JP4602071B2 - 海島型繊維用紡糸口金装置及びこれを用いた海島型繊維の製造方法 - Google Patents

海島型繊維用紡糸口金装置及びこれを用いた海島型繊維の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、海島型繊維用紡糸口金装置及びこれを用いた海島型繊維の製造方法に関する。
従来、海島型繊維を紡糸できる紡糸口金装置として、パイプ(細管)を使用して島樹脂成分を押し出す紡糸装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来のパイプを使用した紡糸装置では、島樹脂成分を押し出すパイプを損傷しやすく、パイプの加工が煩雑でコストがかかり多島化が困難であるという問題点があった。また、この紡糸装置を使用して、繊維径のより細い極細繊維(島樹脂成分から構成)を発生できる海島型繊維を紡糸するために、島樹脂成分の吐出量を減らすことが考えられた。しかしながら、島樹脂成分の吐出量を減らすと、単糸太さが細くなってしまい、紡糸時又は延伸時に糸切れが発生しやすいため、生産性が著しく悪いという問題があった。そこで、単糸太さを太くするために、島樹脂成分の吐出量を減らすとともに、海樹脂成分の吐出量を増やすことも考えられたが、海樹脂成分は海島型繊維から除去されるため資源的に無駄であり、極細繊維の生産性が悪いという問題があった。そのため、島樹脂成分数を多くすることによってこのような問題を解決できるが、上述のように、従来の紡糸装置では多島化が困難であるという問題点があった。
これらの問題点を解決するために、本願出願人は、放射状に設けた放射状溝又は同心円状に設けた同心円状溝を備え、同心円状に配置した細孔群を備える上部分配板と、同心円状に設けた同心円状溝又は放射状に設けた放射状溝を備え、前記上部分配板の細孔群に対応する位置に細孔群を備えた下部分配板とを組み合わせた紡糸口金装置を提案した(特許文献2)。
特公昭44−18369号公報(第1−2頁、第1図及び第4図) 特開2004−277966号公報(特許請求の範囲)
前記提案した紡糸口金装置によれば、多島化が可能で、生産性良く、しかも資源の無駄が少なく極細繊維を形成できる海島型繊維を紡糸できるものであったが、海島型繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士が結合するという問題が発生した。このように島樹脂成分が結合していると、海島型繊維の海樹脂成分を除去しても、結合した島樹脂成分からなる極細繊維が混在しているため、例えば、このような極細繊維を使用して不織布を製造した場合には、均一に分散させることができず、地合いの悪い不織布しか製造することができないものであった。このような問題は資源の無駄を少なくするために海樹脂成分量(海島型繊維全体の30mass%以下)を少なくした場合に顕著であった。
本発明はこのような状況下においてなされたもので、海樹脂成分量が少ない場合であっても、島樹脂成分同士が結合していない海島型繊維を紡糸することのできる紡糸口金装置、及びこれを用いた海島型繊維の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面へ貫通した細孔の群を備えるとともに、樹脂供給面及び/又は樹脂吐出面に、前記各細孔の近傍へ通じる溝が形成された分配板2枚以上が、スペーサーを介して積層され、隣接する分配板における下流側の分配板の各細孔は隣接する分配板の対向面の溝によって囲まれた状態にあり、前記分配板の中で最も下流に位置する最下流分配板よりも下流側に位置し、最下流分配板から吐出された樹脂を集合させる集合内壁部と、集合させた樹脂を吐出するノズル孔とを有するノズル板を備えた海島型繊維用紡糸口金装置であって、前記ノズル板は隣接する集合内壁部を区切る分離部と、最下流分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された樹脂がノズル板の集合内壁部と接触するまでの距離が5mm以上ある集合内壁部を備えていることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「請求項1に記載の海島型繊維用紡糸口金装置により紡糸することを特徴とする、海島型繊維の製造方法。」である。
請求項1の発明によれば、海樹脂成分量が少ない場合(海島型繊維全体の30mass%以下)であっても、島樹脂成分同士が結合していない海島型繊維を紡糸することができる。
請求項2の発明によれば、海樹脂成分量が少ない場合(海島型繊維全体の30mass%以下)であっても、島樹脂成分同士が結合していない海島型繊維を製造することができる。
