JP4324432B2 - 海島型繊維用紡糸口金装置及び海島型繊維の製造方法 - Google Patents

海島型繊維用紡糸口金装置及び海島型繊維の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、海島型繊維用紡糸口金装置及びノズル板並びに海島型繊維の製造方法、特に、島樹脂成分の多島化が可能で、島成分樹脂同士が結合することなく、繊維径のより細い極細繊維を発生させることのできる海島型繊維用紡糸口金装置及び海島型繊維の製造方法に関するものである。

従来、海島型繊維を紡糸できる紡糸装置として、パイプを使用して島樹脂成分を押し出す紡糸装置が公知である。(例えば、特許文献1参照)。図24に示すように、高分子相互配列体からなる繊維を紡出する紡糸装置が開示されている。図において、装置本体1内には、2枚の吐出板2,3から組み立てられる複合吐出機構1aと、この複合吐出機構1aの下面に密着する集合口金板4とが組み込まれている。複合吐出機構1aの上部は隔板5によって2つの区画1b、1cに区切られており、それぞれの区画1b、1cに樹脂A及びBが混合しないように供給される。この紡糸装置では、樹脂Aを島樹脂成分とし、樹脂Bを海樹脂成分とする海島型繊維を紡糸できる。
吐出板2に装着された細管6の先端が、吐出板3の吐出孔8に装着された導入管7の中央部に挿入されている。従って、細管6から供給される樹脂Aは、区画1c及び1dを通って導入される樹脂Bに導入管7内で被覆され、連続流体となって吐出孔8から下方へ吐出される。多数の連続流体は各セル9の中に集合され、1本の繊条となって集合口金板4の紡出孔9aから紡出される。このようにして得られた海島型繊維の横断面は、図25に示すように各樹脂A(島樹脂成分)を樹脂B(海樹脂成分)が被覆した細繊状体が構成単位となって均一に分散している。
特公昭44−18369号公報(第1−2頁、第1図及び第4図)
しかしながら、このような紡糸装置では、島樹脂成分を押し出すパイプ状の細管6を損傷しやすく、細管6の加工が煩雑でコストがかかり多島化が困難であるという問題点があった。
また、この紡糸装置を使用して、繊維径のより細い極細繊維(島樹脂成分から構成)を発生できる海島型繊維を紡糸するために、島樹脂成分の吐出量を減らすことが考えられた。しかしながら、島樹脂成分の吐出量を減らすと、単糸太さが細くなってしまい、紡糸時又は延伸時に糸切れが発生しやすいため、生産性が著しく悪いという問題があった。
そこで、単糸太さを太くするために、島樹脂成分の吐出量を減らすとともに、海樹脂成分の吐出量を増やすことも考えられたが、海樹脂成分は海島型繊維から除去されるため資源的に非常に無駄であり、極細繊維の生産性が悪いという問題があった。そのため、島樹脂成分数を多くすることによってこのような問題を解決できるが、上述のように、従来の紡糸装置では多島化が困難であるという問題点があった。
さらに、従来の紡糸装置では、細管6及び導入管7を円形状に配置しているため、隣接するセル9間の繊維が介在できない領域であるデッドスペースが生じてしまい、多島化が困難で繊維径のより細い極細繊維を発生できる海島型繊維を紡糸できないという問題点もあった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、特に、島成分樹脂同士が結合することなく多島化が可能で、繊維径のより細い極細繊維を発生させることのできる海島型繊維を紡糸することのできる海島型繊維用紡糸口金装置及び海島型繊維の製造方法を提供することを目的とする。

本発明の請求項1に係る発明は、海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ同心円状に配設されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群の内周及び外周に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた上部分配板と、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される下部分配板と、前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板とを備え、前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に同心円状に形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して放射状に伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する放射状溝が形成され、前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して同心円状に形成され、前記放射状溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する同心円状溝が形成され、前記スペーサは、海成分樹脂を前記放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置である。
