JP2005163233A - 3成分系海島型複合繊維用紡糸口金装置 - Google Patents

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弥彦 田邉
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Abstract

【課題】島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れた、ポリマーA、Bがサイドバイサイド型に接合した複合島成分をポリマーCの海成分が取り囲んでなる3成分系海島型複合繊維の紡糸口金装置を提供する。
【解決手段】硬板18により上記B、Cが各々別々に通過しうる上部および下部の少なくとも2つの空間が形成されるように仕切られており、上記上部空間14の上方に位置する上部硬板には島成分の数に相応する数のAの流通孔が開けられ、その下方に位置する中部硬板には、該上部硬板に開けられているAの流通孔と相対する位置に上記上部硬板に開けられた流通孔に対応する数に相応する数のAの流通孔と、それ以外の位置に島成分の数に相応する数のBの流通孔が開けられ、さらに上記上部と中部、および中部と下部には、2つの部位の硬板に相対する孔同士を連絡するパイプ1,4が備え付けられてなることを特徴とする海島型複合繊維用紡糸口金装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、島成分と海成分とからなる海島型複合繊維の紡糸口金装置に関する。さらに詳しくは、2種のポリマーがサイドバイサイド型に接合した複合島成分を海成分が取り囲んでなる3成分系海島型複合繊維を紡糸するための紡糸口金装置に関するものである。
海成分中に多数の島成分が繊維軸方向に沿って連続的に配列している海島型複合繊維は、紡糸後に海成分を溶融除去し島成分の極細繊維束が得られる、あるいは物理的衝撃により海島繊維を分割して海成分、島成分の極細繊維束が得られるために、フィラメントや不織布、織編布の構成材料として広く使用されている。特に人工皮革、人工皮革様織物などの皮革様シート素材として有用である。
さらに、これに限らず新しい特性を有する有用な多くの製品を作ることができ、繊維の用途をさらに広げるものである。また、上記海島型複合繊維を製造する手段についても、これまでに数多くの提案がされている。
しかし、従来の複合繊維用紡糸口金装置は2成分のものがほとんどであり、3成分、特に2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合した島を有する3成分系海島型複合繊維用紡糸口金装置については、高度の技術が必要となり極めて難しくなるため、極く希で、工業生産に耐えうるものはなかった。
その中で従来の3成分系の海島複合繊維を得る口金装置としては、例えば、複数枚の硬板とパイプ及び複合島成分を形成するための特殊形状のピースを用いた紡糸口金装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該口金装置では、口金上部にてサイドバイサイド型の島成分をあらかじめ作った後に、パイプを用いて該島成分を芯、海成分を鞘とした芯鞘複合流を形成し、続いて複数の該芯鞘複合流を1つに収束して海島複合繊維を得るものである。このため、島を形成する2種類のポリマーはサイドバイサイド型に接合された状態で口金内を流れるため、粘度差があるポリマーの場合、次第に低粘度のポリマーが高粘度のポリマーを覆っていき、三日月型の接合断面となってしまうという問題がある。また、芯鞘複合流を形成するとき、溶融粘度差の違いから吐出線速度が異なってしまうため、芯成分の吐出曲がりが発生し、複合流の中心に芯成分が来ず、結果ロート部で収束したときに島成分の合流が起こってしまうという問題がある。さらには、糸切れを誘発し安定した紡糸ができないという問題があった。さらに、該口金装置では、サイドバイサイドの複合流を形成するために特殊形状のピースを用いているために、口金加工上の限界からせいぜい10島以下のサイドバイサイド型3成分系海島複合繊維しか得られないという問題がある。
特公昭54−116417号公報
本発明は、前述のような従来の3成分系海島型複合繊維用紡糸口金装置がもつ問題を解決することを目的としたものであり、島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れた、2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合した島を有する3成分海島型複合繊維用紡糸口金装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のは、下記の構成を有するものである。すなわち、
