JP3993462B2 - 自動製氷機の除氷運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば球体状や多面体状をなす氷塊群を全自動で大量に製造し得る自動製氷機において、製氷小室中で製造した氷塊群を、当該製氷小室から除氷するための除氷運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記自動製氷機として、本件出願人の出願に係る発明「自動製氷機の除氷制御方法」が存在している。この自動製氷機は、下方に開放する第1製氷小室を多数画成し、背面に蒸発器を備えた第1製氷室と、上方に開放する第2製氷小室を多数画成した第2製氷室とを基本的に備え、製氷運転に際し両製氷小室を対応的に閉成して内部に画成された球体等の氷塊を形成する空間に製氷水を供給することで、該空間に球体氷を生成するよう構成される。この構造に係る自動製氷機では、除氷運転に際しては、第2製氷室の周囲に常温の除氷水を溜めることで加熱して第2製氷小室と球体氷との氷結を解除した後、第1製氷室に対して第2製氷室を傾動開放し、次いで第1製氷室を加熱して第1製氷小室と球体氷との氷結を解除することで、第1および第2の製氷小室中に生成した球体氷群を剥離落下させるよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記自動製氷機では、第2製氷室に配設した温度センサが、第2製氷小室と球体氷との氷結が解除されると予想される除氷完了温度を検知した際に、該第2製氷室を傾動開放するよう設定されている。この場合に、製氷−除氷サイクル毎に開閉動する第2製氷室と共に、前記温度センサと製氷機本体の固定位置に配設される電気制御回路とを接続するリード線も変動を繰返すため、該リード線が切断するおそれがある。また、第2製氷室を加熱するための除氷水により、前記温度センサが濡れることがあり、長年の使用により該温度センサの絶縁材が経年劣化を来たしてクラックが入り、その結果として正常な動作ができなくなる事態を招くことがある。
【0004】
更に、前記温度センサは第2製氷室に対する配設箇所のみの温度を検知しているため、該温度センサが除氷完了温度を検知したにも拘らず、複数の球体氷の内には第2製氷小室との氷結が完全に解除されていないものがある場合がある。そして、この状態で第2製氷室を傾動開放すると、第2製氷小室に氷結している球体氷の下側を下方に引張るために半分に割れてしまい、不良氷が発生する問題が指摘される。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、除氷運転に際して、両製氷小室に生成した球体状や多面体状等の氷塊が割れることなく確実に除氷し得る自動製氷機の除氷運転方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明に係る自動製氷機の除氷運転方法は、
下方に開放する第1製氷小室を多数備える第1製氷室の下方に、前記第1製氷小室の夫々を下方から対応的に閉成し得る第2製氷小室を多数備え、製氷運転に際して第1製氷小室を閉成する閉成位置に保持されると共に、除氷運転に際して第1製氷小室を開放する開放位置に移動される第2製氷室が配設され、製氷運転に際して前記両製氷小室中に画成された空間に製氷水を供給して氷塊を形成するよう構成した自動製氷機において、
製氷運転時には連繋部材を介して前記第2製氷室を閉成位置に保持している回転体を、製氷完了後に前記第2製氷小室に氷塊が氷結している状態で、連繋部材による閉成位置の保持を解除して第2製氷室の開放位置への移動を許容する方向に回転させ、
前記回転体が所定角度回転したことを第1検知手段が検知した際に、給水手段により前記第2製氷室の周囲への除氷水の供給を開始して該第2製氷室を加熱し、
前記除氷水により加熱された第2製氷小室と氷塊との氷結が解除されることで、前記第2製氷室が自重により開放位置に向けて移動したことを第2検知手段が検知したときに、前記給水手段による除氷水の供給を停止させるようにしたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る自動製氷機の除氷運転方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら説明する。なお、実施例の自動製氷機では球体氷を製造する構成で説明するが、製造する氷塊の形状は球体状に限定されるものでなく、ダイヤカット状の多面体氷等、各種形状が可能である。
