図1は、本発明の第1実施形態である半導体処理設備20を切断して示す断面図である。図2は、半導体処理設備20を簡略化して示す斜視図であり、オープナ側開口35を開放した状態を示す。図3は、図1に示す矢符A3−A3切断面線から切断して半導体処理設備20を示す断面図である。図3には、理解を容易にするために、仕切り板52の一部を切断した状態を示す。図4は、FOUP25を示す斜視図である。
半導体処理設備20は、処理対象基板となる半導体ウェハ24に対して予め定める処理を行う。たとえば半導体ウェハ24に施される処理として、熱処理、不純物導入処理、薄膜形成処理、リソグラフィー処理、洗浄処理または平坦化処理などの様々なプロセス処理が想定される。また半導体処理設備は、上述した基板処理以外の基板処理が行われてもよい。
半導体処理設備20は、クリーン度の高い雰囲気気体で満たされた処理空間30内で、上述した基板処理を行う。ウェハ24は、FOUP25(Front Opening Unified Pod、略称フープ)と称される基板容器に複数枚収容された状態で、半導体処理設備20に搬送される。
図4に示すように、FOUP25は、ウェハ24が収容される容器本体となるFOUP本体60と、FOUP本体60に対して着脱可能に形成される容器側ドアとなるFOUP側ドア61とを含んで構成される。FOUP本体60は、予め設定される正面方向Wに開放する略箱状に形成され、ウェハ収容空間としてFOUP内空間34が形成される。FOUP本体60は、正面方向W側に露出するFOUP側開口部62が形成され、FOUP側開口部62によって、FOUP内空間34のうちで正面方向Wの領域となるFOUP側開口63が形成される。FOUP側ドア61は、板状に形成され、FOUP本体60に対して着脱可能に構成される。FOUP側ドア61は、FOUP本体60に装着されることによって、FOUP側開口部62に当接してFOUP側開口部62を塞ぐ。またFOUP側ドア61は、FOUP本体60から取外されることで、FOUP側開口部62から離間してFOUP側開口部62を開く。
FOUP側ドア61がFOUP本体60に装着されることによって、FOUP本体60に形成されるFOUP内空間34が、外方空間33に対して密閉されて、外方空間33から塵埃粒子などの汚染物質がFOUP内空間34に侵入することを防ぐ。したがってFOUP内空間34がクリーン度の高い状態で、FOUP側ドア61が装着されることで、FOUP内空間34は、クリーン度の高い状態に保たれる。またFOUP側ドア61がFOUP本体60を開放することで、FOUP内空間34にウェハ24を収容可能となるとともに、FOUP内空間34からウェハ24を取り出し可能となる。
図1および図2に示すように、半導体処理設備20は、ウェハ処理装置22と、ウェハ移載装置23とを含んで構成される。ウェハ処理装置22は、前記処理空間30でウェハ24に予め定める処理を施す。ウェハ処理装置22は、ウェハ24に処理を施す処理装置本体のほか、処理空間30を形成する複数の処理空間形成壁、処理空間30でウェハ24を搬送する搬送装置、処理空間30に満たされる雰囲気気体を制御する調整装置などを有する。
ウェハ移載装置23は、処理前のウェハ24をFOUP25から取り出してウェハ処理装置22に供給するとともに、処理後のウェハ24をウェハ処理装置22から取り出してFOUP25に再収容する。ウェハ移載装置23は、装置フロントエンドモジュール(
Equipment Front End Module、略称EFEM)と称され、半導体処理設備20のうちで、FOUP25とウェハ処理装置22との間でのウェハ24の受渡しを担うインターフェース部となる。ウェハ24は、FOUP内空間34と、ウェハ処理装置22の処理空間30との間を移動する間に、予め定められる雰囲気気体で満たされるクリーン度の高い準備空間29を通過する。
ウェハ移載装置23は、前記準備空間29を形成する複数の準備空間形成壁28と、フレーム64と、準備空間29に配置されてウェハ搬送可能なロボット27と、FOUP25を開閉するFOUPオープナ26(以下、オープナ26と称する)と、準備空間29に満たされる雰囲気気体を制御する調整装置とを含む。また本実施の形態では、ウェハ移載装置23は、予め定める保持位置に保持されるウェハ24の向きを整えるアライナ56をさらに含む。
準備空間形成壁28は、準備空間29を囲み、外方空間33から外気が準備空間29に侵入することを防ぐ。フレーム64には、ウェハ24を搬送するのに必要な各搬送系要素がそれぞれ固定される。本実施の形態ではフレーム64は、2つのオープナ26と、1つのロボット27と、1つのアライナ56がそれぞれ固定される。
このようにFOUP25は、極所クリーン化技術に関し、クリーン環境におけるミニエンバイロメント用基板容器である。オープナ26は、FOUP25を開閉する開閉装置となり、いわゆるFOUPオープナと称される。FOUP25およびオープナ26の構成の一部については、たとえばSEMI(Semiconductor Equipment and Materials
International)規格によって、予め規定される。この場合、たとえばFOUP25およびオープナ26は、SEMI規格のE47.1、E15.1、E57、E62、E63、E84などの仕様に従う。ただし、FOUP25およびオープナ26の構成がSEMI規格外の構成であっても、本実施の形態に含まれる。
各オープナ26は、正面壁28aの一部と、オープナ側ドア65と、FOUP支持部31と、オープナ側ドア駆動機構66と、基部67とを含んで構成される。FOUP支持部31は、準備空間29および処理空間30の外となる外方空間33に配置されて、搬送されるFOUP25を支持する。本実施の形態では、FOUP支持部31は、支持するFOUP25の正面方向Wが水平となるように、FOUP25を下方から支持する。FOUP支持部31は、FOUP25を支持した状態で、FOUP25をその正面方向Wに変位駆動して、予め定めるウェハ移載位置にFOUP25を位置決め支持可能に構成される。各オープナ26の基部67は、フレーム64に固定される。各オープナ26のうちで、基部67以外をオープナ本体とすると、オープナ本体は、基部67を介してフレーム64に固定される。
以下、FOUP支持部31に支持されるFOUP25に設定される正面方向となる方向を前方X1とし、前方X1と向きが反対の方向を後方X2と称する。また前方X1および後方X2を含む方向を前後方向Xと称する。また上下方向をZとし、前後方向Xおよび上下方向Zにともに垂直な方向を左右方向Yと称する。
正面壁28aは、準備空間形成壁28の一部を構成する板状部材である。正面壁28aを挟んで前方X1の空間が準備空間29となり、正面壁28aを挟んで後方X2の空間が外方空間33となる。正面壁28aは、FOUP支持部31に支持されるFOUP25に対して前方X1に配置され、FOUP側開口部62に対向する。本実施の形態では、正面壁28aは、FOUP支持部31がFOUP25を乗載する乗載面から鉛直方向上方Z1に延びるとともに、前後方向Xに垂直に延びる。
ロボット27は、本実施の形態では水平多関節ロボットによって実現される。ロボット27は、準備空間29に配置され、ウェハ24を把持可能なロボットハンド40と、ロボットハンド40を変位移動させるためのロボットアーム41と、ロボットアーム41を上下方向Zに変位駆動させる上下駆動体42と、上下駆動体42をフレーム64に固定する基部43と、ロボットアーム41および上下駆動体42を制御するコントローラ44とを含んで構成される。
コントローラ44によって、ロボットアーム41および上下駆動体42を制御することによって、ロボットハンド40に把持させたウェハ24を移動させることができる。基部43以外をロボット本体とすると、ロボット本体は、基部43を介してフレーム64に固定される。
ロボットハンド40は、オープナ26がFOUP25を開いた状態で、FOUP25のFOUP内空間34に侵入して、FOUP25に収容されるウェハ24を把持する。次に、ロボットハンド40は、準備空間29を通過して、半導体処理装置22の処理空間30に侵入して、把持したウェハ24を、予め設定されるウェハ配置位置に移載する。またロボットハンド40は、処理空間30に侵入してウェハ配置位置に把持されるウェハ24を把持する。次にロボットハンド40は、準備空間29を通過して、FOUP内空間34に侵入して、把持したウェハ24を、FOUP25の収容位置に移載する。
本実施の形態では、2つのオープナ26がそれぞれ設けられるので、ロボットハンド40は、各オープナ26のそれぞれのFOUP支持部31に支持されるFOUP25それぞれに対して、ウェハ24の出し入れ可能に設定される。またロボットハンド40は、FOUP25から取り出したウェハ24を、アライナ56に設定される保持位置に配置可能であるとともに、アライナ56の保持位置から取り出したウェハ24を、処理装置22に配置可能である。また上下駆動体42は、フレーム64に固定された状態で、鉛直方向に延びる。
アライナ56は、ウェハ24を支持する保持部を有し、保持部に保持されたウェハ24を回転させて、ウェハ24に形成されるノッチまたはオリフラが予め定める方向に向くように位置合わせする。位置合わせされたウェハ24をロボットハンド40が把持することで、ウェハ24の向きを整えて、処理装置22に配置することができる。これによって処理装置22は、ウェハ24の向きがそろえられた状態で、予め定める処理を行うことができる。
図5は、ウェハ移載装置23を示す側面図であり、図6は、ウェハ移載装置23の一部を残余の部分から分離させた状態を示す側面図である。図5および図6には、FOUP25が装着されていない状態を示す。本実施の形態では、ウェハ移載装置23は、搬送系ユニット21と、残余の部分である本体構成体51とに分割可能に形成される。具体的には、搬送系ユニット21は、ウェハ移載装置23の本体構成体51に対して、着脱可能に形成され、搬送系ユニット21が本体構成体51に装着されることによって、ウェハ移載装置23として完成する。
本体構成体51は、準備空間形成壁28の一部を構成するとともに、FFU(ファンフィルタユニット)および表示灯などによって構成される。本体構成体51は、搬送系ユニット21に比べて要求される組立て精度が低い。これに対して、搬送系ユニット21は、機械的な搬送系要素が全て組み込まれており、要求される組立精度が高い。
搬送系ユニット21は、ウェハ移載装置23のフレーム64の一部となるフレーム分割体50と、ウェハ24の搬送に必要な搬送系要素とを備える。搬送系要素は、フレーム分割体50に固定される。本実施の形態では、搬送系要素は、ロボット27、オープナ26およびアライナ56となる。各搬送系要素は、コントローラ44によってそれぞれ制御される。コントローラ44は、必要に応じて機能を追加することで、ロボット27を制御するロボットコントローラと、オープナ26を制御するオープナ駆動用制御コントローラと、アライナ56を制御するアライナ駆動用コントローラと、ウェハ移載装置全体を制御するEFEM用コントローラと、EFEM用インターロックとの役割を兼ねるように拡張可能としてもよい。
図5および図6に示すように、搬送系ユニット21は、ウェハ移載装置23として完成した後であっても、本体構成体51から分離することができる。具体的には、ウェハ移載装置23の正面壁の一部がフレーム分割体50となり、フレーム分割体50が本体構成体51に形成される正面側開口69を塞ぐ。正面側開口69は、ウェハ移動方向Xに垂直な投影面におけるロボット27の最小外形形状よりも大きく形成される。
搬送系ユニット21を本体構成体51から分離させて、ウェハ移動方向Xにスライドさせると、ロボット27およびオープナ26が正面側開口69を通過して、ロボット27およびオープナ26が準備空間29から外部空間33に移動する。これによってウェハ移載装置23が故障した場合などに、各搬送系要素26,27,56を外部空間33に移動させた状態で、各搬送系要素26,27,56の動作を確認することができる。すなわち準備空間29に比べて十分広い外部空間33に搬送系ユニット21を引き出した状態で、ロボット27とオープナ26との動作確認を行うことができる。これによって故障箇所の発見と、故障個所の修理とを容易に行うことができる。また準備空間29から取り出した状態で組立て、メンテナンスすることができるので、搬送系ユニット21に含まれる各搬送系要素26,27,56を密に集約配置することができ、準備空間29を小形に構成することができる。
また各構成要素26,27,56は、フレーム分割体50から着脱可能に構成される。これによってロボット27およびFOUPオープナ26が損傷した場合には、損傷したモジュールのみを交換することができ、搬送系ユニット全体を交換する必要がないので利便性を向上することができる。
図7は、図3に示す矢符A7−A7切断面線から切断して搬送系ユニット21を示す断面図である。本実施の形態では、フレーム分割体50は、複数の板状部材によって囲まれる立方体箱状に形成されるフレーム本体部50aと、正面壁28aの一部を形成する正面壁形成部50bとを含む。フレーム分割体50のうちの正面壁形成部50bは、オープナ26に形成される正面壁28aの一部を支えるとともに、正面壁28aを構成する。正面壁形成部50bは、フレーム本体部50aから上方に突出して形成され、FOUP側ドア61が挿通するオープナ側開口35を形成するオープナ側開口部68を有する。
フレーム本体部50aは、立体形状に形成される。本実施の形態では、上下方向Zに垂直な平面で切断した断面形状が四角枠を形成する4つの側壁部分と、各側壁部分によって形成される四角枠の上端部を塞ぐ上面部分と、四角枠の下端部を塞ぐ下面部分とを含んで構成される。4つの側壁部分のうち対向する一対の側壁部分は、互いに間隔をあけて、左右方向Yに垂直にそれぞれ延び、他の一対の側壁部分は、互いに間隔をあけて前後方向Xに垂直にそれぞれ延びる。またフレーム本体部50aは、各側壁部分と、上面部分と、下面部分とによって規定される内部空間57を形成する。また上面部分には、オープナ側ドア65を内部空間57に対して出し入れするための開口が形成される。
内部空間57は、ウェハ移載装置23に形成される準備空間29のうちの固定空間78の一部を構成する。また内部空間57は、少なくとも、オープナ26の下方の領域に形成される。またフレーム本体部50aは、搬送系ユニット21が本体構成体51に装着された状態で、FOUP支持部31のうちでウェハ移載装置23の外方空間33に露出する側面300に対して、略面一な側面を有する。このように本実施の形態では、フレーム本体部50aは、H型鋼を用いたボックス構造に形成される。
4つの側壁部分のうちで、前方X1側の側壁部分は、ロボット27の基部43が固定されるロボット固定部53aとなる。また上面部分は、各オープナ26の基部67が固定されるオープナ固定部53bとなる。このようにフレーム分割体50は、ロボット27および各オープナ26などの搬送系要素をそれぞれ固定する固定部53a,53bを有する。