本発明の代表的な海島型繊維用紡糸口金装置について、図面にしたがって説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態による海島型繊維用紡糸口金装置の要部を示す概略断面図である。図において、紡糸口金装置10は、島成分樹脂A、海成分樹脂Bをそれぞれ紡糸口金装置10に供給する島成分樹脂供給源(図示しない)、海成分樹脂供給源(図示しない)を備えており、これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A、海成分樹脂Bは混合しないように樹脂導入部11から樹脂分配板12に供給される。樹脂分配板12の下流側には、島成分樹脂Aを分配する上部分配板13と、海成分樹脂を分配する下部分配板15が設けられている。上部分配板13と下部分配板15との間にはスペーサ14が設けられている。さらに、下部分配板15のよりも下流側には、島成分樹脂を海成分樹脂が被覆した芯鞘型樹脂を多数集合させるノズル板16を備えている。
次に、島成分樹脂Aを分配する上部分配板13について、さらに詳細に説明する。図2は上部分配板13の樹脂吐出面側平面図で、図3は図2で示すE1の部分拡大図である。これらの図において、上部分配板13の樹脂吐出面側には、樹脂供給面(樹脂吐出面の反対面)から樹脂吐出面へ貫通し、島成分樹脂Aを吐出できる細孔20が同心円状に設けられた細孔の群を備えており、この細孔群の内周及び外周には、海成分樹脂Bを供給する供給孔21が円周方向に設けられている。また、前記供給孔21を含む領域に同心円状に形成され、海成分樹脂Bを供給できる樹脂供給溝22と、前記細孔の群の中心を中心として放射状に伸び、前記供給孔21からの海成分樹脂Bを樹脂供給溝22を介して後述の下部分配板15の各細孔の近傍へ供給できるように、放射状溝23が形成されている。
また、上部分配板13と下部分配板15との間には、スペーサ14が配置されているため、前記上部分配板13と後述の下部分配板15との間に空隙を形成し、海成分樹脂Bを前記放射状溝23及び後述の同心円状溝31からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂Bを充填し、海成分樹脂Bで島成分樹脂Aを被覆した状態で下部分配板15の細孔30に供給できる。なお、スペーサ14は樹脂供給溝22を越え、樹脂供給溝22とつながった放射状溝23の両端縁部を覆っているため、放射状溝23を介して海成分樹脂Bを下部分配板15の細孔30の近傍へ供給できる。
図4は、下部分配板15の樹脂供給面側平面図であり、図5は図4で示すE2の部分拡大図である。これらの図に示すように、下部分配板15は上部分配板13の細孔20の群の対応する位置に細孔30の群を備えており、上部分配板13の細孔20の群の各細孔20の中心と下部分配板15の細孔30の群の各細孔30の中心とが一致するように、上部分配板13と下部分配板15とが配置される。下部分配板15における各細孔30の直径は、島成分樹脂Aの表面が海成分樹脂Bで覆われるように、上部分配板13の各細孔20の直径よりもやや大きい。
また、下部分配板15の上部分配板13に面する側(樹脂供給面側)には、放射状溝23からの海成分樹脂Bを下部分配板15の各細孔30の近傍へ導くことができるように、細孔の群の中心に対して同心円状に形成された同心円状溝31が形成されている。このように同心円状溝31が形成されているため、前記放射状溝23と協働して、下部分配板15の各細孔30を囲むことができる。そのため、各細孔30の四方向から海成分樹脂を供給して、島成分樹脂を確実に被覆することができる。この各細孔を囲んだ状態は海島型繊維用紡糸口金装置を上から見た時の状態をいう。
このような下部分配板15よりも下流側には、下部分配板15から吐出された島成分樹脂を海成分樹脂で被覆した芯鞘型樹脂を多数受け取って集合させ、海島型繊維を形成することができるノズル板16が配置されている。図6は、ノズル板16を示す平面図であり、図7は図6におけるC1線での上部分配板13と下部分配板15を含めて図示する部分切断面図である。これらの図からわかるように、ノズル板16は下部分配板15から吐出された芯鞘型樹脂を受け取って集合させる集合内壁部16bと集合させた芯鞘型樹脂(海島型繊維)を吐出する円形状のノズル孔16cを備えており、集合内壁部16bへ通じるテーパー部16aを備えている。更に、ノズル板16は隣接する集合内壁部16b及びテーパー部16aを完全に分離し、所望の数の芯鞘型樹脂を受け取ることができるように、分離部16dを備えている。この分離部16dの存在によって、図5に記号Uで示す領域の25個の細孔から吐出された25本の芯鞘型樹脂を確実に受け取ることができる。このようなノズル板16における集合内壁部16bは、下部分配板15の最も外側に位置する最外細孔30a〜30a16(図5を参照)から吐出されたいずれの芯鞘型樹脂も、ノズル板16の集合内壁部16bと接触するまでの距離が5mm以上(好ましくは6mm以上、好ましくは10mm以下)あるような形状をもっている。例えば、図7における下部分配板15の樹脂吐出面における最外細孔30a、30aと集合内壁部16bとの最短距離D1、D9がいずれも5mm以上であるような形状をもっている。