【0008】
図1に示す自動製氷機では、所要直径をなす多数の球体氷を製造する製氷室10が、水平に配設した第1製氷室11と、この第1製氷室11を下方から開閉可能に閉成する第2製氷室12とから基本的に構成される。すなわち、製氷機筐体(図示せず)の内部上方に配設された取付枠16に、熱伝導率の良好な金属を材質とする矩形状の第1製氷室11が水平姿勢で垂設され、半球状凹部としての第1製氷小室13が、この第1製氷室11に所要の整列パターンで下向きで多数凹設されている。また第1製氷室11の上面には、圧縮機CM、凝縮器、ファンモータFM等からなる冷凍系から導出した蒸発器14が蛇行状に密着固定され、当該冷凍系の運転により蒸発器14における気化冷媒の熱交換が促進されて、第1製氷室11が氷点下にまで冷却されるようになっている。
【0009】
前記第1製氷室11の直下には、銅の如き熱良導性の金属を材質とする第2製氷室12が後述の如く傾動可能に配設され、製氷運転に際して、該第1製氷室11を下方から閉成すると共に、除氷運転に際して、該第1製氷室11を開放し得るよう構成される。この第2製氷室12には、前記第1製氷室11に凹設した第1製氷小室13と対応して、同じく半球状凹部からなる第2製氷小室15が上向きに所要の整列パターンで多数凹設されている。従って、第1製氷室11に対し第2製氷室12を下方から閉成すると、両製氷小室13,15が相互に対応して各小室内に所要直径の球状空間が画成される。
【0010】
前記第2製氷室12は、前述の如く銅等の熱良導金属を材質とするブロック体として構成され、各第2製氷小室15に製氷水を噴射供給するための水皿17が、当該第2製氷室12の外底部に一体的に固定されている。この第2製氷室12における第2製氷小室15の形成面と反対側の面(水皿17と対向する面)には、相互に隣接する各第2製氷小室15の間に溝18が形成されている。すなわち、各第2製氷小室15は底面において溝18で囲繞されており、後述する除氷運転に際し、給水手段としての給水弁WVを介して供給される常温の水道水が溝18と水皿表面との間に充満し、第2製氷小室15の加熱促進を図るよう構成される。
【0011】
前記水皿17は、その後端部が直角に立上がって後部17aが形成され、この後部17aの開放端において前記取付枠16の所定部位に、枢軸19により傾動旋回可能に枢支され、後述の開閉用モータAMによって第2製氷室12と共に回動される。そして、水皿17を図において時計方向に回動すれば、図5に示す如く、該水皿17に一体固定した第2製氷室12は第1製氷小室13を開放し、また反時計方向に回動すれば、図1に示す如く、第2製氷室12は第1製氷小室13を閉成するよう構成される。水皿17には、各第2製氷小室15と連通する噴水孔20が対応的に穿設され、これら噴水孔20に製氷水を供給する分配管21が水皿17の裏面に蛇行配置されている。また水皿17の下方には、所定量の製氷水が貯溜される製氷水タンク22が一体的に設けられており、該タンク22に付設した給水ポンプPMを介して製氷水が前記分配管21に供給されるよう構成される。すなわち、製氷運転に際して製氷水タンク22から給水ポンプPMを介して圧送される製氷水は、水皿17に穿設した前記各噴水孔20を介して、各第1製氷小室13と第2製氷小室15とで画成された氷形成用空間中に噴射供給される。そして、該氷形成用空間中で氷結するに至らなかった製氷水(以下「未氷結水」という)は、水皿17の各噴水孔20に隣接して各第2製氷小室15と連通するよう穿設された戻り孔23を介して製氷水タンク22に帰還するよう構成されている。
【0012】