(1)ポリマーA、Bがサイドバイサイド型に接合した複合体の島成分を、ポリマーCからなる海成分が取り囲んでなる海島型複合繊維を紡糸するための口金装置であって、硬板により、上記ポリマーB、Cが各々別々に通過しうる上部および下部の少なくとも2つの空間が形成されるように仕切られており、上記上部空間の上方に位置する上部硬板には島成分の数に相応する数のポリマーAの流通孔が開けられており、その下方に位置する中部硬板には、該上部硬板に開けられているポリマーAの流通孔と相対する位置に上記上部硬板に開けられた流通孔に対応する数に相応する数のポリマーAの流通孔と、それ以外の位置に島成分の数に相応する数のポリマーBの流通孔が開けられており、さらに下部空間の下方に位置する下部硬板には少なくともポリマーA、BおよびCの芯鞘複合流形成孔が開けられており、さらに上記上部と中部、および中部と下部には、2つの部位の硬板に相対する孔同士を連絡するパイプが備え付けられてなることを特徴とする海島型複合繊維用紡糸口金装置。
(2)下記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)が組み合わされた機構を1単位以上有することを特徴とする前記(1)に記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
(イ)上部硬板および中部硬板の各々相対する位置に開けられているn個の孔とn個のパイプによってポリマーAをポリマーBとは独立に下方に送る機構、
(ロ)中部硬板に開けてある2n個の孔とn個のパイプによってポリマーAとポリマーBとを独立に下方に送るとともに、下部硬板には該パイプと相対する位置に開けられているn個の孔と該パイプとがすき間を持たせてはめ合わされてなる環状部を形成し、ポリマーA、ポリマーBおよびポリマーCとを独立に下方に送る機構、
(ハ)独立に下方に送られてきたポリマーAおよびBを、まずサイドバイサイド型複合流に形成せしめた後、続いて該サイドバイサイド型複合流の周囲にポリマーCが取り囲んでなる芯鞘複合流を形成せしめる機構、
(ニ)下部硬板の下方にロートおよび吐出孔を設けた、複数の該芯鞘複合流を収束し、1本の繊維として吐出する機構。
(ただし、nは1以上の整数)
(3)中部硬板から下部硬板へポリマーを送るパイプ内に、ポリマーAとポリマーBとを独立に下方に送るための少なくとも2本の通路を設けた円柱状充填部材を該パイプ内面に密着するように嵌合してなることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
(4)ポリマーAおよびBがサイドバイサイド型に合流する直前の流路が、拡大流路となっていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の海島型複合紡糸用口金を用いて紡糸することを特徴とする海島型複合繊維の製造方法。
このように本発明の3成分系海島型複合繊維用紡糸口金装置は、溶融粘度の異なるポリマーA、Bを海成分であるポリマーCと合流する直前まで互いに独立に導き、下部硬板下面でサイドバイサイドに合流させた後、同じく下部硬板下面にて芯鞘複合流を形成する機構を前提とするため、ポリマーA、Bの界面曲りが少なく、サイドバイサイド複合流の吐出曲りを抑制でき、結果として島成分同士の合流のない、紡糸安定性に優れた、2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合した島を有する3成分系海島型複合繊維を得ることができる。
本発明によれば、2種類のポリマーがサイドバイサイド型に接合した島を有する3成分系海島型複合繊維を得ることができ、島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れる3成分系海島型複合繊維用紡糸用口金装置を提供することができる。
本発明においては島成分として特に限定はされなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合物、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸等の溶融整形可能なポリマーが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、酸化バリウム等の無機質、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤等の各種添加剤を上記物質中に含んでいてもよい。
また、海成分としては、例えば、共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等の溶融成形可能で、紡糸後、溶解抽出もしくは分割可能なポリマーが挙げられる。
複合繊維の形状としては、用途によって、長繊維状あるいは短繊維状のいずれを選択してもよく、捲縮が付与されていても良い。