なお、図7から明らかなように、下部分配板15の最も外側に位置する最外細孔から吐出されたいずれの芯鞘型樹脂も、ノズル板16の集合内壁部16bと接触するまでの距離が5mm以上であるように、ノズル板16の下部分配板15側の開口が広くなっている。そのため、ノズル板16のある集合内壁部によって受け取られる領域に存在する上部分配板13の最外細孔と、それに隣接する集合内壁部によって受け取られる領域に存在する上部分配板13の最外細孔とは、少し間隔が長くなっている。同様に、ノズル板16のある集合内壁部によって受け取られる領域に存在する下部分配板15の細孔と、それに隣接する集合内壁部によって受け取られる領域に存在する下部分配板15の細孔とは、少し間隔が長くなっている。更に、隣接する異なる領域間に存在する放射状溝は、他の放射状溝から細孔までの距離と距離が同じで、同じ状態で海成分樹脂を最外細孔へ供給できるように、上部分配板13における放射状溝は他の放射状溝よりも大きく、深く形成されている。
本発明の一実施形態による紡糸口金装置は以上のように構成され、次のように紡糸を行うことができる。
まず、島成分樹脂供給源(図示せず)及び海成分樹脂供給源(図示せず)から紡糸口金装置10に、それぞれ島成分樹脂A、海成分樹脂Bを供給する。これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A及び海成分樹脂Bは、混合しないように樹脂導入部11から樹脂分配板12に供給される。島成分樹脂Aは上部分配板13の細孔20に供給され、細孔20を通過して下部分配板15の細孔30へ導かれる。
海成分樹脂Bは、上部分配板13の供給孔21に供給され上部分配板13を通過するが、スペーサ14によって堰き止められ、樹脂供給溝22に貯留された後に、上部分配板13の放射状溝23内を進む。下部分配板15の上部分配板13に面する側(樹脂供給面側)においては、同心円状溝31が形成されているため、放射状溝23を進んだ海成分樹脂は同心円状溝31にも導かれ、スペーサ14により形成された空隙に満たされる。
前記島成分樹脂Aが下部分配板15の細孔30へ導かれる際には、スペーサ14により形成された空隙に満たされた海成分樹脂Bが下部分配板の細孔30の周りから供給されるため、島成分樹脂Aの周りがほぼ均等に海成分樹脂Bで被覆された状態で、下部分配板15の細孔30を通過する。
このように島成分樹脂Aを海成分樹脂Bで被覆した芯鞘型樹脂は下部分配板15から吐出された後にノズル板16に導かれるが、前記芯鞘型樹脂が集合内壁部16bと接触するまでに5mm以上の距離があるため、集合内壁部と接触するまでの間に芯鞘型樹脂がある程度安定した状態で集合内壁部16bによって集合させられ、その断面を小さくした後に、ノズル孔16cから吐出されるため、海成分樹脂量が少なくても芯鞘型樹脂の島成分樹脂同士の結合を回避して、海島型繊維を紡糸することができる。
なお、上述した実施形態においては、ノズル板として集合内壁部の傾斜が一様のものを使用しているが、芯鞘型樹脂が集合内壁部と接触するまでの距離が5mm以上である限り、集合内壁部の傾斜は一様である必要はない。例えば、図8に別のノズル板の部分切断面図を示すように、下部分配板15の樹脂吐出面に対して直角である部分と傾斜をもつ部分とを併せもった集合内壁部16bであっても良いし、図9に更に別のノズル板の部分切断面図を示すように、各種の傾斜部分を併せもった(図9においては16b〜16bの4種類)集合内壁部であっても良い。
上述した実施形態においては、上部分配板13と下部分配板15の2枚の分配板を使用した例であるが、分配板は2枚である必要はなく、3枚以上であっても良い。例えば、分配板が3枚であれば、島成分が芯鞘型の海島型繊維を紡糸することができる。
なお、上述した実施形態においては、スペーサ14は樹脂供給溝22を越えて放射状溝23の両端縁部を覆っている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも放射状溝23の両端縁部を覆っている必要はない。