ロボット27の基部43は、ロボット27の上下駆動体42が鉛直方向に延びて、上下駆動体42とフレーム本体部50aとが対向した状態で、上下駆動体42の固定部分とロボット固定部53aとを連結する。したがってロボット27は、その側方部分で固定されるサイドマウント固定方式で、フレーム分割体50に固定される。
本実施の形態では、ロボット27の基部43は、ロボット固定部53aの左右方向Y中央部分に固定される。またロボット27の基部43は、ロボット固定部53aの上下方向Z一端部から上下方向Z他端部にわたって延びる。またロボット27の基部43は、フレーム本体部50aのうちの上面部分の前方X1側端部にも固定される。これによってロボットハンド40を移動させたときに基部43に与えられる反力を、フレーム本体50aで受けることができる。
オープナ26の基部67は、オープナ26のFOUP支持部31の下面が、フレーム本体部50aの上面に対向した状態で、FOUP支持部31の下面とオープナ固定部53bとを連結する。したがってオープナ27は、下方部分で固定されるボトムマウント固定方式で、フレーム分割体50に固定される。本実施の形態では、フレーム本体部50aのオープナ固定部53bは、オープナ27の基部67を介して、FOUP支持部31を乗載する。オープナ固定部35bは、FOUP支持部31の下面全体を支持する。
本実施の形態では、ロボット27の基部43は、ロボット本体から与えられる力をロボット固定部53aへ伝える。同様にオープナ26の基部67は、オープナ本体から与えられる力をオープナ固定部53bへ伝える。これに対して、フレーム本体部50aは、ロボット27およびオープナ26などから与えられる外力に対して充分な剛性を有する。言い換えれば、ロボット27およびオープナ26などから与えられる外力に対する変形が充分に小さくなるように設計される。さらに言い換えると、フレーム本体部50aは、ロボット27の基部43とオープナ26の基部67とをそれぞれ固定する状態では、各基部43,67を介してロボット27およびオープナ26から力が与えられる場合に、基板を移載するのに許容されるロボット許容変形量を超えてロボット基部が変形することを防ぐ剛性を有する。
したがってフレーム分割体50は、各固定部53a,53bを介して、ロボット27およびオープナ26から力が与えられたとしても、ロボットおよびオープナを強固に支持可能な剛性を有する。フレーム本体部50aは、ロボットハンド40の先端部が、ウェハ24を移載するのに許容されるロボット許容変形量を超えてロボット27が変形することを防ぐ剛性を有する。同様に、フレーム本体部50aは、オープナ26が、FOUP側ドア61を移載するのに許容されるオープナ許容変形量を超えてオープナ26が変形することを防ぐ剛性を有する。本実施の形態では、ロボット許容変形量およびオープナ許容変形量は、約10μmに設定される。たとえばロボット27およびオープナ26から与えられる反力に対してフレーム本体部50aの変形量は、数ミクロン以下となる剛性に設定される。またロボット許容変形量およびオープナ許容変形量は、基板移載装置ごとに異なり、上述した値以外であってもよい。本実施の形態では、フレーム本体部50aは、前後方向寸法Wは約750mmであり、左右方向寸法Bは約980mmであり、上下方向Z寸法Hは約580mmである。
このようなフレーム本体部50aの寸法および板厚は、本実施の一例であって、これに限定されるものではない。たとえば左右方向寸法Bは、フレーム本体部50aに固定されるオープナ26の個数によって変更可能である。またフレーム本体部50aの剛性を向上するために、内部空間57に桟などの補強部材が設けられてもよい。またフレーム本体部50aは、複数の棒状部材によって剛性を有する枠状の骨組みが形成されて、その骨組みに板状部材が固定されて内部空間57を形成する構成であってもよい。
また本実施の形態では、フレーム本体部50aの後方X2端面は、オープナ26のFOUP支持部31の後方X2端面と略面一に形成される。またフレーム本体部50aが、FOUP支持部31の下面全体を支持する。これによってウェハ移載装置23の準備空間29を大きくすることなく、フレーム本体部50aを準備空間29に対して外方空間33に突出させて、フレーム本体部50aを大形化させることができ、フレーム本体部50aとして必要な剛性を容易に確保することができる。またフレーム本体部50aの内部空間57を大きくすることができ、内部空間57に配置可能な機器を増やすことができる。
またフレーム本体部50aの下面部分には、車輪58が設けられる。これによってフレーム分割体50の移動を容易に行うことができる。またフレーム本体部50aは、自立姿勢を安定して保つための脚部が設けられる。またフレーム本体部50aは、本体構成体50に着脱可能に連結される装着部が形成される。装着部は、フレーム本体部50aと本体構成体とに互いに形成されるねじ結合部または凹凸結合などによって実現される。これによってフレーム分割体50が本体構成体51に装着された状態で、不所望にフレーム分割体50が本体構成体51から分離することを防ぐことができる。
またフレーム本体部50aは、ロボット27のうちでフレーム分割体50に対して固定した固定部分を覆う仕切り体52が設けられる。図1に示すように、仕切り体52は、フレーム分割体50が本体構成体51に装着された状態で、ロボット27のうちフレーム体に対して可動する可動部分が配置される可動空間と、ロボット27のうちフレーム体に対して固定される固定部分が配置される固定空間とを仕切る。本実施の形態では、ロボットハンド40、ロボットアーム41および上下駆動体42の可動部分の動作領域領域が、過動空間となる。また基部43および上下駆動体42の固定部分が配置される領域が固定部分となる。本実施の形態では、仕切り体52は、フレーム本体部50aの上面よりも上方Z2の位置をウェハ移載方向Xに延びて、フレーム本体部50aに対して上方となる可動空間と、フレーム本体部50aに対してウェハ移載方向に隣接する空間となる固定空間とを仕切る。可動空間は、ウェハが移動する空間となる。
図8は、図3に示す矢符A8−A8切断面線から切断して搬送系ユニット21を示す断面図である。本実施の形態では、フレーム本体部50aは、アライナ56が固定されるアライナ固定部59が設けられる。アライナ固定部59は、アライナ56の動作時にアライナ56から力が与えられたとしても、本体構成体51に伝わることを防ぐことが可能な剛性を有する。
以上のように本実施の形態によれば、フレーム分割体50は、ロボット27を固定する状態で、ロボット27から力が与えられたとしても、ウェハ24を移載するのに許容されるロボット許容変形量を超えてロボットが変形することを防ぐ剛性を有する。またロボット27のうちでフレーム分割体50に固定するための基部43は、低い剛性を有し、フレーム分割体50に固定されない状態では、ロボットアームから力が与えられる場合に、前記ロボット許容変形量を超える変形を許容する剛性を有する。これによってロボット27の基部43がロボット本体から与えられる力をフレーム分割体50へ力が伝わることを許容したとしても、フレーム分割体50に固定されるロボット27が不所望に変位することを防ぐことができる。したがってロボット27の基部43は、ロボット本体とロボット固定体53aとを連結する機能を有すれば充分であり、基部43の剛性および質量を低減させることが可能となる。またロボット固定部53aの剛性を高くすることは、ロボット27の基部43の剛性を高くするよりも、単純な構成で容易に実現することができ、またその剛性向上効果も大きい。またロボット27の基部43を簡素化および軽量化することができる。ロボット27の基部43を簡素化および軽量化することで、準備空間29を小形化することができるとともに、ロボット27と他の装置との干渉を防ぐことができる。
同様に本実施の形態によれば、フレーム分割体50は、オープナ26を固定する状態で、オープナ26から力が与えられたとしても、FOUP側ドアを開閉するのに許容されるオープナ許容変形量を超えてオープナ26が変形することを防ぐ剛性を有する。またオープナ26のうちでフレーム分割体50に固定するための基部67は、低い剛性を有し、フレーム分割体50に固定されない状態では、オープナ本体から力が与えられる場合に、前記オープナ許容変形量を超える変形を許容する剛性を有する。これによってオープナ26の基部67がオープナ本体から与えられる力をフレーム分割体50へ力が伝わることを許容したとしても、フレーム分割体50に固定されるオープナ26が不所望に変位することを防ぐことができる。したがってオープナ26の基部67は、オープナ本体とオープナ固定体53bとを連結する機能を有すれば充分であり、基部67の剛性および質量を低減させることが可能となる。またオープナ固定部53bの剛性を高くすることは、オープナ26の基部67の剛性を高くするよりも、単純な構成で容易に実現することができ、またその剛性向上効果も大きい。
このように本実施の形態では、ロボット27を含む搬送系要素26,27,56をそれぞれ固定するフレーム本体部50aについて、充分な剛性を与えて、個々の搬送系要素26,27,56に必要とされていた機械剛性をフレーム本体部50aに集約させる。言い換えると、ロボット27およびオープナ26の剛性を、フレーム分割体50aに肩代わりさせる。このようにフレーム本体部50aを充分に支持可能に個々の搬送系要素26,27,56を剛に固定することによって、搬送系ユニット21の品質および信頼性を維持しつつ、個々の搬送系要素26,27,56の剛性を低減させることが可能となる。このように本実施の形態では、搬送系ユニット21の品質を維持しつつ、個々の搬送系要素26,27,56の構成を低剛性化することによって、搬送系ユニット21を安価に構成することができ、製造コストを低減することができる。また個々の搬送系要素26,27,56は、独立してフレーム本体部50aから取外すことができるので、個々の搬送系要素26,27,56を独立してフレーム本体部50aから交換可能となる。これによってメンテナンス性および組立容易性を向上することができる。
たとえばロボット27は、予め定められる周波数範囲において、予め定められる設定振幅量の振動が伝わると、ウェハ24の搬送に不具合が生じる。本実施の形態では、ロボットハンド41がウェハ24を水平方向に搬送した場合に発生する反力がロボット固定部53aに与えられても、フレーム本体部50aは、ロボット27の振動が、上述した周波数範囲で設定振幅量の振動が伝わらないように、その剛性および質量が選択される。このように各固定部53a,53bは、ロボット27およびオープナ26から力が与えられても、ウェハ処理装置22に設定される許容値未満の振動量に抑えるような、剛性に選択されることで、ウェハ処理装置22の処理に不具合が生じることを防ぐことができる。
またロボット固定部53aは、本実施例ではサイドマウント方式によってロボット27を固定する。これによってロボット27を安定して固定することができるとともに、水平方向にロボットハンド40を動作させた場合に、モーメント力としてロボット固定部53aに力が伝わることを抑えることができる。これによってより確実に力がウェハ処理装置22に伝わることを防ぐことができる。
また本実施の形態では、オープナ26の下方にフレーム本体50aを配置することで、フレーム本体部50aを大形化することができ、フレーム本体部50aの剛性の向上を容易に実現することができる。具体的には、ウェハ移載方向Xのフレーム本体部50aの寸法を大きくすることができ、ウェハ移載方向Xに関する断面2次モーメントを大きくすることができ、ウェハ移載方向Xにかかる力に対する変形量を抑えることができる。たとえばフレーム本体部50aが直方形状であるとすると、ウェハ移載方向Xの寸法Bを2倍にすると、ウェハ移載方向Xに関する変形量を1/8(=1/B3)とすることができる。またフレーム本体部50aを大形化することができ、フレーム本体部50aの内部空間57を大きくすることができ、内部空間57に収容可能な部品を増やすことができる。
また図1に示すように、仕切り体52は、フレーム分割体50が本体構成体51に装着された場合に、ロボット27のうちフレーム分割体50に対して可動する可動部分が配置される可動空間79と、ロボット27のうちフレーム分割体50に対して固定される固定部分が配置される固定空間78とを仕切る。仕切り体52は、開口が形成され、その開口からロボット27の可動部分が突出する。固定空間78に充満する気体が、可動空間77に侵入することを防ぐために、固定空間78と、可動空間79とは、互いに密閉されることが好ましい。また準備空間78に配置されるFFU等によって、ダウンフローを発生させたり、可動空間79よりも固定空間78のほうが、圧力が低く調整させたりしてもよい。これによっても固定空間78から可動空間79に気体が侵入することをより確実に防ぐことができる。
このようにクリーン環境またはその他の環境対応が必要なウェハ移載装置23において、仕切り体52を設けて可動空間79と固定空間78とを仕切ることによって、固定空間78から可動空間79に、塵埃粒子が移動することが防がれ、可動空間79をクリーンな状態に保つことができる。また固定空間78に配置されるロボットの基部43などには、塵埃が発生することを防止するような表面処理およびカバーを不必要とすることができ、製造コストを抑えることができる。この場合、ロボット27は、可動空間79に露出する可動空間露出部分のほうが、固定空間78に露出する固定空間露出部分よりも、低発塵処理が施される。言い換えると、ロボット27は、固定空間78に露出する固定空間露出部分のほうが、可動空間79に露出する可動空間露出部分よりも、低発塵処理が施され度合いが低い。
たとえば、ロボット27の胴部およびアライナ26の大部分が、固定空間78に配置されるので、ロボット27およびアライナ26の表面のクリーン仕上げや塵埃の飛散を防ぐカバーなどが不要となることで、加工時の仕上げ面からさらに塵埃防止加工を施す必要がなくなり、製造コストをさらに低減することができる。またロボット27およびオープナ26のうちで、固定空間78に配置される部分で発生する発塵粒子が、ウェハに影響を与えることが少ないので、固定空間78に配置される部分の配置上の自由度を向上することができ、固定空間79に配置される各構成部品を密集して配置する必要がない。
また仕切り板によって可動空間79と固定空間78とを仕切ることで、作業者が固定空間78で作業を行った場合についても、作業時に発生した塵埃粒子が可動空間79に移動することを防ぐことができるので、仕切り板52が存在しない場合に比べて、作業後に短時間に、ウェハ移載可能なクリーン度に可動空間29を清浄化することができる。上述したように、固定空間78に配置される各構成部品については、発生する発塵粒子がウェハに影響を与えることが少ないので、メンテナンスが容易な位置および構造することができ、さらにメンテナンスを容易にすることができる。
また上述したように、固定空間78と、フレーム本体部50aの内部空間とを合わせて大きな空間を形成することができる。さらに上述したようにフレーム本体部50aの上面部にオープナを配置し、オープナの側面300と略面一となるようにフレーム本体部50aを形成することで、さらに大きな空間を形成することができ、発生する発塵粒子がウェハに影響を与えることが少ない空間に、配置可能な部品を増やすことができる。