また、本発明の複合紡糸用口金装置は、溶融紡糸用として使用できるのみならず、湿式紡糸あるいは乾式紡糸用としても使用できる。
硬板の材質としてはSUS316、630などの各種のステンレススチール、鉄、チタン、セラミック、金、白金などが使用可能である。また、2種類以上の材料を組み合わせて使用しても良い。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の3成分系海島型複合繊維用紡糸口金装置の一実施例を示す概略縦断面図である。図1の装置は、16本の島成分が1本の繊維に含まれ、島成分のすべてはほぼ完全に海成分によって取り囲まれており、かかる島成分が繊維軸方向に実質的に均一に連続している繊維構造をもち、かつ、16本の島成分はポリマーAおよびポリマーBがサイドバイサイド型に複合している3成分系海島型複合繊維を紡糸するための口金装置である。なお、図1では、理解しやすくするために、1本の3成分系複合繊維を得るのに必要な部分だけを描いてあるが、同じ単位を1つの口金装置内に何個も設けてもよいことはいうまでもない。
島成分の数は特に制限されるものではないが、通常3〜500程度、特に4〜200程度の範囲で選ぶのが好ましい。
本発明の装置は、1〜複数枚の硬板からなるものである。硬板の枚数は、限定されない。これは必要に応じて一体物として作ったり、逆に何枚にも分割した硬板を重ね合わせて作ったりしうるものであり、いずれの場合にも最終的には本発明の作用効果が発揮されるものである。図1は、好ましい適度の分割例を示している。
図1において、サイドバイサイド型の島を形成する一方の成分であるポリマーAは、パイプ1から入り空間14に存在する他方の島成分を形成するポリマーBが混入することなく島成分ポリマーAの流入孔2に至り、島成分ポリマーAの連絡孔3を経てパイプ4に至る。パイプ4の内部には、ポリマーAとポリマーBとが混ざり合うことなく上流から下流へ流れるための2つのポリマー連絡路6、12が設けられた円柱状充填部材5が密接して嵌合されており、島成分ポリマーAは、パイプ4内にある該島成分ポリマーAの連絡路6を経て円柱状充填部材5の下端に至る。ここで、円柱状充填部材5の下端位置は、パイプ4の下端位置よりも上流側であることから、パイプ4内にあるもう1つの島成分ポリマーBの連絡路12を経てきたポリマーBとポリマーAは円柱状充填部材5の下端で合流し、サイドバイサイド型複合流を形成する。また、パイプ4の下方先端は、海成分を形成するポリマーCの通過しうる隙間をもって芯鞘複合流形成孔7に挿入されている。(本発明では、このパイプ4と芯鞘複合流形成孔7の間に形成される隙間を環状部と称する。)パイプ4内を経たポリマーA、Bのサイドバイサイド型複合流は、環状部を流れてくる海成分となるポリマーCとパイプ4出口で合流し、芯がポリマーA、Bのサイドバイサイド型で、鞘がポリマーCである芯鞘複合流としてロート8に至り、他の孔から流れてくる同様の芯鞘複合流とともに収束されて、吐出孔9から吐出されるようになっている。
サイドバイサイド型の島を形成するもう一方の成分であるポリマーBは、島成分ポリマーBの口金装置への流入孔13から導入され、硬板間に設けられた空間14に至り、空間14の下方の硬板にある島成分ポリマーBの流入孔10および島成分ポリマーBの連絡孔11を経てパイプ4に至る。その後、パイプ4内の島成分ポリマーBの連絡路12を経たポリマーBは、上記ポリマーAと同様な機構でポリマーAと合流し、ポリマーA、Bを芯に、ポリマーCを鞘とした芯鞘複合流を形成してロート8に至り、ここで収束された後、吐出孔9から吐出されるようになっている。
海成分であるポリマーCは海成分ポリマーCの口金装置への流入孔15から導入され、硬板間に上記空間14とは独立に設けられた空間16に至り、パイプ4と芯鞘複合流形成孔7の間に形成されている環状部を通過して、パイプ4内から流れ出てくるポリマーA、Bからなるサイドバイサイド型複合流を取り囲み、ポリマーA、Bを芯に、ポリマーCを鞘とした芯鞘複合流を形成してロート8に至り、ここで収束された後、吐出孔9から1本の複合繊維として吐出されるようになっている。
これらの様子をもう少し詳しく説明する。
図2の(a)は、図1のX部を拡大したものであり硬板にパイプ4がはめ込まれた状態を示す断面図である。図2の(b)は、図2の(a)を下方より見た図である。また、図3は、パイプ4内に挿入する円柱状充填部材5の図である。
パイプ4には図3に示すような円柱状充填部材5が挿入嵌合されるとともに、固く固定されている。また、パイプ4および円柱状充填部材5の上には島成分ポリマーA、Bの連絡孔3、11が空いている硬板が密着するように積層されている。円柱状充填部材5の側面には、ポリマーA、Bを独立して案内するための連絡路6、12を2本形成し、該連絡路6、12の上端側はそれぞれ独立して島成分ポリマーA、Bの連絡孔3、11に連通している。このパイプ4および円柱状充填部材5は、パイプ4が固定されている硬板18の上面と面一になるように形成されている。