前記第2製氷室12と共に水皿17を傾動させる正逆回転可能な開閉用モータAMは減速機を備え、その出力軸24に回転体としての駆動アーム25が半径方向に延出するよう固定され、該駆動アーム25の先端と水皿17の前方端部(枢支側とは反対の端部)との間に、連繋部材としてのコイルスプリング26が弾力的に係着されている。そして、製氷運転の際には、図1に示す如く、水皿17は、第2製氷室12により第1製氷室11を下方から閉成する水平な閉成位置に、前記コイルスプリング26の弾力により保持されるよう構成される。また駆動アーム25には、コイルスプリング26の係着位置から離間する部位に、出力軸24に対して半径方向に延出するレバー片25aが設けてある。前記取付枠16における駆動アーム25およびレバー片25aの移動軌跡上に切換スイッチSW1が配設され、除氷運転に伴ない正転方向(第2製氷室12の開放位置への移動を許容する方向)に回転する開閉用モータAMの運転により回転(図1において反時計方向への正転回転)するレバー片25aが切換スイッチSW1を逆転側に切換えたときに、該モータAMを停止させ、前記水皿17および第2製氷室12を傾動する開放位置に停止保持するよう設定される。また、このとき冷凍系のホットガス弁HVを切り換えて、前記蒸発器14にホットガスを流通させるようになっている(図8参照)。
【0013】
前記水皿17の前後方向と交差する左右方向の両側には、直角に立上がる側部17bが夫々形成されると共に、該水皿17の前方には、側部17bより所定寸法だけ低く設定した堰止め部17cが配設され、この堰止め部17cの左右両端部は両側部17b,17bに密着されている。これにより水皿17の内部表面には、両側部17b,17b、堰止め部17cおよび前記後部17aで囲繞された水溜部27が形成される。そして該水溜部27に貯溜された後述する除氷水は、前記第2製氷室12の周囲に画成した前記溝18中に充満し、各第2製氷小室15を加熱するよう構成される。また水皿17には、水溜部27内の所定位置に排水孔28が穿設されており、水溜部27に貯溜された除氷水の一部は、該排水孔28から製氷水タンク22に流下し、他の除氷水は堰止め部17cの上端からオーバーフローして、水皿17の前方側よりタンク22に流入するようにしてある。なお、製氷水タンク22への給水は、外部水道系に接続している給水管29の給水弁WVを開放することにより行なわれる。前記製氷水タンク22にはオーバーフローパイプ34が配設され、除氷運転に際して水溜部27からタンク22に流入して所定水位を越えた除氷水を、該パイプ34を介して機外へ排出するようにしてある。
【0014】
前記第1製氷室11の所定位置に、製氷完了検知手段および第1製氷室11の除氷完了検知手段として機能する温度センサThが配設されている。そして、この温度センサThが、予じめ設定された製氷完了温度を検知した際に、製氷運転から除氷運転に移行すると共に、該温度センサThが、予じめ設定された除氷完了温度を検知した際に、除氷運転から製氷運転に移行するよう設定される。
【0015】
前記取付枠16には、前記駆動アーム25の回動軌跡上に臨む位置に第1検知手段としての除氷水開始スイッチSW2が配設され、除氷運転に伴なう前記開閉用モータAMの運転により駆動アーム25が前記コイルスプリング26を弛ませる正転方向(コイルスプリング26による第2製氷室12の閉成位置の保持を解除する方向)に所定角度回転した際に、該アーム25により除氷水開始スイッチSW2がON作動されるよう構成される。そして、除氷水開始スイッチSW2のON作動により、前記開閉用モータAMを停止させると共に、前記給水弁WVを開放して前記水溜部27への除氷水の供給を開始するように設定してある。
【0016】
前記取付枠16における水皿17の枢支側に近接する位置に、第2製氷室12の除氷完了を検知する第2検知手段としての除氷水終了スイッチSW3が配設され、該スイッチSW3は、水皿17の前記側部17bに突設された作動片30によりON−OFF作動されるようになっている。すなわち、製氷運転に際して水皿17が閉成位置に保持されている状態では、図1に示す如く、前記作動片30が除氷水終了スイッチSW3に当接してON作動させると共に、後述するように第2製氷室12の各第2製氷小室15と球体氷との氷結が解除されることにより、図4に示す如く、水皿17および第2製氷室12等が自重により下側(開放位置)に向けて傾動した際に、前記作動片30が除氷水終了スイッチSW3から離間してOFF作動するよう構成される。そして、除氷水終了スイッチSW3がOFF作動されたときに、該スイッチSW3は除氷完了の検知状態となり、前記給水弁WVを閉成して前記水溜部27への除氷水の供給を停止すると共に、前記開閉用モータAMの運転を再開して、水皿17を開放位置に向けて傾動させるよう設定されている。
【0017】
