JP2005002522A - 多島複合繊維およびその紡糸口金装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製編織、カード、ニードルパンチなどの工程でフィブリル化や剥離が起こりがたい海島型複合繊維とその紡糸口金装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなる海島型多島複合繊維において島を形成する成分Aの島数が30以上で、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の最外周部において、該海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内である多島複合繊維であり、複合重量比が20〜80%であることを特徴とする。芯鞘複合流が集合してなる海島型複合流の外周をさらに海成分Bで覆うために成分Bのみの流入孔を該芯鞘複合流の流入孔とは別に該芯鞘複合流の流入孔の外周に16孔以上設けた島数が30以上の多島複合繊維を得るための紡糸口金装置。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなる海島型多島複合繊維において島を形成する成分Aの島数が30以上で、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の最外周部において、該海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内である多島複合繊維であり、複合重量比が20〜80%であることを特徴とする。芯鞘複合流が集合してなる海島型複合流の外周をさらに海成分Bで覆うために成分Bのみの流入孔を該芯鞘複合流の流入孔とは別に該芯鞘複合流の流入孔の外周に16孔以上設けた島数が30以上の多島複合繊維を得るための紡糸口金装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、島成分と海成分とからなる多島複合繊維および該多島複合繊維を得るための紡糸口金装置に関する。さらに詳しくは、製織編、カード、ニードルパンチなどの工程でフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離しがたい海島型多島複合繊維および該多島複合繊維を得るための紡糸口金装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海成分中に多数の島成分が繊維軸方向に沿って連続的に配列している海島型複合繊維は、紡糸後に海成分を溶融除去し島成分の極細繊維測が得られる、あるいは物理的衝撃により海島繊維を分割して海成分、島成分の極細繊維束が得られるために、フィラメントや不織布、織布の構成材料として広く使用されている。特に人工皮革、人工皮革様織物などの皮革様シート素材として有用である。さらに、これに限らず新しい特性を有する有用な多くの製品作ることができ、繊維の用途をさらに広げるものである。また上記海島型複合繊維を製造するための複合紡糸用口金装置についても、これまでに数多くの提案がされている。
【0003】
例えば、複数枚の口金板を海成分が流れる隙間を形成するように積層すると共に、これら複数枚の口金板に島成分の流路を形成する複数本のパイプを貫通させた構成を有する複合紡糸用口金が開示されている(特許文献1)。
【0004】
この複合紡糸用口金は、先ず、海成分および島成分となる2成分のポリマー(A,B)を別々に流入し、いったん芯鞘複合流を形成する。その後、複数の該芯鞘複合流を集合して紡糸孔から紡出し海島型複合繊維が得られるもので、紡糸時の海成分と島成分の流れをコントロールすることにより海島型複合繊維の紡糸を安定化し、紡糸可能にする特徴を有している。しかしながら、このような紡糸口金から得られた複合繊維は、島数の増加に従い、口金中で該芯鞘複合流を形成する際に、一本の島に配される海成分量が減少するために、結果として鞘の厚みが薄くなり、特に複合繊維の最外周部で、島成分が海成分に被覆されることなく出てしまうか、被覆されていてもその海成分の厚さは非常に薄いものとなった。
【0005】
また、海成分中の島成分の配列を安定化するために、複数の該芯鞘複合流を集合する際に、該芯鞘複合流とは別に海成分のみを導入するための導入孔を独立して設けた複合紡糸口金が開示されている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、該特許文献2の実施例では、島数で3〜17島、独立に設けた海成分のみの導入孔で2〜12孔であり、30島以上の多島複合繊維の場合は、独立して設けた海成分のみを導入する導入孔を該芯鞘複合流の外周に持ってきたとしても、均一に海成分が外周を覆うことができず、やはり、複合繊維の最外周部で、島成分が海成分に被覆されることなく出てしまうか、被覆されていてもその海成分の厚さは非常に薄いものとなった。
【0007】
ところで、このような繊維から皮革様シートを製造する方法として、ひとつには、捲縮を持ったステープル繊維とした後これをカード処理、ニードルパンチング処理を行ない、不織布となし、その後に溶剤を用いて海成分の抽出、高分子弾性体を付与する。他方には、延伸仮よりをした長繊維を製織編し、その後、ウォーターパンチング処理等物理的な力を与え海島を分割する方法がある。
【0008】
このため、複合繊維の外周に島成分が露出している、もしくは海成分の厚みが十分にない多島複合繊維は、延伸工程、不織布化および織布化の工程で、フィブリル化や島の剥離が生じ、工程通過性、収率が著しく低下するばかりでなく得られる不織布および織布も不均一で、物理特性が著しく劣るという問題がった。具体的には、織布を製造する際に、フィブリル化や島の剥離により毛羽や断糸が起こるばかりでなく、粉体化したものが、装置に付着し、安定生産ができない。