また、上部分配板13の樹脂吐出面側に放射状溝23を設け、下部分配板15の樹脂供給面側に同心円状溝31を設けた態様について説明したが、上部分配板13の樹脂吐出面側に同心円状溝を設け、下部分配板15の樹脂供給面側に放射状溝を設けても同様の効果を奏する。このように、上部分配板13の樹脂吐出面側に同心円状溝を設けた場合、中心から放射状方向における細孔のピッチを小さくできるため、上部分配板13における細孔20の数を増やすことができ、海島型繊維の更なる多島化が可能となる。この場合、スペーサ14は樹脂供給溝22を覆わず、下部分配板15の放射状溝へ海成分樹脂Bを供給できるようにしたり、仮に覆っている場合には、樹脂供給溝を下部分配板15に設けるとともにスペーサ14は穴を有するのが好ましい。
なお、上述した実施形態においては、細孔の群は同心円状に配置しているが、同心円状である必要はない。また、各細孔へ通じる溝として放射状溝と同心円状溝とを組み合わせて下部分配板の各細孔を溝によって囲んだ状態としているが、各細孔を囲むことができるのであればこれらの溝の組み合わせである必要はなく、例えば、直線状の溝同士の組み合わせであっても良い。
更に、海島型繊維用紡糸口金装置を上から見た時に、上部分配板の放射状溝又は同心円状溝と下部分配板の細孔とがオーバーラップしていても良い。このようにオーバーラップしていることによって、放射状溝又は同心円状溝から直接細孔へ海成分樹脂を供給できるため、安定して海島型繊維を紡糸することができる。
また、上部分配板の樹脂吐出面側の細孔間に、それぞれ下部分配板の細孔とオーバーラップ(海島型繊維用紡糸口金装置を上から見た時)するように、樹脂溜まり部(例えば凹部)を設けることもできる。このような樹脂溜まり部を設けることによって、樹脂溜まり部から直接細孔へ海成分樹脂を供給できるため、個々の島成分樹脂Aが明確に独立した海島型繊維を紡糸しやすい。
上述した実施形態では、ノズル板16として、集合内壁部16bの横断面形状が略円形状のものを使用しているが、集合内壁部16bの横断面形状が略長円形状のものを使用することもできる。このようなノズル板を使用することによって、より多くの芯鞘型樹脂を受け取ることができ、島成分の数を更に多くできるため、海島型繊維を生産性良く製造できる。
更に、上述した実施形態では、上部分配板13の細孔の群、下部分配板15の細孔の群は同心円状に配設された1組しか備えていないが、それら細孔の群の更に外周又は内周に、別の細孔群を備えていることができる。このように構成することによって、多島化が可能となり、また海島型繊維の生産性を高めることができる。この場合、供給孔は別の細孔群の供給孔としても作用させることもできるし、各細孔群ごとに供給孔を備えていることもできる。また、このような場合には、横断面形状が略長円形状(長軸が放射状)の集合内壁部を備えたノズル板を使用することができる。このような構成とすることによって多島化でき、しかも糸全体を効率的に冷却できる。なお、細孔群ごとにノズル板を設けても良い。
(実施形態2)
上述した実施形態1では、円形状の上部分配板及び下部分配板を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、矩形状の上部分配板及び下部分配板を使用してもよい。図10は矩形状の上部分配板の樹脂吐出面側平面図であり、上部分配板40の樹脂吐出面側には、島成分樹脂Aを吐出する細孔41が碁盤の目状に設けられた細孔群を備えており、この細孔群に対して上部分配板40の長手方向両側部には、海成分樹脂Bを供給する供給孔42が直線状に設けられている。また、前記供給孔42を含む領域に、上部分配板40の長手方向に沿って形成され、海成分樹脂を供給できる樹脂供給溝43と、前記上部分配板40の短手方向に伸び、前記供給孔42からの海成分樹脂Bを後述の下部分配板50の細孔の近傍へ供給できる短手方向溝44が形成されている。
また、上部分配板40と下部分配板50との間には、スペーサが配置されているため、前記上部分配板40と後述の下部分配板50との間に空隙を形成し、海成分樹脂Bを前記短手方向溝44及び後述の長手方向溝52からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂Bを充填し、海成分樹脂Bで島成分樹脂Aを被覆した状態で下部分配板50の細孔51に供給できる。なお、スペーサは樹脂供給溝43を越え、樹脂供給溝43につながる短手方向溝44の両端縁部を覆っているため、短手方向溝44を介して海成分樹脂Bを下部分配板50の細孔51の近傍へ供給できる。
図11は、下部分配板50の樹脂供給面側平面図である。この図に示すように、下部分配板50は上部分配板40の細孔41の群の対応する位置に細孔51の群を備えており、上部分配板40の各細孔41の中心と下部分配板50の各細孔51の中心とが一致するように、上部分配板40と下部分配板50とが配置される。下部分配板50の各細孔51の直径は、島成分樹脂Aの表面が海成分樹脂Bで覆われるように、上部分配板40の細孔41の直径よりもやや大きい。