またフレーム分割体50は、本体構成体51に装着された場合に、フレーム分割体50に固定されるロボット27、オープナ26およびアライナ56などの搬送系要素がウェハ移載装置23の一部として位置すべき配置位置および姿勢にそれぞれ配置されるよう形成される。すなわちウェハ移載装置23として実際に動作するときに、各搬送系要素26,27,56の相対位置関係が予め設定される場合、フレーム分割体50は、各搬送系要素26,27,56が前記予め設定されている相対位置関係となるように、各搬送系要素26,27,56をそれぞれ固定する。
またウェハ移載装置23として実際に動作するときに、ロボット27および各オープナ26に設定される基準点の位置および基準面の姿勢が予め設定される場合、フレーム分割体50は、ウェハ移載装置23の本体構成体51に装着された状態で、それら基準点の位置および基準面の姿勢が予め設定される状態となるように、各搬送系要素26,27,56をフレーム分割体50に固定する。フレーム分割体50に各搬送系要素26,27,56がそれぞれ固定されることで、各搬送系要素26,27,56の位置および姿勢が調整された状態となる。これによって、搬送系ユニット21が本体構成体51に装着されたあとで、ロボット27、各オープナ26およびアライナ56の相対位置の調整や、ロボットの移動位置の再教示をする手間を少なくすることができる。
また各搬送系要素26,27,56のウェハ移載装置23に対する取付けについては、高い取付け精度が要求される。本実施の形態では、搬送系ユニット21ととして組立てるときに、それら各搬送系要素26,27,56の位置、姿勢および相対位置関係を調整することができる。したがって本体構成体51に搬送系ユニット21を装着したあとでは、各搬送系要素26,27,56の位置および姿勢を調整する手間を少なくすることができ、ウェハ移載装置23の組立てを短時間で行うことができる。また十分に広い空間で各搬送系要素26,27,56の取付けを行うことができ、ウェハ移載装置23の準備空間29内で各搬送系要素26,27,56を据え付けるよりも、容易に位置調整作業を行うことができる。
またフレーム分割体50は、各搬送系要素26,27,56がフレーム本体部50aにそれぞれ固定された場合に、各搬送系要素26,27,56は、ウェハ移載装置23として動作するときと同じ動作が可能に形成される。すなわちフレーム分割体50は、オープナ側開口35が形成される領域、オープナ26がFOUP側ドア61およびオープナ側ドア65を移動させるのに必要な可動領域、ロボット27のウェハ搬送に必要な動作領域を除いた領域に形成される。これによって各搬送系要素26,27,56は、本体構成体51に装着される前に、互いに協働して動作することができる。
したがってフレーム分割体50にロボット27、各オープナ26およびアライナ56を固定した状態で、ロボット27、各オープナ26およびアライナ56の動作確認をそれぞれ個別に行うことができる。さらにロボット27とオープナ26とアライナ56の協働動作についての動作確認も行うことができる。
具体的には、オープナ26のFOUP保持部31に保持されるFOUP25に収容されるウェハ24を、ロボットハンド40に保持させる動作と、ロボットハンド40が保持したウェハ24を、オープナ26のFOUP保持部31に収用する動作とを確認することができる。またロボットハンド40に保持させたウェハ24を、アライナ56に配置する動作と、アライナ56に配置されるウェハ24を、ロボットハンド40に保持させる動作とを確認することができる。
したがって搬送系ユニット21が本体構成体51に装着されたあとで、ロボット27および各オープナ26の動作確認の手間を少なくすることができる。またウェハ移載装置23を組立てたあとで、ウェハ移載装置23を可動可能な状態とするまでに費やす準備時間を短縮させることができる。また本体構成体51の準備空間29内にロボット27およびオープナ26を据え付けるよりも、十分に広い空間でロボット27およびオープナ26の動作確認を行うことができ、動作確認作業を容易に行うことができる。
また搬送系ユニット21が自立姿勢を保つことによって、搬送系ユニット21を出荷するにあたって、別途出荷用架台に乗せる必要がない。したがってウェハ移載装置23の設置場所とは異なる場所で組立て、位置調整および動作確認を行ったとしても、架台に載せることなく、搬送系ユニット21をウェハ移載装置23の設置場所に出荷することができる。
また搬送系ユニット21が自立姿勢を保った状態で、ロボット27およびオープナ26の姿勢が、ウェハ移載装置23として実際に動作するときの姿勢と同じに保たれる。具体的には、ウェハ移載装置として組立てられたときに、水平に保たれる基準水平面がロボット27およびオープナ26に設定される場合、搬送系ユニット21が自立姿勢を保った状態で、ロボット27およびオープナ26に設定される基準水平面が水平に保たれる。
これによってウェハ移載装置23として組立てるまでに、搬送系ユニット21の動作テストを行う場合に、ウェハ移載装置23と同じ姿勢にロボット27およびオープナ26の姿勢を保つことができ、別途テスト用架台に乗せる必要がない。また上述したロボット27およびオープナ26の動作テスト時にロボット27に教示した教示位置、すなわちロボット27の基準位置に対するFOUP25の位置などを、ウェハ移載装置34の実際の動作における移動位置として登録することができ、ウェハ移載装置23を組立てた後に行うロボット移動位置の教示動作の手間を少なくすることができる。
図9は、フレーム分割体50の装着部を拡大して示す図であり、図10は、フレーム分割体50の装着部を拡大して示す断面図である。図9(1)および図10(1)は、搬送系ユニット21が本体構成体51から分離した状態を示し、図9(2)および図10(2)は、搬送系ユニット21が本体構成体51の装着位置に装着された状態を示す。
本実施の形態では、フレーム分割体50は、本体構成体51に形成される装着位置に装着される装着部254と、装着部254を本体構成体51の装着位置に案内する案内部256とを有する。本体構成体51には、被装着部258が形成され、被装着部258に装着部254が嵌合する。本実施の形態では、装着部254は、脚部255の先端部からウェハ移動方向Xに突出する第1装着部254aと、オープナ固定部253からウェハ移動方向Xに突出する第2装着部254bとを有する。本体構成体51には、第1装着部254aおよび第2装着部254bが嵌合する各被装着部258a,258bが形成される。被装着部258a,258bには、各装着部254a,254bが嵌合する嵌合孔257a,257bがそれぞれ形成される。各被装着部258に装着部254がそれぞれ嵌合することによって、本体構成体51に対する搬送系ユニット21の位置および姿勢が調整される。本実施の形態では、搬送系ユニット21のうちウェハ搬送方向X一方の端部に、第1装着部254aが設けられる。また搬送系ユニット21のうちウェハ搬送方向X他方の端部に第2装着部254bが設けられる。第1装着部254aおよび第2装着部254bが幅方向Y両側にそれぞれ一対設けられることによって、搬送系ユニット21の下方の四角で位置合わせすることができ、搬送系ユニット21を本体構成体51に安定して装着することができる。
装着部254および嵌合孔257とはその軸線に垂直な断面形状がほぼ等しく形成される。本実施の形態では、装着部254は、円柱状に形成され、被装着部258に装着される嵌合孔257の内径とほぼ等しく形成される。各装着部254の先端には、装着部254と同軸に形成され、略円錐台状に形成される案内部256が形成される。案内部256は装着部254に連なる箇所の直径が装着部254の直径と等しく形成され、装着部254から離反するにつれて先細に形成される。案内部256から嵌合孔257に嵌合されることで、嵌合孔257と案内部256とが少々ずれた場合でも装着部254を嵌合孔257に挿入することができる。このように案内部256が形成されることによって、案内部256によって案内することができ、装着部254を装着位置に容易に移動させることができる。
また図10に示すように、搬送系ユニット21の2つの脚部255には、それぞれ車輪264が設けられる。これによって搬送系ユニット21の搬送を容易に行うことができる。たとえばメンテナンス時に、本体構成体51に対して、搬送系ユニット21をスライドさせて分離させることが可能である。
また図10(1)に示すように、搬送系ユニット21が本体構成体51から分離した自然状態で、嵌合孔257の軸線L2よりも、装着部254の軸線L3は予め定める距離dぶん下方に配置される。したがって図10(2)に示すように、搬送系ユニット21が本体構成体51に装着された状態で、嵌合孔257の軸線L2と装着部254の軸線L3とが一致すると、自然状態に比べて予め定める距離dぶん浮いた状態となる。これによって車輪264の影響をなくして搬送系ユニット21を位置合わせすることができる。また本実施の形態では、フレーム分割体50および本体構成体51とには、作業者による搬送系ユニット21の装着作業を支援する装着支援部材260が設けられる。
図11は、装着支援部材260を示す正面図である。図11(1)は、搬送系ユニット21が本体構成体51から分離した状態を示す。また図11(2)は、搬送系ユニット21が本体構成体51に装着された状態を示す。装着支援部材260は、フレーム分割体50に対して角変位軸線L1まわりに角変位可能に設けられるレバー部261と、レバー部261に固定されてレバー部261ともに角変位軸線L1まわりに角変位する角変位部262と、本体構成体51に設けられるピン部259とを含んで構成される。角変位部262は、角変位軸線L1まわりに角変位するとともに角変位軸線L1からの距離が小さく変化する係止部分264が形成される。係止部分264は、角変位軸線L1に臨み、角変位軸線L1まわりに進むことによって、角変位軸線L1からの距離が滑らかに変化する係止案内面263を有する。
図11(1)に示すように、案内部256bを嵌合孔257に挿入することによって、係止部分264の内側にピン部259が配置される。この状態で図11(2)に示すように、レバー部261を角変位することによって、係止部分264の係止案内面263にピン部259が摺動し、角変位部262がピン部59に力を与える。角変位部262は、ピン部259から反力を受けることによって、本体構成体51に向かう力が与えられ、搬送系ユニット21が変位して装着部254が嵌合孔257に嵌合する。
レバー部261によって角変位部261を角変位させることによって、てこの原理を利用することができ、小さい力で搬送系ユニット21を本体構成体51に装着させることができる。これによって本実施の形態のように、搬送系ユニット21を本体構成体51に装着するには、搬送系ユニット21を浮かさないといけない場合であっても、作業者によって搬送系ユニット21を容易に浮かすことができ、搬送系ユニット21と本体構成体51とを容易に装着させることができる。
またピン部259が係止案内面263に当接することによって、装着支援部材260は、本体構成体51に対する搬送系ユニット21の変位を機械的に阻止する変位阻止手段となる。これによって搬送系ユニット21が本体構成体51から不所望にずれることを防ぐことができる。なお、このような装着部254、案内部256、装着支援部材260および車輪264は、本実施の形態の構成であり、適宜変更が可能である。たとえば装着部254に凹所が形成され、被装着部258に凸部が形成されてもよい。また脚部255には、本体構成体51に形成されるレールに嵌り込む嵌合部が形成されてもよい。これによって本体構成体51に対して、位置合わせされた状態でスライド変位することができる。またボルトとナットによって搬送系ユニット21と本体構成体51とを着脱可能に固定してもよい。
図12は、本発明の実施の一形態である搬送系ユニット21の製造から出荷までの作業手順を示すフローチャートである。搬送系ユニット21は、ウェハ移載装置23の設置場所と異なる場所で製造可能である。本実施の形態では、搬送系ユニット21は、ロボット製造業者によって組立てられる。まずロボット製造業者は、フレーム分割体50およびロボット27などを構成する複数の構成部品の用意が完了すると、ステップc1に進み、作業を開始する。ステップc1では、フレーム分割体50にロボット27の基部43を固定し、フレーム分割体50とロボット27とを一体に組立て、組立てが完了するとステップc2に進む。ステップc2では、ロボット27が固定されたフレーム分割体50にオープナ26およびアライナ56を固定する。このように搬送系ユニット21を組立てると、ステップc3に進む。
ステップc3では、フレーム分割体50に対するロボット27とオープナ26とアライナ56との位置、姿勢を調整するとともに、ロボット27とオープナ26とアライナ56との相対位置関係を調整する。具体的には、水準器、位置合わせのための治具などを用いて、ロボット27、オープナ26およびアライナ56の相対位置関係および姿勢が、ウェハ移載装置23として可動する場合と同じ状態となるように、ロボット27、オープナ26およびアライナ56の位置を調整する。このように調整が完了すると、ステップc4に進む。
ステップc4では、ロボット27、オープナ26およびアライナ56が動作可能となるように、各配線を接続する。具体的には、ロボット27、オープナ26およびアライナ56に対して、動作指令ケーブルをコントローラ42に接続し、動力伝達ケーブルを電源装置に接続する。そしてステップc5に進む。ステップc5では、ウェハ移載装置23として動作するロボット27の動作を模擬した模擬動作をロボット27に行わせる。したがってロボット27の動作検査と搬送系ユニット21の動作確認作業を兼用して行う。具体的には、実際にオープナ26のFOUP保持部31にFOUP25を配置して、ロボット27にFOUP位置を教示する。そしてFOUP25に収容されるウェハ24をロボット27によって搬送させる動作を行わせ、ステップc6に進む。ステップc5の動作検査として、ロボット27の速度、精度、および機能など、他の検査が同時に行われてもよい。ステップc6では、ロボット27によってウェハ24の搬送動作が可能かどうかを確認し、搬送動作を可能であることが確認されると搬送系ユニット21をウェハ移載装置23の設置場所に出荷し、ロボット作業業者は組立てから出荷までの手順を終了する。
仮に、搬送ユニット21の製造工程において、実際にウェハ移載装置23に用いられるオープナ26が供給されない場合がある。この場合には、実際にウェハ移載装置23として用いられるオープナ26に相当するダミーオープナがフレーム分割体50に装着された状態で、ステップc5およびステップc6における作業を行う。この場合、ウェハ移載装置23として用いられるオープナ26をフレーム分割体50に固定する場合に比べて作業効率は低下するものの、従来技術に比べて全体としての作業効率を向上することができる。