請求項2に係る発明は、海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ同心円状に配設されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群の内周及び外周に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた上部分配板と、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される下部分配板と、前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板とを備え、前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に同心円状に形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して同心円状に形成され、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する同心円状溝が形成され、前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して放射状に伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する放射状溝が形成され、前記スペーサは、海成分樹脂を前記放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置である。
請求項3に係る発明は、海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有する上部分配板であり、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群に対して前記上部分配板の長手方向両側部に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた矩形状の上部分配板と、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される矩形状の下部分配板と、前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板とを備え、前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に前記上部分配板の長手方向に沿って形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して前記上部分配板の短手方向に沿って伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する短手方向溝が形成され、前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して形成され、前記短手方向溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する長手方向溝が形成され、前記スペーサは、海成分樹脂を前記短手方向溝及び長手方向溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置である。
請求項4に係る発明は、海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有する上部分配板であり、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群に対して前記上部分配板の長手方向両側部に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた矩形状の上部分配板と、樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される矩形状の下部分配板と、前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板とを備え、前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に前記上部分配板の長手方向に沿って形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して前記上部分配板の長手方向に沿って伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する長手方向溝が形成され、前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して形成され、前記長手方向溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する短手方向溝が形成され、前記スペーサは、海成分樹脂を前記短手方向溝及び長手方向溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置である。
請求項5に係る発明は、ノズル板におけるノズル孔の受け部における横断面形状が略四角形からなることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の海島型繊維用紡糸口金装置を用いることを特徴とする、海島型繊維の製造方法である。

請求項1の発明によれば、従来のように樹脂を押し出すパイプ状の細管を備えていないため、パイプを損傷することはない。また、パイプ状の細管ではなく、多数の細孔を設けることにより多島化が容易であり、島成分樹脂数を多くできるため、海成分樹脂の無駄が少なく、しかも単糸太さを太くできるため、繊維径のより細い極細繊維を発生できる海島型繊維を、生産性良く製造できる。さらに、単に孔及び溝を設けるだけで良いため、製造コスト的にも有利である。また、上下各分配板の加工性に優れ、バリが生じない点からも加工性に優れる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側(横断面における、以下同様)における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の場合よりもさらに多島化が可能で、繊維径のより細い極細繊維を発生させることができる海島型繊維を紡糸できる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
