JP4602610B2 - 車両用シートスライドレール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートを車両床に対して移動自在に支持するシートスライド機構に関し、特にそのスライドレールの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスライドレールとしては、特開平10−315816号公報で示されるものが知られている。図5はこの技術におけるスライドレールの断面図をあらわす。図5に示されるようにこのスライドレールは、車両床に固定されるロアレール101と、そのロアレール101に対して移動可能に組み合わされシートを載置するアッパレール102と、ロアレールに形成されたフランジ部103と、アッパレール102に固定されたローラ部材104とからなる。このようなスライドレールは、アッパレール102とロアレール101の相対移動時に、ローラ部材104がロアレール101上を転がり、その移動をスムーズにしている。
【0003】
しかしながら、この構造においてはフランジ部103がローラ部材104の軸105に対向するため次の様な問題が生じる。例えば車両衝突時には乗員の荷重がシートベルトを介して、シートベルトアンカが配設されるシートに伝達される。よってシートは車両の前上方向や衝突の仕方によっては左右方向に大きく引っ張られる。従ってシートが載置されるアッパレール102も車両の前上方向や左右方向に引っ張られる。ここでその引っ張り力が非常に強い場合は、ローラ部材104はフランジ部103と係合し、更には、ロアレール101が変形することによりローラ部材104がフランジ103から外れる。よってアッパレール102はロアレール101と離脱し、シートが車両床から離れる危険が生じる。この離脱を防ぐ手段の一つとして、フランジ103の高さを高くすることが考えられる。しかしながら、前述の様に従来技術の構成ではフランジ103とローラ部材4は垂直方向の位置関係にあるため、フランジ103の高さが制限されるという問題が生じる。またフランジ103の高さを高くするためにはローラ部材104を無くすことも考えられるが、その場合はアッパレール102のロアレール101に対する移動はスムーズではなくなる。よってシートスライド機構の操作性が悪くなるという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するために、アッパレールのロアレールに対する移動のスムーズ性を失うことなく、アッパレールのロアレールからの離脱可能性を低下することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、車両床に固定されるロアレールと、該ロアレールと移動可能に組み合わされかつシートに固定されるアッパレールと、前記ロアレールと前記アッパレールの間に配設された転動部材とを有する車両用シートスライド装置において、前記ロアレールは前記車両床に固定される第1基壁と、該第1基壁から延在する第1垂直壁と、該第1垂直壁が反転して形成された第2垂直壁を有し、前記アッパレールはシートに固定される第2基壁と、該第2基壁から延在する第3垂直壁と、該第3垂直壁が反転して形成された第4垂直壁を有し、前記第2垂直壁は前記第3垂直壁と前記第4垂直壁の間に位置し、前記転動部材は、第1垂直壁と第4垂直壁の間に位置することを特徴としたことである。
【0006】
この構造では、アッパレールがロアレールから離脱しようとする場合、ロアレールの第2垂直壁と、アッパレールの第3垂直壁から第4垂直壁への反転部がかみ合い、離脱を抑える。ここで、転動部材は第2垂直壁及び第4垂直壁と水平方向の位置関係にあるため、第2垂直壁や第4垂直壁は、その高さが転動部材との干渉によって制限されない。よってアッパレールのロアレールからの離脱可能性を低下することができる。また、アッパレールのロアレールに対する移動は転動体を介して行われるため、移動のスムーズ性を確保することができる。
【0007】
好ましくは、前記第4垂直壁には摺動部材が配設され、該摺動部材は前記ロアレール摺接することを特徴とする、と良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、シートスライド機構Aは、図1の左右方向に伸びたロアレール1とアッパレール2を備えている。ロアレール1は、車両床3にボルト(図示なし)にて固定されている。またアッパレール2の上にはシートクッション4のシートクッションフレーム(図示なし)がボルト(図示なし)にて固定されている。またシートベルト5は、シートクッション4の底部にブラケット6を介して固定されている。ここで、アッパレール2の長手方向のほぼ中央にはロアレール1に対するロック装置7が配設されている。ロック装置7がロアレール1と係合しないアンロック状態ではアッパレール2とシートは一体的にロアレール1に対して長手方向に移動可能となっている。またロック装置7がロアレール1と係合するロック状態では、アッパレール2とシートはロアレール1に対して移動不可能となっている。
【0009】
図2乃至図5に示されるように、ロアレール1は断面略上向きC形状をした剛体である。そして底壁11(第1基壁)、中段部12、側壁13(第1垂直壁)、上壁14、フランジ15(第2垂直壁)がロアレール1の長手方向に沿うように形成されている。底壁11は車両床3に当接しており、ボルト(図示なし)により固定されている。中段部12は2箇所あり、底壁11の幅方向(図3においての左右方向)の両端より上方向へ階段状に屈曲した屈曲部を介して、車両床3対して平行に形成されている。側壁13は2箇所あり、中段部12の幅方向の両端から鉛直上向きに延在している。上壁14は2箇所あり、側壁13の上端からロアレール1の幅方向の内側に延在し、車両床3に対して平行に形成されている。フランジ15は2箇所あり、上壁14より鉛直下向きに延在しており、その高さは側壁13の高さの1/2より大きく形成されている。また、2つのフランジ15の間は開口部16がロアレール1の長手方向に沿うように形成されている。