図13は、本発明の第1実施形態であるウェハ移載装置23の組立て手順を示すフローチャートである。ウェハ移載装置23は、大形であるので、ウェハ移載装置23の設置場所で組立てられる。まずウェハ移載装置23の組立て業者は、ウェハ移載装置23の本体構成体51を構成する複数の構成部品の用意が完了すると、ステップd1に進み、作業を開始する。ステップd1では、本体構成体51を組立て、組立てが完了すると、ステップd2に進む。ウェハ移載装置23の本体構成体51は、ウェハ処理装置22と一体に組立ててもよい。そして本体構成体51の組立てが完了するとステップd2に進む。
ステップd2では、ロボット製造業者などで予め組立てられた搬送系ユニット21を、本体構成体51に装着する。そしてロボット製造業者で行われた動作が正常に行われるか否かを確認し、ウェハ移載装置23の組立てを完了する。半導体処理設備20として動作させる場合には、ウェハ移載装置23およびウェハ処理装置22の組立てが完了した段階で、ロボット27にウェハ処理装置22のウェハ配置位置を教示する必要があり、ロボット27によって保持されるウェハ24がウェハ配置位置に配置可能となるように、またウェハ配置位置に配置されるウェハ24をロボット27によって保持可能となるように、動作を確認する必要がある。
以上のように本実施の形態によれば、ステップc3でフレーム分割体50に対して、ロボット27およびオープナ26の位置および姿勢を調整する。またステップc5でオープナ26に保持されるFOUP25へのアクセスに関するロボットの動作検査を行うことができる。このようにして、ロボット27およびオープナ26の位置調整と動作検査とを、ウェハ移載装置23の組立て前に完了させることができる。これによってステップd2において、搬送系ユニット21を本体構成体51に装着したあとにおける、ロボット27およびオープナ26の位置調整および動作検査の手間を少なくすることができる。このように位置調整および動作検査が行われた搬送系ユニット21を準備することで、ウェハ移載装置23の設置場所での組立て作業を簡略化することができ、ウェハ移載装置23を短時間で組立てることができる。
またウェハ移載装置23のうちで、ウェハ24を搬送するための装置であるロボット27とFOUPオープナ26とは、高い組立て精度が要求されるとともに、厳しい動作検査が行われる。本実施の形態では、ウェハ移載装置23の組立て前にウェハ搬送系部分について必要とする組立て精度、動作品質を得ることができるので、熟練者および専用の治具を、ウェハ移載装置23の設置場所毎にそれぞれ用意する必要がない。また本実施の形態では、配線接続を行った状態で、ロボットコントローラごと搬送系ユニット21として、ウェハ移載装置23の設置場所に出荷するので、配線作業も簡略化することができる。
またステップc5の動作検査工程で、オープナ26に保持されるFOUP25の位置などをロボット27に教示して、その教示位置にロボット27を移動させて、ロボット27によるウェハ搬送に関する模擬動作を行わせて検査を行う。そしてステップc5の動作検査で用いていたロボットの教示位置を、ウェハ移載装置23として動作するときのロボット27の位置として決定することができる。これによってウェハ移載装置23を組立てたあとで、ロボット27の教示動作作業を簡略化することができ、ウェハ移載装置23を組立ててから短時間でウェハ移載装置23を可動可能な状態とすることができる。
また本実施形態では、ステップc1〜c5に示すように、搬送系ユニット21の形成作業と動作検査作業とを、ロボット製造場所で行う。これによってロボット製造場所において搬送系ユニット21の品質を確保することができる。したがって従来、ロボット製造場所でロボット27の品質を確保するために行っていた模擬動作による検査と、ウェハ移載装置23の設置場所で行われていた動作検査とを1つに兼ねることができ、全体的な作業時間を短縮することができ、作業性を向上することができる。またウェハ移載装置23の設置場所では、要求される組立て精度が低い本体構成体51を組立てたあとで、本体構成体51に精度が保証されている搬送系ユニット21を装着することで、非常に容易にウェハ移載装置23を組立てることができる。
また本実施の形態では、搬送系ユニット21が自立安定姿勢を保持するとともに、本体構成体に装着される時と同じ姿勢を保つ。これによってロボット製造業者は、搬送系ユニット21を安定姿勢に保つ出荷用架台、ロボットの動作テストを行うためのテスト架台、ロボットを組立てる時に用いる組立て架台を、1つの分割フレームで兼用することができる。したがってロボット27を複数の架台に順番に載せかえる必要がないので、それらの架台が不要となり、コストダウンを図ることができる。また上述したように、また架台に乗せかえるのに費やす時間を省くことができるとともに、載せ換え時に発生するトラブルを防ぐことができる。
またロボット製造場所で、搬送系ユニット21の形成作業と動作検査作業とを行うことで、ロボット27に関して熟練した作業者が、フレーム分割体50に対するロボット27の固定、位置合わせ、ロボット27の動作位置の教示動作および動作検査を行うことができる。したがってそれらの各作業が不完全となることを防ぐことができる。また各作業で発生した不具合に対しても早期に解決することができる。
またウェハ移載装置23は、半導体製造設備20のうちで共通化されやすい部分である。したがって異なる処理を行う複数の半導体処理設備20であっても、共通のウェハ移載装置23が設けられることが多い。このような場合、搬送系ユニット21を予め形成しておくことによるメリットが大きい。たとえばロボット製造場所で、位置調整および動作確認が行われた複数の搬送系ユニット21を製造しておき、搬送系ユニット21の出荷要求があるまで製造した搬送系ユニット21を保管しておいてもよい。これによって出荷要求が与えられてから搬送系ユニット21を組立てるのに比べて、短期間で搬送系ユニット21を出荷することができる。
このようにウェハ移載装置23のうちで、ウェハを搬送するための搬送系要素を剛なフレームに固定し、調整、配管、配線および教示、搬送テストを実施し、完成状態のまま分解せずに搬送することによって、ウェハ移載装置23の設置場所において、搬送系ユニット21の組立調整、教示作業を少なくすることができ、コストダウンとともに製造品質を向上することができる。
また他の実施の形態として、ウェハ移載装置23は、搬送系要素として、オープナ26、ロボット27およびアライナ56を有するとしたが、アライナ56を有しなくてもよい。また他の搬送系要素として、ウェハ24の板厚を測定する板厚測定装置、作業効率化を図るためのバッファ位置を有してもよい。
このように搬送系ユニット21には、ウェハ24の搬送に必要な構成機器のうちの少なくとも2つがフレーム分割体50に固定されていればよい。たとえばロボット27とアライナ56とがフレーム分割体50に固定される場合であってもよい。また本実施の形態では、1つのロボットコントローラ44によって、ロボット27、オープナ26およびアライナ56が統括制御されることによって、各構成機器ごとにコントローラが設けられる場合に比べて、コントローラ44の数を減らすことができ、さらに製造コストを低減することができる。また搬送系ユニット21を組立てた状態で、一連の基板搬送動作をテストすることができ、利便性を向上することができる。コントローラ44もまた、フレーム分割体50に固定されることが好ましい。
上述した本実施の形態は、本発明の例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば本実施の形態として、ウェハ移載装置23のフレームの一部が分割体となるとしたが、フレーム以外の部分によって分割体が形成されてもよい。具体的には、分割体として、ロボット27およびオープナ26などの搬送系要素が固定可能であって、本体構成体51から着脱可能に構成されればよい。またフレーム分割体の形状については、主にロボット27から与えられる外力に対して十分な剛性を有していればよく、その形状については任意の形状であってよい。
また図12および図13に示す手順は、本実施形態の一例であって、他の手順で行ってもよい。たとえばステップc3における位置調整作業が行われるまでに、搬送系ユニット21が組立てられていればよく、フレーム分割体50にオープナ26が固定されたあとに、ロボット27が固定されてもよい。またロボット製造現場で、搬送系ユニット21が組立てられるとしたが、ウェハ移載装置23の設置場所近傍で搬送系ユニット21が組立てられてもよい。この場合であっても、本体構成体51と搬送系ユニット21とを並列して組立てることができ、上述した効果を得ることができる。また本実施の形態のフレーム分割体50を用いることによって、上述する手順を行わなくともメンテナンスを容易に行うことができるという特有の効果を達成することができる。
また本実施の形態では、ロボット製造場所で、フレーム分割体50に固定されたオープナ26、実際にウェハ移載装置23の一部として用いられるとしたが、オープナ26の取付精度が許容範囲内であれば、ロボット製造場所で取付けられて動作検査が行われたオープナ26とは異なるオープナ26が、ウェハ移載装置23の設置現場で、フレーム分割体50に取付けられてもよい。
図14は、一部を切断して示すオープナ26を示す側面図であり、図15は、オープナ26を示す正面図である。また図16は、オープナ側ドア駆動機構66を模式的に示す斜視図である。また図17は、図15の矢符A17−A17から見たオープナ26を示す図であり、図18は、図15の矢符A18−A18から見たオープナ26を示す図である。また図19は、図14の矢符A19から見たオープナ26を示す図である。
図14に示すように、正面壁28aは、板状に形成され、ウェハ24が前後方向Xに通過可能なオープナ側開口35が形成される。正面壁28aのうち厚み方向一方側の空間が準備空間29となり、厚み方向他方側の空間が外方空間33となる。オープナ側ドア65は、正面壁28aに形成されるオープナ側開口部68を閉鎖可能に構成される。オープナ側開口部68は、ウェハ移載位置に位置決め支持されるFOUP25のFOUP側開口部62に周方向にわたって接触する。これによってウェハ移載位置にFOUP25が位置決めされた状態で、正面壁28aとFOUP側開口部62との間から、FOUP内空間34および準備空間29に外気が侵入することを防ぐ。
またオープナ側開口35は、前後方向Xに垂直な方向の断面形状が、FOUP側ドア61とほぼ同じ形状で、FOUP側ドア61よりも大きく形成される。これによってFOUP本体60から取外されたFOUP側ドア61は、オープナ側開口部68と干渉することが防がれて、オープナ側開口35を前後方向Xに通過可能となる。
オープナ側ドア65は、FOUP本体60に対してFOUP側ドア61を取付けおよび取外し可能に構成されるとともに、FOUP本体60から取外したFOUP側ドア61を把持可能に構成される。またオープナ側ドア65は、略板状に形成されて、正面壁28aに形成されるオープナ側開口部68を周方向にわたって当接することで、オープナ側開口35を塞ぐ。またオープナ側ドア65は、正面壁28aに形成されるオープナ側開口部68から離反することによって、オープナ側開口35を開放する。
オープナ側ドア駆動機構66は、オープナ側ドア65を前後方向Xおよび前後方向Xに垂直な方向となる上下方向Zに変位駆動する。オープナ側ドア駆動機構66がオープナ側ドア65を変位駆動することによって、オープナ側ドア65とともに、オープナ側ドア65が把持するFOUP側ドア61を変位駆動することができる。これによってFOUP側ドア61をFOUP本体60から近接離反させることができ、ウェハ移載位置に位置決めされるFOUP25を開閉させることができる。各オープナ26の基部67は、フレーム64に固定される。オープナ26のうちで、基部67以外をオープナ本体とすると、オープナ本体は、基部67を介してフレーム64に固定される。このようにオープナ側ドア駆動機構66は、FOUP25を開閉するための機構である。
オープナ26は、オープナ側開口部68がFOUP25を載置して位置決めするテーブル部分69と、テーブル部分69を前後方向Xに移動させてテーブル部分69に載置されるFOUP25をウェハ移載位置に位置決め移動させるFOUP駆動手段70とをさらに含む。FOUP駆動手段70は、FOUP70を前後方向Xに変位駆動するための基板容器駆動手段となる。FOUP駆動手段70が、FOUP25を乗載したテーブル部分69を移動させることで、FOUP25を正面壁28aに密着させたウェハ移載位置に位置決めした状態と、正面壁28aから離反させたFOUP着脱位置に位置決めした状態とに切換え可能となる。
またオープナ側ドア65は、FOUP側ドア61をFOUP本体60に対して着脱可能に装着するラッチ機構を動作させたり、解除したりするための着脱機構を有する。着脱機構は、たとえば着脱用ラッチキーによって実現される。またオープナ側ドア65は、FOUP本体60から取外したFOUP側ドア61を把持するための把持機構を有する。把持機構は、たとえば吸着パッドまたはFOUP側ドア61に嵌合する嵌合部によって実現される。
FOUP支持部31は、正面壁28aに対して外方空間33側に配置され、正面壁28aに隣接して形成される。FOUP支持部31は、水平延びるテーブル部分69を有し、テーブル部分69にFOUP25を乗載することでFOUP25を支持する。FOUP支持部31は、内部空間が形成され、内部空間にテーブル部分69を変位駆動するFOUP駆動手段70が配置される。FOUP支持部31は、FOUP駆動手段70によって、テーブル部分69を前後方向Xに移動させることで、テーブル部分69に乗載されるFOUP25をウェハ移載位置およびFOUP着脱位置に位置合わせすることができる。ここで、前後方向Xとは、正面壁28aの厚み方向であって、ウェハ24を搬入および搬出する方向となり、水平または略水平な方向となる。
ウェハ移載位置に位置合わせされるFOUP25は、FOUP25に形成されるFOUP側開口部62が正面壁28aに密着して、正面壁28aに形成されるオープナ側開口部68に臨む位置に配置される。またFOUP着脱位置に位置合わせされるFOUP25は、正面壁28aから後方方X2に離反して、ウェハ移載装置23から着脱可能となる。
オープナ側ドア駆動機構66は、オープナ側開口部68を開放させる場合、オープナ側開口部68を塞いだオープナ側ドア65を、オープナ側開口35から前後方向Xおよび上下方向Zに離反した開放位置に移動させる。またFOUP25が正面壁28aのウェハ移載位置に位置決めされた状態で、FOUP側ドア61を把持したオープナ側ドア65を開放位置に移動させることで、外方空間33に対して密閉された状態に保って、FOUP内空間34と準備空間29とを連通させることができる。
またオープナ側ドア駆動機構66は、オープナ側開口部68を閉塞させる場合、開放位置に配置されるオープナ側ドア65を、オープナ側開口部68に対して前後方向Xおよび上下方向Zに近接させて、オープナ側開口部68を塞ぐ閉鎖位置に移動させる。FOUP25が正面壁28aのウェハ移載位置に位置決めされた状態で、FOUP側ドア61を把持したオープナ側ドア65を閉鎖位置に移動させることで、外方空間33に対して密閉された状態に保って、FOUP内空間34と準備空間29との連通を解除させることができる。