前記製氷水タンク22の下方には、製氷残水等を受けて機外へ排出するための排水皿31が配設され、該排水皿31の上方に、軸32に固定した氷案内板33が臨んでいる。この氷案内板33は、製氷運転中においては、図1に示す如く、前記水皿17や製氷水タンク22と干渉しない退避位置に位置決めされている。また除氷運転の際には、開放位置に向けて傾動する製氷水タンク22に突設した押片22aが、氷案内板33に設けた反転レバー33aを押すことにより該氷案内板33が軸32を中心として反時計方向に回動されて、この氷案内板33は傾動状態(開放位置)にある第2製氷室12の上面に倒れ込み、各第2製氷小室15を塞ぐよう構成される(図5参照)。すなわち、第1製氷室11から落下する球体氷を、この氷案内板33において滑落させて貯氷庫(図示せず)へ円滑に案内するようになっている。
【0018】
なお、前記水皿17が閉成位置に復帰する際には、氷案内板33は閉成位置に向けて傾動する該水皿17により押されて時計方向に旋回し、図1に示す退避位置に復帰するよう構成される。
【0019】
【実施例の作用】
次に、実施例に係る自動製氷機の除氷運転方法の作用につき、以下説明する。製氷運転に際し、図1に示す如く第2製氷室12は、第1製氷室11を下方から閉成して、各第1製氷小室13と各第2製氷小室15とを対応させ、内部に氷形成用空間を画成している。この状態で製氷運転が開始されると、第1製氷室11に設けた蒸発器14に冷媒が循環供給され、当該第1製氷室11の冷却がなされると共に、前記製氷水タンク22からの製氷水は分配管21にポンプ圧送され、該分配管21の各噴水孔20を介して両製氷小室13,15に画成される球状空間中に噴射される。
【0020】
噴射された製氷水は、第1製氷小室13の内面に接触して冷却され、下方の第2製氷小室15を潤した後、この未氷結水は、水皿17に穿設した前記戻り孔23を介して、製氷水タンク22に戻されて再度の循環に供される。そして製氷水の循環が反復される内に、タンク22中に貯溜される製氷水全体の温度が次第に低下すると共に、第2製氷小室12の温度も同様に次第に低下する。そして、先ず第1製氷小室13の内壁面で製氷水の一部が凍結して氷層が形成され始め、未氷結水は戻り孔23からタンク22に帰還する運転を重ねる間に、前記氷層の成長が更に進行して、最終的に両製氷小室13,15に形成される球状空間中に球体氷が生成される。
【0021】
図2に示す如く、球体氷の製造が完了(製氷完了)し、前記第1製氷室11の温度が製氷完了温度となったことを、前記温度センサThが検知すると、給水ポンプPMが停止制御されて、製氷水の循環供給を停止する(図8のタイミングチャート参照)。なお、冷凍系を構成する前記圧縮機CMおよびファンモータFMへの通電は継続されるので、蒸発器14への冷媒の供給は続行される。また、前記開閉用モータAMの運転が開始され、前記駆動アーム25は正転方向に回動し、該アーム25が前記除氷水開始スイッチSW2をON作動すると、開閉用モータAMの運転が停止される。このとき、前記給水弁WVが開放され、これにより外部水道系に接続する給水管29から水皿17の表面に画成してある前記水溜部27に除氷水(常温の水道水)の供給が開始される。また駆動アーム25の回動により前記コイルスプリング26は弛み、該スプリング26による水皿17および第2製氷室12を閉成位置に保持する力は解除される。しかし、この時点では第2製氷小室15と球体氷とは氷結状態を保持しているので、水皿17は閉成位置に臨んだままとなっている。なお、除氷水開始スイッチSW2のON作動により、前記圧縮機CMおよびファンモータFMへの通電が停止され、前記第1製氷室11は冷却されなくなる。
【0022】
前記給水弁WVを介して水溜部27に供給される水道水は、前記排水孔28から製氷水タンク22に流下する量に比べ多量であるので、該水溜部27での水位は次第に上昇し、遂には水皿17の堰止め部17cからオーバーフローするに至る。オーバーフローする際の水溜部27の水面レベルを、第2製氷室12の上端近傍に到来するよう設定しておくことにより、常温の水道水は第2製氷室12を主として加熱することができる。なお、堰止め部17cからのオーバーフロー水は、水皿17の先端から製氷水タンク22内に流下する。この水皿先端部から流入する水と、前記排水孔28から流下する水とによりタンク22内の水位は次第に上昇し、前記オーバーフローパイプ34から余分な水は排水皿31に流下した後に機外へ排出される。
