初の設定位置からずれることがないから、水皿24の傾動角度が一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度により規定されて、常に一定にすることができる。更に水皿24の傾動角度は、一対の磁気センサ56A,56Bの配設角度により規定し得るから、検出手段50と水皿24等との間で位置関係を調節する必要がなく、製造時の調節の手間を軽減し得る。また、前記検出手段50は、被検知物として採用した永久磁石52と、これに対応する検知素子として採用した一対の磁気センサ56A,56Bとの組合わせであって、磁気センサ56A,56Bは永久磁石52の磁気を検知する非接触による検知手段であるから、アクチュエータモータAMの経時的な劣化等に起因してモータAMがオーバーランしても検出手段50自体が破損することなく、水皿24の傾動停止を制御する手段として高い信頼性を奏する。
すなわち、上記の検出手段50を採用することで、水皿24が閉止位置開放位置において位置ずれすることに起因する製氷不良や除氷不良を防止して、氷噛み等による製氷機構13の破損等のトラブルを回避し得る。従って、自動製氷機を設置した後に、検出手段50の不良によるトラブルの発生を抑制し得ると共に、自動製氷機の設置場所において検出手段50と水皿24等との位置関係を調節する必要がないから、保守の手間を軽減し得る。また、前検出手段50は、減速機構48と共にギヤカバー46に収納されているから、装置本体10内の多湿雰囲気等の環境によっても、その誤作動や経時的な劣化が抑制される。しかも、検出手段50は、磁気センサ56A,56Bと永久磁石52との組み合わせとすることで、仮に磁気センサ56A,56Bや永久磁石にほこりが付着したり、あるいは結露が生じたとしても、検知精度が低下することがなく、検出手段50をモータ本体のギヤカバー46に収納する効果と相まって寿命を向上し得る。
なお、上記の実施例では、一対の磁気センサ56A,56Bによる永久磁石52の検知によって水皿24の傾動動作の停止を制御する構成であるが、これに限定されず、3個以上の磁気センサ56を設けて実施してもよい。例えば、永久磁石52の第1磁気センサ56Aから第2磁気センサ56Bへ向けての回動方向において、第2磁気センサ56Bを越えた位置に別の磁気センサ56を配設して、同磁気センサ56による永久磁石52の検知によってアクチュエータモータAMの停止を制御してもよい。
(変更例)
図5は、変更例に係る自動製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す正面図である。上述した実施例では、永久磁石52を設けた最終歯車48aに対向配置した基板54に所定角度だけ離間して配設した一対の磁気センサ56A,56Bの検知により、水皿24の閉止位置と開放位置における傾動動作の停止を制御する構成であるが、この変更例では第1磁気センサ56Aと第2磁気センサ56Bとの間に、第2の検出手段60として第3磁気センサ56Cを配設している。この場合、水皿24の傾動を第2磁気センサ56Bの検知による製氷水タンク28に残留した製氷水を完全に排出し得る開放位置で停止する態様だけでなく、第3磁気センサ56Cの検知による水皿24の傾動角度が開放位置より小さい半開放位置でも停止し得るように構成される。なお、この変更例の自動製氷機の基本的な構成は、上記の実施例で説明した自動製氷機と同一であるので、同じ部材には同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成のみ説明する。
変更例の自動製氷機は、最終歯車48aに配設されて水皿24の傾動に伴って回動する永久磁石52と、水皿24が開放位置または半開放位置から閉成位置まで傾動したことを永久磁石52との反応により検知する第1磁気センサ56Aと、水皿24が閉成位置から開放位置まで傾動したことを永久磁石52との反応により検知する第2磁気センサ56Bと、水皿24が閉成位置から半開放位置まで傾動したことを永久磁石52との反応により検知する第3磁気センサ56Cを備えている。3磁気センサ56Cは、永久磁石52を設けた最終歯車48aに対向配置した基板54に、水皿24の閉成位置および開放位置に対応して所定角度だけ離間して配設した一対の磁気センサ56A,56Bの間であって、水皿24の開放に伴って永久磁石52が第1磁気センサ56Aから第2磁気センサ56Bへ向けて変位する回動軌跡上に位置して配設されている。ここで、第1磁気センサ56Aと第3磁気センサ56Cとの配設角度は、第3磁気センサ56Cによる永久磁石52の検知により停止される水皿24の傾動角度が、製氷完了時に製氷水タンク28の内部に製氷水がある程度残存し得る半開放位置で停止するように設定され、製氷水タンク28に残留した製氷水を完全に排出し得る開放位置での傾動角度より小さくなるよう設定されている。