FOUP内空間34と準備空間29との連通を解除すると、FOUP25をFOUP支持部31から分離可能となる。このようにして半導体処理設備20にウェハ24を搬入するときと、半導体処理設備20からウェハ24を搬出するときに、ウェハ24が外気に触れることを防ぐことができる。したがって処理されるウェハ24は、大気中の塵埃粒子の付着が防がれる。
オープナ駆動機構66は、可動体95と、可動体駆動手段94と、接続体93と、リンク部材92と、リンク部材角変位手段91とを含んで構成される。可動体95は、FOUP支持部31に支持されるFOUP25の近傍を通過し、かつ前後方向Xに移動可能に構成される。本実施の形態では、可動体95は、FOUP支持部31のうちで、テーブル部分69よりも下方の空間で前後方向Xに移動可能に構成される。またオープナ側ドア65がオープナ側開口部68を塞いだ状態で、可動体95、可動体駆動手段94、リンク部材92およびリンク部材角変位手段91は、FOUP支持部31のテーブル部分69よりも下方の空間となる内部空間に配置される。
図16および図17に示すように、FOUP支持部31には、前後方向Xに延びるレール状の2つの案内部90が間隔をあけて形成される。可動体95は、各案内部90に嵌合する嵌合部分89が形成される。可動体95の嵌合部分89が各案内部90に嵌合することで、可動体95は、前後方向X以外に変位することが阻止されて、前後方向Xに移動可能に案内される。このように可動体95は、FOUP支持部31に支持される。
可動体駆動手段94は、FOUP支持部31に支持されて、可動体95を前後方向Xに往復変位駆動する。本実施の形態では、可動体駆動手段94は、前後方向Xに延びてFOUP支持部31に回転可能に支持されるねじ軸88と、ねじ軸88に螺合して可動体95に固定される螺合部87と、ねじ軸88を回転駆動するためのモータ86と、モータ86の動力をねじ軸88に伝達して、ねじ軸を回転させる動力伝達要素99とを含んで構成される。本実施の形態では、螺合部87とねじ軸とでボールねじ機構が構成される。また動力伝達機構99は、モータの出力軸に固定される第1プーリと、ねじ軸88に固定される第2プーリと、第1プーリと第2プーリとに巻回されるベルトとを含んでベルト動力伝達機構が実現される。モータ86によってねじ軸88を回転させることによって、ねじ軸88に螺合する螺合部87が前後方向Xに移動し、螺合部87とともに可動部95が前後方向Xに移動する。
本実施の形態では、ねじ軸88を用いて可動体95を移動させたが、可動体95を前後方向Xに変位する構成は、他の構成であってもよい。たとえばエアシリンダ機構およびラックアンドピニオン機構などによって、可動体95を前後方向Xに移動させてもよい。
図14、図18および図19に示すように、接続体93は、オープナ側ドア65に固定される。接続体93は、オープナ側ドア65から前後方向Xに垂直な方向である下方Z2に延びる。具体的には、接続体93の上端部は、オープナ側ドア65に接続され、接続体93の下端部は、FOUP支持部31の上面よりも下方に配置される。
図14および図17に示すように、リンク部材92は複数設けられ、それら各リンク部材92は、可動体95と接続体93とを連結して平行リンク機構を構成する。このように各リンク部材92と、可動体95と接続体93とによって平行リンク機構が構成されるので、可動体95に連結される接続体93は、姿勢を維持した状態で可動体95の角変位軸線L1まわりに回転可能となる。
本実施の形態では、角変位軸線Lは、前後方向Xに垂直な水平方向となる左右方向Yに延びる。またリンク部材92は、2つ設けられる。2つのリンク部材92は、平行に延びて、一端部に可動体95が回転自在にピン結合され、他端部に接続体93が回転自在にピン結合される。各リンク部材92は、長さが等しく形成される。本実施の形態では、各リンク部材92は、オープナ側ドア65がオープナ側開口部68を塞いだ状態で、水平に延びる。この場合、各リンク部材92は、長手方向が前後方向Xとなり、幅方向が左右方向Yに延びる板状に形成される。
リンク部材角変位手段91は、可動体95の前後方向位置に応じて、予め定められる角度位置に、可動体95に対する各リンク部材92の角変位を規制する。図14および図16に示すように、リンク部材角変位手段91は、係合部85と規制部84とを含んで構成される。係合部85は、各リンク部材92の少なくともいずれかに設けられる。また規制部84は、係合部85が係合し、可動体95の前後方向位置に応じて係合部85の角度位置を規制する。
係合部85は、リンク部材92の長手方向中間部分から角変位軸線L1と平行な方向に突出するピン部材によって実現される。規制部84は、FOUP支持部31に形成されて、係合部85が嵌合するスリット溝である凹所が形成されることによって実現される。規制部84の凹所は、長孔形状に形成されて前後方向Xに進むにつれて上下方向位置が変化する。また規制部84の凹所は、係合部85のうちで規制部84に嵌合する嵌合部分よりもやや大きい寸法に設定される。係合部85は、角変位軸線Lと平行に延びる。また規制部84の凹所に嵌合した係合部85は、規制部84の凹所の延びる方向に移動可能に形成される。これによって可動体95の移動を停止した状態では、規制部84に係合部85が嵌合することで、係合部85が角変位軸線L1まわりに角変位することが阻止され、リンク部材92の角変位量が予め定められる値に維持される。
規制部84の凹所は、正面壁28aから最も離反した位置から、正面壁28aに近づくにつれて、予め定める設定距離A進むまでは、前後方向Xに平行に延びる。凹所84は、設定距離Aを到達してからさらに前方X1に近づくにつれて下方Z2に進む。本実施の形態では、設定距離Aは、たとえば25mmに設定される。本実施の形態では、係合部85は、リンク部材92の両側にそれぞれ突出する。また規制部84の凹所は、リンク部材92の両側にそれぞれ形成され、2つの係合部85がそれぞれ嵌合する。
図20は、可動体95の前後方向移動に連動したリンク部材92の角変位状態を示す図である。図20は、理解を容易にするために、オープナ26の構成の一部を省略して示す。また図20は、可動体95とリンク部材92とが連結される連結点80の移動位置80a〜80dに応じた、各要素の位置を添え字a〜dによって表わす。添え字aから添え字dに進むにつれて、可動体95が前方X1に進む。上述したように接続体93は、前後方向Xに移動可能な可動体95に連結されるとともに、可動体95に対して角変位軸線L1まわりに角変位可能に構成される。したがって可動体95の前後方向位置と、可動体95に対するリンク部材92の角変位軸線L1まわりの角度を決定することによって前後方向Xおよび上下方向Zの任意の位置に、接続部93を配置することができる。本実施の形態では、可動体95の前後方向移動に応じて、接続体93が予め定める移動軌跡を移動するように、リンク部材角変位手段91によって、可動体95の前後方向移動に連動させて、可動体95に対するリンク部材92の角度を位置決めする。
可動体95とリンク部材92とが連結される連結点80を、可動体95の基準位置とする。オープナ側ドア65の把持するFOUP側ドア61が、FOUP本体60を塞いだ閉鎖状態において、可動体95が位置する閉鎖位置P1と、閉鎖位置P1から可動体95が前方X1に予め定める設定距離A移動した離間位置P2との間C1を、可動体95が前後方向Xに移動するにあたって、接続体93が前後方向Xに移動するように、可動体95に対するリンク部材92の角変位を規制する。また前記離間位置P2よりも前方X1となる退避領域C2を、可動体95が前後方向Xに移動するにあたって、接続体93が上下方向Zに移動するように、可動体95に対するリンク部材92の角変位を決定する。
本実施の形態では、可動体95が位置する閉鎖位置P1と、閉鎖位置P1から可動体95が前方X1に予め定める距離A移動した離間位置P2との間C1では、リンク部材角変位手段91は、可動体95に対するリンク部材92の角度θを一定または略一定に保つ。これによって接続体93を前後方向Xに移動させることができる。また退避領域Cでは、リンク部材角変位手段91は、可動体95が前方X1に移動するのに応じて、可動体95に対するリンク部材92の角度を大きくし、可動体95が後方X2に移動するのに応じて、可動体95に対するリンク部材92の角度を小さくする。
たとえば閉鎖位置P1から前後方向移動を停止すべき接続体93の位置までの前後方向距離をE1とする。閉鎖位置P1から可動体95の位置までの前後方向距離をE2とし、リンク部材92の長さをFとする。この場合、可動体95に対するリンク部材92の角度θが、cos−1((E1−E2)/F)となるように、リンク部材92の角度を位置決めする。これによって可動体95を前後方向Xに移動させた場合に、接続体93をE2の前後方向位置に維持した状態で、接続体93を上下方向Zに移動させることができる。ここでcos−1は、逆コサイン三角関数であってアークコサインを示す。また角度は、水平面からリンク部材92が下方Z2に角変位する方向を正とする。たとえば図20において、可動体95の連結点80がE2c位置に存在する場合における可動体95に対するリンク部材92の角度θcは、cos−1((E1−E2c)/F)となるように、リンク部材92の角度を位置決めする。
可動体95が、閉鎖位置P1から前方X1に移動することによって、接続体93が前方X1に移動する。可動体95が閉鎖位置P1から設定距離A移動して離間位置P2に達したあと、さらに前方X1に移動することによって、接続体93は、水平に移動しつつ徐々に垂直下方に移動した後、完全に垂直または垂直に近い軌跡を移動して、下方Z2に移動する。また可動体95が、退避領域C2から後方X2に移動することによって、接続体93が上方Z1に移動して、垂直上方に移動しつつ徐々に水平に移動する。そして完全に水平または水平に近い軌跡を移動して、可動体95が離間位置P2に達したあと、さらに後方X2に移動することによって、接続体93が後方X2に移動する。接続体93と一体に固定されるオープナ側ドア65もまた接続体93と同じ形状の軌跡を移動する。図20には、接続体93の移動軌跡を98aで示し、オープナ側ドアの移動軌跡を98bで示す。
図21は、オープナ側ドア65の開閉動作を示す図である。図21(1)は、オープナ側ドア65が、オープナ側開口部68を閉鎖した状態を示す。図21(2)は、オープナ側ドア65が、オープナ側開口部68から離間した状態を示す。図21(3)は、オープナ側ドア65が、オープナ側開口部68を開放した状態を示す。
図21(1)に示すように、オープナ側ドア65がオープナ側開口部68を塞いだ状態から、可動体95が前後方向Xに移動して予め定める設定距離Aに移動するまでは、リンク部材角変位手段91によって可動体95に対するリンク部材92の角変位が阻止される。各リンク部材92の角変位が阻止されることで、接続体93は、可動体95の移動とともに前後方向Xに移動する。したがってオープナ側ドア65もまた、接続体93とともに前後方向Xに移動する。これによってオープナ側ドア65は、正面壁28aから前方X1に平行に移動して、正面壁28aから離間する。
図21(2)に示すように、可動体95が正面壁28aに近接して予め前方X1に定める設定距離Aに移動した離間位置から、可動体95がさらに前方X1に移動すると、可動体95の移動にともなって、リンク部材角変位手段91によって可動体95に対する各リンク部材92の角度が徐々に大きくなる。各リンク部材92の角変位が大きくなることで、接続体93は、可動体95の移動とともに、可動体95に対して角変位軸線Lまわりに角変位移動する。本実施の形態では、リンク部材角変位手段91による角度が調節されることで、接続体93は、FOUP支持部31に対して下方Z2に移動する。これによってオープナ側ドア65もまた、接続体93とともに下方Z2に移動する。したがって図21(3)に示すように、オープナ側ドア65は、正面壁28aから前方X1に離間した状態から、下方Z2に移動して正面壁28aから離反する。オープナ側ドア65がFOUP側ドア61を把持した状態で、上述したように開放動作を行うことによって、FOUP本体60から取外したFOUP側ドア61を準備空間29に引込み、FOUP側ドア61を下方Z2に移動させて、FOUP内空間43と、準備空間29とを連通して、FOUP本体60を開くことができる。
同様にして、可動体95が正面壁28aに最近接した位置から後方X2に離反する場合には、オープナ側ドア65は、接続体93とともに上方Z1に進んで、正面壁28aに近接する。さらに可動体95が正面壁28aから後方X2に離反すると、オープナ側ドア65は、後方X2に移動して正面壁28aのオープナ開口部68を塞ぐ。オープナ側ドア65がFOUP側ドア61を把持した状態で、上述したように閉鎖動作を行うことによって、FOUP本体60から取外したFOUP側ドア61を再びFOUP本体60に当接させることができ、FOUP本体60を閉じることができる。
また可動体95と接続体93とは平行リンク機構を構成する複数のリンク部材92に連結されることによって、接続体93は、姿勢を一定に保ちながら進む。このような本実施の形態のオープナ側ドア駆動機構66によって、オープナ側ドア65は、姿勢を維持した状態で、前後方向Xおよび上下方向Zに移動させることができる。
以上のようにリンク部材角変位手段91は、オープナ側ドア65がオープナ側開口部68を塞いだ閉鎖状態から、可動体95が前方X1に予め定める設定距離A移動するまで、可動体95に対するリンク部材92の角度を一定に保つ。またリンク部材角変位手段91は、可動体95が設定距離Aに達した離間位置から前方X1にさらに移動するにともなって可動体95に対するリンク部材92の角度を大きくする。これによって可動体95を前後方向Xに移動させることで、オープナ側ドア65を水平方向および鉛直方向に移動させることができ、オープナ側ドア65が把持するFOUP側ドア61によってFOUP本体60を開閉することができる。ここで、設定距離Aは、FOUP側ドア61を把持するオープナ側ドア65が、正面壁28aから下方Z2に移動する場合に、FOUP側ドア61等が正面壁28aなどと干渉することが防がれる距離に設定される。たとえば設定距離Aは、正面壁28aの厚み方向寸法と、FOUP側ドア61の厚み方向寸法とを加算した値よりも大きく設定される。
本実施の形態によれば、可動体95と接続体93とは平行リンク機構を構成する複数のリンク部材92に連結されることによって、接続体93に固定されるオープナ側ドア65およびオープナ側ドア65に把持されるFOUP側ドア61は、姿勢を一定に保ちながら移動する。また本実施の形態では、オープナ側ドア65に把持されるFOUP側ドア61を、前後方向Xに変位移動させることができるとともに、可動体95の角変位軸線Lまわりに角変位移動させることができ、角変位軸線Lに垂直な平面内で2方向に移動させて、容器本体を開閉することができる。
