JP2005320640A - 海島型複合繊維紡糸用口金装置 - Google Patents

海島型複合繊維紡糸用口金装置 Download PDF

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Abstract

【課題】島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れ、従来より芯鞘複合流を形成するために必要な口金面積が狭く、より多島、多フィラメント化が可能となる海島型複合繊維の紡糸口金装置を提供する。
【解決手段】少なくとも下記(イ)〜(ロ)の硬板およびパイプを有することを特徴とする海島型複合繊維紡糸用口金装置。(イ)島成分ポリマーを導入する島成分ポリマー導入パイプを支持するための第1の硬板、(ロ)前記島成分ポリマー導入パイプ先端部を挿入するための孔を有し、かつ該島成分ポリマー導入パイプと該孔により形成される、海成分ポリマー流路の狭い部分と、広い部分とを備えた海成分導入部を有する第2の硬板、(ハ)前記第1の硬板上端から第2の硬板にわたり挿通される島成分ポリマー導入パイプであって、上記第2の硬板へ挿入される部分の該パイプ先端部の横断面外周形状が多辺形であるパイプ、(ニ)上記(イ)〜(ハ)の硬板およびパイプによって形成される複合流を集合一体化させるための第3の硬板。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の島成分が海成分中に分散した海島型複合繊維を紡糸するための海島型複合繊維紡糸用口金装置に関する。
海成分中に多数の島成分が繊維軸方向に沿って連続的に配列している海島型複合繊維は、紡糸後に海成分を溶融除去し、島成分の極細繊維束が得られるために、あるいは物理的衝撃により海島型繊維を分割して、海成分、島成分の極細繊維束が得られるために、フィラメントや不織布、織編布の構成材料として広く使用されている。特に人工皮革、人工皮革様織物などの皮革様シート素材として有用である。
さらに、これに限らず新しい特性を有する有用な多くの製品を作ることができ、繊維の用途をさらに広げるものである。また、上記海島型複合繊維を製造するための口金装置についても、これまでに数多くの提案がされている。
海島型複合繊維を得る口金装置の一つとして、パイプを有する硬板と孔あき硬板と、ロート状部および吐出孔を有する硬板との組み合わせからなる口金装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
該口金装置は、パイプと孔を同軸上に上下に配置し、かつパイプ先端を孔入り口直前にまで持ってくることにより、パイプを通過してきた島成分を芯に、パイプ外周部から孔に流入してきた海成分を鞘とした芯鞘複合流を孔内で形成し、かかる複合流を多数集めてロート状部に導入し、収束しつつ吐出孔から吐出するようにして海島複合繊維を得る装置である。しかしながら、該口金装置は、すべてのパイプ先端の中心位置とその下の孔中心位置とを完全に一致させることが難しく、位置ずれが起こりやすい。このため、特に海成分の極端に少ない高島比率の繊維や、島数の多い繊維を紡糸する場合、海成分の鞘が島成分の芯を均一に覆うことができなくなり、島同士の合流や、それに伴う紡糸時の糸切れが起りやすいという問題がある。
一方、安定かつ均一に紡糸し得て、工業的な意味で実用価値のある口金として特に優れていると考えられるものに、同じくパイプを有する硬板と孔あき硬板と、ロート状部および吐出孔を有する硬板との組み合わせからなる口金装置であるが、孔の中にパイプを挿入し、島成分はパイプの中を通し、海成分はパイプと孔の間にできるすき間を通し、それらが合流したところで該島成分を芯、海成分を鞘とした芯鞘複合流を形成し、かかる複合流を多数集めてロート状部に導入し、収束しつつ吐出孔から吐出するようにして海島複合繊維を得る装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらには、該口金装置において、島間もしくは同時に紡糸した各フィラメント間のむらを防止するために、パイプ先端部を挿入するための孔部において、実質的にパイプに接触しない程度に狭い部分とポリマーの自由な流れが得られる広い部分が配置された孔を有し、さらにこの孔の下部をより大きな径を有する環状部とすることで、海成分の流体規制の機能を強化しつつ、外周が鞘で覆われた安定した芯鞘複合流を形成する海島複合繊維を得る装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記の各口金装置においは、安定した芯鞘複合流を形成するためにパイプ外周に海成分ポリマーが流入するための孔を設ける必要があり、さらに、該孔よりも大きな径を有する鞘流形成孔が必要で、ひとつの芯鞘複合流を形成するに必要な口金面積が広くなる。このため、近年特に要求されてきている多島化および多フィラメント化、つまりは、ひとつの口金装置における総島数の増加要求に対して、パイプを孔に挿入しない海島複合繊維を得る装置(例えば、参考文献1参照)よりも困難であるという問題があった。