また、各磁気センサ56A,56B,56Cからの検知信号を入力してアクチュエータモータAMを停止するよう制御する制御手段には、第3磁気センサ56Cからの検知信号の入力回数(水皿24の閉成位置から半開放位置までの傾動回数)をカウントするカウント手段と、カウント手段で計数する入力回数を予め設定する回数設定手段とを備えている。この場合、アクチュエータモータAMの制御手段は、水皿24の開放に際して、カウント手段における第3磁気センサ56Cからの検知信号の入力回数が回数設定手段で予め設定した回数に達するまでは、第3磁気センサ56Cの検知信号に応答して半開放位置で水皿24の傾動を停止するよう制御し、カウント手段の入力回数が設定回数に達すると、第3磁気センサ56Cの検知信号の検知時点でなく、第2磁気センサ56Bの検知信号に応答して開放位置で水皿24の傾動を停止する制御を行なうようになるこの制御手段は、水皿24が開放位置から閉止位置に向けて傾動する途中で第3磁気センサ56Cが永久磁石52を検知する信号をキャンセルするよう設定される。また、この制御手段は、第2磁気センサ56Bの検知信号に応答してカウント手段をリセットし、次回から新たに第3磁気センサ56Cの検知信号をカウントするようになっている。例えば、水皿24が半開放位置まで傾動する除氷運転が4回(設定した入力回数)繰返された後、5回目には開放位置まで水皿24を傾動させて製氷水タンク28の製氷水が全て排水される除氷運転を実施するサイクルが繰返されるように設定される。このように、この自動製氷機においては、第2の検出手段60からの検知信号に応答して単に水皿24の開閉を停止制御するだけでなく、第2の検出手段60に複数の磁気センサ56を設けると共に、上記の制御手段にカウント手段および回数設定手段を設けることで、除氷運転において水皿24の開放に際しての傾動角度を段階的に変位させて、製氷水タンク28内に残る製氷水を部分的排水又は全量排水するよう制御される。
この変更例の自動製氷機は、製氷運転と除氷運転を反復する製氷サイクルにおいて、除氷運転時に水皿24を開放位置より傾動角度の小さな半開放位置に止めることで、先行する製氷運転により冷却された製氷水の排出量を部分的とすることができる。これにより、除氷運転を終了した際に製氷水タンク28内に残留した製氷水に新たに製氷水を補給したとき、製氷水全体の温度を低下させることができ、製氷運転において製氷時間を短縮して製氷効率を向上させることができる。更に、複数回の製氷サイクルのうち、除氷運転においてある頻度で水皿24が開放位置まで大きく傾動されて、製氷水タンク28から製氷水が全量排出されるから、製氷水タンク28に濃縮された不純物等が残留するのを回避して清浄な氷塊を生成し得る利点がある。
(その他の変更例)
その他の変更例としては、磁気センサを減速機構48の所定の歯車48aまたはアクチュエータモータAMの回転に伴って回動する回転体(例えば、ギヤカバー46の内部において、カムシャフト32に固定した円盤等)に配設し、この磁気センサに対向して永久磁石を配置してもよい。
なお、上記の実施例における磁気センサによる検出手段では、被検知物として永久磁石52を使用し、この永久磁石52を検知する手段として磁気センサ56を使用し、検知方法として磁気を利用した検出手段を採用したが、これに限定されず、例えば被検知物として発光体を使用し、この発光体を検知する手段として光センサを使用する光学的検出手段等、その他非接触で検知可能な手段を採用することができる。また、永久磁石52を配設する歯車としては、最終減速段目の歯車48aに限定されず、減速機構を構成する適宜の歯車に永久磁石52を配設することができる。
また、上記の実施例における磁気センサによる検出手段は、図6に示す如く球状氷を生成する製氷機構を備えた自動製氷機にも適用することができる。この自動製氷機の製氷機構70は、下方に開放する第1製氷小室72aを多数画成し、背面に蒸発器68を備えた第1製氷室72と、上方に開放する第2製氷小室74aを多数画成した第2製氷室74とを基本的に備え、製氷運転に際し両製氷小室72a,74aを対応的に閉成して内部に画成された球状等の氷塊を形成する空間に製氷水を供給することで、該空間に球状氷を生成するよう構成される。この製氷機構70では、除氷運転に際しては、第2製氷室74の周囲に常温の除氷水を溜めることで加熱して第2製氷小室74aと球状氷との氷結を解除した後、実施例と同様に構成したアクチュエータモータAM、カム76やコイルばね78等からなる水皿傾動機構80により第1製氷室72に対して第2製氷室74を枢支軸82を傾動支点として傾動開放し、次いで第1製氷室72を加熱して第1製氷小室72aと球状氷との氷結を解除することで、球状氷を剥離落下するようになっている。