可動体駆動手段94によって、可動体95を前後方向Xに移動させることで、オープナ側ドア65に把持されるFOUP側ドア61を、前後方向Xと上下方向Zとに移動させることができ、FOUP本体60からFOUP側ドア61を近接および離反させて、FOUP本体60の開閉動作を行わせることができる。可動体95は、前後方向Xに移動させても、FOUP支持部31に支持されるFOUP25の近傍を移動させることができ、FOUP支持部31から離反した位置に可動体95を移動させる機構を設ける必要がない。このように本実施の形態では、FOUP支持部31の近傍にオープナ側ドア駆動機構66を配置することができ、オープナ26を簡素化または軽量化することができる。またFOUP支持部31から離反した空間を有効利用することができる。
可動体95が閉鎖位置P1と離間位置P2との間を移動する間C1には、FOUP側ドア65は、移動方向を分解した成分のうちの全てまたは大部分が前後方向X成分となる。これによってFOUP側ドア61がFOUP本体60に対して前後方向Xに近接および離反するときに、FOUP本体60の開口部62および正面壁28aなどと、FOUP側ドア61とが干渉することを防ぐことができ、FOUP側ドア61をFOUP本体60から円滑に近接および離反させることができる。
また可動体95が退避領域を前後方向Xに移動する間C2には、FOUP側ドア61は、FOUP本体60に対して上下方向Zに近接または離反する。これによってFOUP側ドア61がFOUP本体60から離間した状態で、前後方向Xに移動することを抑えることができ、FOUP側ドア61の動作領域を前後方向Xに小さくすることができ、FOUP本体60を開閉するために必要な可動空間の前後方向寸法を小さくすることができる。これによってFOUP側ドア61およびオープナ側ドア65が、基板移載装置23に配置される他の装置、たとえば基板搬送用のロボットなどに干渉することを防ぐことができる。
またFOUP本体60を開放する場合、FOUP側ドア61は、水平または水平に近い軌跡を描きながらFOUP本体60から離間し、離間後、鉛直または鉛直に近い軌跡を描きながらFOUP本体60から離反する。またFOUP本体60を閉鎖する場合、FOUP側ドア61は、FOUP本体60から離間した状態で、鉛直または鉛直に近い軌跡を描きながらFOUP本体60に近接し、近接後、水平または水平に近い軌跡を描きながらFOUP本体60に当接する。このようにFOUP側ドア61を、FOUP本体60よりも下方に移動させてFOUP本体60を開放することで、上方から下方に気体が流れることで、FOUP内空間34または準備空間29などに塵埃粒子が付着するおそれを少なくすることができ、基板搬入および搬出時に基板が汚染されることを防ぐことができる。
また本実施形態によれば、FOUP支持部31が、可動体駆動手段94、リンク部材角変位手段91および可動体95を支持することで、可動体駆動手段94および可動体95を支持する部分を別途形成する必要がなく、オープナ26の部品点数を低減することができる。これによってさらにオープナ26を簡素化または軽量化することができるとともに、構造を簡単化することができ、オープナ26の製造コストを低下させることができる。たとえばFOUP支持部31にオープナ側ドア駆動機構66を構成する各要素部品を支持させることによって、オープナ26に形成される正面壁28aに、オープナ側ドア駆動機構66の各要素部品を固定支持させる必要がなく、正面壁28aを小形化するとともに、正面壁28aの剛性を低下させることができ、オープナ26の製造コストを低減することができる。
また本実施形態によれば、係合部85と規制部84とを含んでリンク部材角変位手段91が構成されることによって、別途駆動源を必要とすることなく、可動体95に対するリンク部材92の角変位を規制することができる。これによって可動体駆動手段94によって、可動体95を前後方向Xに移動させるだけで、その可動体95の移動に連動させてリンク部材92を角変位させることができる。これによってオープナ26の構成をさらに簡単化することができ、部品点数を低減することができる。
また本実施の形態では、FOUP支持部31に形成される内部空間に、可動体駆動手段94、リンク部材角変位手段91および可動体95が配置されることで、可動体駆動手段94、リンク部材角変位手段91および可動体95を覆うカバー体を別途形成する必要がなく、部品点数を低減することができる。これによってさらにオープナ26を小形化することができるとともに、構造を簡単化することができる。
図22は、本実施の形態のオープナ26と、比較例のオープナ126とを比較する図である。図22(1)は、本実施の形態のオープナ26を示し、図22(2)は、比較例のオープナ126を示す。比較例のオープナ126は、オープナ側ドア165に接続される接続体193を上下方向Zに移動させるねじ軸188が上下方向Zに延びる。比較例のオープナ126について、本実施の形態と対応する構成については、参照符号に100を記載して説明を省略する。
本実施の形態のオープナ26は、可動体95がフープ支持部31の内部空間に収容される。これによって図21(2)に示す比較例のオープナ126に比べて、水平方向寸法を小形化することができる。また比較例のオープナ126のように、ねじ軸188および接続体193を案内する案内手段を正面壁128aで支持する必要がないので、正面壁28aを小形化することができ、製造コストを極めて安価に構成することができる。またFOUP支持部31の下方に作業者が侵入可能なドアを設けることができ、このドアを設けることによってメンテナンスを容易に行うことができる。また可動体93が閉鎖位置P1に移動した状態で、リンク部材92が水平に延びるので、閉鎖状態でのオープナ26をさらに小形化することができる。さらに本実施の形態では、FOUP側ドアを移動する機構が、上下方向Zに配置されないので、メンテナンス時に、作業者がウェハ移載装置の固定空間78に侵入する場合に、オープナ26が作業者の侵入を阻害することがなく、ドアからウェハ移載装置の固定空間に容易に侵入させることができる。
図23は、本実施の形態のオープナ26と、比較例のオープナ126とを比較する図である。図23(1)は、本実施の形態のオープナ26を示し、図23(2)は、比較例のオープナ126を示す。本実施の形態のオープナ26は、FOUP支持部31に対して上下方向に近接した位置にオープナ側ドア駆動機構66を配置することができるので、FOUP支持部31から離反した空間75を有効利用することができる。これに対して、比較例のオープナ126では、移動体193を移動させる駆動手段と、移動体193を案内する案内手段とをFOUP支持部131から離反した位置に配置する必要があり、FOUP支持部31から離反した空間76を有効利用することができない。本実施の形態では、たとえばFOUP支持部31から離反した位置にロボットコントローラ44、ウェハ移載装置であるEFEMに必要なデバイス、メンテナンス材料97などを配置することができる。
図24は、オープナ26の下方の空間にアクセス用ドア96が形成される搬送系ユニット21を示す図である。図24(1)は、アクセス用ドア96を閉じた状態を示す。また図24(2)は、アクセス用ドア96を開いた状態を示す。本実施の形態では、フレーム本体部50aは、アクセス用ドア96が形成される。本体構成体51に搬送系ユニット21が装着された状態でアクセス用ドア96は、開放状態で外方空間33と、フレーム本体部50aの内部空間57とを直接連通する。
本実施形態によれば、オープナ26の下方の空間76であって、フレーム本体部50aの内部空間57に、ロボットコントローラ44、ウェハ移載装置23に必要なデバイスおよびメンテナンス材料97などが配置される。作業者は、アクセス用ドア96を開けることで、準備空間29に深く侵入しなくとも、ウェハ移載装置の調整およびメンテナンスを行うことができる。また可動空間79に進入することなく、外方空間33から固定空間79に直接進入して、固定空間79に配置される各部品をメンテナンスすることができ、利便性を向上することができる。
また上述した仕切り体52によって、メンテナンス時に固定空間78で発生した塵埃粒子が、可動空間79に移動することを防ぐことで、可動空間のクリーン度の悪化を抑えることができる。これによってメンテナンス後に、短時間で可動空間のクリーン度を回復することができ、作業効率を向上することができる。
このように作業者が準備空間29に侵入することに起因する汚染を抑えることができ、準備空間29のクリーン度を回復するのに必要な時間を短縮することができ、作業効率を向上することができる。またウェハ搬送装置を調整およびメンテナンスするために必要な操作機器などの調整手段が、アクセス用ドア96の開口部近傍に配置される。たとえば調整手段は、エアバルブおよびセンサの調整つまみなどである。調整手段は、複数のボタンおよびつまみなど作業者が操作可能な操作部が形成され、操作部は、コントローラの後方X2端部に形成される。これによって作業者は、内部空間57に深く侵入することなく、ウェハ移載装置23の調整およびメンテナンス作業を容易に行うことができる。また調整手段は、コントローラ44以外であってもよく、配線の接続コネクタおよび接続スイッチや、電気回路およびファンフィルタユニットのフィルタであってもよい。また本実施の形態では、上述した小形化したオープナ26が設けられるので、内部空間57を大形化することができ、内部空間57に配置可能な調整手段を増やすことができる。またフレーム本体部50aが支持するオープナが上述した小形オープナであるので、フレーム本体部50aの高さ寸法を小さくすることができる。これによって準備空間29を小形にすることができる。
図25は、本発明の第2実施形態であるオープナ226を示す図である。他の実施の形態のオープナ226は、接続部93の移動軌跡が異なるほかは、第1実施形態と同様である。同様の構成については、同様の参照符号を付して説明を省略する。
第1実施形態のオープナ26は、FOUP開放時において、接続部93を水平方向に移動させたあと、下方Z2に移動させるとしたがこれに限定されない。第2実施形態では、リンク部材角変位手段91は、可動体93が閉鎖位置P1と離間位置P2との間を、可動体93が前後方向Xに移動するにあたって、接続体93を略水平な曲線軌跡を描くように、リンク部材92の角度を規制する。また前記離間位置P1よりも前方X1となる退避領域を、可動体93が前後方向Xに移動するにあたって、接続部93を略垂直な曲線軌跡を描くように、リンク部材92の角度を規制する。
具体的には、可動体95が閉鎖位置P1と離間位置P1との間C1を前方X1に移動する場合には、接続体93は、前方X1に移動するとともに下方Z2に移動する。その移動方向の成分のうちで、前方X1に移動する成分が多く、下方Z2に移動する成分が少ない。また可動体95が退避領域C2を前方X1に移動する場合には、接続体93は、前方X1に移動するとともに下方Z2に移動する。その移動方向の成分のうちで、前方X1に移動する成分が少なく、下方Z2に移動する成分が多い。このように第2実施形態の接続部93は、楕円弧に沿う軌跡に沿って移動する。規制部84の凹所の形状を設定することによって、接続部93の移動経路を容易に変更することができる。
図26は、接続部93の移動軌跡98の一例を示す図である。図26(1)は、第2実施形態での接続部93の移動軌跡98を示し、図26(4)は、第1実施形態の接続部93の移動軌跡98を示す。接続部93の移動軌跡は、このように曲線状に変化してもよく、折れ線状に変化してもよく、また図示していないが波線状に変化してもよい。
リンク角変位手段91は、閉鎖位置P1と離間位置P1との間C1を、可動体95が前後方向Xに移動するにあたって、接続体93の移動方向を分解した成分のうちで、少なくとも前後方向X成分が存在するように、可動体95に対するリンク部材92の角変位を規制する。またリンク角変位手段91は、離間位置P2よりも前方X1となる退避領域C2を、可動体95が前後方向Xに移動するにあたって、接続体93の移動方向を分解した成分のうちで、少なくとも前後方向Xに垂直な垂直方向成分が存在するように、可動体95の移動に連動して、リンク部材92を可動体95に対しての角変位させる。これによって各ドア61,65が正面壁28aなどに干渉することを防ぐとともに、正面壁28aから不所望に前方X1に離反することを防ぐことができ、各ドア61,65の可動範囲をコンパクトにして、準備空間29に配置することができる。
図27は、他の実施形態のリンク部材角変位手段91の一部を示す図である。上述したリンク部材角変位手段91は、ピン部材85が凹所84に嵌合することによって、リンク部材92の角変位を阻止される構造としたが、本発明はこれに限定されない。たとえば図27(1)に示すように、規制部185は、断面積が一様な柱状のレール部材で形成され、係合部184が前記レール部材を軸線まわりに一周するリング部材によって形成されてもよい。
また図27(2)に示すように、規制部285がレール状に形成されて対向する2つの面にそれぞれレール溝が形成されるレール部材で形成され、係合部284が規制部295のレール溝を両側から挟む形状に2つの挟持体によって形成されてもよい。また図27(3)に示すように、各ドア61,65が自重を有するので、規制部385が、上面が曲面に形成される形状であってもよい。このように係合部84,184,284,385が、規制部85,185,285,385に案内されて、前後方向Xに移動自在な状態で、前後方向Xに垂直な方向に対する変位が規制されることによって、リンク部材角変位手段91を実現することができる。
また図27(4)に示すように、リンク部材角変位手段91は、リンク部材92を角変位するためのモータと、モータの動力をリンク部材92に伝達する動力伝達機構とを備えている構成でもよい。この場合、可動体95の移動量に応じて、モータによってリンク部材92を予め定める量だけ角変位することによって、同様の効果を得ることができる。またモータによってリンク部材92を角変位することで、ドアを開放する場合と、ドアを閉鎖する場合とで、接続部93の移動経路を異ならせることもできる。
図28は、他の実施形態の可動体駆動手段91を簡略化して示す図である。オープナ26は、FOUP支持部31が乗載されるテーブル部分69を前後方向Xに移動するFOUP駆動手段70を有する。FOUP駆動手段70は、ロボットまたは作業者などによってFOUP25がFOUP支持部31のテーブル部分69に配置された状態で、テーブル部分69を正面壁28aに向かって前後方向Xに移動し、FOUP25と正面壁28aとを密着させる。またFOUP25と正面壁18aとが密着した状態から解除する。
テーブル部分69と前記可動体95とは、前後方向Xが同じ方向であるので、本実施の形態では、オープナ26は、1つの駆動手段によって、テーブル部分69と前記可動体95とのいずれかを移動させるかを切換える切換手段75を有する。これによって1つの駆動手段によって、テーブル部分69と可動体95を選択的に前後方向Xに移動させることができる。
たとえば駆動手段70は、移動体73を前後方向Xに移動させる。移動体73には、前後方向Xに略垂直な方向にピン部71を2方向に選択的に突出するデュアル式のエアシリンダ75が搭載される。図28(1)に示すように、エアシリンダ75が、ピン部71を第1方向に突出させて、ピン部71を可動体95に嵌合させることによって、移動体73とともに可動体95を前後方向Xに移動させることができる。また図28(2)に示すように、エアシリンダ75が、ピン部71を第2方向に突出させて、テーブル部分69に嵌合させることによって、移動体73とともにテーブル部分69を前後方向Xに移動させることができる。