請求項3の発明によれば、上部分配板及び下部分配板が矩形状の場合、スパンボンド法により不織布を製造する際の紡糸口金装置としても使用できるため、海島型繊維を用いた不織布の生産性を高めることができる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
請求項4の発明によれば、上部分配板及び下部分配板が矩形状の場合、スパンボンド法により不織布を製造する際の紡糸口金装置としても使用できるため、海島型繊維を用いた不織布の生産性を高めることができる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
請求項5の発明によれば、ノズル板におけるノズル孔の受け部における横断面形状が略四角形であるので、島成分樹脂の更なる多島化が可能となる。
ズル板は完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備え、それぞれのノズル孔の受け部における横断面形状は、略四角であり、かつノズル孔の絞り部における横断面形状は、円形、長円及び楕円からなる群から選択されるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂からなる芯鞘型繊維の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができると共に、島成分樹脂の更なる多島化が可能となる。

請求項の発明によれば、上述の特徴を有する海島型繊維の製造方法が得られる。

請求項1の発明によれば、従来のように樹脂を押し出すパイプ状の細管を備えていないため、パイプを損傷することはない。また、パイプ状の細管ではなく、多数の細孔を設けることにより多島化が容易であり、島成分樹脂数を多くできるため、海成分樹脂の無駄が少なく、しかも単糸太さを太くできるため、繊維径のより細い極細繊維を発生できる海島型繊維を、生産性良く製造できる。さらに、単に孔及び溝を設けるだけで良いため、製造コスト的にも有利である。また、上下各分配板の加工性に優れ、バリが生じない点からも加工性に優れる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができるという効果を奏する。
請求項2の発明によれば、請求項1の場合よりもさらに多島化が可能で、繊維径のより細い極細繊維を発生させることができる海島型繊維を紡糸できる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができるという効果を奏する。
請求項3の発明によれば、上部分配板及び下部分配板が矩形状の場合、スパンボンド法により不織布を製造する際の紡糸口金装置としても使用できるため、海島型繊維を用いた不織布の生産性を高めることができる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができるという効果を奏する。
請求項4の発明によれば、上部分配板及び下部分配板が矩形状の場合、スパンボンド法により不織布を製造する際の紡糸口金装置としても使用できるため、海島型繊維を用いた不織布の生産性を高めることができる。さらに、ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができるという効果を奏する。
請求項5の発明によれば、ノズル板におけるノズル孔の受け部における横断面形状が略四角形であるので、島成分樹脂の更なる多島化が可能になるという効果を奏する。
ズル板は完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備え、それぞれのノズル孔の受け部における横断面形状は、略四角形であり、かつノズル孔の絞り部における横断面形状は、円形、長円及び楕円からなる群から選択されるので、ノズル孔へ供給される海成分樹脂で被覆された島成分樹脂からなる芯鞘型繊維の数を一定とし、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができると共に、島成分樹脂の更なる多島化が可能になるという効果を奏する。

請求項の発明によれば、上述の特徴を有する海島型繊維の製造方法が得られるという
効果を奏する。

実施形態1
図1は、本発明の一実施形態による海島型繊維用紡糸口金装置の要部を示す概略断面図である。図において、紡糸口金装置10は、島成分樹脂A及び海成分樹脂Bをそれぞれ紡糸口金装置10に供給する島成分樹脂供給源及び海成分樹脂供給源(図示しない)を備えており、これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A及び海成分樹脂Bは、混合しないように樹脂導入部11から樹脂分配板12に供給される。樹脂分配板12の下流側には、島成分樹脂Aを分配する上部分配板13と、上部分配板13からの島成分樹脂Aを受け取る下部分配板14が設けられている。上部分配板13と下部分配板14との間には、スペーサ15が設けられている。さらに、下部分配板14の吐出側には、上部分配板13及び下部分配板14によって形成された多数の芯鞘型繊維を集合させるノズル板16を備えている。
次に、島成分樹脂Aを分配する上部分配板13について、さらに詳細に説明する。図2〜4は、上部分配板13のそれぞれ樹脂吐出面側平面図、樹脂供給面側平面図及び側断面図である。これらの図において、上部分配板13の樹脂吐出面側には、島成分樹脂Aを吐出する同心円状に並んだ多数の細孔20が設けられており、この細孔20の内周及び外周には、海成分樹脂Bを供給する孔21が円周方向に設けられている。また、孔21の樹脂吐出側には、図5に示す放射状溝23へ海成分樹脂Bを供給する樹脂供給溝22が設けられている。