また、下部分配板50の上部分配板40に面する側(樹脂供給面側)には、短手方向溝44からの海成分樹脂Bを下部分配板50の各細孔51の近傍へ導くことができるように、下部分配板50の長手方向に伸びる長手方向溝52が形成されている。このように長手方向溝52が形成されているため、前記短手方向溝44と協働して、下部分配板50の各細孔51を囲むことができる。そのため、各細孔51の四方向から海成分樹脂を供給して、島成分樹脂を確実に被覆することができる。
このような下部分配板50よりも下流側には、下部分配板50から吐出された島成分樹脂を海成分樹脂で被覆した芯鞘型樹脂を多数受け取って集合させ、海島型繊維を形成することができるノズル板60が配置されている。図12は、ノズル板60を示す平面図であり、図13は図12におけるC2線での上部分配板40と下部分配板50を含めて図示する部分切断面図である。これらの図からわかるように、ノズル板60は下部分配板50から吐出された芯鞘型樹脂を受け取って集合させる集合内壁部60bと集合させた芯鞘型樹脂(海島型繊維)を吐出する円形状のノズル孔60cを備えており、集合内壁部60bへ通じるテーパー部60aを備えている。更に、ノズル板60は隣接する集合内壁部60b及びテーパー部60aを完全に分離し、所望の数の芯鞘型樹脂を受け取ることができるように、分離部60dを備えている。この分離部60dの存在によって、所望数の芯鞘型樹脂を確実に受け取ることができる。このようなノズル板60における集合内壁部60bは、下部分配板50の最も外側に位置する最外細孔から吐出されたいずれの芯鞘型樹脂も、ノズル板60の集合内壁部60bと接触するまでの距離が5mm以上(好ましくは6mm以上、好ましくは10mm以下)あるような形状をもっている。例えば、図13における下部分配板50の樹脂吐出面における最外細孔51a、51aと集合内壁部60bとの最短距離D1、D9がいずれも5mm以上であるような形状をもっている。
なお、図13から明らかなように、下部分配板50の最も外側に位置する最外細孔から吐出されたいずれの芯鞘型樹脂も、ノズル板60の集合内壁部60bと接触するまでの距離が5mm以上であるように、ノズル板60の下部分配板50側の開口が広くなっている。そのため、ノズル板60のある集合内壁部によって受け取られる領域に存在する上部分配板40の最外細孔と、それに隣接する集合内壁部によって受け取られる領域に存在する上部分配板40の最外細孔とは、少し間隔が長くなっている。同様に、ノズル板60のある集合内壁部によって受け取られる領域に存在する下部分配板50の細孔と、それに隣接する集合内壁部によって受け取られる領域に存在する下部分配板50の細孔とは、少し間隔が長くなっている。更に、隣接する異なる領域間に存在する放射状溝は、他の放射状溝から細孔までの距離と距離が同じで、同じ状態で海成分樹脂を最外細孔へ供給できるように、上部分配板40における放射状溝は他の放射状溝よりも大きく、深く形成されている。
本発明の一実施形態による紡糸口金装置は以上のように構成され、次のように紡糸を行うことができる。
まず、島成分樹脂供給源(図示せず)及び海成分樹脂供給源(図示せず)から紡糸口金装置に、それぞれ島成分樹脂A、海成分樹脂Bを供給する。これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A及び海成分樹脂Bは、混合しないように樹脂導入部から樹脂分配板に供給される。島成分樹脂Aは上部分配板40の細孔41に供給され、細孔41を通過して下部分配板50の細孔51へ導かれる。
海成分樹脂Bは、上部分配板40の供給孔42に供給され上部分配板40を通過するが、スペーサによって堰き止められ、樹脂供給溝43に貯留された後に、上部分配板40の短手方向溝44内を進む。下部分配板50の上部分配板40に面する側(樹脂供給面側)においては、長手方向溝52が形成されているため、短手方向溝44を進んだ海成分樹脂は長手方向溝52にも導かれ、スペーサにより形成された空隙に満たされる。
前記島成分樹脂Aが下部分配板50の細孔51へ導かれる際には、スペーサにより形成された空隙に満たされた海成分樹脂Bが下部分配板の細孔51の周りから供給されるため、島成分樹脂Aの周りがほぼ均等に海成分樹脂Bで被覆された状態で、下部分配板50の細孔51を通過する。
このように島成分樹脂Aを海成分樹脂Bで被覆した芯鞘型樹脂は下部分配板50から吐出された後にノズル板60に導かれるが、前記芯鞘型樹脂が集合内壁部60bと接触するまでに5mm以上の距離があるため、集合内壁部60bと接触するまでの間に芯鞘型樹脂がある程度安定した状態で集合内壁部60bによって集合させられ、その断面を小さくした後に、ノズル孔60cから吐出されるため、海成分樹脂量が少なくても芯鞘型樹脂の島成分樹脂同士の結合を回避して、海島型繊維を紡糸することができる。