【0009】
また、不織布を製造する際に、カード処理すると、フィブリル化や島の剥離が起き、発生したネップが詰まるために紡出量を低下しなければならなくなったり、カード装置中に蓄積して安定な紡出ができなくなる。さらに、繊維を交絡するためにニードルパンチを使用するとニードルでの損傷により島の剥離が起き繊維が交絡されにくく不織布の物理特性が上がらないといった問題が生ずる。
【0010】
【特許文献1】特公昭60−28922号公報
【0011】
【特許文献2】特公平7−56083号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来の海島型多島複合繊維がもつ問題を解決することを目的としたものであり、カード処理、ニードルパンチング処理、製織編においてもフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離することのない、工程通過性が良く、得られる不織布および織布も均一なものが得られる海島型多島複合繊維とその紡糸用口金装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の海島型多島複合繊維は次の(1)、(2)のとおりの特徴を持ったものであり、また、本発明の紡糸用口金装置は次の(3)のとおりの特徴を持ったものである。
(1)少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなる海島型多島複合繊維において島を形成する成分Aの島数が30以上で、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の最外周部において、該海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内であることを特徴とする多島複合繊維。
(2)成分Bの複合重量比が20〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の多島複合繊維。
(3)少なくとも2成分のポリマー(A,B)を別々に流入し、一旦芯鞘複合流を形成した後、該芯鞘複合流を集合して海島型多島複合繊維を得る紡糸口金装置において、繊維横断面の最外周部における海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内となるように、該芯鞘複合流が集合してなる海島型複合流の外周をさらに海成分Bで覆うために成分Bのみの流入孔を該芯鞘複合流の流入孔とは別に該芯鞘複合流の流入孔の外周に16孔以上設けたことを特徴とする島数が30以上の多島複合繊維を得るための紡糸口金装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、島成分として、特に限定はされなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸等の溶融成形可能なポリマーが挙げられる。また、それらポリマーは、酸化チタン、シリカ、酸化バリウム等の無機質、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤等の各種添加剤を上記物質中に含んでいてもよい。
【0015】
また、海成分としては、例えば共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等の溶融成形可能で、紡糸後、溶解抽出もしくは分割可能なポリマーが挙げられる。
【0016】
複合繊維の形状としては、用途によって、長繊維状、短繊維状のいずれを選択してもよく、捲縮が付与されていても良い。
【0017】
また、本発明の複合紡糸用口金装置は、溶融紡糸用として使用できるのみならず、湿式紡糸、乾式紡糸用としても使用できる。
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の複合繊維断面構造を図1に示す。
【0019】
本発明に用いる複合繊維は、少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなり、成分A(島)を成分B(海)が被覆する海島型の断面構造を有し、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の被覆層部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内であることが重要である。t/dが0.03未満の場合には、成分Bの被覆が不十分であり、繊維の延伸処理、製織編処理、機械捲縮処理、カード開繊処理、ニードルパンチ交絡処理のいずれかの段階で多数のフィブリル化や島の剥離が起こり、工程通過性、収率の著しい低下を引き起こすので好ましくない。
【0020】
一方、t/dが0.10よりも大きい場合には、上記工程でのフィブリル化や島の剥離は起こらず安定に製造できるが、複合繊維中の成分Bの重量比率が増加するために、海成分の抽出量も増加し、生産性の面から好ましくない。
【0021】
また、複合繊維中の成分Bの複合重量比は20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましい。成分Bの複合重量比が20%未満の場合、複合繊維中の成分Aを被覆するための成分Bの量が不十分となり成分Aが合流し、均一な単繊度が得られないばかりか、紡糸時の製糸性も悪くなる方向である。一方、成分Bの複合重量比が80%を越える場合、最終的に抽出する海成分量が増加し、生産性の面から好ましくない方向である。
【0022】
さらに、複合繊維中の島本数は30本以上であることが重要である。島本数が30本未満では、工程通過性を考慮した複合繊度において、単繊度が小さくならず、得られる皮革様シートの緻密感、光沢感、風合いが劣る。
【0023】