図5(a)、(b)は、図2のC部分を拡大して示す概略拡大図であり、これらの図に示すように、孔21から吐出される海成分樹脂Bを後述の下部分配板の同心円状溝26に導くための放射状に伸びる放射状溝23が上部分配板13の下部分配板側(樹脂吐出面側)に形成されている。これらの細孔20及び放射状溝23により多孔部24が形成される。さらに、上部分配板13と下部分配板14との間には、図6及び図7に示す第1スペーサ15a及び第2スペーサ15bが、図8に示すように設けられている。すなわち、第1スペーサ15aは、上部分配板13の外周から多孔部24の外周縁部を覆い、第2スペーサ15bは、上部分配板13の中心から多孔部24の内周縁部を覆って配置される。
図9及び10は、下部分配板14のそれぞれ樹脂供給面側平面図及び側断面図であり、図11は図9のD部分を拡大して示す概略拡大図、図12は図10のE部分を拡大して示す概略拡大図である。これらの図に示すように、下部分配板14には、多数の細孔25が設けられており、この細孔25と上部分配板13の細孔20の中心が一致するようにこれらの上部分配板13及び下部分配板14が配置される。細孔25の直径は、島成分樹脂Aの表面が海成分樹脂Bで覆われるため、上部分配板13の細孔20の直径よりやや大きい。また、下部分配板14の上部分配板13に面する側(樹脂供給面側)には、海成分樹脂Bを細孔25に導くために同心円状に形成された同心円状溝26が形成されている。
図13は、ノズル板16を示す概略平面図であり、図において、上部分配板13及び下部分配板14によって形成された多数の芯鞘型繊維を集合させて海島型繊維を形成する。ノズル板16には、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維を多数集合させて受け取るノズル孔27が設けられている。ノズル孔27は、図22(b)に示すように、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維を受け取る受け部161と、受け取った芯鞘型繊維を絞り込む絞り部162とから構成されている。ノズル孔27の受け部161の横断面形状は略四角形であり、絞り部162の横断面形状は円形を成している。隣接するノズル孔27は、仕切部27aによって互いに完全に仕切られている。下部分配板14から押し出された芯鞘型繊維は、その一定数が仕切部27aによって仕切られた各ノズル孔27へ供給される。
仕切部27aによって、完全に仕切られていないノズル板16へ芯鞘型繊維が供給された場合、ノズル孔27へ供給される芯鞘型繊維の数が一定せず、想定したよりも島成分数の多い海島型繊維及び島成分数の少ない海島型繊維を形成することに繋がる。この島成分数の多い海島型繊維においては、海島型繊維に加わる圧力が海島型繊維の外側(横断面における)程高いためか、この外側における島成分樹脂同士が結合してしまう場合があった。これに対し、仕切部27aによって互いに完全に仕切られているノズル孔27を備えたノズル板16では、ノズル孔27へ供給される芯鞘型繊維の数を一定とすることができるので、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。なお、図13では絞り部162における横断面形状が円形のノズル孔27を示したが、長円、楕円等の形状であってもよく、同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態による紡糸口金装置は以上のように構成され、次のように紡糸が行われる。まず、島成分樹脂供給源及び海成分樹脂供給源(図示しない)から紡糸口金装置10にそれぞれ島成分樹脂A及び海成分樹脂Bを供給する。これらの樹脂供給源からの島成分樹脂A及び海成分樹脂Bは、混合しないように樹脂導入部11から樹脂分配板12に供給される。島成分樹脂Aは上部分配板13の細孔20に供給され、細孔20を通過して下部分配板14の細孔25に導かれる。
海成分樹脂Bは、上部分配板13の孔21に供給され、樹脂供給溝22に貯留される。この樹脂供給溝22内の海成分樹脂Bは放射状溝23内を進む。スペーサ15a、15bは、樹脂供給溝22を超えてこの樹脂供給溝22に隣接する放射状溝23の両端縁部を覆っているので、樹脂供給溝22からの海成分樹脂Bの移動によって島成分樹脂Aの通過位置がずれることなく、生産性良く海島型繊維を紡糸することができる。
次に、島成分樹脂Aは下部分配板14の細孔25に導かれる。下部分配板14の上部分配板13に面する側(樹脂供給面側)においては、同心円状溝26が形成されているため、樹脂供給溝22からの海成分樹脂Bは放射状溝23を介して同心円状溝26にも導かれ、スペーサ15a、15bにより形成された空隙にオーバーフローして細孔25の四方から海成分樹脂Bが供給される。従って、島成分樹脂Aの周りはほぼ均等に海成分樹脂Bで覆われることになる。
こうして海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維は、下部分配板14から吐出された後ノズル板16に導かれ、仕切部27aによって仕切られた略四角形状のノズル孔27の受け部161により多数集合させて受け取られた後、ノズル孔27の絞り部162によりその断面を縮小されて紡出孔16aから紡出される。
なお、上述した実施形態においては、スペーサ15a、15bが樹脂供給溝22を超えて樹脂供給溝22に隣接する放射状溝23の両端縁部を覆っている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも放射状溝23の両端縁部を覆っている必要はない。また、上部分配板13の樹脂吐出面側に放射状溝23を設け、下部分配板14の樹脂供給面側に同心円状溝26を設けた場合について説明したが、上部分配板13の樹脂吐出面側に同心円状溝を設け、下部分配板14の樹脂供給面側に放射状溝を設けても良い。上部分配板13の樹脂吐出面側に同心円状溝を設けた場合には、中心から放射状方向における細孔のピッチを小さくできるため、上部分配板13に同心円状溝を設けることにより、上部分配板13の細孔20の数を増加することができ、海島型繊維の多島化が可能となる。この場合、スペーサ15a、15bは、樹脂供給溝22を覆っている必要は必ずしもなく、仮に覆っている場合には、樹脂供給溝22を完全に覆わないようにしたり、下部分配板14の放射状溝へ海成分樹脂Bを供給できるように穴を有するのが好ましい。