なお、上述した実施形態においては、ノズル板として集合内壁部の傾斜が一様のものを使用しているが、芯鞘型樹脂が集合内壁部と接触するまでの距離が5mm以上である限り、集合内壁部の傾斜は一様である必要はなく、図8や図9と同様に、各種の傾斜部分を併せもった集合内壁部であっても良い。
上述した実施形態においては、上部分配板40と下部分配板50の2枚の分配板を使用した例であるが、分配板は2枚である必要はなく、3枚以上であっても良い。例えば、分配板が3枚であれば、島成分が芯鞘型の海島型繊維を紡糸することができる。
なお、上述した実施形態においては、スペーサは樹脂供給溝43を越えて短手方向溝44の両端縁部を覆っている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも短手方向溝44の両端縁部を覆っている必要はない。
また、上部分配板40の樹脂吐出面側に短手方向溝44を設け、下部分配板50の樹脂供給面側に長手方向溝52を設けた態様について説明したが、上部分配板40の樹脂吐出面側に長手方向溝を設け、下部分配板50の樹脂供給面側に短手方向溝を設けても同様の効果を奏する。
なお、上述した実施形態においては、細孔の群は直交した状態で下部分配板の各細孔を溝によって囲んだ状態としているが、各細孔を囲むことができるのであれば直交している必要はない。
更に、海島型繊維用紡糸口金装置を上から見た時に、上部分配板の短手方向溝又は長手方向溝と下部分配板の細孔とがオーバーラップしていても良い。このようにオーバーラップしていることによって、短手方向溝又は長手方向溝から直接細孔へ海成分樹脂を供給できるため、安定して海島型繊維を紡糸することができる。
また、上部分配板の樹脂吐出面側の細孔間に、それぞれ下部分配板の細孔とオーバーラップ(海島型繊維用紡糸口金装置を上から見た時)するように、樹脂溜まり部(例えば凹部)を設けることもできる。このような樹脂溜まり部を設けることによって、樹脂溜まり部から直接細孔へ海成分樹脂を供給できるため、個々の島成分樹脂Aが明確に独立した海島型繊維を紡糸しやすい。
上述した実施形態では、ノズル板60として、集合内壁部60bの横断面形状が略円形状のものを使用しているが、集合内壁部60bの横断面形状が略長円形状のものを使用することもできる。このようなノズル板を使用することによって、より多くの芯鞘型樹脂を受け取ることができ、島成分の数を更に多くできるため、海島型繊維を生産性良く製造できる。
更に、上述した実施形態では、上部分配板40の細孔の群、下部分配板50の細孔の群は碁盤の目状に配設された1組しか備えていないが、それら細孔の群の更に隣接して別の細孔群を備えていることができる。このように構成することによって、多島化が可能となり、また海島型繊維の生産性を高めることができる。この場合、供給孔は別の細孔群の供給孔としても作用させることもできるし、各細孔群ごとに供給孔を備えていることもできる。また、このような場合には、横断面形状が略長円形状の集合内壁部を備えたノズル板を使用することによって、多島化できる。なお、細孔群ごとにノズル板を設けても良い。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
参考例1
図1に示すような海島型繊維用紡糸口金装置を用意した。つまり、島成分樹脂A、海成分樹脂Bをそれぞれ紡糸口金装置10に供給する島成分樹脂供給源、海成分樹脂供給源、これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A、海成分樹脂Bを上部分配板へ供給する樹脂分配板12、樹脂分配板12の下流に位置する下記上部分配板13、海成分樹脂Bを分配する下記下部分配板15、上部分配板13と下部分配板15との間に空隙を形成する下記スペーサ14、及び下部分配板15のよりも下流に島成分樹脂を海成分樹脂が被覆した芯鞘型樹脂を多数集合させる下記ノズル板16を備えたものを準備した。

(1)上部分配板;
細孔径:0.2mm
細孔数:2200
細孔の配置:同心円状
供給孔径:0.7mm
供給孔数:200
供給孔の配置:同心円状
樹脂供給溝の幅:2mm
放射状溝の幅:0.35mm及び1.05mm(異なる集合内壁部によって受け取られる領域間の放射状溝のみ)
放射状溝の深さ:0.35mm
放射状溝の断面形状:U形状
(2)スペーサ;
スペーサの厚さ:0.05mm
上部分配板と下部分配板との距離:0.05mm
スペーサの配置:樹脂供給溝を越え、樹脂供給溝に隣接する放射状溝の両端縁部を覆うように配置
(3)下部分配板;
細孔径:0.25mm
細孔の配置:上部分配板の細孔に対応して、中心が一致するように配置
同心円状溝の幅:0.30mm
同心円状溝の深さ:0.30mm
同心円状溝の断面形状:U形状
(4)ノズル板;
集合内壁部1つあたりの芯鞘型樹脂の受け取り本数:110本