次に、上記のごとき構造の海島型多島複合繊維を得るための代表的な紡糸口金装置の構造例を図2に基づいて具体的に説明する。
【0024】
図2は、図1に示す繊維断面を有する複合繊維を得るための紡糸口金装置の縦断面図である。図3は、図2のX−X矢視の横断面である。図2において成分Aは、成分Aの流入孔2より導入され、管5に流入する。成分Bは、流入孔3より導入され、分配室6を経て導入孔4に至り、ここで、前記成分Aを芯とする第1次芯鞘複合流を形成し、下方にある複合流集合室10へ群状となってなって流入する。
【0025】
一方、前記分配室6内の成分Bは、分配室6と複合流集合室10の隔壁である複合板7に穿設されている通過孔8を通って芯鞘複合流を形成することなく複合流集合室10に流入する。ここで、該通過孔8から流入した成分Bは、導入孔4から流入した複数の前記芯鞘複合流の外周に充填される。
【0026】
なお、この充填成分と上記第1次複合流の鞘成分とは、共に成分Bであるために、複合流集合室10内では成分Bの中に成分Aの芯成分が点在した構造、すなわち、成分Bが海成分、成分Aが島成分となったいわゆる海島構造の第2複合流が形成され、これが紡糸吐出孔11から海島型複合繊維として紡出される。
【0027】
このように構成された本発明の紡糸口金装置においては、芯鞘複合流となって、集合室10に至る芯鞘成分ポリマー流路(管5と導入孔4)の流路抵抗と、単独に集合室10に海成分Bが導入される流路(通過孔8)の流路抵抗とを適宜設計することにより、芯鞘複合流となって、前記集合室10に供給される芯鞘成分ポリマーと単独に集合室10に供給される海成分Bとは、それぞれの供給割合で任意に調節される。
【0028】
ここで、通過孔8の孔数としては、紡糸吐出孔11のひとつの孔に対して、16孔以上であることが重要である。15孔以下の場合、島数が30島以上の多島複合繊維では、導入孔4から流入した複数の前記芯鞘複合流の外周に均一に充填することが難しくなり、結果としてt/dが0.03未満となることがある。
【0029】
なお、図4は、公知の複合繊維製造用紡糸口金の一例を示す縦断面図であり、図5は、図4におけるY−Y線矢視図である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を上げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって特に限定されるものではない。
【0031】
以下の例において、繊維の平均直径(d)と被覆厚み(t)の測定方法および複合繊維のカード通過性の評価方法は、以下の方法により行なった。
(1)複合繊維の平均直径(d)と被覆厚み(t);
複合繊維を剃刃で切断した断面の走査型電子顕微鏡(10000倍)の写真から繊維の断面積を求め、得られた断面積より平均直径を求めるとともに、被覆部分の最も薄い箇所の厚みを求め、t/dを求めた。繊維は無作為に選出した10本を観察しt/dの平均を求めた。
(2)カード通過性;
複合繊維を紡出量45kg/(m・h)、ウェブ目付約50g/m2 となるようにカード機にかけ、海割れによるネップおよび沈み綿発生状況により○、△、×の3段階評価を行なった。
【0032】
○:ネップ、沈み綿発生無し(カード通過性良好)
△:ネップ、沈み綿若干発生するが、問題なし
×:ネップ、沈み綿発生(カード通過性不良)
実施例1
成分A(島成分)に溶融粘度3000poiseのポリエチレンテレフタレート、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseのポリスチレンを用い図3のように通過孔8を複合繊維の最外周に16孔配置し、島本数36本で、図2の縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合55/45で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。
【0033】
得られた複合ステープル繊維の繊度は3.1dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.03であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿の発生はなく良好な通過性を示した。結果を表1に示す。
実施例2
成分A(島成分)に溶融粘度2100poiseのナイロン6、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseの共重合ポリスチレンを用い実施例1と同じ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合35/65で供給して紡糸し、1000m/分の引取り速度で巻き取り、繊度15.1dtexの未延伸糸を得た。
【0034】
得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は5.0dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.05であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿の発生はなく良好な通過性を示した。
比較例1
成分A(島成分)に溶融粘度3000poiseのポリエチレンテレフタレート、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseのポリスチレンを用い図5のように島本数36本で、図4の縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合55/45で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。
【0035】