特開2001−192924号公報 特公昭44−18369号公報 特公昭62−25763号公報
本発明は、前述のような従来の海島型複合繊維紡糸用口金装置がもつ問題を解決することを目的としたものであり、島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れた、従来より芯鞘複合流を形成するために必要な口金面積が狭く、より多島、多フィラメント化が可能となる海島型複合繊維紡糸用口金装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、下記の構成を有するものである。すなわち、
(1)少なくとも下記(イ)〜(ロ)の硬板およびパイプを有することを特徴とする海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(イ)島成分ポリマーを導入する島成分ポリマー導入パイプを支持するための第1の硬板、
(ロ)前記島成分ポリマー導入パイプ先端部を挿入するための孔を有し、かつ該島成分ポリマー導入パイプと該孔により形成される、海成分ポリマー流路の狭い部分と、広い部分とを備えた海成分導入部を有する第2の硬板、
(ハ)前記第1の硬板上端から第2の硬板にわたり挿通される島成分ポリマー導入パイプであって、上記第2の硬板へ挿入される部分の該パイプ先端部の横断面外周形状が多辺形であるパイプ、
(ニ)上記(イ)〜(ハ)の硬板およびパイプによって形成される複合流を集合一体化させるための第3の硬板。
(2)前記島成分ポリマー導入パイプ全体の横断面外周形状が多辺形であることを特徴とする前記(1)に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(3)前記島成分ポリマー導入パイプ先端部の横断面内周形状が円形のパイプであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(4)前記島成分ポリマー導入パイプ先端部の横断面内周形状が多辺形のパイプであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(5)前記島成分ポリマー導入パイプの先端が、前記第2の硬板内に位置することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(6)前記第2の硬板において、前記島成分ポリマー導入パイプの先端部を挿入するための孔が、円形であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(7)前記第2の硬板において、前記島成分ポリマー導入パイプの先端部を挿入する孔が、多辺形であって、かつ該孔に挿入された位置における該パイプの横断面外周と該孔との間にポリマーが通過し得る空間を有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置を用いて紡糸することを特徴とする海島型複合繊維の製造方法。
本発明の海島型複合繊維紡糸用口金装置において、パイプ横断面外周形状を多辺形とし、パイプ内に島成分を、パイプ外周とパイプを挿入する孔との間にできる空間から海成分を通し、合流したところで芯鞘複合流を形成することで、口金全体に均一に海成分を分配できるよう流体規制を行いつつ、パイプのおおよそ全周から海成分が流入するため全周が鞘で覆われた安定した海島複合流を形成することができる。このために、従来の口金装置では必要となった芯鞘流を形成するための十分な空間を持った環状部が不要となり、1島当たりに占める口金面積を小さくすることができ、より多島、多フィラメント化が可能で、かつ島成分同士の合流がなく、紡糸安定性に優れた海島型複合繊維紡糸用口金装置を提供することができる。
本発明においては、島成分として特に限定はされなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合物、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸などの溶融成形可能なポリマーが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、酸化バリウムなどの無機質、カーボンブラック、染料や顔料などの着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤などの各種添加剤を上記ポリマー中に含んでいてもよい。