ノズル孔径:0.37mm
分離部の幅:中心側が0.20mmで外側が0.26mm
集合内壁部の形状:円錐形
テーパー部の形状:矩形
下部分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された芯鞘型樹脂が、集合内壁部と接触するまでの距離:2mm
このような海島型繊維用紡糸口金装置を使用し、島成分樹脂供給源よりポリプロピレン樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率80:20で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、1.09g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この未延伸糸の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、図14に示すように、繊維内部における島樹脂成分はもちろんのこと、繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士も結合していなかった。
その後、未延伸糸を繊度約242dtexに収束したトウを温度90℃の温浴中を通過させながら2.9倍延伸して、延伸糸、つまり島成分の直径が2μmの海島型繊維を製造した。
実施例1
下部分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された芯鞘型樹脂が、集合内壁部と接触するまでの距離が5mmであること以外は参考例1と全く同様の海島型繊維用紡糸口金装置を用意した。
次いで、島成分樹脂供給源よりポリプロピレン樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率80:20で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、1.09g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この未延伸糸の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、繊維内部における島樹脂成分はもちろんのこと、繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士も結合していなかった。また、繊維表面の海樹脂成分は参考例1の未延伸糸よりもより多く存在していた。
その後、未延伸糸を繊度約242dtexに収束したトウを温度90℃の温浴中を通過させながら2.9倍延伸して、延伸糸、つまり島成分の直径が2μmの海島型繊維を製造した。
実施例2
下部分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された芯鞘型樹脂が、集合内壁部と接触するまでの距離が7mmであること以外は参考例1と全く同様の海島型繊維用紡糸口金装置を用意した。
次いで、島成分樹脂供給源よりポリプロピレン樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率80:20で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、1.09g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この未延伸糸の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、図15に示すように、繊維内部における島樹脂成分はもちろんのこと、繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士も結合していなかった。また、繊維表面の海樹脂成分は実施例1の未延伸糸よりもより多く存在していた。
その後、未延伸糸を繊度約242dtexに収束したトウを温度90℃の温浴中を通過させながら2.9倍延伸して、延伸糸、つまり島成分の直径が2μmの海島型繊維を製造した。
実施例3
参考例1と同じ海島型繊維用紡糸口金装置を使用し、島成分樹脂供給源よりナイロン66樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率80:20で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、1.37g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この未延伸糸の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、繊維内部における島樹脂成分はもちろんのこと、繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士も結合していなかった。