得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は3.1dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.01であった。この複合、ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿が発生し、継続して加工することは不可能で、カード通過性は不良であった。
比較例2
成分A(島成分)に溶融粘度2100poiseのナイロン6、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseの共重合ポリスチレンを用い、比較例1と同じ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合35/65で供給して紡糸し、1000m/分の引取り速度で巻き取り、繊度15.1dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は、規定数を引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は5.0dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.02であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿は若干発生したが、通過性は問題なく良好であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、島成分と海成分とからなる多島複合繊維において、カード処理、ニードルパンチング処理、製織編においてもフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離することのない、工程通過性が良く、不織布および織布としても均一となる海島型多島複合繊維が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多島複合繊維の断面構造例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明による複合紡糸口金の一実施態様を示す縦断面図である。
【図3】図2におけるX−X線矢視図である。
【図4】公知の複合繊維製造用紡糸口金の一例を示す縦断面図である。
【図5】図4におけるY−Y線矢視図である。
【符号の説明】
1・・・上板
2・・・島成分ポリマーAの流入孔
3・・・海成分ポリマーBの流入孔
4・・・導入孔
5・・・管
6・・・配分室
7・・・複合板
8・・・通加孔
9・・・下板
10・・複合流集合室
11・・紡糸吐出孔
A・・・島成分ポリマー
B・・・海成分ポリマー
【発明の属する技術分野】
本発明は、島成分と海成分とからなる多島複合繊維および該多島複合繊維を得るための紡糸口金装置に関する。さらに詳しくは、製織編、カード、ニードルパンチなどの工程でフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離しがたい海島型多島複合繊維および該多島複合繊維を得るための紡糸口金装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
海成分中に多数の島成分が繊維軸方向に沿って連続的に配列している海島型複合繊維は、紡糸後に海成分を溶融除去し島成分の極細繊維測が得られる、あるいは物理的衝撃により海島繊維を分割して海成分、島成分の極細繊維束が得られるために、フィラメントや不織布、織布の構成材料として広く使用されている。特に人工皮革、人工皮革様織物などの皮革様シート素材として有用である。さらに、これに限らず新しい特性を有する有用な多くの製品作ることができ、繊維の用途をさらに広げるものである。また上記海島型複合繊維を製造するための複合紡糸用口金装置についても、これまでに数多くの提案がされている。
【0003】
例えば、複数枚の口金板を海成分が流れる隙間を形成するように積層すると共に、これら複数枚の口金板に島成分の流路を形成する複数本のパイプを貫通させた構成を有する複合紡糸用口金が開示されている(特許文献1)。
【0004】
この複合紡糸用口金は、先ず、海成分および島成分となる2成分のポリマー(A,B)を別々に流入し、いったん芯鞘複合流を形成する。その後、複数の該芯鞘複合流を集合して紡糸孔から紡出し海島型複合繊維が得られるもので、紡糸時の海成分と島成分の流れをコントロールすることにより海島型複合繊維の紡糸を安定化し、紡糸可能にする特徴を有している。しかしながら、このような紡糸口金から得られた複合繊維は、島数の増加に従い、口金中で該芯鞘複合流を形成する際に、一本の島に配される海成分量が減少するために、結果として鞘の厚みが薄くなり、特に複合繊維の最外周部で、島成分が海成分に被覆されることなく出てしまうか、被覆されていてもその海成分の厚さは非常に薄いものとなった。
【0005】
また、海成分中の島成分の配列を安定化するために、複数の該芯鞘複合流を集合する際に、該芯鞘複合流とは別に海成分のみを導入するための導入孔を独立して設けた複合紡糸口金が開示されている(特許文献2)。
【0006】
しかしながら、該特許文献2の実施例では、島数で3〜17島、独立に設けた海成分のみの導入孔で2〜12孔であり、30島以上の多島複合繊維の場合は、独立して設けた海成分のみを導入する導入孔を該芯鞘複合流の外周に持ってきたとしても、均一に海成分が外周を覆うことができず、やはり、複合繊維の最外周部で、島成分が海成分に被覆されることなく出てしまうか、被覆されていてもその海成分の厚さは非常に薄いものとなった。
【0007】
ところで、このような繊維から皮革様シートを製造する方法として、ひとつには、捲縮を持ったステープル繊維とした後これをカード処理、ニードルパンチング処理を行ない、不織布となし、その後に溶剤を用いて海成分の抽出、高分子弾性体を付与する。他方には、延伸仮よりをした長繊維を製織編し、その後、ウォーターパンチング処理等物理的な力を与え海島を分割する方法がある。