図2および図3において、島成分ポリマーA、Bの連絡孔6、12は円柱状断面の溝としているが、その断面形状は円弧状に限定されるものではなく、他の形状であっても良い。
円柱状充填部材5のパイプ4への備え付け方は、パイプ4に対し締まり嵌め状態に固定されていればよいが、必要によりパイプ4と溶接するようにしても良い。
パイプ1および4の硬板への備え付け方には、はめ込み式、ねじ込み、しめ込み、ロウ付け、融着、接着など各種のセット方法がある。また、パイプを硬板と一体に成形することももちろん可能である。
円柱状充填部材5下端のポリマーA、Bが合流可能となる点からパイプ4下端のポリマーCが合流可能となる点までの距離をLとすると(図2(a)参照)、距離Lは、2.0mm以下とすることが好ましく、0mmから1.0mmがより好ましい。該距離Lが2.0mmを越えると、2種のポリマーの溶融粘度の違いから合流後の流速に差が生じ、ポリマーCとの合流時にサイドバイサイド型複合流に曲りが生じやすく、かつ2種の重合体の接合断面形状が、溶融粘度の低いポリマーが溶融粘度の高いポリマーに回り込むため三日月型の断面形状になりやすく、目的とする性能をフルに発揮できにくい繊維となる。一方、距離Lが0mm未満すなわちポリマーA、Bがサイドバイサイド型に接合する前にポリマーCと合流する状態では、ポリマーA、Bの接合面にポリマーCが入り込み、安定したポリマーA、Bのサイドバイサイド型海島複合繊維は得られにくくなる。
ポリマーAおよびBがサイドバイサイドに合流する直前の仕切部の厚さをWとすると、厚さWは、1.0mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましい。該厚さWが1.0mmより大きいとポリマーCがポリマーA、Bの張り合せを阻害する場合があり、安定したサイドバイサイド型複合流が形成できなくなることがある。厚さWは0.1mm以上であることが好ましい。
円柱状充填部材5の先端部は、ポリマーA、Bの流路が拡大流路となるようにテーパー形状となっていることが好ましく、その先端のはさみ角度は、60°以下が好ましい。60°より大きな角度になると、出てきたポリマーAおよびBが均一に拡大流路部全体に広がらず、安定したサイドバイサイド型複合流を形成できにくくなる。
パイプ4は、ポリマーCの通路となる空間16の上部の硬板18にはめ込まれている。パイプ4と芯鞘複合流形成孔7の間では環状部が形成される。ポリマーCはこの環状部を通って、ポリマーA、Bのサイドバイサイド型複合流と合流することになる。
パイプ4と芯鞘複合流形成孔7の間に形成された環状部によって流体規制が行なわれ、ポリマーCの均一分配、均一被覆が達成されやすくなるが、これでも不十分な時は、芯鞘複合流形成孔7の上部、中部または下部に流れを規制する部分を作ると良い。その一実施例が図2である。図2はパイプ4と孔7とが接触していない狭窄路17が3ヶ所あり、ポリマーCは、該狭窄路17を通り下方に流れる。この時ポリマーCは、狭窄路がない場合に比べより強く流れを規制されることに、より均一分配が達成されやすくなる。また、この規制を設ける位置は芯鞘複合流形成孔7のより上方向にあるのが好ましい。上方にすることで該狭窄路17を通過したポリマーCがパイプ4に沿って下方に流れると共にパイプ4の外周にも十分に拡散し、均一被覆が達成されやすくなる。
パイプ1の長さは特に限定されるものではないが、ポリマーAがポリマーBと混合することなく島成分ポリマーAの流入孔2に送られるよう、孔2と密接して連絡することが重要である。ここでは、パイプ1の先端が島成分ポリマーAの流入孔2の内部に隙間なく収まるのが一番好ましい。
パイプ4の長さは特に限定されない。芯鞘複合流形成孔7内部に留まる比較的短いもの、該孔7と出口の位置が同じもの、さらには該孔7のある硬板内に収まらず、集合ロート8に少なからず突出しているもののいずれであっても何ら差し支えない。また、環状部を形成している孔以外にポリマーCのみが通過しうる微細孔を設けることも、本目的とする繊維が得られなくならない範囲で可能である。
集合ロート8は芯成分がポリマーA、Bのサイドバイサイド型で鞘成分がポリマーCからなる芯鞘複合流を複数集めて収束する役目をなす。ロート形状は、円錐型が好ましいが、なめらかな収束を果たすものであれば他の型であっても良い。
集合ロート8で収束された複合流は吐出孔9から吐出される。吐出孔の形状についてもロート形状と同じく丸形が好ましいが、T、Y、多角、中空用吐出孔なども選ぶことができる。