さらに、図14に示すように、上部分配板13の同心円状溝28と下部分配板14の細孔25とがオーバーラップしても良く、これにより、同心円状溝28から直接、下部分配板14の細孔25に海成分樹脂Bが供給されるため、安定して海島型繊維を紡糸することができる。この場合、スペーサを設けることによって、海成分樹脂Bを放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて下部分配板14の細孔25に供給することができる。また、スペーサは、樹脂供給溝22を覆っている必要は必ずしもなく、仮に覆っている場合には、樹脂供給溝22を完全に覆わないようにしたり、下部分配板14の放射状溝へ海成分樹脂Bを供給できるように穴を有するのが好ましい。
図15は、上部分配板13の樹脂吐出面側の同心円方向における細孔20間に樹脂溜まり部22a例えば凹部が設けられた状態を示す。このような樹脂溜まり部22aを設け、図14のように上部分配板13の同心円状溝28と下部分配板14の細孔25とがオーバーラップし、さらに、上部分配板13の樹脂溜まり部22aも下部分配板14の細孔25とオーバーラップしていることにより、下部分配板14の細孔25に対して四方から直接海成分樹脂Bを供給することができ、個々の島成分樹脂Aが明確に独立している海島型繊維を紡糸することができる。この場合、スペーサを設けることによって、海成分樹脂Bを放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて下部分配板14の細孔25に供給することもできる。また、スペーサは、樹脂供給溝22を覆っている必要は必ずしもなく、仮に覆っている場合には、樹脂供給溝22を完全に覆わないようにしたり、下部分配板14の放射状溝へ海成分樹脂Bを供給できるように穴を有するのが好ましい。なお、スペーサは設けなくてもよい。
また、上述した実施形態では、絞り部162の横断面形状が円形状のノズル孔27が設けられている場合について説明したが、図16に示すように、絞り部162の横断面が長円形状のノズル孔30を設けても良い。さらに、ノズル孔30は仕切部27aによって互いに完全に仕切られているので、図13で説明したように、ノズル孔30へ供給される芯鞘型繊維の数を一定とすることができるので、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
さらに、上部分配板13の樹脂吐出面側概略平面図である図17に示すように、細孔20及びその内外周に形成した孔21で構成される孔構造単位に加え、さらにその内側に、細孔20’及びその内外周の孔21’からなる孔構造単位を形成することができる。この場合、隣接する孔21及び孔21’を、孔21又は孔21’のいずれか一方のみで、兼用することも可能である。また、図18に示すように、絞り部の横断面が長円形状のノズル孔31をその長軸が放射状となるように形成することができる。このような構成とすることにより、多島化でき、しかも糸全体を効率的に冷却できるので望ましい。さらに、ノズル孔31は仕切部27aによって互いに完全に仕切られているので、図13で説明したように、ノズル孔31へ供給される芯鞘型繊維の数を一定とすることができるので、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。また、孔構造単位を図17に示すように二重にする場合には、スペーサを同心円状に三重に設けることができる。
さらに、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を効果的に防止するために、海島型繊維の外側の島成分樹脂のもととなる芯鞘型繊維の鞘成分樹脂量を多くするのが好ましい。より具体的には、(1)海島型繊維の外側の島成分樹脂のもととなる芯鞘型繊維の鞘成分樹脂を供給する放射状溝及び/又は同心円状溝(又は長手方向溝及び/又は短手方向溝)を太く及び/又は深くして、領域50aで1本の海島型繊維を構成するとして、供給できる鞘成分樹脂量を増やす方法(図5(a)参照)、(2)海島型繊維の外側の島成分樹脂を減らし、相対的に鞘成分樹脂量を多くするために、領域50bで1本の海島型繊維を構成するとして、上部分配板における海島型繊維の外側の島成分樹脂を供給する細孔を部分的に閉鎖(好ましくは1つおきに閉鎖)する方法(図5(b)参照)、(3)海島型繊維の外側の鞘成分樹脂量が多くなるように、領域110aで1本の海島型繊維を構成するとして、下部分配板における海島型繊維の外側の鞘成分樹脂が供給される細孔の大きさを大きくする方法(図11参照)、或いは(4)これらを併用する方法、を挙げることができる。
なお、(3)の方法により鞘成分樹脂量を多くする場合には、(1)の方法と併用して鞘成分樹脂量を多くするのが好ましい。また、(2)の方法により上部分配板の細孔を1つおきに閉鎖する場合には、閉鎖した細孔に対応する下部分配板における細孔の大きさを、閉鎖していない細孔に対応する細孔よりも小さくして、樹脂の流れのバランスをとるのが好ましい。
実施形態2
上述した実施形態1では、円形状の上部分配板及び下部分配板を使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、矩形状の上部分配板及び下部分配板を使用してもよい。図19は、矩形状の上部分配板を示す樹脂吐出面側平面図であり、図20は、矩形状の下部分配板を示す樹脂供給面側平面図である。