【0008】
このため、複合繊維の外周に島成分が露出している、もしくは海成分の厚みが十分にない多島複合繊維は、延伸工程、不織布化および織布化の工程で、フィブリル化や島の剥離が生じ、工程通過性、収率が著しく低下するばかりでなく得られる不織布および織布も不均一で、物理特性が著しく劣るという問題がった。具体的には、織布を製造する際に、フィブリル化や島の剥離により毛羽や断糸が起こるばかりでなく、粉体化したものが、装置に付着し、安定生産ができない。
【0009】
また、不織布を製造する際に、カード処理すると、フィブリル化や島の剥離が起き、発生したネップが詰まるために紡出量を低下しなければならなくなったり、カード装置中に蓄積して安定な紡出ができなくなる。さらに、繊維を交絡するためにニードルパンチを使用するとニードルでの損傷により島の剥離が起き繊維が交絡されにくく不織布の物理特性が上がらないといった問題が生ずる。
【0010】
【特許文献1】特公昭60−28922号公報
【0011】
【特許文献2】特公平7−56083号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述のような従来の海島型多島複合繊維がもつ問題を解決することを目的としたものであり、カード処理、ニードルパンチング処理、製織編においてもフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離することのない、工程通過性が良く、得られる不織布および織布も均一なものが得られる海島型多島複合繊維とその紡糸用口金装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の海島型多島複合繊維は次の(1)、(2)のとおりの特徴を持ったものであり、また、本発明の紡糸用口金装置は次の(3)のとおりの特徴を持ったものである。
(1)少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなる海島型多島複合繊維において島を形成する成分Aの島数が30以上で、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の最外周部において、該海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内であることを特徴とする多島複合繊維。
(2)成分Bの複合重量比が20〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の多島複合繊維。
(3)少なくとも2成分のポリマー(A,B)を別々に流入し、一旦芯鞘複合流を形成した後、該芯鞘複合流を集合して海島型多島複合繊維を得る紡糸口金装置において、繊維横断面の最外周部における海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内となるように、該芯鞘複合流が集合してなる海島型複合流の外周をさらに海成分Bで覆うために成分Bのみの流入孔を該芯鞘複合流の流入孔とは別に該芯鞘複合流の流入孔の外周に16孔以上設けたことを特徴とする島数が30以上の多島複合繊維を得るための紡糸口金装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、島成分として、特に限定はされなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸等の溶融成形可能なポリマーが挙げられる。また、それらポリマーは、酸化チタン、シリカ、酸化バリウム等の無機質、カーボンブラック、染料や顔料等の着色剤、難燃剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、あるいは紫外線吸収剤等の各種添加剤を上記物質中に含んでいてもよい。
【0015】
また、海成分としては、例えば共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリスチレンおよびその共重合体、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等の溶融成形可能で、紡糸後、溶解抽出もしくは分割可能なポリマーが挙げられる。
【0016】
複合繊維の形状としては、用途によって、長繊維状、短繊維状のいずれを選択してもよく、捲縮が付与されていても良い。
【0017】
また、本発明の複合紡糸用口金装置は、溶融紡糸用として使用できるのみならず、湿式紡糸、乾式紡糸用としても使用できる。
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の複合繊維断面構造を図1に示す。
【0019】
本発明に用いる複合繊維は、少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなり、成分A(島)を成分B(海)が被覆する海島型の断面構造を有し、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の被覆層部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内であることが重要である。t/dが0.03未満の場合には、成分Bの被覆が不十分であり、繊維の延伸処理、製織編処理、機械捲縮処理、カード開繊処理、ニードルパンチ交絡処理のいずれかの段階で多数のフィブリル化や島の剥離が起こり、工程通過性、収率の著しい低下を引き起こすので好ましくない。
【0020】
一方、t/dが0.10よりも大きい場合には、上記工程でのフィブリル化や島の剥離は起こらず安定に製造できるが、複合繊維中の成分Bの重量比率が増加するために、海成分の抽出量も増加し、生産性の面から好ましくない。