本実施の形態では、可動体95を移動させる駆動手段をFOUP支持部31近傍に設けることができるので、FOUP支持部31に設けられる他の駆動手段と、可動体駆動手段を兼用した構成とすることができる。テーブル部分69などを介してFOUP25を前後方向Xに移動させる基板容器駆動手段を用いて可動体駆動手段を実現することで、可動体を変位駆動させるための駆動源と、基板容器を変位駆動させるための駆動源との2つの駆動源を用いる必要がなく、1つの駆動源によって、基板容器駆動手段と可動体駆動手段とを実現することができ、基板容器オープナの駆動源の数を低減することができる。このようにFOUP支持部31に設けられる他の駆動手段で、可動体駆動手段を兼用することによって、駆動手段の数を減らすことができ、構造を簡単化することができるとともに、設計の自由度を高めることができる。またオープナ26を小形化することができるとともに、構造を簡単化することができる。
図29は、本発明のさらに他の実施の形態である第2の搬送系ユニット121を示す断面図である。第2の搬送系ユニット121は、第1実施形態の搬送系ユニット21と類似した構成を有し、類似した構成については同様の参照符号を付する。第2の搬送系ユニット121は、オープナ126の構成が異なり、残余の構成については、第1実施形態の搬送系ユニット21と同様である。第2の搬送系ユニット121は、図23(2)に示す比較例のオープナ126を有する。このような第2の搬送系ユニット121であっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図30は、本発明のさらに他の実施の形態である第3の搬送系ユニット221を示す断面図である。第3の搬送系ユニット221は、第1実施形態の搬送系ユニット21と類似した構成を有し、類似した構成については同様の参照符号を付する。第3の搬送系ユニット221は、フレーム分割体の構成が異なり、残余の構成については、第1実施形態の搬送系ユニット21と同様である。フレーム分割体は、棒状の部材が枠状に複数連結されて充分な剛性を有する骨組みが形成されて、その骨組みに板状部材が固定されてもよい。この場合、棒状の部材に各搬送系要素26,27,56が固定されることで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。またFFUによってダウンフローが発生される場合、仕切り体52は、板状に形成されて、厚み方向に貫通する開口が等間隔に複数形成されていてもよい。この場合、準備空間29のうちの可動空間79から固定空間78へ雰囲気気体が流れ、可動空間79のクリーン度を保つことができる。
上述した本実施の形態は、本発明の例示に過ぎず発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば本実施の形態では、対象基板として半導体ウェハ24について説明したが、半導体ウェハ以外の基板、たとえばFPD(Flat Panel Display)に用いられるガラス基板などであっても同様の効果を達成することができる。またフレーム構造体の形状については、充分な剛性を有する形状であればよく、本実施の形態に例示した形態に限定されない。また基板容器としてFOUP25を用いたが、オープンカセットであってもよく、FOSB(Front Opening Shipping Box)であってもよい。また本実施の形態では、接続部93を水平または略水平に動作させればよく、可動体95は、水平に移動しなくてもよい。オープンカセットの場合、FOUPオープナ26に代えて、オープンカセットを位置合わせした状態で保持する保持部が、フレーム分割体50の固定部に固定される。
また本発明は、以下の形態が適用可能である。
(1)予め設定される正面方向に開放して、基板が収容される収容空間が形成される容器本体と、容器本体に対して着脱可能に形成されて、容器本体に装着された状態で収容空間の開口を塞ぐ容器側ドアとを有する基板容器を開閉する基板容器オープナの一部を構成して、容器本体から取外される容器側ドアを把持可能なオープナ側ドアを変位駆動するオープナ側ドア駆動機構であって、
(a)基板容器オープナの一部を構成する容器支持部に位置決め支持される容器本体において正面方向となる前方X1と、前記前方X1と向きが反対の後方X2とを含む前後方向Xに移動可能な可動体と、
(b)前記可動体を、前記前後方向Xに変位駆動する可動体駆動手段と、
(c)オープナ側ドアに固定される接続体と、
(d)可動体と接続体とを連結して平行リンク機構を構成し、可動体に対して接続体を、前記前後方向Xに垂直または略垂直に延びる角変位軸線Lまわりに相対角変位可能に連結する複数のリンク部材と、
(e)可動体の前後方向位置に応じて予め定められる角度位置に、可動体に対して各リンク部材を角変位するリンク部材角変位手段であって、
(e1)オープナ側ドアの把持する容器側ドアが容器本体の開口を塞いだ閉鎖状態で可動体が位置する閉鎖位置と、前記閉鎖位置から可動体が前方X1に予め定める設定距離A移動した離間位置との間を、可動体が前後方向Xに移動するにあたって、接続体の移動方向を分解した成分のうちで、少なくとも前後方向X成分が存在するように、可動体に対するリンク部材の角変位を規制し、
(e2)前記離間位置よりも前方X1となる退避領域を、可動体が前後方向Xに移動するにあたって、接続体の移動方向を分解した成分のうちで、少なくとも前後方向Xに垂直な垂直方向成分が存在するように、可動体の移動に連動して、リンク部材を可動体に対しての角変位させるリンク部材角変位手段とを含むことを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
可動体と接続体とは平行リンク機構を構成する複数のリンク部材に連結されることによって、接続体および接続体に固定されるオープナ側ドアは、姿勢を一定に保ちながら移動する。
また可動体が閉鎖位置と離間位置との間を移動する状態では、可動体の前後方向X移動に連動して、リンク部材角変位手段が可動体に対してリンク部材の角変位を規制することで、接続体の移動方向には少なくとも前後方向X成分が含まれる。これによって接続体に固定されるオープナ側ドアは、把持した容器側ドアとともに前後方向Xに移動する。閉鎖位置から離間位置に可動体が前方X1に移動すると、オープナ側ドアに把持される容器側ドアは、容器本体から前方X1に移動して、容器本体から離間する。また離間位置から閉鎖位置に可動体が後方X2に移動すると、オープナ側ドアに把持される容器側ドアは、容器本体に向かって後方X2に移動して、容器本体の開口部を閉鎖する。
また可動体が退避領域を移動する状態では、可動体の前後方向X移動に連動して、リンク部材角変位手段が可動体に対してリンク部材を角変位させることで、接続体の移動方向には、少なくとも前後方向Xに垂直な垂直方向成分が含まれる。これによって接続体に固定されるオープナ側ドアは、把持した容器側ドアとともに垂直方向に移動する。退避領域を可動体が前方X1に移動すると、オープナ側ドアに把持される容器側ドアは、容器本体から前後方向Xに垂直な垂直方向に離反移動して、容器本体を開放する。また退避領域を可動体が後方X2に移動すると、オープナ側ドアに把持される容器側ドアは、容器本体から前後方向Xに垂直な垂直方向に近接移動して、容器本体に対向する。
このように、オープナ側ドアに把持される容器側ドアを、前後方向Xに変位移動させることができるとともに、可動体の角変位軸線Lまわりに角変位移動させることができ、角変位軸線Lに垂直な平面内で2方向に移動させて、容器本体を開閉することができる。
可動体駆動手段によって、可動体を前後方向Xに移動させることで、オープナ側ドアに把持される容器側ドアを、前後方向Xと、前後方向Xに垂直な方向とに移動させることができ、容器本体から容器側ドアを近接および離反させて、容器本体の開閉動作を行わせることができる。また可動体を移動させる前後方向Xは、容器支持部に支持される容器本体に対して、収容空間が開放する正面方向に平行な方向である。これによって可動体は、前後方向Xに移動させても、容器支持部に支持される基板容器の近傍を移動させることができ、容器支持部から離反した位置に可動体を移動させる機構を設ける必要がない。したがって容器支持部の近傍にオープナ側ドア駆動機構を配置することができ、基板容器オープナを小形化することができる。また基板容器オープナのうちで基板容器を支持する容器支持部から離反した空間を有効利用することができる。
(2)前記リンク部材角変位手段は、
可動体が前記閉鎖位置と前記離間位置との間を移動する間、可動体に対するリンク部材の角度を一定または略一定に保ち、
可動体が前記退避領域を移動する間、可動体の前方X1への移動に応じて可動体に対するリンク部材の角度を大きくし、可動体の後方X2への移動に応じて可動体に対するリンク部材の角度を小さくすることを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
可動体が閉鎖位置と離間位置との間を移動する間には、リンク部材角変位手段によって可動体に対するリンク部材の角変位が抑えられる。各リンク部材の角変位が抑えられることで、接続体が、可動体の移動に応じて移動する場合、その移動方向を分解した成分のうちの全てまたは大部分が前後方向X成分となる。したがってオープナ側ドアに把持される容器側ドアもまた、移動方向を分解した成分のうちの全てまたは大部分が前後方向X成分となる。
また可動体が退避領域を前方X1に移動する間には、可動体の移動に応じて可動体に対するリンク部材の角度を大きくすることで、容器側ドアの移動方向を分解した成分のうちの前後方向X成分を少なくすることができる。同様に、可動体が退避領域を後方X2に移動する間には、可動体の移動に応じて可動体に対するリンク部材の角度を小さくすることで、容器側ドアの移動方向を分解した成分のうちの前後方向X成分を少なくすることができる。これによって可動体が退避領域を前後方向Xに移動する間には、容器側ドアは、垂直方向または略垂直方向に、容器本体に対して近接または離反する。
可動体が閉鎖位置と離間位置との間を移動する間には、容器側ドアは、移動方向を分解した成分のうちの全てまたは大部分が前後方向X成分となる。これによって容器側ドアが容器本体に対して前後方向Xに近接および離反するときに、容器本体の開口部および基板容器オープナに形成される正面壁などと、容器側ドアとが干渉することを防ぐことができ、容器側ドアを容器本体から円滑に近接および離反させることができる。
また可動体が退避領域を前後方向Xに移動する間には、容器側ドアは、容器本体に対して垂直方向または略垂直方向に近接または離反する。これによって容器側ドアが、前後方向Xに不所望に移動することを抑えることができ、容器側ドアの動作領域を前後方向Xに小さくすることができ、容器本体を開閉するために必要な可動空間の前後方向X寸法を小さくすることができる。これによって容器側ドアおよびオープナ側ドアが、基板移載装置に配置される他の装置、たとえば基板搬送用のロボットなどに干渉することを防ぐことができる。
(3)前記前後方向Xおよび前記角変位軸線Lは、水平または略水平に延び、
前記リンク部材角変位手段は、
可動体が前記退避領域を前方X1に移動するのに応じて可動体に対してリンク部材を下方に角変位し、可動体が前記退避領域を後方X2に移動するのに応じて可動体に対してリンク部材を上方に角変位することを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
前後方向が水平または略水平に延びることによって、可動体が閉鎖位置と離間位置との間を移動する間には、接続体が水平または略水平に延びる軌跡に沿って移動する。また可動体が前記退避領域を前方X1に移動するのに応じて可動体に対してリンク部材を下方に角変位することによって、可動体が前記退避領域を前方X1に移動する場合には、接続体が鉛直または略鉛直に延びる軌跡に沿って下方に移動する。また可動体が前記退避領域を後方X2に移動するのに応じて可動体に対してリンク部材を上方に角変位することによって、可動体が前記退避領域を後方X2に移動する場合には、接続体が鉛直または略鉛直に延びる軌跡に沿って上方に移動する。
このように、容器本体を開く場合には、容器側ドアは、水平または略水平な軌跡に沿って前方X1に移動したあと、鉛直または略鉛直な軌跡に沿って下方に移動する。また容器本体を閉じる場合には、容器側ドアは、鉛直または略鉛直な軌跡に沿って上方に移動したあと、水平または略水平な軌跡に沿って後方X2に移動する。
容器本体を開放する場合、容器側ドアは、水平または略水平に近い軌跡を描きながら容器本体から離間し、離間後鉛直または鉛直に近い軌跡を描きながら容器本体から離反する。また容器本体を閉鎖する場合、容器側ドアは、容器本体から離間した状態で、鉛直または鉛直に近い軌跡を描きながら容器本体に近接し、近接後、水平または略水平に近い軌跡を描きながら容器本体に当接する。このように容器側ドアを、容器本体よりも下方に移動させて容器本体を開放することで、容器開閉時に気流が乱れたとしても、気流が上方から下方に流れるように調整されることで、基板、容器本体およびロボットなどに塵埃粒子が付着するおそれを少なくすることができ、基板搬入および搬出時に基板が汚染されることを防ぐことができる。
(4)前記可動体駆動手段、前記リンク部材角変位手段および可動体は、前記容器支持部に支持されることを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
基板容器オープナの一部を構成する容器支持部に、前記可動体駆動手段、リンク部材角変位手段および可動体が支持されることで、可動体駆動手段、リンク部材角変位手段および可動体を支持するためのオープナ側ドア駆動機構支持部を容器支持部と兼用することができ、オープナ側ドア駆動機構に構成される各構成要素を支持するための部分を別途形成する必要がなく、部品点数を低減することができる。
容器支持部が、可動体駆動手段、リンク部材角変位手段および可動体を支持することで、可動体駆動手段および可動体を支持する部分を別途形成する必要がなく、基板容器オープナの部品点数を低減することができる。これによってさらに基板容器オープナを小形化することができるとともに、構造を簡単化することができ、基板容器オープナの製造コストを低下させることができる。たとえば容器支持部にオープナ側ドア駆動機構を構成する各要素部品を支持させることによって、基板容器オープナに形成される正面壁に、オープナ側ドア駆動機構の各要素部品を固定支持させる必要がなく、正面壁を小形化するとともに、正面壁の剛性を低下させることができ、基板容器オープナの製造コストを低減することができる。
(5)前記リンク部材角変位手段は、各リンク部材の少なくともいずれかに設けられる係合部と、
係合部が係合し、可動体の前後方向位置に応じて可動体に対する係合部の角度位置を規制する規制部とを含んで構成されることを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