図7に示す如く、前記製氷機構70には、上記の変更例で説明した第2の検出手段60がギヤカバー46の内部に配設されている。除氷運転に伴なう前記アクチュエータモータAMの回転によりカム76が前記コイルばね78を弛ませる方向(コイルばね78による第2製氷室74の閉成位置の保持を解除する方向)に所定角度回転した際に、最終歯車48aに配設した永久磁石52が第3磁気センサ56Cに臨む位置に到来し、アクチュエータモータAMが停止されると共に、給水弁WVを開放して第2製氷室74への除氷水の供給を開始するように設定してある。また、取付枠15における第2製氷室74の枢支側に近接する位置に、第2製氷室74の除氷完了を検知する除氷水終了スイッチSWが配設され、この除氷水終了スイッチSWがOFF作動されたときに、前記給水弁WVを閉成して第2製氷室74への除氷水の供給を停止すると共に、アクチュエータモータAMの運転を再開して、第2製氷室74を開放位置に向けて傾動させ、永久磁石52が第2磁気センサ56Bに臨む位置に到来するとアクチュエータモータAMを停止するように設定される。
本発明の好適な実施例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で一部切り欠いて示す正面図である。 実施例の自動製氷機の製氷機構を、水皿の開放状態で一部切り欠いて示す正面図である。 実施例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で一部切り欠いて示す側面図である。 実施例の自動製氷機の製氷機構を、水皿の開放状態で一部切り欠いて示す側面図である。 変更例の自動製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す正面図である。 その他の変更例に係る自動製氷機の製氷機構を、水皿の閉成状態で示す縦断面図である。 その他の変更例の製氷機構のアクチュエータモータを切り欠いて示す正面図である。 従来の製氷機の製氷機構を示す概略斜視図である。 従来の製氷機の製氷機構を一部切り欠いて示す側面図であって、(a)は水皿が閉止状態にあり、(b)は水皿が開放状態にある。
符号の説明
16 製氷室,21 製氷小室,24 水皿,46 ギヤカバー(カバー),48 減速機構,48a 最終歯車(所定の歯車),52 永久磁石(被検知物),56A 第1磁気センサ(検出手段,一方の磁気センサ),56B 第2磁気センサ(検出手段,一方の磁気センサ),AM アクチュエータモータ

Claims (2)

  1. 装置本体の上方内部に配置した下向きに開口する複数の製氷小室を有する製氷室と、該製氷室の直下に位置して上下に傾動可能に一端を枢支されその下面に製氷水タンクを一体に組付けた水皿と、該水皿が製氷行程にて前記製氷室の製氷小室を閉塞する閉止位置に保持され同水皿が除氷行程にて下方に傾動して前記製氷小室を開放する開放位置に保持されるように前記水皿に作動的に連結した正逆回転可能なモータを備えて、製氷行程にて前記水皿が上方閉止位置に保持された状態にて同水皿に設けた複数の孔を通して前記製氷水タンクから前記製氷小室内に製氷水が噴出して凍結し、除氷行程にて開放位置に保持された前記水皿の上に前記製氷小室内に凍結した氷塊が前記製氷室の加熱により落下するようにした自動製氷機において、
    前記モータの出力軸により回転駆動される回動部材に取付けた永久磁石と、前記水皿の閉止位置と開放位置に対応する傾斜角度で周方向に離間して前記モータ本体の周囲に配置した一対の磁気センサとにより構成した非接触式の位置検出手段と、
    製氷運転の完了後に前記水皿が閉止位置から開放位置に向けて傾斜するように前記モータを起動させて同水皿が開放位置に達したとき前記位置検出手段から付与される検出信号に応答して前記モータを停止させ、除氷運転の完了後に前記水皿が開放位置から閉止位置に向けて復動するように前記モータを起動させて同水皿が閉止位置に達したとき前記位置検出手段から付与される検出信号に応答して前記モータを停止させる制御手段を設けたことを特徴とする自動製氷機。
  2. 前記一対の磁気センサを前記モータ本体の周囲に固定した基板に設けて、前記回動部材に設けた永久磁石がその回動端にて前記磁気センサにそれぞれ対向するようにしたことを特徴とする請求項1に記載した自動製氷機。
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