これらの図において、上部分配板40の樹脂吐出面側には、孔21を含む領域に上部分配板40の長手方向に沿って海成分樹脂Bを供給する樹脂供給溝21aが形成されている。また、細孔20の開口に隣接して上部分配板40の短手方向に沿って伸び、孔21からの海成分樹脂Bを下部分配板42の細孔25近傍に供給する短手方向溝41が形成されている。また、下部分配板42の樹脂供給面側には、細孔25の開口に隣接し、短手方向溝41からの海成分樹脂Bを下部分配板42の細孔25近傍に供給する長手方向溝43が形成されている。矩形状の上部分配板40及び下部分配板42を使用することにより、海島型繊維を紡糸できるばかりでなく、スパンボンド法により不織布を製造する際の紡糸口金装置としても使用できるため、海島型繊維を用いた不織布の生産性を高めることができる。
なお、上述では、上部分配板40に短手方向溝41が形成され、下部分配板42に長手方向溝43が形成された場合について説明したが、これとは逆に、上部分配板40の樹脂吐出面側に、上部分配板40の長手方向に沿って伸び、孔21からの海成分樹脂Bを下部分配板42の細孔25近傍に供給する長手方向溝(図示しない)が形成され、下部分配板42の樹脂供給面側に、細孔25の開口に隣接し、孔21からの海成分樹脂Bを下部分配板42の細孔25近傍に供給する短手方向溝(図示しない)が形成されていてもよく、上述と同様な効果を奏する。
また、矩形状の上部分配板及び下部分配板を使用した実施形態2に係る口金装置は、実施形態1に係る口金装置と同様な構成を採用することができる。すなわち、上部分配板40と下部分配板42との間にスペーサを設けることができ、下部分配板42の樹脂吐出面側にはノズル板を配置することができる。スペーサは、樹脂供給溝を超えて、短手方向溝及び/又は長手方向溝の両端部を覆っていることもできるし、前記両端部を覆っていなくても良い。さらに、スペーサは、海成分樹脂を短手方向溝及び/又は長手方向溝からオーバーフローさせて海成分樹脂を下部分配板の細孔に供給することができる。また、上部分配板の短手方向溝又は長手方向溝と下部分配板の細孔とがオーバーラップして、海成分樹脂が短手方向溝又は長手方向溝から直接細孔に供給されてもよい。さらに、上部分配板40の樹脂吐出面側には、細孔間に樹脂溜まり部を設けることができ、この樹脂溜まり部が下部分配板42の細孔とオーバーラップしている場合、下部分配板42の細孔に対して四方から直接海成分樹脂Bを供給することができる。また、図17及び18に基づいて説明したように、孔構造単位を二重に、さらに多重に設けることも可能である。また、上述した実施形態では、絞り部の横断面が円形状のノズル孔が設けられている場合について説明したが、絞り部の横断面が長円形状のノズル孔を設けてもよい。
実施形態3
図21は、矩形状のノズル板16を示す概略平面図であり、図22(a)は窪みが設けられたノズル孔の部分拡大平面図、図22(b)は突起が設けられたノズル孔の部分拡大平面図、図22(c)は図22(a)のX−X線に沿った要部拡大縦断面図である。これらの図において、矩形状のノズル板16には、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維を多数集合させて受け取る受け部161と、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維を絞り込む絞り部162を備え、前記受け部161の横断面が略四角形で、絞り部162の横断面が円形である多数のノズル孔32が、隣接して配置されている。また、各ノズル孔32は、仕切部27aによって完全に仕切られている。従って、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aからなる芯鞘型繊維は、隣接するノズル孔32のいずれかにその一定数が導かれるので、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。この矩形状のノズル板16は、例えば図20に示す下部分配板42の下に配置されて使用される。
ここで、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を効果的に防止するために、ノズル孔32の受け部161に芯鞘型繊維間に位置する窪み60又は突起61を設けるのが好ましい。すなわち、図22(a)に示すように、窪み60によって海島型繊維の外側における芯鞘型繊維同士間に鞘成分樹脂を優先的に存在させて芯鞘型繊維同士を分離することができる。また、図22(b)に示すように、突起61によって海島型繊維の外側における芯鞘型繊維同士を物理的に分離することもできる。結果として、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。なお、図22(a)又は(b)において、窪み60又は突起61の形状や大きさによって、仕切部27aの幅は適宜変更してもよい。
また、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を効果的に防止するために、ノズル孔32の受け部161における角度α(図22(c)参照)を小さく(例えば50度)し、ノズル孔32の第1絞り部における角度β(図22(c)参照)を小さく(例えば16度)するのが好ましい。海島型繊維の外側におけるずりの力を弱くして、島成分樹脂同士の結合を防止するためである。
なお、図23に示すように、芯鞘型繊維を受けるノズル孔33は、絞り部の横断面が長円形状であってもよい。この場合も図21と同様に、ノズル孔33は仕切部27aによって完全に仕切られているので、ノズル孔33へ供給される芯鞘型繊維の数を一定とすることができ、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
上述では、矩形状のノズル板を使用した場合について説明したが、ノズル板の形状は矩形状に限らず、円板状であってもよい。この場合、上述した実施形態1における図13に示した円板状のノズル板16に対応する。また、ノズル孔の絞り部における横断面形状は、円形に限らず、長円、楕円であってもよい。