係合部が規制部に係合することによって、可動体の前後方向位置毎に、各リンク部材は可動部に設定される角変位軸線Lまわりの角変位が阻止される。たとえば可動体が第1の前後方向位置にあるときは、係合部は規制部に案内された状態で、第1の前後方向位置に応じた角変位軸線まわりの角度位置で角変位が規制される。またたとえば可動体が第2の前後方向位置にあるときは、係合部は規制部に案内された状態で、第2の前後方向位置に応じた角変位軸線まわりの角度位置で角変位が規制される。このように係合部と規制部とを含んで、リンク部材角変位手段が構成されることによって、別途駆動源を必要とすることなく、可動体の前後方向移動に連動させて、可動体に対するリンク部材の角変位を所望の値にすることができる。
係合部と規制部とを含んでリンク部材角変位手段が構成されることによって、別途駆動源を必要とすることなく、可動体に対するリンク部材の角変位を規制することができる。これによって可動体駆動手段によって、可動体を前後方向Xに移動させるだけで、その可動体の移動に連動させてリンク部材を角変位させることができる。これによって基板容器オープナの構成をさらに簡単化することができる。
(6)前記可動体駆動手段は、基板容器オープナの一部を構成して、前記容器支持部に支持される基板容器を前記前後方向Xに変位駆動するための基板容器駆動手段の動力を用いて可動体を前後方向Xに変位駆動することを特徴とするオープナ側ドア駆動機構。
基板容器駆動手段は、テーブル部分などを介して基板容器を前後方向Xに移動させる。また可動体駆動手段は、可動体を前後方向Xに移動させる。基板容器駆動手段と可動体駆動手段とは、ともに物体を前後方向Xに移動させる点で共通しており、テーブル部分と可動体とのいずれかに、前後方向Xに移動させる動力を伝えるかを切換える切換手段を設けることによって、基板容器駆動手段を用いて可動体駆動手段を実現することができる。
テーブル部分などを介して基板容器を前後方向Xに移動させる基板容器駆動手段を用いて可動体駆動手段を実現することで、可動体を変位駆動させるための駆動源と、基板容器を変位駆動させるための駆動源との2つの駆動源を用いる必要がなく、1つの駆動源によって、基板容器駆動手段と可動体駆動手段とを実現することができ、基板容器オープナの駆動源の数を低減することができる。これによって基板容器オープナを小形化することができるとともに、構造を簡単化することができる。
(7)厚み方向に貫通するオープナ開口が形成される正面壁と、
容器本体の開口部が、周方向にわたって前記正面壁のオープナ開口部と接触する装着位置に、容器本体を位置決め支持する容器支持部と、
容器支持部によって装着位置に位置決め支持される容器本体から、容器側ドアを着脱可能な着脱機構と、取外した容器側ドアを把持可能な把持機構とを有して、前記オープナ開口を塞ぐオープナ側ドアと、
前記容器側ドアを把持するオープナ側ドアを変位駆動可能であって前記オープナ側ドア駆動機構とを備える基板容器オープナ。
基板容器オープナのオープナ側ドア駆動機構が上述した構成を備えることによって、可動体を前後方向Xに移動させることで、容器本体を開閉可能な基板容器オープナを実現することができる。
基板容器オープナが、上述したオープナ側ドア駆動機構を有することによって、小形化することができる。また容器支持部に対して、前後方向Xに垂直な方向に離反した空間を有効利用することができる。また基板容器オープナのうちで、位置決め支持される基板容器に密着する正面壁を小形化することができ、基板移載装置の製造コストを安価にすることができる。
(8)予め定める雰囲気中で基板処理を行う基板製造装置に対して、基板の搬入および搬出を行う基板移載装置の一部を構成する基板移載装置であって、前記基板容器オープナを備えることを特徴とする基板移載装置。
基板容器オープナのオープナ側ドア駆動機構が上述した構成を備えることによって、可動体を前後方向Xに移動させることで、容器本体を開閉可能な基板容器オープナを搭載した基板移載装置を実現することができる。
基板移載装置は、上述したオープナ側ドア駆動機構を有する基板容器オープナが搭載されることによって、基板容器オープナの小形化にともなう小形化を実現することができる。また容器支持部に対して、前後方向Xに垂直な方向に離反した空間を有効利用することができる。
また本発明は、以下の形態が適用可能である。
(9)ロボットおよび基板容器保持部を含んで構成され、予め定める雰囲気中で基板処理を行う基板処理装置に対して基板の搬入および搬出を行う基板移載装置の組立て方法であって、
基板移載装置の一部を構成し、基板移載装置の残余の部分となる本体構成体に対して分離可能に形成される分割体に、基板移載装置を構成するロボットと基板容器保持部とを一体に固定して、搬送系ユニットとして形成する搬送系ユニット形成工程と、
前記搬送系ユニットに固定されるロボットが基板移載装置の一部として動作可能かどうかを検査する動作検査工程と、
動作検査工程後に、搬送系ユニットを基板移載装置の本体構成体に装着する装着工程とを含むことを特徴とする基板移載装置の組立て方法。
搬送系ユニット形成工程で、本体構成体から分離された状態の分割体に対して、少なくともロボットと基板容器保持部とを一体に固定して、搬送系ユニットを形成する。そして基板移載装置として組立てる前に、動作検査工程で、搬送系ユニットに固定されるロボットが、基板移載装置の一部として動作可能かどうかを検査する。基板移載装置の一部として要求される能力が発揮されると、装着工程に進む。装着工程では、動作検査工程を通過した搬送系ユニットを、本体構成体に一体に装着して、基板移載装置を完成させる。
搬送系ユニットの形成工程で、分割体に対してロボットと基板容器保持部とを位置合わせすることで、基板移載装置として組立てる前に、ロボットと基板容器保持部との互いの位置関係を位置合わせすることができる。また基板移載装置として組立てる前に、基板容器保持部に保持される基板容器へのアクセスに関するロボットの動作検査を行うことができる。
基板移載装置のうちで基板搬送系を構成する構成機器、すなわちロボットと基板容器保持部とは、高い組立て精度が要求されるとともに、厳しい動作検査が行われる。上述したように、組立て前に、基板搬送系部分について必要とする組立て精度、基板搬送系の動作品質を得ることができるので、位置合わせおよび動作検査を行うための、熟練者および専用の治具を、基板移載装置の設置場所毎にそれぞれ用意する必要がない。また本体構成体にロボットおよび基板容器保持部を据え付けた状態で、位置合わせおよび動作検査を行う場合に比べて、広い空間でそれらの作業を行うことができる。
またロボットと基板容器保持部との位置調整および動作検査が既に行われた状態で、搬送系ユニットと本体構成体とを一体に組立てるので、組立て後に行う水平調整などの位置調整および動作検査を簡略化することができる。このように、位置調整および動作検査が行われた搬送系ユニットを準備することで、基板移載装置の設置場所での組立て作業を簡略化することができ、基板移載装置を短時間で完成させることができる。
(10)搬送系ユニット形成工程では、ロボットによって基板が一時的に配置される基板待機部をさらに分割体に一体に固定して、搬送系ユニットを形成することを特徴とする基板移載装置の組立て方法。
分割体に基板待機部をさらに含むことで、ロボットと基板待機部との相対的な位置調整と、基板待機部に対する基板のアクセスに関するロボットの動作検査とを既に完了させたあとで、搬送系ユニットを本体構成体に一体に装着することができる。このように、分割体に基板待機部を固定することで、基板移載装置の設置場所での組立て作業をさらに簡略化することができ、基板移載装置を短時間で完成させることができる。たとえば基板待機部は、基板の向きを調整するアライナ装置、基板の厚さを測定する厚さ測定装置、基板搬送の効率化を高めるためのバッファ部などであってもよい。
(11)動作検査工程では、基板移載装置として動作するロボットの動作を模擬した模擬動作をロボットに行わせることを特徴とする基板移載装置の組立て方法。
動作検査工程で、模擬動作を行うために、基板容器保持部に保持される基板容器の位置などをロボットに教示する。その各教示位置にロボットを移動させてロボットによる基板搬送に関する模擬動作を行わせて検査を行う。このように動作検査工程で模擬動作を行うことで、模擬動作で用いたロボットの教示位置を用いて、実際に動作するロボットの動作位置を設定することができ、ロボットの動作位置の教示作業を簡略化することができる。
(12)搬送系ユニット形成工程と動作検査工程とを、ロボットが製造されるロボット製造場所で行い、
動作検査工程後の搬送系ユニットを、基板移載装置が設置される設置場所に搬送する搬送工程をさらに含むことを特徴とする基板移載装置の組立て方法。
搬送系ユニット形成工程と動作検査工程とを、ロボット製造場所で行うことによって、ロボット製造場所においてロボットの品質を確保することができる。これによって従来、ロボット製造場所でロボットの品質を確保するために行っていた模擬動作による検査と、基板移載装置の設置場所で行われていた動作検査とを1つに兼ねことができ、全体的な作業時間を短縮することができ、作業性を向上することができる。また基板移載装置の設置場所での作業時間を短縮することができる。
またロボット製造場所で搬送系ユニット形成工程と動作検査工程とを行うことで、ロボットに関して熟練した作業者が、分割体に対するロボットの固定、位置合わせ、ロボットの動作位置の教示動作および動作検査を行うことができる。したがってそれらの各作業が不完全となることを防ぐことができる。また各作業で発生した不具合に対しても解決しやすくすることができる。
(13)予め定める雰囲気中で基板処理を行う基板製造装置に対して基板の搬入および搬出を行う基板移載装置の一部を構成し、基板移載装置の残余の部分となる本体構成体に対して着脱可能に形成される搬送系ユニットであって、
本体構成体に対して着脱可能に形成される分割体と、
分割体に固定されるロボットと、
分割体に固定される基板容器保持部とを含み、
本体構成体に分割体が装着された場合に、分割体に固定されるロボットおよび基板容器保持部が基板移載装置の一部としてそれぞれ位置すべき配置位置にそれぞれ配置されるよう形成されることを特徴とする搬送系ユニット。
ロボットおよび基板容器保持部が固定された分割体が、本体構成体に装着されると、ロボットおよび基板容器保持部は、基板移載装置として位置すべき配置位置に配置される。これによって基板移載装置の組立て作業よりも以前に、ロボットと基板容器保持部との互いの位置関係を位置合わせすることができる。
ロボットと基板容器保持部とは、基板移載装置のうちで基板搬送系を構成する搬送構成体であり、高い組立て精度が要求される。搬送系ユニットを形成した状態で、基板搬送系部分について必要とされる組立て精度が得られているか否かを把握することができるので、搬送系ユニットと本体構成体とを一体に組立てた後での位置調整作業を簡略化することができ、基板移載装置を短時間で完成させることができる。
また搬送系ユニットを基板移載装置から着脱可能とすることで、基板移載装置が故障した場合、搬送系ユニットを本体構成体から分離して、搬送系ユニットに固定されるロボットの動作を確認することができる。これによってロボットと基板容器保持部とを広い空間に配置した状態で、動作確認を行うことができ、故障箇所の発見と、故障個所の修理とを容易に行うことができる。
(14)本体構成体から分離された状態で、自立姿勢を保つことを特徴とする搬送系ユニット。
搬送系ユニットが自立姿勢を保つことで、搬送系ユニットを安定的に支持するための架台を必要としない。したがって架台を用意したり、その架台に搬送系ユニットを乗せ下ろししたりする手間をなくすことができる。これによって架台を用意するための費用と、架台にフレームを乗せ下ろしするために必要な時間とを省くことができ、作業性をさらに向上することができる。
(15)本体構成体から分離された状態で、基板移載装置として動作するときと同じ動作が可能であることを特徴とする搬送系ユニット。
搬送系ユニットは、基板移載装置として動作するときと同じ動作が可能である。したがって搬送系ユニットを完成させた状態で、基板移載装置として組立てる前に、基板容器保持部に保持される基板容器への基板のアクセスに関するロボットの動作検査を行うことができる。動作検査が完了した搬送系ユニットを本体構成体に装着して基板移載装置を完成させることで、基板移載装置として組立てた後での動作検査を簡略化することができる。これによって基板移載装置として組立ててから基板移載装置として可動可能な状態となるまでの時間を短縮することができる。
(16)本体構成体から分離された状態で、ロボットおよび基板容器保持部が基板移載装置の一部として動作するときと同じ姿勢を保つことを特徴とする搬送系ユニット。
搬送系ユニットは、ロボットおよび基板容器保持部が基板移載装置として動作するときと同じ姿勢を保つ。ここで同じ姿勢とは、水平面および鉛直面に対するロボットおよび基板容器保持部の基準面の姿勢である。これによって動作検査を行う場合に、搬送系ユニットを基板移載装置として動作する時と同じ姿勢を保つための架台を必要としない。したがって動作検査のための架台を用意したり、その架台に搬送系ユニットを乗せ下ろししたりする手間をなくすことができ、架台を用意するための費用と架台にフレームを乗せ下ろしするために必要な時間とを省くことができ、作業性をさらに向上することができる。
(17)分割体は、本体構成体に形成される装着位置に装着される装着部と、
装着部を装着位置に案内する案内部とが形成されることを特徴とする搬送系ユニット。
分割体を、本体構成体に装着するにあたって、案内部によって案内されて、装着部が装着位置に装着される。これによって分割体と本体構成体を容易に位置合わせして組立てることができる。
(18)予め定める雰囲気中で基板処理を行う基板処理装置に対する基板の搬入および搬出を行う基板移載装置の一部を構成し、基板移載装置の残余の部分となる本体構成体に対して着脱可能に形成される基板移載装置の分割体であって、
基板移載装置を構成する複数の構成体のうちで、基板の搬送に関連する複数の搬送構成体が固定される固定部と、
本体構成体に着脱可能に装着される装着部とを有し、
装着部が本体構成体に装着された場合に、固定部に固定される各搬送構成体が基板移載装置として位置すべき配置位置にそれぞれ配置されることを特徴とする分割体。
本体構成体から、分割体が分離した状態で、分割体に搬送構成機器が固定可能である。また各搬送構成機器が固定された分割体が本体構成体に装着されると、それらの搬送構成機器は、基板移載装置として位置すべき配置位置に配置される。たとえば搬送構成機器は、ロボット、フープオープナ、アライナなどによって実現される。
分割体の固定部に各搬送構成機器を固定することで、基板移載装置として組立てる前に、各搬送構成機器の互いの位置関係を位置合わせすることができる。そして各搬送構成機器が位置合わせされた分割体を、本体構成体に装着して基板移載装置を組立てる。これによって、基板移載装置の組立て後に、各搬送構成機器の位置関係を調整する調整作業を簡略化することができ、基板移載装置を短時間で組立てることができる。