【0023】
前記第2製氷室12は、水溜部27に貯溜される除氷水で加熱されて温度上昇し、前記第2製氷小室15の壁面と球体氷との氷結力は徐々に低下する。なお、第2製氷室12と接触する第1製氷室11にも除氷水の熱は伝わるが、この熱は僅かであり、第1製氷小室13の壁面と球体氷との氷結力は低下しない。
【0024】
前記第2製氷小室15の壁面と球体氷との氷結力が、第2製氷室12、水皿17および製氷水タンク22等からなる水皿組の自重を支えられなくなるまで低下すると、該水皿組は弛んでいた前記コイルスプリング26の弾力とバランスする位置まで自重によって下側に傾動する。これにより図4に示す如く、前記作動片30が除氷水終了スイッチSW3から離間してOFF状態となり、第2製氷室12からの球体氷の剥離(除氷完了)を検知する。このとき、前記給水弁WVを閉成すると共に、開閉用モータAMの運転を再開し、前記駆動アーム25が正転方向へ回動することで水皿17および第2製氷室12は開放位置に向けて傾動を開始する。
【0025】
すなわち、第2製氷室12と球体氷との氷結が解除されたことを機械的に検知して、該第2製氷室12を開放位置に向けて傾動するよう構成したから、第2製氷小室15に球体氷が氷結したまま第2製氷室12を開放させることはなく、前記駆動アーム25や開閉用モータAMに過大な負荷が加わったり、球体氷が割れて不良氷が発生するのを防止し得る。また、従来のように第2製氷室12に温度センサを配設する必要はないから、該センサのリード線が切断したり絶縁劣化に起因するトラブルは発生しない。
【0026】
前記水皿17の傾動途中において、前記軸32に一体的に配設された反転レバー33aを製氷水タンク22の押片22aが押すことにより前記氷案内板33が反転し、水皿17に寄りかかった状態で傾動する。水皿17が最大限に傾動したタイミングをもって、図5に示すように、前記レバー片25aが切換スイッチSW1を逆転側に切換えると、これにより開閉用モータAMは停止して水皿17の傾動を停止させる。なお、このとき氷案内板33は、先に述べた如く、第2製氷室12の上面を覆って氷塊滑落用の円滑面を提供している。
【0027】
前記切換スイッチSW1の切換えにより、前記圧縮機CMの通電が再開されると共にホットガス弁HVが開放して蒸発器14にホットガスが供給され、第1製氷室11の加熱がなされて、第1製氷小室13の内面と球体氷との氷結面の融解を開始する。そして、第1製氷小室13が或る程度加温されると、図5に示す如く、小室壁面と球体氷との氷結が解除されて自重落下し、傾動待機している前記氷案内板33の表面に落着し貯氷庫(図示せず)に滑落回収される。
【0028】
このように、球体氷が全て第1製氷小室13から離脱すると、第1製氷室11は蒸発器14に循環しているホットガスにより一挙に温度上昇する。そして、前記温度センサThが除氷完了温度を検知すると、前記開閉用モータAMが逆転方向に運転されて駆動アーム25は逆転方向(図6の時計方向)に回動される。従って該駆動アーム25と水皿17との間に弾力的に係着したコイルスプリング26により、水皿組は反時計方向に回動される。また、第1製氷室11の除氷完了検知により前記給水弁WVが開放され、水皿17上に供給されて前記水溜部27に貯溜する水道水は、前記排水孔28を介して製氷水タンク22に流入し、水位の低下したタンク22に新たな製氷水として供給される。
【0029】
前記逆転方向に回動する駆動アーム25により反時計方向に回動される水皿組が閉成位置に復帰されることによって、第1製氷室11は再び第2製氷室12で下方から閉成される(図7参照)。また、駆動アーム25により前記切換スイッチSW1が正転側に切換えられると、開閉用モータAMが停止されると共に、給水弁WVおよびホットガス弁HVが閉成して、水道水およびホットガスの供給が停止される。そして、初期状態に復帰して製氷運転が再開され、前述した動作を繰り返す。なお、駆動アーム25の逆転方向への回動途中に、前記除氷水開始スイッチSW2は該アーム25によりON−OFF作動されるが、このときの信号はキャンセルされ、前記給水弁WVが開放されることはない。更に、前記除氷水終了スイッチSW3も前記作動片30によりON作動され、次のサイクルの待機状態となる。
【0030】
【発明の効果】