ズル板は、従来の紡糸装置で生じていたデッドスペースを含め、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aが吐出される領域全体に設けることができる。従って、ノズル板は、上部分配板及び下部分配板を使用する本発明の紡糸口金装置に適用される場合に限定されず、従来の紡糸装置で使用されていた細管6及び導入管7を使用した場合等にも適用することができる。これにより、海成分樹脂Bで被覆された島成分樹脂Aのような芯鞘型繊維を押し出して、芯鞘型繊維をさらに多く束ねて、島数の多い海島型繊維を紡糸できるため、より細い極細繊維を発生させることができる。また、海島型繊維の外側における島成分樹脂同士の結合を防止することができる。
本発明の実施形態1による海島型繊維用紡糸口金装置の要部を示す概略断面図である。 上部分配板を示す樹脂吐出面側平面図である。 上部分配板を示す樹脂供給面側平面図である。 上部分配板を示す側断面図である。 (a)、(b)は、図2のC部分を拡大して示す概略拡大図である。 第1スペーサを示す平面図である。 第2スペーサを示す平面図である。 上部分配板及び第1及び第2スペーサを示す側断面図である。 下部分配板を示す樹脂供給面側平面図である。 下部分配板を示す側断面図である。 図9のD部分を拡大して示す概略拡大図である。 図10のE部分を拡大して示す概略拡大図である。 ノズル板16を示す樹脂供給面側概略平面図である。 細孔を示す概略部分拡大図である。 上部分配板の細孔間に樹脂溜まり部が設けられた状態を示す樹脂吐出面側概略平面図である。 ノズル板の一部を示す樹脂供給面側概略平面図である。 上部分配板の一部を示す樹脂吐出面側概略平面図である。 ノズル板の一部を示す樹脂供給面側概略平面図である。 本発明の実施形態2による矩形状の上部分配板を示す樹脂吐出面側平面図である。 本発明の実施形態2による矩形状の下部分配板を示す樹脂供給面側平面図である。 本発明の実施形態3によるノズル板を示す樹脂供給面側平面図である。 (a)は窪みが設けられたノズル孔の部分拡大平面図、(b)は突起が設けられたノズル孔の部分拡大平面図、(c)は(a)のX−X線に沿った要部拡大縦断面図である。 長円形状のノズル孔を示す要部拡大横断面図である。 従来の紡糸装置を示す概略断面図である。 海島型繊維の概略拡大断面図である。
符号の説明
10…紡糸口金装置、11…樹脂導入部、12…樹脂分配板、13…上部分配板、14…下部分配板、15、15a、15b…スペーサ、16…ノズル板、16a…紡出孔、20、25…細孔、21…孔、21a、22…樹脂供給溝、22a…樹脂溜まり部、23、29…放射状溝、26、28…同心円状溝、27、30、31、32、33…ノズル孔、27a…仕切部、40…上部分配板、41…短手方向溝、42…下部分配板、43…長手方向溝、50a、50b、110a…領域、60…窪み、61…突起。

Claims (6)

  1. 海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ同心円状に配設されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群の内周及び外周に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた上部分配板と、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される下部分配板と、
    前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、
    前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板と
    を備え、
    前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に同心円状に形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して放射状に伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する放射状溝が形成され、
    前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して同心円状に形成され、前記放射状溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する同心円状溝が形成され、
    前記スペーサは、海成分樹脂を前記放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、
    前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。
  2. 海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ同心円状に配設されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群の内周及び外周に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた上部分配板と、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される下部分配板と、
    前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、
    前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板と
    を備え、