以上説明したように、本発明は、ポリマーA、Bがサイドバイサイド型に接合した複合体の島成分を、ポリマーCからなる海成分が取り囲んでなる海島型複合繊維を紡糸するための口金装置であって、硬板により、上記ポリマーB、Cが各々別々に通過しうる上部および下部の少なくとも2つの空間が形成されるように仕切られており、上記上部空間の上方に位置する上部硬板には島成分の数に相応する数のポリマーAの流通孔が開けられており、その下方に位置する中部硬板には、該上部硬板に開けられているポリマーAの流通孔と相対する位置に上記上部硬板に開けられた流通孔に対応する数に相応する数のポリマーAの流通孔と、それ以外の位置に島成分の数に相応する数のポリマーBの流通孔が開けられており、さらに下部空間の下方に位置する下部硬板には少なくともポリマーA、BおよびCの芯鞘複合流形成孔が開けられており、さらに上記上部と中部、および中部と下部には、2つの部位の硬板に相対する孔同士を連絡するパイプが備え付けられてなる海島型複合繊維用紡糸口金装置を1単位として、1単位以上、すなわち、たとえば、特公昭58−12367号公報に記載されているような、上記海島型複合繊維用紡糸口金装置において、上流で海島型複合流をつくり、それを第1次ロート状部で集合させ、該集合した流れを下流において他の海島型複合流でとり囲むように合流させ、該合流した流れをさらに下流側の第2次ロート状部で集合させ、吐出孔から紡出させるようにした2段の海島型複合繊維用紡糸口金装置であってもよく、さらには、これらの組み合わせを3段とした海島型複合繊維用紡糸口金装置としたものであってもよい。
さらに、また、本発明は、上記1単位の海島型複合繊維用紡糸口金装置において、下記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)が組み合わされた機構を1単位以上有する海島型複合繊維用紡糸口金装置であることが好ましい。
(イ)上部硬板および中部硬板の各々相対する位置に開けられているn個の孔とn個のパイプによってポリマーAをポリマーBとは独立に下方に送る機構、
(ロ)中部硬板に開けてある2n個の孔とn個のパイプによってポリマーAとポリマーBとを独立に下方に送るとともに、下部硬板には該パイプと相対する位置に開けられているn個の孔と該パイプとがすき間を持たせてはめ合わされてなる環状部を形成し、ポリマーA、ポリマーBおよびポリマーCとを独立に下方に送る機構、
(ハ)独立に下方に送られてきたポリマーAおよびBを、まずサイドバイサイド型複合流に形成せしめた後、続いて該サイドバイサイド型複合流の周囲にポリマーCが取り囲んでなる芯鞘複合流を形成せしめる機構、
(ニ)下部硬板の下方にロートおよび吐出孔を設けた、複数の該芯鞘複合流を収束し、1本の繊維として吐出する機構。
(ただし、nは1以上の整数)
なお、上記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)が組み合わされた機構を1単位以上有するとは、(イ)〜(ニ)の機構をすべて備えるとともに、これを1単位として、1単位以上、すなわち、前記した、特公昭58−12367号公報に記載されているような、上記海島型複合繊維用紡糸口金装置において、上流で海島型複合流をつくり、それを第1次ロート状部で集合させ、該集合した流れを下流において他の海島型複合流でとり囲むように合流させ、該合流した流れをさらに下流側の第2次ロート状部で集合させ、吐出孔から紡出させるようにした2段の海島型複合繊維用紡糸口金装置であってもよく、さらには、これらの組み合わせを3段とした海島型複合繊維用紡糸口金装置としたものであってもよい。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって特に限定されるものではない。
実施例1
ポリマーA(島成分)に溶融粘度3000poise(降下式フローテスター、285℃で測定)のポリエチレンテレフタレート、ポリマーB(島成分)に溶融粘度1500poise(ポリマーAと同一の測定条件)の5ナトリウムスルホイソフタ酸の共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリマーC(海成分)に溶融粘度500poise(ポリマーAと同一の測定条件)のポリスチレンを用い、島本数16本、口金1枚当りの複合繊維本数は70本(吐出孔9で70孔)で、図1と同様の縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、ポリマーA:B:Cの吐出割合が40:40:20で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、図4に示す繊維断面を持った繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。
ここで、L値は0.5mm、W値は0.2mmである。