また、海成分としては、例えば、共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの溶融成形可能で、紡糸後、溶解抽出もしくは分割可能なポリマーが挙げられる。
複合繊維の形状としては、用途によって、長繊維状あるいは短繊維状のいずれを選択してもよく、捲縮が付与されていてもよい。
また、本発明の海島型複合繊維紡糸用口金装置は、溶融紡糸用として使用できるのみならず、湿式紡糸あるいは乾式紡糸用としても使用できる。
硬板およびパイプの材質としては、例えば、SUS316、630などの各種のステンレススチール、鉄、チタン、セラミック、金、白金などが使用可能である。また、2種類以上の材料を組み合わせて使用してもよい。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の海島型複合繊維紡糸用口金装置の一実施例を示す概略縦断面図である。
図2は、図1におけるX−X方向矢視断面図である。
図3は、本発明で用いるパイプの一実施態様を示す斜視図である。
図4は、本発明で用いる、パイプの他の実施態様を示す横断面図である。
図5は、従来の海島型複合繊維紡糸用口金装置を示す概略縦断面図である。
図6は、図5におけるY−Y方向矢視断面図である。
図1の装置は、36本の島成分が1本の複合繊維に含まれ、島成分のすべてはほぼ完全に海成分によって取り囲まれており、かかる島成分が繊維軸方向に実質的に均一に連続している繊維構造をもった海島型複合繊維を紡糸するための口金装置である。なお、図1では、理解しやすくするために、1本の海島型複合繊維を得るのに必要な部分だけを描いてあるが、同じ単位を1つの口金装置内に何個も設けてもよいことはいうまでもない。
島成分の数は特に制限されるものではないが、通常3〜500程度、特に4〜400程度の範囲で選ぶのが好ましい。
本発明の海島型複合繊維紡糸用装置は、1〜複数枚の硬板からなるものである。硬板の枚数は、特に限定されない。これは必要に応じて一体物として作ったり、逆に何枚にも分割した硬板を重ね合わせて作ったりし得るものであり、いずれの場合にも最終的には本発明の作用効果が発揮されるものである。図1は、好ましい適度の分割例を示している。
本発明の海島型複合繊維紡糸用口金装置は、少なくとも下記(イ)〜(ロ)の硬板およびパイプを有することを特徴とするものである。
(イ)島成分を導入するパイプを支持するための第1硬板、
(ロ)該パイプ先端部を挿入するための孔を有し、かつ該パイプと該孔により形成され、実質的に該パイプに接触しない程度に狭い部分と、ポリマーの自由な流れが得られる広い部分とが配置された海成分導入部を有する第2硬板、
(ハ)第1硬板上端から第2硬板にわたりはめ込まれるパイプであって、第2硬板へ挿入される部分の該パイプ先端部横断面外周形状が多辺形であるパイプ、
(ニ)上記(イ)〜(ハ)の硬板およびパイプによって形成される複合流を集合一体化せしめる第3硬板。
図1において、11は第1の硬板であり、該第1の硬板には、島成分ポリマーAを導入するための島成分ポリマー導入パイプ1を挿通するための孔が空けられているととともに、海成分ポリマーBを導入するための導入孔2が設けられている。
第1の硬板11の下方には海成分ポリマーBが流通する海成分ポリマーBの流路空間9を隔てて第2の硬板12が配設されている。
第2の硬板12には、前記島成分ポリマー導入パイプ1先端部を該硬板12の厚さ方向の途中まで挿入し、さらに、島成分ポリマー導入パイプ1の先端部から流通される島成分ポリマーAを第2の硬板12の下流側に設けられた、島成分ポリマーAと海成分ポリマーBとの集合ロート7に流通させるための貫通孔3が形成されている。上記集合ロート7は、第3の硬板13により形成され、下端の最狭部に吐出孔8を有している。
島を形成するポリマーAは、第1の硬板11によって支持される島成分導入パイプ1から入り、第2の硬板12に空けられた流通孔3へと流れる。パイプ1は下方への抜け防止および、パイプ先端位置を規制するために図3のごとく段付部10をつけたパイプを用いることが好ましい。パイプ1の硬板への備え付け方には、はめ込み式、ねじ込み、しめ込み、ロウ付け、融着、接着など各種のセット方法がある。また、パイプを硬板と一体に成形することももちろん可能である。