以上に述べた如く、本発明に係る自動製氷機の除氷運転方法によれば、第2製氷小室に氷塊が氷結している第2製氷室を開放位置への移動を許容した状態で、除氷水による第2製氷室の加熱を開始し、第2製氷小室と氷塊との氷結が解除されて第2製氷室が自重により開放位置に向けて移動したことを検知したときに除氷水の供給を停止するようにしたので、第2製氷小室に氷塊が氷結したまま第2製氷室を開放させることはなく、第2製氷室の移動手段に過大な負荷が加わったり、氷塊が割れたりして不良氷が発生するを防止し得る。また、閉成位置と開放位置との間を移動する第2製氷室に温度センサを配設する必要はないから、該センサに起因するトラブルも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動製氷機の製氷機構を、第1製氷室に対し第2製氷室を閉成して製氷運転を開始した状態を示す概略縦断面図である。
【図2】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、製氷が完了して両製氷小室中に略中実な球体氷が生成された状態を示す概略縦断面図である。
【図3】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、製氷が完了して駆動アームの回動により除氷水開始スイッチがON作動して給水弁が開放し、水溜部に除氷水が貯溜される状態を示す概略縦断面図である。
【図4】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、第2製氷室と球体氷との氷結が解除されることで第2製氷室が第1製氷室から開放する状態を示す概略縦断面図である。
【図5】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、開放位置に停止した第2製氷室の上面に氷案内板を倒れ込ませて各第2製氷小室を塞いだ状態で第1製氷室から球体氷が剥離落下する状態を示す概略縦断面図である。
【図6】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、除氷が完了して第2製氷室が第1製氷室を閉成する方向に傾動を開始する状態を示す概略縦断面図である。
【図7】 実施例の自動製氷機の製氷機構を、第2製氷室が閉成位置に保持された状態を示す概略縦断面図である。
【図8】 実施例の自動製氷機を運転した際のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
11 第1製氷室,12 第2製氷室,13 第1製氷小室
15 第2製氷小室,25 駆動アーム(回転体)
26 コイルスプリング(連繋部材),WV 給水弁(給水手段)
SW2 除氷水開始スイッチ(第1検知手段)
SW3 除氷水終了スイッチ(第2検知手段)
Claims (1)
- 下方に開放する第1製氷小室(13)を多数備える第1製氷室(11)の下方に、前記第1製氷小室(13)の夫々を下方から対応的に閉成し得る第2製氷小室(15)を多数備え、製氷運転に際して第1製氷小室(13)を閉成する閉成位置に保持されると共に、除氷運転に際して第1製氷小室(13)を開放する開放位置に移動される第2製氷室(12)が配設され、製氷運転に際して前記両製氷小室(13,15)中に画成された空間に製氷水を供給して氷塊を形成するよう構成した自動製氷機において、
製氷運転時には連繋部材(26)を介して前記第2製氷室(12)を閉成位置に保持している回転体(25)を、製氷完了後に前記第2製氷小室(15)に氷塊が氷結している状態で、連繋部材(26)による閉成位置の保持を解除して第2製氷室(12)の開放位置への移動を許容する方向に回転させ、
前記回転体(25)が所定角度回転したことを第1検知手段(SW2)が検知した際に、給水手段(WV)により前記第2製氷室(12)の周囲への除氷水の供給を開始して該第2製氷室(12)を加熱し、
前記除氷水により加熱された第2製氷小室(15)と氷塊との氷結が解除されることで、前記第2製氷室(12)が自重により開放位置に向けて移動したことを第2検知手段(SW3)が検知したときに、前記給水手段(WV)による除氷水の供給を停止させるようにした
ことを特徴とする自動製氷機の除氷運転方法。
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