得られた繊維は、隣接する島同士の合流もなく、島成分がポリマーAおよびBのサイドバイサイド型でポリマーCの海成分により被覆された3成分系海島型複合繊維であった。また、このときの紡糸性は、糸曲がり、糸切れの発生もなく、紡糸開始から3日経過しても安定して引取りが可能であった。
本発明は、不織布、織物または編物の構成材料として使用される海島型複合繊維に用いることができる。特に、人工皮革、人工皮革様織物などの皮革様シート素材に有用な海島型複合繊維に好適である。
本発明の3成分系海島型複合繊維用紡糸口金の一実施態様を示す縦断面図である。 (a)は図1におけるX部拡大図であり、(b)は(a)を下方より見た図である。 円柱状充填部材の一実施態様を示す図である。 本発明により得られた3成分系海島型複合繊維の一実施態様を示す繊維断面図である。
符号の説明
1・・・パイプ
2・・・島成分ポリマーAの流入孔
3・・・島成分ポリマーAの連絡孔
4・・・パイプ
5・・・円柱状充填部材
6・・・島成分ポリマーAの連絡路
7・・・芯鞘複合流形成孔
8・・・集合ロート
9・・・吐出孔
10・・島成分ポリマーBの流入孔
11・・島成分ポリマーBの連絡孔
12・・島成分ポリマーBの連絡路
13・・島成分ポリマーBの口金装置への導入孔
14・・島成分ポリマーBの充填空間
15・・海成分ポリマーCの口金装置への導入孔
16・・海成分ポリマーCの充填空間
17・・海成分ポリマーCの狭窄路
18・・硬板
A・・・第1の島成分ポリマー
B・・・第2の島成分ポリマー
C・・・海成分ポリマー
L・・・ポリマーA、B合流部からポリマーC合流部までの距離
W・・・円柱状充填部先端の厚み

Claims (5)

  1. ポリマーA、Bがサイドバイサイド型に接合した複合体の島成分を、ポリマーCからなる海成分が取り囲んでなる海島型複合繊維を紡糸するための口金装置であって、硬板により、上記ポリマーB、Cが各々別々に通過しうる上部および下部の少なくとも2つの空間が形成されるように仕切られており、上記上部空間の上方に位置する上部硬板には島成分の数に相応する数のポリマーAの流通孔が開けられており、その下方に位置する中部硬板には、該上部硬板に開けられているポリマーAの流通孔と相対する位置に上記上部硬板に開けられた流通孔に対応する数に相応する数のポリマーAの流通孔と、それ以外の位置に島成分の数に相応する数のポリマーBの流通孔が開けられており、さらに下部空間の下方に位置する下部硬板には少なくともポリマーA、BおよびCの芯鞘複合流形成孔が開けられており、さらに上記上部と中部、および中部と下部には、2つの部位の硬板に相対する孔同士を連絡するパイプが備え付けられてなることを特徴とする海島型複合繊維用紡糸口金装置。
  2. 下記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)が組み合わされた機構を1単位以上有することを特徴とする請求項1に記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
    (イ)上部硬板および中部硬板の各々相対する位置に開けられているn個の孔とn個のパイプによってポリマーAをポリマーBとは独立に下方に送る機構、
    (ロ)中部硬板に開けてある2n個の孔とn個のパイプによってポリマーAとポリマーBとを独立に下方に送るとともに、下部硬板には該パイプと相対する位置に開けられているn個の孔と該パイプとがすき間を持たせてはめ合わされてなる環状部を形成し、ポリマーA、ポリマーBおよびポリマーCとを独立に下方に送る機構、
    (ハ)独立に下方に送られてきたポリマーAおよびBを、まずサイドバイサイド型複合流に形成せしめた後、続いて該サイドバイサイド型複合流の周囲にポリマーCが取り囲んでなる芯鞘複合流を形成せしめる機構、
    (ニ)下部硬板の下方にロートおよび吐出孔を設けた、複数の該芯鞘複合流を収束し、1本の繊維として吐出する機構。
    (ただし、nは1以上の整数)
  3. 中部硬板から下部硬板へポリマーを送るパイプ内に、ポリマーAとポリマーBとを独立に下方に送るための少なくとも2本の通路を設けた円柱状充填部材を該パイプ内面に密着するように嵌合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
  4. ポリマーAおよびBがサイドバイサイド型に合流する直前の流路が、拡大流路となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の海島型複合繊維用紡糸口金装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の海島型複合紡糸用口金を用いて紡糸することを特徴とする海島型複合繊維の製造方法。
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