【0021】
また、複合繊維中の成分Bの複合重量比は20〜80%であることが好ましく、30〜70%であることがより好ましい。成分Bの複合重量比が20%未満の場合、複合繊維中の成分Aを被覆するための成分Bの量が不十分となり成分Aが合流し、均一な単繊度が得られないばかりか、紡糸時の製糸性も悪くなる方向である。一方、成分Bの複合重量比が80%を越える場合、最終的に抽出する海成分量が増加し、生産性の面から好ましくない方向である。
【0022】
さらに、複合繊維中の島本数は30本以上であることが重要である。島本数が30本未満では、工程通過性を考慮した複合繊度において、単繊度が小さくならず、得られる皮革様シートの緻密感、光沢感、風合いが劣る。
【0023】
次に、上記のごとき構造の海島型多島複合繊維を得るための代表的な紡糸口金装置の構造例を図2に基づいて具体的に説明する。
【0024】
図2は、図1に示す繊維断面を有する複合繊維を得るための紡糸口金装置の縦断面図である。図3は、図2のX−X矢視の横断面である。図2において成分Aは、成分Aの流入孔2より導入され、管5に流入する。成分Bは、流入孔3より導入され、分配室6を経て導入孔4に至り、ここで、前記成分Aを芯とする第1次芯鞘複合流を形成し、下方にある複合流集合室10へ群状となってなって流入する。
【0025】
一方、前記分配室6内の成分Bは、分配室6と複合流集合室10の隔壁である複合板7に穿設されている通過孔8を通って芯鞘複合流を形成することなく複合流集合室10に流入する。ここで、該通過孔8から流入した成分Bは、導入孔4から流入した複数の前記芯鞘複合流の外周に充填される。
【0026】
なお、この充填成分と上記第1次複合流の鞘成分とは、共に成分Bであるために、複合流集合室10内では成分Bの中に成分Aの芯成分が点在した構造、すなわち、成分Bが海成分、成分Aが島成分となったいわゆる海島構造の第2複合流が形成され、これが紡糸吐出孔11から海島型複合繊維として紡出される。
【0027】
このように構成された本発明の紡糸口金装置においては、芯鞘複合流となって、集合室10に至る芯鞘成分ポリマー流路(管5と導入孔4)の流路抵抗と、単独に集合室10に海成分Bが導入される流路(通過孔8)の流路抵抗とを適宜設計することにより、芯鞘複合流となって、前記集合室10に供給される芯鞘成分ポリマーと単独に集合室10に供給される海成分Bとは、それぞれの供給割合で任意に調節される。
【0028】
ここで、通過孔8の孔数としては、紡糸吐出孔11のひとつの孔に対して、16孔以上であることが重要である。15孔以下の場合、島数が30島以上の多島複合繊維では、導入孔4から流入した複数の前記芯鞘複合流の外周に均一に充填することが難しくなり、結果としてt/dが0.03未満となることがある。
【0029】
なお、図4は、公知の複合繊維製造用紡糸口金の一例を示す縦断面図であり、図5は、図4におけるY−Y線矢視図である。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を上げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって特に限定されるものではない。
【0031】
以下の例において、繊維の平均直径(d)と被覆厚み(t)の測定方法および複合繊維のカード通過性の評価方法は、以下の方法により行なった。
(1)複合繊維の平均直径(d)と被覆厚み(t);
複合繊維を剃刃で切断した断面の走査型電子顕微鏡(10000倍)の写真から繊維の断面積を求め、得られた断面積より平均直径を求めるとともに、被覆部分の最も薄い箇所の厚みを求め、t/dを求めた。繊維は無作為に選出した10本を観察しt/dの平均を求めた。
(2)カード通過性;
複合繊維を紡出量45kg/(m・h)、ウェブ目付約50g/m2 となるようにカード機にかけ、海割れによるネップおよび沈み綿発生状況により○、△、×の3段階評価を行なった。
【0032】
○:ネップ、沈み綿発生無し(カード通過性良好)
△:ネップ、沈み綿若干発生するが、問題なし
×:ネップ、沈み綿発生(カード通過性不良)
実施例1
成分A(島成分)に溶融粘度3000poiseのポリエチレンテレフタレート、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseのポリスチレンを用い図3のように通過孔8を複合繊維の最外周に16孔配置し、島本数36本で、図2の縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合55/45で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。
【0033】
得られた複合ステープル繊維の繊度は3.1dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.03であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿の発生はなく良好な通過性を示した。結果を表1に示す。
実施例2
成分A(島成分)に溶融粘度2100poiseのナイロン6、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseの共重合ポリスチレンを用い実施例1と同じ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合35/65で供給して紡糸し、1000m/分の引取り速度で巻き取り、繊度15.1dtexの未延伸糸を得た。
【0034】
得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は5.0dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.05であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿の発生はなく良好な通過性を示した。