第1の硬板11と第2の硬板12の間で空間9が仕切られている。空間9は海成分となるポリマーBの通路となる。ポリマーBは、導入孔2から入り空間9に至る。
第2の硬板12には円形の孔3が島成分ポリマー導入パイプ1と同軸上に同数だけ空けてある。ここで、島成分ポリマー導入パイプ1の横断面外周形状は多辺形であり、島成分ポリマー導入パイプ1外周と該パイプ1先端を挿入する孔3との間には、ポリマーBが空間9から実質的に下方へと通過できる流路5(図2参照)ができる。ポリマーBは、この流路5で流体規制されることにより、口金全体に渡り均一に孔3下流へと流れこみ、パイプ1内から出てきたポリマーAを全周から包み込むことで、ポリマーAを芯、ポリマーBを鞘とした芯鞘複合流になる。
本発明の特徴は、島成分ポリマー導入パイプ1の外周と該パイプ1を挿入する孔3の横断面内周との間で形成される流路5により流体規制の機能を持ちつつ、従来よりも1島当たりに占める口金面積を小さくすることで、より多島、多フィラメント化を可能とした点にある。すなわち、第2の硬板12に挿入される島成分ポリマー導入パイプ1の先端部横断面外周形状が多辺形であり、かつ孔3が入り口部において、実質的に島成分ポリマー導入パイプ1に接触しない程度に狭い部分である狭流路6とポリマーの自由な流れが得られる広い部分すなわち広流路5とが配置され、しかもパイプ1外周が多辺形のため実質的にパイプに接触しない程度に狭い部分6が従来の口金装置に対して非常に少なくポリマーBの流体がパイプ1外周の大部分を覆うことができ、パイプ1からでてきたポリマーAを全周から覆うことができるようにした点にある。よって、図5に示すように、従来の口金で必要であった安定した芯鞘複合流を形成するためにパイプ20外周に海成分ポリマーBが流入するための孔21と下流側に孔21よりも大きな径を有する鞘流形成孔22は本発明の口金装置では不要となり、その結果、1島当たりに必要な口金面積を小さくすることができる。
図2は、図1におけるX−X断面の矢視図であり、図3は、パイプの一実施態様を示す図である。図2、図3の(a)は横断面外周形状および内周形状がともに4辺形で、(b)は横断面外周形状が4辺形で、内周形状が円形のものの例を示す。孔3に挿入される部分の島成分ポリマー導入パイプ1の横断面形状は、図3に示すものに限らず、孔3に接触しない程度に狭い部分を持った多辺形のものでもよい。また、パイプの横断面内周形状についてもポリマーAの流れを阻害するものでなければ円形、多辺形などいかなるものであってもよい。そのいくつかのパイプ横断面形状の例を図4(a)〜(k)に示す。孔3の形状は、口金加工性の点から円形であることが好ましいが、パイプ1との間にポリマーBの自由な流れが形成できる流路5が形成可能であれば円形以外の多辺形などでもよい。パイプ1の外周横断面形状は、少なくとも孔3に挿入された部分は、多辺形であることが重要であるが、必要に応じてパイプ全体が多辺形であってもよい。
パイプ1は、孔3の孔壁に接触しないように製作する必要があるが、紡糸中などにパイプがベンディングして孔壁に接触する場合があったとしてもこの場合は問題としない。パイプ1は、横断面形状が円形のものを、先端部分だけ多辺形に変形させてもよいし、円形のものから削りだしてもよい。また、引抜きまたは押出し鍛造法により多辺形のパイプを製作してもよい。
島成分ポリマー導入パイプ1の先端は、孔3内の途中で留まり、ロート状部に突き出さない長さとするものである。これによって、他の複合流に干渉されることなく、ロート状部への出口において、完全な芯鞘流を形成することが可能となり、かつ、硬板の取り外しの際、パイプが邪魔になることがなく、作業性が向上するなどの効果が得られる。また、孔3以外にポリマーBのみが通過しうる微細孔を設けることも、本目的とする繊維が得られなくならない範囲で可能である。
最下段の第3の硬板13にはロート状部7および吐出孔8が設けてある。ロート状部7は、孔3から吐出される多数の芯鞘複合流を受け入れて、それらを収束し、吐出孔8から1本の海島型複合繊維として吐出させる役目をなすものである。ロート形状は、円錐型が好ましいが、なめらかな収束を果たすものであれば他の型であってもよい。吐出孔の形状についてもロート形状と同じく丸形が好ましいが、T,Y、多角、中空用吐出孔なども選ぶことができる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって特に限定されるものではない。
実施例1