    前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に同心円状に形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して同心円状に形成され、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する同心円状溝が形成され、
    前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して放射状に伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する放射状溝が形成され、
    前記スペーサは、海成分樹脂を前記放射状溝及び同心円状溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、
    前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。
  3. 海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有する上部分配板であり、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群に対して前記上部分配板の長手方向両側部に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた矩形状の上部分配板と、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される矩形状の下部分配板と、
    前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、
    前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板と
    を備え、
    前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に前記上部分配板の長手方向に沿って形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して前記上部分配板の短手方向に沿って伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する短手方向溝が形成され、
    前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して形成され、前記短手方向溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する長手方向溝が形成され、
    前記スペーサは、海成分樹脂を前記短手方向溝及び長手方向溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、
    前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。
  4. 海島型繊維を紡糸する紡糸口金装置であって、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有する上部分配板であり、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されると共に、樹脂供給源からの島成分樹脂を吐出する細孔の群、及び前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記細孔群に対して前記上部分配板の長手方向両側部に配設されると共に、前記樹脂供給源からの海成分樹脂を供給する孔を備えた矩形状の上部分配板と、
    樹脂供給面及び樹脂吐出面を有し、前記樹脂供給面から樹脂吐出面を貫通して形成されかつ前記上部分配板の細孔に対応する位置に配設される細孔を備えると共に、前記上部分配板の樹脂吐出面側に配置される矩形状の下部分配板と、
    前記上部分配板及び下部分配板の間に配置され、前記上部分配板及び下部分配板の間に空隙を形成するスペーサと、
    前記下部分配板の樹脂吐出面側に隣接して配置され、前記下部分配板から吐出される、海成分樹脂で被覆された島成分樹脂を多数集合させて受け取るノズル板と
    を備え、
    前記上部分配板の樹脂吐出面側に、前記孔を含む領域に前記上部分配板の長手方向に沿って形成され海成分樹脂を供給する樹脂供給溝、前記細孔の開口に隣接して前記上部分配板の長手方向に沿って伸び、前記孔からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する長手方向溝が形成され、
    前記下部分配板の樹脂供給面側に、前記細孔の開口に隣接して形成され、前記長手方向溝からの海成分樹脂を前記下部分配板の細孔近傍に供給する短手方向溝が形成され、
    前記スペーサは、海成分樹脂を前記短手方向溝及び長手方向溝からオーバーフローさせて前記空隙に海成分樹脂を充填し、海成分樹脂を前記下部分配板の細孔に供給できるようにし、
    前記ノズル板は、互いに完全に区切られた複数の隣接するノズル孔を備えることを特徴とする、海島型繊維用紡糸口金装置。
  5. 前記ノズル板におけるノズル孔の受け部における横断面形状が略四角形からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の海島型繊維用紡糸口金装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の海島型繊維用紡糸口金装置を用いることを特徴とする、海島型繊維の製造方法。

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