【0010】
図2乃至図5に示されるように、アッパレール2は、開口部14に配設されてロアレール1と組み合わさっている。アッパレール2は2枚の剛体板2aと2bからなり、シート係合壁22(第2基壁)、側壁23(第3垂直壁)、フランジ24(第4垂直壁)を有している。剛体版2aと2bはシート係合壁22にて溶接により固定されてなる。これはアッパレール2の形成を容易にするために2枚の構成としたものであり、1枚の剛体板により形成してもよい。シート係合壁22の上面にはボルト(図示なし)を介してシートクッションフレーム(図示なし)が固定されている。側壁23はシート係合壁22のアッパレール2の幅方向の両端から、鉛直下向きに延在している。側壁23の下部はロアレール1の開口部16内に位置している。フランジ24は側壁23の下端がロアレール23の幅方向の外側に反転して断面略U字形状に屈曲された屈曲部26を介して、鉛直上向きに延在している。フランジ24の高さはロアレール1の側壁13の高さの1/2より高く形成されている。ここで、ロアレール1のフランジ15はアッパレール2の側壁23とフランジ24の間に位置するように配設されている。よってアッパレール2が上方向に引っ張られる力が加わった場合は、フランジ15は屈曲部25に係合し、アッパレール2はロアレール1とかみ合う。従ってアッパレール2のロアレール1からの離脱が防止される。ここで図2及び図3に示されるように、フランジ24の側壁13と対向する面には、アッパレール2の長手方向のほぼ両端にベアリング27(転動部材)が固定されている。つまりフランジ15とフランジ24とベアリング27は水平方向の位置関係となっているため、フランジ15、フランジ24の高さはベアリング27との干渉により制限を受けることは無い。よってフランジ15とフランジ24のラップ代を大きくすることができる。従ってアッパレール2とロアレール1のかみ合いが外れることによる、アッパレール2のロアレール1からの離脱の可能性を低下することができる。更にここで、ベアリング27はその下部がロアレール1の中段部12に係合しながらフランジ24に対して回動可能となっている。これによりアッパレール2はロアレール1に対してその長手方向にスムーズに移動可能となっている
2つの側壁23の下部には、その間に断面下向き略U字形状の補強材25がアッパレール2の長手方向に沿うように配設されている。補強材25はアッパレール2に対し溶接により固定されている。補強材25はアッパレール2の幅方向(図3における左右方向)からの荷重に対しての応力を与える。よってアッパレール2は幅方向に潰れ難くなっている。
【0011】
また、図2及び図4に示されるように、アッパレール2の長手方向の両端よりやや内側のフランジ24の上端には、シュー部材27がフランジ24の凹部(図示なし)に嵌め込むことにより固定されている。シュー部材27の上面281はロアレール1の上壁14と摺接し、側面282は側壁13と摺接する。これによりアッパレール2はロアレール1に対して上方向及び幅方向(図4における左右方向)の遊びを無くしている。また上面281及び側面282にはグリースが塗布されており、アッパレール2はロアレール1に対してスムーズに移動可能となっている。
【0012】
【発明の効果】
上記したように、請求項1の発明によれば、第2垂直壁、第4垂直壁は転動部材と水平方向の位置関係にあるため、第2垂直壁及び第4垂直壁の高さは転動部材との干渉により制限を受けることは無い。よって第2垂直壁と第4垂直壁のラップ代を大きくすることができ、アッパレールとロアレールのかみ合いが外れることによる、アッパレールのロアレールからの離脱の可能性を低下することができる。従ってシートが車両床から離脱する危険の可能性を低下させることでき、より安全なシートスライド機構を実現することができる。このとき、アッパレールはロアレールに対して転動部材を介して移動するため、移動のスムーズ性は確保される。よってシートスライド機構の良好な操作フィーリングを得ることができる。
【0013】
更に、請求項2の発明によれば、アッパレールはロアレールに対して上下方向及び左右方向の遊びがなくなる。よって車両の運転時にシートがガタつくことがなく、運転時の快適性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用シートスライドレールの車両用シートへの配設関係を示した図である。
【図2】本発明に係る車両用シートスライドレールの概略的側面図である。
【図3】図2のA−A部分での断面図で、アッパレール2にベアリング26が固定されている部分を示す。
【図4】図2のB−B部分での断面図で、アッパレール2にシュー部材27が固定されている部分を示す。
【図5】車両用シートスライドレールの従来例を示す。
【符号の説明】
1 ロアレール
2 アッパレール
3 車両床
11 底壁(第1基壁)
13 側壁(第1垂直壁)
15 フランジ(第2垂直壁)
23 側壁(第3垂直壁)
24 フランジ(第4垂直壁)
27 ベアリング(転動体)
Claims (2)
- 車両床に固定されるロアレールと、
該ロアレールと移動可能に組み合わされかつシートに固定されるアッパレールと、
前記ロアレールと前記アッパレールの間に配設された転動部材とを有する車両用シートスライド装置において、
前記ロアレールは前記車両床に固定される第1基壁と、該第1基壁から延在する第1垂直壁と、該第1垂直壁が反転して形成された第2垂直壁を有し、
前記アッパレールはシートに固定される第2基壁と、該第2基壁から延在する第3垂直壁と、該第3垂直壁が反転して形成された第4垂直壁を有し、
前記第2垂直壁は前記第3垂直壁と前記第4垂直壁の間に位置し、
前記転動部材は、第1垂直壁と第4垂直壁の間に位置することを特徴とする車両用スライドレール。 - 前記第4垂直壁には摺動部材が配設され、該摺動部材は前記ロアレール摺接することを特徴とする、請求項1に記載の車両用シートスライドレール。
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