ポリマーA(島成分)に溶融粘度3000poise(降下式フローテスター、285℃で測定)のポリエチレンテレフタレート、ポリマーB(海成分)に溶融粘度500poise(ポリマーAと同一の測定条件)のポリスチレンを用い、島本数396本、口金1枚当りの複合繊維本数は48本(パイプ数で19008個)で、図1と同様な縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、ポリマーA:Bの吐出割合が40:60で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、複合繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。なお、パイプ1の形状は、図3(b)と同形状で、横断面外周形状が4辺形で、内周形状が円形のものを用いた。
得られた繊維は、隣接する島同士の合流もなく、島成分がポリマーAでポリマーBの海成分により被覆された海島型複合繊維であった。また、このときの紡糸性は、糸曲がり、糸切れの発生もなく、紡糸開始から3日経過しても安定して引取りが可能であった。
本発明の海島型複合繊維用紡糸口金の一実施態様を示す縦断面図である。 図1におけるX−X断面矢視図である。 島成分ポリマー導入パイプの一実施態様を示す横断面図である。 島成分導入ポリマーパイプの他の実施態様を示す横断面図である。 従来の海島型複合繊維紡糸用口金の一実施態様を示す縦断面図である。 図5におけるY−Y断面矢視図である。 従来の他の海島型複合繊維用紡糸口金の一実施態様を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・島成分ポリマー導入パイプ
2・・・海成分ポリマーBの流入孔
3・・・芯鞘複合流形成孔
4・・・島成分ポリマーAの流入孔
5・・・海成分ポリマーBの広流路
6・・・海成分ポリマーBの狭流路
7・・・集合ロート
8・・・吐出孔
9・・・海成分ポリマーBの流通空間
10・・・パイプ段付部
11・・・第1の硬板
12・・・第2の硬板
13・・・第3の硬板
20・・・パイプ
21・・・孔
22・・・鞘流形成孔
A・・・島成分ポリマー
B・・・海成分ポリマー

Claims (8)

  1. 少なくとも下記(イ)〜(ロ)の硬板およびパイプを有することを特徴とする海島型複合繊維紡糸用口金装置。
    (イ)島成分ポリマーを導入する島成分ポリマー導入パイプを支持するための第1の硬板、
    (ロ)前記島成分ポリマー導入パイプ先端部を挿入するための孔を有し、かつ該島成分ポリマー導入パイプと該孔により形成される、海成分ポリマー流路の狭い部分と、広い部分とを備えた海成分導入部を有する第2の硬板、
    (ハ)前記第1の硬板上端から第2の硬板にわたり挿通される島成分ポリマー導入パイプであって、上記第2の硬板へ挿入される部分の該パイプ先端部の横断面外周形状が多辺形であるパイプ、
    (ニ)上記(イ)〜(ハ)の硬板およびパイプによって形成される複合流を集合一体化させるための第3の硬板。
  2. 前記島成分ポリマー導入パイプ全体の横断面外周形状が多辺形であることを特徴とする請求項1に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  3. 前記島成分ポリマー導入パイプ先端部の横断面内周形状が円形のパイプであることを特徴とする請求項1または2に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  4. 前記島成分ポリマー導入パイプ先端部の横断面内周形状が多辺形のパイプであることを特徴とする請求項1または2に記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  5. 前記島成分ポリマー導入パイプの先端が、前記第2の硬板内に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  6. 前記第2の硬板において、前記島成分ポリマー導入パイプの先端部を挿入するための孔が、円形であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  7. 前記第2の硬板において、前記島成分ポリマー導入パイプの先端部を挿入する孔が、多辺形であって、かつ該孔に挿入された位置における該パイプの横断面外周と該孔との間にポリマーが通過し得る空間を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の海島型複合繊維紡糸用口金装置を用いて紡糸することを特徴とする海島型複合繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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