比較例1
成分A(島成分)に溶融粘度3000poiseのポリエチレンテレフタレート、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseのポリスチレンを用い図5のように島本数36本で、図4の縦断面形状を持つ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合55/45で供給して紡糸し、1100m/分の引取り速度で巻き取り、繊度9.4dtexの未延伸糸を得た。
【0035】
得られた未延伸糸は規定数引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は3.1dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.01であった。この複合、ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿が発生し、継続して加工することは不可能で、カード通過性は不良であった。
比較例2
成分A(島成分)に溶融粘度2100poiseのナイロン6、成分B(海成分)に溶融粘度500poiseの共重合ポリスチレンを用い、比較例1と同じ口金装置を用いて紡糸温度285℃、成分A/Bの吐出割合35/65で供給して紡糸し、1000m/分の引取り速度で巻き取り、繊度15.1dtexの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸は、規定数を引き揃え、延伸倍率3.0倍で加熱延伸後、捲縮付与し、51mmの繊維長に切断した。得られた複合ステープル繊維の繊度は5.0dtex、複合ステープル繊維の平均直径(d)と成分Bの被覆最小厚み(t)の比(t/d)は、0.02であった。この複合ステープル繊維をカード機にかけで処理を行なったところ、ネップ、沈み綿は若干発生したが、通過性は問題なく良好であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、島成分と海成分とからなる多島複合繊維において、カード処理、ニードルパンチング処理、製織編においてもフィブリル化や繊維の長手方向に島が剥離することのない、工程通過性が良く、不織布および織布としても均一となる海島型多島複合繊維が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多島複合繊維の断面構造例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明による複合紡糸口金の一実施態様を示す縦断面図である。
【図3】図2におけるX−X線矢視図である。
【図4】公知の複合繊維製造用紡糸口金の一例を示す縦断面図である。
【図5】図4におけるY−Y線矢視図である。
【符号の説明】
1・・・上板
2・・・島成分ポリマーAの流入孔
3・・・海成分ポリマーBの流入孔
4・・・導入孔
5・・・管
6・・・配分室
7・・・複合板
8・・・通加孔
9・・・下板
10・・複合流集合室
11・・紡糸吐出孔
A・・・島成分ポリマー
B・・・海成分ポリマー
Claims (3)
- 少なくとも2成分のポリマー(A,B)からなる海島型多島複合繊維において島を形成する成分Aの島数が30以上で、海を形成する成分Bのみからなる繊維横断面の最外周部において、該海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内であることを特徴とする多島複合繊維。
- 成分Bの複合重量比が20〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の多島複合繊維。
- 少なくとも2成分のポリマー(A,B)を別々に流入し、一旦芯鞘複合流を形成した後、該芯鞘複合流を集合して海島型多島複合繊維を得る紡糸口金装置において、繊維横断面の最外周部における海成分Bのみからなる部分の最小厚み(t)と複合繊維平均直径(d)との比(t/d)が0.03〜0.10の範囲内となるように、該芯鞘複合流が集合してなる海島型複合流の外周をさらに海成分Bで覆うために成分Bのみの流入孔を該芯鞘複合流の流入孔とは別に該芯鞘複合流の流入孔の外周に16孔以上設けたことを特徴とする島数が30以上の多島複合繊維を得るための紡糸口金装置。
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JP2003169239A JP2005002522A (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 多島複合繊維およびその紡糸口金装置 |
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JP2015148032A (ja) * | 2014-02-07 | 2015-08-20 | Kbセーレン株式会社 | 海島型複合繊維 |
JP2018016925A (ja) * | 2016-07-30 | 2018-02-01 | Kbセーレン株式会社 | 海島型複合繊維 |
CN109112651A (zh) * | 2018-10-19 | 2019-01-01 | 江苏尚科聚合新材料有限公司 | 一种海岛复合纺丝组件及一种复合纤维 |
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- 2003-06-13 JP JP2003169239A patent/JP2005002522A/ja active Pending
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