その後、未延伸糸を繊度約305dtexに収束したトウを温度90℃の温浴中を通過させながら3倍延伸して、延伸糸、つまり島成分の直径が2μmの海島型繊維を製造した。
実施例4
参考例1と同じ海島型繊維用紡糸口金装置を使用し、島成分樹脂供給源よりポリプロピレン樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率50:50で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、0.75g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この未延伸糸の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、繊維内部における島樹脂成分はもちろんのこと、繊維の表面近くに存在する島樹脂成分同士も結合していなかった。
その後、未延伸糸を繊度約167dtexに収束したトウを温度90℃の温浴中を通過させながら2.6倍延伸して、延伸糸、つまり島成分の直径が1μmの海島型繊維を製造した。
(比較例1)
下部分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された芯鞘型樹脂が、集合内壁部と接触するまでの距離が0.6mmであること以外は参考例1と全く同様の海島型繊維用紡糸口金装置を用意した。
次いで、島成分樹脂供給源よりポリプロピレン樹脂を、海成分樹脂供給源からポリエチレンテレフタレート樹脂を体積比率70:30で供給するとともに、ノズル板を300℃に加熱し、1.31g/分の速度でノズル孔から吐出した後に、900m/分で巻き取り、未延伸糸(島数:110、横断面形状:円形)を得た。この海島型繊維の横断面形状を実体顕微鏡により観察したところ、図16に示すように、繊維内部における島樹脂成分同士の結合はないものの、繊維表面では海樹脂成分がなく、島樹脂成分同士が結合した状態にあった。
本発明の一実施形態による海島型繊維用紡糸口金装置の要部を示す概略断面図 上部分配板の樹脂吐出面側平面図 図2で示すE1の部分拡大図 下部分配板の樹脂供給面側平面図 図4で示すE2の部分拡大図 ノズル板の平面図 図6におけるC1線での上部分配板と下部分配板を含めて図示する部分切断面図 別のノズル板の部分切断面図 更に別のノズル板の部分切断面図 矩形状の上部分配板の樹脂吐出面側平面図 矩形状の下部分配板の樹脂供給面側平面図 ノズル板の平面図 図12におけるC2線での上部分配板と下部分配板を含めて図示する部分切断面図 参考例1における未延伸糸の横断面の実体顕微鏡写真 実施例2における未延伸糸の横断面の実体顕微鏡写真 比較例1における未延伸糸の横断面の実体顕微鏡写真
符号の説明
10 紡糸口金装置
11 樹脂導入部
12 樹脂分配板
13、40 上部分配板
14 スペーサ
15、50 下部分配板
16、60 ノズル板
16a、60a テーパー部
16b、60b 集合内壁部
16c、60c ノズル孔
16d、60d 分離部
20、30、41、51 細孔
21、42 供給孔
22、43 樹脂供給溝
23 放射状溝
31 同心円状溝
30a〜30a16 最外細孔
44 短手方向溝
52 長手方向溝

Claims (2)

  1. 樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面へ貫通した細孔の群を備えるとともに、樹脂供給面及び/又は樹脂吐出面に、前記各細孔の近傍へ通じる溝が形成された分配板2枚以上が、スペーサーを介して積層され、隣接する分配板における下流側の分配板の各細孔は隣接する分配板の対向面の溝によって囲まれた状態にあり、
    前記分配板の中で最も下流に位置する最下流分配板よりも下流側に位置し、最下流分配板から吐出された樹脂を集合させる集合内壁部と、集合させた樹脂を吐出するノズル孔とを有するノズル板を備えた海島型繊維用紡糸口金装置であって、
    前記ノズル板は隣接する集合内壁部を区切る分離部と、最下流分配板の最も外側に位置する最外細孔から吐出された樹脂がノズル板の集合内壁部と接触するまでの距離が5mm以上ある集合内壁部を備えていることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。
  2. 請求項1に記載の海島型繊維用紡糸口金装置により紡糸することを特徴とする、海島型繊維の製造方法。
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